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気丈な女騎士を堕とす話

 私の名はネムリア・ヴォルクス。誇り高きアルメリア王国所属の騎士だ。

 とある任務で魔物が出るという洞窟の調査に赴いたのだが不意に現れた罠

に掛かってしまい、仲間とはぐれてしまった。

 その上、大量の魔物と遭遇しこれを撃退するも装備や道具の殆どを喪失。

とてもじゃないが調査どころではない状況だった為、急いで洞窟から脱出を

試みた...だが。

「ふふふ、あと少しだったのに。ねぇ? 騎士様?」

「ねぇねぇ? どんな気持ち? 私達に負けて、丸裸にされてどんな気持ち?

 アハハハ!」

 目の前にいる二体の悪魔...温もりなど一切感じられない青い肌と捩じり曲

がった一対の角と長い尾を持つ淫魔が私の今の姿を見て嘲笑っていた。

「くっ! 貴様ら等、装備が万全であればこんな...!」

 洞窟の中を彷徨い、やっとの所で外の光を見つけた私を後ろから強襲し碌

な抵抗も出来ずに捕まってしまった。

 せめて装備だけでも万全であれば、こんな状況に陥ることなんてなかった

のに。

「さあて、どう遊んであげようかしら」

 背が高く暗青色の長髪の悪魔が私の体をじろじろと見ながらそう呟く。と

てもじゃないがその視線が不快に思わせる。

「くそっ! こんなっ、拘束などっ!」
「無駄無駄~。そんな細腕でその触手は剝がせないよ~」

 頭上で両手を縛る触手をなんとか剥がそうと藻掻くがもう一体の小柄な悪

魔が言うようにビクともしない。けれど諦める訳にはいかない。

「はあ、抵抗しても無駄なのに...人間ってなんでこんな奴らばっかりなんだ

ろうね」

「それが面白いじゃない。そうだ! 今回はこうして遊んであげましょう」

 突然、手をパチンと叩いた長髪の悪魔が小柄な悪魔と何やら小声で話し合

い始めた。それを聞いて悪魔達の顔が不気味な笑顔となっていくのに底知れ

ぬ恐怖を感じとれた。

「それはいいね♪ じゃあ、早速始めようっ」

 そして話し終えた悪魔達が私に近づいてくる。不気味に笑うその顔で見せ

つけるように指先を私の顔に近づける。その指先には何やら黒い怪しげな光

が灯っていた。

「な、なんだっ、それは!?」

「貴女にチャンスをあげる。今から私達の調教に耐えられたらここから出し

てあげるわ」

「何っ!? それは本当か!?」

「ええ。でも、もし耐えられなかったら...どうなるかは貴女次第ね」

 その言葉に私の心に一筋の希望が生まれた。この状況を脱せるならばどん

な拷問にも耐えて見せよう。私は決して悪魔等の拷問に屈しない!

「じゃあ調教を始める前に場所を移動しましょうか。こんな場所でやるのも

いいけれど、どうせなら相応しい雰囲気の所でやるのが一番いいわ」
 そう言って指をパチンと鳴らした。すると一瞬で周りの景色が変わった。

暗い洞窟の中から様々な道具が転がった陰湿な雰囲気を感じさせる牢屋へと

私達は移動していた。

「なっ!? 転移魔法だと!?」

「さあ、始めましょう? カレア、一画ずつよ?」

「分かってるよ~、どこにしようかな~」

 私が驚いているのを気にする様子は無く、悪魔達は私の体をジロジロと嘗

め回すように見てくる。こんな高位の魔法を使えるなんて...まさかっ、こい

つらが?

