SW2.5 Scenario ショートシナリオ「冒険者の腕試し」

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SW2.

0 オリジナルシナリオ TRPG 神々の黄昏

冒険者の腕試し

シナリオ情報
推奨プレイ人数 3〜5人
推奨開始レベル 1〜2
プレイ時間 3時間
スタイル 戦闘
シナリオテイスト 冒険
ルート分岐 なし
ゲーム内制限時間 なし

シナリオアウトライン
意気揚々と冒険者としての初仕事に乗り出す冒険者たち。しかし、冒険者の酒場〈蒼龍
亭〉のマスターは、彼らの能力を認めてくれない。初めての仕事として蛮族のボスの討伐は
荷が重すぎると笑い、簡単な仕事を押し付けてくる。不満を覚えながらも、冒険者たちは彼
らが本当にこなしたい仕事を引き受けるために、冒険者ギルドの一員としての第一歩を踏み
出す。

シナリオ詳細
オープニング
このシナリオは、はじめてのゲームプレイ専用に設計されている。冒険者たちはすでに
知り合いでもいいし、まだ知り合っていなくても良い。
冒険者たちがお互いに知り合っていない場合、冒険者の一人(A としよう)が、冒険者
ギルドの依頼を引き受けようと、酒場を訪れ、マスターとやりとりをするシーンから開始す
る。冒険者は自分の能力に不相応の依頼を引き受けようとしたという体で開始するため、も
っとも自信過剰の冒険者がこの役を担うと演出上良いかもしれない。
この勇ましい冒険者はマスターから二つの問題点を指摘される。①重要度と困難さの高
い依頼を、初仕事の人間に頼むことはできないということ。②仮に依頼を引き受けさせたと
しても、単独での達成はあまりに困難だということ。二人が大声でやりとりしているために、
この指摘は酒場に居合わせた他の冒険者たちの耳にも入ることだろう。

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SW2.0 オリジナルシナリオ TRPG 神々の黄昏

他の冒険者たちのうち、希望するものは、ここで A に対して同行を宣言することができ
る。折しも冒険者としての活動を開始したばかりの他のメンバーにとって、同じように駆け
出しの、パーティを結成していない冒険者の存在は貴重なもののはずだ。ここで名乗りを上
げたメンバーたちは、その戦闘能力を尋ねられる。それぞれの能力を言うと、マスターは他
の能力を持ったメンバーが必要だと主張するか、(全員が参戦すれば)これだけいればいい
だろう、と言うことになる。(他のメンバーの個別オープニングと合流シーンを設定した場
合には、このシーンの前後でうまく演出すること)
パーティが結成されたにも関わらず、マスターは難易度の高い依頼を引き受けさせては
くれない。特に人の命を預かることになるような仕事だけは厳禁だと強く主張する。とにか
く、まずは信頼を築くことが重要だと言い、手頃な依頼を紹介するに至る。
依頼は事実上のパトロールだ。ルキスラの南西にある小さな森の付近で、このところ蛮
族の目撃証言が急に増え始めた。東の大群に比べれば、敵の規模は小さいと考えられるため
に、これに軍隊を動員しないことにしたルキスラは、代わりに手頃な冒険者に調査を依頼し
たらしい。前金は100ガメル。報酬は合計で300ガメルだそうだ。
冒険者たちの耳には、最近蛮族が東の山脈の向こうで勢力を増しているという噂が耳に
入っている。それゆえ、それとは正反対の西方での依頼に、小さな落胆を覚えることだろう。
特に、はじめにマスターと口論していた A は、東への出陣を目指していただけに、大きく
落胆させられる。
しかし、マスターが受け入れてくれない以上、この仕事をこなさなければならない。マ
スターの提案に渋々従った冒険者たちは、酒場を後にして、南西の森へと足を運ぶのだった。

移動
小さな森の付近までは、
〈守りの剣〉の影響力が僅かながらに及んでいるために、蛮族は
長期間を過ごすことができない。それゆえ、移動中の遭遇戦闘は発生しない。冒険者たちは
安全な道のりを3時間程度移動するだけで、問題の森にまで到達することができる。

小さな森
小さな森は、10m を超す木々が群生することで構成されている。森の中に入ると、以
下のような演出を読み上げ、その森がさして深いものではないこと、しかし人間が立ち入る
種類のものではないことを説明する。

