人口成熟時代の都市経営by藻谷浩介

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人口成熟時代の都市経営

~ スマート・ディクラインという発想と実践 ~

2004 年 12 月 21 日

日本政策投資銀行
                  も た に
地域企画部 参事役 藻谷浩介
E-mail: komotan@dbj.go.jp
1
100

10
20
30
40
50
60
70
80
90

0
百万人
1950 (S25)
1955 (S30)
人口
1960 (S35)
1965 (S40)
一都三県
1970 (S45) 一都三県以外
1975 (S50)
1980 (S55)
1985 (S60)
1990 (H 2)
1995 (H 7)
戦後日本の人口増加

2000 (H12)

1.0
1.6
1.8
2.0
2.6

1.2
1.4
2.2
2.4

1950 (S25)
1955 (S30)
1960 (S35)
1965 (S40)
1970 (S45)
1975 (S50)
倍数 (1950=S25=1.0)

1980 (S55)
1985 (S60)
一都三県の人口

1990 (H 2)
1995 (H 7)
戦後めざましく増加した首都圏の

2000 (H12)
一都三県以外の人口

2
戦後日本の人口増加 (倍数 )
以下の分析を貫く視点:
「都市の連結キャッシュフロー」の算定
■ 単体決算ではなく連結決算        
     (市単体ではなくベッドタウンを
含んだ都市圏)
■ 最終損益ではなくキャッシュフロー    
     (人口増減ではなく転出入超過数
や就業者数)
■ 単体最終損益ではなく連結キャッシュフロー
  (市の人口増減ではなく都市圏の転出入
超過数)
3
日本の主要な大都市圏
■ 東京   人口 2,924 万人(東京特別区 +124 市町
村)
        ( 横浜、千葉、さいたまはこの中に包含されてしまう )
■ 大阪   人口 1,214 万人(大阪市 +81 市町村)
■ 名古屋  人口  528 万人(名古屋市 +67 市町村)
■ 神戸   人口 273 万人(神戸市 +9 市町)
■ 京都   人口  256 万人(京都市 +19 市町村)
■ 福岡   人口  237 万人(福岡市 +27 市町)
■ 札幌   人口 231 万人(札幌市 +9 市町村)

( 注 ) ここでの都市圏: 2000 年国勢調査による 10 %通勤通


学圏 - 中心市に通勤通学している住民の比率が高い市町村を合算 4
今なお人口流入超過の東京都市

人口自然増減率 = (出生者数-死亡者数 )÷人口
2.5%
全国主要 160都市圏の人口動態比較那覇 沖縄
2000年 4月 -2003年 3月の人口流出入と出生死亡 刈谷
2.0% 豊田 自然増加かつ
差し引き 御殿場
人口増加
社会増加
厚木 千歳 岡崎
1.5%
差し引き 四日市 福岡
人口減少 仙台 伊勢崎
太田 豊橋
1.0% 国分
鳥栖
秦野 大垣 大阪 広島 名 掛川 東京
自然増加だが 古 熊本 神戸
姫路
0.5% 社会減少 日立
舞鶴
苫小牧
京都
屋 成田 札幌
延岡 山口 松本
釧路 石巻 北九州 松阪
唐津 佐久
0.0% 下館 岩国 高知
米子
八代 自然減少だが
大川 秩父
-0.5% 室蘭 柏崎 花巻 社会増加
弘前
自然減少かつ 岩見沢 倉吉
-1.0% 社会減少 銚子 田川
宇和島
大牟田 ここでの都市圏: 中心市+ 郊外市町村(10 %通勤通学圏)
横手 大曲 資料: 国勢調査、住民基本台帳人口動態表
-1.5%
-2.0% -1.5% -1.0% -0.5% 0.0% 0.5% 1.0% 1.5%
人口社会増減率 = (転入者数-転出者数 )÷人口
ここでの都市圏:中心市 + 周辺市町村 (2000 年国勢調査に基づく 10 %通勤通学圏 )
東京都市圏: 東京特別区 + 都下の大部分・埼玉南半・千葉西半・神奈川東半・茨城西南部にまたがる 1805
先入観が事実とずれる時代
Q . 東京再一極集中が進んだ 90 年代後半、人口転出入超過
率がマイナスだった ( 人が出て行った ) 都道府県はど
れ?
 ①宮城、 ②茨城、 ③埼玉、 ④東京、 ⑤長野、 ⑥静岡、 ⑦大阪、 ⑧岡山、 ⑨高知、⑩福岡

Q . 1995-2000 年に国勢調査の就業者が増えた都市圏は?
(ここでの都市圏:中心市 + 就労者の 1 割以上が中心市まで通っている郊外市町村)
① 札幌、 ②仙台、 ③東京 ( 横浜などを含む ) 、 ④名古屋、 ⑤大阪 ( 京都、神戸含まず ) 、 ⑥広島、
⑦福岡

Q . 2000 年と 2020 年を比べて、 70 歳以上の高齢者が日


本で一番高い伸び率で増加すると予測される都道府県は
どこ?
  (総務省統計局系の財団が作成した全国市町村別人口予測に準拠しました)
  ①北海道、 ②秋田、 ③新潟、 ④埼玉、 ⑤静岡、 ⑥大阪、 ⑦島根、 ⑧高知、 ⑨鹿児島
6
減少し始めた首都圏の就業者
就業者数(85年=100) 日本の7大都市圏の就業者数
130
福岡都市圏
ここでの都市圏: 28市町村
2000 年国勢調査による 10 %通勤 札幌都市圏
125 通学圏 - 中心市に通勤通学して 10市町村 仙台都市圏
いる住民の比率が高い市町村を合 23市町村
算 名古屋都市圏
東京   人口 2,924 万人 68市町村
120      ( さいたまも含まれ
る) 東京都市圏 124市町村
大阪   人口 1,214 万人
115 名古屋  人口  528 万人
福岡   人口  237 万人
札幌   人口 231 万人 広島都市圏
110 広島   人口 177 万人 22市町村
仙台   人口  158 万人
大阪都市圏
105 82市町村

