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ksatoh 2010/09/02

健やか教室まとめ
関西リハビリテーション病院
佐藤健一

2005 2007年に登別記念病院で僕が中心となって実施していた,健やか教室についての
まとめです.
環境などにより実施不可な部分があると思いますが,参考にしていただけると幸いです.

<当日までの流れ>
3週間前:次回に向けての打ち合わせ(健やか教室終了後の反省会も兼ねて)
 テーマ決定,前回の反省と改善ポイント,宣伝方法の決定

<宣伝>
 開始2週前くらいに告知
  (コミュニティー誌,近所の郵便局・銀行・スーパーなどに張り紙をする)
  基本的に当日は受け付けず,予約の形式を取る
  毎回50名程度(夫婦も数組),基本的に女性が多い

<関わるスタッフ>
 医師1名,外来看護師2名,リハスタッフ5 6名,事務員3名

<会場>
 50人入れる部屋と体操ができるくらいのスペース

<タイムテーブル>
12時30分:受付開始
身体計測(身長,体重,体脂肪,血圧,脈拍,握力,片脚立位,落下棒テスト,転倒歴)
 →集計してファイルメーカーで管理,結果は印刷し終了時に配布

13時:講演会開始
 15分:健康に関する講演その1(大部分は医師から)
  5分:休憩(その間はリハスタッフによるストレッチ体操)
 15分:健康に関する講演その2(リハ,栄養科などから.その1に関連した内容)

会場移動+トイレタイム
 20分程度:リハスタッフによる健康体操.
 5分程度:計測結果の返却,次回の案内,次回の予約受付

14時頃:終了

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<医者の講演内容>
2005年 6月 7日 第 1回 「いきいき生活のすすめ」
2005年 8月 2日 第 3回 「のどが渇かなくても飲みましょう」
2005年 9月 6日 第 4回 「ぼけたかなと悩むその前に」
2005年10月 4日 第 5回 「インフルエンザに備えましょう」
2005年11月 1日 第 6回 「冬に備えて∼体脂肪を知りましょう」
2006年 1月10日 第 8回 「冬にできるひと工夫」
2006年 2月 7日 第 9回 「漏れる前に手を打ちましょう」
2006年 4月 4日 第11回 「ぼけたかなと悩むその前に Part2」
2006年 5月 2日 第12回 「おなかも心もすっきりと(便秘)」
2006年 7月 4日 第14回 「リハビリテーションってなに?」
2006年 8月 1日 第15回 「水を知って脱水を予防しましょう」
2006年 9月 5日 第16回 「体を鍛える運動も大切に」
2006年10月 3日 第17回 「油断するとインフルエンザにかかるかも」
2006年11月 7日 第18回 「栄養と体力をつけて健康生活」
2007年 1月 9日 第20回 「これってホント? 病気のあれこれ」
2007年 2月 6日 第21回 「ぼけたかなと悩むその前に Part3」
2007年 3月 6日 第22回 「元気に噛んで、飲み込んで(摂食, 嚥下)」

<テーマの決定>
・医師の視点ではなく地域住民が健康できるための知識の提供が第一
・話題になりそうなことを1ヶ月前に行う
  例:インフルエンザの話は10月→ワクチン接種とかからないための予防を話す
    脱水症→暑くなる前(北海道では8月に実施)
    冬の話→11月ころ
  外来で行っていることとリンクさせる(インフルエンザと予防接種など)
・テーマは多くないので,重要なことは内容を少し変えて毎年実施
  (例:脱水,インフルエンザ,認知症,運動)

<講演のポイント>
・スライドは使わない(口のみ)
・ハンドアウトを配布し,会場の反応を見てアドリブを含めて説明
・専門用語は使わない
・A42枚とし,自宅で貼ってもらえるように大きめの字にする

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<身体計測についてのポイント>
・毎回測定し,その変化を判りやすく提供する(グラフを活用)
・各種計測が順調に流れるように混んでいるところは別な場所の計測をしてもらうなど
  全体をマネージメントしていく役割が重要

ファイルメーカーでの管理画面

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実際に配布したハンドアウト

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2006.11.7 すこやか教室 講演資料

エネルギーと栄養を知って健康生活
登別記念病院 医師 佐藤健一

生きるのに必要なカロリーは?
・計算式
体に必要なエネルギー量=基礎代謝量 活動係数 ストレス係数
1)基礎代謝量の計算(日本人の簡易式)
女性:10.8 体重+620
男性:14.1 体重+620
2)活動係数:通常生活では「1.3」くらい.運動や重労働ではもっと増えます.
3)ストレス係数:通常生活では「1.0」

 ☆実際に計算してみましょう!!
  ・基礎代謝量    体重        基礎代謝量
女性:10.8       +620=        
男性:14.1       +620=        