森には、木漏れ日がチラチラと差し込んでいた。そのわずかな陽光を争うように、背丈
の低い草が茂っていて、さらにその下で、蒸した苔たちがみずみずしい緑色をしていた。す
でに長い間、人の手が入っていないことは明らかだった。といって、その森が人の侵入を拒
んでいるような様子もない。ただ放置されていただけの、ありふれた空間だった。
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SW2.0 オリジナルシナリオ TRPG 神々の黄昏

この森での探索は、概ね三つの場面に分かれる。第一には〈森の浅い位置〉、入り口付近
における行動。第二には〈森の中〉、少し分け入った地点での行動。そして第三には〈森の
最深部〉だ。冒険者たちには、森全体をどのように探索するのかを尋ねる必要がある。もっ
とも有効なのは、【足跡追跡判定】を用いて、蛮族の足跡をたどる方法だ。もしもこの方法
を思いつかなかった場合、森の中を乱雑に歩き回ることになる。そうなると、森の中に棲む
生物との戦闘(ジャイアントセンチピード×2+ポイズントードとの遭遇戦闘)が一度挟ま
れたのちに、
〈森の中〉に移動することができる。

【足跡追跡判定】(目標値9)タイミング:希望されたタイミング
もしも冒険者が望むなら、いつでも【足跡追跡判定】を行うことができる(目標値9)。
これに成功した場合、場所に応じて以下のことがわかる。
場所 情報
入り口付近 数匹のコボルドが出入りしている跡がある(追跡でコボルドの拠点へ)
森の中 コボルドたちが乱雑に走り回った跡と、何かが這ったような跡がある

【探索判定】(目標値6)タイミング:任意のタイミング
冒険者たちのうち、スカウトかレンジャー技能を持つ者に対して、GM の好きなタイミ
ングで、探索判定を振らせることができる。そこには、大きな筒の奥にネズミの死骸が置か
れ、それが動くと筒の口が強く締まるという機構をもった罠が設置されている。それは明ら
かに人間を前提とした罠ではないということは、冒険者たちはすぐに気がつくだろう。

【足跡追跡判定】に成功すると、道中でコボルド×2+グレムリンとの戦闘が行われる。
このコボルドを捕らえると、大蛇が出没したという情報を得ることができる。
これに勝利し、コボルドの拠点にたどり着くと、ひどくおびえた様子のコボルドが、ナ
イフを構えて3匹一緒にあたりを警戒しているのが見える。彼らはしきりにあたりを警戒し
ているため、【危険感知判定】を基礎値2で振った値と、冒険者たちによる【隠密判定】と
の対抗が行われる。これに失敗すると、コボルドたちは冒険者たちの存在に気付き、恐る恐
る後退を始める。走って攻撃を仕掛けようとすると、コボルドたちは悲鳴を上げながら散り
散りに走り去ってしまう。逆に危害を加える気がないと説明した場合には、大蛇がいるから
早く逃げろ、と応じてくる。
ここでさらに【隠密判定】に成功すると、警戒を続ける3匹のコボルドのうちの1匹が、
小さな悲鳴を残して、急に草の中に吸い込まれるように姿を消すのを目にすることができる。
その途端残る2匹のコボルドが何かに飛びかかるように戦闘を始めるが、すぐに弾き飛ばさ

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れると、2匹一緒に逃走を始める。
これを追跡しようとすると、草の中から突如大蛇が姿を現し、ボス戦に移行する。

野生動物との戦闘を経て〈森の中〉まで進んだ場合、そこでコボルド×2が正面から慌
てた様子で走ってくるのに遭遇する。これに応戦しようとすると、コボルドたちは向きを変
えて逃走を続けようとする。もしも先制判定に成功すれば、このコボルドに追いついて、戦
闘を行うことができる。この戦闘では、1d3ターン後に、冒険者たちの背後からサイドワ
インダー×4が登場し、その次のターンにボスが登場する。ボスの登場後は、コボルドは逃
走を試みる。

ボス戦はサイドワインダー×4+アナコンダ(強化3)。ボス戦とはいえ、これを撃破す
るか否かはプレイヤーの判断に委ねられる。というのも、このアナコンダはあくまで侵入者
を攻撃している野生生物であって、人間に被害が生じたりしているわけではないからだ。プ
レイヤーたちがそのことに疑問を呈した場合、GM 発言として、経験点と〈剣のかけら〉に
言及し、判断を問うことにしてよい。プレイヤーたちがいかなる判断を下そうと、アナコン
ダたちは PC に全力で攻撃を仕掛けてくる。つまり、遭遇後、アナコンダから逃走する手段
はないので、生き残るためにはこれを撃破しなければならない。

