数学I

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Math-Aquarium【例題】式の展開と因数分解

式の展開と因数分解

1 整式
(1) 次の整式の同類項をまとめて整理せよ。
① 3x-x2+4x+5+2x2 ② 2x2+3xy+2x+2xy+3y2+2y+2x+3y+2
(2) 次の整式の [ ] 内の文字に着目したときの次数と定数項を答えよ。
① x2+2xy+y2-1 [ x ] ② a3+a2b2+2a2+2b-2 [ a ],[ a と b ]
(3) 次の整式を,x について降べきの順に整理せよ。
① 2x+x3-2-x2 ② x2+y2+1+2xy+2y+2x
(4) A=x2-xy+y2,B=3x2+3xy-y2 のとき,次の計算をせよ。
① A+B ② 4B-{3A-2(A-2B)}

要 点
Point
単項式
2x や-3ay2 のように,文字や数の積として表される式を 単項式 という。単項式において,掛けた文字
の個数を 次数 といい,数の部分を 係数 という。
整式
単項式の和として表される式を 多項式 といい,各単項式をその多項式の 項 という。単項式と多項式
を合わせて 整式 という。
整式の整理
・整式において,文字の部分が同じである項を 同類項 という。
・同類項をまとめた整式において,各項の次数のうちで最も高いものをその整式の 次数 といい,次数
が n である整式を n 次式 という。2 種類以上の文字を含む整式では,ある特定の文字だけに着目して
次数を考えることもある。着目した文字を含まない項を 定数項 という。
・整式は,ある文字について,次のように整理して表すことが多い。
降べきの順 に整理……次数の高い項から低い項へ順に並べる。
昇べきの順 に整理……次数の低い項から高い項へ順に並べる。
〈注意〉先頭の項を見れば,その整式の次数が分かるなどの理由から,降べきの順に整理することが多い。

解答
(1) ① 3x-x2+4x+5+2x2=(-1+2)x2+(3+4)x+5=x2+7x+5
② 2x2+3xy+2x+2xy+3y2+2y+2x+3y+2=2x2+(3+2)xy+3y2+(2+2)x+(2+3)y+2
=2x2+5xy+3y2+4x+5y+2
(2) ① 次数は 2,定数項は y2-1
② 整式 a3+a2b2+2a2+2b-2 において,
a に着目すると,次数は 3,定数項は 2b-2
a と b に着目すると,次数は 4,定数項は-2

1
Math-Aquarium【例題】式の展開と因数分解

(3) ① 2x+x3-2-x2=x3-x2+2x-2
② x2+y2+1+2xy+2y+2x=x2+2(y+1)x+y2+1+2y
(4) ① A+B=(x2-xy+y2)+(3x2+3xy-y2)=x2-xy+y2+3x2+3xy-y2
=4x2+2xy
② 4B-{3A-2(A-2B)}=4B-(3A-2A+4B)
まず,A,B について整理してから代入する
=4B-A-4B
方が,最初から代入して計算するより計算
=-A
量が少なくなることが多い。
=-(x2-xy+y2)
=-x2+xy-y2

2 整式の乗法
(1) 次の式を計算せよ。
① x2×3x3 ② (-a3b)2×2a2b
(2) 次の式を展開せよ。
① 3xy(x-2y) ② (2a-1)(3a+2b-1)

要 点
Point
指数法則
m,n が正の整数のとき,次の指数法則が成り立つ。
am×an=am+n (am)n=amn (ab)n=anbn
分配法則
いくつかの整式の積を 1 つの整式で表すことを 展開 するという。式の展開では,次の分配法則が用い
られる。
A(B+C)=AB+AC (A+B)C=AC+BC

解答
(1) ① x2×3x3=3×x2+3=3x5
② (-a3b)2×2a2b=(-1)2a3×2b2×2a2b=2×a6+2×b2+1=2a8b3
(2) ① 3xy(x-2y)=3xy∙x+3xy∙(-2y)=3x2y-6xy2
② (2a-1)(3a+2b-1)=2a(3a+2b-1)-1∙(3a+2b-1)=6a2+4ab-2a-3a-2b+1
=6a2+4ab-5a-2b+1
〈注意〉積 3xy×x を 3xy∙x と書くことがある。

2
Math-Aquarium【例題】式の展開と因数分解

3 乗法公式
次の式を展開せよ。
(1) (x+2)2 (2) (3x-2y)2 (3) (a+4)(a-4)
(4) (x+2)(x-3) (5) (x+5)(2x-3) (6) (3a+b)(2a-3b)

要 点
Point
次の乗法公式を利用する。
1 (a+b)2=a2+2ab+b2 (a-b)2=a2-2ab+b2
2 (a+b)(a-b)=a2-b2
3 (x+a)(x+b)=x2+(a+b)x+ab
4 (ax+b)(cx+d)=acx2+(ad+bc)x+bd

解答
(1) (x+2)2=x2+2∙x∙2+22=x2+4x+4
(2) (3x-2y)2=(3x)2-2∙3x∙2y+(2y)2=9x2-12xy+4y2
(3) (a+4)(a-4)=a2-42=a2-16
(4) (x+2)(x-3)=x2+(2-3)x+2∙(-3)=x2-x-6
(5) (x+5)(2x-3)=(1∙2)x2+{1∙(-3)+5∙2}x+5∙(-3)=2x2+7x-15
(6) (3a+b)(2a-3b)=(3∙2)a2+{3∙(-3b)+b∙2}a+b∙(-3b)=6a2-7ab-3b2
〈注意〉式の展開は,分配法則を用いると必ず計算できる。例えば,3 (6) は,2 (2) ②のように
(3a+b)(2a-3b)=3a(2a-3b)+b(2a-3b)=6a2-9ab+2ab-3b2
=6a2-7ab-3b2
とすることもできる。

4 展開の工夫
次の式を展開せよ。
(1) (x+y+z)(x+y-z) (2) (a+b+c)2
(3) (x+2)2(x-2)2 (4) (a+1)(a+2)(a+3)(a+4)

要 点
Point 置き換えを利用する。
(1),(2)
(3),(4) 掛け合わせる順番を工夫する。

解答
(1) x+y=A とおくと (x+y+z)(x+y-z)=(A+z)(A-z)=A2-z2=(x+y)2-z2
=x2+2xy+y2-z2

3
Math-Aquarium【例題】式の展開と因数分解

(2) a+b=A とおくと


(a+b+c)2=(A+c)2=A2+2Ac+c2=(a+b)2+2(a+b)c+c2
=a2+2ab+b2+2ac+2bc+c2
=a2+b2+c2+2ab+2bc+2ca
〈注意〉(a+b+c)2=a2+b2+c2+2ab+2bc+2ca は公式として覚えておくとよい。
(3) (x+2) (x-2) ={(x+2)(x-2)} =(x -4) =x -8x2+16
2 2 2 2 2 4

(4) (a+1)(a+2)(a+3)(a+4)={(a+1)(a+4)}{(a+2)(a+3)}=(a2+5a+4)(a2+5a+6)
={(a2+5a)+4}{(a2+5a)+6}
共通の式 a2+5a が出るよう
=(a2+5a)2+10(a2+5a)+24
に,掛け合わせる順番を工夫
=a4+10a3+25a2+10a2+50a+24
する。
=a4+10a3+35a2+50a+24

5 因数分解(1)
次の式を因数分解せよ。
(1) 4x2y+6xy3 (2) a2+6a+9 (3) 4x2-20xy+25y2
(4) x2-49 (5) x2+5x+6 (6) a2-ab-12b2

要 点
Point
1 つの整式を 2 つ以上の整式の積の形に変形することを 因数分解 するといい,積を作っている各整式を
因数 という。
共通因数のくくり出し
整式の各項に共通な因数があれば,それをかっこの外にくくり出す。
ma+mb=m(a+b)
因数分解の公式
乗法公式の逆の計算である,次の因数分解の公式を利用する。
1 a2+2ab+b2=(a+b)2 a2-2ab+b2=(a-b)2
2 a2-b2=(a+b)(a-b)
3 x2+(a+b)x+ab=(x+a)(x+b)

解答
(1) 4x2y+6xy3=2xy∙2x+2xy∙3y2=2xy(2x+3y2)
(2) a2+6a+9=a2+2∙a∙3+32=(a+3)2
(3) 4x2-20xy+25y2=(2x)2-2∙2x∙5y+(5y)2=(2x-5y)2
(4) x2-49=x2-72=(x+7)(x-7)
(5) x2+5x+6=x2+(2+3)x+2∙3=(x+2)(x+3)
(6) a2-ab-12b2=a2+(3b-4b)a+3b∙(-4b)=(a+3b)(a-4b)

4
Math-Aquarium【例題】式の展開と因数分解

6 因数分解(2)(たすき掛けの利用)
次の式を因数分解せよ。
(1) 2x2+5x-3
(2) 6x2-5xy-4y2

要 点
Point
乗法公式の逆の計算である,次の因数分解の公式を利用する。
4 acx2+(ad+bc)x+bd=(ax+b)(cx+d)

a b bc
これは右のような図を用いるとよい。このような因数分解の c d ad
方法を たすき掛け という。 ad+bc

(1) 2x2+5x-3 を,たすき掛けを利用して因数分解してみよう。


2x2+5x-3=(ax+b)(cx+d) と因数分解できるとすると,2x2+5x-3=acx2+(ad+bc)x+bd と書ける。
ac=2,bd=-3 から,ad+bc=5 となる a,b,c,d を見つければよい。a=1,c=2 とする。このとき
(b,d)=(1,-3),(-1,3),(3,-1),(-3,1) から,次の 4 つの場合が考えられる。

① 1 1 2 ② 1 -1 -2
2 -3 -3 2 3 3
-1 1

③ 1 3 6 ④ 1 -3 -6
2 -1 -1 2 1 1
5 -5

このうち,ad+bc=5 を満たすのは③の場合であるから
2x2+5x-3=(x+3)(2x-1)

解答
(1) 2x2+5x-3=(x+3)(2x-1) 1 3 6
2 -1 -1
5

(2) 6x2-5xy-4y2=(2x+y)(3x-4y) 2 y 3y
3 -4y -8y
-5y

5
Math-Aquarium【例題】式の展開と因数分解

7 因数分解の工夫(置き換えの利用)
次の式を因数分解せよ。
(1) (x+y)2+2(x+y)-8 (2) a-1+b(1-a)
2 2
(3) x +2xy+y -4 (4) (a-3b)(a-3b+3)-10

要 点
(1) Point
x+y=A とおく。
(2),(3) 置き換えが利用できるように変形する。
(4) a-3b=A とおく。

解答
(1) x+y=A とおくと (x+y)2+2(x+y)-8=A2+2A-8=(A+4)(A-2)=(x+y+4)(x+y-2)
(2) a-1+b(1-a)=(a-1)-b(a-1) から,a-1=A とおくと
a-1+b(1-a)=A-bA=A(1-b)=(a-1)(1-b)
(3) x +2xy+y2-4=(x+y)2-4 から,x+y=A とおくと
2

x2+2xy+y2-4=A2-4=(A+2)(A-2)=(x+y+2)(x+y-2)
(4) a-3b=A とおくと (a-3b)(a-3b+3)-10=A(A+3)-10=A2+3A-10=(A+5)(A-2)
=(a-3b+5)(a-3b-2)

8 因数分解の工夫(1 つの文字について整理する)
次の式を因数分解せよ。
(1) a2+ab-2b-4 (2) x2+xy-2y2+2x-5y-3

要 点
(1) Point
複数の種類の文字を含む式の因数分解では,次数の低い文字,本問では b について整理するとよい。
(2) x,y どちらについても 2 次式で,次数が同じである。このとき,x2 の係数が 1 である x について
整理すると計算量が少なくなることが多い。y について整理しても因数分解できる。

解答
(1) a2+ab-2b-4=(a-2)b+a2-4=(a-2)b+(a+2)(a-2)=(a-2)(b+a+2)
=(a-2)(a+b+2)
1 1 2
(2) x +xy-2y +2x-5y-3=x2+(y+2)x-(2y2+5y+3)
2 2

2 3 3
5
=x2+(y+2)x-(y+1)(2y+3)

1 -(y+1) -y-1
={x-(y+1)}{x+(2y+3)} 1 (2y+3) 2y+3
=(x-y-1)(x+2y+3) y+2

6
Math-Aquarium【例題】式の展開と因数分解

別解 x2+xy-2y2+2x-5y-3=-2y2+(x-5)y+(x2+2x-3)
=-2y2+(x-5)y+(x-1)(x+3) -1 (x-1) 2x-2

={-y+(x-1)}{2y+(x+3)} 2 (x+3) -x-3

=(x-y-1)(x+2y+3) x-5

研究1 3 次式の乗法公式,因数分解の公式
(1) 次の式を展開せよ。
① (x+2)3 ② (3a-4b)3
③ (a-3)(a2+3a+9) ④ (2x+3y)(4x2-6xy+9y2)
(2) 次の式を因数分解せよ。
① x3+8 ② 27x3-125y3

要 点
Point
展開は,次の 3 次式の乗法公式を利用する。
5 (a+b)3=a3+3a2b+3ab2+b3 (a-b)3=a3-3a2b+3ab2-b3
6 (a+b)(a2-ab+b2)=a3+b3 (a-b)(a2+ab+b2)=a3-b3
〈注意〉次のように実際に展開すると確認できる。
(a+b)3=(a+b)(a+b)2=(a+b)(a2+2ab+b2)=a(a2+2ab+b2)+b(a2+2ab+b2)
=a3+2a2b+ab2+a2b+2ab2+b3
=a3+3a2b+3ab2+b3
(a+b)(a2-ab+b2)=a(a2-ab+b2)+b(a2-ab+b2)=a3-a2b+ab2+a2b-ab2+b3
=a3+b3
(a-b)3=a3-3a2b+3ab2-b3,(a-b)(a2+ab+b2)=a3-b3 も同様に確認できる。

因数分解は,乗法公式の逆である次の公式を利用する。
6 a3+b3=(a+b)(a2-ab+b2) a3-b3=(a-b)(a2+ab+b2)

解答
(1) ① (x+2)3=x3+3∙x2∙2+3∙x∙22+23=x3+6x2+12x+8
② (3a-4b)3=(3a)3-3∙(3a)2∙4b+3∙3a∙(4b)2-(4b)3
=27a3-108a2b+144ab2-64b3
③ (a-3)(a2+3a+9)=(a-3)(a2+a∙3+32)=a3-33=a3-27
④ (2x+3y)(4x2-6xy+9y2)=(2x+3y){(2x)2-2x∙3y+(3y)2}=(2x)3+(3y)3
=8x3+27y3
(2) ① x3+8=x3+23=(x+2)(x2-x∙2+22)=(x+2)(x2-2x+4)
② 27x3-125y3=(3x)3-(5y)3=(3x-5y){(3x)2+3x∙5y+(5y)2}
=(3x-5y)(9x2+15xy+25y2)

7
Math-Aquarium【例題】式の展開と因数分解

研究2 複 2 次式の因数分解
次の式を因数分解せよ。
(1) x4-10x2+9
(2) x4+x2+1
〈注意〉x2=X とおくと 2 次式 aX2+bX+c となる式,すなわち,ax4+bx2+c の形の式を 複 2 次式 という。

要 点
(1) Point
x4=(x2)2 であるから,x2=X とおく。
(2) 複 2 次式において,本問のように x2=X とおいても因数分解できないものは,( )2-( )2 の形に
変形することを考える。

解答
(1) x2=X とおくと
x4-10x2+9=(x2)2-10x2+9
=X2-10X+9
=(X-1)(X-9)
=(x2-1)(x2-9)
=(x+1)(x-1)(x+3)(x-3)
2 2 4 2
(2) (x +1) =x +2x +1 から
x4+x2+1=x4+2x2+1-x2=(x2+1)2-x2
と変形できる。このことから
x4+x2+1=(x2+1)2-x2
={(x2+1)+x}{(x2+1)-x}
=(x2+x+1)(x2-x+1)

8
Math-Aquarium【練習問題+解答】式の展開と因数分解

式の展開と因数分解

(1) 次の整式を [ ] 内の文字について降べきの順に整理し,[ ] 内の文字に着目したときの次数と
定数項を答えよ。
① 2a2+3+a4+2a4+3a2+a6 [a]
2 2 2
② x +y +z +xy+yz+zx [z]
2 2
(2) A=x +2ax+2,B=a -3ax+1 のとき,次の計算をせよ。
① 3A+2B
② A-{2B+3(A-2B)}

解答
(1) ① 2a2+3+a4+2a4+3a2+a6=a6+3a4+5a2+3
次数は 6,定数項は 3
② x2+y2+z2+xy+yz+zx=z2+(x+y)z+x2+y2+xy
次数は 2,定数項は x2+y2+xy
(2) ① 3A+2B=3(x2+2ax+2)+2(a2-3ax+1)=3x2+6ax+6+2a2-6ax+2
=3x2+2a2+8
② A-{2B+3(A-2B)}=A-(2B+3A-6B)=A-2B-3A+6B=-2A+4B
=-2(x2+2ax+2)+4(a2-3ax+1)=-2x2-4ax-4+4a2-12ax+4
=-2x2-16ax+4a2


(1) 次の式を計算せよ。
① (-2a2b)3 ② x2y3×(-xy2z)2
(2) 次の式を展開せよ。
① (x2-x-1)(2x+1) ② (a+b+1)(2a-3b-1)

解答
(1) ① (-2a2b)3=(-2)3a2×3b3=-8a6b3
② x2y3×(-xy2z)2=x2y3×(-1)2x2y2×2z2=1×x2+2×y3+4×z2=x4y7z2
(2) ① (x2-x-1)(2x+1)=(x2-x-1)∙2x+(x2-x-1)∙1=2x3-2x2-2x+x2-x-1
=2x3-x2-3x-1
② (a+b+1)(2a-3b-1)=a(2a-3b-1)+b(2a-3b-1)+1∙(2a-3b-1)
=2a2-3ab-a+2ab-3b2-b+2a-3b-1
=2a2-ab-3b2+a-4b-1

1
Math-Aquarium【練習問題+解答】式の展開と因数分解

3 次の式を展開せよ。
(1) (a-2b)2 (2) (3+2x)(3-2x)
(3) (a-5)(a+7) (4) (5x-4y)(3x+2y)

解答
(1) (a-2b)2=a2-2∙a∙2b+(2b)2=a2-4ab+4b2
(2) (3+2x)(3-2x)=32-(2x)2=9-4x2
(3) (a-5)(a+7)=a2+(-5+7)a-5∙7=a2+2a-35
(4) (5x-4y)(3x+2y)=(5∙3)x2+{5∙2y+(-4y)∙3}x-4y∙2y=15x2-2xy-8y2

4 次の式を展開せよ。
(1) (x2+x+1)2 (2) (4a2+1)(2a+1)(2a-1)

解答
(1) x2+x=A とおくと (x2+x+1)2=(A+1)2=A2+2A+1=(x2+x)2+2(x2+x)+1
=x4+2x3+x2+2x2+2x+1=x4+2x3+3x2+2x+1
別解 (a+b+c)2=a2+b2+c2+2ab+2bc+2ca において,a=x2,b=x,c=1 を代入すると
(x2+x+1)2=(x2)2+x2+12+2∙x2∙x+2∙x∙1+2∙1∙x2
=x4+x2+1+2x3+2x+2x2=x4+2x3+3x2+2x+1
(2) (4a2+1)(2a+1)(2a-1)=(4a2+1){(2a)2-12}=(4a2+1)(4a2-1)=(4a2)2-12
=16a4-1