「じゃあ私はここっ」

 カレアと呼ばれた小柄な悪魔が私の臍に近い位置に指先で何かを描き始め

る。思ったよりも優しく触れられたことにこそばゆい感覚を襲う。

「んっ、何を...!?」

「で~きたっ。次はギムレットだよ~」

 描き終えた悪魔が私から離れる。顔を下に向けると何やら描かれた所が光

っているように見える。だが、うまく見る事が出来ない。

「その体勢じゃ見づらいよね...はい、これでどう?」

 もう一人の長髪の悪魔...ギムレットが私の前に大きな鏡を用意した、そこ

に写っていたのは丸裸にされた私の体と臍近くに何やらハートに近い形の絵

が刻まれていた。

「な、なんだこれはっ!? 私に何をしたっ!?」

「何って淫紋を刻んだだけじゃない。まさか、淫紋も知らないの?」
 淫紋だと? そんなもの知る訳がない。初めて聞いた言葉に動揺し悪魔を

睨みつけているとギムレットが何やら説明しだした。

「何も知らないなんて遊びがいがないし説明してあげる。淫紋は刻まれた形

と画数、場所によってある効果を齎すの。例えば...ここにこう描けば、貴女

はあらゆる痛覚が快楽に変わるわ」

 説明しながら額に何かを描き、離れた所で鏡を見るとそこには文字にも似

た淫紋が一画だけ刻まれていた。

「ふふふっ、じゃあ試してみましょうか? ほぉらっ!」

「っ!! な、なにっ!? この感覚...」

 一瞬、何が起こったのか。悪魔に頬を叩かれた筈なのに、そこに襲う痛み

が全くなかった。それどころか快感にすら思えた。

「不思議そうな顔をするわね。いいわぁ、その顔」

「何をしたっ!?」

「何って...軽く頬を叩いただけよ。じゃあ、私の番は終わり。次はカレア

よ」

 そういってギムレットは後ろに下がる。それと入れ替わるようにカレアが

近づき、手に持ったそれを見せつける。

「この前、侵入してきた奴が持ってたやつなんだけど...こういうときに使う

ものなんでしょ?」

 カレアが持っている物、少し古くなっていたが武器として用いられる鞭だ

った。持ち手部分を持ち、床に何度か叩きつけるように振るう。
「ふんっ、それで拷問でもするのか。生憎だがその程度の武器で音を上げる

私ではないぞ!」

 騎士として痛みに耐える訓練は幾度となくこなしてきた私だ。今更、そん

な鞭程度の拷問で屈する訳がない。

「ふーん、あっそ。それじゃあ行くよ~えいっ!」

「ひゃああっ!?」

 カレアが振るった鞭は私の足に当たった。だが、そこから伝わるのは痛み

ではなく心地よさすら感じさせる快感だった。

「まだまだ行くよ~それっ、それっ!」

「や、やめっひゃああっ!! ああっ、んんんん!!?」

 間髪入れず鞭を振るうカレア。その度に快感が私を襲い、耐えきれず声が

出てしまう。鞭の痕がつく程の筈が全て快感に感じてしまう。

 まさか、これが淫紋の効果なのか。だとしたらこのままではやばい。

「ふう、こんなものかな。どう? 気持ちよかった?」

「はぁ...はぁ...気持ち、よくなど...」

「ふーん。まあ、まだ始まったばかりだし精一杯楽しませてね」

 ケラケラと笑いながら後ろに下がるカレア。それと入れ替わるようにギム

レットが再び近づき、黒い光を灯した指先を近づける。

「ま、待てっ! この拷問はっ、いつまで続くんだっ!? 教えろっ!」

 新たな淫紋を刻まれる前に急いでこの勝負の決着について聞く。今更なが

ら始まる前に聞けばよかったと後悔していた。
・・・・・・・
「あら? 言ってなかった? 私達が満足するまでよ」

「なっ!? そ、それじゃあ勝負になってないじゃないかっ!!」

 あまりに理不尽だ。まるで勝負になっていない勝負に激怒し、目の前のギ

ムレットを殴ろうとするも拘束が強くそれは叶わない。

「くそっ! これが無ければ...っ!」

「そろそろ理解したかしら? じゃあ、次は...ここにしましょう」

 そう言って今度は私の胸に大きく淫紋を刻んでいく。すると刻まれた部分

が赤く光り始め、控えめだった私の胸が少しずつ大きくなり始めた。

「な、なにが起こってるっ!?」

「貴女の胸を大きくしてあげたのよ。小さかったのを気にしてそうに見えた

から」

 手で隠せる程小さかった胸が今は掴める程に大きくなっていた。一画刻ま

れただけでここまで大きくなるなんて...少し重くなった体に不快感を感じる

と共に目の前の悪魔達に恐怖を感じた。

「それじゃあ始めるわね。ほらっ」

「んんっ!? 触るなぁっ!」

 いきなり悪魔が大きくなった胸を触り始めた。嫌らしい手つきで胸を揉み

しだき、時折乳首を指先でコリコリと触ってくる。

「ふふ、ここかしら? どう? 気持ちいい?」

「くぅっ、やめっ、ひゃああああっ!! やめてっ、いやぁっ!!」

 慣れない感覚に身を捩り、なんとかして悪魔の拷問から逃れようとするも
そんな抵抗など無意味に等しく、悪魔は私の感じやすい場所を探してはそこ

を重点的に弄ってくる。

 その度に強い衝撃と快感が頭を襲い、目がチカチカと光っては暗くなるを

繰り返した。

「楽しんでくれてるみたいね...これはどうかしら?」

「っ!?!!?? あぁぁあぁああああああっ!!!!」

 今までにない衝撃が私を襲った。一瞬にして視界が真っ白になり、背骨が

折れてしまうんじゃないかと思うくらいに反り返り、制御の利かなくなった

体は羞恥心の欠片のない失禁を晒してしまう。

「あらあら、盛大にイったみたいねぇ。可愛いわぁ」

「あっ、見てみてギムレット。あそこ」

 意識が遠のいていく。大きく体力を喪失したように脱力し、項垂れがかっ

た体勢で悪魔達が何かを言っている。何を言っているんだ?

