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第3回 ACCCC(1999)その2.プライマリ・ケア.2016;1 (3) :36
第3回 ACCCC(1999)その2.プライマリ・ケア.2016;1 (3) :36
第3回 ACCCC(1999)その2.プライマリ・ケア.2016;1 (3) :36
プライマリ・ケア言始め
−今さら聞けないひととことば−
第3回
このコーナーでは,プライマリ・ケアにおける重要な
(知って わる点,また同家族で何世代にもわたってケアが継続する点
独断と偏見で選び,正式な定義に独自の解釈を加えて解説しま 幅の広さが内科や小児科よりもずっと広いことや,個人全体
す.ここで取り上げてほしい人物や用語,出来事は,編集部
(pc- にとどまらず,家族全体,地域全体を包括的にケアするとい
magazine@primed.co.jp)までお寄せください.また,調査が不 う点において,家庭医の基本原則は他のプライマリ・ケア提
十分で,
引用や定義が間違っている場合は,
優しくご指摘ください. 供者 1)と一線を画すると主張しています.
ACCCC(1999) づいた家庭医独自の特徴としていますが,教科書が出版され
前号 1)
で あげ た Saultz による fundamental principles of れており,個人的には本当に Contextual Care が家庭医独
family medicine(家庭医療の根本原理)
としての ACCCC につ 2)
自の特徴なのか,他のプライマリ・ケア提供者 1)にも見られ
いていくつか補足をしておきます. る特徴なのかは微妙だと考えています.
ケアと訳しています. とはありますが,前述のとおり,一方はすべてのプライマリ・
*それぞれの要素単独では家庭医独自ではないが,その組み合 ケア提供者の特徴,後者は,家庭医独自の根本原理です.こ
わせが家庭医独自であるということ.人参湯は人参・白朮・ の違いを知っていると,格調高い議論ができるかもしれませ
甘草・乾姜の生薬の組み合わせですが,その効果はそれぞれ ん.
の
「それぞれの要素は独自ではないが,それらの組み合わせ がプライマリ・ケア,片方が家庭医という理由かもしれませ
られます
(おそらく McWhinney が先です)
. はっきりせず,まことしやかに
“mystery fifth(謎の 5 番目)
”
順位づけて提供するか,診療所の多職種チームをどうまとめ とになります.
(それは次回に)
.
るか,ということも含んでおり,連携性とか単に紹介と考え
ると本質を失うため,ケアの調整と訳しています. 参考文献
1)岡田唯男.ACCCC(1999).プライマリ・ケア.2016;1(2):48.
*家庭医に限らず多くの医療職によって提供されるよいプラ
2)J Saultz. Textbook of Family Medicine: Defining and Examining the
イマリ・ケアの特徴としての ACCCA4)と最初の四つは表 Discipline. McGraw-Hill Professional Publishing, 1999.
3)Thomas R Freeman. McWhinney's Textbook of Family Medicine. 4th ed,
現が違えど,同様の概念をさしています.しかし,とくに
Oxford University Press, 2016.( 初版は 1981)
Continuity of Care についてはいわゆる揺りかごから墓場ま 4)岡田唯男.ACCCA(1978,1996).プライマリ・ケア.2016;1(1):44.
で
(最近は妊娠前カウンセリングからグリーフケアまで)かか