5 次の式を因数分解せよ。
1
(1) 3ax2-6a2b (2) 16a2+8a+1 (3) x2-x+
4
(4) 64x2-25y2 (5) a2+3ab-10b2 (6) 3x2-12

解答
(1) 3ax2-6a2b=3a∙x2-3a∙2ab=3a(x2-2ab)
(2) 16a2+8a+1=(4a)2+2∙4a∙1+12=(4a+1)2
2 2
1 1 1  1
(3) x -x+ =x2-2∙x∙ +   =  x- 
2
4 2  2  2
(4) 64x2-25y2=(8x)2-(5y)2=(8x+5y)(8x-5y)
(5) a2+3ab-10b2=a2+(5b-2b)a+5b∙(-2b)=(a+5b)(a-2b)
(6) 3x2-12=3(x2-4)=3(x2-22)=3(x+2)(x-2)

2
Math-Aquarium【練習問題+解答】式の展開と因数分解

6 次の式を因数分解せよ。
(1) 3x2+5x-2 (2) 4a2+8a+3
(3) 6x2+xy-2y2 (4) 8a2-14ab-15b2

解答
(1) 3x2+5x-2=(x+2)(3x-1) 1 2 → 6
3 -1 → -1
5

(2) 4a2+8a+3=(2a+1)(2a+3) 2 1 → 2
2 3 → 6
8

(3) 6x2+xy-2y2=(2x-y)(3x+2y) 2 -y → -3y


3 2y → 4y
y

(4) 8a2-14ab-15b2=(2a-5b)(4a+3b) 2 -5b → -20b


4 3b → 6b
-14b

7 次の式を因数分解せよ。
(1) (x+y+1)(x+y+2)-6 (2) 4a2-9b2+6bc-c2

解答
(1) x+y=A とおくと
(x+y+1)(x+y+2)-6=(A+1)(A+2)-6=A2+3A+2-6=A2+3A-4
=(A+4)(A-1)
=(x+y+4)(x+y-1)
(2) 4a -9b +6bc-c =4a -(9b -6bc+c )=4a -{(3b)2-2∙3b∙c+c2}=4a2-(3b-c)2 から
2 2 2 2 2 2 2

3b-c=A とおくと
4a2-9b2+6bc-c2=4a2-A2=(2a)2-A2=(2a+A)(2a-A)
={2a+(3b-c)}{2a-(3b-c)}
=(2a+3b-c)(2a-3b+c)

3
Math-Aquarium【練習問題+解答】式の展開と因数分解

8 次の式を因数分解せよ。
(1) x2-2xy+3x-4y+2 (2) 6ab+4a-3b-2
2 2
(3) 2x +3xy-2y +x+2y (4) 2x2+7xy+3y2-5x-10y+3

解答
(1) x2-2xy+3x-4y+2=(-2x-4)y+x2+3x+2=-2(x+2)y+(x+1)(x+2)
=(x+2){-2y+(x+1)}=(x+2)(x-2y+1)
(2) 6ab+4a-3b-2=2a(3b+2)-(3b+2)
=(3b+2)(2a-1)
別解 6ab+4a-3b-2=3b(2a-1)+2(2a-1)=(2a-1)(3b+2)
(3) 2x +3xy-2y2+x+2y=2x2+(3y+1)x-2y2+2y
2

1 2y → 4y
=2x2+(3y+1)x-2y(y-1)
2 -(y-1) → -y+1
=(x+2y){2x-(y-1)}
3y+1
=(x+2y)(2x-y+1)
〈注意〉y について降べきの順に整理しても,同様に因数分解できる。
別解 まず 2 次の項を因数分解する。
2x2+3xy-2y2+x+2y=(x+2y)(2x-y)+x+2y 1 2y → 4y
=(x+2y)(2x-y+1) 2 -y → -y
3y

(4) 2x2+7xy+3y2-5x-10y+3=2x2+(7y-5)x+3y2-10y+3 1 -3 → -9
3 -1 → -1
=2x2+(7y-5)x+(y-3)(3y-1) -10

1 (3y-1) → 6y-2
={x+(3y-1)}{2x+(y-3)}
2 (y-3) → y-3
=(x+3y-1)(2x+y-3)
7y-5

〈注意〉y について降べきの順に整理しても,同様に因数分解できる。
別解 まず 2 次の項を因数分解する。
2x2+7xy+3y2-5x-10y+3=(x+3y)(2x+y)-5x-10y+3 1 3y → 6y
このとき,次のような t の 2 次式 2 y → y
2
(x+3y)(2x+y)t +(-5x-10y)t+3 7y
を考え,たすき掛けを利用して因数分解をすると
(x+3y) -1 → -2x -y
(x+3y)(2x+y)t2+(-5x-10y)t+3
(2x+y) -3 → -3x-9y
={(x+3y)t-1}{(2x+y)t-3}
-5x-10y
ここで,t=1 を代入すると
(x+3y)(2x+y)-5x-10y+3=(x+3y-1)(2x+y-3)

4
Math-Aquarium【練習問題+解答】式の展開と因数分解

研究1
(1) 次の式を展開せよ。
① (3x-1)3 ② (4a+3b)(16a2-12ab+9b2)
(2) 次の式を因数分解せよ。
① 1-a3 ② 1000x3+y3

解答
(1) ① (3x-1)3=(3x)3-3∙(3x)2∙1+3∙3x∙12-13=27x3-27x2+9x-1
② (4a+3b)(16a2-12ab+9b2)=(4a+3b){(4a)2-4a∙3b+(3b)2}=(4a)3+(3b)3
=64a3+27b3
(2) ① 1-a3=13-a3=(1-a)(12+1∙a+a2)=(1-a)(1+a+a2)
② 1000x3+y3=(10x)3+y3=(10x+y){(10x)2-10x∙y+y2}
=(10x+y)(100x2-10xy+y2)

研究2 次の式を因数分解せよ。
4
(1) x -1 (2) x4-2x2-8
(3) x4+4 (4) x4-3x2+1

解答
(1) x2=X とおくと x4-1=(x2)2-1=X2-1=(X+1)(X-1)=(x2+1)(x2-1)
=(x2+1)(x+1)(x-1)
(2) x2=X とおくと x4-2x2-8=(x2)2-2x2-8=X2-2X-8=(X+2)(X-4)=(x2+2)(x2-4)
=(x2+2)(x+2)(x-2)
(3) (x2+2)2=x4+4x2+4 から
x4+4=x4+4x2+4-4x2=(x2+2)2-4x2
と変形できる。このことから
x4+4=(x2+2)2-4x2={(x2+2)+2x}{(x2+2)-2x}
=(x2+2x+2)(x2-2x+2)
(4) (x2-1)2=x4-2x2+1 から
x4-3x2+1=x4-2x2+1-x2=(x2-1)2-x2
と変形できる。このことから
x4-3x2+1=(x2-1)2-x2={(x2-1)+x}{(x2-1)-x}
=(x2+x-1)(x2-x-1)

5
Math-Aquarium【例題】実数,1 次不等式

実数,1 次不等式
1 実数
(1) 次の分数を小数で表せ。
1 1 1
① ② ③
6 8 11
(2) 次の循環小数を分数で表せ。
① 0.5 ② 0.0 7 ③ 1.2 34

要 点
Point
有理数
m
m,n は整数,n≠0 として,分数 の形で表される数を 有理数 という。
n
整数は有理数に含まれる。整数でない有理数を小数で表すと, 有限小数 となるか,または循環する
無限小数( 循環小数 )となる。
整数
有理数の和,差,積,商は有理数となる。
有理数 有限小数
ただし,0 で割ることは考えない。
実数 循環小数
実数 無限小数
無理数(循環しない無限小数)
2 =1.41421……,π=3.14159……
のように循環しない無限小数を 無理数 という。
m m
整数,有限小数,循環小数は分数 の形で表すことができるが,無理数は分数 の形で表せない。
n n
有理数と無理数を合わせて 実数 という。
実数の和,差,積,商は実数となる。ただし,0 で割ることは考えない。

(2) ① x= 0.5 とおくと,10x= 5.5 である。このとき,10x-x は整数となるから,x を求めることが


できる。(2) ②,③も同様。

解答
1
(1) ① =0.1666……= 0.16
6
〈注意〉循環小数は,循環する部分の最初と最後の数字の上に・を付けて表す。
1
② =0.125
8

1
③ =0.090909……= 0.0 9
11

1
Math-Aquarium【例題】実数,1 次不等式

(2) ① x= 0.5 とおくと,10x= 5.5 であるから 10x=5.555……


10x-x=5 -) x=0.555……
5 9x=5
よって x=
9
② x= 0.0 7 とおくと,100x= 7.0 7 であるから
100x=7.0707……
100x-x=7
-) x=0.0707……
7 99x=7
よって x=
99
③ x= 1.2 34 とおくと,1000x=1234.2 34 であるから
1000x=1234.234234……
1000x-x=1233
-) x= 1.234234……
137 999x=1233
よって x=
111

2 絶対値とその性質
 3
(1) 次の数直線上に点 P-  , Q 2 をとれ。  
 2

-3 -2 -1 0 1 2 3

(2) 次の値を求めよ。
① | -3 | ② | 5 -3 |
(3) | 3 -2 | | 3 +2 | の値を求めよ。

要 点
Point
数直線
直線上に点 O をとり,
OE=1 となるように点 E をとる。
点 O からみて点 E のある側を正の向きと定める。
正の向きを右にした直線上の点 P に対して,次のように実数を対応させることができる。
点 P が点 O の右側にあり,線分 OP の長さが a のとき,実数 a
点 P が点 O の左側にあり,線分 OP の長さが a のとき,実数-a
また,点 O には実数 0 を対応させる。このように,直線上の各点に実数を対応させるとき,この直線を
数直線 といい,点 O をその 原点 という。
O E A
数直線上において,点 A に実数 a が対応しているとき,
a を点 A の 座標 といい,点 A を A(a) と表す。 0 1 a
絶対値
数直線上において,原点 O(0)から点 A(a)までの距離 OA を実数 a の 絶対値 をいい,| a | と表す。
実数 a の絶対値について,次のことが成り立つ。
a≧0 のとき | a | =a a<0 のとき | a | =-a

2
Math-Aquarium【例題】実数,1 次不等式

絶対値の性質
実数 a,b の絶対値について,次の性質が成り立つ。
・| a | ≧0 | a | =0 となるのは,a=0 のときに限る。
・| -a | = | a | ・| a |2=a2 ・| a | | b | = | ab |
|a| a
・ = ただし b≠0
|b| b

解答
(1)  3
P - 
 2
 
Q 2 平方根の近似値の語呂合わせ
ひと夜ひと夜に人見ごろ
・ ・ 2 =1. 4 1 4 2 1 3 5 6……
-3 -2 -1 0 1 2 3

(2) ① | -3 | =3 人なみにおごれや

② 5 -3<0 であるから | 5 -3 | =- 5 +3 3 =1. 7 3 2 0 5 0 8……

(3) | 3 -2 | | 3 +2 | = | ( 3 -2)( 3 +2) | 富士山麓オーム鳴く


= | 3-4 | = | -1 | =1 5 =2.2 3 6 0 6 7 9……

3 平方根
(1) 次の値を求めよ。

① ( 3 )2 ② (-5) 2

(2) 次の式を簡単にせよ。
20
① 12 ② 3 6 ③ ④ 0.08
5

要 点
Point
平方根
2 乗して a になる数を,a の 平方根 という。
正の数 a の平方根は正と負の 2 つあり,正の方を a ,負の方を- a で表し,まとめて± a と書く。
0 の平方根は 0 だけであり, 0 =0 とする。負の数の平方根は,実数の範囲には存在しない。
平方根の性質
a≧0 のとき ( a )2=a, (- a )2=a, a ≧0
a≧0 のとき a 2 =a, a<0 のとき a 2 =-a すなわち a2 = | a |
a>0,b>0,k>0 のとき
a a
・ a b = ab ・ = ・ k 2 a =k a
b b

3
Math-Aquarium【例題】実数,1 次不等式

解答
(1) ① ( 3 )2=3

② (-5) 2 = | -5 | =5

(2) ① 12 = 2 2  3 = 2 3
② 3 6 = 3 6 = 3 2  2 = 3 2
20 20
③ = = 4 = 2 2 =2
5 5
8 8 22  2 2 2 2
④ 0.08 = = = = =
100 100 10 2 10 5

4 根号を含む式の計算,分母の有理化
(1) 次の式を計算せよ。
① 20 + 80 ② (2+ 3 )(2- 3 )
2
③ (1+ 5 ) ④ ( 2 + 3 )( 2 2 - 3 3 )
(2) 次の式の分母を有理化せよ。
1 2+ 6 1 5+ 3
① ② ③ ④
2 3 2+ 3 5- 3

要 点
(1) Point
根号内が同じものを同類項のように扱う。
(2) ( a )2=a, ( a + b )( a - b )=a-b を利用する。
例えば,①では 2 を,③では 2- 3 を分母,分子に掛ければ,分母を有理化できる。

解答
(1) ① 20 + 80 = 2 2  5 + 4 2  5 = 2 5 + 4 5 = 6 5
② (2+ 3 )(2- 3 )=22-( 3 )2=4-3=1
③ (1+ 5 )2=12+2∙1∙ 5 +( 5 )2=1+ 2 5 +5=6+ 2 5
④ ( 2 + 3 )( 2 2 - 3 3 )=(1∙2)( 2 )2+{1∙(- 3 3 )+ 3 ∙2} 2 +{1∙(-3)}( 3 )2
=2∙2+(- 3 )∙ 2 +(-3)∙3=4- 6 -9=-5- 6
別解 ( 2 + 3 )( 2 2 - 3 3 )= 2 ∙ 2 2 + 2 ∙(- 3 3 )+ 3 ∙ 2 2 + 3 ∙(- 3 3 )
=4- 3 6 + 2 6 -9=-5- 6

4
Math-Aquarium【例題】実数,1 次不等式

1 2 2
(2) ① = =
2 2 2 2
2+ 6 (2+ 6 ) 3 2 3+3 2
② = =
3 3 3 3
1 2- 3 2- 3 2- 3
③ = = = =2- 3
2+ 3 (2+ 3 )(2- 3 ) 2 -( 3 )
2 2 4-3

5+ 3 ( 5+ 3 ) 2 ( 5 ) 2 +2  5  3+( 3 ) 2 5+2 15+3 8+2 15


④ = = = = =4+ 15
5- 3 ( 5- 3 )( 5+ 3 ) ( 5 ) -( 3 )
2 2
5-3 2

5 不等式の性質
a<b のとき,次の にあてはまる不等号を入れよ。
1 1
(1) a+2 b+2 (2) a-3 b-3 (3) a b
2 2

a b
(4) -4a -4b (5) (6) 6-5a 6-5b
-3 -3

要 点
Point
不等式の性質
1 a<b ならば a+c<b+c, a-c<b-c
(不等式の両辺に,同じ数を足したり引いたりしても,不等号の向きは変わらない。

a b
2 a<b,c>0 ならば ac<bc, <
c c
(不等式の両辺に,同じ正の数を掛けたり割ったりしても,不等号の向きは変わらない。

a b
3 a<b,c<0 ならば ac>bc, >
c c
(不等式の両辺に,同じ負の数を掛けたり割ったりすると,不等号の向きが変わる。

解答
(1) a+2 < b+2
(2) a-3 < b-3
1 1
(3) a < b
2 2
(4) -4a > -4b
a b
(5) >
-3 -3
(6) a<b のとき, -5a>-5b であり,この両辺に 6 を足しても不等号の向きは変わらないから
6-5a > 6-5b

5
Math-Aquarium【例題】実数,1 次不等式

6 1 次不等式
次の不等式を解け。
(1) x-3<1 (2) -2x≧4 (3) 3x+1>-5 (4) -4x+3≦-5
x x 1
(5) 4x+3≧2x+1 (6) 7-x≦4x+2 (7) 3(x-2)>4x (8) -1< -
2 3 2

要 点
Point まず,ax<b の形に変形して,x の係数 a の符号に注意して両辺を a で割る。
(1)~(6)
不等号が,>,≦,≧の場合も同様。
(7) まず,かっこをはずす。
(8) まず,分母の最小公倍数を両辺に掛けて,係数を整数にする。

解答
(1) x-3<1
移項して x<4
(2) -2x≧4
両辺を-2 で割って x≦-2
(3) 3x+1>-5
移項して 3x>-6
両辺を 3 で割って x>-2
(4) -4x+3≦-5
移項して -4x≦-8
両辺を-4 で割って x≧2
(5) 4x+3≧2x+1
移項して 4x-2x≧1-3 整理して 2x≧-2
両辺を 2 で割って x≧-1
(6) 7-x≦4x+2
移項して -x-4x≦2-7 整理して -5x≦-5
両辺を-5 で割って x≧1
(7) 3(x-2)>4x
かっこをはずして 3x-6>4x
移項して 3x-4x>6 整理して -x>6
両辺を-1 で割って x<-6
x x 1
(8) -1< -
2 3 2
両辺に 6 を掛けて 3x-6<2x-3
移項して 3x-2x<-3+6 整理して x<3

6
Math-Aquarium【例題】実数,1 次不等式

7 連立不等式
(1) 次の連立不等式を解け。
 x ≦ 2 x+1  3( x-1)>5( x+1)
①  ② 
 9 x-5<2 x+9  3( x+2) ≦ 5( x+2)
(2) 不等式 -x+1<2x+1<4x-5 を解け。

要 点
Point
数直線を利用して,それぞれの不等式の解の共通範囲を求める。

(2) 不等式 A<B<C は,連立不等式 


A<B
と同じであるから,これを解く。
 B<C

解答
 x ≦ 2 x+1     ⅰ()
(1) ① 
 9 x-5<2 x+9   
 (ⅱ)
(ⅳ)
(ⅰ) から -x≦1 (ⅲ)

よって x≧-1 ……(ⅲ)


-1 2 x
(ⅱ) から 9x-2x<9+5
よって 7x<14
これを解いて x<2 ……(ⅳ) 〈注意〉● は,その点を表す数が解に含まれる
(ⅲ) と (ⅳ) の共通範囲を求めて -1≦x<2 ことを示し,〇 は,その点を表す数が
 3( x-1)>5( x+1)     ⅰ
() 解に含まれないことを示す。
② 
 3( x+2) ≦ 5( x+2)   
 (ⅱ)
(ⅰ) から 3x-3>5x+5
よって -2x>8
これを解いて x<-4 ……(ⅲ)
(ⅱ) から 3x+6≦5x+10 (ⅳ)
(ⅲ)
よって -2x≦4
これを解いて x≧-2 ……(ⅳ) -4 -2 x
(ⅲ) と (ⅳ) の共通範囲はないから, 解はない。
 -x+1<2 x+1    ⅰ()
(2) 
 2 x+1<4 x-5   
 (ⅱ)
(ⅰ) から -3x<0 (ⅳ)
よって x>0 ……(ⅲ) (ⅲ)
(ⅱ) から -2x<-6
よって x>3 ……(ⅳ) 0 3 x

