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漢文編  唐詩

ラジオ学習メモ

唐詩   峨眉山月歌
(二)
講師 【語句の意味】
  
が び さん
渡辺恭子 ・峨眉山 …… 李白の故郷にある山。月の名所。
はんりん
・半輪……… 半円の月。
かげ
・影………… 月影。月の光。
へいきょうこう
■学習のねらい■ ・平 羌 江……峨眉山の麓を流れる川の名。
 
せいけい
「唐詩」の二回目。「峨眉山月歌」を学習する。この詩は、 ・清渓……… 船着き場の名前。

− 125 −
さんきょう
唐の時代の大詩人「李白」の作品。語句の意味を考えたり、 ・三 峡 …… 三つの峡谷。川下りの難所。
ゆ しゅう
書かれた背景を学んだりすることで、作品の理解を深めよ ・渝 州 …… 地名。清渓から四〇〇キロ下流にある。
う。また、「唐詩(近体詩)のきまり」についても学ぶ。
 学習のポイント2 
 作者「李白」と「峨眉山月歌」の
学習のポイント1
 
漢文編

 「峨眉山月歌」の内容を理解する    作られた背景について
李 白 は 若 い こ ろ か ら 故 郷 に あ る「 峨 眉 山 」 に 親 し み、 こ の 李白の魅力は、常識の枠にとらわれない、自由奔放さだと言

高校講座・学習メモ
山を愛していました。「峨眉山月歌」は、二十四~六歳ごろに、 われています。いわゆる天才肌の詩人なのです。そのうえ、大
国語総合
住み慣れた故郷を離れて旅に出たときに作ったものだとだとい の酒好きで、それだけに役人としてはうまくいかず、放浪続き
第 46 回
われています。きっと李白は、見聞を広め、知識を増やし、人 の人生を送りました。この詩は、青年李白が、故郷の峨眉山に
生を切り開こうと、希望に燃えていたことでしょう。このよう かかる名月に心を残しつつも、希望と不安を胸に長江を下る船
な青年李白の気持ちを思いながら、詩を味わっていきましょう。 旅を詠じたものです。次の二点について考えましょう。 
①「君」とは、何を指しているのか。
ラジオ学習メモ

直接的には、
「月」を指します。しかし、
「月」は、美人  唐詩(二) 

峨眉山月歌
び ノ
の喩えでもありますので、故郷に残してきた女友達を指す
り はく
とも考えられます。 李白
②五つの地名があるが、李白はどの順序で通過したか。
峨 眉 山 月

半 輪 秋
                    
峨眉山 → 平羌江 → 清渓 → 渝州 → 三峡。

影 入
  ハ     リテ   へ い    き やう    か う     ニ
平 羌 江 水
     ル
二十八文字中、十二文字が地名です。しかし、それが情 二


景を表現したり、雰囲気を醸し出したりするのに大きな役
夜 発
        シテ          ヲ     カフ   さ ん   け
清 渓 向 三 峡
ふニ





割を果たしています。天才李白の詩のうまさが感じられる
思 君
  ヘドモ   ヲ           エ     ル    ゆ    しうニ
作品です。 不

レ 見 下 二
渝 州 一

たう し せん
  『唐詩選』
       
学習のポイント3 
 

− 126 −
 「唐詩(近体詩)のきまり」について
「唐詩」には、「近体詩」と「古体詩」とがあります。漢詩が
口語訳
最も盛んになった唐代には、より良い詩を作るために「漢詩作
①峨眉山のあたりに、秋の半円の月がでて、
成のきまり」が整備されました。そのきまりに従って作られた ②その月の光が、平羌江の水面に映り、映っ
漢文編

た月は、(川の水とともに)流れている。
詩を「近体詩」と呼びます。ここでは、「峨眉山月歌」の「形式」
③ 夜、( 私 は ) 清 渓 を 出 発 し て( 舟 で は る か
と「韻」について学習しましょう。 下流の)三峡に向かっていく。
詩の形式 ……「七言絶句」 ④(やがて山がせまり、月はいつしかかくれ)

あの月を見たいと思ったが、ついに見るこ

高校講座・学習メモ
韻…………… 「秋・流・州」
。「七言詩」では「一句目末」
+「偶
国語総合

とができず、(心を残したまま)渝州に下っ
数句末」に韻を踏むきまりになっています。「韻 ていく。
第 46 回
おういん
を踏む」ことを「押韻」ともいいます。

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