XsanAdminGuide J

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Xsan

管理者ガイド
「Xsan Admin」やコマンドラインを使用して、
ストレージ・エリア・ネットワーク内の Xsan
ボリュームを管理する方法が記載されています
 Apple Computer, Inc.
© 2004 Apple Computer, Inc. All rights reserved.

「Xsan」ソフトウェアの正規ライセンス製品の使用許諾
を受けたお客様、またはかかるお客様の許諾を得た者は、
本ソフトウェアの使用を学習する目的で本書を複製する
ことができます。本書のいかなる部分も、本書のコピー
の販売または有償のサポートサービスなどの商用目的で、
複製または譲渡することは禁じられています。

Apple ロゴは、米国その他の国で登録された Apple


Computer, Inc. の商標です。キーボードから入力可能な
Apple ロゴについても、これを Apple Computer, Inc. か
らの書面による事前の承諾なしに商業的な目的で使用す
ると、連邦および州の商標法および不正競争防止法違反
となる場合があります。

Apple、Apple ロゴ、 Mac、Macintosh 、Mac OS 、


Power Mac、および Xserve は、米国その他の国で登録
された Apple Computer, Inc. の商標です。Finder および
Xsan は Apple Computer, Inc. の商標です。
UNIX は、X/Open Company, Ltd. が独占的にライセンス
を保持している米国その他の国における登録商標です。

StorNext および ADIC は Advanced Digital Information


Corporation の登録商標です。
J019-0192/08-27-04
3 目次

序章 7 このガイドについて
8 表記規則

第1章 9 Xsan の概要


9 「Xsan」とは
10 Xsan ストレージ・エリア・ネットワーク
11 共有 SAN ボリューム
11 コントローラとクライアント
11 SAN の接続
12 Xsan ストレージの構成
12 LUN( RAID アレイ)
13 ストレージプール
13 ボリューム
14 アフィニティのあるフォルダ
15 Xsan が使用可能なストレージを利用する方法
15 メタデータとジャーナルデータ
15 上位レベルでのストライピング
15 セキュリティ
16 ストレージを拡張する
16 「Xsan」の容量

第2章 17 ストレージ・エリア・ネットワークを設定する
18 ハードウェアおよびソフトウェア要件
18 対応するコンピュータ
18 対応するストレージ装置
19 ファイバーチャネル・ファブリック
19 Ethernet TCP/IP ネットワーク
20 ディレクトリサービス
20 送信用メールサービス
21 SAN の計画を立てる
22 計画を立てる際の考慮事項とガイドライン
27 コンピュータとストレージ装置を接続する
27 LUN(RAID アレイおよびスライス) を準備する
28 「Xsan Admin」アプリケーションを使用する

3
28 「 Xsan Admin」を個別にインストールする
28 ファイアウォールを介して接続する
28 「 Xsan Admin」の環境設定
28 ヘルプを参照する
28 コマンドラインを使用する
29 SAN の設定の概要
30 Xsan ストレージ・エリア・ネットワークを設定する
38 SAN の名前を変更する
38 SAN を削除する
39 追加の SAN を設定する

第3章 41 SAN ストレージを管理する


42 ストレージを追加する
43 ストレージプールに LUN を追加する
44 ボリュームにストレージプールを追加する
45 SAN にボリュームを追加する
46 フォルダにストレージプールアフィニティを割り当てる
47 フォルダ内のフォルダにアフィニティを割り当てる
47 アフィニティを取り除く
48 ストレージプールの設定を変更する
48 ストレージプールの名前を変更する
49 ストレージプールのアクセス権を設定する
49 ストレージプールに保存するファイルのタイプを選択する
50 ストレージプールのストライプ幅を設定する
51 複数の接続の選択方式を設定する
52 ボリュームの設定を変更する
52 ボリュームの名前を変更する
53 ボリュームの割り当て方式を設定する
54 ブロック割り当てサイズを設定する
55 ボリュームをデフラグする
56 ボリュームの整合性を確認する
56 ボリュームを修復する

第4章 57 クライアントとユーザを管理する
58 クライアントを追加する
58 クライアントを StorNext SAN に追加する
59 ボリュームをクライアントにマウントする
59 クライアントとユーザのアクセスを制御する
59 ボリューム上のフォルダへのアクセスを制御する
60 クライアントからボリュームをマウント解除する
60 クライアントのアクセスを読み出し専用に制限する
60 クライアントを SAN から取り除く
60 「 Xsan 」ソフトウェアをコンピュータから取り除く

4 目次
61 ユーザとグループのクオータを設定する
61 「 Xsan 」のクオータについて
62 クオータの使用状況を確認する

第5章 63 メタデータコントローラを管理する
64 コントローラを追加する
64 コントローラのフェイルオーバー優先順位を設定する
65 スタンバイコントローラに切り替える
66 ボリュームを管理しているコントローラを確認する
66 コントローラが管理するボリュームをリストする
67 コントローラの IP アドレスを変更する
68 コントローラソフトウェアをアップグレードする
68 コントローラの状況を監視する

第6章 69 SAN の状況を監視する


70 SAN ボリュームの空き容量を確認する
70 ストレージプールの空き容量を確認する
71 ユーザクオータの使用状況を確認する
71 コントローラの CPU およびネットワークの使用状況を示すグラフを表示する
72 状況通知を設定する
72 ファイルシステムのプロセスの状況を確認する
73 ログを表示する
73 ボリュームのクライアントを確認する
74 ファイバーチャネルの接続障害を確認する
74 Xserve RAID システムの状況を確認する

第7章 75 SAN の問題を解決する


75 「 Xsan 」ソフトウェアをインストールできない
75 設定中に一部のコンピュータが表示されない
75 「 Xsan Admin」から SAN コンピュータに接続できない
75 Xserve RAID システムにファイバーチャネルを介してアクセスできない
75 ボリュームをクライアントにマウントできない
76 ストレージプールを追加できない
77 スライスの作成後に一部の LUN が「 Xsan Admin」に表示されない
77 コマンドラインツールの使用時の問題
77 SAN ユーザにエラーコード –1425 が表示される
77 LUN の容量が期待したほど多くならない

付録 A 79 Xsan および StorNext のクライアントとコントローラを結合する


79 互換性のあるソフトウェアバージョン
79 ライセンス許諾
79 用語
80 Macintosh クライアントを StorNext SAN に追加する
81 Xsan コントローラを StorNext クライアントと共に使用する

目次 5
付録 B 83 コマンドラインを使用する
83 シェルコマンドを使用する
83 リモートコンピュータを操作する
83 マニュアルページを表示する
84 表記規則
84 コマンド
85 ボリュームおよびストレージプールの設定を表示または変更する(cvadmin)
88 ファイルまたはフォルダをコピーする(cvcp )
89 ボリュームを確認または修復する(cvfsck )
90 LUN にラベルを設定する( cvlabel)
91 アフィニティのあるフォルダを作成する(cvmkdir )
91 ファイルを作成して事前割り当てする(cvmkfile )
92 ボリュームを初期化する(cvmkfs )
92 ストレージプールの情報を表示する(cvsginfo )
92 ボリュームに設定の変更を適用する(cvupdatefs )
93 ボリュームのコントローラを起動する(fsm )
93 ポートマッパのプロセスを開始する(fsmpm )
93 ファイル、ディレクトリ、またはボリュームをデフラグする(snfsdefrag)
95 Xsan ボリュームをマウントする
95 Xsan ボリュームをマウント解除する
95 ログを表示する
96 設定ファイル
96 ボリュームの設定ファイル
102 ボリュームの自動開始リスト
104 コントローラのリスト

用語集 107

索引 111

6 目次
このガイドについて

序章
このガイドを使用して、ストレージ・エリア・ネットワーク上で Xsan
ボリュームを設定および管理する方法を学習できます。

このガイドでは、「Xsan」を使用して Xserve RAID アレイおよびスライスを結合して大規模で拡張


の容 易なス トレー ジボリュ ームを 構築す る方法 を示し ます。クラ イアント は、このス トレー ジボ
リュームを ローカルディスクのよ うに使用できますが、実際 には高速のファイバー チャネル・ファ
ブリックを介して共有されています。

第 1 章では、
「Xsan」の概要および「Xsan」を使用して RAID アレイおよびストレージプールをスト
レージの共有ボリュームに編成する方法について説明します。

第 2 章では、ハードウェアとソフトウェアの要件、SAN の計画のガイドライン、および Xsan SAN


の基本的な設定手順について説明します。

第 3 章では、 SAN へのストレージの追加、アフィニティのあるフォルダの作成、ボリュームとスト


レージプールの設定変更、および SAN ボリュームの確認、デフラグメント、修復を行う方法につい
て説明します。

第 4 章では、クライアントコンピュータの SAN への追加、ボリュームのクライアントへのマウント、


SAN ファイルへのクライアントアクセスやユーザアクセスの制御、およびクオータを使用したユー
ザ領域の制御方法について説明します。

第 5 章では、メタデータコントローラの管理に関する情報を提供します。

第 6 章では、SAN の状態を監視したりレポートを自動作成したりする手順について説明します。

第 7 章では、起こる可能性のある一般的な問題の解決方法について説明します。

付録 A では、Xsan コントローラまたはクライアントを、同一 SAN 内の ADIC StorNext コントロー


ラまたはクライアントに接続するのに役立つ情報を提供します。

付録 B では、
「ターミナル」を使って Xsan SAN を管理するのに役立つ、使用可能なコマンドライン
ユーティリティおよび設定ファイルについて説明します。

7
表記規則
このガイドで は、シェルコマンドやその 他のコマンドラインユ ーティリティについて 説明する場合
に、以下の規則が使用されます。

表記 意味
等幅フォント コマンド、または「ターミナル」で使用されるほかのテキスト
$ シェルプロンプト
[ 角かっこ内のテキスト ] オプションパラメータ
( 一方 | 他方 ) 代替パラメータ(どちらか一方を入力します)
下線 値を指定する必要のあるパラメータ
[...] 繰り返される可能性のあるパラメータ
< 山かっこ > SAN の設定に応じて表示される値

8 序章 このガイドについて
1 Xsan の概要
1
この章では、「Xsan」およびストレージ・エリア・ネットワークの概
要について説明します。

この章では、「Xsan 」の概要、および高速な共有ストレージを実現するストレージ・エリア・ネット
ワーク(SAN)を「Xsan」で設定する方法について説明します。

「Xsan」とは
「Xsan」は、スト レージ・エリア・ネッ トワークの ファイルシス テムおよび管 理アプリケー ション
(「Xsan Admin 」)です。「Xsan 」を使用すると、クライアントコンピュータ上のユーザおよびアプ
リケーションに拡張可能なストレージへの高速な共有アクセスを提供できます。

ボリューム
SAN vol

「Xsan」を使用して RAID
アレイをボリュームに
ファイバー 統合すると、クライアント ストレージ
チャネル はこのボリュームを プール
ローカルディスクの
ように使用できます。

RAID アレイ
(LUN)

9
Xsan ストレージ・エリア・ネットワーク
ストレージ・エ リア・ネットワークとは、コ ンピュータをストレ ージ装置に接続する方 法のことで
あり、複数のユ ーザがファイルにすば やくアクセスしたり、管理 者がユーザの操作を中 断せずに必
要に応じてストレージ装置の容量を拡張したりすることを可能にします。

「Xsan」は次の要素で構成されます:
• Xserve RAID システムに保存される共有ストレージのボリューム。クライアントでは、マウントし
ているボリュームとしてローカルディスクと同じように使用できます
• 共有ボリュームへのアクセスを調整するメタデータコントローラとしての役割を果たす、1 つ以上
のコンピュータ
• 確立されたアクセス権とクオータに従ってストレージにアクセスするクライアントコンピュータ
• 基になるファイバーチャネル・ネットワークおよび Ethernet ネットワーク

次の図に、一般的な Xsan SAN の物理コンポーネントの例を示します。

メタデータ スタンバイ
コントローラ コントローラ
クライアント

ファイバー
チャネル・スイッチ

Xserve RAID
ストレージ

Ethernet - TCP/IP
(プライベート)

Ethernet - TCP/IP イントラネット/


(パブリック) インターネット

10 第1章 Xsan の概要


共有 SAN ボリューム
ユーザおよびアプリケーションには、共有 SAN ストレージはローカルボリュームとして表示されま
す。Xsan ボリュームは、RAID アレイのグループで構成される論理ディスクです。Xsan ボリューム
の作成時に組み 合わせる要素については、 12 ページの「 Xsan ストレージの構成」を 参照してくだ
さい。

コントローラとクライアント
Xsan SAN にコンピュータを追加 するときに、そのコンピュータが果たす役割(クライアント、コン
トローラ、またはその両方)を指定します。

コントローラ
Xsan SAN を設定するときに、1 つ以上のコンピュータにコントローラとしての役割を割り当てます。
コントローラは、SAN ボリュームのメタデータを管理したり、ファイルシステムのジャーナルを維
持したり、ファ イルへの同時アクセ スを制御したりします。メ タデータには、ファイル の実際の保
存場所や、使用 可能なストレージのどの 部分が新しいファイル に割り当てられるかな どの情報が含
まれています。

10 ページの図に示すように、高可用性が必要な場合は、複 数のコントローラを SAN に追加できま


す。プライマリコントローラに障害が発生した場合は、スタンバイサーバがその役割を代行します。
コントローラ はクライアントの役割 も果たすことができる ので、プライマリコントロ ーラの動作中
にスタンバイコントローラを作業クライアントとして使用できます。

クライアント
ユーザまたはアプリケーションが SAN ボリュームへのアクセスに使用するコンピュータは、クライ
アントと呼ばれます。クライアントは、Ethernet ネットワークを介してコントローラと通信します。
ただし、ボリュームのストレージ機能を提供する RAID システムとの間でファイルデータを送受信す
るときには、ファイバーチャネルを使用します。

SAN の接続
「Xsan」では、ストレージ装置、メタデータコントローラ、およびクライアントコンピュータに接続
するときに独立したネットワークを使用します。このネットワークは、1 つのファイバーチャネル・
ネットワークと 1 つまたは 2 つの Ethernet ネットワークで構成されます。

ファイバーチャネルを介するユーザデータ
ユーザデータは、高速なファイバーチャネル接続を介して転送されます。

Ethernet を介するメタデータ
ファイバーチ ャネル接続上の不要な トラフィックを排除す るために、コントローラお よびクライア
ントで は Ethernet ネ ットワーク を使用し てファイル システムの メタデータ を交換し ます。また、
「Xsan Admin」アプリケーションでは、ユーザが SAN を管理できるようにするために Ethernet 接
続を使用します。

ファイバーチャネルのマルチパス
「Xsan」では、ク ライア ントとス トレージ の間で 複数のフ ァイバー チャネ ル接続を 利用でき ます。
「Xsan」では、読み出しおよび書き込みのための接続を交互に切り替えたり、ボリュームをマウント
するときにボリューム内の各 LUN をいずれかの接続に割り当てたりできます。

第1章 Xsan の概要 11


Xsan ストレージの構成
ユーザは、ローカルディスクの場合と同じ方法で Xsan ボリュームを使用します。SAN ボリューム
が実際には RAID 技術を使用して複数のレベルで結合した多数の物理ディスクによって構成されてい
ることは、ユーザには分かりません。

次の図に 、Xserve RAID システム 内の個々のド ライブモジュー ルから提供さ れるディスク 容量が、


ユーザからは 1 つの大きなローカルディスクに見えるボリュームとして結合される例を示します。

共有 SAN
ボリューム

速い

安全
アフィニティ アフィニティ

ストレージプール ストレージプール

(ストライピング) (ストライピング)

LUN LUN LUN LUN LUN LUN LUN LUN

RAID 0 RAID 0 RAID 0 RAID 0 RAID 5 RAID 5 RAID 5 RAID 5


アレイ アレイ アレイ アレイ アレイ アレイ アレイ アレイ

ここからは、これらのストレージ要素と、これらの要素を構成して共有 Xsan ボリュームを作成する


方法について説明します。

LUN( RAID アレイ)


「Xsan」で使用する最 も小さいストレージ要素は、LUN(SCSI 論理ユニッ ト番号)と呼ばれる論理
ストレージ装置です。ほとんどのストレージ・エリア・ネットワークでは、 LUN は RAID アレイや
JBOD(ディスクの房)装置などの装置のグループを表します。「Xsan」では、LUN は Xserve RAID
アレイまたはスライスです。

「RAID Admin」を使って Xserve RAID アレイを作成するときに、LUN を作成します。Xserve RAID


システム内の コントローラハードウ ェアおよびソフトウェ アによって、個々のドライ ブモジュール
が、選択した RAID 方式に基づいて 1 つのアレイに結合されます。ネットワーク上では、各アレイが
独立したLUNとして表示されます。アレイをスライスすると、各スライスはLUNとして表示されます。

12 第1章 Xsan の概要


SAN ボリュームの設定時に最初に行う作業の 1 つとして、LUN を準備します。新しい Xserve RAID
上にある 2 つの RAID 5 アレイがアプリケーションに合わない場合は、「RAID Admin」を使用して
別の RAID 方式に基づいてアレイを作成できます。LUN の方式の選択については、23 ページの「LUN
の RAID 方式を選択する」を参照してください。

12 ページの図に、 それぞれが 2 つのアレイを管理する 4 つの Xserve RAID システムの例を示しま


す。半数のアレイでは速度を得るために RAID 0 方式(ストライピングのみ)を使用し、残りのアレ
イではデ ータの消失に対 処できるように RAID 5(分散型パ リティ)を使用しま す。 「Xsan」では、
アレイはボリュームを作成するために結合可能な LUN として認識されます。

Xserve RAID の LUN を設定した後で、これらの LUN を「Xsan Admin」でラベル設定および初期化


して、Xsan ファイルシステムで使用できるようにします。

ストレージプール
複数の LUN を結合す ると、ストレージプー ルが形成されます。小さ いボリュームでは ストレージ
プールが 1 つの RAID アレイで構成されることもありますが、多くのボリュームではストレージプー
ルは複数のアレイで構成されます。

「Xsan」では、RAID 0(ストライピング)方式を使用して、ストレージプール内の LUN 全体にファ


イルデータを並列して分散させます。したがって、ストレージプール内の複数の LAN に対して使用
可能なストレージを分散させることで、アクセス速度を向上させることができます。

パフォーマン スや復元可能性の特性 が異なる複数のストレ ージプールを設定したり、 アフィニティ


を使用して ストレージプールにフ ォルダを割り当てたり できます。ファイルの保存 場所は、速度ま
たは安全に関する必要に応じて選 択できます。詳しくは、14 ペ ージの「アフィニティのあるフォル
ダ」を参照してください。

たとえば、12 ページの図では、8 つの LUN が 2 つのストレージプールに結合されていて、1 つの


プールは RAID 0 (高速だが復元できない)アレイで構成され、もう 1 つのプールは RAID 5(高速
「Xsan」では、各ストレージプールで 4 つの LUN
ではないが復元可能)アレイで構成されています。
全体にデータをストライプします。

使用可能な LUN を特定のストレージプールに追加するには、「Xsan Admin」を使用します。

ボリューム
ストレージプールを結合すると、ユーザに表示されるボリュームが作成されます。ユーザには、SAN
ボリューム の表示および動作は、次の 点を除いて、大きなローカ ルディスクとまったく 同じように
見えます:
• 基になるアレイ またはストレージプールを追加 すると、ボリュームのサイズを増 やすことができ
ます
• SAN のほかのユーザが同じボリューム上のファイルに同時にアクセスできます

12 ページの図に示した例では、 2 つのストレージプールを結合して 1 つの共有ボリュームを作成し


ています。

「Xsan Admin」アプリケーションを使用し てボリュームを作成し、クライアント コンピュータにマ


ウントします。

第1章 Xsan の概要 13


「Xsan Admin」アプリケーションで LUN、ストレージプール、およびボリュー
次の画面イメージは、
ムが編成された状態を示しています。この例では、「Test SAN」という名前の SAN に「 SanVol」と
いう名前の 1 つの共有ボリューム が含まれています。ボリュームのストレ ージは「Pool1」および
「Pool2」という 2 つのストレージプールによって提供されており、これらのストレージプールはそ
れぞれ 1 つの LUN に基づいています。各 LUN は、115 GB のドライブモジュールを使用する Xserve
RAID 上の 3 つのディスクによる RAID 5 アレイです。

SAN

ボリューム

ストレージプール

LUN

アフィニティのあるフォルダ
特定のファイルの保存に使用するストレージプールを制御するために(たとえば、複数のユーザまた
はアプリケーションにそれぞれ異なるレベルのサービスを提供するために)、Xsan ボリューム上の
フォルダを、そのボリュームを構成するいずれかのストレージプールに関連付けることができます。

たとえば、パフ ォーマンスとデータ冗長 性のバランスが異なる 複数のストレージプー ルを設定する


場合、適切なフ ォルダにファイルを入 れることで、速度または安 全性のいずれかに優れ たストレー
ジを選択できます。

12 ページの図では、定義済みのフォルダに RAID 0 アレイに基づく高速なストレージプールのアフィ


ニティが設 定されています。ユーザに よってこのフォルダに コピーされたファイル は、速度に優れ
たアレイに自動的に保存されます。もう 1 つのフォルダは、セキュリティに優れた RAID 5 ストレー
ジに関連付けられています。

14 第1章 Xsan の概要


Xsan が使用可能なストレージを利用する方法
「Xsan」では、ユーザファイルとファイルシステムのデータの両方を SAN ボリュームに保存し、ボ
リューム内の LUN 全体にデータをストライプしてパフォーマンスを向上させます。

メタデータとジャーナルデータ
「Xsan」では、メタデータファイルとファイルシステムの ジャーナルを使用して、ファイルに関する
情報を Xsan ボリュームに記録します。ファイルシステムのメタデータには、特定のファイルの保存
に使用される ディスクの具体的な部 分、そのファイルがアクセ ス中かどうかなどに関 する情報が含
まれていま す。ジャーナルデータには、フ ァイルシステムのトラ ンザクションの記録が 含まれてい
ます。これは、障害が発生した場合にファイルの整合性を確認するのに役立つことがあります。

これらのファイルは Xsan メタデータコントローラによって管理されますが、ファイルはコントロー


ラ自体ではなく SAN のボリュームに保存されます。デフォルトでは、メタデータおよびジャーナル
データは、ボリ ュームに最初に追加さ れたストレージプール に保存されます。新しいボ リュームに
ストレージプールを追加する場合、これらのファイルの保存場所は「Xsan Admin 」を使って選択で
きます。

上位レベルでのストライピング
RAID 0 (ストライピング)を使用して RAID アレイにファイルを書き込むとき、ファイルはアレイ
内の個々の ディスクドライブ全体 に分散する複数のセグ メントに分割されます。こ れにより、ファ
イルの断片が(一度に 1 つずつではなく)アレイ内の個々のディスクに並列で書き込まれるため、パ
「Xsan」では、ストレージ階層の 2 番目の上位レベルにこの技術を適用
フォーマンスが向上します。
「Xsan 」はストレージプールを構成する個々の
しています。ボリューム内の各ストレージプールで、
LUN 全体にファイルデータをストライプします。このときも、データが並列で書き込まれるのでパ
フォーマンスが向上します。

重要なアプリケーションの要件を満たすように、ストレージプール内の各 LUN に書き込まれるデー


タの量(ストライプ幅)を調節することで、SAN のパフォーマンスを調整できます。

セキュリティ
SAN 管理者は、共有ボリュームへのアクセスをいくつかの方法で制御できます。

まず、ユーザは SAN ボリュームをブラウズまたはマウントできません。SAN 管理者だけが、どのク


ライアントコ ンピュータにどのボリ ュームをマウントする かを指定できます。管理者 がデータへの
アクセスを制御する方法の 1 つは、適切なクライアントコンピュータにのみボリュームをマウント
することです。

ユーザがボリ ューム上のデータを変 更できないようにする には、読み出し専用のアク セス権を持つ


ボリュームをマウントします。

「Finder」の場合と同 じように、オーナー、グル ープ、および一般のア クセス権を指定す ることで、


ボリューム上のフォルダへのユーザアクセスを制御することもできます。

基になるフ ァイバーチャネル・ネット ワークにゾーンを設定 して、ユーザとボリューム を分離する


こともできます。

第1章 Xsan の概要 15


ストレージを拡張する
ファイルへのアクセスで Xsan ボリュームに依存しているユーザまたはアプリケーションを中断せず
に、そのボリュ ームに空き容量を追加 することができます。ボリ ュームにストレージを 追加する方
法として、次の 2 つがあります:
• Xserve RAID システム(新しい LUN)を既存のストレージプールに追加する
• 新しいストレージプール全体をボリュームに追加する

最初の方法では、クライアント上のボリュームをマウント解除してマウントし直す必要があります。
2 番目の方法では、使用するボリュームの使用可能な容量が増えたことが分かる点を除いて、ユーザ
が変更に気付かないように容量を追加できます。

また、いつでも新しいボリュームを SAN に追加できます。

Xsan ストレージの拡張については、 42 ページの「ストレージを追加する」を参照してください。

「Xsan」の容量
次の表に、Xsan ボリュームの制限と容量をリストします。

パラメータ 最大値
SAN 内のコンピュータの数(コントローラとクライアント) 64
ボリューム内のストレージプールの数 512
ストレージプール内の LUN の数 32
ボリューム内の LUN の数 512
ボリューム内のファイルの数 4,294,967,296
ボリュームのサイズ 16 TB
ファイルのサイズ 16 TB
ボリューム名の長さ 70 文字
ファイル名またはフォルダ名の長さ 251 文字
SAN の名前の長さ 255 文字
ストレージプール名の長さ 255 文字