(ⅲ) と (ⅳ) の共通範囲を求めて x>3

7
Math-Aquarium【例題】実数,1 次不等式

8 絶対値を含む方程式・不等式
次の方程式,不等式を解け。
(1) | 2x+3 | =1 (2) | x-6 | <3 (3) | 7x+2 | ≧2

要 点
Point
a>0 のとき, 方程式 | x | =a の解は
x=±a
-a 0 a x

不等式 | x | <a の解は
-a<x<a
-a 0 a x

方程式 | x | >a の解は
x<-a,a<x
-a 0 a x

〈注意〉| x | ≦a の解は -a≦x≦a, | x | ≧a の解は x≦-a,a≦x

解答
(1) | 2x+3 | =1 から 2x+3=±1
よって 2x=-3±1 したがって x=-1,-2
(2) | x-6 | <3 から -3<x-6<3
したがって 3<x<9
(3) | 7x+2 | ≧2 から 7x+2≦-2,2≦7x+2
4
よって 7x≦-4,0≦7x したがって x≦- ,0≦x
7

9 絶対値を含むやや複雑な方程式・不等式(場合分けの利用)
次の方程式,不等式を解け。
(1) | 3x-2 | =x (2) | 2x+5 | ≦-x+8

要 点
| Point
| =(正の数)の形のときは,前問8の公式が利用できる。不等式も同様。
本問のように,絶対値の中にも外にも x が含まれているときは,絶対値の中の符号で場合分けをして,
絶対値をはずす。得られた解が場合分けの条件を満たすかどうか必ずチェックする必要がある。
〈注意〉| | =(正の数)の形のときも,絶対値の中の符号で場合分けをして解いてもよい。

8
Math-Aquarium【例題】実数,1 次不等式

解答
(1) | 3x-2 | =x
2
(ⅰ) 3x-2≧0 すなわち x≧ のとき
3
3x-2=x
これを解いて x=1
2 1 x
2
これは x≧ を満たす。 3
3

2
(ⅱ) 3x-2<0 すなわち x< のとき
3
-(3x-2)=x -3x+2=x
1
これを解いて x=
2

2
これは x< を満たす。 1 2 x
3
2 3
1
(ⅰ),(ⅱ) から,方程式の解は x=1,
2
(2) | 2x+5 | ≦-x+8
5
(ⅰ) 2x+5≧0 すなわち x≧- のとき
2
2x+5≦-x+8
これを解いて x≦1
5
これと x≧- の共通範囲は
2

5 5 1 x
- ≦x≦1 ……① -
2 2

5
(ⅱ) 2x+5<0 すなわち x<- のとき
2
-(2x+5)≦-x+8
-2x-5≦-x+8
よって -x≦13
これを解いて x≧-13
5
これと x<- の共通範囲は -13 5 x
2 -
2
5
-13≦x<- ……②
2
(ⅰ),(ⅱ) から,不等式の解は,①,②を合わせて
-13≦x≦1

9
Math-Aquarium【例題】実数,1 次不等式

研究1 整数部分・小数部分
6 の整数部分を a,小数部分を b とするとき,次の式の値を求めよ。
a
(1) a (2) b (3)
b

要 点
x をPoint
x>0 の実数とする。
n≦x<n+1 を満たす 0 以上の整数 n を x の 整数部分 ,x-n の値を x の 小数部分 という。
2 2
x の整数部分を調べるには, n ≦x<(n+1) となる整数 n を見つけるとよい。

解答
(1) 4 < 6 < 9 であるから 2< 6 <3
よって, 6 の整数部分 a は a=2
(2) b= 6 -2
a 2 2( 6+2) 2( 6+2)
(3) = = =
b 6-2 ( 6-2)( 6+2) 6-4

= 6 +2

研究2 二重根号
次の式を簡単な形にせよ。

(1) 8+2 15 (2) 6-2 5 (3) 9+4 5 (4) 4- 7

要 点
Point
次の形のとき,二重根号をはずして式を簡単にすることができる。

1 a>0,b>0 のとき (a+b)+2 ab = a + b

2 a>b>0 のとき (a+b)-2 ab = a - b

〈注意〉上の公式は両辺を 2 乗して確かめることができる。
2は,
(左辺)>0 から,右辺は 大 - 小 となることに注意する。

(3),(4) 公式が利用できる形に変形する。

10
Math-Aquarium【例題】実数,1 次不等式

解答

(1) 8+2 15 = (5+3)+2 5  3 = 5 + 3

(2) 6-2 5 = (5+1)-2 5  1 = 5 - 1 = 5 -1

(3) 9+4 5 = 9+2 20 = (5+4)+2 5  4 = 5 + 4 = 5 +2

8-2 7 (7+1)-2 7  1 7- 1 14- 2


(4) 4- 7 = = = =
2 2 2 2

研究3 対称式の値
2- 2 2+ 2
x= ,y= のとき,次の式の値を求めよ。
2+ 2 2- 2
(1) x+y,xy (2) x2+y2 (3) x3+y3

要 点
x,yPoint
に関する式で,文字 x と y を入れ替えても,もとの式と同じ式になるものを,x と y の 対称式 とい
う。x,y の対称式のうち,x+y,xy を基本対称式という。対称式は基本対称式で表すことができる。
(2),(3) 次の等式を利用する。
x2+y2=(x+y)2-2xy x3+y3=(x+y)3-3xy(x+y)
〈注意〉上の等式は右辺を展開して確かめることができる。

解答
2- 2 2+ 2 (2- 2 ) 2 +(2+ 2 ) 2 4-4 2+2+4+4 2+2
(1) x+y= + = = =6
2+ 2 2- 2 (2+ 2 )(2- 2 ) 4-2
2- 2 2+ 2
xy= ∙ =1
2+ 2 2- 2
(2) x2+y2=(x+y)2-2xy=62-2∙1
=34
(3) x +y =(x+y)3-3xy(x+y)=63-3∙1∙6=216-18
3 3

=198

11
Math-Aquarium【練習問題+解答】実数,1 次不等式

実数,1 次不等式

(1) 次の分数を小数で表せ。
1 3
① ②
12 16
(2) 次の循環小数を分数で表せ。
① 0.8 ② 1.2 3

解答
1
(1) ① =0.08333……= 0.083 ②   
0.1875
12 ①   
0.083
12  
1.0 16  
3 .0
96 1 
 6
3
② =0.1875  4  
140
16
 36  
128
 4  120
 112
  80
  80
   0
(2) ① x= 0.8 とおくと,10x= 8.8 であるから 10x=8.888……
10x-x=8 -) x=0.888……
8 9x=8
よって x=
9
② x= 1.2 3 とおくと,100x= 123.2 3 である
から 100x=123.2323……

100x-x=122 -) x= 1.2323……

122 99x= 122


よって x=
99


7
(1) 右の数直線上に点 P  , Q 3 をとれ。
 4
 
0 1 2 3
(2) 次の値を求めよ。
1
① - ② | 2- 3 | ③ | 1 | - | -2 |
2
(3) | 2+ 5 | | 2- 5 | の値を求めよ。

1
Math-Aquarium【練習問題+解答】実数,1 次不等式

解答
(1)  
Q 3
7
P 
 4



0 1 2 3

1 1
(2) ① - =
2 2
② 2 - 3 <0 であるから | 2 - 3 | =- 2 + 3
③ | 1 | - | -2 | =1-2=-1
(3) | 2+ 5 | | 2- 5 | = | (2+ 5 )(2- 5 ) |
= | 4-5 | = | -1 | =1


(1) 次の値を求めよ。
① (- 5 )2 ② - 32
(2) 次の式を簡単にせよ。
50
① 27 ② 6 15 ③ ④ 0.12
2

解答
(1) ① (- 5 )2=5
② - 3 2 =- | 3 | =-3
(2) ① 27 = 3 2  3 = 3 3
② 6 15 = 6 15 = 3 2  10 = 3 10
50 50
③ = = 25 = 5 2 =5
2 2
12 12 22  3 2 3 3
④ 0.12 = = = = =
100 100 10 2 10 5


(1) 次の式を計算せよ。
① 54 + 96 ② (3- 6 )(3+ 6 )
③ (2- 2 )2 ④ (1+ 2 3 )(3- 3 )
(2) 次の式の分母を有理化せよ。
2 1- 6 1 3-2 2
① ② ③ ④
3 2 2- 5 3+2 2

2
Math-Aquarium【練習問題+解答】実数,1 次不等式

解答
(1) ① 54 + 96 = 3 2  6 + 4 2  6 = 3 6 + 4 6 = 7 6
② (3- 6 )(3+ 6 )=32-( 6 )2=9-6=3
③ (2- 2 )2=22-2∙2∙ 2 +( 2 )2=4- 4 2 +2=6- 4 2
④ (1+ 2 3 )(3- 3 )=1∙3+{1∙(-1)+2∙3} 3 +{2∙(-1)}( 3 )2
=3+ 5 3 -2∙3=-3+ 5 3
別解 (1+ 2 3 )(3- 3 )=1∙3+1∙(- 3 )+ 2 3 ∙3+ 2 3 ∙(- 3 )
=3- 3 + 6 3 -6=-3+ 5 3
2 2 3 2 3
(2) ① = =
3 3 3 3

1- 6 (1- 6 ) 2 2-2 3
② = =
2 2 2 2
1 2+ 5 2+ 5 2+ 5 2+ 5
③ = = = =-
2- 5 ( 2- 5 )( 2+ 5 ) ( 2 ) -( 5 )
2 2
2-5 3

3-2 2 (3-2 2 ) 2 3 2 -2  3  2 2+(2 2 ) 2 9-12 2+8


④ = = = =17- 12 2
3+2 2 (3+2 2 )(3-2 2 ) 3 -(2 2 )
2 2
9-8


a<b のとき,次の にあてはまる不等号を入れよ。
1 1
(1) a+5 b+5 (2) 3a 3b (3) - a - b
4 4

a b
(4) -5 -5 (5) -2a+6 -2b+6
2 2

解答
(1) a+5 < b+5
(2) 3a < 3b
1 1
(3) - a > - b
4 4

a b
(4) a<b のとき, < であり,この両辺から 5 を引いても不等号の向きは変わらないから
2 2

a b
-5 < -5
2 2
(5) a<b のとき, -2a>-2b であり,この両辺に 6 を足しても不等号の向きは変わらないから
-2a+6 > -2b+6

3
Math-Aquarium【練習問題+解答】実数,1 次不等式


次の不等式を解け。
(1) x+2≦-3 (2) -3x>-9 (3) 2x-5≧-1 (4) -5x-3<7
x+8 x
(5) 2x+3≧-2x-5 (6) x+4≦10+4x (7) 2(3x-1)>3(4x+5)+1 (8) < +1
6 4

解答
(1) x+2≦-3
移項して x≦-5
(2) -3x>-9
両辺を-3 で割って x<3
(3) 2x-5≧-1
移項して 2x≧4
両辺を 2 で割って x≧2
(4) -5x-3<7
移項して -5x<10
両辺を-5 で割って x>-2
(5) 2x+3≧-2x-5
移項して 2x+2x≧-5-3 整理して 4x≧-8
両辺を 4 で割って x≧-2
(6) x+4≦10+4x
移項して x-4x≦10-4 整理して -3x≦6
両辺を-3 で割って x≧-2
(7) 2(3x-1)>3(4x+5)+1
かっこをはずして 6x-2>12x+15+1
移項して 6x-12x>15+1+2 整理して -6x>18
両辺を-6 で割って x<-3
x+8 x
(8) < +1
6 4
両辺に 12 を掛けて 2(x+8)<3x+12
かっこをはずして 2x+16<3x+12
移項して 2x-3x<12-16 整理して -x<-4
両辺を-1 で割って x>4

4
Math-Aquarium【練習問題+解答】実数,1 次不等式


(1) 次の連立不等式を解け。
 x+6 ≦ 4 x  2( x+6) ≦ 3(4-x)
①  ② 
 1-3x<15-5 x  0.7 x+0.5<x+2
1
(2) 不等式 x-2<- x +1<-3x-4 を解け。
2

解答
 x+6 ≦ 4 x     ⅰ()
(1) ① 
 1-3x<15-5 x   
 (ⅱ)
(ⅰ) から -3x≦-6
よって x≧2 ……(ⅲ)
(ⅱ) から -3x+5x<15-1 (ⅳ)
(ⅲ)
よって 2x<14
これを解いて x<7 ……(ⅳ) 2 7 x
(ⅲ) と (ⅳ) の共通範囲を求めて 2≦x<7
 2( x+6) ≦ 3(4-x)     ⅰ
()
② 
 0.7 x+0.5<x+2     
 (ⅱ)
(ⅰ) から 2x+12≦12-3x
よって 5x≦0
これを解いて x≦0 ……(ⅲ)
(ⅱ) から 7x+5<10x+20 (ⅳ)
(ⅲ)
よって -3x<15
これを解いて x>-5 ……(ⅳ) -5 0 x
(ⅲ) と (ⅳ) の共通範囲を求めて -5<x≦0

 1
 x-2<- 2 x+1     ⅰ
()
(2) 
 - 1 x+1<-3x-4   
 (ⅱ)
 2

(ⅰ) から 2x-4<-x+2
よって 3x<6
これを解いて x<2 ……(ⅲ)
(ⅱ) から -x+2<-6x-8 (ⅳ)
よって 5x<-10 (ⅲ)
これを解いて x<-2 ……(ⅳ)
(ⅲ) と (ⅳ) の共通範囲を求めて x<-2 -2 2 x

5
Math-Aquarium【練習問題+解答】実数,1 次不等式


次の方程式,不等式を解け。
(1) | 2x-5 | =3 (2) | x+4 | ≦6 (3) | 3x-1 | >2

解答
(1) | 2x-5 | =3 から 2x-5=±3
よって 2x=5±3 したがって x=4,1
(2) | x+4 | ≦6 から -6≦x+4≦6
したがって -10≦x≦2
(3) | 3x-1 | >2 から 3x-1<-2,2<3x-1
1
よって 3x<-1,3<3x したがって x<- ,1<x
3


次の方程式,不等式を解け。
(1) | x | =3x-2 (2) | 3x-2 | ≧x+2

解答
(1) | x | =3x-2
(ⅰ) x≧0 のとき
x=3x-2
これを解いて x=1
0 1 x
これは x≧0 を満たす。
(ⅱ) x<0 のとき
-x=3x-2
1
これを解いて x=
2
これは x<0 を満たさない。
0 1 x
(ⅰ),(ⅱ) から,方程式の解は x=1
2

6
Math-Aquarium【練習問題+解答】実数,1 次不等式

(2) | 3x-2 | ≧x+2


2
(ⅰ) 3x-2≧0 すなわち x≧ のとき
3
3x-2≧x+2
これを解いて x≧2
2
これと x≧ の共通範囲は
3
2 2 x
x≧2 ……① 3
2
(ⅱ) 3x-2<0 すなわち x< のとき
3
-(3x-2)≧x+2
-3x+2≧x+2
よって -4x≧0
これを解いて x≦0
2
これと x< の共通範囲は 0 2 x
3
3
x≦0 ……②
(ⅰ),(ⅱ) から,不等式の解は,①,②を合わせて
x≦0,2≦x

研究1
2 3 の整数部分を a,小数部分を b とするとき,次の式の値を求めよ。
a
(1) a (2) b (3)
b

解答
(1) 2 3 = 12 から 9 < 12 < 16 よって 3< 2 3 <4
したがって, 2 3 の整数部分 a は a=3
(2) b= 2 3 -3
a 3 3(2 3+3) 3(2 3+3)
(3) = = =
b 2 3-3 (2 3-3)(2 3+3) 12-9
= 2 3 +3

7
Math-Aquarium【練習問題+解答】実数,1 次不等式

研究2
次の式を簡単な形にせよ。

(1) 3+2 2 (2) 7-2 6 (3) 7-4 3 (4) 2+ 3

解答

(1) 3+2 2 = (2+1)+2 2  1 = 2 + 1 = 2 +1

(2) 7-2 6 = (6+1)-2 6  1 = 6 - 1 = 6 -1

(3) 7-4 3 = 7-2 12 = (4+3)-2 4  3 = 4 - 3 =2- 3

4+2 3 (3+1)+2 3  1 3+ 1 6+ 2
(4) 2+ 3 = = = =
2 2 2 2

研究3
3- 6 3+ 6
x= ,y= のとき,次の式の値を求めよ。
3+ 6 3- 6
(1) x+y,xy (2) x2+y2 (3) x3+y3

解答
3- 6 3+ 6 (3- 6 ) 2 +(3+ 6 ) 2 9-6 6+6+9+6 6+6
(1) x+y= + = = =10
3+ 6 3- 6 (3+ 6 )(3- 6 ) 9-6

3- 6 3+ 6
xy= ∙ =1
3+ 6 3- 6
(2) x2+y2=(x+y)2-2xy=102-2∙1
=98
(3) x +y =(x+y)3-3xy(x+y)=103-3∙1∙10=1000-30
3 3

=970

8
Math-Aquarium【例題】集合と論理

集合と論理

1 集合と要素
(1) 集合 A={2n | 1≦n≦5,n は整数} を,要素を書き並べて表せ。また,次の①~⑤から誤っている
ものをすべて選べ。
① 4∈A ② 5∉A ③ 3∈A ④ 6∈A ⑤ 8∉A
(2) 集合 A={1,2,3,5,8},B={2n-1 | 1≦n≦3,n は整数},C={2,3,5,7},空集合φとする。
次の①~⑤から正しいものをすべて選べ。
① B⊂A ② C⊂A ③ A⊂A ④ B=C ⑤ φ⊂A
(3) U={1,2,3,4,5,6} を全体集合とする。U の部分集合 A={2,4,6},B={2,3,5} について,
次の集合を求めよ。
① A∩B ② A∪B ③ A ④ B

要 点
Point
集合と要素
ある性質をもっているかもっていないかが明確に区別できるものの集まりを 集合 といい,集合を
作っている 1 つ 1 つのものを,その集合の 要素 という。
a が集合 A の要素であるとき,a は集合 A に 属する といい, a∈A と表す。
また,b が集合 A の要素でないとき,b は集合 A に 属さない といい, b ∉ A と表す。
集合の表し方
集合を表すには,次の 2 通りの方法がある。
(1) 要素を 1 つ 1 つ書き並べる。 (2) 要素が満たす条件を示す。
例えば,1 桁の奇数全体の集合を A とすると,A には次の①~③のような表し方がある。
① A={1,3,5,7,9} ② A={x | 1≦x≦9,x は奇数} ③ A={2n-1 | 1≦n≦5,n は整数}
また,集合の要素の個数が多い場合は,省略記号……を用いて次のように表すことがある。
1 以上 50 以下の偶数の集合 {2,4,6,……,50}, 自然数全体の集合 {1,2,3,……}
集合の包含関係,空集合
集合 A のすべての要素が集合 B の要素であるとき,すなわち x∈A ならば x∈B が成り立つとき,
A は B に 含まれる ,または B は A を 含む といい, A⊂B と表す。このとき,A は B の 部分集合
であるという。集合 A は A 自身の部分集合である。また,2 つの集合 A と B の要素がすべて一致する
とき,A と B は 等しい といい, A=B と表す。A=B は,
「A⊂B かつ A⊃B」と同じである。
要素が 1 つもない集合を 空集合 といい,φで表す。空集合φはすべての集合の部分集合であると定める。
共通部分,和集合
2 つの集合 A,B のどちらにも属する要素全体の集合を A と B の 共通部分 といい, A∩B と表す。
すなわち,A∩B={x | x∈A かつ x∈B} である。また,2 つの集合 A,B の少なくとも一方に属する要素
全体の集合を A と B の 和集合 といい, A∪B と表す。すなわち,A∪B={x | x∈A または x∈B} である。
3 つの場合は A∩B∩C={x | x∈A かつ x∈B かつ x∈C},A∪B∪C={x | x∈A または x∈B または x∈C}