就業者数: 国勢調査の職業欄に職業ありと記入した住民の数
100
85年 90年 95年 2000年
7
退職年代の多い東京・少ない福

都市圏の年齢階層別人口構成(人口ピラミッド)
10%
福岡 東京
8%
総人口に占める割合

6%

4%
福岡の方が東京よりも
若者世代(乳幼児~大 福岡の方が東京よりも
2% 学生)の構成比が高い 高齢者予備軍(5~60
代)の構成比が低い

0%
福岡-東京
-2%
10-14歳

15-19歳

20-24歳

25-29歳

30-34歳

35-39歳

45-49歳

50-54歳

55-59歳

65-69歳

70-74歳

75-79歳

80-84歳
40-44歳

60-64歳

85歳以上
0-4歳

5-9歳

年齢階層別人口構成:2000年国勢調査より計算
都市圏: 中心市+周辺ベッドタウン(2000年国勢調査に基づく中心市の10%通勤通学圏)
8
しかし… 昔と今では人口流入超過の要因は違っている
転入も転出も減少する東京都市圏
東京都市圏への人口転出入 東京都市圏民の出生・死亡
転出入者数÷ 人口 転出入者数÷ 人口
7.2% 1.1%
資料: 住民基本台帳(住民票ベース)
7.0% 1.0%
出生
6.8% 0.9%
転入 減少する出生者と、増
6.6% 0.8% 加する死亡者とは、い
首都圏に進学 ずれは逆転することが
した団塊ジュ 確実
6.4% ニアの帰郷で 0.7%
一時的に流出 死亡
6.2% 超過に 0.6%
少子化→進学者減少で転
入者は減っているが、転 転出
6.0% 出者がそれ以上のペ ー ス 0.5%
で減少しているため流入 資料: 住民基本台帳(住民票ベース)
5.8% 超過
1998(H10)

2001(H13)
2002(H14)

1999(H11)
2000(H12)

2002(H14)
2000(H12)

1998(H10)

2001(H13)
1999(H11)

0.4%
1993 (H5)

1997 (H9)

1993 (H5)

1996 (H8)
1990 (H2)

1995 (H7)

1991 (H3)

1994 (H6)
1991 (H3)
1992 (H4)

1994 (H6)

1996 (H8)

1990 (H2)

1992 (H4)

1995 (H7)

1997 (H9)
年度 年度 9
首都圏内部に生じている勢いの

東京周辺市区町村の人口動態 (2000/4~ 2003/
3% 自然増加だが
自然増加 都筑
社会減少 戸田
宮前 川 和光 かつ社会増加
人口自然増減率 (出生-死亡)

富 口 朝霞 青葉
差し引き 士 多 さいたま 浦安
人口増加 高津 緑 (千葉 )
見摩 美浜
2% 伊 大井 (神奈川 )
差し引き 春 勢 草加 →港北 八千代 緑 (横浜 ) 伊奈 (埼玉 )
吉府
人口減少 日 原 松戸 稲城
部 藤 川 中 麻生 守谷
福生 沢 東大和
八潮 越谷
三郷 磯 江戸川
1% 子
練 国分寺
取 印西 馬 松伏 町田
手 世 中央 (千葉 )
松田 野木 足立 板橋 鳩ヶ谷 中央 (東京 )
葛 田 目 江東 社会増減率 12.4%
宮代 飾 太田 谷 黒 栗橋

0% 幸 関
杉並
鎌 中 渋谷 西 (横浜 )

手宿 嵐 庄 北 倉 野 新 品 大 文京
鳩山 小 代
藤 山 和 宿 川墨 網 中 (横浜 )
利根 川 三浦 豊 大 田 白 荒 葉山
大利根 島 磯 里 川
-1% 自然減少だが
千代田 社会増加
自然減少
台東
かつ社会減少
-3% -2% -1% 0% 1% 2% 3% 4% 5% 6% 7% 8%
人口社会増減率 (転入-転出)                
資料: 総務省「住民基本台帳人口動態表」
10
波打つ日本の人口
元禄末期にもあった人口のピーク越え→バブル崩壊
現在
千万人
日本の人口 - 過去とこれから
12
推計 江戸幕府調査 国勢調査 政府予測
人口急ブレーキ
10  →平成バブル
   戦後 50 年間で 5 千万人も増えた人口を 崩壊
( 毎年百万都市が1個以上増えた計算 ) 、スラム
8
を一つも作らずに吸収しきった奇跡。
その立役者こそ、戦後の都市開発政策。
6  逆に今後 50 年間で人口
人口増加止まる  が 3 ~ 5 千万人減る時代、
江戸前期の 敗戦→人口
4 人口大爆発  →元禄バブル 戦後型の都市開発政策で
崩壊 爆発加速
相変わらず土地とハコの
江戸時代 明治維新→再 供給を増やして行けば、
2 始まる び人口爆発始 失敗は必然。
まる
0
17 1

19 3
19 3
19 3
0
0

11 0
50

17 4
17 8
18 2
22

46

18 4

19 0
19 0
19 0
19 0
19 0
19 0
19 0
20 0
20 0
20 0
20 0
20 0
20 0
50
2

9
0
1
70
80
90

4
6
9

2
3
4
5
6
7
8
9
0
1
2
3
4
17

11
16

18

18
出生率低下よりも「親の数」減少の方が重要変

1950-60 年の出生減が招く少子化
300
人工妊娠中絶合法化
129
をきっかけとした
戦後わが国の出生者数
250 グラフ中の数字は1973年を100とした指数
112 第一次少子化
100 第一次少子化世代が
200 93 親になったことによる
87
第ニ次少子化
75 76
万人

72
150
65
58 58 55
30 年前、団塊世代の出産ラッ
100 シュで出生者は第二のピークを
迎えた!→ 当然今は 30 歳の人 90 年代、団塊ジュニアの出産
口がたいへん多く、その子供が多 で出生者数は下げ止まってい
50 く生まれている た! → 今後 20 年は、第二
次少子化世代が親となり、出
生は半減へ (第三次少子
0 化)
1961

1991
1950

1966

1983

1998
1947

1957

1973

2002
団塊世代 団塊ジュニア世代 団塊の孫世代
12
出生率低下よりも「親の数」減少の方が重要変数
1950-60 年の出生減が招く少子化
、子供を
2020 年には戦後わが国の出生者数
300

129 人工妊娠中絶合法化
250
をきっかけとした グラフ中の数字は1973年を100とした指数

生む年齢層は今より4割減 第一次少子化
112

100 第一次少子化世代が
200 93 親になったことによる

→ 生まれる子供も普通は4割減
87
第ニ次少子化
75 76
万人

72
150
65
58 58

出生率をいくら上げても
55
30 年前、団塊世代の出産ラッ
100 シュで出生者は第二のピークを
迎えた!→ 当然今は 30 歳の人 90 年代、団塊ジュニアの出産
で出生者数は下げ止まってい

