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第 2 章 集合の演算

本章においては, 第 1 章において定義された公理論的集合論にお
いて, 集合の演算の諸公式と特性について考察する.
本書においては, 公理論的集合論において公理系 I によって定義
された集合論 I を考える. 集合は集合論 I において定義された集合
を考える.
2.6 節において, 集合族において定義された和, 差, 交わりの集合
算に関して, 半環, 環, 代数とプール代数などの集合の代数系の概念
を定義する.

2.1 等号の公理

最初に記号 = と ̸= の定義について述べる. ある対象 x と y が与


えられているとする. 本書においては, 考える対象は, 集合論 I にお
ける集合である. 考える数学の理論に応じて, 考える対象は数とか,
数の集合とか, 数の集合の族, あるいはさまざまな数学の概念を表
す対象である.

定義 2.1.1 x と y が同じ対象であるならば, x と y は等しいと


いって,
x=y
と表す. 記号 = は等号であるという.

1
x と y が異なる対象であるならば, x と y は等しくないといって,

x ̸= y

と表す.

等号の公理 記号 = は, 任意の三つの対象 x, y, z に対し, 次の


公理 (1)∼(3) の条件を満たす:

(1) x = x が成り立つ.

(2) x = y ならば, y = x が成り立つ.

(3) x = y, y = z ならば, x = z が成り立つ.

2.2 集合の要素と部分集合

本節においては, 集合の要素と部分集合について考察する. ここで


は, 集合は集合論 I において定義された集合であるとする. 集合を構
成している対象を元または要素であるという. 集合を A, B, C, · · ·
などのローマ字の大文字を使って表し, 集合の元は a, b, c, · · · な
どのローマ字の小文字で表すことがある.
本書においては, 自然数全体の集合を N と表し, 整数全体の集合
を Z と表し, 有理数全体の集合を Q と表し, 実数全体の集合を R
と表し, さらに複素数全体の集合を C と表す.

2
2.2.1 集合と要素

本項においては, 集合と集合の要素の関係について考察する.

定義 2.2.1 対象 a が集合 A の元であることを,

a ∈ A あるいは A ∋ a

と表す. このとき, a は A に属するという.


a が A に属することを a は A に含まれるあるいは A は a を含む
ということがある. また, a が A の元でないことを

a ̸∈ A あるいは A ̸∋ a

と表す. このとき, 対象 a が集合 A に属さないという.

元を一つも含まない集合を空集合であると定義し, これを記号 ∅
で表す.

定義 2.2.2 集合 A と集合 B が等しいということは, 集合 A と


集合 B が全体として同じ元を含んでいることであると定義する.
このとき, 集合 A と集合 B が等しいことを,

A=B

と表す.
二つの集合 A, B が等しくないとき,

A ̸= B

と表す.

系 2.2.1 二つの集合 A, B に対し, 次の (1) と (2) は同値である:

(1)   A と B は等しい. すなわち, A = B が成り立つ.

3
(2)   x ∈ A であることは x ∈ B であることと同値である.

集合 A の元が a, b, c, · · · であるとき,

A = {a, b, c, · · · }

と表し, 集合 A は元 a, b, c, · · · からなるという.
条件 P (x) を満たす対象 x の全体からなる集合を

{x|P (x)} あるいは {x; P (x)}

と表す.

2.2.2 部分集合

本項においては部分集合の定義とその基本的性質について考察
する.

図 2.2.1   A ⊂ B

定義 2.2.3 二つの集合 A, B が与えられているとき, A が B の


部分集合であるということは, A に属するすべての元が B に属する
ことであると定義する. A が B の部分集合であることを

A ⊂ B あるいは B ⊃ A

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と表す.

A が B の部分集合であるとき, B は A を含むということがある.
あるいはこれを A が B に含まれるということもある.
このとき, 次の系が成り立つ.

系 2.2.2 三つの集合 A, B, C に対し, 次の性質 (1)∼(3) が成り


立つ:

(1) A ⊂ A である.

(2) A ⊂ B, B ⊂ A であることと A = B であることは同値で


ある.

(3) A ⊂ B, B ⊂ C ならば, A ⊂ C である.

空集合 ∅ は任意の集合の部分集合であると考える. すなわち, 任


意の集合 A に対し, 関係式

∅⊂A

が成り立つ.
二つの集合 A, B に対し, A ⊂ B であるときには, A = B である
ことも起こり得る. 特に, A ⊂ B かつ A ̸= B であるとき, A は B の
真部分集合であるといって, これを

A ⫋ B あるいは B ⫌ A

と表す.

2.3 集合の演算の定義と基本性質

本節においては, 集合の演算とその基本性質について考察する.

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まず, 集合の和集合の定義を与える.

