赤ずきん

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グリム童話

イラスト 田室 綾乃
おんな こ
むかしむかし あるむらに ちいさな女の子がいました

あか
おきにいりの赤いずきんをいつもかぶ ていたので

みんなから 赤ずきん とよばれていました


赤ずきん
は いいかおり
 ﹁

せかいいち
おかあさんがやくパンは世界一よ

お母さん
まあ うれしい
   ﹁

それじ あ あたたかいうちに

おばあさまにとどけてね

赤ずきん
は い これでき とおばあさまもげんきになるわね



お母さん
よろしくね もりはまよいやすいから
   ﹁


みち
け してより道はしないでね


ま すぐいくんですよ



赤ずきん
はい おかあさん まかせて
 ﹁


わたしは ひとりでもだいじ うぶよ



 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

赤ずきん
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

まあ


 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

ことりさん こんにちは

﹂ !
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

すてきな うたごえね

赤ずきん
はじめていくの
 

ひとりで

わくわくの
 

もりのみち
きらきら
 

ぽかぽか
なんて
 

たのしい
 

ゆめのみち

赤ずきん
あ はやくいかなく ち



赤ずきん



 
 
 
 
 
 
 
 
 

オオカミ
 
 
 
 
 
 
 
 
 

やあ こんにちは


 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

そんなにいそいで
? ︑


 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

どこへ行くんだい

赤ずきん
あは オオカミさん
       ﹁

こんにちは

おばあさまのところへ

ひ と り で


おみまいに行くのよ

オオカミ
しん
へえ そり あ かん心だ
   ﹁


おばあさんは
どこにすんでいるんだい



赤ずきん

この道をま すぐ行 た
 ﹁


き ぼん
かしわの木が 本あるところよ



オオカミ
そうかい あ そうだ
   ﹁

みち はい
わき道をすこし入 たところに

はな
きれいな花がさいているぞ

赤ずきん
まあ そうなの
? 

みてみたい
 ﹁

・ ︑

みち
でも
・ 

より道はだめ ていわれているし



オオカミ
おばあさんにみせたら
 ﹁

よろこぶとおもうがな

赤ずきん
そうね オオカミさん しんせつにありがとう



みち
赤ずきんは わき道へと入 ていきました


 
 
 
 
 
 
 
 
 
オオカミ
 
 
 
 
 
 
 
 
 
やわらかくてうまそうな子だ


いえ
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
ばあさんの家で
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
まちぶせしてやろう


 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
く く く





         

おばあさん

オオカミ

おばあさん

オオカミ

おばあさん
﹁ ﹁ ﹁ ﹁ ﹁ ︵

ああ

まあ そうかい おはいり

おばあさま 赤ずきんよ

ゴホゴホ
♪          

ドンドンドン
         


︑          
・          


・          
・ ︑ ︒          

どなた
﹂ ・          
︒          
・ ︶
・          
?          

﹂          
︒          
︒ ﹂

オオカミ

さきまわりしていました
おばあさんの家へ
オオカミは




いえ





オオカミは

おばあさんを
ペロリとたべてしまいました

そして

大きなおなかを
かかえて
ベ ドのなかに
もぐりこみました

オオカミ
そろそろ
     ﹁

赤ずきんが
くるはずだ


ぐ ふ ふ ふ

赤ずきん うふ
 ﹁

よろこんでくれるかしら

トントントン

オオカミ だれだい


赤ずきん おばあさま わたし 赤ずきんよ



オオカミ そうかい 入 ておいで ――



ガチ

赤ずきん おばあさま ――
 ﹁

パンとぶどうし をも てきたの ぐあいはどう



赤ずきん まあ
 ﹁

みみ
おばあさま なんて大きなお耳なの



こえ
オオカミ それは おまえの声をよくきくためだよ


赤ずきん まあ おばあさま
 ﹁


 
 
 
 

 
 

なんて 大きなおめめなの

オオカミ それは
 ﹁



 
 
 
 

おまえのかおをよく見るためだよ

赤ずきん まあ おばあさま
 ﹁



くち
 
 
 
 

 
 

なんて 大きなお口なの


オオカミ
それは
   ﹁



・ ︑

おまえを

たべるためだよ

 
 

ガルルルル




赤ずきん き ああ ――


かり
そこへぐうぜん もりで狩をしていた

かり うど
狩人がとおりかかりました

狩人 ん なんのおとだ



 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

そこには

おお
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

おなかが大きくふくれた
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

オオカミがねていました


 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

すると ――
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

赤ずきん たすけて



 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
  狩人 まさか ――


 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
チ キ チ キ






なんと

オオカミのおなかのなかから


赤ずきんとおばあさんがでてきました
赤ずきん
ああ こわか た




   

おばあさまも
たすか てよか た
 

―――
   

オオカミを
や つけなく ち ―――
 


! 



 
 
 
 
 
 

そうだわ


赤ずきん よし


おお いし
赤ずきんは 大きな石を

いくつもも てきて

オオカミのおなかに
つめました

いと
そして はりと糸で

おなかをぬいました

赤ずきん できた


しばらくすると


オオカミは目をさましました

おき上がろうとしますが
おなかがおもくてうまくあるけません ︑


オオカミ ううう おもい







バタリとたおれると そのまましんでしまいました


その日のかえりみち

 
 
 
 
 
 
 
 

オオカミ こんにちは


 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

どこへ行くのかしら

べつのオオカミが

はなしかけてきました

赤ずきん
あら オオカミさん
   ﹁

こんにちは

わたし いそいでいるのよ



オオカミ ふん だめか



赤ずきんは
よりみちをせずに ︑


いえ
ま すぐ家にかえりました


おわり

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