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2006 年 課題レポート

リスクコミュニケーション(1)

個 人 的 選 択 に か か わ る リ ス ク コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン で は 、リ ス ク を 管 理 す る 側 と リ
ス ク を 受 け る 側 と で は 、そ れ ぞ れ ど の よ う な 点 に 注 意 す る 必 要 が あ る か 。日 用 品
を例にして考察せよ。

具 体 的 な 日 用 品 と し て 、「 洗 剤 」 を 例 に と る 。 こ の 場 合 、 一 般 的 に リ ス ク を 管
理する側は企業、リスクを受ける側は消費者であることが多い。以下、上述の設
定で考察をすすめる。
企 業 側 は 、今 度 発 売 さ れ る 新 商 品 の 洗 剤 に 、新 し く 開 発 し た 化 学 物 質 を 採 用 し
ており、今までのどの洗剤よりも少量で汚れが落ちることを謳っている。消費者
はその強力な洗浄力に惹かれながらも、使用した際の手の荒れや、新しく開発さ
れた化学物質に対しては不安を感じている。このような場合、双方はどのような
点に注意する必要があるだろうか。
ま ず 企 業 側 は 、販 売 初 期 の 段 階 か ら 商 品 に 関 す る あ ら ゆ る リ ス ク 情 報 を 、 正 確
に発信する必要がある。具体的には、今までの洗剤に比べて手の荒れ具合はどれ
ほど差があるのか、新しく開発された化学物質の化学構造はどんなもので人間や
環 境 に 対 す る 影 響 は ど れ 程 の も の な の か を 、商 品 に 付 記 し て お い た り 、H P 上 で
公開しておいたりする必要があるだろう。さらに、消費者が商品に関する不安や
疑問を抱いり、実際に何らかの被害にあったときの相談窓口を設置しておく必要
も あ る 。こ の よ う に 企 業 側 は 、
【 消 費 者 の 不 安 を 取 り 除 く た め 、企 業 が 初 期 段 階 か
ら率先して商品に関する全ての正確なリスク情報や万一リスクを被った消費者へ
の 対 応 策 を あ ら ゆ る メ デ ィ ア を 用 い て 発 信 】す る 必 要 が あ る 。さ ら に 、
【消費者の
声を聞くチャンネルも多く設置することによって、消費者と相互理解を深めてい
く】ことに注意が必要であろう。
一 方 、消 費 者 側 は 企 業 側 が 用 意 し て い る チ ャ ン ネ ル を 用 い て 、 商 品 に 関 し て 抱
いている不安を訴えたり、疑問を投げかけたりする必要がある。また、科学リテ
ラシや情報リテラシを駆使し、商品のリスク情報を正確に把握しようと努めるこ
とも必要であろう。
その上で、自分が受けるメリット(この場合は強力な洗浄力によって軽減される
負担)と、自らが被るリスク(この場合は新しく開発された化学物質の人的影響
の 可 能 性 や 程 度 )を 比 較 し 、購 入 す る か 決 定 す る こ と が 大 切 で あ る 。ま と め る と 、
【自らの不安を取り除くため、商品に関する疑問を遠慮なく企業にぶつけ、また
商品に関する情報の中から正確なものを選別してそれを把握することに努めるこ
と】が必要であろう。
以 上 の よ う に 、企 業 側 、 消 費 者 側 と も に 注 意 す る こ と が 多 く 存 在 し 、 リ ス ク コ
ミュニケーション自体の難度の高さを窺わせる。

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