団塊世代退場の穴を埋める
口がたいへん多く、その子供が多
50 く生まれている た! → 今後 20 年は、第二
次少子化世代が親となり、出
生は半減へ (第三次少子
0
ほどの数は生まれない 化)
1961

1991
1950

1966

1983

1998
1947

1957

1973

2002
団塊世代 団塊ジュニア世代 団塊の孫世代
13
東アジア全域で進む出生率低下
■ 日本        1.29 (東京都 1.00 、最低は渋谷
区の 0.76 )
■ 台湾        1.24
■ シンガポール   1.20
■ 韓国        1,17
■ 香港        0.94
■ 上海        0.7 (中国人口問題専門家よりの
聞き書き)
■ 中国全体     1.3 ~ 1.8 ( NY タイムズ記事に
あった推定値)
14
東アジア全域で進む出生率低下
■ 中国では 2020
日本        1.29年頃に
(東京都 1.00 、最低は渋谷
人口増加が止まり、
区の 0.76 )
2030 年頃
■ 台湾        1.24
から減少が始まるとも言われる
■ シンガポール   1.20
大量生産モデルは行き詰まり
■ 韓国        1,17
低所得国からの移民は中国に
■ 香港        0.94
集中するのではないか?
■ 上海       
聞き書き)
0.7 (中国人口問題専門家よりの
■ 中国全体     1.3 ~ 1.8 ( NY タイムズ記事に
あった推定値)
15
人口減少の前に来る 2020 年・日本の危

- 国立研究所による日本全体の人口の中位推計
百万人 過去20年間の人口増減 年齢別人口構成 2000(H12) 70代以上12
4 自然増減 百万人
(=出生者数-死亡者数) 2020(H32) 70代以上21
12 15-34 歳は 953 万人
3 社会増減
(=転入者数-転出者数) 減少する (28% 減 ) 16 年後の 70 歳以上
2 10 人口の比率は今の
人口増減 (国勢調査 )
北海道北端
1 * ここでの社会増減は便宜上
 人口増減-自然増減で計算
利尻島
8 なみ
自然増加水準低下
0
80-85 85-90 90-95 95-00   ( 3年後には減
少開始 ) 6
20-59 歳は 961 万人
百万人 人口増減 実績&単純予測 減少する (14% 減 )
4
150 は国立社会保障・人口問題研究所中位推計

127 127 70 歳以上は 1,166 万


124 124 2
117 118
109
人も増加する (78%
100 101 増)
2000→ 2020 年では
総人口はまだほとん
し ! 0
20-24歳

65-69歳

80-84歳
10-14歳
15-19歳

25-29歳
30-34歳
35-39歳
40-44歳
45-49歳
50-54歳
55-59歳
60-64歳

70-74歳
75-79歳
しか

85歳以上
0-4歳
5-9歳

50 ど減らない

0 2020年は国立社会保障・人口問題研究所中位推計
19801990 200020102020 20302040 2050 16
人口減少の前に来る 2020 年・日本の危

- 国立研究所による日本全体の人口の中位推計
百万人 過去20年間の人口増減 年齢別人口構成 !!!
少子化と高齢化は別問題 2000(H12) 70代以上12
4 自然増減 百万人
2020(H32) 70代以上21

高齢化問題とは、早い話が
(=出生者数-死亡者数)
12 15-34 歳は 953 万人
3 社会増減
(=転入者数-転出者数) 減少する (28% 減 ) 16 年後の 70 歳以上
2 10 人口の比率は今の
人口増減 (国勢調査 )
北海道北端

今の 70 代に比べて 50 代の人数
1

0
* ここでの社会増減は便宜上
 人口増減-自然増減で計算

自然増加水準低下
8
利尻島
なみ

80-85 85-90 90-95 95-00   ( 3年後には減

が非常に多いということ。
人口増減 実績&単純予測
百万人
少開始 ) 6
20-59 歳は 961 万人
減少する (14% 減 )
4
150
今から子供を増やしても 2020 年
は国立社会保障・人口問題研究所中位推計

127 127 124


70 歳以上は 1,166 万
124 2
にはまだ 15 歳以下なのです
117 118
109
人も増加する (78%
100 101 増)
2000→ 2020 年では
総人口はまだほとん
し ! 0
20-24歳

65-69歳

80-84歳
10-14歳
15-19歳

25-29歳
30-34歳
35-39歳
40-44歳
45-49歳
50-54歳
55-59歳
60-64歳

70-74歳
75-79歳
しか

85歳以上
0-4歳
5-9歳

50 ど減らない

0 2020年は国立社会保障・人口問題研究所中位推計
19801990 200020102020 20302040 2050 17
大都市圏ほど高齢者が増える
70代以上人口の比率 (2020年 )
26% 高
高齢化の水準と加速度
山口
齢 秋田 高知
(2000→2020年 )
24% 化 島根 富山
の 愛媛
北海道    
水 山形 徳島
22% 準 鹿児島 長野 福井
広島 静岡京都
全国 奈良
が 佐賀 福島 山梨 茨城 大阪 千葉
20% 高 栃木
群馬
福岡 兵庫
東京都市圏
埼玉
い 宮城 東京 神奈川
愛知
18% ( 参考-2000年) 島根
- 最も高齢化した県の現状 滋賀
高齢化の加速度大きい
16% 沖縄 → 医療福祉負担の増分大きい

14%

12% ( 参考-2000年) 全国
資料: (財)統計情報研究開発センターによるコーホート予測
10%(参考-2000年)東京都市圏

8% ( 参考-2000年) 埼玉
- 最も高齢化していない県の現状

1.0 1.2 1.4 1.6 1.8 2.0 2.2 2.4 2.6


70代以上人口の増加率 (2000→ 2020年 )   (倍率) 18
深刻に高齢化する東京大都市圏
 ( 90 年代後半の転出入のトレンドが続くと仮定したコーホート予測)
東京大都市圏: 東京特別区 + 都下の大部分・埼玉南半・千葉西半・神奈川東半・茨城西南部にまたがる
124 市町村
万人 過去15年間の人口増減 年齢別人口構成 2000(H12) 70代以上9%
30 85-00は1年当たりに換算 百万人
20-59 歳は 153 万人 2020(H32) 70代以上19
自然増減 3
(=出生者数-死亡者数) 減少する (9% 減 )
20 16 年後の 70 歳以上人
社会増減
(=転入者数-転出者数) 口の比率は、今の北海
人口増減 (国勢調査)