図 2.3.1   A ∪ B

定義 2.3.1 二つの集合 A, B に対し, A と B の合併集合は A か


B に属する元全体からなる集合であると定義する. A と B の合併集
合を,
A∪B

と表す. A と B の合併集合を和集合であるということがある.

系 2.3.1 二つの集合 A, B に対し, x ∈ A ∪ B が成り立つこと


は, x ∈ A あるいは x ∈ B が成り立つことと同値である.

有限個あるいは無限個の集合 A, B, C, · · · の合併集合を同様に
定義し, これを
A ∪ B ∪ C ∪ ···

と表す. ここで, 無限個というのは必ずしも可算無限であると限ら


なくてもよい.
次に, 集合の共通部分の定義を与える.

定義 2.3.2 二つの集合 A と B の共通部分とは, 二つの集合 A と


B にともに属する元全体からなる集合であると定義する. 二つの集
合 A と B の共通部分を
A∩B

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と表す. A と B の共通部分を A と B の交わり, あるいは積集合で
あるということがある.

系 2.3.2 二つの集合 A, B に対し, x ∈ A ∩ B であることは,


x ∈ A かつ x ∈ B であることと同値である.

有限個あるいは無限個の集合 A, B, C, · · · の共通部分を同様に
定義し, これを
A ∩ B ∩ C ∩ ···
と表す.

図 2.3.2   A ∩ B

ここで, 集合の演算に関する諸公式について考察する.

定理 2.3.1 三つの集合 A, B, C に対し, 次の公式 (1) ∼(4) が


成り立つ:

(1) 可換法則 

A ∪ B = B ∪ A, A ∩ B = B ∩ A

が成り立つ.

(2) 結合法則
(A ∪ B) ∪ C = A ∪ (B ∪ C),
(A ∩ B) ∩ C = A ∩ (B ∩ C)
が成り立つ.

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(3) 分配法則

A ∪ (B ∩ C) = (A ∪ B) ∩ (A ∪ C),

A ∩ (B ∪ C) = (A ∩ B) ∪ (A ∩ C)
が成り立つ.

(4) 吸収法則

A ∪ (A ∩ B) = A, A ∩ (A ∪ B) = A

が成り立つ.

定理 2.3.1 からわかるように, 集合の演算において和集合をつくる


演算 ∪ と積集合をつくる演算 ∩ を互いに入れ替えた公式が共に成
り立っている. この性質を集合の演算における和集合と積集合の双
対性という.
二つの集合 A と集合 B が互いに素であるとは, 二つの集合 A と
B にともに含まれる元がないことであると定義する. このとき, 二
つの集合 A と B は交わらないということもある. このことは

A∩B =∅

であることを意味する.
二つの集合 A と B が互いに素であるとき, 二つの集合 A と B の
和集合 A ∪ B は A と B の直和であるといい, これを

A∪B =A+B

と表す.
有限個あるいは無限個の集合 A, B, C, · · · のどの二つも互いに
素であるとき, これらの集合 A, B, C, · · · の和集合 A ∪ B ∪ C ∪ · · ·
は集合 A, B, C, · · · の直和であるといい, これを

A ∪ B ∪ C ∪ ··· = A + B + C + ···

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と表す.
一般に集合族 F が互いに素な集合族であるということは, F のど
の二つの異なる集合も互いに素であることと定義する. 特に, F =
{A1 , A2 , · · · , An } がどの二つも互いに素な集合族であるとき, F
の集合の直和を

n ∑
n
Ai = A1 + A2 + · · · + An = Ai
i=1 i=1

と表し, 可算列
F = {An ; n ≥ 1}
がどの二つも互いに素な集合族であるとき,

∪ ∞

An = A1 + A2 + A3 + · · · = , An
n=1 n=1

と表す.
二つの集合 A と B に対し, A から B を引いた差集合とは, A の元
であって, B の元ではないような元全体からなる集合であると定義
し, これを
A − B あるいは A\B
と表す. このとき, A ⊂ B である必要はない. したがって, 等式

A−B =A−A∩B

が成り立つ.

図 2.3.3   A − B

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三つの集合 A, B, C に対し, 等式

A − (B ∪ C) = (A − B) ∩ (A − C)

が成り立つ.
特に, A ⊃ B のとき, A − B を A に対する B の補集合であると
いう.
二つの集合 A と B に対し, A と B の対称差は, 集合

(A − B) + (B − A)

であると定義し, これを A△B と表す.


したがって, 等式

A△B = A ∪ B − A ∩ B = (A ∩ B c ) ∪ (Ac ∩ B)

が成り立つ.

図 2.3.4   A△B

集合 X の部分集合 A に対し, A の X における補集合は, 集合


X − A であると定義する. これを Ac と表すことがある. A の補集
合を A の余集合であるということがある.
数学のある理論において, ある一つの定まった集合 X の元やそ
の部分集合のみを考えることがある. このとき, X をその理論にお
ける普遍集合であるという. このとき, X の部分集合 A に対して,
X − A を A の補集合であるといい, Ac と表す.

