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阿部馨督

TOCによる製造ラインの効率化

DBR(Drum Buffer Rope)の説明

http://www.cazoo.jp/blog/
Cazper fembem@hotmail.com
阿部馨督

製造ラインの様子

Cite from : http://pc.watch.impress.co.jp/img/pcw/docs/170/256/html/628.jpg.html


阿部馨督

一般的な工程ラインとは

工程1 工程2 工程3 工程4 工程5 検査

製造ライン
阿部馨督

各工程のタクトタイム
工程1 工程2 工程3 工程4 工程5 検査

製造ライン

工程1
工程 工程2
工程 工程3
工程 工程4
工程 工程5
工程 検査
平均処理 2 4 3 4 10 3
時間(秒)

ボトルネック
簡単に思いつくのは?? 阿部馨督

製造ラインのバランスを取る
工程1 工程2 工程3 工程4 工程5 検査

製造ライン

工程1
工程 工程2
工程 工程3
工程 工程4
工程 工程5
工程 検査
平均処理 2 4 3 4 10 3
時間(秒)
作業人数 1 1 1 1 2 1
工程当り 2 4 3 4 5 3
平均処理
時間(秒)

これで、1個あたりの製造トータル・タイムは23秒
スループットは5秒/1個 になるはず!
阿部馨督

しかし、そもそも

完全なるバランスをとるのは
現実的にムリです

各工程の平均作業時間はばらつくもの・・・
阿部馨督

だから、ある程度、
ラインのバランスが取れたら・・・
阿部馨督

平均値を元に生産計画を立てる
工程1
工程 工程2
工程 工程3
工程 工程4
工程 工程5
工程 検査
平均処理 2 4 3 4 10 3
時間(秒)
作業人数 1 1 1 1 2 1
工程当り 2 4 3 4 5 3
平均処理
時間(秒)

ラインのスループットは5秒/1個になるはずなのだから
(例1) 5秒に1個をラインに投入すれば効率良く、仕掛りも増えずに製造できる。

(例2) 客先要求は14400個/日なのだから、6秒に1個をラインに投入すれば
要求個数を無駄なく効率よく製造できる。

本当にそうでしょうか????
阿部馨督

そんな訳は無い
阿部馨督

何故?
阿部馨督

各工程での作業時間にはバラつきは付き物だから

各工程内のルーチンワークでも、作業者の調子等によって
早く終わることもあれば遅く終わることもある
阿部馨督

工程内の作業時間のバラつきが
平均処理時間を元にした生産計画を狂わせる
阿部馨督

だから、製造ラインのバランスを取ろうとしても

製造ラインの最大限の力(スループット)を出すことができない

一方で、最大限のスループットを狙うとライン上の仕掛り品が増える
阿部馨督

もう一度ラインを確認してみます
工程1 工程2 工程3 工程4 工程5 検査

製造ライン

工程1
工程 工程2
工程 工程3
工程 工程4
工程 工程5
工程 検査
平均処理 2 4 3 4 10 3
時間(秒)
作業人数 1 1 1 1 2 1
工程当り 2 4 3 4 5 3
平均処理
時間(秒)
1分当りの 30 15 20 15 12 20
平均処理
個数
阿部馨督

各工程の作業バラつきを考慮してみます
工程1
工程 工程2
工程 工程3
工程 工程4
工程 工程5
工程 検査
実作業時 1~3 2~6 2~4 2~6 4~6 2~4
間(秒/個)
工程当り 2 4 3 4 5 3
平均処理
時間(秒)
1分当りの 30 15 20 15 12 20
平均処理
個数

この条件で簡単な実験してみます!
阿部馨督

アンダーバー
数値実験のサイトは・・・
http://www.cazoo.jp/blogcont/20110531/toc_dbr_experiment.htm

動かない方はJavaをインストールして下さい。
阿部馨督

実験条件は?
工程1
工程 工程2
工程 工程3
工程 工程4
工程 工程5
工程 検査
実作業時 1~3 2~6 2~4 2~6 4~6 2~4
間(秒/個)
工程当り 2 4 3 4 5 3
平均処理
時間(秒)
1分当りの 30 15 20 15 12 20
平均処理
個数