16 第1章 Xsan の概要


2 ストレージ・エリア・ネットワークを
設定する 2
この章では、Xsan SAN を設定するための要件、計画のヒント、およ
び手順について説明します。

この章の内容は次のとおりです:
• 「Xsan」のハードウェアおよびソフトウェア要件( 18 ページ)
• 計画のガイドライン(21 ページ)
• SAN の設定手順(29 ページ)

17
ハードウェアおよびソフトウェア要件
ご使用の SAN 環境が以下の要件を満たしている必要があります:
• 対応するコンピュータ
• 対応するストレージ装置
• ファイバーチャネル・ファブリック、アダプタ、およびスイッチ
• Ethernet ネットワーク
• ディレクトリサービス(オプション)
• 送信用メールサービス(オプション)

対応するコンピュータ
Xsan コントローラおよびクライアントコンピュータは、次の最小要件を満たす必要があります:

システム
• Xserve
• Xserve G5
• Power Mac G4 デュアル 800 MHz 以上
• Power Mac G5

メモリ
• クライアントには 256 MB 以上の RAM が必要です。
• コントローラには 512 MB 以上の RAM が必要です。(最適なパフォーマンスを得るには、コントロー
ラが管理する SAN ボリュームごとに 512 MB の RAM を追加してください。)

対応するオペレーティングシステム
• Mac OS X v10.3、バージョン 10.3.5 以降
• Mac OS X Server v10.3、バージョン 10.3.5 以降

Windows、AIX、IRIX、 Linux、およ び Solaris の各ク ライ アント では、ADIC 社 の StorNext File


System バージョン 2.4 が稼働している必要があります。

対応するストレージ装置
このガイドでは、ストレージ装置として Xserve RAID システムを使用していることを前提としてい
ます。

重要:「Xsan」で Xserve RAID システムを使用する前に、Xserve RAID システムに最新のファーム


ウェア・アップデートを必ずインストールしてください。

ビデオ編集などの負荷の大きいアプリケーションでは、以下を装備した Xserve RAID システムを使


用してください:
• 14 のモジュールで構成される Apple Drive Module 一式
• コントローラごとに 512 MB のキャッシュ(合計で 1 GB)

18 第2章 ストレージ・エリア・ネットワークを設定する
ファイバーチャネル・ファブリック
Ethernet を介して転送されるファイルシステムのメタデータとは異なり、Xsan SAN のファイルの実
際の内容はファイバーチャネル接続を介して転送されます。接続を設定するには、以下が必要です:
• 各クライアントおよびコントローラコンピュータ用の Apple Fibre Channel PCI カード
• 1 つ以上の対応するファイバーチャネル・スイッチ
• コンピュータと ストレージ装置をスイッチに接 続してファイバーチャネル・ファ ブリックを形成
するファイバーチャネル・ケーブル

ファイバーチャネル PCI カード


SAN に接続するすべての Macintosh コンピュータに、Apple Fibre Channel PCI カードを取り付け
ます。

ファイバーチャネル・スイッチ
「Xsan」、Xserve RAID システム、および Apple Fibre Channel PCI カードで動作が検証済みのファ
イバーチャネル・スイッチを以下に示します:
• Brocade Silkworm 3200 、3800、3900 、および 12000 シリーズ
• QLogic SANbox 2–8、 SANbox 2–16 、SANbox 2–64、および SANbox 5200
• Emulex SAN Switch 355、 375 、および 9200

最新の検証済みスイッチのリストについては、「Xsan」の Web ページ(www.apple.com/jp/xsan)


を参照してください。

ファブリックの設定
ファイバー チャネル内のコンピュ ータ、ストレージ装置、およ びスイッチを接続し て、ファイバー
チャネ ル「ファブリック」を 形成する必要 があります。フ ァブリック内 で、ファイバーチ ャネル・
ケーブルによりノードポート(F または N ポート)が接続されます。詳細は、お使いのファイバー
チャネル・スイッチに付属のマニュアルを参照してください。

参考:Vixel 355 スイッチをご使用の場合は、Xserve RAID システムをスイッチの FL(アービトレー


ト型ループ)ポートに接続する必要があります。

上記の Vixel 355 スイッチの場合を除いて、ファイバーチャネルのアービレート型ループ(FL ポー


ト)を Xsan SAN で使用することはできません。

Ethernet TCP/IP ネットワーク


SAN 内のコンピュータは、 Ethernet ネットワークにも接続されている必要があります。「Xsan」で
は、このネット ワークをファイバー チャネル・ネットワークの 代わりに使用して、ファ イルシステ
ムのメタデータを転送し、ファイルの実際の内容用のファイバーチャネル接続を予約します。

SAN 内のコンピュータがディレクトリサーバ、企業や大学のイントラネット、またはインターネッ
トと通信する必要がある場合は、各 SAN クライアントおよびコントローラを 2 つの異なる Ethernet
ネットワーク(1 つは SAN 用のプライベートサブネット、もう 1 つはディレクトリ、イントラネッ
ト、またはインターネット・トラフィック用の個別の接続)に接続する必要があります。ビデオ編集
などの高いパフォーマンスが要求されるアプリケーションで SAN を使用する場合、これは重要です。

第2章 ストレージ・エリア・ネットワークを設定する 19
IP アドレスとドメイン名
最善の結 果を得るため、 SAN Ethernet ネ ットワークに接 続されたすべ てのクライアン ト、コント
ローラ、およびストレージ装置に、固定したルーティングされない IP アドレスを割り当ててくださ
い。次の範囲の IP アドレスをプライベート(ルーティングされない)サブネットで使用できます:

プライベートアドレスの範囲 関連付けられたサブネットマスク コメント


10.0.0.0 ∼ 10.255.255.255 255.0.0.0 10/8
172.16.0.0 ∼ 172.31.255.255 255.240.0.0 172.16/12
192.168.0.0 ∼ 192.168.255.255 255.255.0.0 192.168/16

ディレクトリサービス
SAN 上の ファイルや フォルダへ のアクセス制 御にユーザ とグループ のアクセス 権を使用す る場合
は、ユーザとグ ループのディレクトリ を設定または接続する ことで管理を簡略化で きます。必須で
はありませんが、一元化されたディレクトリを使用することで、すべての SAN クライアントおよび
コントローラを参照することなく、1 台のコンピュータ上でユーザとグループを管理できます。

ディレクト リがすでに存在する場 合は、各コントローラおよ びクライアントで「ディレ クトリアク


セス」アプリケ ーションを使用してデ ィレクトリにアクセス し、ユーザとグループの情 報を取得で
きます。

一元化されたディレクトリサービスを使用しない場合は、 SAN コンピュータごとにユーザとグルー


プを設定する必要があります。

重要:各 SAN コンピュータでユーザとグループを作成する場合は、1)各ユーザまたはグループが


SAN 全体で一意な数値のユーザ ID(UID)またはグループ ID(GID)を持ち、2)複数のコンピュー
タで定義された各ユーザまたはグループが各コンピュータ上で同一の UID または GID を持つように
してください。

ディレクトリへのアクセス権がない場合は、Mac OS X Server のディレクトリサービスを使用して、


SAN のユーザとグループの LDAP ディレクトリを設定できます。

送信用メールサービス
「Xsan」では、ローカルサブネットまたは企業ネットワーク上のメールを使用することで、別のメー
ルサーバを使用せずに SAN の状況通知を送信できます。ただし、ローカルネットワークの外部に通
知を送信する場合は、メールゲートウェイとして動作する SMTP サーバが必要です。送信用メール
サーバへのアクセス権がない場合は、Mac OS X Server のメールサービスを使用して設定できます。

20 第2章 ストレージ・エリア・ネットワークを設定する
SAN の計画を立てる
ユーザの作業を中断することなく既存の Xsan SAN にストレージを追加するのは簡単ですが、設定
した後で SAN を編成し直すのはそれほど簡単ではありません。このため、設定を行う前に SAN お
よびそのストレージのレイアウトと編成を計画しておくことは重要です。

Xsan SAN は以下のコンポーネントで構成されます:


• ストレージ装置(通常は Xserve RAID システム)
• LUN(論理ユニット番号、通常は RAID アレイ)
• ストレージプール(LUN のグループ)
• ボリューム(ユーザに表示されるストレージプールのグループ)
• クライアント(ボリュームを使用するコンピュータ)
• コントローラ(ボリュームのメタデータを管理するコンピュータ)
• 基になるファイバーチャネル・ネットワークと Ethernet ネットワーク

「Xsan Admin」を使用して SAN を設定する前に、これらのコンポーネントの編成方法を決める必要


があります。時間を取って、使用可能なハードウェアをユーザおよび SAN 管理者双方の必要を満た
すように RAID アレイ、ストレージプール、ボリューム、クライアントコンピュータ、およびコント
ローラに編成する図面または表を作成してください。

最初に、次の項目を検討してください:
• どれくらいのストレージが必要ですか?
• 使用可能なストレージをどのようにユーザに提供しますか?
• ユーザのワークフローに最適なストレージの編成はどのようなものですか?
• ユーザはどの程度のパフォーマンスを必要としますか?
• 高可用性はどれほど重要ですか?
• セキュリティ要件はどのようなものですか?

上記の質問に対する答えは、以下の点を決めるのに役立ちます:
• RAID アレイにどの RAID 方式を使用しますか?
• 必要な SAN ボリュームの数はいくつですか?
• 個々のボリュームをどのように編成する必要がありますか?
• 各ストレージプールでどの LUN を使用しますか?
• 各ボリュームはどのストレージプールで構成されますか?
• 各ボリュームへのアクセス権を保持するのはどのクライアント、ユーザ、およびグループですか?
• コントローラとして動作するのはどのコンピュータですか?
• スタンバイコントローラは必要ですか?
• コントローラをクライアントとしても使用しますか?
• ファイルシステムのメタデータおよびジャーナルデータをどこに保存しますか?
• どのような割り当て方式を使用しますか?

上記の質問に対する答えから適切な SAN 設計を導き出すため、以降のページに記載されている考慮


事項とガイドラインを検討してください。

第2章 ストレージ・エリア・ネットワークを設定する 21
計画を立てる際の考慮事項とガイドライン
以下に、SAN の設計上の決定を行うのに役立つ情報を示します。

どれくらいのストレージが必要ですか?
ユーザの作業を中断することなく Xsan SAN にストレージを追加するのは簡単なので、必要なのは
適切な開始点を決めることだけです。その後、必要に応じてストレージを追加できます。

使用する Xserve RAID システムの数は、使用可能な容量だけでなく SAN のパフォーマンスにも影響


を及ぼすことに留意してください。詳しくは、「パフォーマンスに関する考慮事項」を参照してくだ
さい。

使用可能なストレージをユーザにどのように表示しますか?
特定のプロジ ェクトに参加している ユーザに対して専用の 作業用ボリュームを表示 する場合は、プ
ロジェクトご とにボリュームを作成 します。ユーザに対してボ リューム内のユーザ用 の作業フォル
ダに加えてほかのユーザのフォルダも表示する場合は、1 つのボリュームを作成してそのボリューム
を複数のプロジェクトフォルダに編成することができます。

ワークフローに関する考慮事項
ユーザのワークフローでは、 いくつのファイル共有が必要ですか? た とえば、異なる複数のユーザ
またはグループが同一のファイル上で同時にまたは連続して作業を行う場合、これらのファイルを 1
つの ボリュー ムに保 存するこ とで、コピ ーの維持 や引き 渡しをし なくて 済みます。「Xsan 」では、
ファイルロックを使用して、複数のファイルの 1 つのコピーに対する共有アクセスを管理します。

パフォーマンスに関する考慮事項
高解像度のビ デオキャプチャや再生 など、実行可能な最高速度 で継続的なデータ転送 を必要とする
アプリケーションに SAN が対応する場合は、以下に示すパフォーマンス上の考慮事項を念頭に置い
て SAN を設計してください:
• 高性能な RAID 方式を使用して、LUN(RAID アレイ)を設定します。詳しくは、23 ページの「LUN
の RAID 方式を選択する」を参照してください。
• アプリケーション用に予約したストレージプール内で最も高速な LUN をグループ化します。負荷
がそれほど大き くないアプリケーションや補助 アプリケーション専用のボリ ュームには、低速な
デバイスを予約します。
• 並列処理を強化するには、LUN を異なる Xserve RAID コントローラ全体に展開します。たとえば、
Xserve RAID の一方に単一の 4 ディスク LUN を作成する代わりに、2 ディスク LUN を両方に 1
つずつ作成して、これらの LUN をストレージプールに追 加します。これにより、 「Xsan」では、
データを 2 つの LUN の両方にストライプして、2 台のコントローラによる同時転送の恩恵を受け
ることができます。
• 比較的小さなストレージプール(1 個から数個のドライブモジュールの規模)で並列処理を強化す
るには、1 個か 2 個のドライブモジュールからストレージプールを作成するのではなく、コント
ローラ上のすべてのドライブに類似のサイズのスライスを作成します。
• ファイル転送を可能な限り多くのドライブおよび RAID コントローラ全体に展開します。スライス
を RAID システムのドライブ全体に作成するようにし、 これらのスライスを結合して 1 つのスト
レージプールにします。
• スループットを 向上させるには、クライアントの ファイバーチャネル・カード上 の両方のポート
をファブリックに接続し、ストレージプール用のマルチパス方式を「動的」に設定します。

22 第2章 ストレージ・エリア・ネットワークを設定する
• ユーザファイル、フ ァイルシステムのメタデータ 、およびジャーナルファイルを 別々のストレー
ジプールに保存し、異なる RAID コントローラの LUN を使用してこれらのストレージプールを作
成します。
• ルータを使用して、SAN が使用する Ethernet ネットワークを社内イントラネットまたはインター
ネットから分離します。さらに優れた方法は、SAN 用の別の Ethernet ネットワーク(各 SAN コ
ンピュータに別個の Ethernet カードを使用します)を使用することです。
• SAN でディレクトリサービス、メールサービス、またはその他のサービスを使用する場合は、別
の Ethernet ネットワークを使用して SAN コンピュータをそのサーバに接続します。
• 一般に、ファイルシステムのオーバーヘッドを考慮しても、1 つの Xserve RAID コントローラで毎
秒約 80 MB(Xserve RAID システムでは 160 MB)のユーザデータを転送できます。クライアン
トごとに特定の スループットを必要とする、複数 のクライアント上で稼働するア プリケーション
に SAN で対応する必 要がある場合は、この値を使 って、転送速度の合計に対応す るのに必要な
Xserve RAID システムの数を見積もることができます。

可用性に関する考慮事項
データにとって高可用性が重要な場合は、プライマリコントローラに加えて、1 つ以上のスタンバイ
コントロー ラを設定します。また、冗長 なファイバーチャネ ル・スイッチを使用し て、各クライア
ント、コントロ ーラ、およびストレージ装 置間で二重のファイバ ーチャネル接続を設定 することも
考慮してください。

重要:スタンバイコントローラを使用していないでメタデータコントローラに障害が発生すると、ボ
リュームのデ ータがすべて失われる 可能性があります。スタン バイコントローラを使 用することを
お勧めします。

また、スタンバイコントローラがある場合は、SAN を中断させることなく「Xsan」ソフトウェアを
アップグレードできます。詳しくは、68 ページの「コントローラソフトウェアをアップグレードす
る」を参照してください。

セキュリティに関する考慮事項
セキュリティで完全に保護され、相互に分離されている必要のあるプロジェクトに SAN で対応する
場合は、プロジ ェクトごとにボリュー ムを作成して、ボリューム に保存されたファイル にクライア
ントまたはユーザが不正にアクセスする可能性を排除できます。

SAN 管理者は、ど のクライアントコンピ ュータにボリュームの 使用を許可するかを制 御できます。


クライアントは、クライアント自体の SAN ボリュームをブラウズまたはマウントすることはできま
せん。ボリュームをマウントするクライアントを指定するには、「 Xsan Admin」を使用します。

また、ボリュー ム上に作成したフォル ダにユーザとグループ のアクセス権を割り当 てたり、標準の


ファイルアクセス権を使用してその他の項目へのアクセスを制御したりできます。

LUN の RAID 方式を選択する


SAN のデータの信頼性お よび復元可能性の多くは、「Xsan」自体ではなく 、ストレージプールとボ
リュームを作成するために結合した RAID アレイにより提供されます。SAN を設定する前に、「 RAID
Admin」を使って、特定の RAID 方式に基づいて LUN を準備します。

第2章 ストレージ・エリア・ネットワークを設定する 23
Xserve RAID は、一般的な RAID レベルすべてに対応しています。次の表に示すように、 RAID 方式
ごとに、提供されるパフォーマンス、データ保護、およびストレージ効率のバランスが異なります。

RAID レベル ストレージ効率 読み出しパフォーマンス 書き込みパフォーマンス データの冗長性


RAID 0 最高 非常に高い 最高 なし
RAID 1 低 高 中 あり
RAID 3 高∼非常に高い 中 中 あり
RAID 5 高∼非常に高い 高 高 あり
RAID 0+1 低 高 高 あり

RAID 10、30、および 50 の方式は、AppleRAID ソフトウェアストライピングを使用することを前提


としているため、独自のス トライピングを使用する「Xsan」には適しま せん。お使いのアレイに適
した RAID 方式を選択するのに役立つ詳しい情報については、 「Xserve RAID ユーザーズガイド」ま
たは「Xserve RAID テクノロジーオーバービュー」(www.apple.com/jp)を参照してください。

ボリュームの数を決定する
ボリュームは、SAN の共有ストレージの最も大きな単位です。ユーザがファイルへの共有アクセス
を必要とす る場合は、それらのファイ ルを同一のボリューム に保存する必要があり ます。これによ
り、ユーザ間でファイルのコピーを受け渡しする必要がなくなります。

一方、セキュリティの保護が重要な課題である場合は、クライアントアクセスを制御する 1 つの方
法は、別々の複 数のボリュームを作成 して、認可されたボリュー ムだけを各クライアン トにマウン
トすることです。

通常、もっとセキュリティと共有アクセスのバランスを取るには、柔軟性のある妥協案として、1 つ
のボリュームを作成し、フォルダアクセス権を使用してアクセスを制御します。

参考:ボリュームの最大サイズは 16 TB です。16 TB を超えるストレージが必要な場合は、複数のボ


リュームを作成する必要があります。

ボリュームの編成方法を決定する
定義済 みのフォル ダを作成す ることで、ユー ザがボリュ ームのデー タを編成す るのを支援 したり、
「Xsan Admin」を使 ってアクセス権を
ユーザをボリュー ム内の特定の領域に制限したりでき ます。
割り当てることによって、これらのフォルダへのアクセスを制御できます。

アフィニテ ィを使用して、フォルダを 特定のストレージプー ルに割り当てることが できます。たと


えば、高速なア クセスを必要とするデ ータ用のフォルダを作 成して、そのフォルダを最 も高速なス
トレージプールに割り当てることができます。

LUN をストレージプールに割り当てる
ストレージプールを設定する場合は、類似の容量およびパフォーマンス特性を持つ LUN を使用する
必要があります。

24 第2章 ストレージ・エリア・ネットワークを設定する
高パフォーマンスを実現するため、「Xsan」では、 RAID 0 方式を使用してデータをストレージプー
ル内の LUN 全体にストライプします。このため、プール内の LUN が同じサイズである必要がありま
す。サイズの異なる LUN を使用してストレージプールを設定する場合、「Xsan」では、各 LUN 上の
使用可能な容量のうち、最小の LUN の容量と同じ容量を使用します。このため、各 LUN のサイズが
異なる場合、容量が無駄になります。たとえば、240 GB と 360 GB の RAID アレイをストレージプー
ルに割り当てる場合、容量の大きいアレイの 120 GB は使用されません。類似の容量の LUN を結合
することで、使用可能なストレージの浪費を避けることができます。

パフォーマン ス要件の高いアプリケ ーションで使用するス トレージプールを設定す る場合は、同程


度に高速な LUN を割り当ててください。パフォーマンス要件がそれほど重要ではないデータを保存
するストレージプールには、より低速の LUN を割り当てます。

異なるドライブモジュールおよび RAID コントローラ上で管理される LUN からストレージプールを


作成すると、デ ータ転送の並列処理 が向上するため、パフォ ーマンスが向上し ます。たとえば、そ
れぞれが Xserve RAID の左側にある 1 つのドライブモジュールである 2 つの LUN で構成されるスト
レージプールは、7 つのドライブすべてにまたがる単一のスライス(各コントローラに 1 つのスライ
スがあります)である 2 つの LUN で構成される類似サイズのストレージプールほど高速にはなりま
せん。前者の場合、すべての転送は 1 つの RAID コントローラを介して 2 つのドライブに対しての
み行われますが、後者の場合は、同じ転送が 2 つの RAID コントローラと 14 のドライブ全体に展開
されます。

ストレージプールをボリュームに割り当てる
使用可能な LUN を結合してストレージプールにする方法を決定した後で、作成するボリュームにそ
れらのストレージプールを割り当てます。

最善のパフォ ーマンスを得るため、ファ イルシステムのメタデ ータとジャーナルデー タ用に別個の


ストレージプールを作成してください。

参考:16 TB を超えるストレージプールまたはボリュームを作成することはできません。

ボリュームをマウントするクライアントを決定する
複数のボリュ ームを作成する場合は、ど のクライアントにどの ボリュームをマウント するかを決定
します。

コントローラを選択する
SAN コントローラにするコンピュータを 1 つ以上選択する必要があります。SAN コントローラは、
ファイルシステムのメタデータの管理を担当するコンピュータです。

参考:ファイル システムのメタデー タとジャーナルデータ は、コントローラ自体で はなく、選択し


た SAN ボリュームに保存されます。詳しくは、26 ページの「メタデータとジャーナルデータの保存
場所を選択する」を参照してください。

クライアントの数が少ないか、パフォーマンスがそれほど重要でない場合は、1 つのコンピュータを
コントローラ兼クライアントとして使用できます。1 つのストレージ装置と、コントローラ兼クライ
アントとして動作する 1 つのコンピュータで構成される SAN を設定することもできます(たとえば、
ネットワークに接続したストレージとして使用できます)。

第2章 ストレージ・エリア・ネットワークを設定する 25
高可用性が重要である場合は、2 台以上のコントローラを使用して、1 台をプライマリコントローラ
に、もう 1 台をスタンバイコントローラにする必要があります。必要に応じて追加のコントローラ
を指定し、フェ イルオーバー優先順位 を設定して、プライマリコ ントローラが応答しな くなった場
合に試行される順序を決定します。

スタンバイコントローラを選択する
SAN ボリュームを常に使用可能にするため、プライマリ・メタデータ・コントローラに障害が発生
した場合に処理を引き継ぐスタンバイコントローラを 1 台以上設定します。また、スタンバイコン
トローラを使用すると、SAN ボリュームへのユーザアクセスを中断することなく、コントローラ上
のソフトウェアをアップグレードすることもできます。

クライアントとコントローラを結合する
同じコンピュ ータをメタデータコン トローラ兼クライアン トとして機能させること ができます。た
とえば、1 つの Xserve RAID と、コントローラ兼クライアントとして動作する 1 台のコンピュータ
で構成される SAN を設定できます。コントローラとして指定したすべてのコンピュータは、クライ
アントとしても動作できます。

たとえば、スタ ンバイコントローラ専 用のコンピュータがな い場合は、通常はクライア ントとして


使用するコン ピュータを、プライマリコ ントローラに障害が発 生した場合にコントロ ーラの機能を
引き継ぐように割り当てることができます。

クライアント とコントローラを別に しておくために、クライア ント専用のコンピュー タをユーザ用


に設定できます。

メタデータとジャーナルデータの保存場所を選択する
ボリ ュームに ついて 説明す るメタデ ータと ジャー ナルデー タは、ボリ ューム のメタデ ータコ ント
ローラでは なく、ボリューム自体に 保存されます。デフォルト では、これらのデータは ボリューム
内の最初のス トレージプールに保存 されます。ボリュームが複 数のストレージプール で構成される
場合は、メタデータとジャーナルデータの保存に使用するストレージプールを選択できます。

ほとんどの場 合、メタデータとジャーナ ルデータを同じストレ ージプールにユーザデ ータとして保


存すると、優れたパフォーマンスが得られます。ただし、可能な最善のパフォーマンスを得るには、
メタデータと ジャーナルデータをボリ ューム内の別個のスト レージプールに保存する ことを考慮し
てください。

割り当て方式を選択する
ボリューム用 に選択する割り当て方 式により、ストレージプー ルにデータを入力する 順序が決まり
ます。ラウンドロビン、フィル、およびバランスの中から選択できます。

「Xsan」は新しいデータをボリューム内の各ストレージプールに順に
ラウンドロビンを選択すると、
書き込みます。

「Xsan」はすべての新しいデータをボリューム内の最初のストレージプールに
フィルを選択すると、
書き込み、その ストレージプールがい っぱいになると次のス トレージプールに書き 込みます。特定
のストレージプールをできるだけ使用したくない場合は、これを選択することができます。

26 第2章 ストレージ・エリア・ネットワークを設定する
「Xsan」は最大の空き容量があるストレージプールに新しいデータを書き込
バランスを選択すると、
みます。

コンピュータとストレージ装置を接続する
Xsan SAN を設定する前に、クライア ントコンピュータ、コン トローラコンピュー タ、およびスト
レージ装置を SAN のファイバーチャネル・ネットワークおよび Ethernet ネットワークに接続しま
す。お使いのネットワークが 19 ページの「ファイバーチャネル・ファブリック」および 19 ページ
の「Ethernet TCP/IP ネットワーク」に示されている要件を満たしていることを確認してください。

