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McQuarrie-Simon 物理化学演習問題解答 part2

注意:個人的な解答であるため、間違いなどが存在することは十分にあり得ます。しっかり
とした解答は英語版のものがあるようなので、そちらを購入してください。また、版が変わ
れば問題が異なることもあり得ます。
また、これは学習を手助けするためのものです。個人的な利用以外は固く禁じます。

2-1:単純な 2 階微分の方程式を解く問題。

𝑑2 𝑦 𝑑𝑦 𝑑 𝑑 𝑑 𝑑
(a) −4 + 3𝑦 = 0より、( − 1) ( − 3) 𝑦 = ( − 3) ( − 1) 𝑦 = 0。したがって、
𝑑𝑥 2 𝑑𝑥 𝑑𝑥 𝑑𝑥 𝑑𝑥 𝑑𝑥

𝑑𝑦 𝑑𝑦
− 3𝑦 = 0または、 − 𝑦 = 0。すなわち、𝑦 = 𝑒 3𝑥 , 𝑒 𝑥 が独立な特殊解となる。したがって、
𝑑𝑥 𝑑𝑥

𝑦 = 𝑐1 𝑒 3𝑥 + 𝑐2 𝑒 𝑥

𝑑2𝑦 𝑑𝑦 𝑑 𝑑
(b) +6 = 0より、 ( + 6) 𝑦 = 0。特殊解は1, 𝑒 −6𝑥 。よって、一般解は𝑦 = 𝑐1 + 𝑐2 𝑒 −6𝑥 .
𝑑𝑥 2 𝑑𝑥 𝑑𝑥 𝑑𝑥

𝑑𝑦
(c) + 3𝑦 = 0より、𝑦 = 𝑐1 𝑒 −3𝑥 。
𝑑𝑥

𝑑2𝑦 𝑑𝑦 𝑑 𝑑
(d)𝑑𝑥 2 + 2 𝑑𝑥 − 𝑦 = 0より、{𝑑𝑥 − (−1 + √2)} {𝑑𝑥 − (−1 − √2)} 𝑦 = 0。したがって、特殊解

は𝑦 = 𝑒 (−1+√2)𝑥 , 𝑒 (−1−√2)𝑥 。すなわち、一般解は𝑦 = 𝑐1 𝑒 (−1+√2)𝑥 + 𝑐2 𝑒 (−1−√2)𝑥 。

𝑑2𝑦 𝑑𝑦 𝑑 𝑑
(e) −3 + 2𝑦 = 0より、( − 1) ( − 2) 𝑦 = 0。したがって、特殊解は𝑦 = 𝑒 𝑥 , 𝑒 2𝑥 。
𝑑𝑥 2 𝑑𝑥 𝑑𝑥 𝑑𝑥

すなわち、一般解は、𝑦 = 𝑐1 𝑒 𝑥 + 𝑐2 𝑒 2𝑥 。
2-2:単純な 2 階微分の方程式を解き、条件に合った解を求める問題。

𝑑2 𝑦 𝑑 𝑑
(a) − 4𝑦 = 0より、( − 2) ( + 2) 𝑦 = 0。したがって、一般解は𝑦 = 𝑐1 𝑒 2𝑥 + 𝑐2 𝑒 −2𝑥 と
𝑑𝑥 2 𝑑𝑥 𝑑𝑥

なる。条件より、𝑐1 + 𝑐2 = 2, 2𝑐1 − 2𝑐2 = 4であるから、𝑐1 = 2, 𝑐2 = 0。すなわち、𝑦 = 2𝑒 2𝑥


となる。

𝑑2𝑦 𝑑𝑦 𝑑 𝑑
(b) −5 + 6𝑦 = 0より、( − 2) ( − 3) 𝑦 = 0。したがって、一般解は𝑦 = 𝑐1 𝑒 2𝑥 +
𝑑𝑥 2 𝑑𝑥 𝑑𝑥 𝑑𝑥

