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【党首討論詳報】(5)志位共産委員長「日米FTA交渉には

入るべきではない」
2009.8.17 15:18

詳報(4)にもどる

�志位委員長「この選挙は自公政権を退場させた後に、それに代わるどういう新しい政治を作
るのかが、すでに最大の焦点となっています。国民の多くの皆さんの関心も自公政権後の政
治をどうするかに向かっていると思います。それで私は、鳩山さんに2問お聞きいたします。一
つは鳩山さんは官僚主導の政治から脱却することを最大の主張にかかげておられます。確か
に悪しき官僚主導と決別することが重要であることは論を待ちません」

�「同時に、私がお聞きしたいのは、鳩山さんが、財界主導の政治についてどう考えているかに
ついてです。国民の暮らしを守ろうとすれば、どんな問題でも財界主導の政治にぶつからざる
を得ないからです。例えばなぜ日本に首切り自由の不安定雇用が広がり、働く貧困層が広
がったのか。1995年に日経連が新時代の日本型経営という雇用戦略を発表したことが、
1999年の派遣労働の原則自由化、2004年の製造業への解禁をはじめ、労働法制の規制
緩和の出発点となったことは事実であります。それからなぜ社会保障がここまで破壊されたの
か。2002年度からはじまった年間2200億円の社会保障費削減も、経済財政諮問会議のメ
ンバーだった日本経団連会長が、社会保障については大胆な制度改革を前提として要求基
準を定めるべき、と、号令をかけたことからはじまったことは、これも事実です。さらに消費税
増税を政府に要求し続けてきたのも財界です。2003年1月に発表された日本経団連の提言
は、消費税率16%を法人税の大幅引き下げとセットで要求しています。こうした一連の事実に
照らしましたら、私は国民の暮らしを守ろうとすれば、財界主導の政治から脱却することが不
可欠だと考えます。鳩山さんと民主党に自公政権のもっとも悪い特質の一つである財界主導
の政治と決別する意志があるのかどうか、端的にお答えください」

�鳩山代表「それは財界の中にも、当然、いろんな知識を持った方々もおられるし、今日の経済
をリードして来られた中で、さまざまな知恵というものも、あることは事実だと思います。そのこ
とを認めながら、しかしながら、官僚まかせをやめたから、あとは財界任せになるとかいうよう
な発想は一切持つつもりはありません。むしろ財界の皆様方の名かには、必ずしもですね、こ
れからの日本をリードするというよりも、今までの産業界の仕組みというものの中で、必ずしも
これから未来志向ではないような方々の意見というものもあると思います。したがいまして、す

http://sankei.jp.msn.com/politics/election/090817/elc0908171521015-c.htm
べて財界の方々の意見は封印するとか、そんなつもりはありません。意見はいろいろと聞くこと
は大事だとは思っておりますが、一番大事なことは、政治がもっと主導権を握って、さまざまな
皆様方の声を伺いながら、政治というものを国民の皆様方に、期待に応えられるように動かし
ていくこと、そのように思っています」

�志位委員長「私は財界主導の政治と決別するご意志について伺ったんですが、まあ、財界の
中にもいろいろな方々がいらっしゃると。もちろん今の日本経済を憂えて、この現状を打開しよ
うと前向きに考えてらっしゃる方もたくさんいらっしゃると思いますけれども、全体としての財界
主導の政治を打破するかどうかについてのお答えは、定かでありませんでした。いただけませ
んでした。この点は立場の違いがあると思いますので、ぜひ今後も議論していきたいと思いま
す。ただ一言付け加えますと、やはり財界主導の政治から本当に脱却しようと思ったら、企業
献金をやめる必要があります。この間、日本経団連がですね、政策要求を付きつけて、そして
自民、民主を、通信簿をつけて献金を斡旋(あっせん)すると、こういうやり方とはきっぱり手を
切る必要があるということを申し添えておきたいと思います」

