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Japan　Society Dental
of　Dental
　of 　History
History

　 　 　 　 　 　 　 　 　 凵本歯 科 医 史学 会 々 誌 ・第 29巻
一
　 　 　 　 　 　 　 　 　 第 2 サ通 巻 Ill 号 ・平 成 23年91亅

3） 医 歯 一

元 論再燃
　　「歯科 医学 専 門学 校 聯合 同 窓 報 国 大 会 経 過 報 告 」（昭和 17 年 ）
　　 よ り
＊ 且

＊ 2
日本大学 松戸 歯学部 加 來 洋 子 山 口 秀 紀 　 渋 谷 　 鉱 　 牧 村 正 治

要旨 17 隼 （1942） の 国民 医 療 法 の 成 立 前後 に 歯 科 界 で 再 燃 し た 医 歯 一元 論 に つ い て ，「歯 科 医
：昭和

学 専 門 学 校 聯 合 同 窓 報 国大 会 経 過 報 告 」 の 小 冊 子 を 参 考 に 考 察 し た ．
　 医 歯 一元 論 を め ざ す 目 的 で 当 時 の 10 校 で ，歯 科 医 学 専 門 学 校 聯 合 同窓 会 が 結 成 さ れ た ， し か し，
東京歯科 医 学専門学校 1 校 が 除外 され てい た こ と か ら ，紛糾 し て い た こ とが 覗 え た ．表 面 上 は ，医 歯
一元 論 ・二 元 論 の 論 争 に み う け る が ，本質 は ち が う と こ ろ に 存在 して い た こ と が わ か る ．
キ ー ワ ーズ ： 国 民 医 療 法 医 歯 一元 論 ・二 元 論 ，連 合 同 窓 報 国 大 会
，

　The 　monism 　of 　 medical dental science ，

and
　 　 　a 　concept
　 　revived 　in
　dentistry
　around the 　time 　of　the
　

implementatiQn of 　 　 NationalHealthlnsurance in 1942，is discussed by examining

　 　 　 　 　 　 　 　 　 a 　 publication
騒
entitled Dental　College　National　Atumnj 　Meeting　Progress　Repo   ．
　To 　achieve 　unity 　or 　separation 　ten　dental
dental　scien   ， 　college 　in
　of 　medical 　existence 　at
　and 　

that　time　fQrmed 　the 　Dentai 　College　Natienal

　Alum 卩 i
　Association 　One 　cellege
． ，　namely 　the ↑okyo

Dental　 College
　 did
　 net ，
　join
，suggesting
　 　the 　 lack　of 　universal 　accord 　While　this
． 　appears 　on 　the
surface 　to　represent between the a 　contest
　 　 　 　unity or　separation 　of　medical
　 　and 　 dental　science ，itis
　 　

that the deeper issue is something

possible 　 　 　 　 　 　 　 else ．
Key 　words ： Insurance
Nationa田
，　Unity ealth
　or 　separation 　 　of 　medical 　and 　 denta］
　science 　National
，
Alumni　Meeting 　Progress
　Report

療 の 現 状 に 鑑 み 現 行 医 薬制 度改 善 の 方 策如 何 」 を
1． は じ め に
試 問 し，昭 和 15年 （1940）に は そ の 答 申 が 得 られ ，
　筆 者 ら は ，昭 和 16 年 （1941 ）に 今 田 見 信 が 記 し 医 療 団 に 関 す る 規 定 を 追 加 し た 「国 民 医 療法」 の
2）
た 「日 本 歯 科 学 性 格 研 究 資 料 類 纂 」 （
歯 科 公 報 ）か 要 綱 が で きる ．
ら， 医 歯一元 論 ・二
1〕
元 論に つ い て 報告 した ．ほ 　 こ の 「国 民 医 療 法」 が 議 会 提 案され る前に， 日

ぼ ， 同時 期 に ，戦 時 下 に 国民 体 力 の 向上 の 強 化 か 本 歯 科 医 師 会 が 法 案 に 対 して の 意 見 徴 収 を求 め ら
ら 国民 医療 の 問題 が 論議 さ れ 。医療 制 度 の 抜 本 的 れて い る．そ の 際 の 医 療法 に 対 す る 要 望 事 項 と し
改 革 の た め ，昭 和 13 年 （1938） に 「医 薬 制 度 調 査 て ，「死 亡 診 断 書 作 成 に 関 して の 法 文 化 1，「歯 科 医
会」 が 設 置 され た．そ の 後， 厚生 大 臣が 「国 民 医 師 の 医 学 専 門 学校 へ の 編 入 」「歯 科 医 学 専 門 学校
卒 業 後 の 臨床修 練 の 不 必 要 」「歯 科 医 師 開 業時 の
判
Revival　of 　the 　monism 　of 　nledica ［and 　 dental　science 許 可 制 に お け る 世 襲診療所 の 事 情 酌 量 」 な ど の 項
“ 2】
　 From Dental　 College
　 National
　 Alumni　 Meeting 目が 挙 げ られ て い た ， ま た ， 「国 民 医 療 法 」 （昭
　 Progress
　Repor ビ （
　 1942） 和 17 年 成 立 ）の 提 案 理 由 の 一 つ に ，現 行 の 医 師 法
Nihon 　University　School　of 　Dentistry　at 　Matsudo
＊ ヨ

と 歯 科 医 師 法 を 統 合 規 定 し、内 容 を改 正 し． さ ら
　 Yohko　 Kaku ，　 Ilidenori
　 Yamaguchi， 　 Koh 　 Shibutani

　 and 　
Masaharu Makimura　 に 日 本医療 団 を 設 立 す る こ と に あっ た こ とか ら，

一 152 一

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告

’　　　　　 脈

べ 講 譲

図 1　 「歯 科 医 学 専 門 学 校 聯 合 同 窓 報 国 図 2　「歯 科 医 学 専 門 学 校 聯 合 同 窓 報 国
　　 大会経過報 告」表紙 大会経過報告 」奥付

一 元 論 ・．二元 論 の 再 燃 が 生 じた．
医歯 　 「緒 言 ⊥ 「都 下 五 校 同 窓 有 志 聯 合 懇 談 会 」 （
決議
　今 回 ， そ れ ら を 裏付 け る 資料 の ひ とつ 「歯科医 文 ），「歯科医学専 門 学校 々 長 懇談会」， 「各 同 窓 会
昭 和 17
学 専 門 学校 聯 合 同 窓 報 国 大 会 経 過 報 告」 （ 連 絡 委 員 ）， 「報 国 大 会 準 備 」 （
連絡委員」 （ 決議文
年 ） を参 考 資 料 と し， 当 時 の 医 歯 一 元 論 ・二 元 論 起 草 委 員 ）， 「日 本 歯 科 医 師 会 の 煽 動 」 「折 衝 前 夕 」
につ い て ふ りか え っ て み た 、 「当 日朝 の 準 備 」（
報 国 大 会 次 第 ） （感 謝 文 ） （
宣言）
決 議），「（追 加） 大 会後 の 経 過 報告 ⊥
（
　 　　　　　　 　 n ．資 　料
　 報 国大 会 開催 まで の 経 過 を 追 い なが ら，内 容 の
　 本 資料 は 13x18 　cm ，29 ペ ー ジ か らな
る （図 1）． 紹 介 と と も に 考 証 を カllえ る ．
奥付 か ら．昭 利 17 年 6 月 22 日 印 刷 ．同 年 6 月 25
日の 発行で ，発 行 兼 編 纂 人 と して 日 本歯 科 医 学 専 1 ， 医 ・歯 一 元 融 合 化 提 案 に 反 対 の 東 京 歯科 医学
門 学校 内 歯科医学専 門 学校 同 窓 聯合 会 　 原 　房吉 専 門 学校
の 氏 名が み られる 〔図 2 ）． 　在京 の 東 京 高 等 歯 科 医 学 専 門 学 校 ， 日本 大 学 歯

