You are on page 1of 18

間 通巻222号、2008年7月21日
発行

の  
 
 
 
 
 
 
 

 


 


週   週


・第刊
景2マ
 
 


  社 住 4 ー 気4ー 次
  崖 宅 0 ケ 、1ケ
  っ バ 号 ッ 物号ッ
  縁 ブ ( ト 価(ト
  ル 〇 レ の〇レ


  の 八 タ ど八タ
  破 年 ー っ年ー
  裂 七 ち七
  に 月 付月
  よ 一 か二
  り 四 ず一
  モ 日 の日
  ー 週 F週
  ゲ 号 R号
  ー ) B)
曽 ジ の
ゲ 我 金 姿
ゼ   融 勢
ル 純



     
     
る 黄 表
う 金 紙
貨 を に
幣 溶 あ
権 か る
力 す ス
を と リ
溶 さ ー
融 れ ク
せ た ロ
し 。 ス
め 今 (
ん 日 三
と 、 重
し 人 の
て 間 十
こ や 字
の そ )
シ の は
ン 経 、
ボ 済 欧
ル 、 州
を 環 中
掲 境 世
げ に に
る 対 於
こ し け
と て る
と 猛 錬
す 威 金
る を 術
。 振 で
週刊マーケットレター、第 号

241
︵ 年7月 日週号︶
08

21

1
曽我 純
為替レート 7月 18 日(前週) 1ヵ月前 3ヵ月前
  円ドル 106.95(106.25) 107.9 103.65
 ドルユーロ 1.5845(1.5935) 1.5535 1.5815
 ドルポンド 1.9975(1.9865) 1.9595 1.9945
 スイスフランドル 1.0225(1.0165) 1.0365 1.0175
短期金利(3ヵ月)
 日本 0.91125(0.92188) 0.92375 0.91625
 米国 2.79063(2.79063) 2.8025 2.9075
 ユーロ 4.95313(4.95938) 4.95625 4.79188
 スイス 2.78667(2.80000) 2.92083 2.84833
長期金利(10 年債)
 日本 1.570(1.590) 1.78 1.4
 米国 4.08(3.96) 4.13 3.71
 英国 5.03(4.90) 5.15 4.71
 ドイツ 4.47(4.45) 4.6 4.12
株 式
 日経平均株価 12803.70(13039.69) 14452.82 13476.45
  TOPIX 1252.43(1285.91) 1409.64 1304.06
  NY ダウ 11496.57(11100.54) 12029.06 12849.36
  S & P500 1260.68(1239.49) 1337.81 1390.33
ナスダック 2282.78(2239.08) 2429.71 2402.97
  FTSE100(英) 5376.4(5261.6) 5756.9 6056.5
  DAX(独) 6382.65(6153.30) 6728.91 6843.08
商品市況(先物)
  CRB 指数 427.17(461.43) 456.82 419.36
 原油(WTI、ドル/バレル) 128.88(145.08) 136.68 116.69
 金(ドル/トロイオンス) 957.3(959.5) 890.9 912.2

表 1: 主要マーケット指標

2
■ 景気、物価のどっち付かずのFRBの姿勢
米モーゲージ金融会社の動揺により売り込まれていた金融セクターが、ウェルズ・ファー
ゴの予想を上回る業績や原油価格の急落等を好感し、大幅に反発、NYダウは3日連続の
上げとなった。ただ、空売り規制強化策が浮上したことによる買戻しの影響が大きく、米
株式の反発は一時的なものとなろう。
4∼6月期のメリルリンチやシティグループのサブプライム関連損失は依然巨額であり、
損失処理は住宅価格の下落と鼬ごっこの様相を呈している。6月の米住宅着工件数は前月
比9・1%増の106・6万戸に回復したが、これは特殊要因により嵩上げされており、

3
これを除けば、前月比4・0%減である。特殊要因の影響がない一戸建ては前月比5・3
%減、前年比では ・0%も減少した。一戸建ての住宅許可件数は6月、さらに減少して
43
おり、住宅不況は底なし沼となり、需要の止め処がない減少は価格を一段下振れさせるだ
ろう。
住宅着工件数の前年割れは、すでに2年3ヵ月経過しているが、いまだ底が見えない状
態にあり、正常な状態に戻る時期を掴むことができない。それだけ今回の住宅バブルは大
きく、住宅不況の底は深く、期間も長いと覚悟する必要がある。過去の住宅着工件数と住
宅価格の関係をみると、両者の底はほぼ一致していることから、今回のように需要の減少
が長期化すると、同様に、価格も下落し続けることになる。価格の下落期待が払拭されな
ければ、需要は手控えられ、さらに値下がりするという悪循環が続く。価格がこれ以上下
がりそうにない水準に下落するまで需要
は上向かない。その間、住宅価格は値下が
り、 それに伴いMBSの値崩れが止まず
金融機関の不良債権が増加の一途を辿る
ことになる。 7∼9月期も間違いなく金
融機関の資産は劣化することになり、 信
用不安は振り返すだろう。
6月の米小売売上高は前年比3・0%増
加した。 自動車関連が9 ・ 5%落ち込ん
だほか、家具・家庭用品も5・4%減少し