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このとき, 次の定理が成り立つ.

定理 2.3.2 上の記号を用いる. このとき, X の部分集合 A, B


に対し, 次の性質 (5)∼(9) が成り立つ:

(5) A ⊂ B であることは, Ac ⊃ B c であることと同値である.  

(6) A − B = A ∩ Bc.

(7) A ∪ Ac = X, A ∩ Ac = ∅.

(8) Acc = A, ∅c = X, X c = ∅.

(9) ド・モルガンの法則

(A ∪ B)c = Ac ∩ B c , (A ∩ B)c = Ac ∪ B c

が成り立つ.

集合の族というのは, 集合を要素とする集合のことであると定義
する. 集合族に対しても集合に対して用いられる記号や用語を同様
に用いることにする.
二つの集合族 A と B に対して, A が B の部分集合であるとき, A
は B の部分集合族であるといい, これを

A⊂B

と表す. また, 集合族の集合を集合族の系ということがある.


集合の族 F は有限集合または無限集合であるとする. F に含まれ
る少なくとも一つの集合 A に属する元全体からなる集合を F の合
併集合あるいは和集合であるといって,
∪ ∪ ∪
F, A, {A; A ∈ F}
A∈F

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などと表す.
特別の集合族の合併に対して様々な特別な記号を用いる.
例えば, F = {A1 , A2 } であるとき,
∪ ∪
F= {Ai ; i = 1, 2} = A1 ∪ A2

と表す. さらに, 一般に, F = {A1 , A2 , · · · , An } が有限集合族で


あるとき, ∪ ∪
F = {Ai ; i = 1, 2, · · · , n}
∪ ∪ ∪ ∪
n
= A1 A2 ··· An = Ai
i=1

と表す.
同様に, F = {An ; n ≥ 1} が集合の可算列であるとき,

∪ ∪ ∪ ∞

F = A1 A2 ··· = An
n=1

と表す.
一般に, ある添数集合 Γ の各要素 γ に一つの集合 Aγ が対応して
いるならば, 集合族
F = {Aγ ; γ ∈ Γ}

の合併集合は ∪ ∪ ∪
F= Aγ = Aγ
γ∈Γ γ

と表す.
添数集合 Γ が空集合であるとき,

Aγ = ∅
γ∈Γ

であると規約する.

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集合 A は集合 X の任意の部分集合であるとき, 等式
∪ ∪
A ∅ = A, A X = X

が成り立つ.
もっと一般に, 二つの集合 A, B に対し, A ⊂ B であるための必要
十分条件は ∪
A B=B
が成り立つことである.
また, F に含まれるすべての集合に属する元の全体からなる集合
を F の共通部分あるいは積集合といって,

A
A∈F

と表す. F の共通部分を F の積集合であるということがある.


合併集合に対して用いたのと同様の記号を, 記号 ∪ を記号 ∩ に置
き換えるだけで集合の共通部分に対して用いることができる. すな
わち, 二つの集合の共通部分, 集合の有限列あるいは可算列の共通
部分, あるいは任意の集合族の共通部分などに対してこのような記
号が用いられる.
特に, 添数集合 Γ が空集合であれば,

Aγ = X
γ∈Γ

であると規約する.
集合 A は集合 X の任意の部分集合であるとき, 等式

A ∩ ∅ = ∅, A ∩ X = A

が成り立つ.
もっと一般に, X の任意の二つの部分集合 A, B に対し, A ⊂ B
であるための必要十分条件は,

A∩B =A

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が成り立つことである.

定理 2.3.3 F が集合族 A の集合であるとすると, 次の性質 (10)


が成り立つ:

(10) 結合法則
∪ ∪ ∪ ∩ ∩ ∩
A= A, A= A
A∈∪A∈F A A∈F A∈A A∈∪A∈F A A∈F A∈A

が成り立つ.

定理 2.3.4 二つの集合の族を F と G であるとすると, 次の性質


(11), (12) が成り立つ:

(11) 分配法則 
( ∪ )∩( ∪ ) ∪ ( ∩ )
A B = A B ,
A∈F B∈G A∈F ,B∈G

( ∩ )∪( ∩ ) ∩ ( ∪ )
A B = A B
A∈F B∈G A∈F ,B∈G

が成り立つ.

(12) ド・モルガンの法則
( ∪ )c ∩ c ( ∩ )c ∪ c
A = A, A = A
A∈F A∈F A∈F A∈F

が成り立つ.

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2.4 クラス分けと商集合

本節においては, 集合 S を S において定義された同値関係によっ
てクラス分けすることと, S の同値関係による商集合の概念につい
て考察する.
いま, ある集合 S が与えられていて, S の任意の二つの元 a と b の
間にある関係が成り立っているか否かが一意に定められているとす
る. このとき, S の二つの元 a と b の間にこの関係が成り立ってい
るならば,
a∼b
と表し, この関係が成り立っていないならば,

a ̸∼ b

と表す. いま, 次の定義を与える.