1
Math-Aquarium【例題】集合と論理

全体集合と補集合
U
1 つの集合 U を定め,その中の部分集合について考えること
が多い。このような U を 全体集合 という。 A
A
また,全体集合 U の部分集合 A に対して,U の要素で A に
属さない要素全体の集合を 補集合 といい, A と表す。すなわち, A ={x | x∈U かつ x ∉ A} である。
集合 A とその補集合 A について,次のことが成り立つ。
・A∩ A =φ ・A∪ A =U ・ A =A

解答
(1) 集合 A を,要素を書き並べて表すと A={2,4,6,8,10}
また,① 4∈A は正しい。 ② 5 ∉ A は正しい。 ③ 3∈A は誤り。
④ 6∈A は正しい。 ⑤ 8 ∉ A は誤りである。
したがって,誤っているものは ③,⑤
(2) 集合 B を,要素を書き並べて表すと B={1,3,5}
① B の要素はすべて A にも属しているので B は A に含まれる,よって,B⊂A は正しい。
② C の要素の中で,7 は A に属していないので C は A に含まれない。よって,C⊂A は誤り。
③ 集合 A は A 自身の部分集合である。よって,A⊂A は正しい。
④ B と C の要素は一致していない。よって,B=C は誤り。
⑤ 空集合φは,すべての集合の部分集合である。よって,φ⊂A は正しい。
以上から,正しいものは ①,③,⑤
(3) U,A,B は右の図のように表すことができる。 U
B
よって ① A∩B={2} ② A∪B={2,3,4,5,6} 4
2
3
6 5
③ A
A ={1,3,5}
1
④ B ={1,4,6}

ポイント
・補集合について,A⊂B ならば A⊃B が成り立つ。 U
2
これは,例えば U={1,2,3,4,5},A={3}, 1 A
3
B={1,3,5}として,右の図から確かめることができる。 B 5 4

・ド・モルガンの法則
次のことが成り立つ。
A B= A ∩ B U A∪B の補集合は,
B
A と B の共通部分
A になっている。

A B= A ∪ B U A∩B の補集合は,
B
A と B の和集合に
A なっている。

2
Math-Aquarium【例題】集合と論理

2 命題の真偽
次の命題の真偽を調べよ。
(1) 実数 a について,a2=0 ならば a=0 (2) 実数 x について,x2=1 ならば x=1

要 点
Point
命題と条件
正しいか正しくないかが明確に決まる式や文を 命題 という。命題が正しいときは 真 であるといい,
正しくないときは 偽 であるという。
「x は奇数である」という文は,x の値が決まると真偽が判定できる。このような文字 x を含んだ文や式
を,x に関する 条件 という。
2 つの条件 p,q についての命題「p ならば q」を p⇒q と表し,p をこの命題の 仮定 ,q をこの命題の
結論 という。
条件と集合
2 つの条件 p,q を満たすものの全体の集合をそれぞれ P,Q とする。命題「p⇒q」が真であるとき,
条件 p を満たすものは必ず条件 q を満たすから,P⊂Q が成り立つ。逆に P⊂Q ならば,p⇒q が真である
ことがいえる。また,命題「p⇒q」が偽であるとき,P の中に q を満たさない要素(Q からはみ出す要素)
が少なくとも 1 つある。このはみ出す要素を,命題が偽であることを示す 反例 という。

解答
(1) a2=0 のとき,a=0 であるから 真
(2) x2=1 のとき,x=±1 であるから 偽
別解 1 反例を示す。
x=-1 のとき,x2=1 であるが x=1 ではない。よって 偽
別解 2 集合で考える。
集合 P,Q をそれぞれ
P
P={x | x2=1,x は実数}={-1,1}
Q
Q={1} -1 1

とする。右の図から,P は Q に含まれないから 偽

3 必要条件・十分条件
x,y は実数とする。次の に当てはまるものを,下の①~④から選べ。
2
(1) x =4 は x=2 であるための 。 (2) x=2 は x2=4 であるための 。
2 2 2 2
(3) x +y =0 は x=y=0 であるための 。 (4) x>y は x >y であるための 。
① 必要十分条件である
② 必要条件であるが十分条件ではない
③ 十分条件であるが必要条件ではない
④ 必要条件でも十分条件でもない

3
Math-Aquarium【例題】集合と論理

要 点
Point
必要条件・十分条件
2 つの条件 p,q について,命題「p⇒q」が真であるとき,
q は p であるための 必要条件 , p は q であるための 十分条件
であるという。命題「p⇒q」と「q⇒p」がともに真であるとき,p は q であるための 必要十分条件
であるという。また,このとき,p と q は 同値 であるといい, p⇔q と表す。

解答
(1) x2=4 ⇒ x=2 は偽 (反例は x=-2) 必要条件

x=2 ⇒ x =4 は真2 p 十
分条
件 q
よって ②
(2) x=2 ⇒ x2=4 は真
命題:マグロは魚である。
x2=4 ⇒ x=2 は偽 (反例は x=-2)
・「マグロ」であることは,それが「魚」で
よって ③
あるために“十分”な条件である。
〈注意〉(1)の結果から即答してもよい。
・「魚」であることは,それが「マグロ」で
(3) x,y は実数であるから,x2≧0,y2≧0 であり,
あるために“必要”な条件である。
x2=0 のとき x=0,y2=0 のとき y=0 である。
よって,x≠0 のとき x2>0,y≠0 のとき y2>0 となるから
x2+y2=0 ⇒ x=y=0 は真
x=y=0 ⇒ x2+y2=0 は真
したがって ①
(4) x>y ⇒ x2>y2 は偽 (反例は x=2,y=-3)
2 2
x >y ⇒ x>y は偽 (反例は x=-3,y=2)
よって ④

ポイント
集合と必要条件・十分条件
条件 p,q を満たすもの全体の集合を,それぞれ P,Q とすると次のことが成り立つ。
「p ⇒ q が真」 ⇔ P⊂Q ⇔ p は q の十分条件
q は p の必要条件
これは(2)において,p:x=2 に対して P={2}, Q
q:x2=4 に対して Q={-2,2} P
-2 2
から確かめることができる。
また,次のことが成り立つ。
「p ⇔ q が真」 ⇔ P=Q ⇔ p と q は同値である。

4
Math-Aquarium【例題】集合と論理

4 対偶を利用した命題の証明
n を整数とし,x,y を実数とする。次の命題を証明せよ。
(1) n が 3 の倍数でないならば,n は 6 の倍数ではない。
(2) x+y>0 ならば,「x>0 または y>0」である。

要 点
Point
条件の否定
条件 p に対して,「p でない」という条件を p の 否定 といい, p と表す。
また,ド・モルガンの法則から次のことが成り立つ。
p かつ q ⇔ p または q , p または q ⇔ p かつ q
逆・裏・対偶
p⇒q 逆 q⇒p
命題「p⇒q」に対して,
命題「q⇒p」を 逆 ,
裏 対偶 裏
命題「 p ⇒ q 」を 裏 ,
命題「 q ⇒ p 」を 対偶 p ⇒q q⇒p

という。逆,裏,対偶について,一般に次の関係がある。
1 命題が真であっても,その逆や裏は真であるとは限らない。
2 命題の真偽と,その対偶の真偽は一致する。
2 から,命題「p⇒q」が真であることを証明する代わりに,その対偶「 q ⇒ p 」が真であることを証明
してもよい。

証明
(1) 与えられた命題の対偶は, n が 6 の倍数ならば,n は 3 の倍数である。
集合 P={6l | l は整数}, Q={3m | m は整数} を考えると,P⊂Q であるから,対偶は真である。
よって,もとの命題も真である。
(2) 与えられた命題の対偶は, 「x≦0 かつ y≦0」ならば,x+y≦0 である。
よって,対偶は真であるから,もとの命題も真である。

5
Math-Aquarium【例題】集合と論理

5 背理法
r,s は有理数で,s≠0 とする。 2 が無理数であることを用いて,r+s 2 が無理数であることを証明
せよ。

要 点
Point
背理法
命題が成り立たないと仮定して推論を行い,矛盾を導くことにより,もとの命題が真であることを証明
する方法を, 背理法 という。

証明
r+s 2 が無理数でないと仮定すると,r+s 2 は有理数である。よって,t を有理数とすると
r+s 2 =t
t-r
とおける。このとき,s≠0 から, 2 = と変形できる。
s
t-r
r,s,t は有理数であるから, も有理数となり, 2 が無理数であることに矛盾する。
s
したがって,r+s 2 は無理数である。

研究 2 が無理数であることの証明
2
2 が無理数であることを証明せよ。ただし,n を自然数とするとき,n が偶数ならば,n は偶数である
ことを用いてよいものとする。

証明
2 が無理数でないと仮定すると,1 以外に正の公約数をもたない自然数 a,b を用いて
a
2=
b
と表すことができる。このとき a= 2 b
両辺を 2 乗すると a2=2b2 ……①
これより,a2 は偶数であるから,a も偶数である。よって,ある自然数 c を用いて,a=2c と表すことが
できる。これを①に代入すると
4c2=2b2 すなわち b2=2c2
これより,b2 は偶数であるから,b も偶数である。
以上から,a,b はともに偶数である。
これは,a,b が 1 以外に正の公約数をもたないことに矛盾する。
したがって, 2 は無理数である。

6
Math-Aquarium【練習問題+解答】集合と論理

集合と論理

(1) 集合 A={n2 | 0≦n≦4,n は整数} を,要素を書き並べて表せ。また,次の①~⑤から誤っている
ものをすべて選べ。
① 0∈A ② 1∉A ③ 2∈A ④ 9∈A ⑤ 25 ∉ A
(2) 集合 A={1,2,3,4,6,12},B={2n | 1≦n≦3,n は整数},C={2,4,6},空集合φとする。
次の①~⑤から正しいものをすべて選べ。
① B⊂A ② A⊂C ③ B=C ④ φ⊂B
(3) U={1,2,3,4,5,6} を全体集合とする。U の部分集合 A={2,4,6},B={2,3,5} について,
次の集合を求めよ。
① A B ② A B ③ A ∩B ④ A∪ B

解答
(1) 集合 A を,要素を書き並べて表すと A={0,1,4,9,16}
また,① 0∈A は正しい。 ② 1∉A は誤り。 ③ 2∈A は誤り。
④ 9∈A は正しい。 ⑤ 25 ∉ A は正しい。
したがって,誤っているものは ②,③
(2) 集合 B を,要素を書き並べて表すと B={2,4,6}
① B の要素はすべて A にも属しているので B は A に含まれる,よって,B⊂A は正しい。
② A の要素の中で,1,3,12 は C に属していないので A は C に含まれない。よって,A⊂C は誤り。
③ B と C の要素は一致している。よって,B=C は正しい。
④ 空集合φは,すべての集合の部分集合である。よって,φ⊂B は正しい。
以上から,正しいものは ①,③,④
(3) U,A,B は右の図のように表すことができる。 U
よって ① A∪B={2,3,4,5,6}であるから 4 3
B
2 5
A 6
A  B ={1}
1
② A∩B={2}であるから
A  B ={1,3,4,5,6}
③ A ={1,3,5}であるから A ∩B={3,5}
④ B ={1,4,6}であるから A∪ B ={1,2,4,6}

1
Math-Aquarium【練習問題+解答】集合と論理


次の命題の真偽を調べよ。
(1) 実数 a について,a≧1 ならば a>0
(2) 自然数 m,n について,mn が偶数ならば m,n はともに偶数

解答
(1) 集合 P,Q をそれぞれ
P={a | a≧1,a は実数}
Q P
Q={a | a>0,a は実数}
0 1
とする。右の図から,P は Q に含まれるから 真
(2) m=1,n=2 のとき,mn=2(偶数)であるが m は奇数である。よって 偽


x,y は実数とする。次の に当てはまるものを,下の①~④から選べ。
(1) 四角形が長方形であることは,四角形が平行四辺形であるための 。
(2) 四角形が平行四辺形であることは,四角形が長方形であるための 。
(3) xy が無理数であることは,x,y がともに無理数であるための 。
(4) 「x+y<0 かつ xy>0」は「x<0 かつ y<0」であるための 。
① 必要十分条件である
② 必要条件であるが十分条件ではない
③ 十分条件であるが必要条件ではない
④ 必要条件でも十分条件でもない

解答
(1) 長方形 ⇒ 平行四辺形 は真
平行四辺形 ⇒ 長方形 は偽 (反例は,4 つの角が 90° ではない平方四辺形)
よって ③
(2) (1)の結果から ②
(3) xy が無理数 ⇒ x,y がともに無理数 は偽 (反例は x=2,y= 3 )
x,y がともに無理数 ⇒ xy が無理数 は偽 (反例は x= 3 ,y= 3 )
よって ④
(4) xy>0 のとき,
「x>0 かつ y>0」または「x<0 かつ y<0」のどちらかである。ここで,x+y<0
であるから,
「x<0 かつ y<0」である。
よって,
「x+y<0 かつ xy>0」 ⇒ 「x<0 かつ y<0」 は真
また,
「x<0 かつ y<0」⇒ 「x+y<0 かつ xy>0」は真
したがって ①

2
Math-Aquarium【練習問題+解答】集合と論理


n2 が 3 の倍数ならば,n は 3 の倍数であることを証明せよ。

証明
与えられた命題の対偶は, n が 3 の倍数でないならば,n2 は 3 の倍数でない。
n が 3 の倍数でないとき,整数 k を用いて,n=3k+1 または n=3k+2 と表すことができる。
n=3k+1 のとき
n2=(3k+1)2=9k2+6k+1=3(3k2+2k)+1
n=3k+2 のとき
n2=(3k+2)2=9k2+12k+4=3(3k2+4k+1)+1
ここで,3k2+2k,3k2+4k+1 は整数であるから,n2 は 3 の倍数ではない。
よって,対偶は真であるから,もとの命題も真である。


3 が無理数であることを証明せよ。ただし,n を自然数とするとき,n2 が 3 の倍数ならば,n は 3 の
倍数であることを用いてよいものとする。

証明
3 が無理数でないと仮定すると,1 以外に正の公約数をもたない自然数 a,b を用いて
a
3=
b
と表すことができる。このとき a= 3 b
両辺を 2 乗すると a2=3b2 ……①
これより,a2 は 3 の倍数であるから,a も 3 の倍数である。よって,ある自然数 c を用いて,a=3c と
表すことができる。これを①に代入すると
9c2=3b2 すなわち b2=3c2
これより,b2 は 3 の倍数であるから,b も 3 の倍数である。
以上から,a,b はともに 3 の倍数である。
これは,a,b が 1 以外に正の公約数をもたないことに矛盾する。
したがって, 3 は無理数である。

3
Math-Aquarium【例題】2 次関数

2 次関数
1 2 次関数のグラフ
次の 2 次関数の頂点と軸を求めよ。また,(1)はグラフもかけ。
(1) y=-x2+2x+1 (2) y=x2+ax-a

要 点
Point
y=ax2
+bx+c の形から y=a(x-p)2+q の形に変形することを「平方完成」といいます。
高校数学で頻繁に出てくる重要な変形です。
y=ax2+bx+c
 b 
= a x 2+ x +c …… x2 の係数でくくる
 a 
 2 b b2 b2 
= a x + x+ 2 - 2 +c …… x の係数の半分の 2 乗を加えて引く
 a 4a 4a 


 b 
2
b2 

= 
a x+  - 2 +c …… かっこの 2 乗の式を作る

 2a  4a 

2
 b  b2
= a x+  - +c …… 中かっこを展開すれば出来上がり
 2a  4a
 2
 b
頂点の座標: - b ,- b +c  , 軸:直線 x=-
 2a  2a
 4a 

解答
(1) y=-x2+2x+1
=-(x2-2x)+1
=-(x2-2x+1-1)+1
=-{(x-1)2-1}+1
=-(x-1)2+2
頂点の座標:(1,2),軸:直線 x=1
グラフは右の図のようになる。
「グラフをかけ」という問題
のときは,
『頂点』と『y 切片』
2
 a  a2 を書き入れれば OK です。
(2) y=x2+ax-a=(x2+ax)-a=  x+  - -a
 2 4
 a a2  a
頂点の座標: - ,- -a  ,軸:直線 x=-
 2 4  2

1
Math-Aquarium【例題】2 次関数

2 平行移動・対称移動
(1) 2 次関数 y=x2-2x+3 のグラフを x 軸方向に-1,y 軸方向に 1 だけ平行移動したグラフの 2 次関数
を求めよ。
(2) 放物線 y=-3x2+2x+1 は,放物線 y=-3x2-2x-1 をどのように平行移動すれば得られるか。
(3) 放物線 y=x2-2x+3 を,次のように移動したとき得られる放物線をグラフとする 2 次関数をそれぞ
れ求めよ。
① x 軸に関して対称移動 ② y 軸に関して対称移動 ③ 原点に関して対称移動

解答
(1) y=x2-2x+3=(x-1)2-1+3=(x-1)2+2 頂点:(1,2)
x 軸方向に-1,y 軸方向に 1 だけ平行移動させると,頂点の座標は(0,3)になる。
したがって y=x2+3

 2  
 1  1
2
 
2
1 1
(2) y=-3x2-2x-1=-3 x 2+ x -1 =-3 x+  - -1 =-3 x+  + -1
 3  
 3  9
  3 3

2 1 4
 1 2  1 2  , 
3 3
=-3 x+  - 頂点: - ,- 
 3 3  3 3
 2   1 2
y=-3x2+2x+1=-3 x 2- x +1 - ,- 
 3 3
 3 


 1  1
2
 
2
1 1 
2
1 4 1 4
=-3 x-  - +1 =-3 x-  + +1 =-3 x-  + 頂点:  , 

 3  9
  3 3  3 3 3 3

2
それぞれの頂点の座標から x 軸方向に ,y 軸方向に 2 平行移動すれば得られる。
3
(3)
要 点
Point
関数 y=f (x)のグラフを,対称移動して得られるグラフの関数は次のようになります。
・x 軸に関して対称移動 …… y=-f (x)
・y 軸に関して対称移動 …… y=f (-x)
・原点に関して対称移動 …… y=-f (-x)
〈注意〉2 次関数のグラフの場合,頂点に着目して求めることもできるが,対称移動によって上に凸になるか
下に凸になるかにも気をつけなければいけない。

