乾電池のチェック方法

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乾電池のチェック方法

図 1 のように、乾電池の中には電気等価的に「内部抵抗」が存在します。電池があるか
ないかというのはこの抵抗値が電気等価的に変化しているのです。この内部抵抗 Rb が低い
ほど新品電池であり、沢山の電流を流すことが出来ます。電池がなくなってくるに従い、
この抵抗値がどんどん大きくなっていきます。この抵抗値が大きいか小さいかを知れば、
この抵抗値がどんどん大きくなっていきます。
電池があるかないかが判断できます。さて、この抵抗値はどうしたら知ることが出来るで
しょうか。

図 1:電池の簡単な等価回路 負荷のない時の電圧測定

上図のように電池の両端の電圧を測定しても Rb の抵抗値の変化を知ることは出来ませ
ん。図 2 を見てください。

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図 2:負荷のある時の電圧測定

電池の両端に負荷抵抗 Ra を接続して電流を流してみます。内部抵抗が大きくなるほど電
圧 V2 が低くなっていきます。
「乾電池チェッカー」はこの原理を応用して製作されていま
す。新品電池ほど電圧の変化が少ないです。ちなみに、内部抵抗 Rb は次の計算式で算出で
きます。アルカリとマンガンでも内部抵抗は違ってきます。

Ra
V2 = * V 1 (V1 は規格値 単三の場合 V1=1.5V V2 は電池消耗用測定値)
Ra + Rb
より
Ra (V 1 − V2)
Rb = (電池消耗を知るための基準値)
V2

電池があるかないかを判定するときには、電池の両端に負荷抵抗 Ra を接続してから、電
圧 V2 を測定すれば良いことですが、この負荷抵抗には電流が流れるため、常時接続すると
電池がどんどん減ってしまいます。約5秒間で測定できるように準備に抵抗回路と電圧計
を用意します。

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電圧5V をかけたときの比較電圧値の抵抗は表 1 のようになります。

表 1:外部抵抗 Ra=10Ω
Ra=10Ω時の測定値
電圧測定値 1.5V~ 1.5V~ 1.45V~ 1.2V~ 1.1V 以下
V2 1.45V 1.45V 1.2V 1.1V
0Ω~ Base+ Base+R1 Base+R2 Base+R3
V2 出力用5V
36kΩ ~1.5kΩ ~2.0kΩ ~11kΩ 11kΩ以上
電圧抵抗
(Base) (R1) (R2) (R3)
無不可状態 優 良 可 不可
使用判定
緑 黄 橙 赤

コンパレータ(比較器)を使って Rb と比較する電圧を作る場合、判定電圧 1.1V 以下の部


分は計算では 11kΩの抵抗で良いはずですが、実際の回路では誤差や調整も考慮して 11k
Ω≒5.6kΩ+10kΩボリューム抵抗で構成したほうがいいでしょう。

回路です。

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これは理想の回路であり、電池チェック用の負荷抵抗には電流が流れるため、常時接続
すると電池がどんどん減ってしまいます。そこで必要なスイッチ回路が必要ですし、コン
パレータを動作させるための5V 電源を電池または AC100V からレギュレータで作らねば
ならず、大変です。実際にはもっと簡単な電池チェッカーを用意しました。

回路図です。

CHECK_VDD と CHECK_GND に電圧計で電圧を測り、以下の電圧値の範囲で電池寿命を


知ることができます。

表 2:単純電池チェッカーの使用判定基準
電圧測定値 1.5V~ 1.45V~ 1.2V~ 1.1V 以下
V2 1.45V 1.2V 1.1V
充分 使用可 危険 使用不可
使用判定
緑 黄 橙 赤

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では実際に電池を測定します。

図 3:直接 単三電池を測定

1.56V でした。

図 4:抵抗 10Ω
10Ωを介して単三電池を測定

1.46V でした。つまり、表2よりこの電池は充分な電池といえます。
使用途中の電池を測定することができなかったので、ちゃんと動いているかはわかりませ
ん。
参照:http://www1.rcn.ne.jp/~nm-matsui/denchi_n1.htm

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