定義 2.4.1 関係 “∼”が同値関係であるということは, S の任意


の三つの元 a, b, c に対し, 次の条件 (1)∼(3) が成り立つことである
と定義する:

(1) a ∼ a が成り立つ. [反射律]

(2) a ∼ b ならば, b ∼ a が成り立つ. [対称律]

(3) a ∼ b, b ∼ c ならば, a ∼ c が成り立つ. [推移律]

このとき, S の元 a, b に対し a ∼ b ならば, a と b は同値であると


いう.

いま, 集合 S において, 同値関係 “∼”が定義されているとする. こ


のとき, S の任意の元 a に対し, S の部分集合

C(a) = {b ∈ S; b ∼ a}

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を対応させることができる. このとき, 部分集合 C(a) は, a を代表
元とする同値類であるという. このとき, S の任意の二つの同値類
C(a) と C(b) に対して, 次の条件

(4) C(a) C(b) = ∅,

(5) C(a) = C(b)

のいずれか一方が必ず成り立ち, 両者が同時に成り立つことはない.
このとき, S の任意の元はどれかただ一つの同値類に必ず含まれ, し
かも, どの同値類にも含まれない S の元は存在しない. したがって,
いま, S の互いに素な同値類の各々から一つずつ選ばれた代表元よ

りなる S の元の代表系を と表すとき, 等式

S= C(a)

a∈

が成り立つ. このとき, 集合 S は, 同値関係 “∼”によって類別され


るという. あるいは, S はこの同値関係によってクラス分けされる
ということもある.
S を同値関係 “∼”によってクラス分けしたとき, 同値類全体の集
合は S の商集合であるといい, これを
{ ∑}
S/ ∼= C(a); a ∈

と表す.

2.5 直積集合と選択公理

本節においては直積集合と選択公理の関係について考察する. ま
ず, 直積集合の定義を思い出しておく.

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対象 a, b の対を (a, b) と表す. このとき, 二つの対 (a, b) と (c, d)
に対し, (a, b) = (c, d) であるとは, 等式 a = c, b = d が成り立つ
ことであると定義する. このような対 (a, b) を順序対ということが
ある. 一般に n 個の対象 a, b, c, · · · , d の n 組 (a, b, c, · · · , d)
を考えることができる. このとき, 二つの n 組 (a, b, c, · · · , d) と
(a′ , b′ , c′ , · · · , d′ ) に対し, (a, b, c, · · · , d) = (a′ , b′ , c′ , · · · , d′ )
であるとは, 等式 a = a′ , b = b′ , c = c′ , · · · , d = d′ が成り立つこ
とであると定義する. 集合 A, B に対して, a ∈ A, b ∈ B の対 (a, b)
の全体からなる集合を集合 A, B の直積集合であるといい, これを
A × B と表す. A × B = ∅ であることは, A = ∅ または B = ∅ であ
ることと同値である.
一般に, 集合

A × B × · · · × D = {(a, b, · · · , d); a ∈ A, b ∈ B, · · · , d ∈ D}

を集合 A, B, · · · , D の直積集合であるという.
いま, 集合族 {Xλ }λ∈∧ を考える. 各 λ ∈ ∧ に対し, xλ ∈ Xλ を対
応させる写像の全体からなる集合 X を, 集合の族 {Xλ }λ∈∧ の直積
集合であるといい,
∏ ∏ ∏
Xλ , Xλ , Xλ
λ∈∧ λ

などと表す.
各 Xλ を X の直積因子であるという. X の元を {xλ }λ∈∧ または
(xλ )λ∈∧ と表し, xλ をその λ 成分または λ 座標であるという.
このとき, 選択公理は次の命題と同値である. これも選択公理と
いうことがある.

選択公理 空でない集合 Xλ , (λ ∈ ∧) の族 {Xλ }λ∈∧ に対して,


直積集合 ∏

λ∈∧

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も空でない. ここで, ∧ は任意の空でない添数集合を表す.

数列や関数を考えることができるのはこの選択公理に依拠してい
るからである.

2.6 半環, 環, 代数とブール代数

集合族において, 和, 差, 交わりの集合算を考えることにより, 半
環, 環, 代数とブール代数などの集合の代数系が考えられる. 本節に
おいてはこのような集合の代数系の概念について考察する.

定義 2.6.1 空でない X の部分集合族 P が集合 X 上の半環であ


るとは, P の任意の元 A, B に対し, 次の (i), (ii) が成り立つことで
あると定義する:

(i) A ∩ B ∈ P.