① y=-(x2-2x+3)=-x2+2x-3
② y=(-x)2-2(-x)+3=x2+2x+3
③ y=-{(-x)2-2(-x)+3}=-x2-2x-3

2
Math-Aquarium【例題】2 次関数

3 2 次関数の決定
次の条件を満たす 2 次関数を求めよ。
(1) 頂点が(2,1)で,点(3,-1)を通る。
(2) x 軸と 2 点(1,0),(3,0)で交わり,y 切片が 3 であるグラフの 2 次関数。
(3) 3 点(-1,-2),(1,6),(2,7)を通る。

要 点
Point
2 次関数の決定で,最も大切なことは『どの形から求めるか』です。
次の 3 パターンを覚えて,問題によって使い分けましょう。
Ⅰ 頂点の座標:(p,q),または軸:x=p がわかっているとき
y=a(x-p)2+q
Ⅱ x 軸との交点 (α,0),(β,0) がわかっているとき
y=a(x-α)(x-β)
Ⅲ その他
y=ax2+bx+c

解答
(1) 頂点 (2,1) がわかっているから,Ⅰを用いる。
y=a(x-2)2+1
点(3,-1)を通るから x=3,y=-1 を代入する。 -1=a+1 これより a=-2
よって y=-2(x-2)2+1

(2) x 軸との交点 (1,0),(3,0) がわかっているから,Ⅱを用いる。


y=a(x-1)(x-3)
y 切片が 3 であるから x=0,y=3 を代入すると 3=a∙(-1)∙(-3) これより a=1
よって y=(x-1)(x-3) (または y=x2-4x+3)

(3) 通る 3 点がわかっているときは,Ⅲを用いて a,b,c を求める。


y=ax2+bx+c に x=-1,y=-2 と x=1,y=6 と x=2,y=7 を代入して連立方程式を作る。
 -2=a-b+c    ①
 ②-①から 2b=8 よって
 6=a+b+c    ② b=4
 7=4a+2b+c  
  ③

①,③に b=4 を代入すると
 a+c=2 この連立方程式を解くと a=-1,c=3

 4a+c=-1
以上より y=-x2+4x+3

3
Math-Aquarium【例題】2 次関数

4 2 次関数の最大・最小
(1) 関数 y=x2-2x-1 (0≦x≦3) の最大値および最小値を求めよ。
(2) 関数 y=-x2+2ax (0≦x≦2) の最大値を,次の 3 つの場合に分けて求めよ。
① a<0 ② 0≦a≦2 ③ 2<a

要 点
Point
2 次関数における最大・最小を求める問題は,グラフをかき頂点に着目します。定義域に制限がある場合
は端点にも着目します。
また,文字が含まれている場合は,何が決まっていて,何が動くかを考えて,グラフをかいて場合分け
をします。

解答
(1) y=x2-2x-1=(x-1)2-1-1=(x-1)2-2
定義域が 0≦x≦3 であるから
右のグラフより x=3 のとき最大値 2,x=1 のとき最小値-2

(2) y=-x2+2ax=-(x2-2ax)=-{(x-a)2-a2}
=-(x-a)2+a2 (0≦x≦2)
このグラフは上に凸であり,定義域が決まっていて,頂点が動く。

① a<0 のとき ② 0≦a≦2 のとき ③ 2<a のとき

上のグラフより 上のグラフより 上のグラフより


最大値 0 (x=0) 最大値 a2 (x=a) 最大値 4a-4 (x=2)

4
Math-Aquarium【例題】2 次関数

5 2 次関数のグラフと x 軸の位置関係
2 次関数 y=x2+6x+k のグラフと x 軸との共有点の個数は,k の値によってどのように変わるか。

要 点
Pointy=ax2+bx+c に対して D=b2-4ac とおきます。
2 次関数
放物線 y=ax2+bx+c と x 軸との共有点の個数は,以下のようになります。

異なる 2 つの共有点をもつ    D>0 
  共有点をもつ   D ≧ 0
 
1 点で接する            D=0 
共有点をもたない          D<0

解答
D=62-4∙1∙k=36-4k である。
(i) 異なる 2 つの共有点をもつ ⇔ D>0 であるから,このとき 36-4k>0 すなわち k<9
(ii) 1 点で接する ⇔ D=0 であるから,このとき 36-4k=0 すなわち k=9
(iii) 共有点をもたない ⇔ D<0 であるから,このとき 36-4k<0 すなわち k>9
 k<9 のとき 2 個

(i),(ii),(iii)より  k=9 のとき 1 個
 k>9 のとき 0 個

6 2 次不等式
(1) 次の 2 次不等式を解け。
① x2+x-12>0 ② 2≧x2 ③ x2+4x+4≦0 ④ x2-2x+2<0
 2 x 2-7 x+6 ≦ 0
(2) 連立不等式  2 を解け。
 x >3

要 点
Point
《準備》
式の整理
与えられた式を
(x2 の係数がプラスの 2 次式)
(不等号<,≦,>,≧のいずれか)0
と整理します。
(例:-x2<x+2 ⇒ x2+x+2>0)
2 次不等式の解
y=(2 次式)のグラフから,2 次不等式の解は
y>0(≧0)のとき,x 軸の上側,y<0(≦0)のとき,x 軸の下側
である x の範囲となります。

5
Math-Aquarium【例題】2 次関数

《パターン別 2 次不等式の解法》
整理した 2 次不等式の,不等号を等号に置き換えた 2 次方程式を ax2+bx+c=0 (a>0)とします。
整理した 2 次不等式から,2 次関数 y=(左辺の 2 次式)のグラフを考えます。このグラフと x 軸との
共有点の個数によってパターンに分かれるので,覚えていきましょう。
● パターン1 x 軸との共有点が 2 個のとき
2 次方程式 ax2+bx+c=0 の解をα,β (α<β) とする。
(i) ax2+bx+c>0 (≧0) のとき
x 軸の上側の部分(右の図の太線部分)が
2 次不等式の解となる。
したがって x<α,β<x ( x≦α,β≦x )

(ii) ax2+bx+c<0 (≦0) のとき


x 軸の下側の部分(右の図の太線部分)が
2 次不等式の解となる。
したがって α<x<β ( α≦x≦β )

● パターン2 x 軸との共有点が 1 個のとき


2 次方程式 ax2+bx+c=0 の重解をγとする。
このパターンでは,<と≦,>と≧で不等式の解がちがってくるため,注意が必要である。
(i) ax2+bx+c>0 のとき
y>0 は,x 軸を含まない x 軸の上側なので
不等式の解は γ以外のすべての実数
これは,x<γ,γ<x と書いてもよい。

(ii) ax2+bx+c≧0 のとき


y≧0 は,x 軸を含む x 軸の上側なので
不等式の解は すべての実数

(iii) ax2+bx+c<0 のとき


y<0 は,x 軸を含まない x 軸の下側であるが,
右の図から,その部分にグラフはない。
したがって 解はない

(iv) ax2+bx+c≦0 のとき


y≦0 は,x 軸を含む x 軸の下側なので,
唯一接点だけが条件を満たす。
したがって x=γ

6
Math-Aquarium【例題】2 次関数

● パターン3 x 軸との共有点が 0 個のとき


2 次関数は右の図のようなグラフになる。
(i) ax2+bx+c>0 (≧0) のとき
不等式の解は すべての実数

(ii) ax2+bx+c<0 (≦0) のとき


この不等式に 解はない

解答
(1) ① x2+x-12>0
x2+x-12=0 の解は,x2+x-12=(x+4)(x-3)=0 より
x=-4,3
したがって不等式の解は,右の図より x<-4,3<x
② 2≧x2 ⇒ x2-2≦0
x2-2=0 の解は,x2-2=(x+ 2 )(x- 2 )=0 より
x=  2
したがって不等式の解は,右の図より - 2 ≦x≦ 2

③ x2+4x+4≦0
x2+4x+4=0 の解は,x2+4x+4=(x+2)2=0 より
x=-2
したがって不等式の解は,右の図より x=-2
④ x2-2x+2<0
2 次関数 y=x2-2x+2 のグラフは
D=(-2)2-4∙1∙2=4-8=-4<0
より,x 軸と共有点をもたない(右図参照)
。したがって 解はない

(2) この連立不等式は,2 つの不等式が同時に成り立っている状況を表しているので,その解はそれぞ


れの不等式の解の共通部分になる。共通部分を求めるとき,数直線を利用すると求めやすくなる。
・2x2-7x+6≦0
3
2x2-7x+6=0 の解は,2x2-7x+6=(x-2)(2x-3)=0 より x= ,2
2

3
したがって不等式の解は ≦x≦2
2
・x2>3 ⇒ x2-3>0
x2-3=0 の解は,x2-3=(x+ 3 )(x- 3 )=0 より x=  3
3
したがって不等式の解は x<- 3 , 3 <x
2
右の数直線より,連立不等式の解は 3 <x≦2 2
- 3 3
7
Math-Aquarium【例題】2 次関数

7 放物線と x 軸との共有点
2 次関数 y=x2+mx+m+8 のグラフが次の条件を満たすように,定数 m の値の範囲を定めよ。
(1) x 軸の正の部分で異なる 2 つの共有点をもつ。
(2) x 軸の負の部分で異なる 2 つの共有点をもつ。
(3) x 軸の正の部分と負の部分で共有点をもつ。

要 点
Pointy=ax2+bx+c (a>0)のグラフに対して,D=b2-4ac,f (x)=ax2+bx+c とおきます。
2 次関数
放物線と x 軸との共有点に関して,次のことがいえます。
Ⅰ x 軸の正の部分で異なる 2 つの共有点をもつ
⇔ D>0,( 軸の位置 )>0,f (0)>0

Ⅱ x 軸の負の部分で異なる 2 つの共有点をもつ
⇔ D>0,( 軸の位置 )<0,f (0)>0

Ⅲ x 軸の正の部分と負の部分で共有点をもつ
⇔ f (0)<0

コメント:放物線と x 軸が異なる 2 つの共有点をもつ


ため,D>0 を調べる必要がありそうだが,下に凸が
確定しているため,条件は f (0)<0 のみでよい。
また,Ⅲのとき,軸の位置は正にも負にも定まらない。

〈注意〉x2 の係数が負の場合,y 切片の条件がⅠ,Ⅱ は f (0)<0,Ⅲ は f (0)>0 となる。グラフをかいて


確かめよう。また, x2 の係数に変数を含むタイプの問題もあるが,正負で場合分けをして条件を満たす
値の範囲を求める。x2 の係数が 0 のときは直線となり,x 軸と 2 つの共有点をもつことはない。

解答
2 次関数 y=x2+mx+m+8 のグラフに対して,D=m2-4(m+8),f (x)=x2+mx+m+8 とおく。
(1) D>0,( 軸の位置 )>0,f (0)>0 を満たせばよい。
(i) D>0 すなわち m2-4(m+8)>0
m2-4(m+8)=0 の解は,m2-4(m+8)=m2-4m-32=(m+4)(m-8)=0 より m=-4,8
したがって m<-4,8<m

8
Math-Aquarium【例題】2 次関数

(ii) ( 軸の位置 )>0


2
 m  m2
x2+mx+m+8=  x+  - +m+8 より,軸は直線 x=-
m
これより -
m
>0
 2 4 2 2
したがって m<0
(iii) f (0)>0
f (0)=m+8 より m+8>0 したがって m>-8
以上のことから,右の数直線より -8<m<-4
(2) D>0,( 軸の位置 )<0,f (0)>0 を満たせばよい。
(i) D>0 (1)より m<-4,8<m
m m
(ii) ( 軸の位置 )<0 軸は(1)より x=- であるから - <0 したがって m>0
2 2
(iii) f (0)>0 (1)より m>-8

以上のことから,右の数直線より m>8

(3) f (0)<0 を満たせばよい。


m+8<0 より m<-8

研究 放物線と直線
(1) 放物線 y=-x2+2x+3 と直線 y=-2x-2 との共有点の座標を求めよ。
(2) b を実数とする。放物線 y=x2-3x+1 と直線 y=2x+b が,異なる 2 点で交わるように b の値の範囲
を定めよ。

要 点
Point
直線の式を放物線の式に代入します。そうすると 2 次方程式 ax2+bx+c=0 が得られるので,共有点の
座標が知りたいときは解を求め,個数が知りたいときは(D=)b2-4ac の符号を調べればよいです。

解答
(1) -2x-2=-x2+2x+3 ⇒ x2-4x-5=0 ⇒ (x+1)(x-5)=0
x=-1 のとき y=-2∙(-1)-2=0
x=5 のとき y=-2∙5-2=-12
よって,求める共有点の座標は (-1,0),(5,-12)

2 次方程式 ax2+bx+c=0 に対して,


(2) 2x+b=x2-3x+1 ⇒ x2-5x+1-b=0
D=b2-4ac とおく。
(この D を判別式という。

D=(-5)2-4∙1∙(1-b)=25-4+4b=21+4b
D>0 ⇔ 異なる 2 個の解をもつ
21
D>0 のとき題意を満たす。したがって b>- D=0 ⇔ 重解をもつ
4
D<0 ⇔ 解をもたない

9
Math-Aquarium【練習問題+解答】2 次関数

2 次関数

(1) 2 次関数 y=-3x2-2x+1 の頂点と軸と求めよ。また,グラフをかけ。
1
(2) 2 つの放物線 y=x2-8x と y=- x 2+ax-3b の頂点が一致するときの a,b の値を求めよ。
2

解答
 2   2 1 1
(1) y=-3x2-2x+1=-3 x 2+ x +1 =-3 x 2+ x+ - +1
 3   3 9 9


 1
2
1
 
2
1 1
= -3 x+  - +1 =-3 x+  + +1

 3 9
  3 3
 1 4
- , 
2  3 3
 1 4
= -3 x+  +
 3 3

頂点の座標: - 1 ,4  ,軸:直線 x=-


1
 3 3 3
グラフは右の図のようになる。

(2) y=x2-8x=(x-4)2-16 頂点(4,-16)

1 1
y=- x 2+ax-3b = - ( x 2-2ax)-3b
2 2

1
= - {( x-a ) 2 -a 2 }-3b
2

頂点  a ,1 a 2-3b 
1 1
= - ( x-a ) 2 + a 2-3b
2 2  2 

 4 =a       ①

 1
 -16 = a 2-3b  
 ②
 2

1
①を②に代入すると -16= ∙42-3b=8-3b より b=8
2
よって a=4,b=8

1
Math-Aquarium【練習問題+解答】2 次関数


(1) 放物線 y=-2x2-14x-13 をどれだけ平行移動すると,放物線 y=-2x2+8x+7 に重なるか。
(2) 2 次関数 y=x2+ax+4 のグラフを,x 軸方向に 2 だけ平行移動すると 2 次関数 y=x2-9x+b の
グラフとなる。このとき,a,b の値を求めよ。
(3) 次の空欄を埋めよ。
2 次関数 y=x2 のグラフを x 軸方向に(ア) ,y 軸方向に(イ) だけ平行移動したのち,
(ウ) に関して対称移動したところ,グラフの式は y=-x -2x-2 となった。 2

解答


 7 49 

2
 7 49
2

(1) y=-2x2-14x-13=-2(x2+7x)-13=-2 x+  - -13 =-2 x+  + -13



 2 4   2 2

2
 7 23  7 23 
=-2 x+  + 頂点: - , 
 2 2  2 2 
y=-2x2+8x+7=-2(x2-4x)+7=-2{(x-2)2-4}+7=-2(x-2)2+8+7
=-2(x-2)2+15 頂点:(2,15)
11 7
それぞれの頂点の座標から x 軸方向に ,y 軸方向に 平行移動すれば重なる。
2 2

2
 1  1  1 1 
(2) y=x2+ax+4=  x+ a  - a 2+4 頂点: - a ,- a 2+4 
 2  4  2 4 
2
 9 81 9 81 
y=x2-9x+b=  x-  - +b 頂点:  ,- +b 
 2 4 2 4 

 1 9
 - a+2=       ①
 2 2 1 5
それぞれの頂点の座標から  ①から - a= より a=-5
 - 1 a 2+4=- 81+b  
② 2 2

 4 4

1 81 25 81
②に a=-5 を代入すると - ∙(-5)2+4=- +b これより b=- +4+ =18
4 4 4 4
したがって a=-5,b=18

(3) y=-x2-2x-2=-(x2+2x)-2=-{(x+1)2-1}-2=-(x+1)2+1-2
=-(x+1)2-1 頂点:(-1,-1)
よって,2 次関数 y=x2 のグラフを x 軸方向に(ア)-1,y 軸方向に(イ)1 だけ平行移動したのち,
(ウ)x 軸 に関して対称移動すると,グラフの式は y=-x2-2x-2 となる。
〈注意〉
(ア)1,
(イ)1,(ウ)原点 も正解である。
グラフの向きが反対にならなくてはいけないため,
(ア)1,
(イ)-1,
(ウ)y 軸 は不正解。

2
Math-Aquarium【練習問題+解答】2 次関数

3 次の条件を満たす 2 次関数を求めよ。
(1) 3 点(2,0),(1,1),(3,5)を通る。
(2) x 軸に接し,2 点(1,1),(4,4)を通る。

解答
(1) y=ax2+bx+c に x=2,y=0 と x=1,y=1 と x=3,y=5 を代入して連立方程式を作る。
 0=4a+2b+c  
  ①

 1=a+b+c     ②
 5=9a+3b+c  
  ③

①-②,③-①から
 -1=3a+b この連立方程式を解くと a=3,b=-10

 5=5a+b
②に a=3,b=-10 を代入すると c=8
以上より y=3x2-10x+8

(2) x 軸に接する ⇒ 頂点の y 座標が 0


であるから,y=a(x-p)2 に x=1,y=1 と x=4,y=4 を代入して連立方程式を作る。

 1=a(1-p)      ①  1=a-2ap+ap       ①

2 2

 ⇒ 

 4=a(4-p)      ②
2
   ②
 4=16a-8ap+ap    
2

②' -①' から 3=15a-6ap


1=5a-2ap
1  5 
a(5-2p)=1 より a=  ①,②から  p  である。
5-2 p  2 
1
これを①に代入すると 1= (1-p) 2
5-2 p
5-2p=1-2p+p2 より p2-4=0 よって p=±2
1
p=2 のとき a=1,p=-2 のとき a=
9
1
したがって y=(x-2)2,y= ( x+2) 2  1 2 4 4 
 または  y=x -4 x+4,y= x + x+  
2
9  9 9 9 

3
Math-Aquarium【練習問題+解答】2 次関数


(1) 関数 y=x2+x+2 (-1≦x≦1) の最大値および最小値を求めよ。
(2) 関数 y=x2-4x (a≦x≦a+1) の最小値を,次の 3 つの場合に分けて求めよ。
① a<1 ② 1≦a≦2 ③ 2<a
(3) 関数 y=-(x -2x+2) +6(x -2x+2)+1 について
2 2 2

① x2-2x+2=t とおくとき,t のとり得る値の範囲を求めよ。


② y の最大値を求めよ。

解答
(1) y=x2+x+2
2
=  x+ 1  - 1 +2
 2 4
2
=  x+ 1  + 7
 2 4
定義域が -1≦x≦1 であるから  1 7
- , 
右のグラフより x=1 のとき最大値 4  2 4

1 7
x= - のとき最小値
2 4

(2) y=x2-4x=(x-2)2-4 (a≦x≦a+1)


