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Photography History Women Queer
Photography History Women Queer
写真史講義
身体に向き合う 女性写真家の視線
現代の写真家、とくに女性の写真家の中には、マスメディアで流通しているステレオタイプ的な身体のイ
メージに異議を唱えたり、独自の見方を提示したりするような作品を制作している人がいます。このよう
な写真家の活動は、フェミニズムやゲイ・リベレーションのような思想や社会運動、芸術家が自らの身体
を使って演じるパフォーマンス・アートの展開とも密接に結びついています。写真家やパフォーマンス・
アーティストの作品を通して、写真の中に捉えられた身体が、社会に対してどのような提言を試みている
のか、ということを読みといていきます。
見ること/見られること」を撮る
性差を捉え直す クィアな視点
「
「見ること/見られること」を撮る
活を撮影した写真と、彼女たちのインタビューにより構成され
ている。消費社会の中で形作られ、女性に課せられた価値観を
浮かび上がらせている。
http://www.laurengreenfield.com/
のストリッパーたちの生活(舞台・舞台裏・私生活)を撮影。
2003 年に刊行された改訂版では、当時録音されたインタビュ
ーの音声を収めた CD が付いている。
http://www.susanmeiselas.com/
Strip,(1999) キュレーターやアートディーラー、評論家の男性
にレリーズを持たせ、ステーリ本人が服を脱ぐ過程で写真を撮
影。見る/見られる関係の枠組に揺さぶりをかける。
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身体に向き合う 女性写真家の視線
写真史講義
1965 ニューヨークで「ソドミー法」と呼ばれる同性愛行為に対する刑事犯
罪法が制定される。
1966 「欲望」劇場用映画としては初めて女性の陰毛が露出。
してゲイによる反差別暴動が起き、ゲイ解放運動の契機となる。
http://www.valieexport.org
http://www.caroleeschneemann.com/
彼女のフェラチオにいろんな男が取り憑かれるという物語)凄まじい反響を
引きおこし、現在にいたるまで、6 億ドルの収益を上げる。
http://www.inside-deepthroat.com/
1974 ラリー・フリントがハードコアポルノ雑誌『ハスラー』創刊
1977 シンディ・シャーマン(1954-)が、シリーズ作品〈アンタイトルド・フ
ィルム・スチール〉の制作に着手。
1978 ニューヨークのマーカス・ファイファー・ギャラリーで初めての本格
的な男性ヌード写真展が開催される。
アニー・スプリンクル(Annie Sprinkle,1954-)
http://www.anniesprinkle.org/
子宮頸部発表
ピンナップ写真の解剖学(1991)
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身体に向き合う 女性写真家の視線
写真史講義
成される。
1986 ヴェラ・レーンドルフが被写体になった環境擬態ヌード写真集『ヴェ
ルーシュカ』発表
ヴェラ・レーンドルフ(ヴェルーシュカ: Veruschka,1944-)
http://www.veruschka.net/
1960 年代からファッション・モデルとして活躍。ミケラン
ジェロ・アントニオーニ監督の映画『欲望』にも出演。
1986 ナン・ゴールディン写真集『性的依存のバラード』刊行
1970 年代後半から友人や恋人との共同生活を撮影し、スラ
イドショーなどの形で発表。エイズと共に生きる時代のドキ
ュメンタリーとしての側面を併せ持つ。
http://www.cnac-gp.fr/expositions/nangoldin/
1989 ロバート・メープルソープがエイズで死去
http://www.mapplethorpe.org/
1990 ベッティナ・ランス、
『Modern Lovers』を刊行。
http://bettina.bird-production.com/
トランスジェンダーの人々を撮影したポートレート写真のほ
かに、ロサンゼルス郊外の町の風景を撮影した写真でも知ら
れている。UCLA で教 を執っている。
http://www.laurietobyedison.com/
(人種・性差・体格等々)を認め、受け入れることを呼びか
けている。
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身体に向き合う 女性写真家の視線
写真史講義
http://www.dellagracevolcano.com/
ニッキ・S・リー(Nikki S. Lee、1970-)
http://www.tonkonow.com/lee.html
韓国系アメリカ人 さまざまな職業、立場に扮してコミュニ
ティの中に入り込み、周囲の人に写真を撮影して貰う「プロ
ジェクト」を手がける。
鷹野隆大(1963-)
写真集『In My Room』で、木村伊兵衛賞を受賞。