10
北端・礼 文島なみ!
* 85-00の社会増減は人口増減 2
 -自然増減で計算 (実態を反映 )
0
85-90 90-95 95-00 2001 自然増加水準低
下社会増加再加

百万人 人口増減 実績&単純予測 引き続き全国か
1
は (財 )統計情報開発研究センターによる予測
(90 年代後半トレンドが継続するものと仮定 ) ら若者を集めた
としても、 15-
30 29.9 30.3 30.6 30.6 30.6 30.7 34 歳は 250 万人
28.4 29.2 70 歳以上は 319 万人
も減少する (28% も増加 (121% 増! )
20 仮に人口流入が続いた 減)
0
10-14歳
15-19歳
20-24歳
25-29歳

65-69歳
70-74歳
75-79歳
80-84歳
30-34歳
35-39歳
40-44歳
45-49歳
50-54歳
55-59歳
60-64歳
としても、死亡者の増

85歳以上
0-4歳
5-9歳

加で人口は伸びどまっ
10 ていく

0 2020年は(財)統計情報開発研究センターによる単純予測値
1995 2000 2005 2010 2015 2020 2025 2030 19
既に減少著しい首都圏の若者
これから減少する首都圏 20 ・
30 代
東京都市圏の年齢階層別人口-実数 東京都市圏の年齢階層別人口-予測
万人 万人
資料: 国勢調査 資料:( 財) 統計情報研究開発センター予測

1,000 1,000 60歳以上


20-39歳
900 900

800 40-59歳 800 40-59歳

700 700
0-19歳
20-39歳
600 600

500 500
0-19歳
400 60歳以上 400

300 300

200 200
1980 1985 1990 1995 2000 2000 2005 2010 2015 2020 2025 2030
20
理由のあったバブル期住宅ブーム
- 親から不動産を相続できなかった団塊の世代の住宅取得が地価高騰の原因

万人 日本人の年 齢別人口( バブル期と 最近期)


250
1990 (35-44歳人口1970万人)

200 2000 (35-44歳人口1590万人)

150

100

50

100
15

25

35

45

55

65

75

85

95
10

20

30

40

50

60

70

80

90
5
0

バブル期には、親より2倍近く人数 年齢 35-44 歳はこの 10 年間で2割減


の多い団塊の世代が 35-44 歳で、大 少
団塊ジュニアは親より人数が少な
都市周辺を中心に旺盛に住宅を買っ
く多くが不動産を相続できる立場 21
ていた
子育て世代減少が住宅投資減少に直結
新設住宅着工・GDP・人口の関係 新設住宅着工・GDP・人口の関係
指数 (1991=H3=100) 指数 (1991=H3=100)
115 120
日本の GDP 新設住宅
110 (実質 ) 115 着工面積
105 日本の GDP
110
(実質 )
100
日本の
105
30-49歳
95 人口
100
90
新設住宅
着工戸数 95 日本の
85 30-49歳
人口
1998 (H10)

2000 (H12)

1998 (H10)

2000 (H12)
80 90
1994 (H 6)

1996 (H 8)

1990 (H 2)

1992 (H 4)

1994 (H 6)

1996 (H 8)
1990 (H 2)

1992 (H 4)

22
デフレではなく商業床の過剰①
– 「いい品をどんどん安く!」が経済を成長させた幸せな時代の成功体験 –

昔々の日本:商業施設が少なすぎ、既存商店の坪
効率は高いが、坪効率 × 床面積= 上は増えない状

商   ( 大型店規制や寡占に甘えた商売が成長を阻
業 害)
床 坪効率低下による売上減
(

Pの よりも、床面積増加によ

)

る売上増加の方が大きい
効 ( 価格弾性値> 1)

いわゆる
需要曲線
商業施設が増 えると
坪効率は下がるが売上は増える
0

商業床の供給量 ( Q ) 23
デフレではなく商業床の過剰②
– 価格弾力性<1の状況下で新規店舗増設を続ければどうなるか –

今の日本:商業施設が増えすぎ、坪効率が下がり
すぎて、坪効率 × 床面積= 上までもが減っていく
状態

業 ( 郊外乱開発→経済音痴の過当競争が逆に成長を
床面積と坪効率
床 阻害 )
のバランスで、
値下げによる売上減の方が、販売量
Pの 売上が最大化し 増加による売上増よりも大きい
坪 ていた ( 価格弾力性< 1)


行政の郊外乱開発にフ
リーライドして商店が いわゆる
増加 需要曲線
0

商業床の供給量 24
過剰床が招く売上減→雇用減
乱開発が招いた「消費不況」 首都圏でも同様の傾向
過剰床→坪効率低下→販売額減→雇用減 過剰床→坪効率低下→販売額減→雇用減
130 130 東京都市圏
全国合計 小売売場面積
(5都県180市区町村)
小売
指数 (1991=H3=100)

指数 (1991=H3=100)
120 120
従業者数 小売売場面積 小売
従業者数
110 110
課税対象
国民総所得 所得額
100 小売 (名目値 ) 100
販売額 小売
販売額
90 90

80 小売販売額 ÷小売 80 小売販売額 ÷小売


売場面積 (坪効率 ) 売場面積 (坪効率 )

1999 (H11)
2002 (H14)

2002 (H14)
1999 (H11)

1988 (S63)
1988 (S63)

70 70
1991 (H 3)

1991 (H 3)
1994 (H 6)

1997 (H 9)

1994 (H 6)

1997 (H 9)
25
急速に高齢化する首都圏各自治

70代以上人口の比率 (2020年 )
35% 高齢化の水準と加速度
鳩山 利根
三芳

30% 栄 (横浜 )
酒々井

橋 多摩 (市 ) 沼南 白井
25% 鷲宮 三郷

春日部 鶴ヶ島
八潮 牛久
20% 越谷 伊奈
江 稲城
東 江戸川 吉川
草加 浦安
青葉 守谷
15%
高津
中原 港北 宮前 大井
中央 (東京 ) 緑 (千葉 )