このグラフは下に凸であり,頂点が決まっていて,定義域が動く。

① a<1 のとき ② 1≦a≦2 のとき ③ 2<a のとき

上のグラフより 上のグラフより 上のグラフより


x=a+1 のとき最小値をとる。 最小値-4 (x=2) 最小値 a2-4a (x=a)
(a+1)2-4(a+1)
=a2+2a+1-4a-4
=a2-2a-3
よって,最小値 a2-2a-3 (x=a+1)

4
Math-Aquarium【練習問題+解答】2 次関数

(3) ① t=x2-2x+2
=(x-1)2-1+2
=(x-1)2+1
右のグラフより t は x=1 のとき
最小値 1 をとる。
したがって t≧1

② y=-(x2-2x+2)2+6(x2-2x+2)+1
=-t2+6t+1
=-(t2-6t)+1
=-{(t-3)2-9}+1
=-(t-3)2+10
①より t≧1 であるから,右のグラフより
t=3 のとき y は最大値 10 をとる。
2  4-4  1  (-1) 2 8 22 2
t=x2-2x+2=3 より x2-2x-1=0 x= = = =1± 2
2 2 2
したがって 最大値 10 (x=1± 2 )


(1) 次の 2 次関数のグラフは x 軸と共有点を何個もつか。
9 9
① y=-2x2+6x- ② y=x2- x+5
2 2
(2) 2 次関数 y=-x2+4x+2k のグラフと x 軸との共有点の個数は,k の値によってどのように変わるか。

解答
 9
(1) ① D=62-4∙(-2)∙ -  =36-36=0 よって 1 個
 2
2
② D= - 9  -4∙1∙5= -20= >0 よって 2 個
81 1
 2 4 4

(2) D=42-4∙(-1)∙2k=16+8k である。


(i) 異なる 2 つの共有点をもつ ⇔ D>0 であるから,このとき 16+8k>0 ⇒ k>-2
(ii) 1 点で接する ⇔ D=0 であるから,このとき 16+8k=0 ⇒ k=-2
(iii) 共有点をもたない ⇔ D<0 であるから,このとき 16+8k<0 ⇒ k<-2
 k>-2 のとき 2 個

(i),(ii),(iii)より  k=-2 のとき 1 個
 k<-2 のとき 0 個

5
Math-Aquarium【練習問題+解答】2 次関数


(1) 次の 2 次不等式を解け。
1
① 2x2≦7x ② x2-x+ >0
4
 x 2+2 x-3 ≦ 0
(2) 連立不等式  2 を解け。
 x +x-1>0

解答
(1) ① 2x2≦7x ⇒ 2x2-7x≦0
2x2-7x=0 の解は,2x2-7x=x(2x-7)=0 より
7
7 2
x=0,
2

7
したがって不等式の解は,右の図より 0≦x≦
2

2
1 1  1
② x2-x+ =0 の解は,x2-x+ =  x-  =0 より
4 4  2
1
x=
2
したがって不等式の解は,右の図より
1  1 1 
以外のすべての実数  または  x< , <x 

2  2 2  1
2

(2) ・x2+2x-3≦0
x2+2x-3=0 の解は,x2+2x-3=(x+3)(x-1)=0 より x=-3,1
したがって不等式の解は -3≦x≦1

・x2+x-1>0
-1  1-4  1  (-1) -1 5
x2+x-1=0 の解は x= =
2 2
-1- 5 -1+ 5
したがって不等式の解は x< , <x
2 2
右の数直線より,連立不等式の解は
-1- 5 -1+ 5
-3≦x< , <x≦1
2 2 -1- 5 -1+ 5
2 2

6
Math-Aquarium【練習問題+解答】2 次関数


2 次関数 y=x2-(m+2)x+5 のグラフが,x 軸の正の部分で異なる 2 つの共有点をもつように定数 m の
値の範囲を定めよ。

解答
2 次関数 y=x2-(m+2)x+5 のグラフに対して,D={-(m+2)}2-4∙1∙5,f (x)=x2-(m+2)x+5 とおく。
D>0,( 軸の位置 )>0,f (0)>0 を満たせばよい。
(i) D>0 すなわち {-(m+2)}2-4∙1∙5=m2+4m-16>0
-4  16-4 1 (-16) -4  80
m2+4m-16=0 の解は m= = =-2± 2 5
2 2
したがって m<-2- 2 5 ,-2+ 2 5 <m

(ii) ( 軸の位置 )>0


2 2
 m+2   m+2  m+2 m+2
x2-(m+2)x+5=  x-  -  +5 より,軸は直線 x= これより >0
 2   2  2 2
したがって m>-2

(iii) f (0)>0
f (0)=5 より f (0)>0 を満たしている。

以上のことから,右の数直線より m>-2+ 2 5

研究
(1) 放物線 y=-x2+2x+5 と直線 y=x+3 との共有点の座標を求めよ。
(2) b を実数とする。放物線 y=x2-2x-2 と直線 y=2x+b が接するような b の値を求めよ。

解答
(1) x+3=-x2+2x+5 ⇒ x2-x-2=0 ⇒ (x+1)(x-2)=0
x=-1 のとき y=(-1)+3=2
x=2 のとき y=2+3=5
よって,求める共有点の座標は (-1,2),(2,5)

(2) 2x+b=x2-2x-2 ⇒ x2-4x-2-b=0


D=(-4)2-4∙1∙(-2-b)=16+8+4b=24+4b
D=0 のとき題意を満たす。したがって b=-6

7
Math-Aquarium【例題】図形と計量

図形と計量
P
1 直角三角形と三角比
木の先端を P,根元を Q とする。A 地点の目の位置 A' から
木の先端への仰角が 30° ,A から 7m 離れた∠AQB=90° と
なる B 地点の目の位置 B' から木の先端への仰角が 45° であ
るとき,木の高さを求めよ。ただし,目の高さを 1.5m とし,
Q' を右の図のように定める。 Q' 45°
30°
A' B'

1.5m Q

A 7m B

要 点
Point PQ  1 PQ 
・PQ' =x とおき,A' Q',B' Q' を x を用いて表し, =tan30°= , =tan45°=1 を利用します。
A Q  3 B Q 
・△A' Q' B' において,三平方の定理を用いて x を求めます。

解答
PQ  1
PQ' =x とおく。∠PA' Q' =30°より =tan30°,tan30°= であるので A' Q' = 3 x
A Q  3
PQ 
∠PB' Q' =45°より =tan45°,tan45°=1 であるので B' Q' =x
B Q 
△A' Q' B' は直角三角形なので,三平方の定理により
49
( 3 x)2+x2=72 x2=
4 3x x

7
x>0 より x= =3.5
2 7

したがって,木の高さは 3.5+1.5=5m

2 90° -θ,180° -θの三角比


(1) 次の三角比を 45°より小さい角の三角比で表せ。
① sin70° ② cos165° ③ tan130°
(2) 0° <θ<90° のとき,sin(90° +θ),cos(90° +θ),tan(90° +θ)を,θの三角比で表せ。

1
Math-Aquarium【例題】図形と計量

要 点
Point

 sin(90 -θ)= cosθ θ
 r r x
 cos(90 -θ)= sinθ 90°−θ
y
 1 θ
 tan(90 -θ)= x
90°−θ
 tanθ y

 sin(180 -θ)=sinθ 180°−θ



 cos(180 -θ)=- cosθ 1
 tan(180 -θ)=- tanθ
 y

θ
-1 -x x 1

解答
(1) ① 90°-20°=70° であるから sin70°=sin(90°-20°)=cos20°
② 165°=180°-15° であるから cos165°=cos(180°-15°)=-cos15°
③ 130°=180°-50° であり,50°=90°-40° であるから
1
tan130°=tan(180°-50°)=-tan50°=-tan(90°-40°)=-
tan 40
(2) 0° <θ<90° のとき,90°+θは鈍角になるから 180°-(90°+θ)を考える。
180°-(90°+θ)=90°-θであるから sin(90°+θ)=sin{180°-(90°+θ)}=sin(90°-θ)=cosθ
cos(90°+θ)=-cos{180°-(90°+θ)}=-cos(90°-θ)=-sinθ
1
tan(90°+θ)=-tan{180°-(90°+θ)}=-tan(90°-θ)=-
tanθ

3 三角比の相互関係
2
(1) 0° ≦θ≦90° とする。cosθ= のとき,sinθと tanθの値を求めよ。
7

1
(2) 0° ≦θ≦180° とする。sinθ= のとき,cosθと tanθの値を求めよ。
3
(3) 0° ≦θ≦180° とする。tanθ=-2 のとき,sinθと cosθの値を求めよ。

要 点
Point
次の三角比の相互関係を用います。
0° ≦θ≦180° とする。ただし,tanθではθ≠90° とする。
sinθ 1
sin2θ+cos2θ=1 tanθ= 1+tan2θ=
cosθ cos2 θ

2
Math-Aquarium【例題】図形と計量

解答
2
2 45 3 5
(1) 2 2
sin θ+cos θ=1 から sin θ=1-cos θ=1-   =
2 2
sinθ>0 であるから sinθ=
7 49 7

sinθ 3 5 2 3 5
また tanθ= = ÷ =
cosθ 7 7 2
2
1 8
(2) 2 2
sin θ+cos θ=1 から cos θ=1-sin θ=1-   =
2 2
3 9
(ⅰ) cosθ>0 のとき
8 2 2 sinθ 1 2 2 1 2
cosθ= = また tanθ= = ÷ = =
9 3 cosθ 3 3 2 2 4
(ⅱ) cosθ<0 のとき
8 2 2 sinθ 1  2 2  1 2
cosθ=- =- また tanθ= = ÷ -  =-
 =-
9 3 cosθ 3  3  2 2 4
2 2 2  2 2 2 
(ⅰ),(ⅱ)から (cosθ,tanθ)=  ,  , - ,-
 3 4   3 4 
1 1 1
(3) 1+tan2θ= から =1+(-2)2=5 cos2θ=
cos2 θ cos2 θ 5
0° ≦θ≦180° ,tanθ=-2<0 であるから 90° <θ<180° よって cosθ<0
1 5  5 2 5
したがって cosθ=- =- また sinθ=tanθ∙cosθ=(-2)∙ -  =
5 5  5  5

4 三角方程式・三角不等式
0° ≦θ≦180° のとき,次の問いに答えよ。
(1) 等式 2sinθ= 3 を満たすθを求めよ。
(2) 不等式 2sinθ> 3 を満たすθの範囲を求めよ。

要 点
Point
角θの三角比の値から,角θ(0° ≦θ≦180°)を求めることができます。
① sinθ=s を満たすθ ② cosθ=c を満たすθ ③ tanθ=t を満たすθ

180° -θ
1 1 1 t
s y=s

θ θ θ
-1 1 -1 c 1 -1 1

0≦s<1 なら θ,180° -θ -1≦c≦1 t≠0 のとき,θはただ 1 つ


s=1 なら θ=90° θはただ 1 つ t=0 なら θ=0° ,180°

3
Math-Aquarium【例題】図形と計量

解答
3
(1) 2sinθ= 3 から sinθ= 3
2 2
Q 1
3 P
半径 1 の円周上で,y 座標が となる
2
点は,右の図の 2 点 P,Q である。
60° A
求めるθは,∠AOP と∠AOQ である
-1 1
から θ=60°,120°
120°
3
(2) 2sinθ> 3 から sinθ>
2

3
(1)より,sinθ= を満たすθは
2
3
θ=60°,120° 1 2
3
よって,右の図から sinθ> を
2
60°
満たすθの範囲は
60° <θ<120° -1 1

120°

5 三角比の対称式の値
3
0° ≦θ≦180° ,sinθ+cosθ= のとき,次の値を求めよ。
2
(1) sinθcosθ (2) sinθ-cosθ (3) tanθ

要 点
Point 3
(1) sinθ+cosθ= の両辺を 2 乗します。
2
(2) まず,(sinθ-cosθ)2 の値を求めます。
3
(3) sinθ+cosθ= と(2)から,sinθ,cosθを求めます。
2

解答
3 3
(1) sinθ+cosθ= の両辺を 2 乗すると sin2θ+2sinθcosθ+cos2θ=
2 4
3
sin2θ+cos2θ=1 から 1+2sinθcosθ=
4

1 1
よって,2sinθcosθ=- から sinθcosθ=-
4 8

4
Math-Aquarium【例題】図形と計量

(2) (sinθ-cosθ)2=sin2θ-2sinθcosθ+cos2θ
1  1 5
sin2θ+cos2θ=1,(1)から sinθcosθ=- であるから (sinθ-cosθ)2=1-2∙ -  =
8  8 4
1
ここで,0° ≦θ≦180° のとき sinθ≧0 であることと,sinθcosθ=- <0 から cosθ<0
8

5 5
よって,sinθ-cosθ>0 である。したがって sinθ-cosθ= =
4 2

 3
sinθ+ cosθ=
 2 3+ 5 3- 5
(3) 条件と(2)から  これを解くと sinθ= ,cosθ=
sinθ- cosθ= 5 4 4
 2

3+ 5
sinθ 4 ( 3+ 5 ) 2 8+2 15
よって tanθ= = = = =-4-
cosθ 3- 5 ( 3- 5 )( 3+ 5 ) 3-5
4

6 三角比の 2 次関数の最大・最小
0° ≦θ≦180° のとき,y=cos2θ+sinθの最大値,最小値を求めよ。また,そのときのθの値を求めよ。

要 点
① Point
sin2θ+cos2θ=1 を利用して,関数を 1 つの三角比で表します。
② sinθ=t(または cosθ=t )とおき,変域に注意して 2 次関数のグラフをかきます。

解答
cos2θ=1-sin2θより y=cos2θ+sinθ=1-sin2θ+sinθ=-sin2θ+sinθ+1
sinθ=t とおくと,0° ≦θ≦180° のとき 0≦sinθ≦1 であるから 0≦t≦1
y を t を用いて表すと


 1 
2
1
  1
2
1  1
2
5
y=-t2+t+1=-(t2-t)+1=- t-  -  +1=- t-  + +1=- t-  +

 2 4
  2  4  2  4

1 5
t= で最大値 ,t=0,1 で最小値 1 をとる。
2 4
5
1 1 4
t= すなわち sinθ= を満たすθは θ=30° ,150°
2 2 1
t=0 すなわち sinθ=0 を満たすθは θ=0° ,180°
t=1 すなわち sinθ=1 を満たすθは θ=90° 1 1
2
5
よって,θ=30° ,150° のとき最大値 ,θ=0° ,90° ,180° のとき最小値 1
4

5
Math-Aquarium【例題】図形と計量

7 正弦定理・余弦定理
A
△ABC において,辺 BC,CA,AB の長さをそれぞれ a,b,c,
∠A,∠B,∠C の大きさをそれぞれ A,B,C で表すことにする。 c b
(1) △ABC において,次のものを求めよ。
① A=60° ,B=45° ,a=2 のとき,b および外接円の半径 R B
a C
② a=3,B=60° ,c=4 のとき b
(2) △ABC において,B=45° ,b= ,c=3 のとき,a,A,C を求めよ。

要 点
A
Point
正弦定理
a b c c R b
= = =2R
sin A sin B sin C
余弦定理 B a C
2 2 2 2 2 2 2 2 2
a =b +c -2bccosA,b =c +a -2cacosB,c =a +b -2abcosC

解答
2 b 2 b
(1) ① 正弦定理により, = から =
sin 60 sin 45 3 1 A
2 2
60° b
 3 1 2 1 4 2 6
よって b=  2  ×
 =2× × = =
 2  2 3 2 6 3 45°
B C
2 2 2
また,正弦定理により 2R= から 2R=
sin 60 3
2
 3 1 2 1 2 2 3
よって R=  2   × =2×
 × = =
 2  2 3 2 3 3

② 余弦定理により
b2=42+32-2∙4∙3∙cos60°
1 A
=16+9-24∙ =13
2
b>0 から b= 13
4

60°
B C
3

6
Math-Aquarium【例題】図形と計量

(2) 正弦定理により

6 3 6 3
= から =
sin 45 sin C 1 sin C
2
 1  1 1 3 3
よって sinC=3÷  6   =3× × = =
 2 6 2 2 3 2
したがって C=60° ,120° A A
△ABC は右の図のように
2 通りある。 3 6 3
45° 6
余弦定理により
45° 60°
( 6 )2=32+a2-2∙3∙a∙cos45° B
C
B C 120°

1
6=9+a2-6a∙ 整理すると a2- 3 2 a+3=0
2

3 2  (-3 2 ) 2 -4  1  3 3 2 6
解の公式により a= =
2 1 2
また,C=60° のとき A=75° ,C=120° のとき A=15°
 3 2+ 6   3 2- 6 
以上から (a,A,C)=  ,75 ,60  ,  ,15 ,120 
 2   2 

8 三角形の形状
△ABC において,sinA=2cosBsinC が成り立っているとき,この三角形はどのような三角形か。

要 点
Point
正弦定理,余弦定理を用いて,与えられた等式を辺だけの関係式に直します。

解答
a a 2+c 2-b 2 c
与えられた式に sinA= ,cosB= ,sinC= をそれぞれ代入すると
2R 2ac 2R

a a 2+c 2-b 2 c
=2∙ ∙
2R 2ac 2R
両辺に 2aR を掛けると a2=a2+c2-b2 これから b2=c2 b>0,c>0 より b=c
よって,△ABC は AB=AC の二等辺三角形である。

9 三角形の面積
次の△ABC の面積を求めよ。
(1) AB=2,AC=3,A=60°
(2) AB=6,AC=5,BC=7

7
Math-Aquarium【例題】図形と計量

要 点
A
Point
△ABC の面積を S とすると
c b
1 1 1
S= bcsinA= acsinB= absinC
2 2 2
B a C

解答
1 1 3 3 3
(1) S= ∙3∙2∙sin60° = ∙3∙2∙ =
2 2 2 2

6 2 +5 2 -7 2 1
(2) 余弦定理により cosA= =
265 5
2
1 2 6
sin2A+cos2A=1,0° <A<180° のとき,sinA>0 から sinA= 1-  =
5 5

1 1 2 6
よって S= bcsinA= ∙5∙6∙ =6 6
2 2 5
別解 ヘロンの公式を用いる。
a+b+c 7+5+6
s= = =9 であるから
2 2

S= s( s-a)(s-b)(s-c) = 9(9-7)(9-5)(9-6) = 6 6

10 三角形の内角の二等分線の長さ
△ABC において,AB=5,AC=3,∠A=60° とする。∠A の二等分線と辺 BC の交点を D とするとき,
線分 AD の長さを求めよ。

要 点
Point
三角形の面積を利用します。
∠BAD=∠DAC,△ABC=△ABD+△ACD であり,
1
△ABC= ∙AB∙AC∙sin∠BAC A
2

1 ・・
△ABD= ∙AB∙AD∙sin∠BAD
2

1
△ACD= ∙AD∙AC∙sin∠DAC
2 B C
D
であることから AD を求めることができます。

8
Math-Aquarium【例題】図形と計量

解答
△ABC=△ABD+△ACD であるので,それぞれ面積の公式から
1 1 1
∙AB∙AC∙sin∠BAC= ∙AB∙AD∙sin∠BAD+ ∙AD∙AC∙sin∠DAC
2 2 2