LUN(RAID アレイおよびスライス)を準備する
通常、Xserve RAID システムは、それぞれの側に(各コントローラに) 1 つずつ配置された 2 つの
RAID 5 アレイとしてあらかじめ設定されています。このため、箱から出したままの状態で、各 Xserve
RAID には 2 つの LUN があります。この設定が使用環境に適しているなら、これ以上の準備は必要
ありません。

その他の RAID アレイまたはスライスの組み合わせを設定する場合は、作成した LUN を SAN のスト


レージ プールに追加 する前に「RAID Admin」ユー ティリティを 使用して設定 を行う必要が ありま
「RAID Admin」の使用方法については、
す。 「RAID Admin 1.2 とディスクユーティリティを使用す
る」(www.apple.com/jp/server/documentation)を参照し てください。RAID 方式の選択につい
て詳しくは、23 ページの「 LUN の RAID 方式を選択する」を参照してください。

「Xsan」で使用するアレイや スライスをフォーマッ
参考:「ディスクユーティリ ティ」を使用して、
「Xsan Admin」を使 用してアレイやスライスをストレ ージプールに追加
トする必要はあり ません。
するときに、LUN のラベル設定および初期化が行われます。ラベルを設定した後で、
「ディスクユー
ティリティ」を使用して LUN を表示または変更することはできません。

アレイを結合して 1 つのストレージプールにする場合は、必ず類似のサイズのアレイを作成してく
ださい。詳しくは、24 ページの「LUN をストレージプールに割り当てる 」を参照してください。

第2章 ストレージ・エリア・ネットワークを設定する 27
「Xsan Admin」アプリケーションを使用する
「Xsan Admin」アプリケーションを使って、SAN の設定および管理を行います。「Xsan Admin」を
使用すると、SAN の TCP/IP サブネットにアクセス可能な任意のコンピュータから SAN を管理でき
ます。

「Xsan Admin」は、「/ アプリケーション /Server」にインストールされます。

「Xsan Admin」を個別にインストールする
「Xsan Admin」は、「Xsan」ソフトウェアを SAN コントローラおよびクライアントコンピュータに
「Xsan Admin 」だけを SAN の管理に 使用するほ
インストール するときにインストール されます。
かの任意のコンピュータにインス トールすることもできます。詳しくは、31 ページを参照してくだ
さい。

ファイアウォールを介して接続する
SAN と「Xsan Admin」の実行に使用するコンピュータの間にファイアウォールが存在する場合は、
ファイアウォールのポート 311 を開いて、「Xsan Admin 」が SAN コンピュータと通信できるように
する必要があります。

「Xsan Admin」の環境設定
「Xsan Admin」を開いて、「Xsan Admin 」>「環境設定」と選択して次の設定を調節します:
• SAN の横に表示される色付きの状況インジケータで示される状況の数、および「SAN コンポーネ
ント」リスト内のボリュームの数:
• 通信をセキュリティで保護するための SSL またはデジタル署名の使用
• IP アドレスの代わりに名前を表示するための DNS の使用
• SAN 使用状況グラフのスムージング
• 接続の警告
• SAN の状況のリフレッシュ間隔
• 表示されるログの情報量

ヘルプを参照する
「Xsan Admin」にはオンラインヘルプが含まれています。「ヘルプ」>「Xsan Admin ヘルプ」と選
択するか、ダイアログまたはパネルに表示されるヘルプボタンをクリックします。

コマンドラインを使用する
必要に応じて、シェル・コマ ンド・プロンプトから「Xsan」の設定および管 理に関する多数の作業
を実行できます。詳しくは、付録 B を参照してください。

28 第2章 ストレージ・エリア・ネットワークを設定する
SAN の設定の概要
最初の Xsan ストレージ・エリア・ネットワークを設定するときは、以下の手順を実行します。各手
順の詳細は、示されているページを参照してください。
1 ファイバーチャネル・ネットワークを設定する(30 ページ)

2 Ethernet ネットワークを設定する(30 ページ)


3 SAN のユーザとグループを設定する(30 ページ)
4 RAID アレイを設定する(30 ページ)
5 SAN コンピュータに「Xsan」ソフトウェアをインストールする( 31 ページ)
6 SAN にログインする(31 ページ)
7 コントローラを選択してクライアントを追加する(32 ページ )

8 使用可能な LUN にラベルを設定して初期化する(33 ページ)

9 ボリュームを作成する(34 ページ)

10 ストレージプールをボリュームに追加する(35 ページ )

11 LUN をストレージプールに追加する(35 ページ)


12 (オプション)状況通知を設定する(36 ページ)
13 (オプション)フォルダをストレージプールに割り当てる(36 ページ)
14 (オプション)ユーザとグループのクオータを設定する(37 ページ)
15 ボリュームを開始してクライアントにマウントする( 37 ページ)

第2章 ストレージ・エリア・ネットワークを設定する 29
Xsan ストレージ・エリア・ネットワークを設定する
手順 1 : ファイバーチャネル・ネットワークを設定する
m コントローラコンピュータ、クライアントコンピュータ、および Xserve RAID ストレージシステムを
ファイバー チャネル・ネットワーク に接続します。必ずスイッ チを設定して接続を 確立し、ファイ
バーチャネル・ファブリックを作成してください。

詳しくは、19 ページの「ファイバーチャネル・ファブリック」のガ イドラインおよび要件を参照し


てください。

手順 2 : Ethernet ネットワークを設定する
m コントローラコンピュータ、クライアントコンピュータ、および Xserve RAID システムを、プライ
ベートの TCP/IP サブネットまたはイントラネットの同じサブネットに接続します。

19 ページの「Ethernet TCP/IP ネットワーク」に示されているガイドラインに従ってください。

手順 3 : SAN のユーザとグループを設定する
m ユーザとグループの一元化されたディレクトリがすでにある場合は、各 SAN コンピュータの「ディ
レクトリアクセス」アプリケーションを使用してそのディレクトリを認証用に選択してください。一
元化されたディレクトリ がない場合は、Mac OS X Server の「ワークグ ループマネージャ」および
オープンデ ィレクトリ・サービスを使 用してディレクトリを 設定できます。このディレ クトリを設
定しない場合は、SAN コンピュータごとに同じユーザとグループのセットを再作成する必要があり
ます。

重要:SAN コンピュータごとにユーザとグループを個別に作成する場合は、必ずすべての SAN コン


ピュータで、各ユーザ名はまたグループ名に同じ数値のユーザ ID(UID)またはグループ ID(GID)
が割り当てられるようにしてください。これを行う 1 つの方法は、コンピュータごとにユーザとグ
ループの同じ順序の同じリストを作成することです。

手順 4 : RAID アレイを作成する( LUN を準備する)


m 通常、新しい Xserve RAID システムは、LUN として使用する準備のできた 2 つの RAID 5 アレイとして
あらかじめ設定されています。その他の LUN の設定を行う場合は、
「 RAID Admin 」アプリケーショ
ンを使用して、Xserve RAID システム上に RAID アレイまたはスライスを作成します。ほかの RAID
方式の選択については、23 ページの「 LUN の RAID 方式を選択する」を参照してください。

30 第2章 ストレージ・エリア・ネットワークを設定する
手順 5 :「Xsan」ソフトウェアをクライアントおよびコントローラにインストールする
「Xsan」のインストールディスクを SAN に接続された各コントローラコンピュータおよびクライア
ントコンピュータにセットし、「Xsan」ソフトウェアをインストールします。

Xsan ファイルシステムおよび「Xsan Admin」アプリケーションをインストールするには:


m 各コンピュータにディスクをセットして、 「Xsan」のインストーラアイコンをダブルクリックします。

「Xsan Admin」をインストールしないで、ファイルシステムだけをインストールするには:
m インストーラの最後に表示されるウインドウで「カスタマイズ」をクリックして、 「 Xsan Admin」
の選択を解除します。

「Xsan Admin」アプリケーションだけをインストールするには:
m 「Xsan」のインストールディスクの「Admin Tools 」フォルダを開いて、「 XsanAdmin.pkg」をダブ
ルクリックします。

キーボードやモニタのないコンピュータに「Xsan」をインストールするには:
1 モニタとキーボードのあるコンピュータにログインして、「 Xsan」のディスクをセットします。

2 「ターミナル」アプリケーションを開きます(「/ アプリケーション / ユーティリティ」にあります)。

3 「ターミナル」で、Xsan インストーラパッケージをリモートコンピュータにコピーします:

$ scp -r /Volumes/Xsan/install_xsan.mpkg user@remotehost:/tmp/


ここで、 user はリモートコ ンピュータの管理者ユーザで、 remotehost はインストール先のコン
ピュータの IP アドレスまたは DNS 名です。

4 リモートコンピュータにログインします:

$ ssh user@remotehost
ここで、 user および remotehost は、前の手順の場合と同じです。

5 モニタとキーボードのないコンピュータでインストーラを実行します:

$ sudo installer -pkg /tmp/Install_Xsan.mpkg -target /


インストールの進行状況を表示する場合は、「-verbose」パラメータを追加します。

$ sudo installer -verbose -pkg /tmp/Install_Xsan.mpkg -target /

手順 6 :「Xsan Admin」を開いて SAN にログインする


1 SAN に接続された任意のコンピュータで「Xsan Admin」を開きます。
「Xsan Admin」は、「/ アプリケーション /Server」にあります。

「Xsan Admin」は、SAN に接続された任意のコンピュータ、または SAN の TCP/IP サブネットに接


続できる任意のリモートコンピュータで開くことができます。

2 ログインダイアログが表示されたら、管理者アカウントを使って、コントローラとして使用する SAN
コンピュータにログインします。

3 「コンピュータ」パネルが表示されたら、SAN の名前を入力します。(「コンピュータ」パネルが表示
されない場合は、「作成」をクリックしてから「コンピュータ」をクリックしてください。)

「Xsan Admin 環境設定」で「リスト内の SAN 名を使用」を選択した場合は、コントローラ名また


はアドレスの代わりにこの名前が「SAN コンポーネント」リストに表示されます。

第2章 ストレージ・エリア・ネットワークを設定する 31
手順 7 : コントローラとクライアントを設定する
「Xsan」がインストールされたローカルネットワーク上のすべてのコンピュータが、
「コンピュータ」
パネルにリ ストされます。次に行うこ とは、メタデータコントロ ーラとして動作するコ ンピュータ
を 1 台以上選択し、その他のコンピュータをクライアントとして設定することです。
1 「コンピュータ」パネルで、リスト内のコンピュータを選択します。

目的のコンピュータがリ ストに含まれていない場合は、そのコンピュータ に「Xsan 」ソフトウェア


がインストールされていること、そのコンピュータが SAN の Ethernet サブネットに接続されている
こと、そのコンピュータの電源が入っていてスリープ状態になっていないことを確認してください。

2 「認証」ボタンが表示される場合は、そのボタンをクリックし、SAN に追加するコンピュータの管理
者ユーザ名とパスワードを入力します。

3 編集ボタンをクリックします。

4 「Xsan」ソフトウェアのシリアル番号を入力します。

シリアル番号は、「Xsan」のインストールディスクのケースに記載されています。

5 コンピュータをコントローラとして機能させるか、クライアントとして機能させるかを選択します。

1 台以上のコンピュータを SAN のコントローラとして設定する必要があります。


「役割」ポップアッ
プメニューから以下を選択します:

「クライアント」:コンピュータはクライアントとしてのみ機能します。

「コントロー ラ」
:コンピュータはコント ローラとして動作す ると共に、クライアントし ても使用で
きます。

コントロー ラのみを選択すること はできません。すべてのコ ントローラは、クライアン トとしても


動作できま す。コントローラがクライ アントとして使用され ることを防ぐには、そのコ ンピュータ
に対するユーザログインや物理的なアクセスを制限してください。

6 コンピュータがコントローラとして動作する場合は、そのフェイルオーバー優先順位を選択します。

プライマリコントローラまたは SAN 内の唯一のコントローラの場合は、「高」を選択します。スタ


ンバイコントローラの場合は、「中」または「低」を選択します。

7 メタデータ通信に使用するネットワークインターフェイスを選択します。

8 「OK」をクリックしてから、リスト内のほかのコンピュータに対してこれらの手順を繰り返します。

9 設定が完了したら、「保存」をクリックします。

32 第2章 ストレージ・エリア・ネットワークを設定する
手順 8 : LUN(RAID アレイ)にラベルを設定して初期化する
次に、使用可能な LUN を Xsan ファイルシステムで使用する準備(ラベル設定と初期化)を行います。
各 LUN は、「RAID Admin」を使って設定した RAID アレイまたはスライスを表します。
1 「Xsan Admin」の「作成」パネルで、「LUN 」をクリックします。

対応するストレージ装置が名前およびサイズ別にリストされます。SAN のファイバーチャネル・ネッ
トワークに接続された Xserve RAID システム上で作成した RAID アレイまたはスライスごとに、LUN
が 1 つ表示されます。

新しく作成した LUN がリストに表示されない場合は、「更新」をクリックするか、表示されるまで


「 Xsan Admin」を終了し、コン ピュータを再起
しばらく待ちま す。それでも表示されない場合は、
動してもう一度やり直してください。

2 LUN を選択して「編集」をクリックします。
3 LUN のラベルを入力して「OK」をクリックします。
4 ラベルのない LUN ごとに、同じ手順を繰り返します。

5 「保存」をクリックして、LUN を初期化します。

これで、LUN をストレージプールおよびボリュームに編成できます。

第2章 ストレージ・エリア・ネットワークを設定する 33
手順 9 : ボリュームを作成する
次に、ユーザに表示するボリュームを作成します。
1 「Xsan Admin」の「作成」パネルで、「ストレージ」をクリックします。

2 「新規ボリューム」ボタン(空のリストの横に表示されます)をクリックします。

3 ボリュームの名前を入力します。

大文字(A ∼ Z)、小文字(a ∼ z)、および数字( 0 ∼ 9)だけを使用します。スペース、アンダー


スコア(_ )、ハイフン(- )は含めないでください。最大の長さは、70 文字です。

ボリュームをマウントすると、この名前が「Finder」でユーザに表示されます。

4 特別な必要がない限り、最大ログサイズはデフォルト値のままにしてください。

これは、コントローラの起動ディスク上でログファイルが使用する容量です。

5 パフォーマンスを調整する特別な必要がない限り、
ブロック割り当てサイズは調節しないでください。

Xserve RAID システムのパ フォーマンスを最適化するには、ブロック割り当 てサイズにストライプ


幅(ボリュームに追加した各ストレージプールに設定する値)を乗算した値が 1 MB(1048576 バイ
ト)に等しくなるようにする必要があります。詳しくは、 54 ページの「ボリュームのブロック割り
当てサイズを選択する」を参照してください。

6 割り当て方 式を選択します。これによ り、ボリュームを構成する ストレージプールにデ ータを書き


込む順序が決まります。以下を選択できます:

「ラウンドロ ビン」
:新しいデータは、ボリ ューム内で使用可能な 次のストレージプール に書き込ま
れます。

「フィル」:すべて のデータが最初のスト レージプールに保存 されます。最初のストレー ジプールが


いっぱいになると、次のストレージプールに保存されます。

「バランス」:新しいデータは、空き容量の最も多いストレージプールに書き込まれます。

7 「OK」をクリックします。

追加のボリュームを作成する場合は、これらの手順を繰り返します。

これで、ストレージプールを各ボリュームに追加する準備ができました。

34 第2章 ストレージ・エリア・ネットワークを設定する
手順 10 : ストレージプールをボリュームに追加する
1 リスト内の ボリュームを選択して、 リストの横にある「新規ス トレージプール」ボタン をクリック
します。

2 ストレージプールのダイアログで、次の情報を指定します。

「ストレージプール名」:ストレージプールの名前を入 力します。名前の入力後に「OK」ボタンが使
用できない場合、その名前は予約されています。予約されている名前のリストについては、 76 ペー
ジの「ストレージプールを追加できない」を参照してください。

「用途」:ストレー ジプールに保存する データのタイプを選 択します。ジャーナルデ ータは、コント


ローラにより、ボリューム内のファイルの整合性を確認するために使用されます。メタデータは、コ
ントローラ が使用するファイルシ ステム情報です。ジャーナ ルデータおよびメタデ ータは常に、少
なくともボリ ューム内の最初のスト レージプールに保存さ れます。これがボリューム 内の最初のス
トレージプールでない場合は、「ユーザデータのみ」を選択できます。このストレージプールに対し
てアフィニティのあるフォルダに保存したファイルだけを許可するには、「アフィニティのあるデー
タのみ」を有効にします。

「ストライプ幅」
:パフォーマンスを調整するための別の値を算出した場合を除いて、この値はデフォ
ルト(64 ブロック)のままにしてください。デフォルトのままにしない場合は、ストレージプール
内の各 LUN に順に書き込むデータ量に変更します。Xserve RAID システムのパフォーマンスを最適
化するには、ス トライプ幅にブロッ ク割り当てサイズ(ボリュ ームに対して設定す る値)を乗算し
た値が 1 MB(1048576 バイト)に等しくなるようにする必要があります。詳しくは、 50 ページの
「ストレージプールのストライプ幅を選択する」を参照してください。

「アクセス権」
: ユーザがストレージプールの内容を変更できないように、
「読み出し専用」に変更し
ます。

「マルチパス方式」:各クライアントコンピュータと Xserve RAID システムの間にファイバーチャネ


ル接続が 2 つある場合は、
「Xsan」が接続を使用する方法を選択します。最大のスループットを得る
には、「動的」を 選択して「Xsan」で 接続を切り替 えるように します。ボリュ ームのマウン ト時に
「Xsan」でストレージ プール内の各 LUN をいずれかの接続に交互に割り当て るようにする場合は、
「静的」を選択します。

3 「OK」をクリックして、リストに戻ります。

4 必要なストレージプールごとに同じ手順を繰り返します。

手順 11: LUN( RAID アレイ)をストレージプールに追加する


SAN のストレージを準備する最後の手順として、LUN を SAN ボリューム内のストレージプールに
割り当てます:
1 「ストレージ」パネルでストレージプールを選択して、「使用可能な LUN」をクリックします。
パネルが開いて、33 ページで初期化したすべての LUN のリストが表示されます。

2 LUN をパネルからストレージプールにドラッグします。
新しい LUN のサイズがすでにストレージプールにある LUN のサイズと同じでない場合は、使用可能
なサイズがリスト内の LUN の横に表示されます。

3 「保存」をクリックします。

第2章 ストレージ・エリア・ネットワークを設定する 35
手順 12:(オプション)SAN の状況通知を設定する
「Xsan」では、 SAN の状態が変 化したときにメールまたはポケベルでその ことを通知できます。今
すぐに通知を設定しない場合は、後で設定できます。
1 「通知」パネルで、リストの横にある追加ボタン(+)をクリックして連絡先を追加します。
2 新しいエント リをダブルクリックし て、メールアドレスまたは ポケベルのテキストメ ッセージアカ
ウントのアドレスを入力し、Return キーを押します。

3 ポケベル用のエントリの場合は、「ポケベル」列のチェックボックスを選択します。

4 通知を送信する原因となる状態(「通知内容」の横にあります)を選択します。

5 「SMTP 情報」をクリックして、送信者の名前とメールサーバのアドレスを入力します。

6 通知をテストするには、アドレスを選択して「テスト通知を送信」をクリックします。

手順 13:(オプション)フォルダをストレージプールに割り当てる
特定 のファイ ルをボ リュー ム内の特 定のス トレー ジプール に強制 的に保 存する場 合は、その スト
レージプー ルとアフィニティのあ るフォルダを作成しま す。これで、ユーザがそのフォ ルダに入れ
るファイルはそのストレージプールにのみ保存されます。
1 「Xsan Admin」で「SAN コンポーネント」リスト内のボリュームを選択して、「ボリュームを開始」
をクリックします。

2 ボリュームを選択した状態で、「クライアント」をクリックします。

3 接続先のコントローラを選択して、「読み/書き権限でマウント」をクリックします。

4 「アフィニティ」をクリックします。

5 フォルダが 表示されるボリューム を(左側のリストではな く中央のリストで)選択 して、リストの


横にある追加ボタン(+ )をクリックします。

6 表示される ダイアログでフォルダ の名前を入力して、フォル ダ(およびそのフォルダに 入れるすべ


てのファイル)を保存するストレージプールを選択して、「 OK」をクリックします。

使用したい ストレージプールが「スト レージプールアフィニ ティ」ポップアップメニュ ーにリスト


されない場合 は、アフィニティのあるユ ーザデータを許可する ように設定されていな い可能性があ
ります。確認するには、左側の「SAN コンポーネント」リストで SAN を選択し、「設定」をクリッ
クして、「ストレージ」をクリックします。次に、ストレージプールを選択して「編集」ボタンをク
リックし、「用途」の横で有効になっているデータ・タイプを確認します。

7 新しいフォルダを選択して、アクセス権(リストの下にあります)を設定します。

オーナーまたはグループを変更するには、追加ボタン( +)をクリックして、表示されるパネルから
ユーザまたは グループをドラッグし ます。目的のユーザとグル ープがパネルにリスト されない場合
は、「ディレクトリアクセス」(「/ アプリケーション / ユーティリティ」にあります)を開いて、適
切な認証用ディレクトリを使用していることを確認してください。

8 「保存」をクリックします。

36 第2章 ストレージ・エリア・ネットワークを設定する
手順 14 :(オプション)ユーザとグループのクオータを設定する
クオータを設定して、各ユーザまたはグループが使用する各 SAN ボリュームの容量を制御できます。
1 「SAN コンポーネント」リストでボリュームを選択して、
ボリュームがまだ開始されていない場合は、
「ボリュームを開始」をクリックします。

2 ボリュームが選択された状態で、「クオータ」をクリックします。

3 追加ボタン( +)をクリックして、ユーザまたはグループをパネルからクオータリストにドラッグし
ます。

パネルに SAN ユーザが表示されない場合は、「ディレクトリアクセス」


(「/ アプリケーション / ユー
ティリティ」に あります)を開いて、適切な ユーザ認証用ディレ クトリを使用している ことを確認
してください。

4 クオータリス トでユーザまたはグル ープを選択して、ウインド ウの下半分でクオータ の設定を調節


します。

ソフトクオ ータ:ユーザ用に推奨され る最大作業容量。ユーザは 必要に応じてこの制限 を超過でき


ますが、次の「クオータをロック」で指定した期間に限ります。

ハードクオータ:ユーザのデータ用に使用可能なストレージの絶対最大容量。

クオータをロック ...:ユーザがソフトクオータを超過した時点からハードクオータに自動的に切り
替えられるまでの期間。

手順 15: ボリュームを開始してクライアントにマウントする
ボリュームを クライアントコンピュー タ上のユーザまたはア プリケーションから使用 可能にするに
「 Xsan Admin」を使用してボリュームを開始し、クライアントにマウントする必要があります。
は、
クライアントコンピュータにログインしているユーザは、 SAN ボリュームを自分でブラウズまたは
マウントすることはできません。
1 「Xsan Admin」の「SAN コンポーネント」リストで、新しい各ボリュームを選択して「ボリューム
を開始」をクリックします。

ボリュームにアフィニティまたはクオータを設定した場合、ボリュームはすでに開始されています。

2 ボリュームを選択した状態で、「クライアント」をクリックします。

3 クライアントコンピュータを選択して、「読み/書き権限でマウント」をクリックします。

クライアントがボリュームを変更できないようにするには、「読み/書き権限でマウント」をクリッ
クした後で「読み出しのみ権限でマウント」をクリックします。

一度に複数のコンピュータをマウントするには、Shift キーを押しながらコンピュータをクリックし
ます。

各クライア ントコンピュータの「 Finder」に、マ ウントしているボリ ュームのアイコン が表示され


ます。

ボリュームを クライアントにマウン トできない場合は、すべて のクライアントおよび コントローラ


をシステム 終了して、最初にコント ローラを再起動し、次にク ライアントを再起動 して、再度マウ
ントし ます。それで も問題が解 決しない 場合は、ファイ バーチャ ネル・スイッチ の設定を 調べて、
SAN のクライアント、コントローラ、およびストレージ装置が同じファイバーチャネル・ゾーン内
にあることを確認してください。

第2章 ストレージ・エリア・ネットワークを設定する 37
SAN の名前を変更する
SAN は、「Xsan Admin」の「SAN コンポーネント」リストに名前別に表示されます。デフォルトで
は、SAN の名前は、SAN の設定時に接続するコントローラに基づいて設定されます。この名前は、
「Xsan Admin」を使用して変更できます。

SAN の名前を変更するには:
1 「Xsan Admin」(「/ アプリケーション /Server」にあります)を開きます。

2 「SAN コンポーネント」リストから SAN を選択します。

「SAN コンポーネント」に SAN がリストされない場合は、


「接続」をクリックして SAN のコントロー
ラにログインします。

3 「作成」をクリックし、「コンピュータ」をクリックします。

4 「SAN 名」フィールドに名前を入力して、「保存」をクリックします。

5 「Xsan Admin」>「環境設定」と選択して、「リスト内の SAN 名を使用」を選択します。

SAN を削除する
SAN をサービスから取り出し、「Xsan Admin」から取り除くときは、以下の手順に従います。

SAN を取り除くには:
1 「Xsan Admin」(「/ アプリケーション /Server」にあります)を開きます。

2 SAN のボリュームをクライアントコンピュータからマウント解除します。
「SAN コンポーネント」リストで SAN の各ボリュームを選択して、「クライアント」をクリックし、
ボリュームがマウントされている各クライアントを選択して、
「マウントを解除」をクリックします。

