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古代神社造営
古代神社造営
本書は、古代の神社建築について、もっぱら歴史史料
古代の神社造営
によって考察したものである。
神社建築の歴史は列島の民族とともにありその成立の
中央
上限をもたず、建築形式の前後に関わる推論によって、
歴史史料に拠らずにその歴史経緯を考察するという、歴
史としては極めて特殊な分野となった。
筆者はこの古代の神社建築史の、具体的な歴史史料に
丸山 茂 著
拠らず、建築形式の進化論により構成される記述にかね
てから違和感をもっていたが﹁神社建築の形成過程にお
ける官社制の意義について﹂で、天武天皇の時代に始ま
る官社制を神社建築の始まりとすることが適当であるこ
とを述べた。
本書はこの私見に基づき、改めて古代の史料から神社
建築の形成の経緯を考察しようとするものである。古代
の神社についての文献史料による歴史の提示を試みたと
いうことになる。日本史では自明の歴史史料による考察
を、遅ればせながら神社建築史で行ったのである。
︵﹁はじめに﹂より抜粋︶
古代の神社建築について、『日本書紀』『古事記』といった史料の記述から、古代の
神社について文献史料による歴史の提示を試みることで、神社建築の形成の経緯を
考察し、古代神社史から中世建築史への橋渡しを論述する。
第七章 流造形式の形成へ向けての試論
第六章 八・九世紀の神社造営
第五章 日本書紀における神の構想
第四章 官社制前の神支配
第三章 ﹁神﹂の成立 ―
第二章 ﹁官社﹂小考
第一章 官社制前の宗教環境
はじめに
三 ﹃上野国交替実録帳﹄の神社記載の真偽と神社構成の画一性
二 藤原道長・頼通首班期の神社造営
一 九・十世紀の神社造営
はじめに
おわりに
七 官社の建築形態
六 官社に替わるもの
五 官社施設の退廃
四 官社祭祀の弛緩
三 官社の周辺の神の施設
二 官社の造営
一 官社とはなにか
はじめに
六 日本書紀の問題 ―
五 出雲の大神
四 伊勢神宮
三 天神地
二 古事記と国土の神
一 ﹁神﹂の成立と天武天皇
はじめに
四 伊勢神宮の成立
三 官社制以前の宗教環境
二 ﹁神﹂のすがた
一 対象のの限定
はじめに
平安時代中期の神社造営から ―
―
―
官社としての神社の成立とその衰退
および神社の成立について
および小結 ―
―
神殿論との関わりで
目 次
―
―
―
奈良時代中期伊勢神宮内宮正殿の形式
おわりに
六 ﹃年中行事絵巻﹄にみられる神社
五 畿内の有力神社の形式
鳥居并四至内地町数事﹂
天下諸社大中少、神殿、雑舎、瑞垣、珠垣、
四 宝亀二年二月十三日﹁太政官符﹂
著者略歴
丸山 茂(まるやま・しげる)
1948 年、東京都生まれ、東京大学卒。
日本建築史専攻。元跡見学園女子大学教授。
﹁応早定置、
主著『日本の建築と思想―伊東忠太小論』(同文書院、1996 年)
『神社建築史論―古代王権と祭祀』(中央公論美術出版、2001 年)
関連書籍
日本古代仏教建築史研究における泰斗、鈴木嘉吉博士の初の論集【全 2 巻】
本巻は僧の住居である僧房を研究対象とする。また元興寺極楽坊本堂・ 本巻は飛鳥・白鳳時代、平安時代以降、古代建築の構造などの章立てで、
禅室など、国宝・重文の解体修理に実地に携わった経験から、諸堂の 明治期以来懸案の法隆寺の再建非再建論争について独自の新再建論を提
遺構を考古学的・建築史学的に当初の形態に復原し、古建築の検視を 示し、また薬師寺の移建の経緯などを語り、また長年の古代建築の解体
行い、後世、寝殿造や書院造に発展する日本建築の大きな筋道である 修理に携わった得難い経験と歴史観から、学界に新たな刺激的提案をし
古代の住宅の実体を解明した記念碑的業績である。 続けた鈴木建築史学の詳細を提示する。
B5 判上製函入 本文 420 頁 口絵 16 頁 図面 95 点 挿図 56 点 2016 年 4 月刊 B5 判上製函入 本文 580 頁 挿図 383 点 2017 年 9 月刊
ISBN 978-4-8055-0762-9 ISBN 978-4-8055-0763-6
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