1 1 1
よって ∙5∙3∙sin60° = ∙5∙AD∙sin30° + ∙AD∙3∙sin30°
2 2 2

1 3 1 1 1 1
すなわち ∙5∙3∙ = ∙5∙AD∙ + ∙AD∙3∙
2 2 2 2 2 2

15 3
したがって AD=
8

11 内接円の半径
△ABC について,次の問いに答えよ。
(1) a=7,b=9,c=10 のとき,△ABC の面積 S と内接円の半径 r を求めよ。
(2) a=6,b=8,∠C=60° のとき,△ABC の内接円の半径 r を求めよ。

要 点
Point
△ABC の内接円の中心,すなわち,内心を I,面積を S,
内接円の半径を r とすると A
S=△IBC+△ICA+△IAB
1 1 1
= ar+ br+ cr r I r
2 2 2

1 r
= r(a+b+c) B
2 C
内接円の半径は,3 辺の長さと面積から求めることができます。

解答
a+b+c 7+9+10
(1) s= = =13 であるから,ヘロンの公式により
2 2
S= s( s-a)(s-b)(s-c) = 13 6  4  3 = 6 26
1
また,S= r(a+b+c) にそれぞれの値を代入すると
2

1 6 26
6 26 = r(7+9+10) これを解いて r=
13
2

9
Math-Aquarium【例題】図形と計量

(2) △ABC の面積を S とすると


1 1 1 3
S= absin∠C= ∙6∙8∙sin60° = ∙6∙8∙ =12 3
2 2 2 2
1
また c2=a2+b2-2abcos∠C=62+82-2∙6∙8∙cos60° =36+64-2∙6∙8∙ =52
2

1 1
c>0 から c= 2 13 S= r(a+b+c) にそれぞれの値を代入すると 12 3 = r(6+8+ 2 13 )
2 2
12 3 12 3 (7- 13) 12 3 (7- 13) 3 (7- 13 )
12 3 =(7+ 13 )r から r= = = =
7+ 13 (7+ 13)(7- 13) 36 3

研究1 円に内接する四角形の面積
円に内接する四角形 ABCD において,AB=6,BC=8,CD=6,DA=5 のとき,対角線 AC の長さ,
四角形 ABCD の面積 S をそれぞれ求めよ。

要 点
Point
円に内接する四角形において,向かい合う角の和は 180° であることを利用します。

解答
△ABC において,余弦定理により A
2 2 2
AC =6 +8 -2∙6∙8∙cos∠ABC 6
5
=100-96cos∠ABC ……① B
△ADC において,余弦定理により D
2 2 2
AC =6 +5 -2∙6∙5∙cos∠ADC
=61-60cos(180° -∠ABC) 8 6
=61+60cos∠ABC ……②
①,②から 100-96cos∠ABC=61+60cos∠ABC C
1 1
これを解いて cos∠ABC= ①に代入すると AC2=100-96∙ =76
4 4
AC>0 から AC= 2 19
2 15
また sin∠ABC= 1- 1  = sin∠ADC=sin(180° -∠ABC)=sin∠ABC より
4 4

1 15 1 15 39 15
S=△ABC+△ADC= ∙6∙8∙ + ∙6∙5∙ =
2 4 2 4 4

10
Math-Aquarium【例題】図形と計量

研究2 正四面体の体積
1 辺の長さが 2 の正四面体 ABCD の体積を求めよ。

要 点
Point
頂点 A から底面△BCD に A
垂線 AH を引くと,直角三角形の
斜辺と他の 1 辺が等しいから
△ABH≡△ACH≡△ADH D
よって,BH=CH=DH であるから, B
H
点 H は△BCD の外心であることを
利用します。 C

解答
頂点 A から底面△BCD に垂線 AH を引くと △ABH≡△ACH≡△ADH
これから,BH=CH=DH であるので,点 H は△BCD の外心である。
よって,BH は△BCD の外接円の半径であるから
2 2 3
=2BH これから BH=
sin 60 3
△ABH は直角三角形であるから,三平方の定理により

2
2 3 2 6
AH= AB 2-BH 2 = 2 2 -  =
 3  3
 

1
また △BCD= ∙2∙2∙sin60° = 3
2

1 1 2 6 2 2
以上から,正四面体の体積は ∙△BCD∙AH= ∙ 3 ∙ =
3 3 3 3

11
Math-Aquarium【例題】図形と計量

研究3 36°の三角比 A
A=36° ,B=C=72° ,BC=1 の
△ABC があり,∠ABC の二等分線と AC 36°
の交点を D とする。
D
△ABC∽△BCD であることを利用して,
cos36° を求めてみよう。
・ 72°
B
・ C
1

解答
∠BAC=∠CBD=36° ,∠ABC=∠BCD より △ABC∽△BCD
また,△BCD,△ABD は二等辺三角形であるから,BC=BD=AD=1 である。
AB:BC=BC:CD であるから,AB=x とおくと CD=x-1 より
x:1=1:(x-1) よって x(x-1)=1 x2-x-1=0
1 5 1+ 5
これを解いて x= x>0 より x=
2 2

2 x 2-1
△ABC において,余弦定理により 1=x2+x2-2∙x ∙x ∙cos36° これから cos36° =
2x 2

2
 1+ 5  6+2 5 3+ 5
x = 
2
 =
 = であるから
4 2
 2 

3+ 5
2 -1 (2+ 5 )(3- 5 ) 6-2 5+3 5-5 1+ 5
2 2+ 5
cos36° = = = = =
3+ 5 3+ 5 (3+ 5 )(3- 5 ) 4 4
2
2

12
Math-Aquarium【練習問題+解答】図形と計量

図形と計量
A

右の図の h を求めよ。

30° 60°
B C
5 D

解答
h 3
△ADC において,DC:AC=1: 3 から DC:h=1: 3 これから DC= = h
3 3
 3 
△ABC において,AC:BC=1: 3 から h:  5+ h  =1: 3
 3 

3 2 3 15 5 3
これから 5+ h= 3 h h=5 より h= =
3 3 2 3 2

別解 △ABD が AD=DB=5 の二等辺三角形であることを用いて,AD:AC=2: 3 から求めることも


できる。

2 次の三角比を求めよ。ただし,sin70°=0.9397,cos70°=0.3420 である。
(1) sin20° (2) sin110° (3) cos160°

解答
(1) 90°-70°=20° であるから sin20°=sin(90°-70°)=cos70°=0.3420
(2) 110°=180°-70° であるから sin110°=sin(180°-70°)=sin70°=0.9397
(3) 160°=180°-20° であり,20°=90°-70° であるから
cos160°=cos(180°-20°)=-cos20°=-cos(90°-70°)=-sin70°=-0.9397

1
Math-Aquarium【練習問題+解答】図形と計量

3 0° ≦θ≦180° のとき,次の問いに答えよ。
1
(1) tanθ= のとき,sinθ,cosθの値を求めよ。
7

15
(2) sinθ= のとき,cosθ,tanθの値を求めよ。
17

解答
2
1 1 1 50 49
(1) 1+tan2θ= から =1+   = cos2θ=
cos2 θ cos θ 7
2
49 50
1
0° ≦θ≦180° ,tanθ= >0 であるから 0° <θ<90° よって cosθ>0
7

49 7 2 1 7 2 2
したがって cosθ= = また sinθ=tanθ∙cosθ= ∙ =
50 10 7 10 10
2
 15  64
(2) sin2θ+cos2θ=1 から cos2θ=1-sin2θ=1-   =
 17  289
(ⅰ) cosθ>0 のとき
64 8 sinθ 15 8 15
cosθ= = また tanθ= = ÷ =
289 17 cosθ 17 17 8
(ⅱ) cosθ<0 のとき
64 8 sinθ 15  8  15
cosθ=- =- また tanθ= = ÷  -  =-
289 17 cosθ 17  17  8

 8 15   8 15 
(ⅰ),(ⅱ)から (cosθ,tanθ)=  ,  , - ,- 
 17 8   17 8

2
Math-Aquarium【練習問題+解答】図形と計量

4 0° ≦θ≦180° のとき,次の問いに答えよ。
(1) sinθ+cosθ=0 を満たすθを求めよ。
(2) 2 sinθ-1>0 を満たすθの範囲を求めよ。

解答
(1) sinθ+cosθ=0 から sinθ=-cosθ
(ⅰ) cosθ=0 すなわち θ=90° のとき
1+0≠0 より不適。 1
(ⅱ) cosθ≠0 すなわち θ≠90° のとき P
sinθ θ
=-1 tanθ=-1 A
cosθ
-1 1
右の図のように,直線 x=1 上に
点 T(1,-1)をとり,直線 OT と
-1 T
半径 1 の半円の交点を P とすると,
∠AOP=135° である。
したがって θ=135°
1
(2) 2 sinθ-1>0 から sinθ>
2 1
1 2
半径 1 の半円上で,y 座標が となる
2 1
Q P
点を P,Q とすると
∠AOP=45° ,∠AOQ=135°
45° A
1
よって,右の図から sinθ> を満たす -1 1
2
135°
θの範囲は 45° <θ<135°

3
Math-Aquarium【練習問題+解答】図形と計量


1
0° ≦θ≦180° ,sinθ+cosθ=- のとき,sin3θ+cos3θの値を求めよ。
4

解答
(sin2θ+cos2θ)(sinθ+cosθ)=sin3θ+sin2θcosθ+sinθcos2θ+cos3θから
sin3θ+cos3θ=1∙(sinθ+cosθ)-sinθcosθ(sinθ+cosθ)
 1 1
=(1-sinθcosθ)∙  -  =- (1-sinθcosθ)
 4 4

1 1
また,sinθ+cosθ=- の両辺を 2 乗すると sin2θ+2sinθcosθ+cos2θ=
4 16

1 15 15
1+2sinθcosθ= から 2sinθcosθ=- より sinθcosθ=-
16 16 32

1   15   47
以上から sin3θ+cos3θ=- 1--   =-
4   32   128
別解 sin3θ+cos3θ=(sinθ+cosθ)(sin2θ-sinθcosθ+cos2θ) や
sin3θ+cos3θ=(sinθ+cosθ)3-3sinθcosθ(sinθ+cosθ) を用いて求めてもよい。


0° ≦θ≦180° のとき,y=-sin2θ-cosθの最大値,最小値を求めよ。また,そのときのθも求めよ。

解答
sin2θ=1-cos2θより y=-sin2θ-cosθ=-(1-cos2θ)-cosθ=cos2θ-cosθ-1
cosθ=t とおくと,0° ≦θ≦180° のとき -1≦cosθ≦1 であるから -1≦t≦1
y を t を用いて表すと
2 2
 1 1  1 5
y=t -t-1=  t-  - -1=  t-  -
2
 2 4  2 4

1 5
t= で最小値- ,t=-1 で最大値 1 をとる。 1
2 4
1
1
1 1 2
t= すなわち cosθ= を満たすθは θ=60°
2 2 -1
t=-1 すなわち cosθ=-1 を満たすθは θ=180° -1
5
5 -
よって,θ=60° のとき最小値- ,θ=180° のとき最大値 1 4
4

4
Math-Aquarium【練習問題+解答】図形と計量

7 △ABC において,次のものを求めよ。
A
(1) ∠A=120° ,a=6 のときの外接円の半径 R
120° C
B 6
R

(2) a= 2 + 6 ,∠B=30° ,c= 2 2 のときの∠A,b,∠C


A
2 2

30°
B C
2+ 6

解答
6 6
(1) 正弦定理により, =2R から =2R
sin 120 3
2
 3 1 6
よって R=  6  × =
 =2 3
 2  2 3
(2) 余弦定理により
3
b2=( 2 + 6 )2+( 2 2 )2-2∙( 2 + 6 )∙ 2 2 ∙cos30° =2+ 2 12 +6+8- 4 2 ( 2 + 6 )∙
2
=16+ 4 3 - 4 3 -12=4
b>0 から b=2

2 2 2 2 2 2
正弦定理により, = から =
sin 30 sin C 1 sin C
2

1 1 2
よって sinC= 2 2 × × =
2 2 2
2 2 < 2 + 6 より,∠C<∠A であるから ∠C=45° ,∠A=180°-30°-45°=105°
したがって (∠A,b,∠C)=(105° ,2,45° )

5
Math-Aquarium【練習問題+解答】図形と計量


cosAsinC=sinB が成り立つとき,△ABC はどのような形の三角形か。

解答
b 2+c 2-a 2 c b
与えられた式に cosA= ,sinC= ,sinB= をそれぞれ代入すると
2bc 2R 2R

b 2+c 2-a 2 c b
∙ =
2bc 2R 2R
両辺に 4bR を掛けると b2+c2-a2=2b2 これから a2+b2=c2
よって,△ABC は∠C=90° の直角三角形である。

9 次の空欄を埋めよ。
△ABC において,a= 7 ,b=2,c=1 のとき,cosA=(ア) , A
すなわち ∠A=(イ) よって,△ABC の面積は(ウ) 1 ● ● 2
である。さらに,∠A の二等分線と BC の交点を D としたとき,
B D C
AD の長さは(エ) である。
7

解答
b 2+c 2-a 2 4+1-7 1
cosA= = =- 0°≦∠A≦180° であるから ∠A=120°
2bc 2  2 1 2

1 1 3 3
△ABC= ∙1∙2∙sin120°= ∙1∙2∙ =
2 2 2 2
△ABD+△ACD=△ABC であるので,それぞれ面積の公式から
1 1 3
∙1∙AD∙sin60°+ ∙AD∙2∙sin60°=
2 2 2

3 3 3 3 3 3 3 4 2
これから AD+ AD= AD= よって AD= ∙ =
4 2 2 4 2 2 3 3 3

1 3 2
(ア) - ,(イ) 120°,(ウ) ,
(エ)
2 2 3

6
Math-Aquarium【練習問題+解答】図形と計量

10
△ABC において,∠A=45° ,b=8,c= 2 のとき,内接円の半径 r を求めよ。

解答 C
△ABC の面積を S とすると
1 1
S= bcsin∠A= ∙8∙ 2 ∙sin45°
2 2
8
1 1
= ∙8∙ 2 ∙ =4
2 2
また a2=b2+c2-2bccos∠A=82+( 2 )2-2∙8∙ 2 ∙cos45°
45°
1 A B
=64+2-2∙8∙ 2 ∙ =50 2
2

1 1
a>0 から a= 5 2 S= r(a+b+c) にそれぞれの値を代入すると 4= r( 5 2 +8+ 2 )
2 2

4 4(4-3 2 )
4=(4+ 3 2 )r から r= = = 6 2 -8
4+3 2 (4+3 2 )(4-3 2 )

研究1
円に内接する四角形 ABCD において,AB=6,BC=7,CD=2,DA=3 のとき,対角線 AC の長さ,
四角形 ABCD の面積 S をそれぞれ求めよ。

解答
△ABC において,余弦定理により A
2 2 2
AC =6 +7 -2∙6∙7∙cos∠ABC
6
=85-84cos∠ABC ……① 3
D
△ADC において,余弦定理により B 2
AC2=22+32-2∙2∙3∙cos∠ADC 7 C
=13-12cos(180° -∠ABC)
=13+12cos∠ABC ……②
①,②から 85-84cos∠ABC=13+12cos∠ABC
3 3
これを解いて cos∠ABC= ①に代入すると AC2=85-84∙ =22
4 4
AC>0 から AC= 22
2
 3 7
また sin∠ABC= 1-  = sin∠ADC=sin(180° -∠ABC)=sin∠ABC より
 4 4

1 7 1 7
S=△ABC+△ADC= ∙6∙7∙ + ∙2∙3∙ =6 7
2 4 2 4

7
Math-Aquarium【練習問題+解答】図形と計量

研究2 A
右の図のような,正三角錐 ABCD の体積を求めよ。
3

D
B

2
C

解答
頂点 A から底面△BCD に垂線 AH を引くと △ABH≡△ACH≡△ADH
これから,BH=CH=DH であるので,点 H は△BCD の外心である。
よって,BH は△BCD の外接円の半径であるから
2 2 3
=2BH これから BH=
sin 60 3
△ABH は直角三角形であるから,三平方の定理により

2
2 3 69
AH= AB 2-BH 2 = 3 2 -  =
 3
 3 

1
また △BCD= ∙2∙2∙sin60° = 3
2

1 1 69 23
以上から,正三角錐の体積は ∙△BCD∙AH= ∙ 3 ∙ =
3 3 3 3

8
Math-Aquarium【例題】データの分析

データの分析

1 データの整理
右の度数分布表は,A 高校の 20 人について, 階級値 度数 相対
1 日にみたテレビの時間を記入したものである。 階級(分)
(分) (人) 度数
次の問いに答えよ。 55 以上~65 未満 60 2 0.10
(1) テレビをみた時間が 85 分未満の生徒は何人 65 ~75 70 2 0.10
いるか。 75 ~85 80 3 0.15
(2) テレビをみた時間が 95 分以上の生徒は全体 85 ~95 90 4 0.20
の何%であるか。 95 ~105 100 6 0.30
(3) 右の度数分布表をもとにして,ヒストグラム 105 ~115 110 2 0.10
をかけ。 115 ~125 120 1 0.05
合計 20 1.00

要 点
Point
ある集団を構成する人や物の特性を表す数量を 変量 といい,変量の個々の値や,その集まりのこと
を データ という。
データを整理するとき,設定した各区間を 階級 といい,各階級の中央の値をその階級の 階級値 と
いう。また,各階級に入る値の個数をその階級の 度数 といい,各階級に度数を対応させた表を
度数分布表 という。データ全体に対する各階級の度数の割合を,その階級の 相対度数 という。
縦軸に度数,横軸に階級をとったグラフを ヒストグラム という。

解答
(1) 2+2+3=7(人)
(2) 0.30+0.10+0.05=0.45
したがって 45%
(3)
7
6
度 5
数 4

人 3
) 2
1
0
60 70 80 90 100 110 120
テレビをみた時間(分)

1
Math-Aquarium【例題】データの分析

2 平均値
(1) 次のデータは,ある高校生 7 人が 1 ヵ月にカレーライスを食べた回数 x を調べたものである。
10,8,4,6,9,5,7 (回)
このデータの平均値 x を求めよ。
(2) 右の表から,テレビをみた時間 x の平均値を求めよ。
階級値 度数
階級(分)
x(分) f(人)
55 以上~65 未満 60 2
65 ~75 70 2
75 ~85 80 3
85 ~95 90 4
95 ~105 100 6
105 ~115 110 2
115 ~125 120 1
合計 20

要 点
Point
平均値
変量 x の n 個の値 x1,x2,……,xn からなるデータについて,値の合計を個数 n で割った値を 平均値
といい,記号 x で表す。
変 量 の 値 の 合 計 1
平均値= , x = (x1+x2+……+xn)
変 量 の 値 の 個 数 n
度数分布表からの平均値
右の度数分布表では,x1 が f1 個,x2 が f2 個,……,xr が f r 個あると 階級値 x 度数 f
みて平均値を計算する。 x1 f1
( 階 級 値度 数 ) の 合 計 x2 f2
平均値=
変 量 の 値 の 個 数