10% 資料: ( 財 ) 統計情報研究開発センターによるコーホート法予測 都築

1.0 1.5 2.0 2.5 3.0 3.5 4.0 4.5 5.0 5.5
70代以上人口の増加率 (倍・ 2000→ 2020年 )
26
福祉医療が置き去りの首都圏①
20%
老人福祉施設定員の水準
2020年の東京都市圏
全国の主要 160都市圏・ 2000年
の70 歳以上人口比率
70歳以上人口÷都市圏総人口

宇和島 横手 飯田 柏
18% 大牟田 大曲
会津 福知山 崎 倉吉
2020年のさいたま市 鶴岡 津山
の70 歳以上人口比率 若松 佐久 川内 酒
米沢 田 一関
16% 上越
舞鶴 室 飯塚
古川 蘭
福島
14% 石巻
栃木 旭川 秋田
掛川 彦根 佐世保
12% 全国平均
西尾 京都
八戸 本庄
沼津 豊橋
神戸 北九州
10% 東京 岡崎 富
札幌
士 仙 福岡 広島
名 台 沖縄
秦野 古
8% 刈谷 屋 千歳

国 那覇 (資料) 定員: (財)長寿社会開発センター
平      人口:   2000年国勢調査
豊田 厚木 大阪 均      都市圏: 2000年国調10%通勤通学圏
6%
20 30 40 50 60 70 80 90
都市圏人口当たり 老人保健施設+特定養護老人ホーム定員 (人/万人27
)
福祉医療が置き去りの首都圏②
350
高知
病床数と医師数の水準 大牟田
都市圏人口当たり病床数 (床/万人)

全国の主要 160都市圏・ 2000年


300 鹿屋 全
国 佐 長崎 宇部
国分 平 世 鹿児島
田川 均 函 保 新居浜 久留米
250 青梅 館 大分 熊本徳島
都城 飯塚
鳥栖 松 旭川
札幌 山
佐賀
花巻
200 福岡 岡山 米子
五所川原 津
広島 和歌山
秦 前橋 つくば 出雲
野 京都
150 全国平均
仙台
沼津 神戸 松本 小山
鹿嶋 浜 大
名古屋 松 阪
100
豊田 東京 (資料) 病床数・医師数: 厚生労働省統計情報部
館林      人口:   2000年国勢調査
西尾 刈谷      都市圏: 2000年国調10%通勤通学圏
50
10 15 20 25 30 35
都市圏人口当たり医師数 (人/万人) 28
悪化必至の首都圏自治体財政
30%
市町村の財政力指数と高齢化水準
70歳以上人口比率 (2000年国勢調査)

急速な高齢化で、東 全国の市町 全国の市町村


25% 京都市圏市町村の 村相乗平均 うち東京都市圏 124 市町村
財政力も急速に悪
化する懸念が大き ここでの東京都市圏: 2000年国勢調査
い に基づく 東京特別区の 10%通勤通学圏
2020年の全国における
予測比率 (=21.4%)
20%
2020年の東京都市圏
での予測比率 (=19.0%)
東京都市圏の
市町村相乗平均

15%
Y =0.248 e ^-1.1
2000年の全国における X
比率 (=11.7%) R^2=0.60
10% 2000年の東京都市圏に
おける比率 (=9.0%)

5%
0.0 0.2 0.4 0.6 0.8 1.0 1.2 1.4
財政力指数 (2001年度決算) 29
首都圏高齢化問題を考える際
に避けるべき3つの「バカの
壁」
壁 1. 若者の流入が問題を解決ないし緩和する
 出生率 1.00 の首都圏では、従来ペースの流入では今後の若者減少は埋めきれ

  加えて地方圏の少子化 ( 団塊ジュニアの絶対数が少ない ) が若者のベース


を減らす
   → 人口増加時代の発想はまったく通用しなくなることを自覚せねばな
らない

壁 2. オフィスワーカー増・面積増が需要を支え

 オフィス需要はワーカー数や面積には関係なく、「賃料」 ( 金額 ) で計算さ
れる
  → 床面積が過剰に供給されれば、それだけで単価低下→需要減少が起き

   → しかも床の過剰供給の種は、過剰容積率という形で既に蒔かれてい 30
過去 30 年にわたる少子化の避けられない帰結
構造的な土地デフレ
■ もう増えない住宅需要
  小子化で、もはや計算上はどちらかの親から持家が来る時代に

■ これから下がる一方のオフィス需要
  団塊の世代と団塊 ジュニアの両方が働く今、 オフィス人口は史上最高
   団塊の世代の退職で、今後の オフィス需要はどうしても減っていく

■ なのにこれから増える「土地供給」「床供給」
   これから親と同居していない世代の土地相続が増える → 売地が増え

    →土地がまとまるようになり中高層開発が進む → 床供給量が増え

■ 不可避な土地デフレ→土地本位制崩壊
  土地も コメと同じになる → 供給し過ぎたら値段は下がるのが当たり前
31
地価はどうやって決まるのか
日本古来の ( 世界共通の ) 原則:収益還元法

値段=使用収益 + 保有収
益 賃料収入 値上り益
地 = ( 今後の見込み ) +
- 値下り損
価 マイナ
ス ( 今後の見込み )
上物関係投資

バブル期には無視されていた バブル期には非常に大きく、
今は床の供給過剰 で年々 低下 地価はこれだけで決まった
建物取り壊し・改修・新築費 超長期的な賃料収入見通
用が大きければ逆にマイナ しと、短期の投機需要で上
32
小手先の策では
避けられない土地デフレ
× 容積率緩和で地価を維持せよ
  東京を含め、容積率はまだほとんど有 効 利用されていない (東京で 5
割)
   → 実需の裏打ちのない供給拡大 (= 容積率引上 ) は、後の暴落の種を

× 金融の量的緩和→調整インフレで地価上昇
  インフレ下での地価上昇は 、一時起きるだろうが IT株 バブルのようなも

    ( 賃料 / ) が上がらない限り、いつかは下落 ( ババ
き)
    → それを見越して 、最初から外貨預金にお金を回す向きも多いはず

× 少子高齢化対策で外国人労働者を増やせ 33
戦後ニッポンの常識だった
土地本位制の終焉
× 旧常識1:空地は資源 → 空地はいつまでも空

  生産年齢 人口がどんどん増 える時代には、空地はいずれ埋まっていくものだった
   しかし生産年齢 人口が年々 減少する今後、既 開発 地は年々 供給過剰 になっていく
    住宅地 、オフィス用地 、工場用地 、商業地 … 自然体ではいずれも空地だらけ