(ii) ある自然数 n ≥ 1 と互いに素な P の元 C1 , C2 , · · · , Cn が


存在して, A − B = C1 ∪ C2 ∪ · · · ∪ Cn が成り立つ.

定義 2.6.1 の (ii) において, A − B は必ずしも P の元であるとは


限らない.

命題 2.6.1 集合族 P は集合 X 上の半環であるとする. A, B ∈ P


かつ A ⊂ B であるならば, P の有限個の元 C0 , C1 , · · · , Cn が存
在して, A = C0 ⊂ C1 ⊂ · · · ⊂ Cn = B かつ Di = Ci − Ci−1 ∈
P, (i = 1, 2, · · · , n) が成り立つようにできる.

例 2.6.1 d ≥ 1 であるとする. このとき, d 次元空間 Rd の区間


全体のつくる集合族 P は半環である. ここで, Rd の区間 I という

18
のは, 2 点 x = (x1 , x2 , · · · , xd ) と y = (y1 , y2 , · · · , yd ) に対し,
条件
xi ≤ yi , (i = 1, 2, · · · , d)

が成り立っているとき, 直積集合


d
[xi , yi ] = [x1 , y1 ] × [x2 , y2 ] × · · · × [xd , yd ]
i=1

あるいは, その境界線と境界面の一部あるいは全部を除いた集合で
ある.

定義 2.6.2 空でない集合族 R が集合の環であるとは, A, B ∈ R


ならば, A ∪ B ∈ R および A − B ∈ R が成り立つことであると定
義する.

集合の環はそれ自身半環になっていることを注意する.
任意の集合族 P に対し, P を含む最小の環 R を集合族 P によっ
て生成される環であるという. このとき, R = R(P) と表す.

定理 2.6.1 集合 X 上の半環 P によって生成される環を R =


R(P) とする. このとき, R の任意の元 A に対し, P の有限個の元
E1 , E2 , · · · , En が存在して,

A = E1 ∪ E2 ∪ · · · ∪ En

が成り立つ.

系 2.6.1 X, P, R は定理 2.6.1 と同じであるとする. R の任意


の元 A に対し, 互いに素な P の有限個の元 E1 , E2 , · · · , En が存
在して,
A = E1 + E2 + · · · + En , (直和)

が成り立つ.

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また, 集合の環は二つの集合の対称差をとる演算に関して閉じて
いる. 集合の環の元の和, 差, 交わりをとる演算を有限回行って得ら
れる集合もまたその環の元である.

例 2.6.2 d ≥ 1 であるとし, P は Rd の区間全体のつくる半環で


あるとする. このとき, P によって生成される環 R = R(P) は Rd
の区間塊全体のつくる集合の環である.

定義 2.6.3 空でない集合族 A が集合 X 上の代数であるとは,


A, B ∈ A ならば, A ∪ B ∈ A および Ac ∈ A が成り立つことであ
ると定義する.

集合の代数はそれ自身環になっている. したがって集合 X 上の代


数とは X を含む環のことである.

定義 2.6.4 空でない集合族 B が σ 環であるとは, 次の (i), (ii)


が成り立つことであると定義する:

(i) A, B ∈ B であるならば, A − B ∈ B が成り立つ.

(ii) Ai ∈ B, (i = 1, 2, 3 · · · ) であるならば,


Ai ∈ B
i=1

が成り立つ.

系 2.6.2 集合族 B は集合の σ 環であるとすると, En ∈ B, (n =


1, 2, · · · ) に対し, 集合


En , lim En , lim En
n=1

もまた B に属する.

20
系 2.6.2 において, 集合 lim En と lim En は関係式
∞ ∪
∩ ∞
lim En = lim En = Em ,
n→∞
n=1 m=n
∞ ∩
∪ ∞
lim En = lim , En = Em
n→∞
n=1 m=n

によって定義されていて, それぞれ {En } の上極限, 下極限という.


一般に, 包含関係
lim En ⊂ lim En
が成り立つ.
特に, 等式
lim En = lim En
が成り立つとき, この集合を {En } の極限であるといい,

lim En = lim En
n→∞

と表す. この極限が存在するとき, 集合列 {En } は収束するという.


集合列 {En } が増大列であるということは, 条件

E1 ⊂ E2 ⊂ E3 ⊂ · · ·

が成り立つことであると定義する.
また, 集合列 {En } が減少列であるということは, 条件

E1 ⊃ E2 ⊃ E3 ⊃ · · ·

が成り立つことであると定義する. 両者を総称して単調列であると
いう. 集合列 {En } が単調列であれば, 集合列 {En } は収束する.
特に, 集合列 {En } が増大列であれば, 等式


lim En = , En
n=1

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が成り立ち, {En } が減少列であれば, 等式


lim En = , En
n=1

が成り立つ.

任意の集合族 P に対し, P を含む最少の σ 環 B を集合族 P によっ


て生成される σ 環であるという. このとき, B = σ(P) と表す.