エンディング
無事にアナコンダを撃破すると、その胃の内容物から、すでにこの森のコボルドたちが
アナコンダによってやられていたことがわかる(コボルドの武器や骨が出てくる)。最近こ
の辺りで目撃されていたのは、アナコンダによって追い出されたコボルドたちだったようだ。
アナコンダに先んじられたために、蛮族の討伐はならなかったが、ひとまずこの森の周辺が
安全であるということがわかった冒険者たちは、森を後にすることになる。

報酬処理
報酬は、ルキスラ治安維持隊から、前金と合わせて、一人あたり300ガメルが用意さ
れている。
また、アナコンダを撃破していれば500点、していなければ200点の経験点が与え
られる。
アナコンダの撃破に成功すれば、3つの〈剣のかけら〉を獲得することができる。これ
を持ち帰れば、マスターは冒険者たちをギルドの一員として歓迎してくれ、以後、様々な依
頼を引き受けられるようになる。
アナコンダを撃破したのち、さらに1シナリオをクリアすると、ルキスラ帝国大学生態
学研究所が、冒険者ギルドに謝礼として一人当たり200ガメルを預けている。
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SW2.0 オリジナルシナリオ TRPG 神々の黄昏

データ集
コボルド
レベル 知名度 弱点値 先制値 移動速度 生命抵抗 精神抵抗
1 6 11 10 12 2(9) 3(10)
攻撃方法 命中力 打撃点 回避力 防護点 HP MP
武器 2(9) 2d+1 1(8) 1 13 10

その他留意事項(弱点:魔法ダメージ+2) 戦利品
2D6 アイテム
自動 粗末な武器10G
2~9 なし
10~ 銀袋(1d*30G)
ジャイアントセンチピード
レベル 知名度 弱点値 先制値 移動速度 生命抵抗 精神抵抗
2 7 11 9 14 3(10) 2(9)
攻撃方法 命中力 打撃点 回避力 防護点 HP MP
牙 3(10) 2d 2(9) 3 16 3

その他留意事項(弱点:物理ダメージ+2) 戦利品
【毒/3(10)/生命抵抗/消滅】 2D6 アイテム
生命抵抗に失敗したら、6点の追加毒ダメージ(魔法属性) 2〜5 なし
6〜9 甲虫の殻30G
10〜 良質の殻(150G)
ポイズントード
レベル 知名度 弱点値 先制値 移動速度 生命抵抗 精神抵抗
2 9 12 8 10/20 5(12) 4(11)
攻撃方法 命中力 打撃点 回避力 防護点 HP MP
体当たり 3(10) 2d−1 2(9) 2 20 5

その他留意事項(土属性ダメージ+3) 戦利品
【毒/3(10)/生命抵抗/消滅】 2D6 アイテム
生命抵抗失敗で6点の追加毒ダメージ(魔法属性) 2~6 なし
7~10 蝦蟇の油20G
11~ 透き通った蝦蟇の油 100

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サイドワインダー
レベル 知名度 弱点値 先制値 移動速度 生命抵抗 精神抵抗
2 7 11 10 14 4(11) 3(10)
攻撃方法 命中力 打撃点 回避力 防護点 HP MP
牙 3(10) 2d 2(9) 1 14 8

その他留意事項(弱点:物理ダメージ+2) 戦利品
【麻痺毒/3(10)/生命抵抗/消滅】 2D6 アイテム
生命抵抗失敗で、3R の間、回避−2 2~5 なし
6~9 蛇の皮20G
10~11 上質の蛇の皮 120
12~ 極上の蛇の皮 320

アナコンダ(+3)
レベル 知名度 弱点値 先制値 移動速度 生命抵抗 精神抵抗
3 8 12 11 15 6(13) 4(11)
攻撃方法 命中力 打撃点 回避力 防護点 HP MP
絞め 5(12) 2d+3 3(10) 4 44 9

その他留意事項(弱点:魔法ダメージ+2) 戦利品
【絡みつき】 2D6 アイテム
絞めが命中すると、対象は命中と回避に−2。 自動 〈剣のかけら〉3
さらに絡みつきを解かない限り、アナコンダの攻撃が必中に。 2~5 蛇の皮20
解除は「冒険者レベル+筋力ボーナス」で、絞め攻撃の命中 6~9 上質の皮150
判定の達成値と競う。 10~ 極上の皮320
【剣のかけら強化+3】最大 HP が通常より15多い

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