𝑐2 𝑒 3𝑥 となる。条件より、𝑦 = 2𝑒 3𝑥 − 3𝑒 2𝑥
(c)𝑦 = 𝑐𝑒 2𝑥 。条件より𝑦 = 2𝑒 2𝑥
2-3:コサインカーブの振動数。
2𝜋 2𝜋
𝑥(𝑡) = cos 𝜔𝑡について、𝑥 (𝑡 + 𝜔
) = cos(𝜔𝑡 + 2𝜋) = cos 𝜔𝑡 = 𝑥(𝑡)であるから、𝜔 で一振動
1 𝜔
する。したがって、振動数𝜈 = 𝜆 = 2𝜋 となる。
2𝜋 2𝜋
同様に、𝑥(𝑡) = 𝐴 cos 𝜔𝑡 + 𝐵 sin 𝜔𝑡について、𝑥 (𝑡 + ) = 𝑥(𝑡)であるから、 で一振動。
𝜔 𝜔

𝜔
𝜈= となる。
2𝜋
2-4:バネの運動方程式。
𝑣0
(a)与式より𝑥(𝑡) = 𝐴 cos 𝜔𝑡 + 𝐵 sin 𝜔𝑡。条件より、𝐴 = 0, 𝐵 = 。したがって、𝑥(𝑡) =
𝜔
𝑣0
sin 𝜔𝑡となる。
𝜔
𝑣0
(b)与式より𝑥(𝑡) = 𝐵 cos 𝜔𝑡 + 𝐶 sin 𝜔𝑡。条件より、𝐵 = 𝐴, 𝐶 = 。したがって、𝑥(𝑡) =
𝜔
𝑣0
𝐴 cos 𝜔𝑡 + sin 𝜔𝑡となる。
𝜔
2-5:正弦余弦にたいする高校ランクの確認。
𝐴 sin(𝜔𝑡 + 𝜙) = 𝐴 cos 𝜙 sin 𝜔𝑡 + 𝐴 sin 𝜙 cos 𝜔𝑡
より、𝐴 cos 𝜙 = 𝑐2 , 𝐴 sin 𝜙 = 𝑐1 と置くと、等価性が分かる。
𝐵 cos(𝜔𝑡 + 𝜓) = 𝐵 cos 𝜓 cos 𝜔𝑡 − 𝐵 sin 𝜓 sin 𝜔𝑡
より、𝐵 cos 𝜓 = 𝑐1 , −𝐵 sin 𝜓 = 𝑐2と置くと、等価性が分かる。
2𝜋 𝜔
2-3 と同様に、𝑥 (𝑡 + 𝜔
) = 𝑥(𝑡)が簡単に示すことができ、その結果、振動数は2𝜋とわかる。

2-6:単純な二階微分の問題についての説明と演習。
𝑒 𝑖𝑥 + 𝑒 −𝑖𝑥 𝑒 𝑖𝑥 − 𝑒 −𝑖𝑥
cos 𝑥 = , sin 𝑥 =
2 2𝑖
であるから、
𝑐3 − 𝑖𝑐4 3𝑖𝑥 𝑐3 + 𝑖𝑐4 −3𝑖𝑥
𝑒 −𝑥 (𝑐3 cos 3𝑥 + 𝑐4 sin 3𝑥) = 𝑒 −𝑥 ( 𝑒 + 𝑒 )
2 2

𝑐3 − 𝑖𝑐4 −𝑥 3𝑖𝑥 𝑐3 + 𝑖𝑐4 −𝑥 −3𝑖𝑥


= 𝑒 𝑒 + 𝑒 𝑒
2 2

𝑐3 −𝑖𝑐4 𝑐3 +𝑖𝑐4
より、 = 𝑐1 , = 𝑐2と置けば、問題文中の𝑦(𝑥)は等価であることが分かる。
2 2

(a)𝑦 = 𝑒 −𝑥 (𝑐3 cos 𝑥 + 𝑐4 sin 𝑥)


(b)𝑦 = 𝑒 3𝑥 (𝑐3 cos 4𝑥 + 𝑐4 sin 4𝑥)
(c)𝑦 = 𝑒 −𝛽 (𝑐3 cos 𝜔𝑥 + 𝑐4 sin 𝜔𝑥)
(d)𝑦 = 𝑒 −2𝑥 (𝑐3 cos 𝑥 + 𝑐4 sin 𝑥)。条件より、𝑐3 = 1, 𝑐4 = −1。
したがって、𝑦 = 𝑒 −2𝑥 (cos 𝑥 − sin 𝑥)
2-7:ただのばねの問題の解釈。
与えられた微分方程式より、