定理 2.6.2 集合 X 上の半環 P によって生成される環を R =


R(P) であるとし, P によって生成される σ 環を B = σ(P) である
とする. このとき, B の任意の元は可算個の P の元によって被覆さ
れる. また, B の任意の元は可算個の R の元によって被覆される.

証明 可算個の P の元によって被覆される集合全体の族を F であ
るとすると, F は σ 環で, P ⊂ F が成り立つ. ゆえに, B = σ(P) ⊂ F
が成り立つ.
さらに, B = σ(R) が成り立つから, P を R にとりかえても同様
である. //

ユークリッド空間 Rd のボレル環とは Rd の開集合全体のつくる


集合族によって生成される環のことであると定義する. Rd のボレ
ル環の元をボレル集合であるという. ただし, d ≥ 1 であるとする.

定義 2.6.5(フォン・ノイマン) 集合族 Q が制限ボレル環である


とは, 次の条件 (i)∼(iii) が成り立つことであると定義する:

(i) A, B ∈ Q であるならば A ∪ B ∈ Q が成り立つ.




(ii) Q の元の列 {Ai }∞
i=1 に対し, Ai ∈ Q が成り立つ.
i=1

(iii) A, B ∈ Q であるならば, A − B ∈ Q が成り立つ.

22
この定義 2.6.5 についてはフォン・ノイマン [1], 84 ページ, 定義
10.1.2 を参照してもらいたい.
制限ボレル環は環になっているが, 一般に σ 環とは限らないこと
を注意する.

定義 2.6.6 空間 X 上の空でない集合族 B が σ 代数であるとは,


次の (i)∼(ii) が成り立つことであると定義する:

(i) A ∈ B であるならば, Ac ∈ B が成り立つ. ここで, Ac = X −A


と定義する.


(ii) Ai ∈ B, (i = 1, 2, 3, · · · ) に対し, Ai ∈ B が成り立つ.
i=1

空間 X 上の σ 代数 B は σ 環で, X ∈ B を満たすものである. 特
に, Rd 上のボレル環は σ 代数である. これを Rd 上のボレル代数で
あるという.

例 2.6.3 d ≥ 1 であるとし, P は Rd の区間全体のつくる半環で


あるとし, R = R(P) は Rd の区間塊全体のつくる環であるとする.
このとき, P あるいは R によって生成される σ 環は B = σ(P) =
σ(R) であって, これは Rd のボレル代数と一致する.

次に, 空でない集合 E の冪集合 P (E) がブール代数になることを


示す.

定理 2.6.3 空でない集合 E の冪集合 P (E) を B と表す. このと


き, 集合 B = P (E) は, 集合の演算

A ∪ B, A ∩ B, A′ = E − A, (A, B ∈ B)

に関してブール代数である. すなわち, B の任意の元 A, B, C に対


して, 次の等式 (1)∼(11) が成り立つ:

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(1) A ∪ B = B ∪ A, A ∩ B = B ∩ A. (交換法則).

(2) (A ∪ B) ∪ C = A ∪ (B ∪ C), (A ∩ B) ∩ C = A ∩ (B ∩ C).


(結合法則).

(3) A ∪ (B ∩ C) = (A ∪ B) ∩ (A ∪ C), A ∩ (B ∪ C) = (A ∩ B) ∪
(A ∩ C). (分配法則).

(4) A ∪ A = A, A ∩ A = A. (吸収法則).

(5) (A′ )′ = A.

(6) A ∪ A′ = E, A ∩ A′ = ∅. (相補法則).

(7) (A ∪ B)′ = A′ ∩ B ′ , (A ∩ B)′ = A′ ∪ B ′ . (ドモルガンの法


則).

(8) 0 = ∅, 1 = E とおくと, 0 ̸= 1.

(9) ∅′ = E, E ′ = ∅.

(10) A ∪ ∅ = A, A ∪ E = E.

(11) A ∩ ∅ = ∅, A ∩ E = A.

定理 2.6.3 によって, 集合の三つの演算 ∪, ∩, ′ はブール代数 B =


P (E) における加法, 乗法と補元に相当することが分かる. この三つ
の演算をブール演算ということがある. A ∈ B に対し, A′ ∈ B は A
の補元であるという.

24
2.7  写像の定義と基本性質

本節においては, 写像の概念の定義と基本性質について考察する.

(1) 写像の概念 二つの集合 A, B が与えられているとする. い


ま, A の各元 a に, B の元 b が一意に対応しているとき, b = φ(a) と
表し, φ は A から B の中への写像であるという. これを φ : A → B
と表す.
このとき, b は a の像であるという.
さらに, 集合
φ(A) = {φ(x); x ∈ A}

を φ による A の像であるという.
また, 集合
φ−1 (B) = {x ∈ A; φ(x) ∈ B}

を B の φ による原像であるという. 原像の記号 φ−1 (B) は φ の逆


写像が存在するかしないかに関係なく定義されている.
このとき, 次の定理が成り立つ.