4
たことが、伸びを抑えた。一方、原油の高
騰により、ガソリン販売は ・ 5%も増

24
加し、 これを除けば、 小売売上高は前年
を1 ・ 4%下回る。 税金の還付があった
けれども、 家計は還付金を消費にほとん
ど回さなかったのである。
日、FRBは 年以降の経済見通し

15

08
を発表した。それによれば、 年の実質

08
GDPは1 ・ 0%∼1 ・ 6% ︵2月の見
通し0・3%∼1・2%︶、失業率は5・
5%∼5 ・ 7% ︵5 ・ 5%∼5 ・ 7%︶、
CPIは3・8%∼4・2%︵3・1%∼
3・4%︶、CPIコアは2・2%∼2・
4% ︵2 ・ 2%∼2 ・ 4%︶ と予想され
ている。 実質GDPとCPIは上方修正
されたが、 失業率とCPIコアは前回か
ら変えなかった。実質GDPは 年 ∼

08 07

10
月期の水準を維持できれば、 年、0・

12
9%成長が確保できることに加えて、 1
∼3月期が1 ・ 0%伸びたことが、 上方

5
修正に繋がったのだろう。 だが、 非農業
部門雇用者は6月まで6ヵ月連続の前月
比減となるなど、 景気後退は明らかであ
り、 1%増に届かない可能性も高い。 失
業率は6月まで2ヵ月連続5 ・ 5%とな
り、これも楽観的な見通しである。バーナ
ンキFRB議長は ﹁インフレ見通しは今
までになく不透明﹂であるとしながらも、
コアは据え置いた。
6月の米CPIは前月比1 ・ 1%と大
幅に上昇し、前年比でも5・0%と 年5月以来の高い伸びとなった。原因は原油高騰に
91

伴うエネルギー価格の上昇である。エネルギーと食品を除くコア指数は前月比0・3%、
前年比2・4%と緩やかな上昇を維持している。非農業部門雇用者、単位労働コスト、設備
稼働率の動向等から判断すれば、コア指数が急激に上昇するとは考えられない。物価上昇
の元凶である原油価格は週末、バレル128ドル台へと1週間で ・2ドルも急落し、6

16
月5日以来の低い水準に戻った。米国をはじめ世界景気の悪化による需要減が、原油価格
に影響しつつある。中国はオリンピックに国の威信を懸け、経済を強引に引っ張っていっ
たが、オリンピックが終われば、緊張感も緩み、中国経済は勢いがなくなるだろう。こう
した要因に基づけば、異常な原油高はピークをつけたかもしれない。そうであれば、米国
のCPIも7月以降、急低下することになる。CPIの上昇で米債務者は助けられている

6
けれども、物価が下落することになれば、債務は膨れることになり、住宅ローンの借り手
の破綻は増加することになる。FRBは苦渋の選択を迫られているが、どちらの政策を取
るかといえば、デフレを封じ込め、景気を拡大させることが先決のように思う。
週刊マーケットレター、第 号

240
︵ 年7月 日週号︶
08

14

7
曽我 純
為替レート 7月 11 日(前週) 1ヵ月前 3ヵ月前
  円ドル 106.25(106.75) 106.95 101
 ドルユーロ 1.5935(1.5700) 1.5545 1.581
 ドルポンド 1.9865(1.9825) 1.9625 1.9715
 スイスフランドル 1.0165(1.0235) 1.032 1.0005
短期金利(3ヵ月)
 日本 0.92188(0.92875) 0.92406 0.9325
 米国 2.79063(2.78938) 2.78813 2.71313
 ユーロ 4.95938(4.95688) 4.955 4.7475
 スイス 2.80000(2.780000) 2.88333 2.81333
長期金利(10 年債)
 日本 1.590(1.640) 1.83 1.37
 米国 3.96(3.97) 4.07 3.47
 英国 4.90(4.95) 5.13 4.42
 ドイツ 4.45(4.49) 4.57 3.92
株 式
 日経平均株価 13039.69(13237.89) 14183.48 13323.73
  TOPIX 1285.91(1297.88) 1390.03 1278.62
  NY ダウ 11100.54(11288.54) 12083.77 12325.42
  S & P500 1239.49(1262.90) 1335.49 1332.83
ナスダック 2239.08(2245.38) 2394.01 2290.24
  FTSE100(英) 5261.6(5412.8) 5723.3 5895.5
  DAX(独) 6153.30(6272.21) 6650.26 6603.57
商品市況(先物)
  CRB 指数 461.43(472.36) 444.22 407.45
 原油(WTI、ドル/バレル) 145.08(145.28) 136.38 110.14
 金(ドル/トロイオンス) 959.5(931.9) 879.7 923.6

表 1: 主要マーケット指標

8
■ 米住宅バブル破裂によりモーゲージ金融会社崖っ縁
米住宅バブルの破裂がモーゲージ金融会社を揺さぶっている。この大波は米国内にとど
まらず、世界の公的、民間金融機関にも波及するだろう。まともに大波を受け、死に体状
態にあるのが と の政府支援企業である。2社の株価は週末の