「貴女の淫紋が効果を発揮するなんて久しぶりだわ。これは期待できそう

ね」

 それからは私にとっては地獄だった。

 痛みに耐える訓練はしていても快楽に耐える訓練などしたことがなかった。

そんなものが必要になるなんて今に至るまで思いつくことすらなかったんだ。

「あははははっ!! こんなものでイっちゃうなんてっ」

 カレアが持つ卑猥な形をしたディルドが私の菊穴を何度も何度も貫く。そ

の度に異物が侵入する違和感と共に言い表せない感覚が沸々と湧いてきてい

た。
「ふふっ、ねぇねぇ? 貴方達が嫌う悪魔の指なんかに何回もイかされる気

持ちはどう?」

 ギムレットの吐息が掛かる程に近づかれて彼女に体中を触られる。こそば

ゆいなんて表現では出来ないくらいのソフトタッチを繰り返したり、いきな

り乳首や股間を弄ってきたり。

「ここかしら、それっ!」

「ひゃあああっ!!!? あっあっあっああああああっ!!!!」

 股間の前穴を弄っていた指が深く入りこむ。嫌な筈なのに、体は絶頂を迎

えてしまう。

 全身が痙攣し、無意識に無様な姿を悪魔共に晒す。とても嫌なのに、体は

私に言う事を聞いてくれない。

「イっちゃったねぇ。それじゃあ...一画、追加ね♪」

 絶頂が終わる頃合いを見て悪魔が私の体に淫紋を刻んでいく。私がイった

と悪魔達が判断したのが淫紋を刻む基準らしい。

 今度は、背の腰に近い部分に禍々しい形の淫紋が刻まれる。それ以前にも

数回刻まれたせいで形が刺々しい悪魔の翼に似ているように見えた。

「そろそろ出る筈だけど...あら、光り始めたみたいね」

 刻み終えた悪魔が離れた所でその淫紋が不気味な紫色の光を発し始めた。

それにつられてか全身の他の淫紋も同様に光り始める。

「な、なにが...あぐっ!? なにっ!?」

 突然、腰の辺りに違和感を覚える。ズキズキと皮膚がつねられるような感

覚が襲い、首を動かし見ると何が出たがっているように隆起していた。
「ううっ、でないでっ...! いやっ、いやっ!!」

 必死に腰を揺らしてそれが出ないように抵抗するも隆起が大きくなるにつ

れて痛みも比例して大きくなっていく。

 そして、恐れていたその時が訪れた。

”ブシュッ!!”

 張り詰めた風船が割れるかのようなその一瞬、それは私の中から飛び出た。

水のような音と共に、私に今までに感じたことのない快楽を伴わせて。

「ぎひぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!!!!!」

 いく、イクっ! 今までに感じた女の絶頂とは少し違う絶頂。前穴から潮

を何度も噴かせ、全身の気を持っていかれそうになる程の満足感があった。

・・
「ふふふ、立派な尻尾が生えたわねぇ。おめでとう」

「ふぇ...? な、なに、が...?」

 呂律の回らない口で目の前の悪魔に問い質す。一体、何が起こった?