・総必要エネルギー量    基礎代謝量  活動係数  ストレス係数 
       (kcal)=         1.3     1.0

その基礎代謝量ってなに? 食事誘導性体熱産生
10%
・「人間が生きていくために必要な最小のエネルギー」のことです
横になってじっとしていても行われている, 生活活動代謝
 呼吸や心臓の動き,体温を保つためなどに使われるエネルギー 20%
・消費するエネルギーの70%近くを占めています. 基礎代謝
  残りの20%:生活活動性代謝量(日常生活や運動で使われるエネルギー) 70%
     10%:食事誘導性体熱産生

エネルギーはどこで使われるの?
・半分近く(約40%)は筋肉で使われます.
5% その他
(元々筋肉は体重の60%程度を占めています) 18%
つまり... 脳・脊髄 41%
筋肉
全身の筋肉が多い
 →使われるエネルギー(基礎代謝量)が多くなります.
内蔵
全身の筋肉が少ない
 →使われるエネルギー(基礎代謝量)が少なくなります. 36%

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2006.11.7 すこやか教室 講演資料
どんな筋肉でもエネルギーは使われるの?
・確かに筋肉ではエネルギーは使われます.
白い筋肉(速筋) 赤い筋肉(遅筋)
・しかし,「白筋」よりも「赤筋」が多い方がよ
り基礎代謝量が増加します. 筋繊維 大きい 小さい

筋肉の収縮 素早く収縮 ゆっくり収縮

特徴 瞬発力に優れる 持久力に優れる
バランス力,支持力 長時間動く力

疲労度 疲れやすい 疲れにくい

ケガ しやすい しにくい

基礎代謝量はなぜ重要なの?
同じ体重でも筋肉量が多い(=体脂肪量が少ない)と基礎代謝量が増えます.

基礎代謝量が増えることでのメリットは
1.同じ運動でも使われるエネルギーは増えてきます.
2.同じ食事を食べても太りにくくなります.
3.寝ているときでもエネルギーが消費されます.

基礎代謝量は年齢では変化しないの?
1,550
・基礎代謝量は年齢とともに低下していきます. 1,500

その理由はやはり筋肉です. 1,350
男性
1,220
加齢とともに筋肉量が減っていく
女性
タンパク質の合成が低下する 1,210 1,170
 →そのため基礎代謝量が減少します. 1,110
1,010

・しかし,思春期ほどまでには回復しないものの 18~29 30~49 50~69 70~


 運動を続けることによって,基礎代謝量の低下を予防し
 エネルギーの燃えやすい(太りにくい)体を保つことは可能です. 

基礎代謝量の低下を調べる方法はないの?
・以下の項目の中で,当てはまるのはどれだけあるかチェックしてみましょう.
 当てはまる項目が多いほど基礎代謝が低いです.
特に7項目以上の方は要注意です.
1.体温が低い(35℃台) 6.二日酔いが抜けるのが遅くなってきた
2.冷え性である 7.肩こりや腰痛がある
3.食べる量が変わらないのに太りやすい 8.血圧が低い
4.寝ても体力が回復しにくい 9.あまり汗をかかない
5.普段、ほとんど体を動かさない 10.二の腕がたるんできた

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印刷して渡す測定結果の紙

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登別記念病院 すこやか教室
実施日 2005/09/0 ID 66 秦 武将 様 性別 男性

身長 168.4 cm 体重 74 kg ( 標準体重 62.4 kg ) 標準体重=身長(m)


2
22

BMI 26.1 評価 ( 肥満 )

体脂肪 31.8 評価 ( 重度肥満 )


体脂肪 体脂肪とBMIからみたタイプ
Aタイプ:食事が柱の肥満タイプ
B A Bタイプ:運動不足の隠れ肥満タイプ
男:20 Cタイプ:カロリー不足のやせ形タイプ
女:25 Dタイプ:体重計測をこまめに、堅太りタイプ
C E D Eタイプ:現状維持を目標に、理想的なタイプ
18.5 25 BMI アドバイス
BMI、体脂肪ともに高いです.食生活の改善と
あなたのタイプは? 運動を行い、肥満の改善に努めましょう
Aタイプ 食事が柱の肥満タイプ

血圧 146 / 90 mmHg コメント 血圧が高めでした.普段から血圧が高くないか


注意して下さい
脈拍 73 /回

転倒

体力測定(毎月)
平均
握力 右 41 kg 40 kg 握力右
5
握力 左 40.6 kg 40 kg 4

開眼片脚 3 秒 22 秒 3

2
参考値
落下棒 21 cm 25.3 cm 1

落下棒 握力左

ファンクショナル cm cm
リーチ
長座前屈 cm cm
体内時計 秒 秒 開眼片脚
最大1歩幅 cm ランク
10m歩行速度 秒 ランク

8/8

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