3 SAN のボリュームを停止します。
「SAN コンポーネント」リストで SAN の各ボリュームを選択して、「ボリュームを停止」をクリック
します。

4 「SAN コンポーネント」リストで SAN を選択して、「SAN を取り除く」をクリックします。

38 第2章 ストレージ・エリア・ネットワークを設定する
追加の SAN を設定する
「Xsan Admin」を使用して、複数の SAN を設定および管理できます。新しい SAN を追加するには、
コンピュータとストレージ装置をファイバーチャネル・ネットワークおよび Ethernet ネットワーク
に接続し、コントローラまたはクライアントとして動作するコンピュータを識別して、Xserve RAID
アレイおよ びスライス(LUN)を結合して使 用可能なストレージ をストレージプー ルに、さらにス
トレージプールをボリュームに編成します。次に、作成されたボリュームをクライアントコンピュー
タにマウントします。

はじめて SAN を設定する場合は、この章の前の部分にある計画のガイドラインと詳しい手順を参照


してください。

SAN を追加するには:
m 「Xsan Admin」を開いて「SAN を追加」をクリックし、新しい SAN のコントローラとして使用する
コンピュータにログインします。次に、29 ページの「 SAN の設定の概要」で説明されている手順に
従って SAN を設定します。

第2章 ストレージ・エリア・ネットワークを設定する 39
3 SAN ストレージを管理する
3
この章では、SAN ストレージを拡張、変更、確認、および修復する方
法について説明します。

この章では、次の操作の方法を説明します:
• SAN にストレージを追加する(42 ページ)
• ストレージプールに LUN を追加する(43 ページ)
• ボリュームにストレージプールを追加する(44 ページ)
• ボリュームを追加する(45 ページ)
• 特定のストレージプールに対するアフィニティのあるフォルダを作成する( 46 ページ)
• フォルダ内のフォルダにアフィニティを割り当てる(47 ページ)
• アフィニティを取り除く(47 ページ)
• ストレージプールの設定を変更する(48 ページ)
• ストレージプールの名前を変更する(48 ページ)
• アクセス権を設定する(49 ページ)
• ストレージプールに保存するファイルのタイプを選択する(49 ページ)
• ストレージプールのストライプ幅を設定する(50 ページ)
• 接続を選択する方法を設定する(51 ページ)
• ボリュームの設定を変更する(52 ページ)
• ボリュームの名前を変更する(52 ページ)
• ストレージの割り当て方式を設定する(53 ページ)
• ブロック割り当てサイズを設定する(54 ページ)
• ボリュームをデフラグする(55 ページ)
• ボリュームを確認する(56 ページ)
• ボリュームを修復する(56 ページ)

41
ストレージを追加する
次のようないくつかの方法で、SAN にストレージを追加できます:
• 既存のストレージプールに RAID アレイ(LUN )を追加する
• 既存のボリュームにストレージプールを追加する
• 新しいボリュームを追加する

最初の方法では、クライアント上のボリュームをマウント解除して再度マウントする必要があります。

2 番目の方法では、ボリュームを使用しているユーザの操作を中断せずに、既存の SAN ボリューム


で使用可能 な容量を増やすことが できます。ユーザに分かる 変更は、ボリューム上で使 用可能な容
量が増えたことだけです。

3 番目の方法では、新しいボリュームを作成し、これをクライアントコンピュータに明示的にマウン
トする必要 があります。さらに、クライ アントでは、新しいファ イルとフォルダを新し いボリュー
ムに保存するか、既存の項目をそのボリュームにコピーするかを選択する必要があります。したがっ
て、この方法ではユーザのワークフローが煩雑になる可能性があります。

42 第3章 SAN ストレージを管理する


ストレージプールに LUN を追加する
SAN ボリュームの容量を増やすには、そのボリュームに属するストレージプールに LUN( RAID ア
レイまたはアレイスライス)を追加します。

互換性がある LUN を選択する


ストレージプール内の既存の LUN に、パフォーマンスと容量が類似する LUN を追加します。同一の
ストレージプール内でサイズまたは速度が異なる LUN が混在すると、パフォーマンスが低下したり、
容量が浪費されたりする可能性があります。

参考:1 つのストレージプールに 32 個を超える LUN を含めることはできません。また、 1 つのボ


リュームに含まれる LUN の総数が 512 個を超えることはできません。

ストレージプールに LUN を追加するには:


1 アレイを管理する Xserve RAID システムを追加する場合は、SAN のファイバーチャネル・ネットワー
クおよび Ethernet ネットワークに接続します。

2 RAID アレイまたはスライスをまだ作成していない場合は、「RAID Admin」を使用して作成します。


詳細は、「RAID Admin とディスクユーティリティを使用する」
(www.apple.com/jp/server/documentation で入手できます)または「RAID Admin」のオンライ
ンヘルプを参照してください。

参考:新しいアレイをフォーマットするときに、「ディスクユーティリティ」を使用しないでくださ
い。手順 6 では、「Xsan Admin」を使用して「 Xsan 」のアレイをフォーマットします。

3 「Xsan Admin」を開いて、「SAN コンポーネント」リストで SAN を選択します。

4 「作成」をクリックし、「LUN」をクリックします。

5 使用可能な LUN のリストで新しいアレイまたはスライスを選択して、「編集」をクリックします。

6 表示されるダイアログで、LUN のラベルを入力して「 OK」をクリックし、


「保存」をクリックします。

ラベルにスペースを使用することはできません。このラベルは SAN 管理者にのみ表示され、ユーザ


には表示されません。

7 「ストレージ」をクリックし、「使用可能な LUN」をクリックします。

8 新しい LUN をドラッグしてストレージプール内の最新の LUN にして、「保存」をクリックします。

新しい LUN のサイズが既存の LUN のサイズと異なる場合は、リスト内の LUN の横に使用可能なサ


イズが表示されます。

9 「SAN コンポーネント」リストでボリュームを選択して、「クライアント」をクリックします。さら
に、ボリューム がマウントされている各 クライアントでボリュ ームをマウント解除し て再度マウン
トします。

参考:既存のファイルをストレージプール内のすべての LUN (追加したばかりの LUN を含みます)


に再分散さ せるには、そのファイルの 新しいコピーを作成す る必要があります。ファイ ルへのアク
セスを高速化する LUN を追加する場合は、必ずファイルを複製して、使用可能なすべての LUN に新
しいコピーが分散するようにください。

第3章 SAN ストレージを管理する 43


コマンドラインから
関連するボリュームの設定ファイルを変更し、「ターミナル」で cvlabel コマンドを使用すること
で、ストレージプールに LUN を追加することもできます。詳しくは、cvfs_config および cvlabel の
マニュアルページ(man で表示)か、96 ページの「ボリュームの設定ファイル」および 90 ページ
の「LUN にラベルを設定する(cvlabel)」を参照してください。

ボリュームにストレージプールを追加する
ボリュームにストレージプールを追加することで、SAN ボリュームに空き容量を追加できます。

参考:ボリュームに 512 個を超えるストレージプールを含めることはできません。

ストレージプールを追加するには:
1 ストレージプールの作成に使用する LUN を準備します。

2 「Xsan Admin」を開いて、「SAN コンポーネント」リストで SAN を選択します。

3 「作成」をクリックし、「ストレージ」をクリックします。

4 拡張するボ リュームを選択して、ス トレージプール追加ボ タン(リストの横にあり ます)をクリッ


クします。

5 表示されるダイアログで、次のように指定します:

「ストレージプール名」:ストレージプールの名前を入 力します。名前を入力しても「OK」ボタンが
使用不可に なっている場合、その名前 は予約されているので 別の名前を入力してく ださい。予約さ
れている名前のリストについては、第 7 章を参照してください。

「用途」:ストレージプールに保存できるデータのタイプを選択します。

「アクセス権」:ク ライアントがこのスト レージプールに対して 持っているアクセス権の タイプを選


択します。

:次の LUN に移動する前にストレージプール内の各 LUN に書き込まれるデータ量ま


「ストライプ幅」
たは各 LUN から読み出されるデータ量を指定します。この値はパフォーマンスに影響を与える可能
性があります。適切な値が分からない場合は、デフォルト(64 ブロック)を使用するか、50 ページ
の「ストレージプールのストライプ幅を選択する」を参照してください。

「マルチパス 方式」
:ストレージプー ルへのアクセスに同 じ接続を使用する場 合は「静的」を、使用
可能な接続を切り替えて使用する場合は「動的」を選択します。

6 「OK」をクリックします。
7 「使用可能なLUN」をクリックし、
LUNをストレージプールにドラッグして、
「保存」をクリックします。

コマンドラインから
関連するボ リュームの設定ファイ ルを「ターミナル」で変更す ることで、ストレージプ ールを追加
することもできます。詳しくは、cvfs_config のマニュアルページ(man で表示)または 96 ページ
の「ボリュームの設定ファイル」を参照してください。

44 第3章 SAN ストレージを管理する


SAN にボリュームを追加する
1 つの Xsan SAN で、複数の共有ボリュームを提供できます。
1 「Xsan Admin」を開いて、「SAN コンポーネント」リストで SAN を選択します。

2 「作成」をクリックし、「ストレージ」をクリックします。

3 リストの横にあるボリューム追加ボタンをクリックします。

4 表示されるダイアログで次の情報を指定して、「OK」をクリックします。

「ボリューム名」:ボリュームの名前を入力します。大文字( A ∼ Z)、小文字( a ∼ z)、および数字


(0 ∼ 9)だけを使用します。スペース、アンダースコア(_)、ハイフン(- )は含めないでください。
最大の長さは、70 文字です。

「最大ログサイ ズ」
:コントローラの起動 ディスクでこのボリュ ームのログファイルが占 める最大容
量を入力します。

「割り当て方式 」
:ボリュームに属するス トレージプール間でフ ァイルのストレージを割 り当てる方
法を選択します。「ラウンドロビン」を選択した場合は、容量に関するそれぞれの新しい要求は次の
使用可 能なスト レージプー ルに順に 割り当てら れます。
「フィ ル」を選択した 場合は、最初 のスト
レージプールにすべての容量が割り当てられ、そのプールがいっぱいになると 2 番目のストレージ
プールに割り当てられ、以後同様に繰り返されます。「バランス」を選択した場合は、空き容量が最
も多いストレージプールに容量が割り当てられます。

「ブロ ック 割り 当て サイ ズ」:適切 な値 が分 から ない 場合 は、デフ ォル ト(4 KB )を使 用する か、


54 ページの「ボリュームのブロック割り当てサイズを選択する」を参照してください。
5 新しいボリ ュームを選択し、ストレー ジプール追加ボタンを クリックします。表示され るダイアロ
グで次の情報を指定して、「OK」をクリックします。

「ストレージプール名」:ストレージプールの名前を入 力します。名前を入力しても「OK」ボタンが
使用不可に なっている場合、その名前 は予約されているので 別の名前を入力してく ださい。予約さ
れている名前のリストについては、第 7 章を参照してください。

「用途」:ストレージプールに保存できるデータのタイプを選択します。

「アクセス権」:ク ライアントがこのスト レージプールに対して 持っているアクセス権の タイプを選


択します。

:次の LUN に移動する前にストレージプール内の各 LUN に書き込まれるデータ量ま


「ストライプ幅」
たは各 LUN から読み出されるデータ量を指定します。この値はパフォーマンスに影響を与える可能
性があります。適切な値が分からない場合は、デフォルト(64 ブロック)を使用するか、50 ページ
の「ストレージプールのストライプ幅を選択する」を参照してください。

「動的」を選択して「 Xsan」で接続を切り替え
「マルチパス方式」:最大のスループットを得るには、
るようにします。ボリュームのマウント時に「Xsan」でストレージプール内の各 LUN をいずれかの
接続に交互に割り当てるようにする場合は、「静的」を選択します。

6 「使用可能なLUN」をクリックし、
LUNをストレージプールにドラッグして、
「保存」をクリックします。

アレイを初期化していない場合は、アレイのラベルの入力を求めるメッセージが表示されます。

7 「保存」をクリックします。

第3章 SAN ストレージを管理する 45


コマンドラインから
設定ファイルを設定することで、ボリュームを追加することもできます。詳しくは、cvfs_config の
マニュアルページ(man で表示)または 96 ページの「ボリュームの設定ファイル」を参照してく
ださい。

フォルダにストレージプールアフィニティを割り当てる
フォルダ内の ファイルが特定のスト レージプールにのみ保 存されるように、フォルダ とストレージ
プールの間にアフィニティを設定できます。

ストレージ プールを設定するとき は、パフォーマンス、容量、お よびデータ保護方式が 類似する装


置をグルー プ化します。装置およびそ の装置に対して選択し た保護方式に応じて、ほか のものより
容量、速度、または 保護に優れるストレ ージプールにすること ができます。アフィニテ ィを使用す
ると、速度また は特別な保護を必要とす るアプリケーションま たはタスクでファイル を確実に適切
なストレージプールに保存できます。

「Xsan Admin」を使用して、既存の最上位レベルのフォルダにアフィニティを割り当てたり、アフィ
ニティのある 最上位レベルの新しい フォルダを作成したり できます。別のフォルダ内 のフォルダに
アフィニティを割り当てるには、「ターミナル」でコマンドを使用する必要があります。フォルダ内
のフォルダにアフィニティを割り当てることに関するトピックを参照してください。

フォルダにストレージプールアフィニティを割り当てるには:
1 「Xsan Admin」を開いて、目的のストレージプールが含まれるボリュームを選択します。

2 ボリュームが開始されてコントローラにマウントされていない場合は、開始してマウントします。

ボリ ューム を開始 する には、ボリ ューム を選択 して「ボリ ューム を開始 」をクリ ックし ます。ボ
リュームを マウントするには、ボリ ュームを選択して「クラ イアント」をクリック し、コントロー
ラを選択して「読み/書き権限でマウント」をクリックします。

3 ボリュームを選択した状態で、「アフィニティ」をクリックします。

4 フォルダがまだない場合は、フォルダリストの横にある追加( +)ボタンをクリックして、フォルダ
の名前を入力します。

フォルダがすでにある場合は、そのフォルダを選択して「編集」ボタンをクリックします。

5 表示される ダイアログの「ストレー ジプールアフィニティ」ポ ップアップメニュー で、ストレージ


プール(フォルダの内容が保存される場所)を選択します。

使用したい ストレージプールが「スト レージプールアフィニ ティ」ポップアップメニュ ーにリスト


されない場合 は、アフィニティのあるユ ーザデータを許可する ように設定されていな い可能性があ
ります。確認するには、左側の「SAN コンポーネント」リストで SAN を選択し、「設定」をクリッ
クして、「ストレージ」をクリックします。次に、ストレージプールを選択して「編集」ボタンをク
リックし、「用途」の横で有効になっているデータ・タイプを確認します。

6 「OK」をクリックし、「保存」をクリックします。

46 第3章 SAN ストレージを管理する


コマンドラインから
「ターミナル」で cvmkdir コマンドを使用して、フォルダにアフィニティを割り当てることもでき
ます。詳しくは、cvmkdir のマニュアルページ( man で表示) または 47 ページの「フォルダ内の
フォルダにアフィニティを割り当てる」を参照してください。

フォルダ内のフォルダにアフィニティを割り当てる
「Xsan Admin」を使用して、ボリュームの最上 位レベルにあるフォルダにアフィ ニティを割り当て
るこ とが でき ます。ただ し、別の フォ ルダ 内にあ るフ ォル ダにア フィ ニテ ィを割 り当 てる には、
cvmkdir コマンドラインツールを使用する必要があります。

フォルダ内のフォルダにストレージプールアフィニティを割り当てるには:
1 「ターミナル」を開きます(「/ アプリケーション / ユーティリティ」にあります)。

2 SANコントローラを使用していない場合は、次のように SSH を使用してコントローラにリモートでロ


グインします:

$ ssh user@computer
ここで、 user はコ ントローラコンピュータの 管理者ユーザで、 computer はコント ローラの名前
または IP アドレスです。

3 「ターミナル」で次のように入力します。
$ cd /Library/Filesystems/Xsan/bin
$ sudo ./cvmkdir -k affinity path
ここで、 affinity はボリ ューム内のストレージプー ルの名前で、 path はボリュー ム上のフォル
ダのフルパスです。

たとえば、ボリューム「audio」上のフォルダ「 projects」内にあるフォルダ「gina audio」に、ス


トレージプール「pool1」に対するアフィニティを割り当てるには、次のように入力します。

$ sudo ./cvmkdir -k pool1 /Volumes/audio/projects/gina\ audio

アフィニティを取り除く
アフィニテ ィを取り除く方法は、影響 を受けるフォルダがボ リュームの最上位レベ ルにあるか、別
のフォルダ内にあるかによって異なります。

ストレージプールアフィニティをフォルダから取り除くには:
1 フォルダが(別のフォルダ内ではなく)ボリュームの最上位レベルにある場合は、「 Xsan Admin」
を開き、ボ リューム を選択し て、
「アフィニ ティ」をクリッ クし、フォル ダをダブ ルクリッ クして
「ストレージプールアフィニティ」ポップアップメニューから「すべてのストレージプール」を選択
します。

フォルダがボリューム上の別のフォルダ内にある場合は、次の手順に進みます。

2 「ターミナル」を開きます(「/ アプリケーション / ユーティリティ」にあります)。

3 SANコントローラを使用していない場合は、次のように SSH を使用してコントローラにリモートでロ


グインします:

第3章 SAN ストレージを管理する 47


$ ssh user@computer
ここで、 user はコ ントローラコンピュータの 管理者ユーザで、 computer はコント ローラの名前
または IP アドレスです。

4 「ターミナル」で次のように入力します。
$ cd /Library/Filesystems/Xsan/bin
$ sudo ./cvmkdir -k ““ path
ここで、 path はボリューム上のフォルダのフルパスです。

ストレージプールの設定を変更する
ボリュームを構成するストレージプールの設定を含め、 SAN を設定する最善の方法は、設定する前
に SAN の編成を慎重に計画することです。既存の SAN のストレージプールの一部の設定は変更で
きますが、変更によっては関連するボリュームを初期化し直す必要があります。

ストレージプールの名前を変更する
ストレージ プールの名前を変更す ることは可能ですが、名前 を変更すると、ストレージ プールおよ
びストレージプールが属するボリュームのデータはすべて消去されます。

警告:ストレージプールの名前を変更すると、ストレージプールおよびストレージプールが属する
ボリュームのデータはすべて失われます。

ストレージプールの名前を変更するには:
1 関連するボリュームをすべてのクライアントからマウント解除します。

「Xsan Admin」で、ボリュームを選択して「ク ライアント」をクリックし、リスト からクライアン


トを選択して「マウントを解除」をクリックします。

2 関連するボリュームを停止します。

ボリュームを選択した状態で、「ボリュームを停止」をクリックします。

3 ストレージプールの名前を変更します。

SAN を選択して「作成」をクリックし、「ストレージ」をクリックして、リスト内のストレージプー
ルをダブルクリックします。新しい名前を入力して「 OK」をクリックします。

4 「保存」をクリックします。

コマンドラインから
関連するボ リュームの設定ファイ ルを「ターミナル」で変更す ることで、ストレージプ ールを変更
することもできます。詳しくは、cvfs_config のマニュアルページ(man で表示)または 96 ページ
の「ボリュームの設定ファイル」を参照してください。

48 第3章 SAN ストレージを管理する


ストレージプールのアクセス権を設定する
ストレージ プールには、読み出し/書 き込みまたは読み出し 専用のアクセス権を設 定できます。こ
の設定を変更しても、ボリューム上の既存のデータが壊れることはありません。

ストレージプールのアクセス権を設定するには:
1 「Xsan Admin」で、目的のストレージプールが属する SAN を選択して「作成」をクリックし、
「スト
レージ」をクリックします。

2 リスト内のストレージプールをダブルクリックします。

3 「アクセス権」ポップアップメニューで、
「読み出し/書き込み」または「読み出し専用」を選択します。

4 「OK」をクリックし、「保存」をクリックします。

コマンドラインから
「ターミナル」で cvadmin enable コマンドを使用することで、ストレージプールに読み出しまた
は書き込みのアクセス権を設定することもできます。詳しくは、cvadmin のマニュアルページ(man
で表 示)または 85 ペー ジの「ボリ ューム および スト レージ プール の設定 を表示 また は変更 する
(cvadmin)」を参照してください。

ストレージプールに保存するファイルのタイプを選択する
特定のストレージプールに保存するファイルを、ボリュームのジャーナルデータとメタデータ、ユー
ザデータ、その ストレージプールに対 するアフィニティのあ るユーザデータ、またはこ れらの組み
合わせに制限することができます。

ジャーナルデータおよびメタデータは、
常にボリューム内の最初のストレージプールに保存されます。

ストレージプールのデータ・タイプを選択するには:
1 「Xsan Admin」で、目的のストレージプールが属する SAN を選択して「作成」をクリックし、
「スト
レージ」をクリックします。

2 リスト内のストレージプールをダブルクリックします。

3 「用途」の横で、ストレージプールに保存するデータ・タイプを選択します。

4 「OK」をクリックし、「保存」をクリックします。

第3章 SAN ストレージを管理する 49


ストレージプールのストライプ幅を設定する
デフォルトのストライプ幅( 64 のファイル・システム・ブロック)は、ほとんどの SAN ボリューム
のストレージプールに適しています。ただし、特殊なアプリケーション向けに SAN のパフォーマン
スを調整する ために、このデフォルト値 をファイルシステムの ブロック割り当てサイ ズと一緒に調
節できます。ストライプ幅の 選択について詳しくは、下の 「ストレージ プールのストライプ幅を選
択する」を参照してください。

警告:ストレージプールのストライプ幅を変更すると、ストレージプールおよびストレージプール
が属するボリュームのデータはすべて失われます。

ストライプ幅を設定するには:
1 「Xsan Admin」で、目的のストレージプールが属する SAN を選択して「作成」をクリックし、
「スト
レージ」をクリックします。

2 リスト内のストレージプールをダブルクリックします。

3 「ストライプ幅」の横で、新しい値を入力します。

4 「OK」をクリックし、「保存」をクリックします。

ストレージプールのストライプ幅を選択する
「Xsan」では、ストレージプールのストライプ幅およびボリュームのブロック割り当てサイズを使用
して、データをボリュームに書き込む方法を決定します。ほとんどの SAN では、ストレージプール
のストライプ 幅およびボリュームの ブロック割り当てサイ ズのデフォルト値を使用 すると、良好な
パフォーマンスが得られます。ただし、場合によっては、これらのデフォルト値を特定のアプリケー
ションに合う ように調節することで、読 み出しおよび書き込み のパフォーマンスを改 善できること
があります。

ストレージプールのストライプ幅とは、次の LUN に移動する前にプール内の 1 つの LUN に書き込


まれるファイ ル割り当てブロックの数の ことです。効率的なストライ プ幅を選択するには、次の 2
つの点を考慮する必要があります:
• LUN のストレージ装置の最も効率的なデータ転送サイズ(Xserve RAID の場合は 1 MB)
• ボリュームを使用 する重要なアプリケーションに よって読み出しおよび書き込み されるデータブ
ロックのサイズ(ボリュームのブロック割り当てサイズで影響を受けるため)

これらの値を確認した上で、次の式を使用してストライプ幅を選択します:

ストライプ幅(ブロック単位)=転送サイズ(バイト単位)÷ブロック割り当てサイズ(バイト単位)

Xserve RAID システムの場合、最適な転送サイズは 1 MB なので、 次のようになります:

ストライプ幅= 1048576 ÷ブロック割り当てサイズ

たとえば、「Final Cut Pro」などのアプリケーションを使用して大容量のビデオデータを移動させる


場合は、ブロック割り当てサイズの最大値(512 KB )を選択し、上記の等式を使用して 2 つのブロッ
「Xsan」では、ビデオ・ストレージ・プールの各 LUN
クのストライプ幅を算出します。これにより、
に 1 MB(512 KB のブロック 2 つ)のデータを順に書き込みます。

50 第3章 SAN ストレージを管理する


Xserve RAID のファイバー チャネル・インターフェイスでは、個々のドライ ブモジュールに書き込
まれるデータを RAID コントローラに渡す前に、最大 1 MB のデータをキャッシュします。したがっ
て、データがキャッシュ内で待機する時間を最小限に抑えるには、一度に 1 MB のデータを Xserve
RAID に送信するようにします。

複数の接続の選択方式を設定する
ストレージプール内の LUN に対して複数のファイバーチャネル接続がある場合は、切断されるまで
「Xsan」で 1 つの接続を使用するか、複数の接続を切り替え て使用するかを選択できます。これを
「マルチパス方式」と呼びます。

マルチパス方式を変更するには:
1 「Xsan Admin」で、目的のストレージプールが属する SAN を選択して「作成」をクリックし、
「スト
レージ」をクリックします。

2 リスト内のストレージプールをダブルクリックします。

3 「マルチパス方式」ポップアップメニューから値を選択します。

「Xsan」では、切断されるまで 1 つの接続を使用し、切断されたときに次の接続に切り替え
「静的」:
ます。

「 Xsan 」では、ストレージプールにデータを書き込むたびに別の接続に切り替えます。これ
「動的」:
により、パフォーマンスを向上させることができます。

4 「OK」をクリックし、「保存」をクリックします。

コマンドラインから
「ターミナル」で cvadmin multipath コマンドを使用して、マルチパス方式を設定することもで
きます。詳しくは、cvadmin のマニュアルページ(man で表示)または 85 ページの「ボリューム
およびストレージプールの設定を表示または変更する( cvadmin)」を参照してください。