「その体勢じゃあ見られないよね。見せてあげるわ」

 そう言って手足を拘束していた触手を外した。解放されると同時に力なく

床にペタンと座り込んでしまう。...? 何かお尻の方に違和感が。

「ほら、こっちを見てみて」

「え...?」

・・・・・・・・・・・・・・
 悪魔に言われ、鏡を見る。そこには、 臀部から黒長い尾を生やした私がい

た。

「可愛い尻尾ねぇ。そう思うでしょ?」
「嫌あああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」

 刻々と変わっていく自身の体に私の心はもう折れかけていた。

 その後も悪魔達からの拷問は続いた。

 拘束は解かれたもののそれによって様々な体勢で快楽拷問を受ける事にな

り、より酷くなってしまった。

 今までは一人ずつだった筈が二人同時に責めてくることが多くなっていた。

「んっ、あぁん、んむっ。ふふっ、甘くなってきてるわよ、貴女の味♪」

「あはははっ! すごく敏感じゃない! 少し触れるだけでもうイっちゃっ

たの!? あははははは!!」

 今もそうだ。ギムレットに息する間も与えられない程のキスが前から、後

ろではカレアに生えたばかりの尾を触れられ未知の感覚が何度も襲う。

「っっ!! んんんっ!!!」

 自分でも何回、絶頂したのか分からなくなっていた。目はまともに見る事

は出来ず、頭は気持ちいいという感覚だけが満たしている。

 あまりの快楽責めに何の為に耐えているのかを見失いかけていた。

「ほぉら、気をしっかり持たないと貴女の負けになるよ~」

「っ! だ、誰がっ! まだ、私はっ、負けてない...!」

 皮肉にも悪魔の声で正気を取り戻す。そうだ。悪魔共の拷問を耐え抜いて

この洞窟から脱出しなければ。

「そうそう、その調子だよ~。そうじゃないと長く楽しめないからね~」

「まあ、脱出してもそんな体で外を出歩けるのかしらね」

「くっ!」
 確かにそうだ。今の私の状況はとてもじゃないが無事とは言えない。

 顔や左腕、胸部、腹部、背中と悪魔共に刻まれた淫紋が未完成ながらもあ

り、臀部からは悪魔と同じ尾が生えている。

 ポーションか教会で祓ってもらえばなんとかなる筈だ。それも脱出できれ

ばの話だが...。

「じゃあイったことだし、淫紋追加ね~」

 そういってカレアが指先に魔力を集中させる。悪魔共が自分達から話した

事だが、彼らが淫紋を刻む力は悪魔だけが持つ特殊な魔力らしい。

 それを最初の方に刻んだ左手の淫紋に書き加える形で刻んでいく。形がよ

り完成に近づいているようにも思えた。

「ん~物足りないなぁ...追加しちゃお」

「なっ!?」

 今まで一画ずつの追加の筈がいきなりカレアは二画目を刻み始めた。驚き

手を避けようと動かそうとするも力が入らない。

 そうこうしている内に二画、三画と刻まれていき、未完成だった淫紋が私

の目から見ても完成だと思える形となった。

「ふふ~ん、やっぱり一気に刻んであげた方がいいよね~」

 満足気に私から離れるカレア。左手を見ると、手の甲に不気味な形の淫紋

が怪しげな光を発していた。

「な、なんだ...? 手が疼く...うぐっ!?」

 淫紋を中心に差すような痛みが発生する。思わず顔を歪めるも視界の端に

なった左手に変化が起きていた。
 切りそろえたばかりの爪が鋭くなり、傷と豆だらけの手が潤いを持った綺

麗な手指と変わる。それだけなら回復したと言えただろう。

・・・・・・・・・・・・・
 淫紋を中心に肌の色が暗青色となっていった。

「ひっ!? わ、私の手がっ!」

 肌の浸食は肘辺りまで進んだところで止まった。だけど私の中ではこの事

態を受け入れることが出来なかった。

「くそっ! 消えろ、こんな、こんなことがあってたまるかっ! 夢...そう

だ、ここは夢なんだ」

 変わり果てた手を擦るも肌色は変わらない。それどころか強く擦りすぎた

せいで変な気持ちよさも感じていた。

「あらあら、そろそろ心が壊れてきたのかしらね」

「あらら、もう壊れちゃったの? つまんなーい」

 横でなにやら言っているようだがそんなのはどうでもいい。早く、早く夢

なら覚めろ。覚めろ。覚めてくれ。

「どうする? このまま続けても反応がつまんなさそうだし」

「なら少し休憩させてあげましょ。それに...これも追加してあげれば面白く

なるわよ?」

 その話声を最後に悪魔達が部屋から出ていく。一人となった部屋の中で変

わり果てた腕を擦り続ける女性が取り残された。

 静かになった部屋でずっと変わり果てた手を擦り続ける。しかし、何度や

っても元に戻らないのを見てもはやこの場ではどうすることはできないと諦
めることにした。

「お腹、空いてきたな...そういえば、ここに来てから何も食べてなかった、

な」

 暫くの間、そうしていた私だったが腹が空く感覚に襲われる。洞窟で物資

を失ってからは殆ど口にしていなかったのもあるだろう。

「どこか、食べ物はないだろうか...」

 ふらふらと立ち上がり、部屋の中を見渡す。冷たいレンガ造りの壁と床の

空間にそれらしきものは無く、後ろには私を拘束していた触手が揺らめいて

いる。

 唯一ある部屋の出入り口の前には錆びついているが鉄格子があり、出られ

そうにない。...? 鉄格子の前に何かが置かれてる...?

「これは...なんだ? 食い物...なのか?」

 一見すると器に入ったスープのように見える。しかし、よく見ると粘性が

強すぎるように見える...?