ボトルネック
稼動開始時のWIPは0個
ラインの稼働時間は5000秒
阿部馨督

実験1:そのままラインを稼働させると
工程1 工程2 工程3 工程4 工程5 検査

次から次に
投入 製造ライン

総生産数 977個
スループット 11.72 個/min.
工程内仕掛り 1374 個
稼働率 86.78 %

仕掛りが多すぎる!
阿部馨督
現実的には、ライン内の仕掛りが増えてくると・・・

ライン上の人間は勝手に休んで、
仕掛りが溢れないように調整していたりする

つまり、現実的な稼働率は低い
阿部馨督
ただし、工場全体の製造ライン全体の話となると・・・

各工程間の仕掛品数が見えにくくなる

結果として・・・

各工程ではどんどん仕掛品を作っていく
阿部馨督

実験2:投入スピードを固定する
工程1 工程2 工程3 工程4 工程5 検査

6秒に1個投入
製造ライン

総生産数 831 個
スループット 9.97 個/min.
工程内仕掛り 0個
稼働率 58.56 %

仕掛りは減ったが・・・スループットも低い
阿部馨督

客先からの要求数はこなせるかもしれない

しかし!

ラインの持つ本来の力(スループット)を
発揮していない

機会損失だ!
阿部馨督

実験3:投入スピードをボトルネックの
アウトプットに同期させる(DBR)
工程1 工程2 工程3 工程4 工程5 検査

製造ライン
工程5のアウトプット数と
工程1へのインプット数を同期させる

総生産数 987 個
スループット 11.84 個/min.
工程内仕掛り 5個
稼働率 69.49 %

仕掛り品も少なく、スループットも高い
阿部馨督
以上の実験で注意しないといけないのは・・・

ラインの稼働率が違くても・・・

作業員に支払う給料(固定費)は同じ!

つまり、稼働率は工場の生産性の評価にはならない
阿部馨督

ということは・・・

「スループットが高く」 かつ 「仕掛り品数が少ない」方法が
一番工場が儲かる!
阿部馨督
その方法こそが、

ドラム・バッファー・ロープ(DBR)
Drum

Rope
Buffer

Bottleneck
阿部馨督

ここまでで

ボトルネックのアウトプット と 工程へのインプットを
同期させると良いことはわかった
阿部馨督

では、どのようにして

DBRを利用して
工場の生産性をあげていくの?
阿部馨督

TOCにおけるDBRでは

ボトルネック工程を
徹底的に活用する
阿部馨督

徹底的に活用させるとは?

ボトルネック工程の前に最低限の仕掛り
をおいて稼働率を100%にする

ボトルネック工程を強化する
阿部馨督

ボトルネック工程を強化するとは?

人員の増強等をして
ボトルネック工程のスループットを上げる
阿部馨督

強化していくと・・・
阿部馨督

ボトルネックが他の工程に移動
阿部馨督

ボトル ボトル
ネックの ネックの
発見 強化

ボトル
ネック工
程が移動
以上のサイクルを繰り返すことで全体を強化していく
阿部馨督

つまり、

DBR(ドラム・バッファー・ロープ)を使えば
DBR
工程の全体最適ができる!
阿部馨督

でも、まだ問題があります
阿部馨督

何か?
阿部馨督

ここでは、大きな工場を考えましょう
阿部馨督
各工程には、
大型機械が点在

引用元: http://www.itoh-seibu.co.jp/ 株式会社イトーセーブ


阿部馨督

ボトルネックが大型機械の場合には??
阿部馨督

強化しようにも・・・

お金も掛かるし

スペースも必要
阿部馨督

それならば

ボトルネック工程はムリに動かさない
阿部馨督

ボトルネック工程における作業の効率化に力を注ぐ!

ムリ・ムダ・ムラの排除
阿部馨督

すると・・・

安定的なスループットを実現できる
まとめ
DBRを活用する上では

制約条件を発見

ムリ・ムダ・ムラを
制約条件を徹底活用 排除する

制約条件以外を制約条件に従わせる

制約条件を強化する

惰性に注意しながら繰り返す

ボトルネック以外の工程の改善に力を注ぐのはやめましょう

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