第3章 SAN ストレージを管理する 51


ボリュームの設定を変更する
既存のボリュ ームの一部の設定は変 更が可能ですが、変更によ ってはボリュームを初 期化し直す必
要があります(このような場合には、警告メッセージが表示されます)。

ボリュームの名前を変更する
コ ンピ ュー タ にボ リュ ーム を マウ ント す ると きに ユ ーザ に表 示さ れ るボ リュ ー ム名 は、「Xsan
Admin」を使用して変更できます。

警告:ボリュームの名前を変更すると、そのボリュームのデータはすべて失われます。

ボリュームの名前を変更するには:
1 ボリュームをクライアントからマウント解除します。

「Xsan Admin」で、ボリュームを選択して「ク ライアント」をクリックします。ク ライアントを選


択して、「マウントを解除」をクリックします。

2 ボリュームを停止します。

「Xsan Admin」で、ボリュームを選択して「ボリュームを停止」をクリックします。

3 ボリュームの名前を変更します。

「Xsan Admin」で、目的のボリュームが属する SAN を選択して「作成」をクリックし、「ストレー


ジ」をクリックします。さらに、ボリュームをダブルクリックし、「ボリューム名」フィールドに新
しい名前を入力して、「OK」をクリックし、「保存」をクリックします。

大文字(A ∼ Z)、小文字(a ∼ z)、および数字( 0 ∼ 9)だけを使用します。スペース、アンダー


スコア(_ )、ハイフン(- )は含めないでください。最大の長さは、70 文字です。

4 ボリュームを開始します。

「SAN コンポーネント」リストでボリュームを選択して、「ボリュームを開始」をクリックします。

5 クライアントにボリュームをマウントします。

ボリューム を選択して「クライアン ト」をクリックします。クラ イアントを選択してマ ウントボタ


ンをクリックします。

52 第3章 SAN ストレージを管理する


ボリュームの割り当て方式を設定する
ボリュームの 割り当て方式を設定し て、ボリュームのストレー ジプールにデータが書 き込まれると
きの順序を決めることができます。

警告:ボリュームの割り当て方式を変更すると、ボリュームおよびボリュームのストレージプール
のデータはすべて失われます。

割り当て方式を設定するには:
1 「Xsan Admin」で、目的のボリュームが属する SAN を選択して「作成」をクリックし、「ストレー
ジ」をクリックします。

2 リスト内のボリュームをダブルクリックします。

3 「割り当て方式」ポップアップメニューから値を選択します。

「ラウンドロ ビン」
:新しいデータは、ボリ ューム内で使用可能な 次のストレージプール に書き込ま
れます。

「フィル」:すべて のデータが最初のスト レージプールに保存 されます。最初のストレー ジプールが


いっぱいになると、次のストレージプールに保存され、以後同様に繰り返されます。

「バランス」:新しいデータは、空き容量の最も多いストレージプールに書き込まれます。

4 「OK」をクリックし、「保存」をクリックします。

第3章 SAN ストレージを管理する 53


ブロック割り当てサイズを設定する
ファイルシス テムのデフォルトのブロ ック割り当てサイズ( 4 KB)は、ほとんどのボ リュームに適
しています。ただし、特殊なアプリケーション向けにパフォーマンスを調整するために、このデフォ
ルト値をボリ ュームのストレージプ ールのストライプ幅と 一緒に調節できます。ブロ ック割り当て
サイズの選択について詳し くは、下の 「ボリュームのブロック割り当 てサイズを選択する」を参照
してください。

警告:ボリュームのブロック割り当てサイズを変更すると、そのボリュームのデータはすべて失わ
れます。

ブロック割り当てサイズを設定するには:
1 「Xsan Admin」で、目的のボリュームが属する SAN を選択して「作成」をクリックし、「ストレー
ジ」をクリックします。

2 リスト内のボリュームをダブルクリックします。

3 上矢印および下矢印を使用して、ブロック割り当てサイズの新しい値を選択します。

4 「OK」をクリックし、「保存」をクリックします。

ボリュームのブロック割り当てサイズを選択する
「Xsan」では、ボリュームのブロック割り当てサイズおよびストレージプールのストライプ幅を使用
して、データを ボリュームに書き 込む方法を決定しま す。ほとんどの SAN では、ボリ ュームのブ
ロック割り当 てサイズおよびストレ ージプールのストライ プ幅のデフォルト値を使 用すると、良好
なパフォー マンスが得られます。た だし、場合によっては、これ らのデフォルト値を特 定のアプリ
ケーションに 合うように調節するこ とで、読み出しおよび書き 込みのパフォーマンス を改善できる
ことがあります。

ボリュームを 使用する重要なアプリケ ーションが小さいブロ ックのデータを読み出し および書き込


みする場合 は、これに対応して小さい 割り当てブロックサイ ズを選択することで、パフ ォーマンス
を改善できることがあります。たとえば、アプリケーションが 16 KB のブロックのデータを読み出
しおよび書き込みする場合は、ブロック割り当てサイズを 16 KB に調節してみることができます。さ
らに、次の式を使用して、ボリュームのストレージプールに最適なストライプ幅を計算します:

ストライプ幅(ブロック数)=転送サイズ(バイト)÷ブロック割り当てサイズ(バイト)

Xserve RAID システムの場合、最適な転送サイズは 1 MB なので、 次のようになります:

ストライプ幅= 1048576 ÷ブロック割り当てサイズ

この例でブロック割り当てサイズが 16 KB の場合は、等式( 1048576 ÷ 16384)を計算するとスト


ライプ幅は 64 になります。

54 第3章 SAN ストレージを管理する


ボリュームをデフラグする
「 Xsan 」では、ファイルを断片に分割して、ボリュームのストレージプー
ファイルを作成するとき、
ルの 1 つを構成する LUN にこれらの断片を効率的に分散させます。その後、ファイルに変更が加え
られると、ファ イルの断片が散乱して 断片の配置の効率が低 下することがあります。フ ァイルをデ
フラグすると、ファイルの断片が最も効率的な配置に再構成されます。

snfsdefrag コマンドを使用して、 1 つのファイル、フォルダ(ファイルのディレクトリ)、または


ボリューム全体をデフラグすることができます。

ファイル、ディレクトリ、またはボリュームをデフラグするには:
1 「ターミナル」を開きます(「/ アプリケーション / ユーティリティ」にあります)。

2 SANのコントローラコンピュータを使用していない場合は、次のように SSH を使用してコントローラ


にリモートでログインします:

$ ssh user@computer
ここで、 user はコ ントローラコンピュータの 管理者ユーザで、 computer はコント ローラの名前
または IP アドレスです。

3 snfsdefrag コマンド(「 /Library/Filesystems/Xsan/bin」にあります)を入力します。


1 つ以上の個々のファイルをデフラグするには、次のように入力します:
$ sudo snfsdefrag filename [filename ... ]
ディレクトリ全体をデフラグするには、次のように入力します:

$ sudo snfsdefrag -r directory


ボリ ューム 全体を デフラ グする には、 directory をボリ ューム のルー トディ レクト リに設 定し
ます。

詳しくは、snfsdefrag のマニュアルページ(man で表示)または 93 ページの「ファイル、ディレ


クトリ、またはボリュームをデフラグする( snfsdefrag)」を参照してください。

第3章 SAN ストレージを管理する 55


ボリュームの整合性を確認する
SAN ユーザにファイルへのアクセスに関する問題が発生した場合は、cvfsck コマンドを使用して、
ボリューム、ボリュームのメタデータ、およびファイルの整合性を確認できます。

ボリュームを確認するには:
1 「ターミナル」を開きます(「/ アプリケーション / ユーティリティ」にあります)。

2 SANのコントローラコンピュータを使用していない場合は、次のように SSH を使用してコントローラ


にリモートでログインします:

$ ssh user@computer
ここで、 user はコ ントローラコンピュータの 管理者ユーザで、 computer はコント ローラの名前
または IP アドレスです。

3 次のように、 cvfsck コマンドラインユーティリティ(「/Library/Filesystems/Xsan/bin」にありま


す)を 2 回実行します。1 回目はジャーナルを確認し、 2 回目はボリュームを確認します:

$ sudo cvfsck -j volume


$ sudo cvfsck -n volume
volume は、 Xsan のボリュームの名前です。
このコマンドの使用について詳しくは、cvfsck のマニュアルページ(man で表示)を参照してくだ
さい。

ボリュームを修復する
cvfsck ユーティリティによってボリュームに問題があることが判明した場合は、同じコマンドを使
用してボリュームを修復できます。

ボリュームを修復するには:
1 ボリュームを停止します。

「Xsan Admin」を開き、ボリュームを選択して「ボリュームを停止」をクリックします。

2 「ターミナル」を開きます(「/ アプリケーション / ユーティリティ」にあります)。


SAN のコントローラコンピュータを使用していない場合は、次のように SSH を使用してコントロー
ラにリモートでログインします:

$ ssh user@computer
ここで、 user はコ ントローラコンピュータの 管理者ユーザで、 computer はコント ローラの名前
または IP アドレスです。

3 cvfsck コマンドラインユーティリティ(「 /Library/Filesystems/Xsan/bin」にあります)を実行し


ます。

$ sudo cvfsck volume


このコマンドの使用について詳しくは、cvfsck のマニュアルページ(man で表示)を参照してくだ
さい。

56 第3章 SAN ストレージを管理する


4 クライアントとユーザを管理する
4
この章では、クライアントコンピュータとそのユーザを追加、制御、
および取り除く方法について説明します。

Xsan クライアントは、SAN に対するアクセス権を持つコンピュータです。 Xsan ボリュームは、ど


のユーザがク ライアントコンピュー タにログインしている かにかかわらず、そのコン ピュータにマ
ウントされます。

この章では、次の操作を行う方法について説明します:
• クライアントを追加する(58 ページ)
• ボリュームをクライアントにマウントする(59 ページ)
• クライアントとユーザのアクセスを制御する(59 ページ)
• フォルダへのアクセスを制御する(59 ページ)
• クライアントからボリュームをマウント解除する(60 ページ)
• クライアントのアクセスを読み出し専用に制限する(60 ページ)
• SAN からクライアントを取り除く(60 ページ)
• クライアントから「Xsan」ソフトウェアを取り除く( 60 ページ)
• ユーザとグループのクオータを設定する(61 ページ)

57
クライアントを追加する
コンピュータから SAN ボリュームへのアクセスを可能にするには、そのコンピュータを SAN クラ
イアントとして設定する必要があります。

クライアントコンピュータを SAN に追加するには:


1 まだクライアントコンピュータを SAN のファイバーチャネル・ネットワークおよび Ethernet ネット
ワークに接続して「Xsan」ソフトウェアをインストールしていない場合は、そうします。

2 「Xsan Admin」を開き、
「 SAN コンポーネント」リストで SAN を選択して、
「作成」をクリックします。

3 「コンピュー タ」をクリックし、リスト から新しいコンピュ ータを選択して、


「編集」を クリックし
ます。

4 「Xsan」ソフトウェアのシリアル番号を入力します。

シリアル番号は、「Xsan」のインストールディスクのケースに記載されています。

5 「役割」ポップアップメニューから「クライアント」または「コントローラ」を選択します。

コンピュータを SAN のスタンバイコントローラとして使用しない場合は、「クライアント」を選択


します。

6 コンピュータが SAN 上のほかの装置との通信に使用する Ethernet ポートを選択して、


「OK」をクリッ
クします。

これで、Xsan ボリュームをクライアントにマウントできます。

クライアントを StorNext SAN に追加する


ADIC 社の「StorNext File System」をすでに設定している場合は、 Macintosh Xsan クライアント
をこれに追加できます。詳しくは、付録 A を参照してください。

58 第4章 クライアントとユーザを管理する
ボリュームをクライアントにマウントする
クライアントコンピュータにログインしているユーザは、 SAN ボリュームをマウントすることはで
きません。SAN 管理者が、「Xsan Admin」を使用して、ボリュームをクライアントコンピュータに
マウントする必要があります。

Xsan ボリュームをクライアントにマウントするには:
1 「Xsan Admin 」を開き、「SAN コンポーネント」リストでボリュームを選択して、「クライアント」
をクリックします。

2 リストからクライアントコンピュータを選択します。

3 「読み/書き権限でマウント」をクリックします。

クライアントがボリュームを変更することがないよう、「読み/書き権限でマウント」をクリックし
た後で「読み出しのみ権限でマウント」をクリックします。

Xsan ボリュームをクライアントにマウントするのは一度だけで十分です。ユーザがログアウトした
り、クライアン トコンピュータを再起 動しても、管理者またはク ライアント上のユーザ がボリュー
ムをマウント解除しない限り、ボリュームはマウントされたままです。

コマンドラインから
「ターミナル」で mount コマンドを使用して、ボリュームをクライアントにマウントすることもで
きます。詳しくは、mount のマニュアルページ(man で表示)または 95 ページの「Xsan ボリュー
ムをマウントする」を参照してください。

クライアントとユーザのアクセスを制御する
SAN ボリューム上の情報へのアクセスは、以下のいくつかのレベルで制御できます:
• オーナー、グルー プ、および一般のアクセス権を 指定することで、ボリューム上 のフォルダへの
ユーザアクセスを制限できます(フォルダレベル)。
• 選択したクライアントコンピュータから SAN ボリュームをマウント解除できます(ボリュームレ
ベル)。
• クラ イア ント コン ピュ ータ から ボリ ュー ムへ のア クセ スを 読み 出し 専用 に制 限で きま す(ボ
リュームレベル)。
• クライアントを SAN から取り除くことができます(SAN レベル)。

ボリューム上のフォルダへのアクセスを制御する
ユーザのアクセスを SAN ボリューム上の特定のフォルダに制限するには、そのフォルダにアクセス
権を割り当てます。

フォルダにアクセス権を割り当てるには:
1 ボリュームが開始され、コントローラにマウントされていることを確認します。

ボリ ューム を開始 する には、ボリ ューム を選択 して「ボリ ューム を開始 」をクリ ックし ます。ボ
リュームを マウントするには、ボリ ュームを選択して「クラ イアント」をクリック し、コントロー
ラを選択して「読み/書き権限でマウント」をクリックします。

2 「Xsan Admin」で、フォルダを含むボリュームを選択し、「アフィニティ」をクリックします。

第4章 クライアントとユーザを管理する 59
ボリュームが属する SAN の下にある「SAN コンポーネント」リストにボリュームが表示されます。

3 リストからフォルダを選択し、ウインドウの下部でアクセス権を指定します。

4 「保存」をクリックします。

クライアントからボリュームをマウント解除する
クライアント がボリュームにアクセ スできないようにする ため、ボリュームをクライ アントからマ
ウント解除できます。クライアントが自分で SAN ボリュームをマウントすることはできません。ク
ライアントに SAN ボリュームをマウントできるのは管理者だけです。

ボリュームをマウント解除するには:
1 「Xsan Admin」を開き、ボリュームを選択して「クライアント」をクリックします。

2 リストからクライアントコンピュータを選択し、「マウントを解除」をクリックします。

クライアントのアクセスを読み出し専用に制限する
クライアントにログインしているユーザが SAN ボリュームのデータを変更しないようにするため、
ボリュームに読み出し専用アクセス権を指定してクライアントにマウントできます。

読み出し専用のボリュームアクセスを許可するには:
1 「Xsan Admin」を開き、ボリュームを選択して「クライアント」をクリックします。

2 クライアントコンピュータを選択して、「読み出しのみ権限でマウント」をクリックします。

クライアントを SAN から取り除く


クライアントコンピュータが SAN ボリュームにアクセスすることがないように、SAN からクライア
ントコンピュータを取り除くことができます。

SAN からクライアントを取り除くには:
m 「Xsan」ソフトウェアをクライアントから取り除きます。

「Xsan」のインストールディスクをセットし、「 Uninstall_Xsan.pkg 」をダブルクリックします。

「Xsan 」ソフトウェアをコンピュータから取り除く
コンピュータを SAN 上で使用しなくなった場合は、「Xsan」ソフトウェアをコンピュータから取り
除くことができます。

「Xsan」ソフトウェアをアンインストールするには:
m 「Xsan」のインストールディスクをセットし、「 Uninstall_Xsan.pkg 」をダブルクリックします。

ソフトウェア を取り除いた後で、別のコ ンピュータでこのソフ トウェアおよび関連付 けられたシリ


アル番号を再利用できます。

60 第4章 クライアントとユーザを管理する
ユーザとグループのクオータを設定する
クオータを設定して、ユーザまたはグループが使用できるストレージの容量を管理できます。

ユーザとグループのストレージクオータを設定するには:
1 ボリュームがまだ開始されていない場合は、開始します。

「Xsan Admin」を開き、ボリュームを選択して「ボリュームを開始」をクリックします。

2 「Xsan Admin」で、ボリュームを選択して「クオータ」をクリックします。
3 ユーザまたはグル ープがリストにない場合は、リストの横 にある追加(+)ボタ ンをクリックして、
ユーザまたはグループをパネルからリストにドラッグします。

ユーザ またはグ ループがパ ネルに表 示されない 場合は、


「ディ レクトリア クセス」を開 いて、コン
ピュータが正しい認証用ディレクトリを使用していることを確認してください。

4 リストから ユーザまたはグループ を選択して、リストの下の フィールドにハードク オータ、ソフト


クオータ、および猶予期間を入力します。

5 「保存」をクリッ クして指定されたク オータを適用するか、


「元 に戻す」をクリックして 前回保存し
た値に戻します。

コマンドラインから
「ターミナル」で cvadmin quotas set コマンドを使用して、ユーザクオータを設定することもで
きます。詳しくは、cvadmin のマニュアルページ(man で表示)または 85 ページの「ボリューム
およびストレージプールの設定を表示または変更する( cvadmin)」を参照してください。

「Xsan 」のクオータについて
「Xsan」では、制限を加える各ユーザまたはグループに対して、ソフトクオータとハードクオータの
2 つのディスク容量クオータを適用します。これらを組み合わせて設定して、ユーザまたはグループ
が使用できるストレージの容量に明確な制限を設けることができます。ただし、予期しないストレー
ジが必要になった場合は、追加の容量を一時的に使用できます。

SAN 内のボリュ ームごとに個別にク オータを指定します。クオ ータを指定されていな いユーザは、


ボリューム上の使用可能な容量をすべて使用できます。

ソフトクオータ
ソフトクオ ータは、通常ユーザまた はグループによる使用 が予想される最大容 量です。これが「ソ
フト」と呼ばれ るのは、指定した猶予期 間の間、ハードクオータ で指定した容量まで超 過できるた
めです。

ハードクオータ
ハードクオ ータは、ユーザまたはグ ループが使用可能な容 量の絶対限界です。ユー ザは、ハードク
オータで指定 された容量を超えて使 用することはできませ ん。ユーザがハードクオー タを超えよう
とした場合は、エラーコード -1425 を含むメッセージが表示されます。

猶予期間
ユーザまたはグループは、指定された猶予期間内にソフトクオータの制限内に戻る限り、ペナルティ
なしでソフトクオータを超過できます。

第4章 クライアントとユーザを管理する 61
ソフトクオータからハードクオータへの変更
ユー ザまたは グルー プが猶 予期間よ り長い 間ソフ トクオー タを超 過した 場合、ソフト クオー タは
ハードクオ ータに変更され、以前のフ ァイルを削除してソフ トクオータの制限内に 戻るまで、追加
のデータをボリュームに保存できなくなります。


たとえば、佐藤さんという人にソフトクオータを 75 GB、ハードクオータを 100 GB、猶予期間を 48
時間割り当てるとします。佐藤さんは、ファイル用に最大 75 GB の容量をいつでも必要なだけ使用
できます。非常に大きな追加のファイルがあっても、合計 100 GB までならボリュームにコピーでき
ます。その後、ファイルを削除してソフトクオータの制限である 75 GB 以内に戻すための猶予期間
が 48 時間あります。48 時間たった後も 75 GB を超える容量を使用している場合は、
「 Xsan 」によっ
てハードクオータが 75 GB にリセットされ、ストレージの使用容量が強制的に削減されます。十分
なファイルを削除して 75 GB のクオータ制限内に戻るまで、佐藤さんは追加のファイルをボリュー
ムにコピーまたは保存できません。

クオータの使用状況を確認する
詳しくは、71 ページの「ユーザクオータの使用状況を確認する」を参照してください。

62 第4章 クライアントとユーザを管理する
5 メタデータコントローラを管理する
5
この章では、Xsan メタデータコントローラを追加、切り替え、監視、
およびアップグレードする方法について説明します。

設定した SAN ボリュームはすべて、メタデータコントローラによって管理されます。使用中のコン


トローラが応 答しなくなってもクラ イアントがボリューム を確実に使用できるよう にするため、プ
ライマリコン トローラに障害が発生し た場合にボリュームの 制御を引き継ぐスタンバ イコントロー
ラを設定できます。

この章では、次の操作を行う方法について説明します:
• コントローラを追加する(64 ページ)
• コントローラのフェイルオーバー優先順位を設定する( 64 ページ)
• スタンバイコントローラに切り替える(65 ページ)
• ボリュームを管理しているコントローラを確認する( 66 ページ)
• コントローラが管理するボリュームをリストする(66 ページ)
• コントローラの IP アドレスを変更する(67 ページ)
• コントローラソフトウェアをアップグレードする(68 ページ)

63
コントローラを追加する
プライマリコントローラに障害が発生してもボリュームを引き続き使用できるように、1 つ以上のス
タンバイコントローラを SAN に追加できます。

コントローラ として動作するよう設 定されたコンピュータ はすべて、クライアントと しても機能で


きます。このた め、スタンバイコントロー ラとしてのみ動作する 専用のコンピュータを 必要としな
い場合は、既存のクライアントを使用できます。

コントローラを追加するには:
1 まだ新しいコントローラコンピュータを SAN のファイバーチャネル・ネットワークおよび Ethernet
ネットワークに接続して「Xsan」ソフトウェアをインストールしていない場合は、 そうします。

2 「Xsan Admin」の「SAN コンポーネント」リストから SAN を選択して、「作成」をクリックします。


3 コンピュータリストから新しいコントローラを選択して、「編集」をクリックします。

4 「役割」ポップアップメニューから「コントローラ」を選択します。

このコンピュータが SAN に追加されたばかりの場合は、シリアル番号も入力して、コントローラが


SAN 上のほかの装置との通信に使用する Ethernet インターフェイスを選択します。
5 フェイルオーバー優先順位を選択して、「OK」をクリックします。

コントローラのフェイルオーバー優先順位を設定する
「 Xsan 」では、使用可能なスタンバ
ボリュームのプライマリコントローラに障害が発生したときに、
イコントローラのフェイルオーバー優先順位を使用して切り替え先のコントローラを決定します。

コントローラのフェイルオーバー優先順位を設定するには:
1 「Xsan Admin」を開き、
「SAN コンポーネント」リストから SAN を選択して「作成」をクリックし、
「コンピュータ」をクリックします。

2 コンピュータリストからコントローラを選択して、「編集」をクリックします。

3 フェイルオーバー優先順位を選択して、「OK」をクリックします。

64 第5章 メタデータコントローラを管理する
スタンバイコントローラに切り替える
cvadmin コマンドを使用するか、ボリュームのファイル・システム・マネージャのプロセスを停止
することで、使 用中のメタデータコント ローラに対してボリュ ームの制御をスタンバ イコントロー
ラに引き渡すように強制できます。

ボリュームをスタンバイコントローラに切り替えるには:
1 「ターミナル」を開きます(「/ アプリケーション / ユーティリティ」にあります)。

2 SANのコントローラコンピュータを使用していない場合は、次のように SSH を使用してコントローラ


にリモートでログインします:

$ ssh user@computer
ここで、 user はコ ントローラコンピュータの 管理者ユーザで、 computer はコント ローラの名前
または IP アドレスです。

3 「ターミナル」で、次のように入力します:
$ cd /Library/Filesystems/Xsan/bin
$ sudo ./cvadmin fail volume
ここで、 volume は Xsan ボリュームの名前です。

このコントローラが管理するボリュームのリストを表示するには、次のように入力します:

$ sudo ./cvadmin select


「Xsan Admin」を開い てボリュームを選
ボリュームを管理 しているコントローラを表示するに は、
択し、「概要」をクリックします。

第5章 メタデータコントローラを管理する 65
ボリュームを管理しているコントローラを確認する
コントローラ のフェイルオーバーの 結果、特定のボリュームの 制御があるコントロー ラから別のコ
「Xsan Admin」を使用して、現在どのコ ントローラが特定
ントローラに移動 することがあります。
のボリュームを管理しているかを確認できます。

ボリュームのコントローラを表示するには:
m 「Xsan Admin」を開き、「SAN コンポーネント」リストでボリュームを選択して、「概要」をクリッ
クします。

コマンドラインから
「ターミナル」で cvadmin コマンドを使用して、ボリュームを管理しているコントローラを確認す
ることもできます。詳しくは、cvadmin のマニュアルページ( man で表示)または 85 ページの「ボ
リュームおよびストレージプールの設定を表示または変更する( cvadmin)」を参照してください。

コントローラが管理するボリュームをリストする
cvadmin コマンドを 使用して 、特定のコ ントローラ が管理して いる SAN ボリュ ームを確認 でき
ます。

管理対象のボリュームをリストするには:
m 「Xsan Admin」を開き、
「SAN コンポーネント」リストで SAN を選択して、「概要」をクリックしま
す。コントロー ラおよびコントローラ が管理しているボリュ ームが、ウインドウの下部 にリストさ
れます。