「クンクン...匂いは、あれ? しない。あいつらが用意したんだろうが...食

べるしかないか」

 格子の隙間から器用に器を近づけ、同じく用意されたスープンで中身を掬

う。近づけて匂いを嗅ぐも無臭で何も臭わない。

「頂きます...んっ、んぐっ!? なにこれ...」

 恐る恐る口にする。すると口に入れた途端、非常に癖の強い味が舌から伝

わってきた。そしてやはりといった感じでとても粘ついていてスープという

より溶けたチーズに似ている。
「でも...これは、これでいい...かもしれない...」

 味こそ癖はあるものの食べれないものではなかった。二口、三口とスープ

を掬う手が進み、気づけばなくなっていた。

「ふう、少し満たされたな...ん、体が火照ってきた、な...」

 腹が満たされた影響だろうか。体の内から沸々とした熱が発生してくるの

が分かる。その熱はドンドン強くなり、少し発散しなければと思い始めた。

「んっ、確か、こうだったか...」

 くちゅくちゅと既に濡れていた前穴を弄り始める。悪魔達に無理やりされ

ていた時とは違う感覚だが、これも悪くはない。

「ん、気持ち、いいな...! こっちも弄れば...ひゃん!?」

 少し物足りなくなった所で空いていた左手で乳首に触れる。すると、今ま

で以上の快感が私を襲った。

「な、にこれ...気持ち良すぎる...! んっ、んっ、んふぅぅぅぅぅっ!!」

 少し弄っただけで軽く絶頂してしまった。思わず口を塞いで声を抑えるも、

前穴や尻尾の先から潮や白っぽい液体が出てしまう。

「これ、癖になりそう...。もっと、もっと...!」

 右手でやった時よりも得られる快感が大きな左手で体の各所を弄っていく。

胸だけでなく口や耳、首を摩るだけなのにそれでも気持ち良さを感じてしま

う。

 もし...これが前穴や尻尾にやったらどうなるだろうか。

”クチュッ”

「んぎぃぃぃぃぃぃっ!!!? なにこれぇぇぇぇぇぇぇ!!!!」
 少し指先が触れただけなのに、意識が思わず飛びかける程の絶頂が私を襲

う。粘膜に触れただけなのにこれ程とは...! 

 もう、知ってしまったら止まらなかった。

「あっ、あっ、あっ、あん!! こ、これっ! 気持ち、良いよっ!! あ

あんっ!!」

 指が止まらない。自分でも驚くくらいに指が深く入ってしまう。出し入れ

するだけでも快感が襲い、膣壁を爪で引っ搔けばビリビリとした刺激が病み

つきになってしまうくらいに気持ちいい。

「あっ、ああん! これっ、もしかしたらっ...!」

 快楽に嵌ってしまった頭の中である考えが思い浮かぶ。もしそうなら一体

どれ程の快楽が得られるのか...。

 考えるよりも先に行動をしていた。臀部から生えた尻尾を掴んですっかり

ぐちゅぐちゅとなった前穴にその先を当てる。

「はぁ...はぁ...うぐっ!?」

 息を整えそして、ゆっくりと挿れていく。違和感がとてつもないが同時に

少しずつ挿れた場所から気持ち良さが伝わってくる。

「はぁ、はぁあっ......っ!!!?!?!? あああああああぁぁぁぁぁっぁ

あああああっ!!!!!」

 もっと快楽を、と貪欲に尻尾を奥深くまで挿れていった時だ。突然、全身

に耐えがたい激痛に似た快楽を襲った。

 そう、自身の処女膜を突き破ってしまったんだ。その時が来るまで絶対に

破らずに守るようにと教えられた筈なのに。
 自分でもどうしてそうしてしまったのか分からなかった。でも、気持ち良

かった...!

「あは、あははははははっ!! 自分で、自分の処女を、奪っちゃった...!

でも、気持ちいいよぉ!!」

 まだ、赤い自身の血がポタリと床に落ちる。それと同時に大量の粘液が落

ち、尻尾を掴む手を激しく動かし始めた。

”グチュグチュグチュグチュグチュ”