　表紙 裏 に は 「歯科 医 学 專 門 学 校 聯 合 同窓報 国大 科お よ び 凵 本 歯 科 医 学専 門 学 校 の 3 校 と 東 京歯科

会 参 加 団 体 代 表 氏 名 」 と し て 五 卜音 順 に 全 国 10 医学 専門学 校 1 校 との 対 立 軸 が 明瞭 で ある こ と

歯科医 学 専 門 学校 の 校 友 会 お よ び 同 窓 会 会 長 の 連 が 丁冒頭 の 記 述 か ら 理 解 で き る ． また ，表 1 に 本
名 記 載 が あ た （図 3＞． 本 小 冊 子 は ， 昭 和 16 年
っ 紙 の 記 載 内 容 か ら ， 歯科 医 学 専 門 学校聯 合 同 窓 会
1941） 11 月 か ら 昭 和
（ 17 年 5 月 17 目 の 「歯 科 医 の 誕 生 か ら報 国 大 会 開 催 ま で の 時 間経 過 を示 し
学 厚門 学校 連 合 同 窓 報 国 大 会 」 開 催 ま で の 経緯 を た，

中心 に ，特 に 東 京歯 科 医学 専 門学 校 同 窓会 との 連 　緒言 （
図 3） よ り　 ・
部 抜 粋 して 記 載 す る．
’ ・
絡 協 議状 況 に つ い て 記 載 さ れ た もの で あ る ． 　 「昭 和 1
六 年十 月二 卜六 ， 七 両 日 に 大 政 翼 賛
会 主 催医 界新 体 制 協議会 に 於 い て ，歯科 側 議 員 で
　 　　　　　 皿 、 内容 お よ び 考証
あ ら れ た 東 京高等 歯 科 医 学 校 長 島 峰 徹 氏 ， 日 本 大

　 目次 等 は な い が ．そ の 見 出 し か ら列 記 す る と以 学歯科 々 長 佐 藤 運 雄 氏 ， 日本 歯 科 医 学 専 門 学 校 長
下 の よ うに な る ． 加 藤 清 治 氏 ，埼 玉 の 蓮 見宏 氏 ，東 京 の 今 田見 信 氏

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表 1 歯科 医 学 専 門 学校 聯 合 同 窓 報 国 大 会 開 催 ま で の 時 間 経 過

昭 和 16 年 ll 月 26 ，27 日　 「大 政 翼 賛 会 主 催 　 医 界 新 体 制 協 議 会 」
　 　 　 　 島峰 　徹 ，佐 藤 運 雄 ， 加藤 清 治 ，蓮 見 　 宏 ，今 田 見 信
　 　 　 医師 歯 科 医 師 の 一元化
　 　 　 東 京歯科 医 学 専 門学 校
　　　　 血 脇 守 之 助 ， 奥村 鶴 吉 　 ：　 反対 意 見

昭 和 17 年 　2 月 13 口 国 民 医 療 法 　 成 立 　 　 　医 師 会 長 ，歯 科 医 師 会長 の 官選
昭和 17 年 3 月 12 日 都 下 五 校 同 窓 右 志 聯 合 懇 談会
東 洋 女 子 ， 日 本 女子 ， 日本 歯 科 ， 日 大 歯 科 ，東 京 高 等 歯 科 ）
　（
決議文　採 択
3 月 29 日 「歯 科 医 学 専 門 学 校 々 長 懇 談 会」
一
　 元 化 ・二 元 化 の 意 見 交換 　東 歯 　 西 村 豊 治 　 欠 席
　 都下 五 校 に 大 阪 歯 科 ，九 州 歯 科 ，京 城 歯 科 が 賛 意

　その後 京 北 歯 科 ，広 島 高 等 女 子 歯 科 が 賛 同
4 月 26 日 各同窓連絡委員 の 決定
　 ヒ記 の 10 校 か ら選 出 　 （
東 京 歯 科 医 専 は 含 まれ ず ）
5月
「歯 科 医 学 専 門 学 校 同 窓 聯 合 会」 報 国 大 会 開 催 目 （ 17 日） の 決 定
5HlO 日 報 国 大 会 準備 委 員 会 の 開 催 　約 70 名 の 参加者
5 月 15 日 連 絡 委 員 ，起 草 委 員 会 開 催
5 月 16 日午 前 報 国 大 会 代 表 者 　 加 藤 清 治 　宛 （内容 証 明 書書 留 郵便 ）東 歯 医 専 　 血 脇 守 之 助
より
5 月 16 ヒ1午 後 16ri 中 に 談 合 解 決 す る よ うに ）
西神 田 署長 に よ る 仲 介 （
　 加 藤清 治 の 懇 談 申 し込 み を 血 脇 守 之 助 が 断 る

5 月 17 日 午 後 1 時 前 ，東 京 歯 科 医 専 か ら抗 議 （宣 言 決 議 を 中 止 せ よ ）
午 後 1 時 半 ，大 会 挙 行 　 出 席 者 1662 名 （
東 歯 同 窓 会 個 人 的参 加 者 140余 名 ）

一 元 化或
等か ら ， 医 師 歯科 医 師 の い は 歯 科専 門 科 せ ら る る 事 に な り， 医 師， 歯科 医 師 の 国 家的使命

医 に 関す る 議 題 が提 案 せ ら れ ま し た ．此 等 の 医 ・ が 明 徴 され ， 同 時 に 医 師 会 も歯 科 医 師会 も共 に 改
歯 一 元 融 合化提 案 に対 して 東京 歯科 医 学専 門 学 組 せ ら れ て 会 長 は 官 選 さ れ る と云 う事 が 決 定 的 に
校 々 長血 脇 守 之 助 氏 同席 の 下 で ， 同校 教 授 奥 村 鶴 な り，凡 て の 点 に於 て 過去 の 歯 科 医 師 会 と は ，根
占氏 及 び 正 木 正 氏 の 両 名は 反 対意 見 を 発 表せ られ 本 的 に 体 制 の 改 ま っ た もの に な る 事 が 判 っ て 参
ま した， 又其 の 直 後 日本 歯 科 評 論 誌 上 に 於 い て奥 り， 又 逐 次 実 施 細 則 が 勅 令 を 以 て 発 令 せ ら る る 事
村 鶴吉氏 は 重 ね て 前 同 様 の 意 見 を 公 表 せ られま し を 知 りま し た ． 抑 も今 回 の 国 民 医 療 法 中 に は 医
た． 師，歯 科 医 師 の 二 本立 て と して 包 含せ られ て 居る
　 右 の 医 界 新体制協議 会 が 動機 と な て 現 在 日 本 っ の で あ り ま すが ，今 日 の 歯 科 医 学 の 内容 に 於 い て

の 歯科 界 に 医 ・歯 を・
一・元 下 に 置 くべ し とす る 論 と． 既 に 融 合 化 が成 っ て 居 り ます よ う に ． 此 の 制 度 上
・
医 歯 を 二 元 下 に 置 くべ し とす る 論 の 対 立 が 判 っ の 二 本立 て は段 々 と 本 質的 に 融 合 し て 一元 化 され
き り と現 れ る に 至 っ た の で あ ります．然 しな が ら る 事が 予 防 歯科 学 の 結 論 か ら見 て も当然 の こ とで

は 医 ・歯 一 元 支 持 者 が 当 然 の 事 な が 一
医 ・歯 両 界 に あ り ます ． そ こ で 医 ・歯 元 論賛 成 同 窓 有 志 等 は
ら非常 に 多い の で あ り ま し て ，特 殊 な 事 情 に あ る 此の 転換期 に 際 し， 職 域 奉 公 の 完 檗 を 期 す る た め

極 少 数 者 を 除 い て は 恐 ら く， 全 医 人 の 賛成 あ り と に ， 同 窓 を通 じ て 大 政 翼 賛態 勢 の 総 集結 を 計 り、

見 る も 決 し て 大 な る 誤 りが な い 現状 で ある 事は， 以 て 有機 的 連 絡 の 高 度化 を期 した の で あ ります ．

其 の 後 の 動向 に よ て 段 々 と 明 瞭 に な りま し た 次
っ 同 時 に 新 た に 制 定せ ら れ た 国 民 医 療法 に 添 う範 囲
一
一
第 で あ り ま す ． … 昭 和 十 七 年 二 月 i三 日 国 民 医 療 内に 於い て で も 医 ・歯 元 の 融 合化 に 進 む よ うに
法案 が 議 会 を 無 修 正 で 通 過 して 従 来 の 歯科 医師法 努力 しつ つ
，遂 に 名実 共 に 医 ・歯 の 一 元 融合化 し
と 医 師法 は 統合 せ ら れ て 国 民 医 療 法 中 に 編 成包 括 た 完壁 な 日本 医学 を確立 す る 事が 喫 緊 で あ る と云