𝑘 𝑘
𝜉 = 𝑐1 cos √ 𝑡 + 𝑐2 sin √ 𝑡
𝑚 𝑚
𝑚
条件より、𝑐1 = 0, 𝑐2 = √ 𝑣0 であるから、
𝑘

𝑚 𝑘
𝜉 = 𝑣0 √ sin √ 𝑡
𝑘 𝑚

この解から、ほかに外力が加わらなければ、振動を続けるということが言える。この時、

1 𝑘 𝑚
振動数は2𝜋 √𝑚, 振幅は𝑣0 √ 𝑘 となる。

2-8:微分方程式の一般解の求め方に対する疑問に対する応答。
𝑦(𝑥) = 𝑐1 𝑦1 + 𝑐2 𝑦2をもとの式に代入すると、
𝑑2 𝑑
(𝑐1 𝑦1 + 𝑐2 𝑦2 ) + 𝑎1 (𝑐 𝑦 + 𝑐2 𝑦2 ) + 𝑎0 (𝑐1 𝑦1 + 𝑐2 𝑦2 )
𝑑𝑥 2 𝑑𝑥 1 1
𝑑 2 𝑦1 𝑑𝑦1 𝑑 2 𝑦2 𝑑𝑦2
= 𝑐1 ( 2 + 𝑎1 + 𝑎0 𝑦1 ) + 𝑐2 ( 2 + 𝑎1 + 𝑎0 𝑦2 )
𝑑𝑥 𝑑𝑥 𝑑𝑥 𝑑𝑥

= 0 (∵ 𝑦1 , 𝑦2 は方程式の解. )

2-9:箱の中の粒子のエネルギーの計算。
8𝜋2 𝑚𝐸 8𝜋2 𝑚𝐸
与式より、𝜓 = 𝐴 sin (√ 𝑥 + 𝜙)。条件より𝐴 sin 𝜙 = 0, 𝐴 sin (√ 𝑎 + 𝜙) = 0, 𝐴 ≠ 0。
ℎ2 ℎ2

8𝜋2 𝑚𝐸 𝑛2 ℎ2
すなわち、𝜙 = 𝑘𝜋 ∴ √ 𝑎 = 𝑛𝜋 (𝑘, 𝑛は整数)。したがって、𝐸 = 。
ℎ2 8𝑚𝑎2

2-10:調和振動に関する問題。
𝑛次の調和振動ということは、弦の長さを𝐿としたとき、その運動を表す式は、
𝑛𝜋𝑣𝑡 𝑛𝜋𝑣𝑡 𝑛𝜋𝑥 𝑛𝜋𝑣𝑡 𝑛𝜋𝑣𝑡
𝑢(𝑥, 𝑡) = (𝐴 cos + 𝐵 sin ) sin であるから、𝐴 cos + 𝐵 sin = 𝐶と置くと、
𝐿 𝐿 𝐿 𝐿 𝐿

𝑛𝜋𝑥
𝑢 = 𝐶 sin
𝐿

𝐿 2𝐿 (𝑛−1)𝐿
となり、節は𝑥 = , , ∙∙∙, の𝑛 − 1であることが分かる。
𝑛 𝑛 𝑛

2-11:古典的な波の式の確認。
𝑦(𝑥 + 𝜆, 𝑡) = 𝑦(𝑥, 𝑡)より、波長は𝜆。
𝑦(𝑥 + 𝑣𝑡 ′ , 𝑡 + 𝑡 ′ ) = 𝑦(𝑥, 𝑡)より、速度は𝑣
振動数は、一秒間に進む長さにどれだけの波長がはいるのかを表した値であるから、𝜈 =
𝑣
𝜆