「あぐっ、あんっ、ああんっ!! ひゃあああっ!!? ああああ

っ!!!」

 手が止まらない。左手でヤル時よりも得られる快感が大きい。大きすぎ

る...! もう周りを気にする余裕も無くひたすら尻尾を出し入れする。

 それに、尻尾の先が鏃のようになっているお陰か返しになっている部分が

膣壁をゴリゴリと引っ掛かって得られる快感が更に増している。

 もう、ずっとこうしていたいとすら思い始めていた。それくらいに病みつ

きになってしまっている。

「(もう、脱出なんて、しなくていいっ!! ずっと、こうしてたいよぉぉ

ぉぉおお!!!)」

 股下から伸ばした尻尾の根元に何かが集まるのが感覚で分かる。さっき尻

尾から出た奴がまた集まっているのだと。

 同時に前穴...子宮の辺りからも込み上げてくるものがあった。何回も感じ

たあの感覚だ。

「イクっ、イクッ、イグウゥゥゥゥゥゥゥゥゥ!!!!!???」
 尻尾が奥深く、子宮の口にまで当たったと同時に今までの非じゃない絶頂

が襲った。同時に尻尾からゴブリと塊のような液体が何度も注がれる。

「出てるっ!! でてるよぉぉぉぉっ!!! ああああああああああ

っ!!!??!」

 子宮の中に許容量を大きく超えた液体が注がれ、隙間も無い筈の前穴から

白く濁った粘液のような液体が零れる。

「あ、はぁぁ......気持ち、よかったぁ......」

 あまりの快楽にとうとう自分の意識が落ちていく。絶頂で脱力した体が後

ろに倒れ、手が離れた尻尾は今も出し続けている。

「あら? 随分とお楽しみだったようね、騎士さん?」

 意識が落ちる直前、格子の向こうから誰かの声が聞こえたように思えた。

そしてそのまま、意識が暗転する。

「うわ~。この子やりすぎじゃない?」

・・
「私達の精液を食べたからね。それもあるかもだけど、これ程嵌っちゃうだ

なんて、ね?」

 格子内に入った瞬間、彼女が出した精液と愛液の臭いがつく。そして、奥

には自身の尾をオマンコに挿れた状態で気絶している彼女がいた。

「もうそろそろ彼女も堕ちそうね。でも、まだ楽しみたいよね?」

「そうね、今度はどうしてあげようかしら...ふふふ」

 倒れた彼女を起こし、刺さったままの尻尾を引き抜く。グボッとした音と

共に引き抜かれ、そこから一体どれだけ注いだのか。大量の精液が垂れ出る。
「私達でもびっくりするくらいの量ね。この子、才能あるかも」

 引き抜かれた尻尾は今も精液を出し続けている。ギムレットがそう評価し

ても無理はない程の精力があった。

「美味しそう...あぁむ。んんっ、んくっ、ぷはぁっ! 凄く濃厚で美味しい

ぃよぉぉ!!」

「そうなの? 私も...んっ、あはっ! ほんとねっ、癖になる味だわ~」

 二人して彼女の尻尾から出る精液を味わい始めた。どちらも口にした瞬間、

先程のネムリアと同じかそれ以上の恍惚とした表情となっていた。

 暫くそうして味わっていたが、ギムレットが何かを思い出したのを切っ掛

けにお楽しみの時間は終わりを迎える。

「それじゃ仕上げに移りましょう。カレア、やるわよ」

「んっ、分かったわよ。一気に進めるのね」

 ギムレットの言葉で二人は不気味な笑顔を浮かべる。そして指先に魔力を

集め、気を失った彼女の体に淫紋を刻んでいった。

「んっ...あれ、私...気を失って...」

 いつの間に気を失っていたのだろうか。ゆっくりと目を開けていく。する

とそこには、あの悪魔達が不気味な笑顔を浮かべて正面に立っていた。

「おはよう、騎士様? 気分はどう?」

「...最悪よ」

 徐々に覚醒していく意識の中で自分がまた触手に拘束されているのが分か

った。それもさっきの吊るされた状態ではなく、触手の生えた肉塊に後ろ手

に手足を埋め込まれた状態だ。
「どう? 私達の作った特製ローパーよ、今の貴女じゃ絶対に抜け出せない

わよ」

「ふんっ、これが無くても逃がすつもりなどないくせに...だが、今更こんな

ものを用意してどういうつもりだ?」

 どういう意図があるのか分からない。すると、ギムレットが再びあの鏡を

私の前に用意してくる。そこには私の今の姿が映し出されていた。

「なっ!? おいっ!! お前たちっ、私が気絶している間、何をした

っ!!?」

 そこには全身、隙間なく彼女達によって刻まれただろう淫紋によって印象

を大きく変えた私がいた。

 顔は額や頬、舌に左目の中にまで刻まれ、体は胸や腹部は勿論肩や二の腕、

太腿などにも刻まれている。極めつけは子宮の辺りにある淫紋だろうか。

 禍々しいハートの形に悪魔の翼が刻まれた淫紋の中心部。そこには親指程

の小さな黒い真珠のような宝石が埋め込まれている。

「何って...淫紋を刻んであげただけよ? それもたっぷりと、ね?」

「くそっ! 勝負はもう着いただろっ!? 早く私をここから出してくれ

っ!!」

 必死に藻掻くも触手の拘束は思った以上に固く、悔しいが悪魔の言う通り

だった。

「そういえば、貴女。気絶する前の事、覚えていないの?」

「何? 気絶する前だと...? そういえば、なんで私気絶したんだ...?」

 記憶を辿っても思い出せない。何故、気絶したのか。ここにいる理由は分
かってる。彼女達に数々の責め苦を受けてそれから......!

「あ、あ、ああっ! わ、私はっ、な、なんて、あんな事をっ!!」

「ふふっ、思い出したみたいね。あんな痴態を晒すなんて...ねぇ? 変態騎

士様?」

「っ!!?!?? いやぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

 私はっ、私はなんてっ、あんなことをしてしまったんだっ! 普段の私な

ら絶対にしない筈なのに、どうしてあんな痴態を招いてしまったんだっ!!

「っ! まさかっ...!」

「気づいたみたいね。そうよ、私達の出した精液はどうだったかしら?」

 嘘...あの、スープが精液...? あの、男の人が出すって聞いたあの...っ!?

「ううっ、おえっ、おぇぇえええっ!!」

「今更吐いた所で遅いわよ。それに...美味しかったのでしょう? せ・い・

え・き♪」

 ギムレットがそっと私の耳元でそう囁いた。あ、ああ ...否定、したいの

に...どうしてもその一言がいえなかった。

 だって...あんなに、芳醇で濃厚な癖になる食べ物があったなんて...

「その顔をみれば、分かるわ。もう一度、味わってみたいと思わない?」

「っ!! だ、誰がっ、そ、そんな、誘惑っ、に! 負ける、ものかっ!!