× 旧常識2:土地は投資先 → 土地は含み損の塊
  生産年齢 人口がどんどん増 える時代には、土地は需要超過の有効 な投資先だった
   しかし生産年齢 人口が年々 減少する今後、需給バランスは年々 崩れ続 ける
    → これまで地価が上昇したのと同じ原理で 、地価は長期的に 0になって

× 旧常識3:規制緩和万能 → 規制強化で地価防34
戦後ニッポンの常識だった
地域の暮らし方の寿命到来
■今のままでは老人が低密度に郊外分散する
  郊外に散らばる空家の群の中にぽつぽつ老人世帯がある、という地域に

   広域に散らばった後期高齢者の面倒を本当に見切れるのか?
    財政制約の下で、今の分散型の諸 インフラを更新し続けて行けるの

■ 安易な郊外開発が、あなたの老後を脅かす
  日本全体で人口が減る時代、わが町でだけ人口が増えるということはも

   しかし今後団塊の世代の相続が増えると、まだまだ開発可能地が増え

    その結果、需要なき土地供給が増え、土地 デフレに拍車がかかる
     → 固定資産税収減少、 インフラ維持 コスト増大で、自治体財政は 35
第二次大戦の愚を繰り返す日本
帰納 ( 実情報のフィードバック ) ができない結果の惰性的失

1905 1941 1945
日本海海戦勝利 戦艦大 真珠湾攻撃成功 戦艦武蔵 敗戦
和建造 建造開始
( 大艦巨砲主義 ( 大艦巨砲主義 日本海軍
開始
の一つの到達 時代の終わり ( 貴重な鉄 全艦壊滅
点) を身をもって と人材の、
示す ) 時代遅れ
分野への
投入 )
60 年 90 年代 2000 年

高度成長到来 頂点と 生産年齢人口減少 「都市再 代 ・
2003
しての アジア中枢機能が 生 」 と 称 す 2006 ・ 2010
( モノ大量生産 る 過剰床 年問題 など
バブル 東京から流出
技術の研鑽・終 供給
経済 モノ量産は中国が 輸出依存の の連鎖 (?)
身雇用制・巨大
都市東京への資 世界の主役に 量産継続・ 東京の凋落 (?)
源集中・内需拡 所得黒字・サービ 旧来型内需
大) ス赤字が拡大 刺激策継続 内需の長期的
36
低容積・高建蔽率が賑わいを生む①
栄え行く?トヨタ系城下町・刈谷と、衰え行く?造船の町・佐世

人口社会増減率 = (転入者数-転出者数 )÷人口
5%

4%
全国主要 160都市圏の成長力比較雇用は増加
人口も流入
神戸 国分
(震災後の反動 )
1995-2000年の人口流出入と雇用増減
伊勢崎
福岡
3% 雇用は減少したが
札幌 鳥栖 掛川
人口は流入 札幌 刈谷
山口 松本
2% 高知 佐 本 盛岡
久 庄 松山 仙台
上田 東京 浜松 岡崎
小山
1% 名古屋 豊田
新潟 成田
田辺 京都 熊本
福知山 沖縄
鹿児島
0% 岡山 金沢 高山
雇用は減少 上越 北九州
長 広島 御殿場 那覇
-1% 人口も流出 倉吉
大阪 野
岩国 静岡 栃木 雇用は増加したが
大牟田 佐世保 人口は流出
-2% 秩父
周南
八代 長崎 ここでの都市圏: 中心市+郊外市町村(10%通勤通学圏)
日立 資料: 国勢調査、住民基本台帳人口動態表
-3% 唐津

-7% -6% -5% -4% -3% -2% -1% 0% 1% 2% 3% 4% 5%


全産業就業者増減率 = 国勢調査で「職業あり」と回答した人の数の増減 ÷人
37
低容積・高建蔽率が賑わいを生む②
財政力指数 1.36 、愛知県刈谷市 ( 商圏人口 28 万人 ) の中心街の
消滅
商店も建物も
なく空地だら 日曜朝 10 時
けの駅前通り 半、唯一残った
(15 分おきの アーケード街
快速で名古屋 に人影なし
へ 17 分、毎時 ( 正面は昭和 35
上下 24 本の 年竣工の防災
電車が来ると 街区 )
いうのに …! )

大型店跡地は商業者の夢 工場労働者に満ち満ちた町
= 無料平面駐車場になっ なのに、飲み屋街らしきも
たが肝心の商店がもはや のはこの一角くらいしかな
存在 せず、車庫と化し い ???
ている

3 ~ 40 年代には市内随一の
アーケード街だった刈谷銀座
商店街に、次々と未舗装の空
地が発生 38
低容積・高建蔽率が賑わいを生む③
主産業軒並み不振の佐世保 ( 商圏人口 32 万人 ) の中心商店街の
雑踏
1階が切れ目なくつな
がり、人が雑踏を消費
しに集まる、 7 ブロッ
ク・全長 1km のアー
ケード
商店街の休日歩行者数
が H12-14 の2年間で
25% も増加し、空店舗
は2つまで減少

20 分おきに
高速バスが
出ている福
岡とは厳し
く競争
郊外 6km 先
のジャ
(2 万
8 千㎡・無料
駐車場
2,500 台 )
商店街に 8 階建の昔ながら 商店街に隣接する飲屋街
のジャスコ ( 駐車場な は土曜日深夜でも元気!
39
し ) が健在
なぜ佐世保の商店街は栄えているのか?
佐世保パラドックスとは!?
■不景気の極みなのに空店舗がほとんどない
 これだけ長く不景気が続けば、空き店舗が 2割くらいあってもおかしくない
  ところが バブル期には無数にあった空店舗が、最近 10 年間年々減ってい

   → それは、大地主が家賃を柔軟に上下させ、新規参入を誘っているか
ら!

■ 郊外や福岡との激烈な競争に負けていない
  郊外に 2 万 8 千㎡の SC を持つジャスコが 、 市街地の老朽店 舗 も閉めていな

  福岡行きの高速バスが 20 分に 1 本も出ているのに、市街地にも多数 若者がいる


   休日の歩行者数は 3 万 2 千人と、 H12 14 の2年間に 25% も増加した
 → それは、商圏人口 32 万人の1割=ニッチ市場を、グリップできているから!