定理 2.7.1 X, Y は二つの集合であるとし, φ は X から Y の中
への写像であるとする. このとき, A ⊂ X に対し, φ(A) = B であ
るとすると, 関係式

φ−1 φ(A) ⊃ A, φφ−1 (B) = B

が成り立つ.

次に, 写像と集合の演算の関係について考察する. これに関して


次の定理が成り立つ.

定理 2.7.2 X, Y は二つの集合であるとし, f は X から Y の中
への写像であるとする. このとき, 次の (1), (2) が成り立つ:

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(1) A, B ⊂ X のとき, 関係式

f (A ∪ B) = f (A) ∪ f (B), f (A ∩ B) ⊂ f (A) ∩ f (B)

が成り立つ.

(2) A, B ⊂ Y のとき, 関係式

f −1 (A ∪ B) = f −1 (A) ∪ f −1 (B),

f −1 (A ∩ B) = f −1 (A) ∩ f −1 (B)

が成り立つ.

二つの写像 φ : A → B と ψ : A → B が与えられているとき, φ
と ψ が等しいということは, A の各元 a に対し, 等式

φ(a) = ψ(a)

が成り立つことであると定義する. 二つの写像 φ と ψ が等しいこ


とを,
φ=ψ

と表す.
φ が単射であるとは, A の元 a, a′ に対し, φ(a) = φ(a′ ) ならば
a = a′ となることと定義する. φ が全射であるとは, B の各元 b に
対し, b = φ(a) となる A の元 a が存在することと定義する. φ が全
単射であるということは, φ が全射かつ単射であることと定義する.

(2) 写像 φ, ψ の合成 三つの集合 A, B, C と写像 ψ : A →


B, φ : B → C が与えられているとき, φ と ψ の合成 φ ◦ ψ を関係式

(φ ◦ ψ)(a) = φ(ψ(a)), (a ∈ A)

によって定義する. φ ◦ ψ は A から C への写像である.

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(3) 逆写像の定義 φ : A → B が全単射であるとき, B の各元
b に対して, b = φ(a) となる A の元 a が一意に定まる. このとき, b
に a を対応させることによって, ψ : B → A が定義される. このと
き, 等式
ψ ◦ φ = 1A , φ ◦ ψ = 1B
が成り立つ. ここで, 1A と 1B はそれぞれ A, B の恒等変換で, 関
係式
1A (a) = a, (a ∈ A); 1B (b) = b, (b ∈ B)
によって定義される写像である. このとき, 写像 ψ を写像 φ の逆写
像であるといって, ψ = φ−1 と表す.

(4) 対等 次に, 二つの集合が対等であることの定義を与える.

定義 2.7.1 二つの集合 A, B に対し, A と B が対等であるとい


うことは, 全単射写像 φ : A → B が存在することであると定義する.
集合 A と B が対等であることを, A ∼ B と表す.

このとき, 次の系が成り立つ.

系 2.7.1 三つの集合 A, B, C に対して, 次の性質 (1) ∼(3) が


成り立つ:

(1) A ∼ A である.

(2) A ∼ B ならば, B ∼ A である.

(3) A ∼ B, B ∼ C ならば, A ∼ C である.

集合 A が無限集合であるとは, A の真部分集合 B で, B ∼ A とな
るものが存在することであると定義する. 集合 A は無限集合でない
とき, 有限集合であるという.

27
2.8  集合の圏

本節においては, 集合の圏と関手について考察する.
公理的集合論において, 集合論 I の存在証明が与えられた. それ
故に, 集合論とそれを基礎においた数学理論は数学的には実在論に
なった.
数学理論の対象である存在と現象はすべて集合全体のクラスの中
の存在と現象であると考えられる. 数学の概念すなわち, 数学的存
在はすべて集合であると考えることができる.
しかし, 圏と関手の理論を考えているときには, 集合とは限らない
圏とその対応である関手を考える. それ故に, 数学の研究対象を集
合だけに限るというのはきつすぎた. そうであっても, 数学的存在
としてきちんと定義されるのは集合であることにはちがいない. 圏
それ自身というより, その元である集合にこそ数学的に本質的な特
徴があるということである. しかし, 数学理論の適用を考えるとき
には, 考える対象の範囲としての圏を考えることが必要となる.
最も一般的な圏は集合の圏 Sets である. よく用いられるものに,
群の圏 Gr, 環の圏 Ring, A 加群の圏 A M などがある. このとき,
Ring の元は集合であって, 環の構造をもったものであり, A M の
元は集合であって A 加群の構造をもったものである.
それ故に, 数学の研究対象は集合であるが, 考える対象の全体を
考えようとするとき, そのような対象全体のつくるクラスは圏であ
ると考えることになる. 数学的構造を無視したとき, これは集合の
圏の部分圏であると考えられる.
このとき, 考える圏全体の集まりというようなものを表す表現は
見たことがない. 圏の「圏」という言葉を用いるようなことは経験
したことがないということである.
そこで, 集合全体のつくる圏 Sets を考えると, 数学の研究対象と
なる圏はすべて Sets の部分圏であって, 考える数学的構造を定義
されたものと考える. それ故に圏の対象はすべて集合であって何ら