コマンドラインから
「ターミナル」で cvadmin コマンドを使用して、コントローラが管理するボリュームを確認するこ
ともできま す。詳しくは、cvadmin のマニュアルペー ジ(man で表示)または 85 ページの「ボ
リュームおよびストレージプールの設定を表示または変更する( cvadmin)」を参照してください。

66 第5章 メタデータコントローラを管理する
コントローラの IP アドレスを変更する
Xsan コントローラの IP アドレスを変更する必要がある場合は、次の手順に従ってください。

コントローラの IP アドレスを変更するには:
1 SAN にスタンバイコントローラがある場合は、使用中のコントローラのボリュームをスタンバイコ
ントローラに切り替えます。詳しくは、65 ページの「スタンバイコントローラに切り替える」を参
照してください。

「Xsan
ボリュームをスタンバイコントローラに切り替えたくない場合は、ボリュームを停止します。
Admin」でボリュームを選択して、「ボリュームを停止」 をクリックします。
2 すべてのボリ ュームがスタンバイコ ントローラによって管 理されるようになったら( スタンバイコ
ントローラがない場合は、すべてのボリュームが停止したら)、コンピュータの役割をクライアント
に変更します。

「Xsan Admin」で SAN を選択し、「作成」をクリックして、「コンピュータ」をクリックします。次


に、コンピュータをダブルクリックして、役割を「クライアント」に変更します。

3 元のコントローラの IP アドレスを変更します。

コントローラで Mac OS X Server が稼働している場合は、changeip コマンドラインツールも実行


する必要があります。詳しくは、「Mac OS X Server コマンドラインの管理(英語版)」
(www.apple.com/jp/server/documentation/)を参照してください。

4 コンピュータを再起動します。

5 新しい IP アドレスでコントローラとして動作するようにコンピュータをリセットします。

「Xsan Admin」で SAN を選択し、「作成」をクリックして、「コンピュータ」をクリックします。リ


ストでコンピュータをダブルクリックして、役割を「コントローラ」に変更します。

6 使用中のボリュームの制御をプライマリコントローラに戻します。(スタンバイコントローラがない
ためにボリュームを停止した場合は、再起動します。)

第5章 メタデータコントローラを管理する 67
コントローラソフトウェアをアップグレードする
設定にスタンバイコントローラが含まれている場合は、SAN の処理を中断することなく「Xsan」ソ
「Xsan」のコントロ ーラソフトウ ェアは、常に以前 のバー
フトウェ アをアップグ レードできま す。
ジョンのクライアントソフトウェアと互換性があります(クライアントよりも 1 つ新しいバージョ
ンのコントローラを使用できます)。このため、コントローラを先にアップグレードしても、コント
ローラと同じ バージョンにアップグ レードする適切な時が 来るまで、クライアントコ ンピュータは
引き続き正常に動作します。

「Xsan」を中断せずにアップグレードするには:
1 すべてのボリュームをスタンバイコントローラに切り替えます。

プライマリコントローラに移動し、「ターミナル」を開いて次のように入力します:

$ cd /Library/Filesystems/Xsan/bin
$ sudo ./cvadmin fail volume
ここで、 volume は Xsan ボリュームの名前です。

このコントローラが管理するボリュームのリストを表示するには、次のように入力します:

$ sudo ./cvadmin select


ボリュームを管理しているコントローラを表示するには:

「Xsan Admin」を開き、ボリュームを選択して「概要」をクリックします。

2 すべてのボリ ュームがスタンバイコ ントローラによって管 理されるようになったら、 プライマリコ


ントローラのソフトウェアをアップグレードします。

3 プライマリコントローラのアップグレードが終了したら、手順 1 の方法を使って、使用中のボリュー
ムの制御をプライマリコントローラに戻します。

4 これで、スタンバイコントローラをアップグレードできます。

コントローラの状況を監視する
コントローラの状況の確認またはレポートについて詳しくは、以下のトピックを参照してください:
• 71 ページの「コントローラの CPU およびネットワークの使用状況を示すグラフを表示する」
• 72 ページの「状況通知を設定する 」
• 72 ページの「ファイルシステムのプロセスの状況を確認する 」
• 73 ページの「ログを表示する」

68 第5章 メタデータコントローラを管理する
6 SAN の状況を監視する
6
この章では、SAN およびそのコンポーネントの状態を確認する方法に
ついて説明します。

この章では、SAN およびそのコンポーネントの状態を確認したり、レポートを自動生成したりする
方法について説明します。以下の操作を行う方法について説明します:
• 次の空き容量を確認する
• ボリューム(70 ページ)
• ストレージプール(70 ページ)
• ユーザのクオータの使用状況を確認する(71 ページ)
• CPU およびネットーワークの使用状況を示すグラフを表示する(71 ページ)
• 状況通知を設定する(72 ページ )
• ファイルシステムのプロセスの状況を確認する(72 ページ)
• ログを表示する(73 ページ)
• ボリュームのクライアントを確認する(73 ページ)
• ファイバーチャネルの障害を確認する(74 ページ)
• Xserve RAID システムの状況を確認する( 74 ページ)

69
SAN ボリュームの空き容量を確認する
SAN ボリュームで使用可能な容量を確認するには、いくつかの方法があります。

ボリュームで使用可能な空き容量を表示するには:
m ボリュームがマウントされたコンピュータを使用している場合は、「Finder」ウインドウでボリュー
ムを選択し、ウインドウの下部でサイズ情報を確認するか(カラム表示またはリスト表示で)
、「ファ
イル」>「情報を見る」と選択します。
m ボリュームがマウントされていないか、SAN の一部ではないコンピュータを使用している場合は、
「Xsan Admin」を開いて SAN コントローラに接続し、「SAN コンポーネント」リストでボリューム
を選択して「概要」をクリックします。

コマンドラインから
cvadmin stat コマンドを使用して、ボリュームの空き容量を確認することもできます。詳しくは、
cvadmin のマニュアルページ(man で表示)または 85 ページの「ボリュームおよびストレージプー
ルの設定を表示または変更する( cvadmin)」を参照してください。

ストレージプールの空き容量を確認する
ボリュームの 空き容量の確認に加え て、ボリュームを構成する 個々のストレージプー ルの空き容量
も確認できます。

ストレージプールで使用可能な空き容量を表示するには:
1 「Xsan Admin」を開いて、SAN コントローラに接続します。

2 「SAN コンポーネント」リストでボリュームを選択し、「概要」をクリックして、ウインドウの下部
にある「ストレージプール」リストを確認します。

コマンドラインから
cvadmin show コマンドを使用して、ストレージプールの空き容量を確認することもできます。詳
しくは、cvadmin のマニュアルページ(man で表示)または 85 ページの「ボリュームおよびスト
レージプールの設定を表示または変更する( cvadmin)」を参照してください。

70 第6章 SAN の状況を監視する


ユーザクオータの使用状況を確認する
「Xsan Admin」を使用してファイルシステ ムのクオータを確認し、ユーザまたは グループに割り当
てられた容量のうちどれくらいが使用されているかを確認できます。

クオータの使用状況を表示するには:
m 「Xsan Admin」を開き、「SAN コンポーネント」リストでボリュームを選択して、「クオータ」をク
リックします。

最新の情報が表示されていることを確認して、ウインドウの上部にある「更新」をクリックします。

「Xsan Admin」により、各ユーザまたはグループに関する以下の情報がリストされます:

「75 – 100 MB」はソ フトクオータが


クオータ:ソフトク オータおよびハードクオータ。たと えば、
75 MB、ハードクオータが 100 MB であることを示します。

使用状況:ユーザのファイルが使用している容量。

クオータの状況:緑色は、ユーザまたはグループがソフトクオータの範囲内にあることを示します。
黄色は、使用状況がソフトクオータを超過しているが、猶予期間内にあることを示します。赤色は、
ソフトクオータの超過期間が猶予期間を超え、ソフトクオータがハードクオータに変更されたため、
使用状況ハードクオータの制限を超過していることを示します。

ユーザまたは グループがクオータの 一定の割合を超過した ときに、メールまたはポケ ベルで通知す


るように「 Xsan 」を設定できます。詳しくは、72 ページの「状況通知を設定する 」
を参照してください。

クオータおよびその設定方法につい て詳しくは、61 ページの「 ユーザとグループのクオータを設定


する」を参照してください。

コマンドラインから
「ターミナル」で cvadmin quotas get コマンドを使用して、ユーザのクオータを確認することも
できます。詳しくは、cvadmin のマニュアルページ(man で表示)または 85 ページの「ボリュー
ムおよびストレージプールの設定を表示または変更する( cvadmin)」を参照してください。

コントローラの CPU およびネットワークの使用状況を示すグラフを


表示する
「Xsan Admin」を使用して、最大で 7 日間のコントローラの CPU および IP ネットワークの使用状
況を示すグラフを表示できます。
1 「Xsan Admin」を開いて、コントローラに接続します。
2 「SAN コンポーネント」リストで SAN を選択して、「グラフ」をクリックします。

3 グラフ で表示す るデータ のタイプを「 表示」ポップア ップメニ ューから、コ ンピュータ を「対象」


ポップアッ プメニューからそれぞ れ選択します。ウインドウ の下部にあるスライダ を使用して、グ
ラフで表示する期間を調節します。

第6章 SAN の状況を監視する 71


状況通知を設定する
「Xsan」では、次の場合にメールまたはポケベルで管理者に通知することができます:
• サーバまたはファイバーチャネル接続に障害が発生した
• ボリュームの空き容量が指定した割合を下回った
• ユーザまたはグループがハードクオータに対して指定した割合を超過した

メール通知をローカルネットワークの外部に送信するには、コントローラから SMTP サーバにアク


セスする必要があります。

「Xsan」で状況通知を送信するには:
1 「Xsan Admin」を開き、
「SAN コンポーネント」リストで SAN を選択して「作成」をクリックし、
「通
知」をクリックします。

2 追加ボタン(+ )をクリックして、メールアドレスまたはポケベルの番号を連絡先リストに追加します。

3 リス トの新し いエン トリを ダブルク リック して、メー ルアドレ スまた はポケ ベルのテ キスト メッ
セージアカウントのアドレスを入力し、Return キーを押します。

4 ポケベル用のエントリの場合は、「ポケベル」列のチェックボックスを選択します。

5 通知を送信する原因となる状態(「通知内容」の横にあります)を選択します。

6 「SMTP 情報」をクリックして、送信者の名前とメールサーバのアドレスを入力します。

7 「保存」をクリックします。

8 テストするには、アドレスを選択して「テスト通知を送信」をクリックします。

ファイルシステムのプロセスの状況を確認する
「Xsan Admin」を使用して、Xsan ファイルシステムのプロセスが稼働しているかどうかを確認でき
ます。

「Xsan」のプロセスが稼働しているかどうかを確認するには:
m メインコントローラのプロセスを確認するには、 「Xsan Admin」を開き、SAN を選択して「概要」
をクリック します。特定のボリューム のコントローラプロセ スを確認するには、ボリュ ームを選択
して「概要」をクリックします。

コマンドラインから
「ターミナル」で cvadmin コマンドを使用して、ファイルシステムのプロセスが稼働しているかど
うかを 確認すること もできます。詳しく は、cvadmin の マニュアルペ ージ( man で表 示)ま たは
85 ページの「ボリュームおよびストレージプールの設定を表示または変更する(cvadmin)」を参照
してください。

72 第6章 SAN の状況を監視する


ログを表示する
「Xsan Admin」を使用して、「 Xsan」 がコンピュータの システムログお よびコンソールロ グに書き
込んだ診断および情報メッセージを表示できます。

システムログを表示するには:
m 「Xsan Admin」を開き、
「SAN コンポーネント」リストで SAN を選択して、「ログ」をクリックしま
す。「表示」ポップ アップメニューを使 用してログを変更し、
「対 象」ポップアップメニ ューを使用
して 別のコ ンピュ ータに 切り替 えます。特 定のテキ ストを 含むエ ントリ を検索 するに は、
「検索」
フィールドにテキストを入力して Return キーを押します。

ボリュームログを表示するには:
m 「Xsan Admin」を開き、「SAN コンポーネント」リストでボリュームを選択して、「ログ」をクリッ
クします。

コマンドラインから
特定のボリュームのログをコマンドラインから表示するには、次のファイルを参照します。
/Library/Filesystems/Xsan/data/volume/log/cvlog

ここで、 volume はボリュームの名前です。

ボリュームのクライアントを確認する
「Xsan Admin」を使用して、ボリュームを使 用しているクライアント数の概要 、またはそれらのク
ライアントの完全なリストを表示できます。

ボリュームを使用しているクライアントを表示するには:
m 「Xsan Admin 」を開き、「SAN コンポーネント」リストでボリュームを選択して、「クライアント」
をクリックします。

ボリュームをマウントしているクライアントの数を表示するには:
m 「Xsan Admin」を開き、
「SAN コンポーネント」リストでボリュームを選択して「概要」をクリック
します。

コマンドラインから
「ターミナル」で cvadmin who コマンドを使用して、ボリュームのクライアントのリストを表示す
ることもできます。詳しくは、cvadmin のマニュアルページ( man で表示)または 85 ページの「ボ
リュームおよびストレージプールの設定を表示または変更する( cvadmin)」を参照してください。

第6章 SAN の状況を監視する 73


ファイバーチャネルの接続障害を確認する
ファイバーチャネルの接続障害またはエラーは、システムログに記録されます。

システムログを表示するには:
m 「Xsan Admin」を開き、
「SAN コンポーネント」リストで SAN を選択して、「ログ」をクリックしま
す。「表示」ポップ アップメニューか ら「システムログ」を選 択し、
「対象」ポップアップ メニュー
から対象のコンピュータを選択します。

Xserve RAID システムの状況を確認する


「RAID Admin」ユー ティリ ティを使 用して、Xserve RAID シ ステム と、Xserve RAID システ ムで
Xsan ボリュームのストレージとして提供しているアレイ、 スライス、および LUN の状態を確認で
きます。

Xserve RAID システムおよび LUN の状態を表示するには:


m 「RAID Admin」 (「/ アプリケーション /Server 」にあります)を開きます。

74 第6章 SAN の状況を監視する


7 SAN の問題を解決する
7
この章では、SAN の操作中に発生する可能性がある一般的な問題の解
決方法について説明します。

Xsan SAN の設定、管理、または使用時に 発生する可能性のある 一般的な問題の解決方 法について


は、この章を参照してください。

「Xsan 」ソフトウェアをインストールできない
特定のコンピュータに「Xsan」ソフトウェアをインストールできないというメッセージがインストー
ラから表示される場合は、次の点を確認してください:
• コンピュータに、Mac OS X v10.3 バージョン 10.3.5 または Mac OS X Server v10.3 バージョン
10.3.5 がインストールされている。

設定中に一部のコンピュータが表示されない
SAN にコントローラ またはクライアントとして追加し たいコンピュータが「Xsan Admin」に表示
されない場合は、次の点を確認してください:
• 「Xsan」ソフトウェアがコンピュータにインストールされている。
• コンピュータの電源が入っている。
• コンピュータがスリープ状態ではなく、スリープするように設定されてもいない(「システム環境
設定」の「省エネルギー」パネルで確認できます)。
• コンピュータがほかの SAN コンポーネントと同じ TCP/IP サブネットにある。

「Xsan Admin」から SAN コンピュータに接続できない


• 管理コンピュータと SAN コンピュータの間にファイアウォールがある場合は、TCP ポート 311 が開
いていることを確認します。

Xserve RAID システムにファイバーチャネルを介してアクセスできない


• Vixel 355 ファイバーチャネル・スイッチを使用している場合は、Xserve RAID システムをスイッ
チの FL (アービトレート型ループ)ポートに接続します。
• LUN が表示されないコンピュータを再起動してみてください。
• ファイバーチャネル・スイッチの設定を調べて、SAN コンポーネントが同一のファイバーチャネ
ル・ゾーンにあることを確認します。

ボリュームをクライアントにマウントできない
• クライアントコンピュータを再起動してから、もう一度やり直してください。

75
ストレージプールを追加できない
ストレージプ ールの名前として使用 できない予約名があり ます。これらの名前のいず れかを入力し
た場合は、ストレージプールのダイアログの「 OK 」ボタンは使用できません。次の表に、予約名の
リストを示します。

予約されているストレージプール名
Affinity InodeCacheSize Quotas
AllocationStrategy InodeDeleteMax Read
AttrTokenSize InodeExpandInc Regular
Brls InodeExpandMax Rotate
BrlTime InodeExpandMin Rtios
BufferCacheSize IoHangLimitSecs RtiosReserve
BufferPoolSize Journal Rtmb
BWMFields JournalIcBufNum RtmbReserve
DataMigration JournalIcBufSize RtTokenTimeout
DataMigrationThreadPoolSize JournalSize Sectors
Debug Log SectorSize
DeviceName MaxConnections Static
DirCacheSize MaxLogs StaticInodes
DirFDCacheSize MaxLogSize Status
DirWarp MaxMBPerClientReserve Sticky
Disabled Mbufs StripeBreadth
Disk MbufSize StripeClusters
DiskType MetaData StripeGroup
Enabled MirrorGroup ThreadPoolSize
Exclusive MirrorReadMethod Type
ForcePerfectFit MultiPathMethod WindowSecurity
ForceStripeAlignment No Write
FSBlockSize Node Yes
GlobalSuperUser OpHangLimitSecs

76 第7章 SAN の問題を解決する


スライスの作成後に一部の LUN が「 Xsan Admin 」に表示されない
• 以前に「Xsan」で使用するためのラベルが 設定されたアレイをスライスする場合は、最初のスラ
イスから古いラベルを取り除く必要がある場合があります。
古いラベルを使用して LUN がマウントされているかどうかを確認するには、「ターミナル」を開
いて次のように入力します:

$ sudo cvlabel -l -s
(cvlabel ツールは「/Library/Filesystems/xsan/bin」にあります。)

これにより、古いラベルが表示されます。次の出力例では、ラベルは「 sanvol1」です。

/dev/rdisk4/ [APPLE Xserve RAID 1.20] CVFS “sanvol1” ...


古いラベルを取り除くには、次のように入力します:

$ sudo cvlabel -u label


ここで、 label は古いラベルです(上の例では sanvol1)。

LUN のラベルの削除後に、LUN が「Xsan Admin」の「 LUN」パネルに表示されます。

コマンドラインツールの使用時の問題
• Xsan コマンドラインツールの使用時に「 command not found」という応答が返される場合は、
検索パスに「 /Library/Filesystems/Xsan/bin」を追加するか、こ のディレクトリに切 り替えてか
らコマンドを入力してください。たとえば、 cvadmin ツールを使用する場合は、次のように入力
します:
$ cd /Library/Filesystems/Xsan/bin
$ sudo ./cvadmin
• cvadmin ツールの使用時に「Cannot list FSS - reason -Bad file descriptor 」という 応答が返さ
れる場合は、ルート ユーザとしてツールを使用し ていることを確認してくだ さい。ルートユーザ
としてログインするか、sudo コマンドを使ってツールを実行します。たとえば、次のようになり
ます:
$ sudo ./cvadmin
• Xsan コマンドラインツールのマニュアルページを表示しようとすると、 「 No manual entry for...」
という応答が返される場合は、 「Xsan」のマニュアルページのディレクトリ「 /Library/Filesystems/
Xsan/man」をマニュアルページの検索パスに追加する必要があります。 これを行う方法の 1 つ
は、次の行を「/etc/manpath.config」ファイルに追加することです。
OPTIONAL_MANPATH /Library/Filesystems/Xsan/man

SAN ユーザにエラーコード –1425 が表示される


• ユーザがハードクオータで許可された容量を超える容量を使用しようとしています。

LUN の容量が期待したほど多くならない
• LUN 全体に対するストライプを可能にするため、「Xsan」では、ストレージプール内のすべての
LUN がプール内で最小の LUN と同じサイズになるように自動的に LUN のサイズを調節します。
同一のストレージプール内にサイズの異なる LUN を混在させると、「Xsan」では、サイズの大き
な LUN の余分な容量は使用されません。

第7章 SAN の問題を解決する 77


A Xsan および StorNext のクライアント
A

付録
とコントローラを結合する

こ の付 録 では、Macintosh ク ラ イア ン トを 既 存の StorNext File


System SAN に追加する方法、および Windows、Solaris、AIX、Irix、
または Linux の各クライアントを Xsan SAN に追加する方法について
説明します。

「Xsan」は、ADIC 社の「StorNext File System 」と完全な互換性があります。したがって、Macintosh


クライアントを既存の StorNext SAN に追加したり、
「StorNext」ソフトウェアが動作する Windows、
Solaris 、UNIX 、AIX、Irix、または Linux の各クライアント用のコントローラおよびストレージとし
ての役割を果たすように Xserve および Xserve RAID システムを設定したりできます。

互換性のあるソフトウェアバージョン
「Xsan」のクライアントおよびコントローラは、StorNext File System バージョン 2.4 以降が動作す
るコンピュータと互換性があります。

ライセンス許諾
Macintosh Xsan クライアントまたはコントローラのライセンスは、「Xsan」のパッケージに付属の
イン スト ールデ ィス クのカ バーに 印刷 されて いる シリア ル番 号を使 用する こと で許諾 され ます。
「StorNext」のライセ ンスは、
「StorNext」ソフトウェアの 購入時に ADIC 社から別途 購入します。
Xsan クライアントは、StorNext File System クライアントのライセンスを使用または侵害していま
せん。

用語
「StorNext」と「Xsan」では、次のような用語の違いがあるので注意してください:

「StorNext 」の用語 対応する「Xsan」の用語


ファイルシステム ボリューム

ファイル・システム・サーバ(FSS ) コントローラ(または、メタデータコントローラ)
ストライプグループ ストレージプール

79
Macintosh クライアントを StorNext SAN に追加する
すでに「StorNext File System」に SAN が追加されている場合は、「Xsan 」を使用して Macintosh
クライアントを追加できます。

StorNext SAN に Macintosh Xsan クライアントを追加するには:


1 Macintosh コンピュータを SAN の Ethernet ネットワークおよびファイバーチャネル・ネットワーク
に接続します。

2 Macintosh コンピュータに「 Xsan」ソフトウェアをインストールします。


3 Macintosh クライアントに「 Xsan」ソフトウェアのライセンスを許諾します。
クライアントで「Xsan Admin」(「/ アプリケーション /Server」にあります)を開き、ローカルコ
ンピュータに接続します。「SAN コンポーネント」リストで SAN を選択して「作成」をクリックし、
「コンピュー タ」をクリックします。
(ウイ ンドウの中央にある)リ スト内でクライアン トをダブル
クリックし、シリアル番号を入力します。

シリアル番号は、「Xsan」のインストールディスクのケースにあるラベルに記載されています。

4 SANの既存のStorNextクライアントにアクセスして、そのクライアントの fsnameserversファイルの
コピーをプリントします。

SGI IRIX、Sun Solaris、 IBM AIX、および Linux の StorNext クライアントの場合、このファイルは


次の場所にあります:
/usr/cvfs/config/
Windows クライアントの場合、このファイルは次の場所にあります:
\%cvfsroot%\config\
ここで、 %cvfsroot% は「StorNext 」ソフトウェアをインストールしたディレクトリです。

5 Macintosh クライアントに戻り、vi などのテキストエディタを使用して fsnameservers ファイルのコ


ピーを作成し、このコピーを次のフォルダに保存します。
/Library/Filesystems/Xsan/config/

参考:別のシステムで異なる行末文字を使用しているために発生する問題を避けるために、
fsnameservers ファイルを Macintosh クライアントにコピーしないでください。代わりに、
Macintosh 上でテキストエディタを使用して、 このファイルを再作成します。
6 Macintosh 上の「Xsan 」ソフトウ ェアが新しい fsnameservers フ ァイルを読み 出すように設 定し
ます。

Macintosh コンピュータを再起動するか、「ターミナル」を開いて次のコマンドを入力します:
$ sudo kill -HUP ‘cat /var/run/fsmpm.pid’

7 ファイルシステムをマウントします。

ファイルシステムが自動的にマウントされない場合は、
「ターミナル」で次のコマンドを入力します:
$ sudo mount -t acfs fsname mountpoint
ここで、 fsname はファイルシステムの名前、 mountpoint は Macintosh クライアントでファイ
ルシステムが表示される場所です(たとえば、「/Volumes/SanVol」)。

80 付録 A Xsan および StorNext のクライアントとコントローラを結合する


Xsan コントローラを StorNext クライアントと共に使用する
ADIC 社の「StorNext」ソフトウェアを使用して、Windows、UNIX、AIX、Irix 、または Linux コン
ピュータから Xsan SAN にアクセスできます。
1 Macintosh 以外のクライアントを SAN のファイバーチャネル・ネットワークおよび Ethernet ネット
ワークに接続します。

2 ADIC 社の「StorNext」パッケージに記載されている指示に従って、Macintosh 以外のクライアント


に「StorNext File System」ソフトウェアをインストールします。

3 Macintosh Xsanコントローラの共有シークレットファイルを Macintosh以外のクライアントに複製


します。

共有シークレットファイルの名前は、次のようになります。
.auth_secret
Macintosh Xsanコントローラでは、共有シークレットファイルは次のディレクトリに保存されます。
/Library/Filesystems/Xsan/config/
このファイルを Macintosh 以外のクライアントに(同じ名前で)コピーします:

SGI IRIX、Sun Solaris、 IBM AIX、および Linux StorNext クライアントでは、次のディレクトリに


ファイルをコピーします:
/usr/cvfs/config/
Windows クライアントでは、次のディレクトリにファイルをコピーします:
\%cvfsroot%\config\
ここで、 %cvfsroot% は「StorNext 」をインストールしたディレクトリです。

