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はじめに

• 継続性、近接性、包括性、協調性、文脈性の
5つ(ACCCC)を意識しながら

□患者中心の医療
□家族志向型のケア
□地域包括プライマリケア
□健康問題の心理・社会的アプローチ
□共感できる人間関係の維持・強化

プライマリケア はじめに
かかりやすい • しかしながら、現場は一筋縄に行かないこと
が少なくありません!
何でも診てくれる 背景を考慮する
• それは何故か?
• 現場はそもそも、ドロドロしているもの?
プライマリケア医
• 家庭医療が重要視しているのは、単に「症状
チーム医療 →診断→治療」ではないから ???

ずっと診てくれる

患者中心の医療の方法
Patient-centered clinical method
(1)疾患と病いの両方の経験を探る (2)地域・家族を含め全人的に理解する
1.疾患と病いの経験両方を探る
手がかり、きっかけ
病い
疾患 • 例えば、肺炎や虫垂炎、糖尿病など様々な疾
疾患
病歴
解釈
人間 患がありますが
期待 病い
診察
検査
感情 • 同じ疾患であっても「その人」がその疾患に
影響
鑑別診断 患者の病い体験を
Proximal context よって体験することはさまざま
理解する Distal context

(3)共通の理解基盤
を見出す • 大切なのは「か・き・か・え」
(4)診療に予防、
健康増進を取り
問題・ゴール・役割 (6)実際に実行可 • ???
入れる 相互意思決定 能であるか考慮
する
(5)患者-医師関係を強化する
Stewart M, Brown JB, Weston WW, McWhinney IR, McWilliam CL, Freeman TR. 2003

1
1.疾患と病いの経験両方を探る 1.疾患と病いの経験両方を探る
例)60歳の男性Aさんは5日前からの咳、発熱
日前からの咳、発熱 例)60歳の男性Aさんは肺炎にかかり入院する
があり受診、肺炎と診断
肺炎と診断された.
肺炎と診断 こととなった.
基礎疾患は特になく、呼吸状態も特に問題は
基礎疾患は特になく 呼吸状態も特に問題は Aさんは零細企業の会社重役だが、不景気の
なかった.
なかった ため倒産寸前の会社の切り盛りをしていた.
尿中の肺炎球菌抗原が陽性であり、起炎菌
起炎菌 今月の決算まではまさに会社の将来がか
は肺炎球菌と考えられた.ペニシリン(
は肺炎球菌 ペニシリン(PIPC)
ペニシリン( ) かっており、どうしても入院することはできな
どうしても入院することはできな
による点滴治療を行い、2週間で軽快退院と
による点滴治療 かった. きっと、疲れがたまっていたので、
なった. そのために体調を崩したと考えていたが、何
そのために体調を崩した 何
とか「薬」で治療ができないものかと考えてい
た.

1.疾患と病いの経験両方を探る 1.疾患と病いの経験両方を探る
• Aさんの肺炎
• 肺炎球菌性肺炎、呼吸状態は安定
感情:どんな気持ちか、何をどのように恐れているのか
• 治療はペニシリン
影響:問題が日常生活、家族、仕事、人生に与える影響
解釈:心身に起こる変化について患者自身の解釈
• 連日、疲れが溜まっていた
期待:医療者や家族、周囲に何を期待するか
• 会社重役で、会社は倒産寸前で大変な状況
• 入院治療はできないと考えている

1.疾患と病いの経験両方を探る 1.疾患と病いの経験両方を探る
手がかり、きっかけ • 患者さんや家族がどのように「かきかえ」を感
じているか?
疾患 病い • その点を押さえることで、患者さんや家族へ
病歴 解釈 の理解が進み、その人の関心ごとにうまく
診察 期待 合ったよりよい医療を提供することができる
検査 感情 かもしれない.
影響 • カンファレンスではこの点を探ることが重要.
患者の病い体験を
鑑別診断 理解する

