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Ja07 60KWV00 90
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スーパーカブ 110/PRO
C110/BN-9[EBJ-JA07]
はじめに
このサービスマニュアルは、Honda スーパーカブ 110/ スーパーカブ 110 PRO の主要部の点検・調整および整備要領を説明してい
ます。
1 章は、マニュアル全体にわたる整備数値や情報を記載しています。
2 章には、整備に関して脱着する頻度が高いと思われる外装部品の脱着要領をまとめて記載しています。
3 章では、車両の安全性や各部の機能を維持するために必要な点検整備方式と主要な点検整備の要領を説明しています。
4 章以降は、エンジン・フレーム・電装の順に整備要領を説明しています。
説明にはイラスト・写真・シンボルマークを多く用い、見て理解しやすいように工夫しました。なお、本書の基本的な使い方は次
ページに記載してあります。
• 記載内容や仕様などは、車両の改良のため予告なく変更することがあります。あらかじめご了承ください。
• このマニュアルはメカニックなど Honda モーターサイクルの基本的な技能や知識を持った人を対象として編集していま
す。したがって、技能や知識を持っていない人が本書のとおりに整備しても正しい整備ができないことがあります。
平成 21 年 6 月
本田技研工業株式会社
整備技術開発ブロック
0-1
本書の見方
記載場所の探し方
• 本書では製品の主要なブロックを章ごとに分けています。章を探す場
合、前ページの目次を開き、本の小口(綴じていない側面)側を斜めに
すれば章の 1 頁目が探しやすくなります。また、章の 1 頁目にはその章
の目次を記載しています。
• 巻末には五十音順の索引を設けています。直接、見たい箇所を探す場合
に便利です。
説明内容の見方
• 5 章以降の章の 2 頁目にはその章で説明されている主な構成部品と締め付けトルクを示しています。
• 章の 3 頁目からはその章に関する整備情報(作業上の注意や整備基準、締め付けトルク、専用工具)や故障診断を記載してい
ます。整備を始める前に一読してください。
• 分解や組み立て作業は写真またはイラストを使用してステップ・バイ・ステップで説明しています。
• 写真やイラスト中には部品名称の他にシンボルマークを配置し、専用工具や給油脂、シール剤などの要点事項が見てわかりや
すい構成としています。
また、説明文中にある作業上の注意事項は、文章を囲むと共にシンボルマークを添えて区別し、内容が理解しやすい構成とし
ています。シンボルマークの意味については次頁を参照してください。
章の目次 章全体に関する整
この章で説明されて 備情報や故障診断
いる主な構成部品と
締め付けトルク
作業の注意事項
シンボルマーク
0-2
シンボルマーク
下記のシンボルマークは、このマニュアルを通して、作業上の注意事項を示している。
マーク 注意 マーク 注意
守らないと車両や構成部品が損傷するた
指示に従わないと、死亡または重大な
め、行ってはいけない事項および作業要
傷害に至るもの
領
指示に従わないと、死亡または重大な 作業を行う上で、知っておくと作業の効
傷害に至る可能性があるもの 率化につながる情報や補足説明
指示に従わないと、傷害を受ける可能
性があるもの
下記のシンボルマークは作業に必要な給油脂、交換部品などを案内している。
マーク 注意 マーク 注意
オイル塗布を示す。銘柄指定がない場
ネジロック剤塗布を示す。指定のない場
合は指定または推奨エンジンオイルを
合、中強度のものを使用。
塗布する。
モリブデン溶液塗布を示す。モリブデ
ン溶液はエンジンオイルとモリブデン シール剤を塗布する。
グリスを 1:1 の割合で混合して作る。
マルチパーパスグリス塗布を示す。
(リチウム石けんをベースとしたグリ
ス NLGI#2 相当品) 分解毎に新品に交換する部品を示す。
該当銘柄例:シェルアルバニア EP-2
(昭和シェル石油)
モリブデングリス塗布を示す。(二硫
化モリブデン含有が 3% 以上、NLGI#2
相当品) ブレーキフルード塗布を示す。推奨規格
該当銘柄例:三菱マルチパーパス M2 (DOT4)を用いること。
(三菱石油)、モリコート® BR-2 プラス
(ダウコーニング社)など
モリブデンペースト塗布を示す。(二
硫化モリブデン含有が 40% 以上、
NLGI#2 相当品)
推奨クッションオイル塗布を示す。
該当銘柄例:ローコルペースト(住鉱
潤滑剤)、モリコート® G-n ペースト
(ダウコーニング社)など
シリコングリス塗布を示す。
該当銘柄例:シリコングリス G-40M
(信越化学)
上記に該当しない特殊グリスなどはシンボルマークを用いずに表示している。
0-3
国際単位系(SI 単位)
このサービスマニュアルは、従来から使われてきたメートル系単位に加えて、新たに国際単位系(SI 単位)を採用している。
• SI 単位とは
SI 単位とは国際単位系(フランス語で )の略称で、従来から使われてきたさまざまな単位系を
国際的に統一するために定められた単位系である。
日本で従来から使われてきたメートル系は、基本的に長さを「メートル(m)」、質量を「キログラム(kg)」、時間を「秒(s)」と
いう単位で表してきた。SI 単位はこのメートル系を拡張したものである。
従来単位では「質量(kg)」と「力(kg または kgf)」の単位を一緒にして使用してきたが、SI 単位系では質量(kg)と力(N)の
単位がはっきり区別されている。力の大きさは、質量とは区別されて N(ニュートン)という単位で表される。なお、SI 単位でい
う「重量」とは物体に働く重力の大きさのことであり、質量に標準重力加速度を乗じたものであり、従来の“重量”の概念とは異
なっている。
• SI 単位の記載方法
SI 単位の記載について、以下のように記載している。
• SI 単位を主体に、従来単位を括弧( )で併記して記載している。換算結果は丸めて表される。
• 力の従来単位を使用する場合には、
“kgf”
(重量キログラム)という単位を用い、SI 単位の“kg”
(質量キログラム)と区別している。
• SI 単位と従来単位の記載例
項目 記載例 備考
200 kPa (2.00 kgf/cm2) 1 kgf/cm2 = 98.0665 kPa ( キロパスカル )、1 kPa = 1,000 Pa ( パスカル )
圧力
33 kPa (250 mmHg) 1 mmHg = 133.3222 Pa = 0.133322 kPa
トルク 18 N • m (1.8 kgf • m) 1 kgf • m = 9.80665 N • m ( ニュートンメートル )
1 cm3 = 1 cc
体積 419 cm3 または
1 = 1,000 cm3
力 12 N (1.2 kgf) 1kgf = 9.80665 N ( ニュートン )
主要諸元や点検整備方式など、届出書類に記載されている数値及び単位は、原則として届け出された数値および単位を記載してい
る。
0-4
MEMO
目次
整備情報 1
外装部品、マフラ 2
点検、調整 3
潤滑装置 4
燃料装置(PGM-FI) 5
エンジン脱着 6
シリンダヘッド、バルブ 7
シリンダ、ピストン 8
クラッチ、ギヤシフトリンケージ 9
AC ジェネレータ、カムチェーンテンショナ、スタータクラッチ 10
クランクシャフト、トランスミッション、キックスタータ 11
フロントホイール、サスペンション、ステアリング 12
リヤホイール、サスペンション 13
ブレーキ装置 14
バッテリ、充電装置 15
点火装置 16
始動装置 17
ライト、メータ、スイッチ 18
配線図 19
故障診断 20
スーパーカブ 110 PRO 21
索引
MEMO