うぅ...」

 思い出しただけなのに、彼女の言う通りあの味をまた味わいたいと思う気

持ちが私の頭の中を占めていく。

 これ以上はだめだと頭の片隅で思っているのに、もう一度だけ味わいたい
と思う気持ちでもう耐えられなかった。

 そこに、悪魔達が囁くようにある提案をする。

「ねぇ...貴女ってなんでここから脱出したいの?」

「へ...? そ、それは...脱出しないと、仲間達と合流出来ないし、貴様達の

事を報告しなければ...」

「それって、貴女がやらないといけない事なの?」

 へ...? どういうこと...? 私じゃなくてもいいの? どういう...。

「貴女のお仲間さんはもう洞窟を出てるし、それに...私達は別にここから出

るつもりはないのよ? それどころか貴女がここにいてくれれば人間に危害

を加えるつもりはないのよ」

「な、なにを言って...悪魔の、あなた、達のいうことなんて...」

「私達、貴女の事を結構好きよ? 自分でも意外なんだけれどね」

「っ!! そ、そんなことを言われたって!!」

 いきなり告白まがいな事を言われ、思わず動揺してしまう。けれど、何故

だか言われて嫌な気持ちはしなかった。

「だから、貴女がここにいてくれれば私達は貴方達に何もしないわ。それに、

貴女にも不自由をさせるつもりはないわ」

・・・・
「ええっ、私達なら今の貴女が求めるものを満たしてあげれるよ」

 ギムレットの後ろからカレアが自身の尻尾を私の目の前に動かす。すると

尻尾の先から白っぽい液体が垂れ出ている。

「ほぉら、貴女の好きな精液だよ~」
「あ、ああ...ほ、欲しい...っ!? だ、ダメだっ!!」

 一瞬、意識がそっちに向かいかけた。だが寸での所で気を取り戻し、顔を

横に向ける。しかし、精液の美味しそうな匂いが嫌でも鼻につく。

「あらら~? 欲しくないの? ざぁんねん♪」

 そういって尻尾を後ろに戻した。くぅっ、欲しかった...なぁ。

「ふ、ふん! どう、だ! 私はまだ屈してないぞ! お前たちの思惑なん

ぞに、私がっ、私達が乗るものかっ!!」

「気丈ね。ま、いいわ。貴女がどの選択をした所でもう後戻りできないのだ

けれどね♪」

 ギムレットの黒い目の中に浮かぶ赤い瞳が不気味に細くなる。そして、折

れかかった私の心を圧し折る事実を告げられた。

「その淫紋を刻まれた時点で、貴女の体は既に私達と同類になってるんだけ

どねぇ♪」

 そう言って子宮付近にある淫紋を指差す。それに呼応したかのように真珠

の部分が仄かに輝き、遅れて全身の淫紋も光始めた。

「その真珠...私達悪魔の核でもあるのだけれど、器としての格と才能がある

生物に埋め込めばその体を悪魔にしてしまうものなのよね~」

「まあ、作り出すのに何十年とかかる代物だからそう簡単に増やすことが出

来ないのが難点なんだけどね...でも、それに見合う価値を貴女に見出したの

よ?」

「もう、戻れないってどういうことよっ!!? じゃあ、全部! 初めから

私の事を脱出させる気なんてなかった訳!!?」
 怒りに任せてそう叫ぶ。初めから、全部勝負なんて成立などしていなかっ

た。もう、私は戻ることができないんだ...。

「最初は別にどうでもよかったのだけれどね。でも、貴女の才能を見て考え

が変わったのよ」

「こんなっ、こんなことならっ! せめてっ貴方達の思い通りなんかっうぐ

っ!!?」

「自害しようなんてつまらない結末はやめて頂戴。せっかくの命を捨てるな

んてだめじゃない」

 舌を噛んで自害しようとした所を触手が私の口を塞いで阻止される。手足

が動かない以上、もう私にどうすることもできなかった。

「じゃあ、次に会った時が楽しみね。ねぇ? 騎士様?」

「同類になったらいっぱい可愛がってあげるからね。楽しみにしててね」

「んんっ!! んんんっ!!!」

 悪魔達がそう言った瞬間、私を拘束している肉塊が私を飲みこもうとその

肉の体を大きくしていく。不気味な肉の色が嫌らしく私の体を覆っていく。

「それじゃあね、人間としての最期を噛みしめながら誕生なさいな」

 ギムレットのその言葉を最後に私の視界は暗闇に閉ざされた。

「(暗い...それに、体がおかしくなってる...)」

 肉塊に飲み込まれた私は身動き一つとれないまま変化していく体を鮮明に

感じさせられていた。

「んっ、腕が...悪魔と同じになっていってる...」

 刻まれた淫紋が輝いて未だ肌色を残していた右腕や左腕を暗青色へと浸食
されていく。爪の色は黒く、傷一つ無い綺麗なものへと。

「足も...んっ、気持ちいいっ...」

 足も同様につま先から足の付け根に至るまで浸食されていった。それに伴

って肉塊に包まれた部分がより敏感になって快楽信号を頭に伝えてくる。

「胸...もっと、大きく...んっ」