 新規大型店投資がないのに、個店中心に集客
40
 核施設(佐世保玉屋と佐世保共済病院)は真ん中にあるのに、端まで人が歩
所得水準と小売販売水準の相違
都市圏人口当たりの課税対象所得額 (万円/人)

200
横浜
所得水準と小売販売額
豊田 東京 全国の主要 185都市圏
さいたま 刈谷
180 茅ヶ崎 厚木
八王子 相模原
秦野 名古屋
奈良 千葉 神戸 草津
川越 つくば
160 広島 金沢
大阪 京都 諏訪
東松山 成田
仙台 松本 高松
140 所得水準が2倍 福岡 高山
近い刈谷よ 日立 札幌 帯広
り、なぜ佐世 鳥栖
保が 賑わうの 下館 苫小牧
か? 釧路 北見
120 北九州
函館 旭川
秩父
小樽
大川 佐世保 岩見沢
100 延岡
那覇 大
田川 牟 (資料) 小売販売額: 1999年 商業統計 / 人口:住民基本台帳
田      課税対象所得額: 2001年 日本マーケティング教育センター
80 沖縄 五所川原      都市圏: 2000年国調10%通勤通学圏

70 80 90 100 110 120 130 140 150 160


都市圏人口当たりの小売商業販売額 (万円/人) 41
所得水準と坪効率との相違
都市圏人口当たりの課税対象所得額 (万円/人)

200
所得水準と小売坪効率 豊田
全国の主要 185都市圏 茅ヶ崎 横浜 東
刈谷 さいた
厚木 京
所得が高いのに 相模原 ま
175 秦野 名古
岡崎
坪効率が非常に 奈良 屋 御殿 平塚 八王子
草津
低い町々がある
諏 西尾 大津 広 千葉 場 青梅
桑名 神戸
訪 豊橋 島 沼津
鈴鹿 浜松 大阪
魚津 京都
150 全国平均
東広島 仙台
福岡
丸亀
鳥栖 札幌
松阪
125 佐野
新居浜
北九州 全
国 佐世保
100 平

(資料) 小売指標: 2002年 商業統計 / 人口:住民基本台帳


     課税対象所得額: 2001年 日本マーケティング教育センター
     都市圏: 2000年国調10%通勤通学圏
75
50 60 70 80 90 100 110 120 130
小売商業坪効率 (万円/㎡) 42
商業床の過剰が坪効率を落とす
130 東京
八 横浜 全

諫早
小田原 平
国 小売売場面積と坪効率
120 子 大阪 均 全国の主要 185都市圏・ 2002年
青梅 平塚 京都 札
小売商業坪効率 (万円/㎡)


神戸 沼御 中 名古屋
110 さいたま 千歳 津殿 津
場 仙川 福岡 帯広
相模原 豊田 長崎
川越 佐 台 半田
100 茅ヶ崎 千葉 世 つくば 成田
草津
保 全国平均
奈良 秦野 和 大 富 広島 函館
金 高山
90 木更津 歌 津 士 北九州 旭川 沢 高松 人口当り床面積
松 北見
が増えるほど、
東 山 本 山 伊勢崎 坪効率は落ちる
那覇 松 刈谷
呉 形
80 山 飯 山口 大
銚子 倉敷 田 佐田 諏訪
日立 延岡 唐 久
米沢 原
識者の観察では、下 秩 伊勢 小樽
70 父 津 都 国分 横手
人口当たり小売売場面積は田川 館 城 佐野 魚
1㎡ / 人が飽和水準。 八代 大牟田 桑 鶴 津川 東広島 丸
名 岡 鹿 新 鳥栖
60 (資料 ) 商業指標: 商業統計 内 居 亀
これを超えると坪単価は 沖縄 屋 松
     人口: 住民基本台帳 浜 阪
どんどんデフレする
     都市圏: 2000年国調10%通勤通学圏 大川
50
0.8 0.9 1.0 1.1 1.2 1.3 1.4 1.5 1.6 1.7
都市圏人口当たりの小売売場面積 (㎡/人) 43
完全に過当競争状態の大型店
20-69歳人口当たりの乗用車・軽自動車台数 (台/人)

1.3
自家用車普及水準と大型店売場面積水準
全国の主要 185都市圏
1.2
飯田 伊那 佐久
福 津山 都 (小諸含む)
城 上田
1.1 下 西 知 鹿屋 倉吉
館 尾 鹿掛 山 諏訪
中津川 伊勢崎 松本 松阪
嶋川 長浜
秩父 全 古川
1.0 諫早 高山 国 刈谷と佐世保 山口 横手
唐 平 の自動車保有 北上 丸亀
津 均 水準はほぼ同 四日市 帯広
北 五所川原
0.9 富

木更津 じ!
刈谷 金沢 見
岩国 佐世保 熊本 桑名 鳥栖
鹿児島 盛岡 秋田 釧路 大牟田
0.8 松山 名古屋 北九州
那覇 岩見沢 室蘭 草津
全国平均
呉 長崎 小田原 仙台 旭川
0.7 秦野 広島 人口当たり大型店売場
平塚 川越 奈良 福岡 札幌 面積が 0.6 ㎡ / 人を超える
0.6 茅ヶ崎 さいたま と潰し合いが始まる
小樽
相模原
京都
神戸
八王子 大阪 横浜 (資料) 大型店売場面積: 2003年 東洋経済新報社調べ
0.5      車登録台数:2001年 国交省 / 人口: 2000年 国勢
東京      都市圏: 2000年国調10%通勤通学圏

0.4 0.5 0.6 0.7 0.8 0.9 1.0 1.1 1.2


都市圏人口当たりの大型店売場面積 (㎡/人) 44
空洞化するまちの共通点
 市全体の人口は増えないのに、      
    無計画な郊外開発が 360° で展開さ
れる
 皆が「まち = 商店街」と思っている ( 住居、業務、
医療福祉、教育といった他の機能のことは眼中に
ない )
 市街地の地権者は、「景気回復」や「街路拡
幅」を 待って、空地や空店舗を空いたまま
にしている
 まちの「中身」ではなく、「足」の話 ( 道路拡幅
や駐車場整備 …)ばかりが問題にされる 45
各地の破綻事例から抽出した
再開発ビル計画行き詰まりの要

