2010 年 5 月 25 日

ボブのブログ「単語は語学習得のかぎ」

ロバート・カルフィー氏は、スタンフォード大学教育学・心理学名誉教授ならびにムーンシュート
社の教育責任者です。本稿は、外国語の学習方法やメソッドについての、カルフィー教授の連載コ
ラム第一回目です。

ムーンシュート社の企業理念は、世界中の子どもたちの英語学習を触発することです。当社は、
その理念の実現に向けた大切な一歩として、さきごろ、学習プログラム①オンライン学習システ
ム「天空の魔法ガーデン」（mahogarden.jp 上で開講）と②利用者に毎月送られる補助教材の２
つを発売しました。子どもの英語学習の土台づくりのために、膨大な数の言葉にふれてもらうこ
と、これが当社の学習メソッドの中心にある考え方です。
この「膨大な数の言葉にふれる」方法は、英語のような新しい言語の習得において、重要で効果
の高い方法ですし、その理由も知っておくとよいでしょう。本稿では、保護者の皆様に、なぜこの
学習方法の効果が高いのか、また子どもが英語学習の基礎を据えるために、ムーンシュート社
ではどのようなお手伝いができるのかについてご説明いたします

さて、もしあなたが言葉の分からない外国を旅すると、あらゆることが未知に感じられます
ね・・・。周りの人々が話している内容も理解できませんし、標識も読み取れません。このような
状況でも、たった 100 の単語やフレーズだけでも、正しく知っているならば、大きな違いを生み
出すのです！[どうやって適当な単語を選ぶのかは、文脈を含めて、すでに何を知っているか
によります]

何か新しいことを学ぶということは、時間のかかる大変なプロセスですが、研究によれば、やり
方次第でより効率的に習得できることが分かっています。受動的な学習（読み、聞く）は、比較的早
く効果があらわれます。私が初めて日本に来たとき、新しく出会った人々にお辞儀をされ「ありが
とう」といわれる経験を何度もしました。すると次第に、私はこのフレーズを認識することができるよ
うになりました。これは、反復力が大変大きな効果を発揮する例です。いっぽう、自分から言葉を
発するようになるまでには、もう少し時間がかかりましたが、これについては、注意を払うこと、そし
て「学ぼうとする意欲」が大いに役立ちました。

また、母国語から借用された同じ語源の単語（同語源語）は早く身につきますし、簡単に
覚えることができます。日本語には英語に類似した言葉がたくさんあり、中にはとても役立
つものもあります。そのため、一連の同語源語を学習すると、たくさんの言葉を短期間で身につ
けることができるのです！

最後に、新しいことを学ぶときの効果的な学習時間の使い方についてお話したいと思います。こ
れは子ども用英語学習教材であるムーンシュート社の「魔法のガーデン」のメソッドに特に関連
があります。「集中学習対分散学習」という科学的な学習方針です。
例えば、100 分の学習時間で 100 語をできるだけ覚えなければならないとしましょう。これには二
つの基本的な学習方法があります。一つ目が集中学習法です。この方法では、100 単語を 10 単
語ずつの 10 セットに分割します。学習者は、１セットに 10 分間ずつかけて、先に進んでいきます。こ
の方法では、10 分ずつ、ほぼ 10 語全ての単語を覚えられますので、学習者は、気分よく学習を進
めていくことができます。ところが、100 語全てを完了したところで、学習者は、最初の頃に覚えた
単語がほとんど定着していないことに気づきます。これが集中学習法というものです。
ムーンシュート・メソッドは、もう一方の、より学習効果の高い分散学習法を用いて開発されてい
ます。この学習法では、10 分間で 100 語全部を“かけ足”で流し（1 語 6 秒）、それを 100 分間
全 10 回繰り返します。この方法では、最初の数分間はあまり学習効果を感じることができません。
しかし研究によると、この方法で学習を進めていくと、覚えた単語数（量）とその定着度（質）の両
面において、高い効果を得られることがわかっています。

英語を学ぶことは重要でありながら、熟練するとなると大変です。ムーンシュート社では、子
どもたちの学習がより効果的で実用的なものになるように、最良のやり方に沿って開発したプ
ログラムを提供していきます。これまでお話ししたように、質と量共に高い学習効果を出せるよう、
オンライン学習プログラムと副教材は、分散学習法を取り入れて開発されました。
どうぞ、楽しんで学習して下さい。