 完成された淫紋によって私の胸はより大きく膨らんでいく。壁のようだっ

た体が今では町中の男達の視線を向けさせる程の巨乳へと変わる。

 そしてくすんでいた乳首はより濃い青色に変化し、指で簡単につまめる程

大きな形状に変わった。

「背中...そう、でるのね...」

 背中の大部分に刻まれた淫紋が一際発光すると、体の内側から急速作られ

た器官が強く私の背を突き破ろうとする。

「あがっ!! あああああああああああああああっ!!!!!!」

 そして、大量の血と液体をまき散らしながら私の翼が飛び出る。漆黒の被

膜と鉤爪の生えた一対の翼だ。

「......あっ、し、きゅうも、なの、ね...」

 一気に大量の血を失い、意識が朦朧としてきた所でまだ人間のままだった

子宮が作り変えられていくのが分かった。

 子を孕み、育てる場所だったそれは注ぎ込まれた精力を自身のエネルギー

とする吸精器官へと。それにともなって膣壁もより卑猥で快楽を感じさせる

ものへと変化する。

「うっ、おえぇぇぇ!!! あ、は、はは...」
 突然、口から大量の血を吐き出す。既に黒くなりつつある血を見て、私の

体がもう人のものではないと嫌でも自覚させられた。

「あっ......」

 そして、鼓動を刻む心臓を含むその他の臓器もグチュグチュとその機能を

変えられていった。もはやそれらは私の生命を維持するのに不必要なものと

成り果てていた。

「かひゅっ!? あっ...あっ...だ、めっ...そ、こ、は...」

 突然、後頭部に鋭い棘のようなものが深く突き刺さる。そこから私の大事

な、人間としての最後の大切な何かを吸い取られていく。

「あ、は、はうえ...ちち、うえ...みん、な...」

 親しかった間柄の者達、両親、自身が好きな思い出。これからの未来に不

必要と断じられた全てを抜き取られていく。阻止しようとしてももうどうす

ることも出来ないだろう。

「........あ」

 そして、最後の思い出を吸い取られた。その瞬間、人間としての私はもう

終わりを迎えたのだった。

 不意に見開かれた目から一筋の涙が零れた。既に片目は黒く赤い瞳となっ

ていた。もう片方も時間の問題だろう。

「............」

 空っぽに等しい器に水を灌ぐように悪魔として必要な魔力が注がれていく。

頭からだけでなく、体のありとあらゆる場所から。

「...........くッ」
 肌色の浸食も大部分が終わり、内部組織も変化を完了させる。残されたの

は、悪魔としての自覚だ。

「...ワたし、は、騎士、ひとびと、を、マモル、剣、デ、あり...」

 残されたのは悪魔としての自覚だ。人の意識など、残していても意味はな

い。

「ワタシ、ハ、き、し、だ...! け、して、アクマ、ク、し」

 今だ抵抗する意識を消し去ろうと悪魔の核たる真珠が黒い光を発する。

「ガアアアアアアアアッ!!!? ワ、ワタ、シ、ワアアアアアアアア

ア!!!!!」

 体の淫紋も呼応するように発光する。体は既に堕ちている。後は、要らな

い意識だ。

「アアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!」

 あと少しだ。あと少しで......!

「アアアアアア!! ア!? ...........アハッ」

 最後の抵抗とばかりに叫んでいた私だが、遂にその抵抗も潰えた。それと

同時に役割を終えた淫紋が全て体内へと吸収されていく。

 ここに、一人の気高き騎士は消えた。そして、一体の悪魔が始まりを迎え

る。

「ようやくね」

 彼女が転生を始めてから 1 ヵ月。その間、彼女から漏れ出る精力を楽しん

でいた悪魔達は遂にその時を迎える。

 肉塊の口に当たるだろう部分が大きく開かれ、そこから人らしき何かを吐
き出す。

 それを彼女達は優しく受け止め、液体に塗れた体を舌や体でふき取ってい

く。吐き出されたそれはゆっくりと目を開けた。

「気分はどう? 騎士様?」

「ええ、最高です。ギムレット、カレア」

 彼女達と同じ暗青色の体に黒色の翼と尾を持つ悪魔。違いを挙げるなら左

目の瞳に淫紋があり、髪が長い金髪であることか。

「ふふふ、すっかり染まっちゃって...あんなに嫌がってたのにね?」

「ええ。自分でも何故、あんなに抵抗していたのでしょうか。こんなにも気

持ちのよい体なんて、受け入れるしかないでしょうに」

 そういって自身の体を抱きしめる新たな悪魔。ひとしきり堪能し終えたギ

ムレットが一つ、質問をした。

「ねえ、貴女の名前はなにかしら?」

 聞かれた悪魔は不気味な笑みを浮かべて答える。

「私の名はネムリア。ただの悪魔です♪」

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