2-12:平面波の問題。
略。それぞれの方向の節の数を気にしながら書くこと。変数のどちらかを固定して書いてい
くのがよいだろう。解は教科書通りである。
2-13:二次元の箱の中の粒子。
𝜓(𝑥, 𝑦) = 𝜙(𝑥)𝜑(𝑦)と変数分離を行うと、シュレディンガー方程式は、
𝜕 2 𝜙(𝑥) 𝜕 2 𝜑(𝑦) 8𝜋𝑚𝐸
𝜑(𝑦) 2
+ 𝜙(𝑥) 2
+ ( 2 ) 𝜙(𝑥)𝜑(𝑦) = 0
𝜕𝑥 𝜕𝑦 ℎ
即ち、
1 𝜕 2 𝜙(𝑥) 1 𝜕 2 𝜑(𝑦) 8𝜋𝑚𝐸
+ + =0
𝜙(𝑥) 𝜕𝑥 2 𝜑(𝑦) 𝜕𝑦 2 ℎ2
第一項と第二項は独立の変数であるにも関わらず、全体で一定の値をとっているから、第
一項、第二項は分離定数𝐾を用いて次の様になる。
1 𝜕 2 𝜙(𝑥)
= −𝐾
𝜙(𝑥) 𝜕𝑥 2
1 𝜕 2 𝜑(𝑦) 8𝜋 2 𝑚𝐸
= 𝐾 −
𝜑(𝑦) 𝜕𝑦 2 ℎ2
以上の式を計算すると、
𝜙(𝑥) = 𝐴 sin(√𝐾𝑥 + 𝐵)

8𝜋 2 𝑚𝐸
𝜑(𝑦) = 𝐶 sin (√ − 𝐾 𝑦 + 𝐷)
ℎ2

即ち、

8𝜋 2 𝑚𝐸
𝜓(𝑥, 𝑦) = 𝜙(𝑥)𝜑(𝑦) = 𝐴𝐶 sin(√𝐾𝑥 + 𝐵) sin (√ − 𝐾 𝑦 + 𝐷)
ℎ2

境界条件より、

𝜋 2 𝑛𝑥2 8𝜋 2 𝑚𝐸 𝜋 2 𝑛𝑦2
𝐵 = 𝜋𝑘, 𝐾 = , 𝐷 = 𝜋𝑙, − 𝐾 =
𝑎2 ℎ2 𝑏2
以上から、
8𝜋 2 𝑚𝐸 𝜋 2 𝑛𝑥2 𝜋 2 𝑛𝑦2 ℎ2 𝑛𝑥2 ℎ2 𝑛𝑦2
= + ∴ 𝐸 = +
ℎ2 𝑎2 𝑏2 8𝑚𝑎 2 8𝑚𝑎 2
2-14:三次元の箱。
𝜓(𝑥, 𝑦, 𝑧) = 𝑋(𝑥)𝑌(𝑦)𝑍(𝑧)と置くと、シュレディンガー方程式は、
1 𝜕 2 𝑋(𝑥) 1 𝜕 2 𝑌(𝑦) 1 𝜕 2 𝑍(𝑧) 8𝜋 2 𝑚𝐸
2
+ 2
+ + =0
𝑋(𝑥) 𝜕𝑥 𝑌(𝑦) 𝜕𝑦 𝑍(𝑧) 𝜕𝑧 2 ℎ2
変数分離定数 S,T を用いて、
1 𝜕 2 𝑋(𝑥)
= −𝑆
𝑋(𝑥) 𝜕𝑥 2
1 𝜕 2 𝑌(𝑦)
= −𝑇
𝑌(𝑦) 𝜕𝑦 2

1 𝜕 2 𝑍(𝑧) 8𝜋 2 𝑚𝐸
= − +𝑆+𝑇
𝑍(𝑧) 𝜕𝑧 2 ℎ2

8𝜋 2 𝑚𝐸
𝜓 = 𝐴 sin(√𝑆𝑥 + 𝐵) sin(√𝑇𝑦 + 𝐶) sin (√ − 𝑆 − 𝑇 𝑧 + 𝐷)
ℎ2

境界条件より、

𝑛𝑥2 ℎ2 𝑛𝑦2 ℎ2 𝑛𝑧2 ℎ2


𝐸= + +
8𝑚𝑎 2 8𝑚𝑏 2 8𝑚𝑐 2
2-15:ただの式の変形。
𝐺𝑛𝑚 cos(𝜔𝑛𝑚 𝑡 + 𝜙𝑛𝑚 ) = 𝐺𝑛𝑚 cos 𝜙𝑛𝑚 cos 𝜔𝑛𝑚 𝑡 + 𝐺𝑛𝑚 sin 𝜙𝑛𝑚 sin 𝜔𝑛𝑚 𝑡
𝐺𝑛𝑚 cos 𝜙𝑛𝑚 = 𝐸𝑛𝑚 , 𝐺𝑛𝑚 sin 𝜙𝑛𝑚 = 𝐹𝑛𝑚 と置くと、式の一致がわかる。