核店舗 償却前 仮に土地代が0 市の負担
入居せず 赤字 であっても赤字 数百億円

 需要の実態からみて過剰な容積率のフル利用
 投資回収不可能な地価をハコ収支に転嫁
 中身が確定する前のハコ設計・建設先行
 実需を超えた過剰台数の立体駐車場建設
 経済合理性なき自己過信に満ちた地権者集団
 とにかく建設需要を作り出したい政治
46
生きている中心市街地の共通

~ 賑わう町に必ず観察されるまちなかの3要

~「まちなか」の3要素~
■「住む人」と「来る人」の共生
雑踏の中で、人々が場と時間を共有

■「器」の上への「変転」ある「雑居」
まちという器の上に、諸機能 ・諸事業 ・諸人が、入れ替わり
つつ雑居

■文化・気風・ブランド
統制者不在にもかかわらず、競争と自由の中から醸成され
る、そのまち独自の文化 ・気風そして魅力

ご関係の中心市街地各所は「まちなか」でしょうか?
47
戦後ニッポンの常識が逆転する
人口減少時代のまちづくり
■ 需要の裏打ちのない「高度利用」は中高年の幻

  中高層の建築物への需要は今や マンションくらいしかない (× 商業施設 )
   しかし今後団塊の世代の相続が増えると、特に地方で開発可能地が増え

    そこで高度利用をすると、床が過剰供給になり、土地 デフレに拍車がか

     (容積率緩和の大合唱は 、土地神話を復活させたい向きの自滅の マー
チ)

 土地利用方策の抜本的な見直しが必要
  供給を 増 やせば 増 やすほど値段が下がる ( 経済的に当たり前 ) 時代に

   税収増 を狙った都計 区 域 増 加 ・容積率引上は、自分の首を絞める禁じ手


48
まちは「花」

「根」 = 家
「葉」 = 企業の事業所
「茎」 = 病院・学校・役所・集
会所
「花」
 = お店
根・葉・茎なくして花咲かず! ( 造花しかできな
い)
公共 ( 茎 ) と商業 ( 花 ) だけの「切花」は、はか
ない
49

Smart Decline( 賢い縮小 ) の
■提唱
要素① 郊外の再編集 ( 拠点集中 + 再田園化 )
  郊外地では 、駅前などの拠点への人口諸機能再集中と 、外延部の再田園化を
進める
   → 中途半端な郊外開発地を 、長期的に山や海や田んぼに戻していくこと
が必要
    バブル期の地価想定で行った土地開発は 、地権者が損切りする以外に道

     遠郊外戸建地区は、農地規制緩和で、田畑付の豪邸街に変えていくの
が一番

 要素② 容積率削減→都心空間の原則中層化
  高層 マンションは 、著しく低い修繕積立と共益費の下 、将来的に スラム化が必

   → 高層化ではなく 、建蔽率 フル利用で周囲と連担した中層化こそが先進
国の道 50
高層オフィス街のダウンタウン vs 中層住商混在のイーストビレッジ
NYにおける都市再生の明暗
10 年前にはこういう テロ 以来 オフィ
荒廃住宅だけが並ん スの撤退が加速
でいた、イーストビ するダウンタウ
レッジ・アルファベッ ン地区
ト地区 空きオフィスを
アパートに改造
固定資産税滞 する工事が、市
納により不動 の助成もあって
産を没収した 大々的に進行し
市から $1 で払 ている
い下げを受け
しかし店も少な
た NPO と企業
く人通りも少な
の共同体が、建
く、陽はささず
物を改修し、コ
暮らしにくい高
ミュニテイを
層オフィス街の
再建すること
家は入居不振で、
で中高級住宅
土日は町に人影
地として再生
がない状態
治安改善で 、 1
階の商業機能が
復活
アメニティが高
いので家賃が上
昇しいまやミッ
ドタウンの高層
アパートよりも
高級に 51
高容積の東雲キャナルコート vs 中層住商混在の幕張ベイタウン
首都湾岸における新規開発の違
い 都市再生の旗印の 著名都市プラン
ナー蓑原敬氏が、千
下、著しい容積率規
制緩和がなされた江 葉県企業庁所有地
東区東雲地区に、都市 でプロデュースし
公団が最後の大規模 た、中容積の住宅商
開発「東雲キャナル 業混在型開発・幕
コート」を施工 張ベイタウン
隈健吾プロ 集合住宅の1階部
デュースのデザ 分には、スーパー、
イナーズ賃貸住 ドラッグから、服
宅は、 20 倍以上 飾、飲食店、 NPO ま
の競争率で埋 で、様々な店が入居
まったが、1階部 している
分に作られた無 各棟住民は中庭を共
機的一律なデザ 同管理することでコ
インの商業床に ミュニティを形成中
は、誰一人入居が
ない
いかにも日本の
建築家が好きそ
うなわざと階段
を使ったデザイ
ンは、もし将来
治安が 悪 化した
時にはとても歩
けない、多数の
52
死角を生んでい
世代交代が行われる住環境の実

■ 都市人口構造高齢化の帰結:スラムの形成
  人口成熟→賃料低下→建物資産更新不全→荒廃地区発生は、大都市共通の


   そこに社会階層の分化が加わると、資産荒廃地区が スラムに変化してし

    数百mごとに地区の様相が変わるNYのような現象が日本の街でも発
生?

■ スラム化しない土地の条件:中流層流入
  減っていく中流階層が流入し、再生産される地区だけが、スラム化を免れ

   高層 マンションや分譲住宅地区には、この「再生産」の保障がない
    → 分譲と賃貸、新築と中古の物件が適度に混ざった地区の方が良い
53
米国では当たり前・わが国にもすでに存在している
高齢者向け高単価住宅地の実例
米国ワシントン州の
山間の田舎町の
丘の上に造成さ
れた、中流高齢
者コロニー
信州・北御牧村
が造成した住宅
地に建ちつつあ
る、地元工務店
施工のIターン者
所有住宅群
外断 熱工法・ 床暖
房など快適な仕
様の平屋で、建
物価格は地価の
3倍
極低容積率・厳
しい建築協定・
景観協定でグレー
ド = 再販 価 値を
維持
おじいさんが自
分で庭石を敷く
など熱心にメンテ
し、再販価値を
維持 54

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