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図 3　 「
歯 科 医 学専 門 学 校 聯 合 同 窓 報 国 大 会 経 過 報 告 」 表 紙 裏

う結論 に 到 達 し， 先ず積 極 的 に 医 ・歯 一元 論 賛 成 表 2 都 下 5 つ の 歯 科 医 学 専 門 学校 で 作
を 提 唱 して 居 る 学 校 の 同 窓有志 が 懇 談 会 を 開催す 　 　 　成 さ れ た 決 議 文

る 運び に 自然 に 成 り立 っ た の で あ り ま す ．」 決 議 文
国 民 医 療法 の 発 布は 医 界 の 劃期 的進歩に し

2 ． 「決 議 文 」 （
表 2） を 作 成 し た 都下 五 校 同窓 有 て 吾 等 は 深 く政 府 当 局 に 感 謝 す
国 民 医 療法施 行の 適否 は実 に 国 運 の 隆 衰 に
志 連合懇 談 会 の 開催 と 歯科 医学 専 門 学校 々 長 懇談
及 ぼ す 処 甚 大 な る に 鑑 み 広 く斯 界 各 方 面 の
会 （図 4） 意見 を徴 され ん こ と を冀 望 す
　 「昭 和 十 七 年 三 月 十 二 日，都 下 五 校 （
東 洋 ，日本 惟 に 法 の 運 用 は 人 に 在 りよ りて 政 府 は 歯科
の 両 女 子 歯科， 凵 本歯科， 凵 大 歯科，東京 高等歯 医師会 々 長 と し て 新 体 制 理 念 に 徹 し 広 く医

科 医学 校 ） を 以 て 同 窓 有 志 聯 合 懇 談 会 を 開 催 し， 界 の 有 機 的 連 絡 を 達 成 し得 る 革 新 的 指 導 的
人物 を選 任 せ られ ん 事 を要 望 す
国 民 医 療法 実 施 に 依 る 歯科界 の 諸般 の 問 題 に 関 し
右決議す
て 互 い に 忌憚 な く意 見 を 交 換 し ま し た 結 果 ， 期 せ ．
昭 和 十 ヒ年 三 月 十 二 H
ず して 満 場 …致 次 の 決 議 を 見 る に 至 りま し た ． …
即 ち 画期 的 な 立 派 な 国民 医 療 法 が 出来 た の で あ り
ます が，将 来 は こ れ の 運 用 の 中心 とな る 歯 科 医 師 会 長 に 一任 す る こ と を 申 し合 わ せ た の で あ りま す
会 長 が 事実 に 於 い て其の 鍵 を握る こ とに なるの で が ， 両 会 長 は 島 峰 会 長 並 び に 其 他 会 長 と も 良 く協
あ り ます か ら，官 選 に 対 す る 吾 等 の 要 望 を 開 陳 し ， 議 して此 の 問 題 に 関 して 善 処 す る事 を約 され て 大
且 つ 此 の 上 申に 関 す る 一切 を 同 窓 会 々 長 等 に 一任 盛 会裡 に 閉 会 し ま し た ．茲 に 出 来 ま し た 右 の 決議
し た の で あ りま す ． 又 同 時 に 此 の 懇 談 会 を 医 ・歯 文 は ，其 の 後 五 校 同 窓 会 々 長 の 正 式 承認 を 得 ま し
一元 融 合 化 運 動 の 準 備 会 と な し ， 同 時 に 今後 の 運 たの で ， 同 窓会 々 長 の 連 記 を以 て ，此 れ を関係 大
動 を 加藤清治 日歯 同 窓会 長 及 び 佐藤 運 雄 日大 同 窓 臣 に 上 申 の 手続 き を取 っ た の で あ ります ．」

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図 4　「歯 科 医 学 専 門 学校 々 長 懇 談 会 」 （p5 ） の 項

　 こ の よ う に 都 ド3 校 で 始 ま っ た 本会 は 都下 5 校 3 ． 「報 国 大 会 準 備 」 昭 和 17 年 5 月 15 凵 か ら
に 拡 大 し， そ の 決 議 文 に お い て は ， 国 民 医 療 法 か 　 本 書 10 頁 （図 5） に は 「… 然 る 所 ，五 月 卜五 日
午後 ．
る． 一
一
ら歯科医師会 々 長 の 選考 人 事 に お よ ん で い 時 頃 西 神 田 署 の 情 報 係 が 大 会 役員代表 を訪
　当 時 の 日 本 歯 科医 師 会 は ． 囗 本 聯合 歯科医 師 会 ね られ て ，十 七 日 に 開 催す べ き報 国 大会 の 内容 の
時 代 の 大正 7 年 （1918）〜大 正 15 年 （1926）， 第 1 説 明 を求め た の で あ ります ．そ こ で 大 会 役 員代 表
次 日 本 歯 科 医 師 会 時 代 の 大 正 15 年 （1926）〜 昭 和 は 大 会 の 目的 及 び 内 容 を 出 来 る だ け 詳 細 に 説 明 し
18 年 （1943） ま で の 間 ，榎 本 積 一 と ⊥tlL
脇守之助 と ま し た の で ，当 局 は よ く了 解 さ れ ま し た が ，驚 い
3’
で 会 長 職 を預 か っ て い た ，こ の 長期政 権へ の 反 た 事 に は 日本 歯 科 医 師 会 現 会 長 血 脇 守 之 助 氏 を 弾
一 目的 で あ る との 虚構
発 が ，国 民 医 療 法 の も との 医歯 元 論 とい う大 儀 該 決 議す る の が ． こ の 大 会の
の 裏 に 見 え隠 れ す る ． の 上 申が あ っ た 事を初 め て知 っ た の で あ りま し

　そ して 17 年 3 月 29 囗 に は 歯 科 医 学 専 門
，昭 和 た ．そ こ で 此 の 大 会 は 個 人 を 弾該 す る が 如 き事 は
学 校 々 長 懇 談 会 が 開催 され ，都 下 の 5 校 に 大 阪 歯 決 して 無 い ．事 実 上 従 来の 歯 科 医 師 会が 改 組 せ ら
科 医 学 専 門 学 校 ， 九 州 歯科 医 学専 門 学 校，京 城 歯 れて ， 全 く新 しい 歯科医 師会 が 設立 せ らる る の で

科 医学 専 門学 校 朝 鮮 ） と 京北 歯 科 医 学 校 が 加 わ
（ あ る か ら新 しい 歯 科 医 師 会の 新 会長 に 対 して 我 等
り9校 の 賛同を得る こ とに な っ た ．そ し て 各校 の が 要望する所は あ るが ， 改 組 せ ら る る 旧 歯科 医 師
連 絡 委 員 名 が 記 載 され て い る ．そ の 後 の 連絡委員 会及 会 長 は 問題 で な い ．従 て 其 の 改組 せ ら る 可
っ

会の 初 会合が 4 月 26 日 に開催 され ，こ の 時点で き運 命 に あ る 歯 科 医 師 会 々 長 を 弾 該 す る が 如 き事

さ ら に 広 島 女 子 高 等歯 科 医 学 校 同 窓 会 が 加 わ り， は な い の で あ る ，然 し て 此 の 同 窓聯 合 会 は 医 師，

10 校 の 歯科 医 学専 門 学校 ・歯科医学校 同 窓 会 が ． 歯科 医師 の 一 元 融 合 を 期す る の で あ る か ら ，今後
一元 融 合 化
まさ に 連 合 を 組 み 報 国 大 会 が 計 画 され た の で あ の 会 長 は 何 人が な て も っ に 対 して 御 骨
る ． 折 り下 さ る 方 を 望 む 事 は 当然 で あ る の を 重 ね て 説

156

一
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図 5 「
報 国 大 会 準備 に ての 内容」   ω 頒

明 し ま し た ．」 とあ る ． 4 ． 「日 本 歯 科 医 師 会 の 煽動」 （
図 6）
　 こ の 時点 で ，東 京 歯 科 医 学 専 門学 校 同窓 会 が あ 　 「同 窓 大 会 を 単 に 支 配 下 の 歯 科 医 師 会 と誤 認 さ
わ て て 事態 の 収拾 に 急 ぐ様 子 が うか が え る ． れた の か ， 日 本歯科 医 師会 か ら 警 察 署 に 公 文 書 を