2-16:落下運動に関する問題。
𝑑2 𝑥
𝑚 = 𝑚𝑔
𝑑𝑡 2
より、
𝑑2 𝑥
=𝑔
𝑑𝑡 2
𝑑𝑥
= 𝑔𝑡 + 𝑣0 (∵ 𝑡 = 0 のとき𝑣 = 𝑣0 )
𝑑𝑡

1 2
𝑥= 𝑔𝑡 + 𝑣0 𝑡 + 𝑥0 (∵ 𝑡 = 0 のとき𝑥 = 𝑥0 )
2
1
この時、𝑣0 = 0, 𝑥0 = 0のとき、𝑥 = 2 𝑔𝑡 2 であり、自由落下の結果と同じとなる。
(b)のとき、同様に計算すると、
1
𝑥 = − 𝑔𝑡 2 − 𝑣0 𝑡 + 𝑥0
2
この時、式を変形すると、
1
𝑥0 − 𝑥 = 𝑔𝑡 2 + 𝑣0 𝑡
2
となり、確かに(a)と同一の式であることが分かる。

2-17:鉛直投げ上げに関する問題。
運動方程式を解くと、
1
𝑥 = − 𝑔𝑡 2 + 𝑣0 𝑡
2
となる。
𝑣0 𝑣2
すなわち、𝑡 = の時、𝑥は最大値 0 となる。また、𝑥 = 0となる、𝑡 = 0でないタイムは𝑡 =
𝑔 2𝑔

𝑣0
である。
𝑔

2-18:振り子に関する問題。
下に𝑚𝑔の力が働いており、その角度は、糸と𝜃だけ角度がついている。すなわち、力は
−𝑚𝑔 sin 𝜃となる。また、運動量の変化の速度は力であるから、
𝑑2 𝜃
𝑚𝑙 = −𝑚𝑔 sin 𝜃
𝑑𝑡 2
𝜃が十分小さいとき、sin 𝜃 ≅ 𝜃であるから、
𝑑2 𝜃
𝑚𝑙 = −𝑚𝑔𝜃
𝑑𝑡 2
𝑔
𝜃 = 𝐴 sin ( √ 𝑡 + 𝜙)
𝑙

1 𝑔
となり、確かに調和単振動子の運動と同じであることが分かる。固有振動数は、 √ 𝑙 とな
2𝜋

る。

2-19:粘性物質内の振り子に関する問題。
2-18 の問題より、粘性がない場合、
𝑑2 𝜃
𝑚𝑙 = −𝑚𝑔 sin 𝜃
𝑑𝑡 2
であり、それにプラスして粘性力を加えると、
𝑑2 𝜃 𝑑𝜃
𝑚𝑙 2
= −𝑚𝑔 sin 𝜃 − 𝜆𝑙
𝑑𝑡 𝑑𝑡
これを、全て左辺に移し、sin 𝜃 ≅ 𝜃を用いると、
𝑑2 𝜃 𝑑𝜃
𝑚𝑙 2
+ 𝜆𝑙 + 𝑚𝑔𝜃 = 0
𝑑𝑡 𝑑𝑡
となる。
𝑑
𝑑𝑡
= 𝐷と置くと、
𝜆 𝑔𝜃
𝑚𝑙 (𝐷2 𝜃 + 𝐷𝜃 + ) = 0
𝑚 𝑙