重要:このファイルには、機密情報が含まれています。ルートユーザまたは Windows 管理者のみに


対する読み出し/書き込みアクセス権を適用して、ファイルを保護してください。

4 Macintosh Xsan コントローラに、Macintosh 以外のクライアント用の StorNext ライセンスファイル


をコピーします。

Xsan コントローラで、(license.dat という名前の)ファイルを次のディレクトリに保存します。


/Library/Filesystems/Xsan/config/
Macintosh 以外のクライアント用のライセンスファイルを取得するときは、ADIC 社に問い合わせて
ください。

付録 A Xsan および StorNext のクライアントとコントローラを結合する 81


B コマンドラインを使用する
B

付録
この付録では、SAN でコマンドラインから使用できる「Xsan」のシェ
ルコマンドおよび設定ファイルについて説明します。

ここで 説明する シェルコマ ンドおよび 設定ファ イルを使用 して、コマンド ラインか ら Xsan SAN、
LUN、ストレージプー ル、およびボビューム にアクセスしたり、これ らを設定および管 理したりで
きます。

シェルコマンドを使用する
「Xsan」のコマンドラインユーティリティは、次の場所にあります。
/Library/Filesystems/Xsan/bin

コマンドを使用するには、次の例のようにフルパスを入力します:
$ sudo /Library/Filesystems/Xsan/bin/cvlabel -l -s

または、コマンドを入力する前に、次の例のようにディレクトリを変更します:
$ cd /Library/Filesystems/Xsan/bin
$ sudo ./cvlabel -l -s

または、シェルの検索パスに「 /Library/Filesystems/Xsan/bin」を追加します。

リモートコンピュータを操作する
リモートコンピュータでコマンドを使用するには、まず次のように SSH を使用してほかのコンピュー
タにログインします:
$ ssh user@computer

ここで、 user はリ モートコンピュータのユー ザアカウント、 computer はリモート コンピュータ


の IP アドレスまたは DNS 名です。

マニュアルページを表示する
個々のコマンドについて説明する UNIX 形式のマニュアルページは、次の場所にあります。
/Library/Filesystems/Xsan/man

83
マニュ アルペー ジを表示 しようとし て「No manual entry for...」とい うメッセ ージが表 示され
る場合は、マニュアルページの検索パスに「Xsan」のマニュアルページのディレクトリ
「/Library/Filesystems/Xsan/man」を追加します。または、コンピュータ上のファイル
「/etc/manpath.config」に次のラインを追加します:
OPTIONAL_MANPATH /Library/Filesystems/Xsan/man

表記規則
コマンドの表記全体に対して次の規則が適用されます。

表記 意味
等幅フォント コマンド、または「ターミナル」で使用されるほかのテキスト
$ シェルプロンプト
[ 角かっこ内のテキスト ] オプションパラメータ
( 一方 | 他方 ) 代替パラメータ(どちらか一方を入力します)

下線 値を指定する必要のあるパラメータ
[...] 繰り返される可能性のあるパラメータ
< 山かっこ > SAN の設定に応じて表示される値

コマンド
「Xsan」には次のようなコマンドラインツールがあります:

コマンド 説明
cvadmin ボリ ュ ー ム およ び ス ト レー ジ プ ー ルの 設 定 を 表 示ま た は 変 更し ま す
(85 ページ)
cvcp ファイルまたはフォルダをコピーします(88 ページ)
cvfsck ボリュームを確認または修復します(89 ページ)
cvlabel LUN を表示、ラベル設定、および初期化します(90 ページ)
cvmkdir アフィニティのあるフォルダを作成します(91 ページ)
cvmkfile ファイルを作成して、事前に割り当てます(91 ページ)
cvmkfs ボリュームを初期化します(92 ページ)
cvsginfo ストレージプールの情報を表示します(92 ページ)
cvupdatefs ボリュームの設定の変更を適用します(92 ページ)
fsm ボリュームのコントローラのプロセスを開始します(93 ページ)
fsmpm ポートマッパのプロセスを開始します(93 ページ)
snfsdefrag ボリュームをデフラグします(93 ページ)

84 付録 B コマンドラインを使用する
ボリュームおよびストレージプールの設定を表示または変更する(cvadmin)
cvadmin ツールを使用して、 Xsan ボリュームに関連するさまざまな情報タス クおよび設定タスク
を実行できます。

インタラクティブモードにするには:
$ sudo cvadmin

ファイルからコマンドを実行するには:
$ sudo cvadmin [-H host] [-F volume] -f cmdfile

1 つのコマンドを実行してシェルプロンプトに戻るには:
$ sudo cvadmin [-H host] [-F volume] -e command

パラメータ 説明
-H host ボリュームを管理するメタデ ータコントローラ。指定されて いない場合は
ローカルコンピュータとみなされます。
host – ログイ ン先以外のメ タデータコ ントローラ の IP アドレス または
DNS 名。
-F volume cvadmin で有効になる(つまり「選択される」)ボリューム。
volume – Xsan ボリュームの名前
-f cmdfile 指定されたファイルからコマンドを読み出します。
cmdfile – cvadmin コマンド含むテキストファイルの名前
-e command 指定され たコマ ンドを 実行し てシェ ルプロ ンプト に戻り ます。この パラ
メータが設定されていない場合、cvadmin ではプロンプト Xsanadmin>
を使用してインタラクティブ モードで実行を継続します。使 用可能なコマ
ンドは、この後の「cvadmin コマンド」でリストされています。

次の表に、cvadmin ツールで使用可能なコマンドを示します。

付録 B コマンドラインを使用する 85
cvadmin コマンド

cvadmin コマンド 説明
activate [volume|index] 対話的に操作する「有効な」ボリュームを選択します。
volume – ボリュームの名前
index – 数字で表されるボリュームの ID (これらのリスト
を表示するには、パラメータを設定しないで cvadmin
select コマンドを使用します)
disable pool [read|write] スト レージ プールへ の読み出 しまたは 書き込み アクセス が
できないようにします。
pool – 現在 有 効な ボ リュ ー ム内 のス ト レー ジ プー ルの
名前。
disks [refresh] LUN をリスト表示します。
down pool ストレージプールへのすべてのアクセスを拒否します。
enable pool [read|write] スト レージ プールへ の読み出 しまたは 書き込み アクセス を
許可します。
fail (volume|index) ボリ ューム がスタン バイコン トローラ に切り替 わるよう に
します。
volume – ボリュームの名前
index – 数字で表されるボリュームの ID (これらのリスト
を表示するには、パラメータを設定しないで cvadmin
select コマンドを使用します)
filelocks [yes|no] ファイ ルおよびレコード のロックを許可また は拒否します。
現在のロックの設定を確認するには、パラメータを指定しな
いでこのコマンドを使用します。
multipath pool (rotate|static) 「Xsan 」でストレージプールへの複数のパスを使 用する方法
を指定します。
paths 使用可能な LUN をリスト表示します。
quit cvadmin を終了します。
quotas [yes|no] 有効な(選択された)ボリュームに対するクオータを有効ま
たは無 効にします。現在の クオータの設定を 確認するには、
パラメータを指定しないでこのコマンドを使用します。
quotas get (user|group) name ユー ザまた はグルー プに関す る現在の クオータ 情報を表 示
します。
name – ユーザまたはグループの名前
quotas set (user|group) name ユーザ名またはグループ名に対するクオータを設定します。
hard soft grace name – ユーザまたはグループの名前
hard – ハードクオータ(バイト)
soft – ソフトクオータ(バイト)
grace – 猶予期間(分)
quotacheck 有効なボリュームのクオータ情報を再計算します。

86 付録 B コマンドラインを使用する
cvadmin コマンド 説明
repquota 「/Library/Filesystems/Xsan/data/<vol>」にク
オータのレポートファイルを生成します:
quota_report.txt – テキストファイル
quota_report.csv – カンマ区切りファイル
quota_regen.in – 別の コ ント ロ ー ラ上 で 同一 の ク
オータを設定する cvadmin コマンド。このコマンドを実行
するには cvadmin -f を使用します。
repof 有 効な ボリ ュ ーム 上で 開い て いる ファ イル のレ ポ ート を
ファイル「 /Library/Filesystems/Xsan/data/
<volume>/open_file_report.txt」に作成します。
select [volume] 操 作する「有 効な」ボリ ューム を選択 します。イ ンタラ ク
ティ ブモー ドのコマ ンドプ ロンプト の後に、現 在有効な ボ
リュ ームの 名前が次 のように 表示され ます: Xsanadmin
(Vol1) >。
動作し ているボリューム のリストを表示す るには、volume
パラメータを省略します。
volume – Xsan ボリュームの名前
show [pool] [long] 有効 なボリ ュームの ストレー ジプール 情報をリ スト表示 し
ます。
start volume [on] [controller] ボリュームの設定ファイル( 「/Library/Filesystems/
Xsan/config/volume.cfg」)の 情 報に 基づ い て、ボ
リュームを起動します。
controller – ボリュームの FSM プロセスを開始す るコ
ントローラのアドレス。
stat 有効なボリュームに関する情報を表示します。
stop volume 有効なボリュームおよびその FSM プロセスを停止します。
up pool 指定されたストレージプールへのアクセスを許可します。
who 有効なボリュームのクライアント情報を表示します。

付録 B コマンドラインを使用する 87
ファイルまたはフォルダをコピーする(cvcp)
cvcp コマンドを使用して、Xsan ボリュームとの間で高速のファイルコピーを実行できます。この
コマンドで次の操作が可能です:
• ファイルまたはディレクトリをコピーする
• tar フォーマットのデータをディレクトリにコピーする
• ファイルまたはディレクトリを tar フォーマットのデータストリームにコピーする
$ cvcp [options] source destination

パラメータ 説明
options この後の「cvcp コマンドのオプション」を参照してください。
source ファイルまたはフォルダ(ディレクトリ)がコピーされます。
destination コピーが作成される場所。

cvcp コマンドのオプション

オプション 説明
-A 事前割り当てを停止します。
-b buffers 使用する I/O バッファの番号を設定します。
buffers – コピーに使用するバッファの番号
-k size コピーバッファのサイズを設定します。
size – バッファのサイズ(バイト)
-l リンクではなく、シンボリックリンクのターゲットをコピーします。
-n サブディレクトリにコマンドを適用しません。
-p prefix 指定されたプレフィクスで始まる名前のファイルのみをコピーします。
prefix – ファイル名の先頭の部分と一致する文字
-s ストレージプールのブロック境界に割り当てます。
-t コピースレッドの番号を指定します。
-v コピーされたファイルに関するすべての情報をレポートします。
-x 元のファイルのアクセス権をコピーに保持します。
-y 所有権お よびグ ループ の情報 をコピ ーに保 持しま す。ルート ユーザ がコ
ピーを実行する場合にのみ適用されます。
-z 元の変更回数をコピーに保持します。


ファイル「friday」を「 /datasets/data1/july」にコピーします:
$ cvcp friday /datasets/data1/july

ディレクトリ「/data1 」およびすべてのサブフォルダを「/datasets/data1」にコピーします。この
とき、すべてのアクセス権および所有権を保持し、コピーされたときにファイルを表示します:
$ cvcp -vxy data1 /datasets/data1

88 付録 B コマンドラインを使用する
「jul」という文字で始まる名前のファイルのみを
前の例と同じようにコピーを実行します。ただし、
コピーします:
$ cvcp -vxy -p jul data1 /datasets/data1/july

ディレクトリ「/datasets」を「/transfers/data.tar 」という名前の tar ファイルにコピーします:


$ cvcp . - > /transfers/data

ボリュームを確認または修復する(cvfsck)
cvfsck コマンドを使用して、 Xsan ボリュームを確認または修復できます。
$ cvfsck [options] volume

パラメータ 説明
options この後の「cvfsck コマンドのオプション」を参照してください。
volume 確認または修復するボリュームの名前。

cvfsck コマンドのオプション

オプション 説明
-d 追加のデバッグ情報を表示します。
-e ファイルエクステントの統計を表示します。
-f フラグメント化をレポートします。
-g ジャーナル修復ログをプリントします。
-j ジャーナルの修復を実行します。
-J 無変換のジャーナルデータを表示します。
-K ジャーナルをリセットし ます。警告:ジャーナルをリセ ットすると、メタ
データの整合性が失われることがあります。どうしても必要な場合以外は、
このオプションを使用しないでください。
-l システムログの問題を記録します。
-n 読み出し専用モードでボリュームを確認します。
-r ボリュームの設定を変更する前にファイルを再配置します。
-v 利用可能なすべての情報を表示します。
-x スプレッドシート用のカンマ区切り形式で統計をレポートします。

付録 B コマンドラインを使用する 89
LUN にラベルを設定する(cvlabel)
cvlabel コマンドを使用して、ストレージプールに追加できるように LUN を初期化できます。

使用可能な LUN をリスト表示するには:


$ cvlabel -l [-s] [-v]

ラベルのテンプレートファイルを準備するには:
$ cvlabel -c

LUN にラベルを設定するには:
$ cvlabel [-v] [-f] [labelfile]

既存のラベルを LUN から削除するには:


$ cvlabel -u lun

パラメータ 説明
-l 使用可能な LUN をリスト表示します。
-s 装置のシリアル番号を表示します。
-v 進行状況を示します。
-c ラベルのテンプレートファイルを作成します。
-f すでにラベルを設定された LUN にラベルを再設定します。
labelfile 各ラベルの情報が含まれるオプションファイル。
-cオプションを使用して、
このファイルを作成できま す。また、以下のファイルをテン プレートとし
て使用できます:
/Library/Filesystems/Xsan/examples/cvlabels.example
lun ディスク名によって識別される LUN。たとえば、 /dev/disk4。
-u 指定されたボリュームのラベルを削除します。

90 付録 B コマンドラインを使用する
アフィニティのあるフォルダを作成する(cvmkdir)
cvmkdir コマンドを使用して、Xsan ボリューム内にある特定のストレージプールに対するアフィニ
ティのあるフォルダを作成できます。
$ cvmkdir [-k affinity] directory

パラメータ 説明
-k ディレクトリ(フォルダ)に関連付 けられるストレージプー ルの名前を指
定する ため の省 略可 能な パラ メータ。こ のパ ラメ ータ を省 略し た場合、
「Xsan」ではアフィニティのないフォルダが作成されます。
affinity 「 Xsan」では、スト レージ
ストレージプ ールのアフィ ニティキーの 名前。
プールの 名前と 同じ名 前にな ります。ス トレー ジプー ルのア フィニ ティ
キーを表示するには、cvadmin show long コマンドを使用します。
directory フォルダの名前。

ファイルを作成して事前割り当てする(cvmkfile)
cvmkfile コマンドを使用して、Xsan ボリューム上のファイルに容量を割り当てることができます。
$ cvmkfile [-k affinity] [-p] [-s] [-w] [-z] size(k|m|g) filename

パラメータ 説明
-k affinity 指定されたアフィニティキー を持つストレージプール上の ファイルに容量
を割り当てます。
affinity – アフィニティキー(「Xsan」ではストレージプールの名前が
アフィニティキーになります)
ストレージプ ールのアフィ ニティキーを 表示するには、 cvadmin show
long コマンドを使用します。
-p ファイル の将来 の機能 拡張がブ ロック 境界上 に配置さ れるよ うに設 定し
ます。
-s ファイルの割り当てがブロック境界に配置されるように設定します。
-w size によって指定されるファイルサイズを設定します。
-z ファイルの内容をゼロに設定します。
size(k|m|g) ファイルに割り当てられる容量を指定する番号。
size – 番号
k – キロバイト
m – メガバイト
g – ギガバイト
filename 割り当てるファイルの名前。


ファイル「 data1」の 2 GB の容量をストレージプール datasets に割り当てます:
$ cvmkfile -k datasets 2g data1

付録 B コマンドラインを使用する 91
ボリュームを初期化する(cvmkfs)
Xsan ボリュームに対応する設定ファイル(「 /Library/Filesystems/
cvmkfs コマンドを使用して、
Xsan/config/<vol>.cfg」にあります)に基づき、Xsan ボリュームを初期化できます。

警告:ボリュームを初期化すると、ボリュームの既存のデータがすべて失われます。

$ cvmkfs [-G] [-F] [volume]

パラメータ 説明
-G 「Press return to continue 」プロンプトを表示しません。
-F 警告および検証プロンプト を表示しません。このパラメ ータの使用は、慎
重に判断してください。
volume 初期化するボリュームの名前。この名前は、 「 /Library/Filesystems/
Xsan/config」にある設定(.cfg)ファイルの名前と一致します。

ストレージプールの情報を表示する(cvsginfo)
cvgsinfo コマンドを使用して、Xsan ボリューム内にあるストレージプールに関する情報を表示で
きます。
$ cvsginfo [-l] [-d] file

パラメータ 説明
-l ブロックの番号、ディスク名、およ びストライピングの特性 などの追加情
報を表示します。
-d 追加のデバッグ情報を表示します。
file ボリューム上のファイルまた はボリュームのルートディレ クトリ内のファ
イルへのフルパス(たとえば、「/Volumes/SanVol」)

ボリュームに設定の変更を適用する(cvupdatefs)
ボリュームの 設定ファイルに変更を加え た後で、cvupdatefs コマンドを使用し て、設定ファイル
の変更をボリュームに適用できます。
$ cvupdatefs [-f] volume [configdir]

パラメータ 説明
-f 確認を要求するメッセージを 表示したり、設定ファイルのエ ラーを通知し
たりせずに更新します。
volume 更新するボリューム。ボリュー ムを指定しない場合、使用可 能なボリュー
ムがリスト表示され、そこから選択します。
configdir ボリュー ムの設 定(.cfg)フ ァイル がデフ ォルトの 場所(「/Library/
Filesystems/Xsan/config」)以外 にある場合、そ の場所を 指定し
ます。

92 付録 B コマンドラインを使用する
ボリュームのコントローラを起動する(fsm)
fsm コマンドを使用して、コントロー ラでファイル・システム・マネージャのプ ロセスを開始でき
ます。fsm プロセスでは、ボリューム のネームスペース、ファイルの割り当 て、およびメタデータ
を管理します。
$ fsm [volume] [controller]

パラメータ 説明
volume プロセスで管理するボリューム。
controller プロセスを開始し、その結果とし てボリュームのメタデータ コントローラ
になるコンピュータ。

ポートマッパのプロセスを開始する(fsmpm)
fsmpm コマンドを使用して、クライアントまたはコントローラ 上でファイルシステムのポートマッ
パのプロセスを開始できます。
$ fsmpm

詳しくは、fsmpm のマニュアルページ(man で表示)を参照してください。

ファイル、ディレクトリ、またはボリュームをデフラグする(snfsdefrag)
snfsdefrag コマンドを使用して、ファイルのデータを 1 つのエクステントに再割り当てすること
で、ファイルを デフラグすることが できます。この結果、ディ スクの効率が向上し、フ ァイルのメ
タデータの管 理に要するオーバーヘ ッドが減少するため、読み 出しおよび書き込みの パフォーマン
スが改善されることがあります。

ファイルまたはディレクトリをデフラグするには:
$ snfsdefrag [-D] [-d] [-q] [-s] [-v] [-G group] [-K affinity]
[-k affinity] [-m count] [-r] target

デフラグしないでファイルエクステントをレポートするには:
$ snfsdefrag -e [-G group] [-K affinity] [-r] target [target] [...]

デフラグしないでエクステントカウントを表示するには:
$ snfsdefrag -c [-G group] [-K affinity] [-r] target [target] [...]

ファイルを整理する(ファイルの末尾を超えて割り当てられたエクステントを削除する)には:
$ snfsdefrag -p [-D] [-v] [-q] [-G group] [-K affinity] [-m count]
[-r] target [target] [...]

デフラグの候補であるファイルをリスト表示するには:
$ snfsdefrag -l [-D] [-v] [-G group] [-K affinity] [-m count] [-r]
target [target] [...]

パラメータ 説明
-c エクステントカウントを表 示します。ただし、デフラグのタ ーゲットは表
示しません。
-D デバッグのメッセージを表示します。
-d 現在の深さ以外でファイルに対して機能します。

付録 B コマンドラインを使用する 93
パラメータ 説明
-e デフラグしないでエクステントをレポートします。
-K affinity 指定されたストレージプール アフィニティのあるファイル に対してのみ機
能します。
affinity – アフィニティキー(「Xsan」ではストレージプールの名前が
アフィニティキーになります)
ストレージプ ールのアフィ ニティキーを 表示するには、 cvadmin show
long コマンドを使用します。
-k affinity このアフィニティのあるスト レージプールに新しいエクス テントを割り当
てます。
-l デフラグの効果を期待できるファイルをリスト表示します。
-m count count エクステントを超えるファイルに対してのみ機能します。
-p デフラグの代わりに整理を実行します。
-q メッセージが表示されないようにします。
-r [target] 指定されたターゲットディレ クトリ内のすべてのディレク トリに含まれる
ファイルすべてをデフラグするように、反復して機能します。
-s 新しいエクステントをブロック境界に割り当てます。
-v デフラグの際に、取得可能なすべての情報および状況を表示します。


ファイル「 datafile」 のエクステントをカウントします:
$ snfsdefrag -c datafile

エクステントをリスト表示します:
$ snfsdefrag -e datafile

ファイル「 datafile」 をデフラグします:


$ snfsdefrag datafile

ファイル「datafile」が 2 つを超えるエクステントを持つ場合にのみ、このファイルをデフラグします:
$ snfsdefrag -m 2 datafile

複 数の エク ステ ント を持 つデ ィレ クト リ「/datafolder」(また は「/datafolder」内の すべ て
のディレクトリ)に含まれるすべてのファイルをデフラグします:
$ snfsdefrag -r datafolder

ディレクトリ「 /datafolder」内のす べてのファイルに割り当てられた未使用 のディスク容量を回


復します。
$ snfsdefrag -rp datafolder

94 付録 B コマンドラインを使用する
Xsan ボリュームをマウントする
mount コマンドを使用して、コンピュータに Xsan ボリュームをマウントできます。
1 コンピュータにアクセスして「ターミナル」を開くか、SSH を使用してコンピュータにリモートでロ
グインします:
$ ssh user@computer
ここで、 user はリ モートコンピュータのユー ザアカウント、 computer はリモート コンピュータ
の IP アドレスまたは DNS 名です。

2 ファイルシステムをマウントする場所に、マウントポイントを作成します:
$ mkdir mountpoint
ここで、 mountpoint は、ファイルシステムがマウントされるディレクトリです(通常は
「/Volumes」、または「 /Volumes/SanVol」などと指定します)。

3 ボリュームをマウントします:
$ sudo mount -t acfs volume mountpoint
ここで、 volume はボリュームの名前、 mountpoint は手順 2 で作成したディレクトリです。たと
えば、次のように入力します:
$ sudo mount -t acfs SanVol /Volumes/SanVol

Xsan ボリュームをマウント解除する
umount コマンドを使用して、コンピュータ上の Xsan ボリュームをマウント解除できます。
1 コンピュータにアクセスして「ターミナル」を開くか、SSH を使用してコンピュータにリモートでロ
グインします:
$ ssh user@computer
ここで、 user はリ モートコンピュータのユー ザアカウント、 computer はリモート コンピュータ
の IP アドレスまたは DNS 名です。

2 ボリュームをマウント解除します:
$ sudo umount mountpoint
ここで、mountpoint は、ボリュームがマウントされているディレクトリです(通常は「/Volumes/
<vol>」)。たとえば、次のようになります。
$ sudo umount /Volumes/SanVol

ログを表示する
「Xsan」が SAN に関する情報を書き込むシステムログは、次の場所にあります。
/var/log/system.log

ボリュームログは次の場所にあります。
/Library/Filesystems/Xsan/data/<volume>/log/cvlog

<volume> は特定のボリュームの名前です。

付録 B コマンドラインを使用する 95
設定ファイル
「Xsan」の設定情報は、次のファイルに保存されます:

ファイル 内容
/Library/Filesystems/Xsan/config/<vol>.cfg ボリュームの設定
/Library/Filesystems/Xsan/config/fsmlist ボリュームの自動開始リスト
/Library/Filesystems/Xsan/config/fsnameservers コントローラのリスト

ボリュームの設定ファイル
Xsan ボリュームについて記述するパラメータは、次のファイルに保存されています。
/Library/Filesystems/Xsan/config/<vol>.cfg

<vol> はボリュームの名前です。

このファイル 内にあるさまざまなパ ラメータ、およびこれらの パラメータを使用して ボリュームを


定義する方法については、cvfs_config のマニュアルページ(man で表示)を参照してください。

設定ファイルの例
# 「StorNext File System」の設定ファイルの例
#
# 名前には A ∼ Z、 a ∼ z、 0 ∼ 9、ハイフン(-)、アンダーバー(_)が使用可能です
#
# そのほかの項目(ユーザ定義の文字列やパス名など)は二重引用符(")で
# 囲む必要があります。
#
# コメント文字(#)は任意の場所で使用でき、行末まで適用されます。
#
#***************************************************************************
# ファイルシステム全体のパラメータを定義するためのグローバルセクション。
#***************************************************************************
#
# グローバル・スーパー・ユーザ。
#
# この変数が「Yes」に設定されている場合、クライアント上のスーパーユーザは
# グローバルアクセス権を持つことができます。「 No」に設定されている場合、スーパーユーザのユーザ ID では
# そのスーパーユーザが所有しているファイルのみを操作できます。
#
GlobalSuperUser No

#
# ファイルを拡張するためのファイルシステムのブロックの最少数。
#
InodeExpandMin 8 # 初期割り当て 32 k

#
# ファイルシステムのブロック内でセグメントを拡張するときの増分数。
#
InodeExpandInc 32 # 積極的に増分(128 k)

96 付録 B コマンドラインを使用する
#
# ファイルを拡張するためのファイルシステムのブロックの最大数。
#
InodeExpandMax 2048 # 8M ずつ拡張(大!)