　翌 5 月 16 日 午 後 3 時 に は 「… 報 国 大 会 役 員 代 提 出 して 報 国 大 会 開 催 を 阻 止 す る よ う抗議 す る が
表 四名 は 西 神 田署 に 出頭 して ，署 長 に 重 ね て 説 明 如 き は 全 く越 権 も甚 だ し く， 正 気 の 沙 汰 と は 思 え
め ま し たが ，署 長 は
了 解 を求 な い 不 法 で あ る と言 わ な け れ ば な りま せ ん ．殊 に
一・
　 、 東京歯 科 医 学 専 門 学 校 同 窓 会 の 役 員会 は 本 大 会 開催 に 際 し て は ，歯科 医 師 会役 員 等 に も 広
益 々 激昂 して 来 た こ と， く招 待 状 を 差 し上 げ て あ る の で あ っ て ， 日 本歯科
　二 、若 し 明 日開 催 す れ ば 暴 力 沙 汰 に も な る 恐 れ 医 師 会 長 に は 祝辞 ま で 依頼 し て あ っ た の で あ りま

あ り す ． 斯 か る 不 法 弾 圧 を 当 局 に 強請す る 事 は 日 本 歯
と て 絶 対 に 開催 を中 IL して 欲 しい と 東 京 歯 科 医 専 科 医 師会 の 使命 を 没 却 す る もの で ，会 長 自 らの 不
校 よ り何 回 も人 が 来 る し ， 又 電 話 で も強 硬 に 抗 議 徳 を 暴 露 す る もの で あ る と 言 わ ね ば な り ませ ん ．
し て 参 ります が ， 然 し明 日 に 控 え た 大 会 を 今 日に 然 し一 元 体 制 に 対 す る 賛 否 は 別 と して も 日本 歯科
な つ て 急 に 中 1ヒ， 乂 は 延 期 す る が 如 き事は 全 国 か 医師会々 長 の 公 人 的 立 場 に 於 い て は 上 田 東京府，
ら集 ま る 会 員 に 非 常 な 迷 惑 を か け 且 つ 感情 の 対 立 緒方 大 阪府 其他 地方 歯科 医 師会 長 の 場 合 と同 様 に
悪 化 を深 め る恐 れ が あ る 点 を諒 と され て 予 定通 り 一場 の 挨拶 或 い は 祝 詞 を 賜 て こ そ ， 会 長 の 会 長 っ

に 報 国 大 会 の 開催 を承認 さ れ た の で あ ります ．」 た る 所 以 で あ る と信 ず る もの で あ り ます ．恰 も現

と ， 東京 歯科 医 学 専 門 学 校 同 窓 会 の 応 酬 が 開 始 さ 会長 が東 京 歯科 医学 専 門 学 校 同 窓 会々 頭 と 同一 で
れ ，猶 予 な き 事 態 が 想 像 され る． あ っ た が た め に ，公 私 の 判 別 を忘 れ ， 平 地 に 乱 を
起 こ し，拭 う べ か ら ざる 汚点 を 印 さ れ た こ とは返

す 返 す も歯 科医 師会統 師者 と し て 遺憾 に 堪 え な い

王57

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図 6　 「日 本 歯 科 医 師 会 の 煽 動 」 の 項

次 第 で あ り ま す ． 而 も此 の 報 国 大 会 に 関係 あ る 歯 「歯 科 医 学 専 門 学 校 連 合 同 窓 報 国 大 会」 を 迎 え る ．
科 医 師の 分 野 は 全 国 十 一 校 中 の 十校 の 関係者 で 　そ の 様 r一
につ い て は 「十 七 LI， 大 会当 日 午前十
あっ て ，言 え ば 全 国 歯 科 医 師 の 総 意 を網 羅 す るに 時頃報国大会役員代表 は西神田 署 に 又 出 頭 して 大
近 い 多 数 同 窓 の 集 ま りで あ る の に ， 見 当 違 い の 不 会 開 催 の 打 合 を した の で あ り ま す ．即 ち 次 ぎ の 如
法弾 汗 を 敢 え て す る 事 は 公 正 な る 会 長 の 為 さ れ る く署 長 の 指 示 を 受 け 入 れ て ，大 会の 宣 言 ，決 議文
態 度 と は ど う 考 え て も解 せ ら れ な い と こ ろ で あ り 等 は 凡 て 署 長 の 検閲 を経 て 予 定 通 り大 会 を 決 行す
ます．恐 ら く同 会数 名の 幹 部 が あの 賢明 な 会長 を る こ と に な りま した ．

　所 が 開 会 定 刻 の 午 後 一
誤 ら し め た もの で あ ろ う と想 像 さ れ る の で あ り ま 一時 数 分 前 に な て 又 東京 っ

す， 更 に 又 十 六 日午 前 ．東 京 歯 科 医 学 専 門学 校 同 歯 科 同窓 会か ら松 宮 誠 一 ， 長 尾 喜 景 ， 三 崎 釧 郎 の ・

窓 会 々 頭 血 脇 守之 助 氏 の 但 し血 脇 会 頭 の 筆 跡
名 （ r 氏 が 署 長 同 道 抗 議 に 来 ら れ ， 執 拗 に も宣 言決議
に 非 らず ．他 の 人 の 筆 跡 と推 定 せ られ る ） を もっ を 止 め う と 強 要 し た り． 然 うで な け れ ば 暴 力 不 祥

て 報 国大 会 代表者加藤清治氏 宛 に 次 の 如 き内容証 事が 起 こ る 等の 言葉 を 以 て 恐 喝 した の で あ ります

．
明 書書留郵便 の 抗 議 が あ り， し か も 同 日 午 後 四 時 が ，当方役 員 代 表 の 応 対 中 に 時 間 も既 に 三卜分 経
まで に 返 信 せ よ との 申 し出 が あ っ たの で あ りま 過 致 し ま した し， 当 局 許 可 の あっ た こ と で あ りま
す ．」 す か ら 予 定 通 り開 会 が 宣 せ ら れ て 大 会 は 極 め て 厳
　 こ こ か らは， 内容 証 明書 付 で の 東京歯科医学専 粛 裡 に 進 行 し，会 す る 者 遠 き は 朝 鮮 ，九 州 ，山 陰
門 学 校 同 窓 会 と 連 合 同 窓報 国 大 会参 加校 同 窓 会 或 い は 北 海道 よ り馳 せ 参 じて 壹千 六 百六拾貳 名に

10 校 と の や り と りが 記 載 さ れ て い る． 達 し ． 内 に は 東京歯科 同 窓 会 員 も個 人 の 資格 に て
参加 す る 者壹 百 四 拾 余名 に 達 し， 結 局 事 実 上 の 全

5 ， 当 日朝 の 準 備 （図 7） 国 歯 科 医 学 専 門 学 校 同 窓 聯 合 大 会 が大 盛 会裡 に 終
開 催 が 危 ぶ ま れ な が ら も， 昭 和 17 年 5 月 17 日 了 し ま し た ．」

一 158 − 一一

一
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図 7 「当 日 朝 の 準 備 」 の 項

　 ま た ， 大 会 当 日の 状 況 につ い て は ，今 田 見 信 が

， 「… 大 会 会 長
9）
次の よ うに 述 べ て い る に は 日大

歯科科長佐藤 運 雄氏 が 推 され ， 佐藤 会長 に よ っ て

詔書 奉 読 を謹 厳 に 行 い ，続 い て 会長 挨 拶 が あ っ た ．
… い まか ら ， こ の 聯 合 同 窓 報 国 大会 を 思 い 起こ す

一 元 論 の 体 制 堅 め ，  H 本
場 合 ，  当時大論戦の
歯科 医師会 に 対す る 不 平 の 爆 発 ，  不 参加 同 窓 に
よ る 圧 迫 の 反 動 を見 逃 す わ け に は ゆ くまい ．か よ
ち か わ れ て 来 た lfi
匸脇 政 権 が
一 皮ず
うに して 永年 つ
つ は ぎ と られ て ，歯科 医 政 の 中 心 が ．敗 戦 →
追放
な ど か ら 加藤誠 治 氏 ， 次 は 佐 藤 運 雄氏 に 移 行 す る 図 8 報 国 大 会 当 日 の 佐藤 運 雄 会 長 挨 拶
こ と に な っ た の で は あ る まい か ．」 図 8 は その 会 の 様子 （ 文 献 4 よ り）