2
患者中心の医療の方法
1.疾患と病いの経験両方を探る Patient-centered clinical method
(1)疾患と病いの両方の経験を探る (2)地域・家族を含め全人的に理解する
手がかり、きっかけ
• 「何でこの患者さん、退院しないんやろ~」 疾患 病い
疾患
解釈
• 「この患者さん、痛み止めばっかりほしいほし 病歴
期待
人間
診察 病い
いっていうけど、痛み止めそんなに飲んだら 検査
感情
影響
あかんと思うわ」 鑑別診断 患者の病い体験を
Proximal context
理解する Distal context
• 「ここの家族、ぜんぜん足運ばんなぁ、患者
さん、ほっちっちや」 (3)共通の理解基盤
を見出す
(4)診療に予防、 問題・ゴール・役割 (6)実際に実行可
健康増進を取り
入れる 相互意思決定 能であるか考慮
する
(5)患者-医師関係を強化する
Stewart M, Brown JB, Weston WW, McWhinney IR, McWilliam CL, Freeman TR. 2003

2.地域・家族を全人的に理解する 2.地域・家族を全人的に理解する
• 対象となる人の健康問題を
– その人自身
– その人の家族
疾患 人間
– その人が住む地域
– その人が属する社会、環境 病い
に渡ってかかり合う様々な要因について考える. Proximal context

Distal context

400倍・40倍・4倍のレンズ 2.地域・家族を全人的に理解する
虚弱高齢者
肺炎 認知症 • キーワードは「コンテクスト」 疾患 人間
膝関節症 地域、家族、文化 病い
易転倒性 Proximal context

• 近位コンテクスト Distal context


– 家族、家計、教育、社会的支援など
• 遠位コンテクスト
– コミュニティ、文化、経済、ヘルスケアシステム、
社会・歴史、地理、メディア、環境
×40
×400
×4
*それぞれの項目が健康問題に関連していること
を示す多くの研究が出されている.
揖斐郡北西部地域医療センター 一部改編

3
患者中心の医療の方法
Patient-centered clinical method 3.共通の理解基盤を見出す
(1)疾患と病いの両方の経験を探る (2)地域・家族を含め全人的に理解する
手がかり、きっかけ
病い
疾患 • 臨床上の出会いは、何が重要であるか、何
疾患
病歴
解釈
人間 がなされるべきかを医師と患者が決めるため
期待
診察
感情
病い に交渉する過程である.
検査
影響
Proximal context
鑑別診断 患者の病い体験を
理解する Distal context
• 医療者が「よりよい方法を提示する」のみでも
(3)共通の理解基盤
を見出す
なく
(4)診療に予防、
健康増進を取り
問題・ゴール・役割 (6)実際に実行可 • 「患者さんが言うとおり、できるだけ希望を聞
能であるか考慮
入れる 相互意思決定
する く」でもない
(5)患者-医師関係を強化する
Stewart M, Brown JB, Weston WW, McWhinney IR, McWilliam CL, Freeman TR. 2003

患者中心の医療の方法
3.共通の理解基盤を見出す Patient-centered clinical method
(1)疾患と病いの両方の経験を探る (2)地域・家族を含め全人的に理解する
手がかり、きっかけ
ポイントは 疾患 病い
疾患
解釈
①問題を定義する 病歴
期待
人間
診察 病い
②治療の目標を定める 検査
感情
影響
Proximal context
③役割を決める 鑑別診断 患者の病い体験を
理解する Distal context

(3)共通の理解基盤
を見出す
その上で相互意志決定を行う. (4)診療に予防、 問題・ゴール・役割 (6)実際に実行可
健康増進を取り
入れる 相互意思決定 能であるか考慮
する
(5)患者-医師関係を強化する
Stewart M, Brown JB, Weston WW, McWhinney IR, McWilliam CL, Freeman TR. 2003

その他 私たちは何を見ているか
4.予防・健康増進を取り入れる
地球 家族 システム:系 分子 原子
5.患者-医師関係を強化する
6.現実的になる
国家 地域社会 ヒト 臓器 細胞

専門医の範疇

家庭医の範疇

4
臓器別専門医のケア・モデル 家庭医療のケア・モデル
父:胃癌ターミナルケア
患者A
患者B 患者F 小学校入学 インフルエンザ 肥満・高血圧
患者/家族

特定の疾患
結婚、独立 胃潰瘍にて入院
患者C 患者D 小児喘息
患者E
患者B 妻の妊娠、出産、産後うつ

疾患と患者 患者・家族とライフイベント

2種類の医師のあり方
専門分化 • 診療所というセッティング
専門医 開業医
• 総合的な診療
家庭医 • ジェネラリスト
総合
診療医 プライマリケア医 といった役割、ニーズがあります!
幅広さ
大学/大病院 診療所

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