1 xr fr
x = (x1f1+x2f2+……+xr f r)
n
合計 n
ただし n=f1+f2+……+fr

解答
1 49
(1) x = (10+8+4+6+9+5+7)= =7(回)
7 7

1
(2) x= (60×2+70×2+80×3+90×4+100×6+110×2+120×1)
20

1
= ×1800=90(分)
20

2
Math-Aquarium【例題】データの分析

3 中央値,最頻値
次のデータは,ある高校生 8 人が 1 ヵ月に読んだ本の冊数である。ただし,教科書,参考書,雑誌,
漫画は除く。
3,2,0,1,3,1,1,2 (冊)
(1) このデータの中央値を求めよ。
(2) このデータの最頻値を求めよ。

要 点
Point
中央値
データの値を大きさの順に並べたとき,中央の順位にくる値を 中央値 または メジアン という。
データの値の個数が偶数のときは,中央に並ぶ 2 つの値の平均値を中央値とする。
最頻値
データに最も多く現れる値を 最頻値 または モード という。

解答
(1) 小さい方から順に並べると 0,1,1,1,2,2,3,3
1+2
これより,中央値は =1.5(冊)
2
(2) 最頻値は 1(冊)

4 範囲,四分位数,四分位範囲,四分位偏差
次のデータは,A 社の従業員 11 人の年収を調べたものである。
490,470,540,520,500,480,490,550,460,470,530 (万円)
次の問いに答えよ。
(1) このデータの範囲を求めよ。
(2) このデータの四分位数 Q 1,Q 2,Q 3 を求めよ。
(3) このデータの四分位範囲と四分位偏差を求めよ。

3
Math-Aquarium【例題】データの分析

要 点
Point
範囲
データの最大値から最小値を引いた値を 範囲 という。
範囲 = 最大値 - 最小値
四分位数
データの値を小さい方から順に並べ,中央値によって前半部分と後半部分の 2 つに分ける。データの
値の個数が奇数のときは,中央値を 1 つ除いてから,前半部分と後半部分を考える。
最小値を含む前半部分の中央値を 第 1 四分位数 ,データ全体の中央値を 第 2 四分位数 ,最大値を
含む後半部分の中央値を 第 3 四分位数 といい,それぞれ Q 1,Q 2,Q 3 で表す。
これらをまとめて 四分位数 という。

データの個数が奇数のとき データの個数が偶数のとき
前半部分 後半部分 前半部分 後半部分

● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ●

Q1 Q2 Q3 Q1 Q2 Q3

四分位範囲,四分位偏差
第 3 四分位数 Q3 から第 1 四分位数 Q1 を引いた値を 四分位範囲 という。
また,四分位範囲を 2 で割った値を 四分位偏差 という。
Q 3-Q 1
四分位範囲 = Q 3-Q 1 , 四分位偏差=
2

解答
(1) 最大値は 550 万円,最小値は 460 万円であるから,範囲は 550-460=90(万円)
(2) 小さい方から順に並べると 460,470,470,480,490,490,500,520,530,540,550
中央値から Q 2=490(万円)
前半部分の中央値から
Q 1=470(万円) 460 470 470 480 490 490 500 520 530 540 550

後半部分の中央値から
Q 3=530(万円) Q1 Q2 Q3

(3) Q 1=470,Q 3=530 であるから


四分位範囲は 530-470=60(万円)
60
四分位偏差は =30(万円)
2

4
Math-Aquarium【例題】データの分析

5 箱ひげ図
次のデータは,A 社の従業員 11 人,B 社の従業員 9 人の年収を調べたものである。それぞれの箱ひげ図
をかき,散らばりの度合いを比較せよ。
A 社: 490,470,540,520,500,480,490,550,460,470,530 (万円)
B 社: 390,350,370,360,680,900,400,350,700 (万円)

要 点
Point
箱ひげ図
最小値,第 1 四分位数,中央値(第 2 四分位数)

第 3 四分位数,最大値を,中央値で仕切られた
長方形の箱と,その両端から伸びるひげのような 最小値 第1四 中央値 第3四 最大値
分位数 分位数
線で表した図を 箱ひげ図 という。
箱ひげ図から,範囲や四分位範囲を読み取ること 四分位範囲
もできる。
範囲
〈注意〉範囲や四分位範囲が小さいほど,データの値
は中央値の近くに集中し,散らばりの度合い
は小さいと考えられる。

解答
A 社の 最小値,Q 1,Q 2,Q 3,最大値は, 4 から 460,470,490,530,550 (万円)
B 社の 最小値,Q 1,Q 2,Q 3,最大値を求める。
小さい方から順に並べると 350,350,360,370,390,400,680,700,900
これから,最小値,最大値は 350,900 (万円)
350+360 680+700
また Q 2=390 (万円) Q 1= =355 (万円) Q 3= =690 (万円)
2 2
以上から,A 社と B 社の箱ひげ図は次のようになる。

A社

B社

300 500 700 900 (万円)

箱ひげ図から読み取れる範囲や四分位範囲から,B 社よりも A 社の方が散らばりの度合いが小さい。

5
Math-Aquarium【例題】データの分析

6 分散
次のデータは,ある高校生 7 人が 1 ヵ月にカレーライスを食べた回数 x を調べたものである。
10,8,4,6,9,5,7 (回)
このデータの分散 s2 を求めよ。

要 点
Point
分散
変量 x の n 個の値 x1,x2,……,xn の平均値を x とするとき,x1- x ,x2- x ,……,xn- x をそれぞれ
の値の 偏差 という。偏差の 2 乗の平均値を,変量 x の 分散 といい,s2 で表す。
1
分散= (偏差)2 の平均値 , s2= {(x1- x )2+(x2- x )2+……+(xn- x )2}
n
〈注意〉x2 の平均値を x 2 で表すとき,分散 s2 は次のようにも表される。

分散= (x2 の平均値) - (x の平均値)2 , 


s2= x 2 - x
2

このことは, x =m とおいて,次のように確かめることができる。
1
s2= {(x1-m)2+(x2-m)2+……+(xn-m)2}
n
1
= {(x12-2x1m+m2)+(x22-2x2m+m2)+……+(xn2-2xnm+m2)}
n
1
= (x12+x22+……+xn2-2x1m-2x2m-……-2xnm+m2+m2+……+m2)
n
1
= {(x12+x22+……+xn2)-2m(x1+x2+……+xn)+n・m2}
n
1 1
= (x12+x22+……+xn2)-2m・ (x1+x2+……+xn)+m2
n n
1 1
= (x12+x22+……+xn2)-2m・m+m2= (x12+x22+……+xn2)-m2
n n

解答
1 49
平均値は x = (10+8+4+6+9+5+7)= =7(回)
7 7
偏差は 3,1,-3,-1,2,-2,0 (回)
1 28
よって,分散は s2= {32+12+(-3)2+(-1)2+22+(-2)2+02}= =4
7 7

1 371
別解 平均値は x =7(回) x2 = (102+82+42+62+92+52+72)= =53
7 7
したがって s2=53-72=4

6
Math-Aquarium【例題】データの分析

7 標準偏差
次のデータは,ある高校生 7 人が 1 ヵ月に読んだ本の冊数 x である。ただし,教科書,参考書,雑誌,
漫画は除く。
4,2,1,1,4,2,0 (冊)
このデータの標準偏差 s を求めよ。ただし, 2 =1.4 とする。

要 点
Point
標準偏差
分散の正の平方根を 標準偏差 といい, s で表す。
1
標準偏差= 分散 , s= {( x 1-x ) 2 +( x 2-x ) 2 ++( x n-x ) 2 }
n
〈注意〉x2 の平均値を x 2 で表すとき,標準偏差 s は次のようにも表される。

標準偏差= ( x 2の平均値)-( xの平均値) 2 , s= x 2- x 2

解答
1 14
平均値は x = (4+2+1+1+4+2+0)= =2(冊)
7 7
偏差は 2,0,-1,-1,2,0,-2 (冊)
1 2 14
よって,標準偏差は s= {2 +0 2 +(-1) 2 +(-1) 2 +2 2 +0 2 +(-2) 2 } = = 2 =1.4(冊)
7 7
1 2 42
別解 平均値は x =2(冊) x2 = (4 +22+12+12+42+22+02)= =6
7 7

したがって s= 6-2 2 = 2 =1.4(冊)

8 散布図
右のデータは,ある高校生 7 人が
高校生 A B C D E F G
1 ヵ月にカレーライスを食べた回数 x
カレーライス(回) 10 8 4 6 9 5 7
と,1 ヵ月に読んだ本の冊数 y を調べ
本(冊) 4 2 1 1 4 2 0
たものである。ただし,y は教科書,
参考書,雑誌,漫画を除く。
カレーライスを食べた回数 x を横軸,読んだ本の冊数 y を縦軸として散布図をかけ。また,x と y の間に
は,どのような相関関係があるといえるか。

7
Math-Aquarium【例題】データの分析

要 点
Point
散布図
2 つの変量の値の組を座標平面上の点で表したものを 散布図 という。
散布図と相関関係
2 つの変量 x,y について,

一方の値が大きくなると他方 一方の値が大きくなると他方 正,負いずれの相関関係も


の値も大きくなる傾向がある の値は小さくなる傾向がある 見られないとき,
とき,x と y の間には とき,x と y の間には x と y の間には
正の相関関係がある 負の相関関係がある 相関関係がない
という。 という。 という。

解答
散布図は右のようになる。

右の散布図から,x と y の間には
正の相関関係がある といえる。

9 相関係数
右のデータは,ある高校生 7 人が
高校生 A B C D E F G
1 ヵ月にカレーライスを食べた回数 x
カレーライス(回) 10 8 4 6 9 5 7
と,1 ヵ月に読んだ本の冊数 y を調べ
本(冊) 4 2 1 1 4 2 0
たものである。ただし,y は教科書,
参考書,雑誌,漫画を除く。
x と y の相関係数 r を求めよ。ただし, 2 =1.4 とする。また,x と y の間には,どのような相関関係が
あるといえるか。

8
Math-Aquarium【例題】データの分析

要 点
Point
共分散
偏差の積 (x- x )(y- y ) の平均値を,x と y の 共分散 といい, sxy で表す。
共分散 = 偏差の積の平均値
1
sxy= {(x1- x )(y1- y )+(x2- x )(y2- y )+……+(xn- x )(yn- y )}
n
相関係数
x の標準偏差 sx と y の標準偏差 sy の積 sxsy で,共分散 sxy を割った値を 相関係数 といい, r で表す。
xとyの共分散 s xy
相関係数= , r=
( xの標準偏差 )  ( yの標準偏差 ) sx sy
分母と分子に n を掛けると,次の式が得られる。
( x-x )( y- y ) の合計
相関係数=
( x-x ) 2 の合計 ( y- y ) 2 の合計

( x 1-x )( y 1- y )++( x n-x )( y n- y )


r=
( x 1-x ) 2 ++( x n-x ) 2 ( y 1- y ) 2 ++( y n- y ) 2

相関係数 r のとり得る値の範囲は -1≦r≦1 であることが知られている。r の値から,2 つの変量には


次のような相関関係があるといえる。

r が正のとき,正の相関関係 r が負のとき,負の相関関係が r が 0 に近い値であるほど,


がある。 ある。 相関関係が弱い。
r が 1 に近い値であるほど, r が-1 に近い値であるほど,
正の相関関係が強い。 負の相関関係が強い。

r ≒ 0.73 r ≒ -0.81 r ≒ 0.14

9
Math-Aquarium【例題】データの分析

解答
1 49 1 14
x = (10+8+4+6+9+5+7)= =7, y = (4+2+1+1+4+2+0)= =2 から,次のような表を
7 7 7 7
作る。

高校生 x y x- x y- y (x- x )2 (y- y )2 (x- x )(y- y )


A 10 4 3 2 9 4 6
B 8 2 1 0 1 0 0
C 4 1 -3 -1 9 1 3
D 6 1 -1 -1 1 1 1
E 9 4 2 2 4 4 4
F 5 2 -2 0 4 0 0
G 7 0 0 -2 0 4 0
合計 49 14 28 14 14

14 1 2
したがって r= = = =0.7
28 14 2 2
このことから,x と y の間には 強い正の相関関係がある といえる。

10
Math-Aquarium【練習問題+解答】データの分析

データの分析


右の度数分布表は,A 高校の 20 人について, 階級値 度数 相対
階級(分)
1 日にみたインターネットの時間を記入したもの (分) (人) 度数
である。 65 以上~75 未満 70 1 0.05
次の問いに答えよ。 75 ~85 80 3 0.15
(1) インターネットをみた時間が 95 分未満の生徒 85 ~95 90 4 0.20
は何人いるか。 95 ~105 100 5 0.25
(2) インターネットをみた時間が 105 分以上の生徒 105 ~115 110 3 0.15
は全体の何%であるか。 115 ~125 120 2 0.10
125 ~135 130 2 0.10
合計 20 1.00

解答
(1) 1+3+4=8(人)
(2) 0.15+0.10+0.10=0.35
したがって 35%


(1) 次のデータは,ある 7 人の家にある観葉植物の個数 x を調べたものである。
2,5,0,6,4,1,3 (個)
このデータの平均値 x を求めよ。
(2) 右の表から,インターネットをみた時間 x の平均値
階級値 度数
を求めよ。 階級(分)
x(分) f(人)
65 以上~75 未満 70 1
75 ~85 80 3
85 ~95 90 4
95 ~105 100 5
105 ~115 110 3
115 ~125 120 2
125 ~135 130 2
合計 20

1
Math-Aquarium【練習問題+解答】データの分析

解答
1 21
(1) x = (2+5+0+6+4+1+3)= =3(個)
7 7

1
(2) x= (70×1+80×3+90×4+100×5+110×3+120×2+130×2)
20

1
= ×2000=100(分)
20


次のデータは,ある 8 人の昨年 1 年間のスポーツ観戦の回数である。
2,0,4,1,1,9,4,1 (回)
(1) このデータの中央値を求めよ。
(2) このデータの最頻値を求めよ。

解答
(1) 小さい方から順に並べると 0,1,1,1,2,4,4,9
1+2
これより,中央値は =1.5(回)
2
(2) 最頻値は 1(回)


次のデータは,C 社の従業員 10 人の年収を調べたものである。
510,400,430,630,520,450,420,580,540,520 (万円)
次の問いに答えよ。
(1) このデータの範囲を求めよ。
(2) このデータの四分位数 Q 1,Q 2,Q 3 を求めよ。
(3) このデータの四分位範囲と四分位偏差を求めよ。

2
Math-Aquarium【練習問題+解答】データの分析

解答
(1) 最大値は 630 万円,最小値は 400 万円であるから,範囲は 630-400=230(万円)
(2) 小さい方から順に並べると 400,420,430,450,510,520,520,540,580,630
510+520
中央値から Q 2= =515(万円)
2
前半部分の中央値から
Q 1=430(万円) 400 420 430 450 510 520 520 540 580 630
後半部分の中央値から
Q 3=540(万円) Q1 Q2 Q3
(3) Q 1=430,Q 3=540 であるから
四分位範囲は 540-430=110(万円)
110
四分位偏差は =55(万円)
2


次のデータは,C 社の従業員 10 人,D 社の従業員 9 人の年収を調べたものである。それぞれの箱ひげ図
をかき,散らばりの度合いを比較せよ。
C 社: 510,400,430,630,520,450,420,580,540,520 (万円)
D 社: 430,500,520,450,450,380,370,1000,400 (万円)

解答
C 社の 最小値,Q 1,Q 2,Q 3,最大値は, 4 から 400,430,515,540,630 (万円)
D 社の 最小値,Q 1,Q 2,Q 3,最大値を求める。
小さい方から順に並べると 370,380,400,430,450,450,500,520,1000
これから,最小値,最大値は 370,1000 (万円)
380+400 500+520
また Q 2=450 (万円) Q 1= =390 (万円) Q 3= =510 (万円)
2 2
以上から,C 社と D 社の箱ひげ図は次のようになる。

C社

D社

250 500 750 1000 (万円)

箱ひげ図から読み取れる範囲や四分位範囲から,D 社よりも C 社の方が散らばりの度合いが小さい。

3
Math-Aquarium【練習問題+解答】データの分析


次のデータは,ある 7 人の家にある観葉植物の個数 x を調べたものである。
2,5,0,6,4,1,3 (個)
このデータの分散 s2 を求めよ。

解答
1 21
平均値は x = (2+5+0+6+4+1+3)= =3(個)
7 7
偏差は -1,2,-3,3,1,-2,0 (個)
1 28
よって,分散は s2= {(-1)2+22+(-3)2+32+12+(-2)2+02}= =4
7 7

1 2 91
別解 平均値は x =3(個) x2 = (2 +52+02+62+42+12+32)= =13
7 7
したがって s2=13-32=4


次のデータは,ある 7 人の昨年 1 年間のスポーツ観戦の回数 x である。
2,0,4,1,1,9,4 (回)
このデータの標準偏差 s を求めよ。ただし, 2 =1.4 とする。

解答
1 21
平均値は x = (2+0+4+1+1+9+4)= =3(回)
7 7
偏差は -1,-3,1,-2,-2,6,1 (回)
1 56
よって,標準偏差は s= {(-1) 2 +(-3) 2 +12 +(-2) 2 +(-2) 2 +6 2 +12 } = = 2 2 =2.8(回)
7 7
1 2 119
別解 平均値は x =3(回) x2 = (2 +02+42+12+12+92+42)= =17
7 7
したがって s= 17-3 2 = 2 2 =2.8(回)


右のデータは,ある 7 人の家にある観葉
7人 A B C D E F G
植物の個数 x と,昨年 1 年間のスポーツ
観葉植物(個) 2 5 0 6 4 1 3
観戦の回数 y を調べたものである。
スポーツ観戦 2 0 4 1 1 9 4
観葉植物の個数 x を横軸,昨年 1 年間の
(回)
スポーツ観戦の回数 y を縦軸として散布図をかけ。また,x と y の間には,どのような相関関係があると
いえるか。

4
Math-Aquarium【練習問題+解答】データの分析

解答
散布図は右のようになる。

右の散布図から,x と y の間には
負の相関関係がある といえる。


右のデータは,ある 7 人の家にある観葉
7人 A B C D E F G
植物の個数 x と,昨年 1 年間のスポーツ
観葉植物(個) 2 5 0 6 4 1 3
観戦の回数 y を調べたものである。
スポーツ観戦 2 0 4 1 1 9 4
x と y の相関係数 r を求めよ。ただし,
(回)
2 =1.4 とする。また,x と y の間には,どのような相関関係があるといえるか。

解答
1 21 1 21
x = (2+5+0+6+4+1+3)= =3, y = (2+0+4+1+1+9+4)= =3 から,次のような表を
7 7 7 7
作る。

7人 x y x- x y- y (x- x )2 (y- y )2 (x- x )(y- y )


A 2 2 -1 -1 1 1 1
B 5 0 2 -3 4 9 -6
C 0 4 -3 1 9 1 -3
D 6 1 3 -2 9 4 -6
E 4 1 1 -2 1 4 -2
F 1 9 -2 6 4 36 -12
G 3 4 0 1 0 1 0
合計 21 21 28 56 -28

-28 1 2
したがって r= =- =- =-0.7
28 56 2 2
このことから,x と y の間には 強い負の相関関係がある といえる。

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