長挨拶 の 1コ マ である．

　す な わ ち ， 国 民 医 療 法 の 成 立 は ，歯科 医 師 会会 医 学 の 確 立 ，新 医 界 の 建 設 の 為 医 師， 歯科 医 師 の
長 の 選 考 に 発 展 し，東京歯科 医 学 専 門 学 校 対 他 の 一 元 化 を 期す」 と高 ら か に 昂揚 し て の 宣誓 で あ る
歯 科 医学 専 門学 校 の 対 立 論 争 に な っ た と い う こ と 表 4 ）．
（
が読 み取 れ る ．真 の 医 歯 原 論 の 論 争 で は なか っ 　 ま た ，経 過 報 告 の ま とめ と して ， 「… 開 会 前 に
た ． ま た ， 大 会 式 次 第 を表 3に示 した ． 種 々 心 配せ ら れ ま し た が ， 日本 歯 科 医 師 会の 不 法
圧 迫 及 び 東 京 歯科 同 窓会 の 執 拗 な る抗 議 等 の 外来
6 ．宣 言 お よび決議文 弾圧 の た め に却 っ て 内部 的 に は 結 束堅 固 な 同 窓聯
当 日採 択 さ れ た 宣 言 お よ び 決 議 文 は ， 「… 日 本 合 大 会 が 結 成 せ られ た の で あ ります．此 の 効果が

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表 3 　歯 科 医 学 専 門 学校 聯 合 同 窓 報 国 大 会 　式 次 第 表 4 聯合 同 窓報 国大会 に おける 宣言お よび

　 　　決 議文
　 　 講 　 　 　 　 　 　 　 　 報
一 一 　 一 一 一 一 【 一 一 一 一 一 一 一 一 ．国
、 、　 、 、 、 、 、 、 、 、 　 　 　 　 　 　 決 　 　 　 　 　 　 宣
一 一
、 、 、 、 、

演 大
　 　 右 　 、 、　 　 右 ん し、健 吾 　
時 国 恥 丗

閉 垂 決 祝 祝 感 旦 経 詔 会 大 座 開 国 会 昭 決 議 昭 宣 こ 民 等 言
局 民． 会 蒔 議 電 　 謝
過 書 長 　 会 長 会 民 次 　
和 議 新 吾 π 和 言 と 医 確 は
講 医 の 万 文 披 報 奉 挨 文 　 々 推 の 儀 第 　 凵

十 す 医 等 等 卜す を 育 保 皇
演 療 辞 歳 朗 露 辞 朗 言 告 読 拶 長 薦 辞 礼 　
七 界 は は 七 期 医 の 国
　 法 読 読 推 　 年 の 八 誓 年 す 政 責 医
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　 　 疏、
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会 せ 揚 兵

全 国 的 に 拡 大 して 一・
元論 賛 成 歯科 医 師大 同 団結 が 会 開催 へ の 尽 力 と小椋 氏 ，加 藤 課 長 の 了解 を願 っ
湧 然 と して 起 こ っ た 暁 には 画期的な医 ・歯 一 元 融 た こ とへ の 御礼 を し た こ と．」で ，無事 大 過 な く終
合化 の 完 遂 を見 て 完 璧 の 日本 歯科 医学 が確 立せ ら 了 し た と い う事 後 経 過 で あ っ た ，
る る 事 を 思 い 誠 に 同 慶 に 存す る の で あ りま す ． 　な お ，これ ら 一 連 の 事項 に 関 して 東京歯科 大 学
5，
　然 しな が ら 此 の 大事 業 は 未 だ 幾 多の 時 間 と努力 百年 史 に は 以 ドの よ う に 記 載 さ れ て い る ． 「国

を 要す る 事蓋 し 甚大 で あ ろ うこ とが 想 像 され ま 民 医 療 法 の 公 布 と新 日 本 歯 科 医 師 会 」 と 題 し て t
す ． 今 後 各 位 の 深 甚 な る 御 協 力 を切 望 して 大 会 に 「政 府 関 係の 委 員 会 と は 別 に ，歯 科 界 で は い わ ゆ
・・
至 る まで の 経 過報告 を 終 わ りま す ．」 と 結 ば れて る 医歯 元 論 ・二 元 論 の 論争 が 再 燃 し ，歯科教育

い る， 制 度， 医 師 ・歯科 医 師 免許制度 の 基 本 問 題 を め ぐ
る抗 争が 長 期 に わた っ て 続 け られ て い た． こ の 抗
7 ． 追加　大会後 の 経 過 報 告 争 は 昭 和 17 年 2 月 25 日 に 国 民 医 療 法が 公 布 さ

　大 会 後 の 5 月 21 日 に ， 同 窓 報 国 大 会 代表 が 小 れ ，半 官半 民 の 日本 歯 科 医 師会 が 設立 さ れ る こ と

椋善夫 東 京 府 会 議 員 ，東 京 市 会 議 員 ，警 務 委 員
（ となっ た た め t その 会長 の 任 命 を め ぐっ て 最高潮
長 の 肩書 き） と会見 し た 内容 に つ い て 記載 さ れ て に達 したが ，昭 和 18 年 1 月 28 凵 付 の 日 本歯科医

い る ．そ の 概 要 は ．「5 月 15 日， 西 神 田 署 長 を 訪 師会 （
官選 の 第 二 次 日本 歯 科 医 師 会 ） の 設 置 認 可
ね て 歯科 医専 で 一 番古 い 学校 を 除 い て 開催す る こ と と も に ， 血 脇 守 之 助 が 時 の 厚 生 大 臣か ら 内 閣辞
と の 不 都 合 ．宣 誓文 書 の 再 考 な ど を お 願 い し た ． 令で 会長 に 任命 され る に 及 ん で ，い ちお うの 終 止
そ の 後 ，警 視 庁 医務 課，加 藤 課 長 の 意 見 を聴 くた 符 を打 つ こ と に な る ．」
め に 訪 問 し た こ と．5 月 21 ロ．小 椋 氏 と 同 窓 会 側
当 時 の 医 歯 一 元 論 ・二 元 論 に 関 す る ほ か の
との や りと り． 5 月 22 凵 ，警視庁 医務課 長 と 大 会
資 料 につ い て
役員 に 面 会 し た こ と ． 5 月 29 日 ，厚 生 省 に 大 会 講
師 派 遣等 の お礼 に 厚 生 省衛 生 局 長 に 島峰 ，佐 藤 ， 著 者 らが 渉 猟 し得 た な か か ら，「歯 科 公 報 」に み
ら れ た 医歯 一 元 一部 の
加 藤 ，長 澤 四 会 長 が 挨 拶 に 伺 い ，西 神 田 署 長 に 大 論 ・二 元 論 の 論考 に つ い て

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表 5 昭 和 17 年 の 医 歯 一元 論 ・二 元 論 に 関 す る 論 考 （
歯 界 公 報 か ら）

著者 ほか 論題 ・主 な内容 文献 No ．
大鷹仁太郎 　歯科の 新体制観 6）
今 田 見 信 　 　口 腔 科 専 門 科 医 と す るの 主張 7）

東歯同 窓 会の 立 場な る 小 冊 ∫全 国に配布 さる ，歯 科 医 専 連 合 同 窓 報 国大 会の 参 加 同
窓 会中 に 東歯 同 窓 会が な い の で ， 歯科 医 界 に 容 易 な ら ざる 論 議 が 沸 騰 し …そ の 経 過
．
を説 明 し事 実 をあ りの ま ま に す る 義 務 を 信 じた と あ る ．仄 聞 す る に 二千六 百 年記 念
巻頭 言 一 9）
学 会 以 来 ，つ と め て 歯界 本化 に 協力せ ず して ，何 の 「あ りの ま ま に す る 義 務 」 と
言 わ ん ，平 地 に 乱 を起 こ す と は 抑 々 誰 が 投 じた 石 に 拠 る か ．医 師 会 改 組 に 先 立 つ 歯
界 一本 化 は 東 歯 同 窓 会の 立場 の 洗 礼 を ま まで も な く既 つ に 成 る，