#
# ストライプ幅の境界で開始するようにファイルシステムを配置します
#
ForceStripeAlignment Yes

#
# デバッグのフラグ
#
# cvadmin(1M)でデバッグのフラグの凡例を参照してください
#
Debug 0

#
# ファイルシステムのブロックサイズ
#
# - 4 K ∼ 512 K の範囲で 2 のべき乗にする必要があります。
# - このファイルシステムの設定で使用されるすべてのストレージ装置の
# 最大セクタサイズの倍数にする必要があります。
# - このブロックサイズはすべてのストライピング方式に均等に
# 分割可能である必要があります。
# - 値が 16 K より大きい場合、メタデータの操作パフォーマンス(作成数/秒など)
# が低下しますが、マルチテラバイトのファイルシステムでは起動時間が
# 短縮されることがあります。
#
#
FsBlockSize 4K

#
# i ノード・キャッシュ・エントリ - i ノードを読み出すための I/O を減らすために使用されます。
#
InodeCacheSize 8K

#
# バッファ・キャッシュ・サイズ - i ノード、ディレクトリ、および割り当てビットマップを
# 読み出すための I/O を減らすために使用されます。
#
BufferCacheSize 32M

#
# 最大クライアント接続および AT 接続が許可されます。
#
MaxConnections 10

付録 B コマンドラインを使用する 97
#
# ログファイルの最大サイズ
#
MaxLogSize 1M

#
# クライアント・プール・スレッド。メッセージ処理プール内のスレッド数。
#
ThreadPoolSize 16

#***************************************************************************
# ディスクのハードウェアパラメータを定義するための disktype セクション。
#***************************************************************************
#
# サイズに合うセクタ数で設定されるようにディスクのタイプを定義します
#
# *** 参考 - セクタサイズは 512 バイトです。***
#
[DiskType ST19171FC] # 完全な 9.2GB の Cuda から 1M のボリュームヘッダを差し引きます。
Sectors 17780736
SectorSize 512 # セクタのサイズ(デフォルトは 512)。

#***************************************************************************
# ハードウェアの設定でディスクを定義するためのディスクセクション。
#***************************************************************************
#
# 「Status」キーワードは装置が最初に UP または DOWN のどちらであるかを示します。
#
# 「Type」キーワードは「 DiskType」キーワードで定義した名前と一致する必要があります。
#

[Disk CvfsDisk0]
Status UP # UP/DOWN
Type ST19171FC # DiskType セクションで定義したタイプ

[Disk CvfsDisk1]
Status UP
Type ST19171FC

[Disk CvfsDisk2]
Status UP
Type ST19171FC

[Disk CvfsDisk3]
Status UP
Type ST19171FC

[Disk CvfsDisk4]
Status UP
Type ST19171FC

98 付録 B コマンドラインを使用する
[Disk CvfsDisk5]
Status UP
Type ST19171FC

[Disk CvfsDisk6]
Status UP
Type ST19171FC

[Disk CvfsDisk7]
Status UP
Type ST19171FC

[Disk CvfsDisk8]
Status UP
Type ST19171FC

[Disk CvfsDisk9]
Status UP
Type ST19171FC

[Disk CvfsDisk10]
Status UP
Type ST19171FC

[Disk CvfsDisk11]
Status UP
Type ST19171FC

[Disk CvfsDisk12]
Status UP
Type ST19171FC

[Disk CvfsDisk13]
Status UP
Type ST19171FC

[Disk CvfsDisk14]
Status UP
Type ST19171FC

[Disk CvfsDisk15]
Status UP
Type ST19171FC

#***************************************************************************
# ストレージプールの定義
#
#***************************************************************************

付録 B コマンドラインを使用する 99
#
# 専用の 8 ビット NTSC 525 ビデオで使用するためのストライプグループを設定します。
#
[StripeGroup VideoGroup1]
Status UP # UP/DOWN
Exclusive Yes # 記述されたアフィニティのみを許可します
Affinity 6100_n8 # このグループを記述するアフィニティの名前
Read Enabled # ストライプグループへの読み出しを有効(または無効)にします
Write Enabled # 書き込みおよび容量の割り当てを有効(または無効)にします
StripeBreadth 172 # fs ブロック内におけるディスク上のストライプの幅
Node CvfsDisk0 0 # ディスク名およびストライプでの配置
Node CvfsDisk1 1
Node CvfsDisk2 2
Node CvfsDisk3 3
Node CvfsDisk4 4

#
# 専用の 8 ビット PAL625 ビデオで使用するためのストライプグループを設定します。
#
[StripeGroup VideoGroup2]
Status UP
Exclusive Yes
Affinity 6100_p8
Read Enabled
Write Enabled
StripeBreadth 204
Node CvfsDisk5 0
Node CvfsDisk6 1
Node CvfsDisk7 2
Node CvfsDisk8 3
Node CvfsDisk9 4

#
# NTSC ストリームのオーディオグループを設定します
#
# CCIR-601 525 Audio は 65536 バイトのブロックで読み出し/書き込みされます
#
[StripeGroup AudioGroup1]
Status UP
Exclusive Yes
Affinity 6100_n8a
Read Enabled
Write Enabled
StripeBreadth 16
Node CvfsDisk10 0

#
# PAL ストリームのオーディオグループを設定します
#
# CCIR-601 625 Audio は 61440 バイトのブロックで読み出し/書き込みされます
#

100 付録 B コマンドラインを使用する
[StripeGroup AudioGroup2]
Status UP
Exclusive Yes
Affinity 6100_p8a
Read Enabled
Write Enabled
StripeBreadth 15
Node CvfsDisk11 0

#
# 排他的なプロパティを持たない、2 つのドライブによるストライプグループを設定します。
#
[StripeGroup RegularFiles]
Status UP
Read Enabled
Write Enabled
StripeBreadth 16
Node CvfsDisk12 0
Node CvfsDisk13 1

#
# 終了
#

付録 B コマンドラインを使用する 101
ボリュームの自動開始リスト
fsmlist 設定ファイルを使用して、ファイルシステムのどのプロセスを自動的に開始するかを制御で
きます。

詳しくは、fsmlist のマニュアルページ(man で表示)を参照してください。

自動開始ファイルの例
#
# 自動開始ファイル
#
# 起動時に開始する必要がある、「StorNext File System」のプライマリおよび
# バックアップサービスをリスト表示します。
#
# バックアップとして設定されているサービスの場合、そのサービスは
# スタンバイモードで起動し、プライマリサービスが「stop」コマンド以外の
# 原因で停止した場合にのみ使用可能になります。
#
# このファイルが変更された場合、CVFS サービスのポートマッパ(fsmpm)が
# 通知されたときにのみファイルが再スキャンされます。そのためには、次のように入力します:
#
# kill -USR1 `cat /usr/cvfs/bin/fsmpm.pid`
#
# これにより、ポートマッパがこのファイルを再スキャンするように設定されます。
#
# ファイルフォーマット:
#
# スペースおよびタブは自由に使用できます。
# コメントであることを示すには、行の先頭の文字にシャープ(#)記号を
# 使用します。
#
# 行のフォーマットは次のとおりです(先頭のシャープ記号は無視してください):
#
#<fsname> [<hostname>] [<priority>]
#
# 各項目の内容は次のとおりです:
# <fsname> は FSM ファイルシステムの名前です。これは設定のファイル名
# (<file_system_name>.cfg)と一致する必要があります。
# この名前はストレージ・エリア・ネットワーク全体で使用され、相互に接続
# しているすべての SAN マシンの間で一意である必要があります。
#
# [<hostname>] は、複数のネットワークアダプタを持つシステムまたは複数のホストによって管理される
# システムのホスト名です(省略可能)。ピリオド( .)は、
# システムでデフォルトのホスト名または IP アドレスを使用する必要があることを示します。
#
# [<priority>] は、障害が発生したサービスを代行する優先順位を決定
# できるように、FSS サービスに割り当てられた番号です。
# この値が小さいほど、優先順位は高くなります。サービスに優先度が
# 割り当てられていない場合、デフォルトの優先度 0 が適用されます。
# 優先順位が同じ FSS サービスには、決定要因となるフェイルオーバー特性
# がありません。

102 付録 B コマンドラインを使用する
#
#
# ここでは、ファイルシステムのサービス設定行の例をいくつか挙げます。
#
# 例 #1。
#
# このファイルシステムの名前は「default」です。デフォルトでは、ホスト名は fsm ポートマッパが
# 使用する名前と同じ名前になります。fsm ポートマッパは、このファイルシステム向けの唯一の
# サービスです。
#
#default
#
# 例 #2。
#
# このファイルシステムのサービスの名前は「example」であり、ホスト名「rock」で
# 代替パスのホスト名を使用します。
#
#example rock
#
# 例 #3。
#
# サービスのリストがあり、プライマリサービスとバックアップサービスが
# 含まれています。
#
# ファイルシステムでは、優先順位が高いサービスのデフォルトとしてデフォルトのホストを使用します。
#
#default .
#
# ローカルホスト上のファイルシステム foo には、セカンダリーサービスとして rock という名前が付けられています。
#
#example rock 1
#
# デフォルトのローカルホスト上にあるファイルシステム「bar」は 3 次サービスとして機能します。
#
#bar . 2
#
# デフォルトのローカルホスト上にあるファイルシステム「zup」はセカンダリーサービスとして機能します。
#
#zup . 1
#
# デフォルトのローカルホスト上にあるファイルシステム「zup」はセカンダリーバックアップとしても機能します。
# 各バックアップにはそれぞれ別個の優先順位を割り当てることができます。一般に、この設定は、
# 2 つの異なるマシンがあり、フェイルオーバーの際に一方のマシンに別のマシンよりも
# 高い優先順位が適用される場合に、より有効になります。
#
#zup . 0
#zup . 1
#
# 終了
#

付録 B コマンドラインを使用する 103
コントローラのリスト
「Xsan」では、SAN コントローラのリストを次のファイルに保存しています。
/Library/Filesystems/Xsan/config/fsnameservers

このファイルのコピーは、SAN に属するすべてのコンピュータで表示されます。

詳しくは、fsnameservers のマニュアルページ( man で表示) を参照してください。

fsnameservers ファイルの例
#
# ファイルシステムのネームサーバのマスターファイル
#
# このファイルによって、ストレージ・エリア・ネットワーク内で利用可能なファイルシステムの
# 名前の検索場所が CVFS ポートマッパに伝えられます。ファイルシステムの
# 名前へのアクセスに必要な帯域幅は非常に狭いので、ネーム
# サーバをハイエンドの装置に配置する必要はありません。ただし、ネームサーバが
# 高可用性および信頼性を保つことは重要です。これにより、CVFS クライアントが
# ネットワーク内のサーバの場所を見つけることができないために
# ファイルシステムを使用できなくなる可能性が低くなります。
#
# 名前の情報は、リスト表示されたすべてのネームサーバに対して頻繁に複製されます。
# プライマリサーバが停止した場合でも、要求を十分に解決できるだけの
# 情報がほかのサーバに保存されています。
#
# 構文:
#
# <primary_host>
# [<secondary_host #1>]
# [<secondary_host #2>]
# [...]
# [<secondary_host #n>]
#
#
# <host> は、SAN の CVFS ファイルシステムのリストを取得するための
# 接続先のホスト名または IP 番号です。
#
# 最初のホストは PRIMARY ネームサーバです。これに続くホストは
# セカンダリー・ネーム・サーバです。リストでは、その記載順序に従って
# アクセスを受け付けます。
#
# このファイルと同様、コメントの前にはシャープ記号(#)を使用する必要があります。
#

#
# プライマリ FS ネームサーバは rock です
#
rock

#
# セカンダリー FS ネームサーバ #1 は crag です

104 付録 B コマンドラインを使用する
#
crag

#
# セカンダリー FS ネームサーバ #2 は arete です
#
arete

付録 B コマンドラインを使用する 105
用語集

用語集
ACFS Apple クラスタ・ファイル・システム。基になる Xsan ファイルシステムです。ACFS は、ファ
イル・システム・メタデータを管理するためにコントローラを使用する共有 SAN ファイルシステム
です。ADIC 社の「StorNext File System」から派生したものです。

Apple クラスタ・ファイル・システム ACFS を参照。

FSS ファイル・システム・サーバ。Xsan メタデータコントローラに対する「StorNext File System」


の用語です。

LUN SCSI 論理ユニ ット番号。「Xsan」では、Xserve RAID ア レイまたはスライスのよ うなフォー


マットされていない論理ストレージ装置のことです。

RAID アレイ RAID 方式によって編成および保護され、ハードウェアやソフトウェアでは単一の論理


ディスクとして表される、物理ディスクのグループ。「 Xsan」では、 RAID アレイはストレージプー
ルを形成するために結合された LUN として表されます。

SAN ストレージ・エリア・ネットワーク。一般に、主な目的がコンピュータシステムとストレージ
要素の間およびストレージ要素間でのデータの転送であるネットワーク。「Xsan」では、SAN は、1
つ以上のコ ントローラ、ストレージボ リューム、およびストレー ジクライアントを組み 合わせたも
のです。

アフィニティ Xsan ボリューム上のフォルダと、ボリュームを構成するストレージプールの 1 つと


の間の関連 性。アフィニティにより、フ ォルダ内に置かれてい るファイルが、そのスト レージプー
ルにのみ保存されることが保証されます。

クライアント Xsan ボリューム上のデータにアクセスするコンピュータ。クライアントが SAN デー


タにアクセスするためには、SAN 管理者が SAN にクライアントを追加し、ボリュームをクライアン
トにマウントする必要があります。

コントローラ 「 Xsan 」では、


「メタデータコントローラ」の略。
「メタデータコントローラ」を参照。

「Xsan」では、
初期化 一般に、特定のファイルシステムで使用できるようディスクを準備すること。
ストレージプール内で使用できるよう LUN を準備することです。

ストライプグループ Xsan ストレージプールに対する「StorNext File System 」の用語。

107
ストライプ幅 Xsan ストレージプールの属性。「Xsan」がプール内の次の LUN に移動する前にスト
レージプール内の LUN に書き込む、ファイルシステムのブロック数として表現されるデータのバイ
ト数です。

ストレージプール ス ループット やレイテン シなどの共 通の特性を共 有する論理 ディスクの グルー


「 Xsan 」では、このグループ全体にユーザデータをストライプします。ストレージプールを結合
プ。
して Xsan ボリュームを形成します。

バランス Xsan ストレ ージプー ルの割り 当て方式。複 数のスト レージプ ールで構 成されてい るボ
「 Xsan」では、すべてのプール上の使用可能なストレージを分
リューム上の容量を割り当てる前に、
析し、使用可能な容量の最も多いプールを使用します。

ファイルシステム 低 レベルの詳 細に対処し なくてもア プリケーショ ンでファイ ルを読み書 きでき


「StorNext File System」
るよう にする、デー タをスト レージ装置 に保存す るための方 式。これは、
で Xsan ボリュームに対して使用する用語です。

ファイル・システム・サーバ FSS を参照。

フィル Xsan ストレージプールの割り当て方式。複数のストレージプールで構成されているボリュー


ムでは、「Xsan」は最初のプールをいっぱいにしてから次のプールへの書き込みを続けます。

フェイルオーバー 「 Xsan 」では、ボリューム のプライマリコ ントローラに 障害が発生し た場合に、


スタンバイ Xsan コントローラがボリュームの動作中のメタデータコントローラになるという自動プ
ロセス。

フェイルオーバーの優先順位 Xsan コントローラの属性。複数のコントローラを持つ SAN では、フェ


イルオーバーの際、最初にどのスタンバイコントローラを試すかを指定します。

フォーマット(動詞)「初期化」を参照。

ブロック割り当てサイズ Xsan ボリュームの属性。Xsan ボリューム上で予約したり、Xsan ボリュー


ムに書き込んだり、Xsan ボリュームから読み出したりできる最小バイト数。

ボリューム ク ライアント の視点から 、ローカルハ ードディス ク、パーティシ ョン、または ネット


「Xsan」では、ボリュー
ワークボリュームのように動作する、ストレージのマウント可能な割り当て。
ムは 1 つ以上のストレージプールで構成され、 SAN コントローラによってクライアントにマウント
されます。

マウント(動詞) Xsan ボリュームを、ほかのローカルディスクのようにクライアントのデスクトッ


プ上に表示すること。Xsan ボリュームは、クライアント自体ではなく、コントローラによってクラ
イアント上にマウントおよびマウント解除されます。

マルチパス方式 Xsan ストレージプールの属性。「 Xsan 」がクライアントとストレ ージの間で複数


のファイバーチャネル・パスを使用する方法を指定します。「動的」に設定して高いパフォーマンス
を得るために読み出しまたは書き込みを利用可能なパス間で切り替えたり、「静的」に設定して、マ
ウント時にボリューム内の各 LUN を交互にパスに割り当てたりできます。

108 用語集
メタデータ ファイルシステムとそれによって保存されるファイルに関する情報(たとえば、ファイ
「Xsan」では、メタデータはコントローラ
ルが占めるディスクブロックや、使用可能なブロック)。
によって管理されますが、SAN ボリュームに保存されます。Xsan クライアントおよびコントローラ
は、ファイルデータに支障を来たさないように Ethernet 接続を介してメタデータを交換し、ファイ
ルデータはファイバーチャネル接続を介して転送されます。

メタデータコントローラ Xsan メタデータを管理するコンピュータ。


「StorNext File System」でファ
イル・システム・サーバ(FFS)と呼ばれているものです。

ラウンドロビン Xsan ストレージプールの割り当て方式。複数のストレージプールで構成されてい


「Xsan」は利用可能な各ストレージプールに次々に連続して書き込むための容量
るボリュームでは、
を割り当てます。

ラベル設定(動詞) LUN の初期化に対する「 StorNext File System」の用語。「初期化」を参照。

ラベル(名詞) LUN を識別する名前。

割り当て方式 「 Xsan 」で、ボリュームを構 成するストレー ジプールにデ ータが書き込ま れる順序。


「フィル」、「ラウンドロビン」、または「バランス」を選択できます。

用語集 109
索引

索引
C L
「command not found」メッセージ 77 LUN の RAID 方式 23
cvadmin コマンド 85 LUN (論理ユニット番号)
コントローラのフェイルオーバーを強制する 65 概要 11
cvcp コマンド 88 既存のストレージプールに追加する 43
cvfsck コマンド 89 サイズが下方修正される 77
ボリュームを確認する 56 実際のサイズと使用済みサイズ 43, 77
ボリュームを修復する 56 準備する 27
cvlabel コマンド 90 ストレージプールごとの制限 16
古い LUN ラベルを取り除く 77 説明 12
cvmkdir コマンド 91 古いラベルを取り除く 77
アフィニティを割り当てる 47 ボリュームごとの制限 16
cvmkfile コマンド 91
cvmkfs コマンド 92 N
cvsginfo コマンド 92 「 No manual entry for...」メッセージ 77
cvupdatefs コマンド 92
S
D SAN (ストレージ・エリア・ネットワーク)
DNS ストレージを追加する 42
「Xsan Admin」で∼を使用する 28 追加する 39
取り除く 38
E 名前の長さの制限 16
Ethernet 名前を変更する 38
ガイドライン 19 snfsdefrag コマンド 93
ファイルをデフラグする 55
F SSL、∼と「 Xsan Admin 」 28
fsmpm コマンド 93 StorNext File System 79
fsm コマンド 93 Xsan クライアントを追加する 80
fsnameservers ファイル 80, 104
FSS →「コントローラ」を参照 U
ファイル・システム・サーバ →「コントローラ」を参照 UID(ユーザ ID )
割り当てる 30
G
GID(グループ ID) X
割り当てる 30 「 Xsan Admin」アプリケーション
∼とファイアウォール 28
I 概要 28
IP アドレス 環境設定 28
クライアントおよびコントローラ用 20 個別にインストールする 28
コントローラの∼を変更する 67 リフレッシュ間隔 28
「 Xsan 」ソフトウェア
インストールする 31

111
コントローラをアップグレードする 68 こ
シリアル番号 32 コマンド →「シェルコマンド」を参照
取り除く(アンインストールする) 60 コントローラ
「Xsan」ソフトウェアをインストールする 31 IP アドレスを変更する 67
Xserve RAID システム SAN ごとの制限 16
状況を確認する 74 概要 11
∼が管理するボリュームをリストする 66
あ ソフトウェアをアップグレードする 68
空き容量 追加する 64
クオータの使用状況を確認する 71
ストレージプールの∼を確認する 70 し
ボリュームを確認する 70 シェルコマンド
アクセス 「 command not found」 77
フォルダのアクセス権 59 cvadmin 85
アクセス権 cvcp 88
フォルダへのユーザアクセス 59 cvfsck 89
アフィニティ cvlabel 90
説明 14 cvmkdir 91
取り除く 47 cvmkfile 91
フォルダ内のフォルダに 47 cvmkfs 92
フォルダに割り当てる 36, 46 cvsginfo 92
cvupdatefs 92
え fsm 93
エラー -1425 77 fsmpm 93
snfsdefrag 93
か インストールされた場所 83
可用性に関する考慮事項 23 使用時の問題 77
表に示した 84
き マニュアルページ 83
共有シークレットファイル 81 ジャーナル
説明 15
く 場所を選択する 26
クオータ シリアル番号 32
「Xsan Admin」で∼の使用状況を確認する 71
コマンドラインから確認する 71 す
設定する 37, 61 ストライピング、LUN 全体に 13, 15
説明 61 ストライプグループ →「ストレージプール」を参照
ソフト 37 ストライプ幅 35
ハード 37 値を選択する 50
猶予期間 37, 61 設定する 50
例 62 ブロック割り当てサイズ 50
クライアント ストレージ・エリア・ネットワーク →「 SAN 」を参照
SAN から取り除く 60 ストレージ、拡張する 42
SAN ごとの制限 16 ストレージプール
StorNext 81 空き容量を確認する 70
StorNext ファイルシステムに追加する 80 アクセス権 49
追加する 58 既存のボリュームに追加する 44
定義 11 説明 13
ボリュームを使用中の∼ 73 名前の長さの制限 16
グラフ 名前を変更する 48
コントローラの使用状況 71 ボリュームごとの制限 16
スムージング 28 予約されている名前 76
グループ ストレージを拡張する 16, 42
GID を割り当てる 30 ストレージを追加する 42, 16
グループ ID →「GID 」を参照

112 索引
せ ファイルをデフラグする 55

静的マルチパス方式 51 フィル
セキュリティに関する考慮事項 15, 23 ボリュームの割り当て方式 34, 53

設定ファイル 96 フェイルオーバー 64
強制する 65
フェイルオーバー優先順位 64

プロセス、状況を確認する 72
ソフトクオータ
ブロック割り当てサイズ
確認する 71
設定する 34, 54
設定する 37, 61
ボリュームに選択する 54
定義 61

つ ほ
ポケベルによる通知 72
通知
ボリューム
設定する 36, 72
StorNext ファイルシステムをマウントする 80
必須のメールサービス 20
空き容量を確認する 70
開始する 37

既存の SAN に追加する 45
ディレクトリサービス 20
クライアントにマウントする 37, 59
コマンドラインからマウントする 95
と コントローラ別のリスト 66
動的マルチパス方式 51
コントローラを識別する 66
トラブルシューティング
修復する 56
LUN が表示されない 77
整合性を確認する 56
LUN のサイズが下方修正される 77
設定ファイル 96
RAID システムにアクセスできない 75
説明 13
SAN に接続できない 75
デフラグする 55
エラー -1425 77
名前の長さの制限 16
コンピュータが表示されない 75
名前を変更する 52
ソフトウェアをインストールできない 75
∼を使用中のクライアントを表示する 73
ボリュームをマウントできない 75
マウント解除する 60, 95
予約されているストレージプール名 76
マウントの問題 75
ボリュームの設定ファイル 96
は ボリュームを修復する 56
ハードクオータ ボリュームをマウント解除する 60
確認する 71 コマンドラインから 95
設定する 37, 61 ボリュームをマウントする 37, 59
定義 61 StorNext 80
バランス コマンドラインから 95
ボリュームの割り当て方式 34, 53


ひ マニュアルページ
表記 「 No manual entry for...」 77
コマンドの規則 84 シェルコマンドの∼ 83
表示の問題 84
ふ マルチパス方式 35
ファイアウォール、∼と「Xsan Admin」 28 ストレージプールに設定する 51
ファイバーチャネル
設定要件 19 め
対応するスイッチ 19 命名の制限 16
接続障害を監視する 74 メールサービス
ファイル 通知用 20
最大サイズ 16 メールによる通知 72
名前の長さの制限 16 メタデータ
ボリュームごとの制限 16 説明 15
ファイルシステム →「ボリューム」を参照

索引 113
場所を選択する 26, 49 り
「Xsan Admin 」 28
リフレッシュ間隔、

ユーザ ID →「UID」を参照 ろ
ユーザ、UID を割り当てる 30 ログ
猶予期間(クオータ) 61 表示する 73
ファイルサイズ(最大ログサイズ) 34
よ メッセージの数を制御する 28
読み出し専用のボリューム 60 論理ユニット番号 →「LUN 」を参照

ら わ
ラウンドロビン 割り当て方式 34
ボリュームの割り当て方式 34, 53 ボリュームに設定する 53

114 索引

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