�鳩山代表「企業献金は全部やめますから、うちも」

�志位委員長「すぐにやめましょう。もう一問聞きます。今度の選挙で自公政権を退場させた
ら、民主党中心の政権となるでしょう。そのときは私たちは建設的野党の立場、国民の願いに
立って政策をどんどん提案し、良いことには協力、悪いことにはきっぱり反対の立場で現実政
治を前に動かすため頑張るつもりです。例えば私たちは労働者派遣法の抜本改正。後期高齢
者医療制度の撤廃。障害者自立支援法の応益負担の廃止。高校の授業料の無償化などを
主張してきましたが、民主党のマニフェストを拝見しますと、これらの点では方向の一致が見
られます。ぜひ新しい国会で、協力して実現をはかりたいと考えております」

�「同時に民主党のマニフェストを拝見させていただきますと、私たちが絶対にこれは容認する
わけにいかないという大問題も少なくありません。一つの問題に絞って伺いたい。それは民主
党のマニフェストに、米国との間で自由貿易協定、FTAの交渉の促進し、貿易投資の自由化
を進めると明記していることについてです。この方針は広い農業関係者、国民に大きな不安を
呼び起こしています。なぜなら日米FTAが締結されるなら、日本の農業、特にコメに壊滅的な
打撃が与えられるからです。財界団体で構成された日米経済協議会が委託した資産によりま
すと、日米FTAによる関税撤廃で、日本の農業生産は激減します。とりわけ米の生産は、
82%も減少してしまいます。日本国民の主食であるコメが82%もつぶされる。これは日本国
民の存亡にかかわる大問題といわなければなりません」

�「民主党は日米FTAに際して、国内農業の振興を損なうことは行わないと述べておられます。
しかし、日米でFTAを締結する場合、農業と米を除外したものはあり得るでしょうか。米国側
ははっきり言っています。『コメを含む農業は、日米FTAの中心になるべきだ。日米FTA交渉を
実現するには農業を含まないわけにはいかない。製造業の分野では米国はむしろ損失を受け
る。日本からメリットを得るには農産物自由化が入っていないと難しい』。すなわち、農業と米
を除外した日米FTA交渉はあり得ないのです。日米FTA交渉には入るべきではないと考えま

http://sankei.jp.msn.com/politics/election/090817/elc0908171521015-c.htm
すが、いかがでしょうか」

�鳩山代表「私はまったくそう思っておりません。私はやっぱりアメリカとの付き合い方というのは
防衛問題とそれから経済問題。今までは防衛に偏っていたと思っておりますが、むしろその軸
足をより経済との間の密な関係をつくることにシフトさせるべきではないか。そのように思って
おりまして、その中でFTAの交渉というものを進めたらよろしいと、そう思っています。当然、当
たり前の話ですけれども、国益を守るのというのはお互いに2国間で議論するときに最も必要
なことであります。したがいまして、われわれにとってみての国益は何かと。今、米を開放した
らどうなるのか。そのときの影響が大きいことはよく、われわれも分かっています。すなわち
今、2国間で日本はいろいろな国とFTAの交渉をやったり、済ましたりしておりますが、すべて
コメや麦などの主要作物は除外されているわけであります。国益を守りながら、しかし、一方で
は自由貿易の方向に向けてお互いに経済関係を強化していこうではないかというのは当たり
前の話でありまして、私どもは食料自給率とか、あるいは食の安全とか、あるいは農村の振興
というものを考えたときにしっかりと、おコメや麦などの主要作物というものをしっかりと国益を
守りながら、FTAの交渉を進めることは十分にできる」

�志位委員長「アメリカとの貿易を私たち、活発にすることは否定しておりませんけれども、日本
に入ってくるアメリカの輸入品のうち、常に工業製品は関税が低くなっているわけですね。で、
高い関税にしているのは、農業と米だけなんですよ。ですからね、これはね、農業、コメ抜きの
FTAというのはあり得ないと。交渉に入っていくべきではないということを重ねて申しあげます。
で、これは防波堤となって食い止めます」

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http://sankei.jp.msn.com/politics/election/090817/elc0908171521015-c.htm

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