佐藤峰 雄 医 師 ，歯 科 医 師 一元 化 の 論 拠 に 就 い て （
其 の 一） 10 ＞
川 ヒ政 雄 叢 論 　 医 師 ・歯 科 医 師 一元 論 に 就 て 11）
関　満津 寄 書　二 元 論 者 は 国 民 医 療 完 遂 の 敵で あ り吾人 歯科 医 師 の 敵 で あ る ， 12＞
医 歯 一元 論 は 齲 蝕 が 過 半 の 国 民 に 浸 透 し て い る が 如 く，国 民 保 健 確立 の 問 題 と して ，
巻頭 言 取 り．
ヒげ ら れ ね ば な らぬ ．従 っ て 論旨が 私 の 上 に あ っ た り，一学 閥 の ．
ヒに な っ た り 13 ）
して は 絶対 に な らぬ の で あ る ．

歯科医専 1一
校 同 窓会 は 遂 に 起 っ て 医 師歯 科 医 師
一元 化 運動 を起 こ したの で あ る ．歯
科医専 四 年の う ち，技 術 一年 半 ，学 課 二 年 半の 現状に い ま半 年 の 学 課 を加 えれ ば 医

学 知 識 に お い て は 現 行 臨 時 医 専 卒 業 生 と 径 庭 な い か ら 医 師 で あ っ て 歯 科 を専 門 とす
る 卒 業 生 を 出 し得 る と い う の が ，彼 等 の 理 論 で あ る ． 然 る に 東 京 歯 科 は 之 に 反 対 し

学 制 を 改 め る な ら歯 科 大 学 と し て 予 科 制 を 採 れ ，歯 科 医 は 飽 く ま で 医 師 と 対 等 ，歯
余 　録 科 医 師 会 は 医 師 会 と並 び 、
k つ 存 在 で あ ら ね ば な ら ぬ と す る ．十 校 対 一 を 以 て 抗 争 が 14）
巻 き起 こ した の は不 思 議 で な い ．
医 歯 一元 論 は 吾 々 歯 界 の 問 題 で は な く ，全 厚 生 社 会 の 問 題 と し て 取 り上 げ ら れ る 問
題 で あ ら ね ば な らぬ ．斯 く取 り上 げ 検 討 が 重 ね ら れ る こ と に よっ て 歯 科医 療 は確 立
し齲 蝕 の 根 本 対 策 も成 る こ と に な る ． 臭 い もの に 蓋 を す る こ とを排 して 一切 明朗 な
もの と した い ，
時 　報 一元 か 二 元か の 対 立 深 刻 　 般 は 国民 の E に 立 つ 主 張 を要 望 15）
川上政 雄 論 叢 高津 　弌 氏 の 公 開状 に 答 え て 16）
稲 生 　 浚 　 　 歯 科 医 師 よ り医 師 た る 私 案 17）

5 に 示 し 以 ドに 記載 す る ． … （
内容 を 表 五 ）医師会 の 改 組 に し て も， 当然 来 る べ き も

の が来たの で あ っ て 『
故 人 の 医 師 会」 と い っ た現
1 ． 大 鷹 仁 太 郎 「歯 科 6／ ・ ．官民 ．
．・
の 新 体制 観 」 実は 刻 も早 く打 破 さ れ なけ れ ば な ら ぬ

　 「（
二 ）医者の 教育 に 当た っ て も技 術 に の み 走 ら 体 となる こ と は 勿 論 ，私 学 の
各派 も互 い に 小 党 集
は あ る まい か ．殊 ．
ず．仁者 と して の 徳育 が 緊要 で 団 して 来 た 現 実 の 体制 を 噺 し て 「 全 体 』 に 新発
に 歯科 医育 は 最 も仁 者 教 育 に 遠 っ て い る もの で 足する こ とは国民 に 一 人 の 反 対 もある筈が 無い ，

あっ て ，局所 の み を観 て ，全 体 を観 な い よ うに 導 若 し 反 対す る 者 が あ り とせ ば ，因習 の 手綱 が た ち
い て 来 た 偏 跛 な過 去 の 教 育 が ， 今 凵如 何 に 吾 々 の 切 れ ない 人で あ る．新時 代 の 日本 人で は ない ．
…」
地 位 に 悪 影響 を お よ ぼ して い る か を翻 っ て み るべ

きで あ ろ う． 「
個 の 全体』で あ っ て は い け ない ，
全 体 の 個 』で あ れ ね ば な ら ぬ ． こ
『 点 が ，新 体 制 2 ．今 田 見 信 「口 腔 科 専 門 科 医 とす る 卞張 1
‘
の の

一分 科
の 唯一
．・無二 の 理 念で あ る 筈 で あ る ． 歯科の 新体 制 　 「… 歯 科 は 医学 の で あ る こ とに議論 に余

を論 ず る 前 に こ の 事 を 先 ず 承 知 し て 置 くべ き だ ， 地 は あ り ませ ん ．本 邦 の 歯科医 師既 に 1万 八 千

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人 ，歯科 医 学専 門 学校 九 校 に 達 し ま し た が ， 国 民 り， 歯 科 医 側 の 定 め ん とす る 領 域 は 出 来 な い も の
一 途 を 辿 りつ を 中 心 と し て あ る 所 に 相 違 が あ り， 此 処 に 論 争 が
の 口 腔疾 患 は 結 核 と同 様 に 累 増の つ

あ る 現 況 で あ ります ．之 れ 歯 科 が 局 所 医 学 の 域 を 生 まれ る の で あ る と見て 差 支 え なか ろ う．…医 学

一分 科
脱 せ ず し て 発 達 普 及 した 結 果 に 外 な りませ ん ， 日 の を 専 門的 に 追 求 す れ ば す る 程 に 其 の 分科
一 71は 不 ltT能
本 に 歯 科 が 芽 生 え て 歯科 医 師 法 が 出 来 ま す 頃 を顧 独立 は 困難 と な り 般 医学 との 分離独 ・

み ま し て も， 色 々 と 議 論 が あ りま し て ，今 日 尚つ と な り寧 ろ 反 対 に 一 般 医 学 の 多 数 の 各 分 野 との 相
きな い 大 きな溝 が あ る の で あ りま す が ， 之 は 歯 を 互 の 関 係 を 生 じ ， 元 来 何 等 関 係 の な い と 考 え られ

中心 と 見 た 医 術 と し て 医 科 か ら 分離 発 達 し ま し た て 居 た 分 野 迄 も一 定 の 関係 を見 る に い た る もの で
の で あ りま して ， 当時 の 幼 稚 な時 代 に は歯 は 全 身 あ る ．…」
の 健康 とは 全 く別 に 切 り離 し て 考え て居 っ た の

で ， 何 等 不 思 議 も な く独 立 して 認 め て 来 た の で あ 4 ． 川 上 政 雄 「医 師 ・歯 科 医 師一 元 論 に 就 て 」11 ）

ります が ， 今 日 の よ うに ，歯 を 健康 の シ ン ボル と 　「我 が 国 家 の 大 発 展 期 に 直 面 し て ， 新 た に 国民
見 ， 体 位 低 ドと歯 牙 疾 患 と の 密 接 不 離 な 関 係 が 明 医療 法 が 制 定 され た こ と は ．此 法 の 国運 の 盛衰 に
瞭にな っ て 参 り ま す と， も う昔 の よ う な 局所 的 な お よ ぼ す 影響 の 外 に ，歯 科 界 の 現 状 を種 々 の 観点
見 方 は 許 され な くな っ て 参 っ て 居 る の で あ りま か ら検 討 し て ，将 来 の 進路 を確 Zせ
・ ん とす る 機 運

す． … も っ と も っ と 医 学 と 提携 し て ， 医 学 の 中に が 作 られ た 点 に 於 い て 意義が 深 い ． 筆者 は 此 の 際
入 っ て ，今 日の よ うに 壁 を築 い て 相対 立す る よ う 歯 科 医界 の 為 に 所 謂 医 ・歯 一 元 論 に 就 い て 卑見 を