14 11
Fannie Mae Freddie Mac
日、一時前日から約 %も下落した。終値は戻したものの、 Fannie Mae は昨年来高値の
50

・5% は
・5%の水準にあり、いつ破産してもおかしくない状態である。
11

Freddie Mac
と Freddie Mac
Fannie Mae の所管官庁 は連邦住宅公社監督局︵OFHEO︶であるこ
とから、緊急事態に対応することが難しく、急遽、FRBに資金供給を頼るような案も考

9
えられている。 日の議会証言で、ポールソン財務長官とバーナンキFRB議長は、FR
10
Bの権限拡大と議会が金融機関を清算する新たな手段を検討することについて言及した。
ただ、 Fannie Mae
と Freddie Mac
の総資産は1兆6461億ドル︵3月末︶に上り、米
住宅ローンの﹁ %に関与している﹂︵ポールソン財務長官︶だけに、その救済には巨額
70
の公的資金を要するだけでなく、住宅市場に及ぼす影響も計り知れない。
と Freddie Mac
Fannie Mae は金融機関からモーゲージローンを買取り、それをMBS
︵モーゲージ担保証券︶として投資家に販売するだけでなく、債券市場で資金調達し、そ
れでモーゲージを購入している。 は3月末、証券投資とモーゲージローンを
Fannie Mae
は6011億ドル、
3388億ドル、4109億ドルそれぞれ保有している。 Freddie Mac
864億ドルと証券投資の割合が高い。MBSの価格は値洗いができないほどの悲惨な状
況にあり、 取得価格を大幅に下回ってい
る一方、 モーゲージローンは返済の滞納
が生じており、不良債権が急増している。
信用不安の高まりにより、 2社の資金調
達コストも上昇しており、 まさに四面楚
歌の状態に陥っているといえる。
公的 ・ 政府支援企業発行の証券化商品
︵MBSを含む︶は3月末、7・55兆ド
ル︵FRB︶の残高があるが、米商業銀行
の9229億ドルを始め、生保・年金1兆

10
1159億ドル、ミューチュアルファンド
8966億ドル、 家計8437億ドル等
の保有に加え、 海外が1兆5408億ド
ル保有している。 そのうち公的機関が9
850億ドル、 民間が5559億ドルと
公的保有額が民間の2倍近い規模である。
年末比の伸び率では民間の1 ・ 倍に

01

67
対して、公的機関は5・ 倍と異常な拡

74
大をしただけに、証券の価格急落により、
海外公的機関は相当の痛手を負っ
ていることは間違いない。
米住宅バブルの破裂は住宅ローンの返
済不能、 MBS価格の急落等を引き起こ
し、 米国経済を戦後最大の危機に引きず
り込もうとしている。 住宅価値の大幅な
目減りにより、 家計の資産は減少する半
面、負債はそのままの状態が続き、バラン
スシートは毀損しつつある。 米モーゲー
ジ残高・可処分所得比率をみると、 年

90
代前半まではなだらかに上昇していたが、

11
その後、急上昇し、 年には100%を

01
超えたが、勢いは止らず、 年末には1

07
43 ・ 4%とモーゲージ残高は可処分所
得を大きく上回った。 このように、 過去
にないモーゲージの異常な増加は、 米国
経済が拡大していても、 返済が厳しくな
るはずだ。 まして、 景気後退下では、 可
処分所得の伸びも期待できず、 雇用環境
も厳しさを増し、 返済の滞納 ・ 不能が急
増することになる。
年1∼3月期のモーゲージの延滞率は6・ %と前年同期よりも1・ ポイント上
08

35

81
昇。なかでもサブプライムは ・ %、前年同期比8・ ポイントも上昇しており、貸
18

79

05
は1年以内に
出先金融機関の資産劣化は予想を上回っているのではないか。 Freddie Mac
返済しなければならない資金が3月末で2905億ドルある。モーゲージ返済不能等によ
り、自身の返済が覚束無いという事態に陥っているように受け取られている。
週末、米住宅金融大手のインディマックが破綻︵3月末の総資産320億ドル︶。これ
から、米銀行は不良債権の増加に伴い、ますます資金繰りが悪化、行き詰まるところが出
てくるだろう。銀行間でも信用不安が強まり、資金の流れが滞ることも考えられる。こう
した信用不安は株式市場に波及することは避けられない。コンピューターや通信技術の開
花や市場主義の行き過ぎによって、 年代半ば以降、米株式は大相場を形成したが、昨年

90

12
月でピークを打ったのではないか。過去最大の住宅デフレに直面し、米株式の下落はい
10

つ終わるとも見当もつかない混迷に陥ったようだ。
﹁人間の経済﹂、通巻 号
222

 二〇〇八年七月二一日 発行
 編集・発行 ゲゼル研究会
0021

  - 横浜市神奈川区子安通3丁目 番地 森野榮一気付
221

321
  Gesell Research Society Japan
  http://www.grsj.org/
  info@grsj.org
Gesell Research Society Japan all rights reserved
許可無く複製・再配布を禁ず
頒価1ワット
ゲゼル研究会

You might also like