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かの数学的構造を定義したものである. 圏の射はすべて, 対象であ
る集合の構造に関する準同型である.
数学の研究においては集合以外のものを考えることはない. 唯一
集合全体のクラスは集合でないものということである.  

2.8.1  集合の圏

本項においては, 集合の圏とその部分圏としての種々の圏につい
て考察する,

定義 2.8.1(集合の圏)  集合の圏 Sets とは, 次の条件 (I)∼(III)


を満たす圏のことであると定義する.

(I) 対象 A, B, C … は集合である.

(II) 対象の順序付けられた対 (A, B) に対し, 集合 Hom(A, B) =


{f : A → B は射 } は A から B への写像の集合である.

(III) 対象の順序付けられた三つの組 (A, B, C) に対し, 射 f :


A → B, g : B → C の合成 g ◦ f : A → C が写像の合成として定義
されて, 次の公理 (i)∼(iii) を満たす. g ◦ f を gf と表すこともある.

(i)(結合法則) f : A → B, g : B → C, h : C → D に対し,
(hg)f = h(gf ) が成り立つ.

(ii)(恒等射の存在) 任意の対象 A に対し, 1A ∈Hom (A, A) が


存在して, 任意の f ∈Hom(A, B), g ∈Hom(B, A) に対し,
f = f 1A , g = 1A g が成り立つ.

(iii) 対象の対 (A, B), (A′ , B ′ ) が異なれば, Hom(A, B) と


Hom(A′ , B ′ ) とは互いに異なる集合である.

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集合の圏 Sets を Ens と表すことがある. 二つの集合 A, B に
対し, Hom(A, B) は A から B への写像全体のつくる集合である.
ただし, 空集合 ϕ に対して Hom(ϕ, A) は一つの元からなり, また
A ̸= ϕ であるとき Hom(A, ϕ) は空集合であるとする.

例 2.8.1  群の圏 Gr は集合の圏 Sets の部分圏であって, Gr の


対象には群の構造が定義されているもので, 群の準同型を射とする
ものである.

例 2.8.2  環の圏 Ring は, 集合の圏 Sets の部分圏であって,


Ring の対象には環の構造が定義され, 環の準同型を射とするもの
である.

環としては, 可換であるものあるいは非可換であるものが考えら
れる. さらに, 環は単位元を含むと仮定する.

例 2.8.3  加群の圏 M は, 集合の圏 Sets の部分圏であって, M


の対象には加群の構造が定義され, 加群の準同型を射とするもので
ある. 特に環 A を固定して考えるとき, 加群としては左 A 加群を考
える場合と, 右 A 加群を考える場合がある. 射としては A 線形写像
を考える. 特に, 左 A 加群の圏を A M と表し, 右 A 加群の圏を MA
と表す. 特に, A が可換環であるとき, A M と MA を同一視して, 単
に A 加群の圏であるといって, M と表す. A は単位元をもつ環であ
ると仮定することが多い. 特に, A = Z(整数環) であるとき, Z 加
群の圏 M はアーベル群の圏 Ab と一致する. また, A が体であると
きには A 加群の圏 M は線形空間の圏ともいう.

2.8.2  関手

本項においては, 二つの圏の対応である関手について考察する.

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定義 2.8.2 S, S ′ を二つの集合の圏であるとする. 対応 T : S →
S ′ が共変関手であるとは, T が対象と射の対応で, 次の条件 (i)∼(iii)
を満たすことであると定義する:

(i) S の対象の対 (A, B) と射 f : A → B に対し, S ′ の対象の対


(T (A), T (B)) と射 T (f ) : T (A) → T (B) が対応している.

(ii) T (1A ) = 1T (A) が成り立つ.

(iii) T (gf ) = T (g)T (f ) が成り立つ.

定義 2.8.3 S, S ′ を二つの集合の圏であるとする. 対応 T : S →
S ′ が反変関手であるとは, T が対象と射の対応で, 次の条件 (i)∼(iii)
を満たすことであると定義する:  

(i) S の対象の対 (A, B) と射 f : A → B に対し, S ′ の対象の対


(T (B), T (A)) と射 T (f ) : T (B) → T (A) が対応している.

(ii) T (1A ) = 1T (A) が成り立つ.

(iii) T (gf ) = T (f )T (g) が成り立つ.

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