な 制 度 を 廃 し て 眼 科 の 如 く口 腔 科専 門 医 と し て い 述 べ ， 識 者 の 省 察 を促 し 度 い と思 う．
た だ きた い と い うの で あ り ます ． …少 な く と も 若 　 歯科 医 界 に 於 い て ， 医 ・歯 一元 化 に 反対 す る 論
い 者，心 あ る 者 は ，教 育制 度 は い か に 向上 され て 議の あ る 事 を 筆 者 は 意 外 とす る ． 医 ・歯 一 元 化 の
も ，歯 科 乃 至 口 腔 科 の 重 要 性 を ， 高 度 国 防 の 保 健 結 果 は ， 歯 科 医 療 の 質及 医 療 能 力 の 低 ドを 招 き，
国 策 を樹 、 k致 し ま す場 合 に は 是 非 共 考 慮 に 入 れ 医 療 費 の 昂 騰 を 来 す ， 医 師 の 免 許 を興 え れ ば ， 歯
て ，今日 の よ うに 医 師 との 問に 溝の ある 業態 とい 科 医 療 を 棄 て て ，他 の 分科 の 行為 を 行 う， 或 い は
う も の を 廃 1ヒし て ， む し ろ ， 眼 科 や 耳 鼻 咽 喉 科 の 一元 化 は 歯 科 医 師 の 地 位 の 低 下 を 来 す と． 事柄 を

専門医で ある よ うに 制 度 を 改 め て ，高 度 国 防の 保 概 念 的 に 取 り扱 っ た ，反対 の 為 に 論 ず れ ば，非 難

健 国 策 に 挺 身 させ て い た だ き た い と云 うの で あ り は際 限が な い ．…
ます ．」 　 医 ・歯 一 元 化 は ，歯科 医 療 者 を し て ．医人た ら
　 こ れ は．最 近 提 唱 され て い る 「歯 学 」 か ら 「口 しめ ， 国 民 医 療 の 完 遂 を期 す る 途 で あ る ，過 去 の
S）
腔 医 学」 の 変 換 とい う考 え方 に 似 た 発 想 の もの 積弊 を 糊 塗 す る に ，偽 装 を 用 い た り， 或 い は実現

で ある． に 伴 う困 難 の 大 な る 故 に ，責 務 を怠 っ て は な らな
い ．」
3 ． 佐 藤 峰 雄 　 「医 師 ， 歯 科 医 師 一 元 化 の 論拠 に
一 ）」10） 5 ． 関 　 満 津 「二
就 い て （
其の 元 論者 は 国民 医療 完 遂 の 敵 で あ
12〕
　 医学 の 各 分 科 専 門化 の 過 程 と 歯 科 医 行 為 と医 行 り吾 人 歯 科 医 師 の 敵 で あ る 」
為に触れ な が ら， 「…歯 科学 も病 理 ，細 菌 は 勿論， …
　「 厚 生 省 小 島事務官 の 昭 和 十 年 四 月 二 i’
四 日

血 液 ，電 気 学 等 の 方 面 に 迄 其 の 要 求 は 拡 大せ られ ， 厚生歯科学会 に於 ける座談会 に於 い て 『
歯科 医 師
此 の 種 の 基 礎が 不 充 分 で あ る と ， 治 療 は 勿 論診 断 は 介 補 的 存在 な り』 と 述 べ ら れ た が ，之 は 歯 科 の

す ら不 可 能 と な る の で あ る ．斯 く して 次 第に 歯科 補 綴 的 治 療 が 医 療 で は な く独 立 し た もの で あ り．
にお け る 一般 医学 的知 識 の 必要範 囲 は無 限 に拡大 自然 人 な る 生 物 を 対象 と し て も 之 を 医 療 と し て 是
されて 来 るの で あ っ て 今 後医学 の 進歩に 伴 わ れ 認 出 来 な い と 云 う所 謂 二 元 論 者 か ら 見 れ ば 医療 を
益 々 無 制限に此 の 必要知識 の 応用範 囲は拡大 さ れ 為 す 場 合 は 医 師 の 介 補 と し て 為す との 説 を 是 認 さ
て 行 く と 見 て も思 い す ぎで は な か ろ う． … 要 す る れ て い る もの で は あ る まい か ．か か る不合理が 国
に 医師側の 定め ん とす る 歯科 の 口 腔 外科 の 領域 は 民医療完遂 の 上 か ら 是 認 さ れ る べ き もの で あ ろ う
．
一元 論
歯 科 医 師中 出来 な い もの を 基 準 とす る 傾 向が あ か ，絶 対 に 是 認 で きな い 事で あ る ，故 に は

162 一

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国民医 師完遂 の 敵 で あ り，吾 人 歯科 医 師 の 敵 で あ を ， 全 歯 科 界 人 は 等 し く銘 記 す 可 く 要 望 致 す もの

る か ら 国民 医 療 法 に 依 る 勅 令， 命 令 に 於 い て 可 及 に 御 座 候 ．」
・
的 に 元 論 を と り入 れ ， 将 来 速 や か に 医 師 歯 科 医
一 元 化 を 計 り 国 民 医 療 の 完 遂 を 期 す べ きで あ 1
師の 8 ．稲 生 　浚 「歯 科 医 師 よ り医師 な る 私案」
且ア

一元 論 な ど と
る ．」 　 「… 近 頃 青 年 歯 科 医 間 に て 医 ・歯
言 うて 医 師 た る 資 格 を 得 て 歯 科 医 術 を 施 し た い 様
6 ． 歯 科 公 報　時報 医 歯の 根本理 念 に喰 い 込んだ な 気 分 が 横 溢 して 居 る が ，然 らば医師 た る に は中
一元 か 元か 対立 深 刻 　 一般 は国民の 上 に 立
二 の つ
学 を 卒業 して ， 十 倍 内 外 の 医専或高等 学 校 の 人 学
15）
主張 を要 望 試 験 を 通 過 せ ぬ 事 に は 医 師 の 資 格 を 得 られ ぬ に 反
．
　 「医 歯 の 根 本 理 念 に 喰 い 込ん だ 一 元 か 1元 か の し て ， 歯科医 師 た ら ん とす る に は 無試験或 い は 斯
…
対立 深刻　 般 は 国民 の 上 に 立 つ 主 張 を 要望 」 と くの 如 き激 烈 な る 困 難 は な く と も な れ る 事 は 読者
題 し て ， 東京 歯 科 医 学 専 門 学 校 同 窓 会名 で 記 載 が 諸 ＃ も既 に 御 存 じ の 事 と存 じ ま す ．」
ある．
◇ 何 故 ，医 師，歯科 医 師 二
　「 元 制で な け れ ば な ら 　 こ の よ うに 百 花 繚 乱 の 様 相 を 呈 し た 医 歯一 元
ぬ か◇ （イ） 歯 科 医 学 及 び 歯 科 医 療 の 本 質 か ら， 論 ・二 元 論 の 論 争 は ，歯 科 界 の な か だ け で 終 始 し ，

（ ）歯科 医 療制 度 発 達 の 歴 史 を 顧 み て ， （ハ ） 臣
ロ そ の 結 果何 ら 問題 解 決 も発 展 も み る こ と は な
の

道実 践 の 立 場 か ら 見 て ， 所 謂 一 元 論 者 は 如 何 な◇ く， か え っ て 歯科 界 の 混 乱 を招 い た ． さ ら に ．国
る 誤 謬 を犯 し て い るか ◇ （イ ） 歯 科 医 学 竝 に歯科 民 医療法 の 条文 で は ，「医師 及 歯 科 医 師」，「医 師 乂
医療 の 本 質 に 対 す る 曲解 （ロ ）新 体 制 と い う こ と 歯 科 医 師 」， 「医 業 又 歯科 医 業 」 の 記 載 で あ る こ と

に 対 す る 曲解 或 い は 新 体 制 の 悪 用 ，（
ハ ）歯 科 医 師 か ら，医 歯 一 元 論 で は な か っ た も の と推 察さ れ る．

の 機能 に 　 一
関 す る 事 実 歪 曲 ， （二 ） 元 運動 の 矛 盾， 医 師 と 歯科 医 師 ，医 業 と 歯科 医 業 は明確 に 区 別 さ
（ホ ）歯科 医 師 の 地 位 向 E に 関 し て ，」 の 医歯一 元 れ た 表記 で あ っ た ．
論反 対 論 考が あ る ．
・W 生 が 「… 歯科 V ．まとめ
　 ま た ， 同 号に は 医 界 思 潮　 S
一一元 論 に カ ー ジュ して 歯科 医 師会 的 人
で は モ フ ラ 　昭和 17 年 （1942） に 成 立 した 「国 民 医 療 法 」 は
事 の 動 きは 外 表 に 現 れ て い な い と言 うだ けで ，実 挙国 ・
致 大 政 翼 賛 と い う きわ め て 異常 な 時勢 で
は 深 刻 な も の が あ る と想 像 し て よ ろ し い 訳 で あ の もの で あ っ た ， こ れ が ， 大 き く飛 び 火 し ， こ れ
る ．バ ス に 乗 り遅 れ た 東 京 歯 科 医 専 校 が ， 一 元 論 ま で に な く 歯 科 界 は 大 き な 混 乱 を む か え ， 「医歯
反 駁 に 総 力 を挙 げて い る の も要 は こ こ を 狙 っ て い
一 元 論 ・二 元 論 」論争 が 再 燃 し た ．
る か ら だ ． 内 輪 の くつ れ る の を 糊 塗 し な が ら も懸 　昭和 17 年 5 月 17 日 に 開 催 さ れ た 「歯 科 医 学 専
一元 論 を 強 力 に
命 な 努力 の 払 わ れ て い る の も こ の 人 事 問 題 を 超 越 門 学 校 連 合 同 窓 報 国 大 会」 は 医 歯
す る 外 は な い ． こ れ も要 は 『 時代』 が 之 を 説 明 づ 推 し進 め よ うと す る も の で あ っ た ． しか し，事 実
け てい るが ，斯様 に 見 ら れ る 位 に 会 長 問 題 に 焦慮 は 東京歯科 医 学 専 門 学校 同 窓 会対 囗 本 大 学 歯 科，

を感 じて い る．」 日本 歯科 医 学 専 門学 校， 東 京 高 等 歯科 医 学校 の 各
同 窓 会 との 対 立 構 造 が 浮 き彫 り に さ れ る 形 と な っ
1s’
7 ． 川 上 政 雄 「高 津 　弌 の 公 開 状 に 答 え て 」 た ． さ らに ，官 選 と な る 日本 歯 科 医 師 会 会 長 選 挙

　 末尾 には ，こ 論争 に 対 し て 忠 告 の
の よ うな 文 章 の 前哨 戦 で あ っ た ．表面 E は 医 歯 ・
元 ・二 元論に

の 記 載が あ っ た ． 「… 画 期 的 大 法典 た る国民 医療 お け る 徹底 論 争の よ う に 見 うけ る が 本 質は ちが う
法 の 制 定 は 医 の 国 家 目的 を 明 確 に 規 定 し， 現 在 の と こ ろ に 存 在 して い た．
と こ ろ 歯 科 医 医 師 の 権 能 は 旧態の 一 元 論 ・二 元 論 で
儘 と し て も， 将 　歯科界の み の 医歯 ，い つ ま
は

来 国家 の 要 求 す る 使 命 を 顧 み る 秋 ， 須 く二 元 論 者 で た っ て も本 論 解 決 に は 至 ら な い ．医 歯 一元 論 の
は 自由 主 義華 や か な り し 時 代 の 迷 夢 よ り 覚 め て 虚 本 質 は ， 医 科 界 と の 論考 を 経 な い か ぎ り解 決 し な
心 坦 懐医の 使命を真摯正 視す可 く，相携 え て 医 療 い 問題 で ある こ と に 気づ い て い な か っ たの で あ

報告 の 途 に 邁進 す る 事 こ そ 皇 国 民 た る 所 以 な る 事 る．

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一
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The　Japan
The Sooiety
Japan　Society Dental
of　Dental
　of 　History
History

一 部 新 漢 字 ，か な 7） 今 旧 見 信 口 腔 科 専 門 科 医 と す る の 主 張 ．歯 科 公 報 ，
　 （本 文 中 の 旧 漢 字 ，か な 使 い は ：

　 　3　（ 6），
　日臼禾1117イF 　（ 　51．
1942 ），
使 い に 直 して 記 し た ．）
8） 学 校 法 人 福 岡 歯 科 学 園 福 岡 歯 科 大学 ： 歯科医 学 教育の
　 　将 来 像 「歯 学 」 か ら 「冂 腔 医 学 」へ （川 中 健 蔵
北村
　 　 憲 司 監 修 ）．大 道 学 館 出 版 部 ，福 岡 ，2011 ．
文 　献
9） 巻 頭 言 ： 歯 科 公 報 ，3 （17），昭 和 17 年 （1932）．
1） 加 來 洋 子 田 昭 夫 ，石 橋 　 肇 ，渋 谷 　 鉱 ， 10 ） 佐 藤 峰 雄 ・
t 山 口 秀紀 ，卯 ； 医 師 ，歯 科 医 師 元化の 論拠 に就 い て （
其
医 歯 一元
　 谷津三 雄 今 田見信が俯 瞰
： して い た
論 元 ・二 　 　の 一
）t 歯 科 公 報 ，3 〔17）．昭 和 17 年 （1932 ），1−5 ．
　 論 一 日本 齒科 學 性 格 研 究 資 料 類 纂 　 歯 科 公 報 （昭 和 16 11） 川 上 政 雄 叢 論 　 医 師 ・歯 科 医 師 一元 論 に 就 て ．歯 科
：

　 年） 　よ り一，
　 H 歯 史，
　27　〔 　128− 135，
2＞， 　2007． 　 　公 報 ，3 （18），昭 和 17 年 （1932），8−ll．
2 ） 日 本 歯 科 医 師 会 歯 科 医事 衛 生 史 編 纂 室 編 ： 歯 科 医 事 衛 12） 関 　 満 津 寄 書 　 「 元 論 者 は 国 民 医療 完 遂 の 敵 で あ り
：

　 生 史 　 後 巻 （第 三 章 　 国 民 医 療 法 及 関 係 令 規 　 第 一節 　 　 吾 人歯 科 医 師 の 敵 で あ る ，歯 科 公 報 3 （ 18）．昭 利 17
　 国 民 医 療 法 　第 二 節 　国 民 医 療 法 施 行 令 〔抄 ）　 第三 　 　年　　 1942）、
（ 　pl6 ．
　 節 　 国 民 医 療 法 施 行 規 則 〔抄 ））． 日 本 歯 科 医 師 会 ．東 13） 巻 頭 言 ： 歯 科 公 報 ，3 （18），昭 和 17 年 （1942 ）．
1958），45 61． − 14） 余 録 ： 歯 科 公 報 ，3 （18）．昭 和 17 年 q942 ）．
　 京 ，昭 和 33 年 （ ．
3 ） 凵本 歯 科 医 師会 に つ い て （沿 革 ）； 日本 歯 科 医 師 会 ホ ー 15 ） 時 報 ； 医 歯 の 根 本 理 念 に 喰 い 込 ん だ ．．
元か 二 元か の 対
　 ム ペ ー ジ ，http；／／www jda，
， jp／ubout ／enkaku ．
or ． html 　 　 立 深 刻 　 一般 は 国 民 の 上 に立 つ 主張 を要 望 ，
歯 科 公 報．
4） 今 田 見 信 ：ア ル バ ム 29 ）一写 真 で み る 現
とこ ろ どこ ろ （ 　 　3 （ 21 ），昭 和 17 年 （ 1942 ）．32 −34 ．
　 代 史一， 歯学 資 料 ，医 歯 薬 Ill 版 ，東 京 ，1967 ． 16） 川 E 政 雄 ： 論 叢 高 津 　弌 氏 の 公 開 状 に 答 え て ，歯 科 公
5 ） 東 京 歯 科 大 学 白 周 年 記 念 誌 編 纂 委 員 会 ： 第 15 章 　 歯 　 　 報 ，3 （ 26），昭 和 17 年 〔1942），14−15．
　 科 医 業 を め ぐ っ て 　 7 ．国 民 医 療 法 の 公 布 と 新 生 口本 17 ）稲 牛 　 浚 ； 歯 科 医 師 よ り医 師 た る 私 案 ，歯 科 公 報 3
　 歯 科 医 師 会 ，東 京 歯 科 大 学 自年 史 ，平 成 3 年 〔1991 ）， 　　（ 26 ），昭 和 17 年 〔 1942 ），42 −43 ，
　 pl7 ｝．
6） 大 鷹 仁 太 郎 ： 歯 科 の 新 体 制 観 ，歯 科 公 報 ，1 （2），昭 和
　 15 年 （1940 ），28 −29 ．

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