𝜆 𝜆2 𝑔 𝜆 𝜆2 𝑔
(𝐷 − + √ 2 − ) (𝐷 − − √ 2 − )𝜃 = 0
2𝑚 4𝑚 𝑙 2𝑚 4𝑚 𝑙

4𝑚 2 𝑔
𝜆2 > 𝑙
の時、ルート内が正となる。すなわち、それでは、調和振動にならない。

𝑒 𝑖𝑥 −𝑒 −𝑖𝑥
(sin 𝑥 = であるから、虚数でなくてはならない。しかしながら、条件の時、そうはな
2𝑖

らない)
実際力学的には、十分に粘性があるなら、動けず途中で止まるというのが感覚的に正しい
ので、納得可能である解といえよう。

2-20:並列連結型振り子運動の問題。
2-18 より、振り子運動の運動方程式は、
𝑑2 𝜃
𝑚𝑙 = −𝑚𝑔𝜃
𝑑𝑡 2
𝑠
𝜃 = 𝑙 より、
𝑑2 𝑠 𝑚𝑔
𝑚 2
=− 𝑠
𝑑𝑡 𝑙
𝑔
したがって、𝜔02 = と置くと、
𝑙

𝑑2 𝑠
𝑚 = −𝑚𝜔02 𝑠
𝑑𝑡 2
また、ばねは広がった分がいくらかであるかであるから、十分に角度のずれが小さいことを
考慮するとその運動方程式は、
𝑑2 𝑥
𝑚 = −𝑚𝜔02 𝑥 − 𝑘(𝑥 − 𝑦)
𝑑𝑡 2

𝑑2 𝑦
𝑚 = −𝑚𝜔02 𝑦 − 𝑘(𝑦 − 𝑥)
𝑑𝑡 2
となる。
これに、
𝑥(𝑡) = 𝐴𝑒 𝑖𝜔𝑡 , 𝑦(𝑡) = 𝐵𝑒 𝑖𝜔𝑡
を代入すると、
𝑘 𝑘
−𝐴𝑚𝜔2 = −𝐴𝑚𝜔02 − 𝐴𝑘 + 𝐵𝑘 ∴ (𝜔2 − 𝜔02 − )𝐴 = − 𝐵
𝑚 𝑚
𝑘 𝑘
−𝐵𝑚𝜔2 = −𝐵𝑚𝜔02 − 𝐵𝑘 + 𝐴𝑘 ∴ (𝜔2 − 𝜔02 − )𝐵 = − 𝐴
𝑚 𝑚
したがって、この時作られる係数の行列式は、
𝑘 𝑘
𝜔2 − 𝜔02 − 𝑘 2 𝑘 2
| 𝑚 𝑚 2 2
| = (𝜔 − 𝜔0 − ) − ( )
𝑘 𝑘 𝑚 𝑚
𝜔2 − 𝜔02 −
𝑚 𝑚
意味を持つ解をもつとき、この値が 0 でなくてはならないから、

𝑘 2 𝑘 2
(𝜔2 − 𝜔02 − ) =( )
𝑚 𝑚
これを、式変形すると
2𝑘
(𝜔2 − 𝜔02 ) (𝜔2 − 𝜔02 − )=0
𝑚
したがって、
2𝑘
𝜔2 = 𝜔02 , 𝜔02 +
𝑚
となる。
それぞれ代入してみると、左は、𝐴 = 𝐵となっており、同じように揺れている運動となる。
右は、𝐴 = −𝐵となっており、伸縮運動を行っている。

2-21:2-20 の相対座標変換。
与式の和、差は、
𝑑 2 (𝑥 + 𝑦) 2 (𝑥
𝑑2 𝜂
𝑚 = −𝑚𝜔 0 + 𝑦) ∴ 𝑚 = −𝑚𝜔02 𝜂
𝑑𝑡 2 𝑑𝑡 2
𝑑 2 (𝑥 − 𝑦) 2(
𝑑2 𝜉
𝑚 = −𝑚𝜔 0 𝑥 − 𝑦 ) − 2𝑘 (𝑥 − 𝑦 ) ∴ 𝑚 = −𝑚𝜔02 𝜉 − 2𝑘𝜉
𝑑𝑡 2 𝑑𝑡 2
となり、それぞれ、独立な方程式として解けるようになる。
これを解くと、
𝜂 = 𝐴′ sin(𝜔0 𝑡 + 𝜙)

2𝑘
𝜉 = 𝐵′ sin (√𝜔02 + 𝑡 + 𝜑)
𝑚

となっており、確かに、2-20 で求めたもの角速度が一致するといえる。
追加の挑戦問題:
1.ロジスティック方程式について考える。これは、生物の増殖の時に等に用いられる近似
的な個体数の増減を指し示すものである。𝑁を個体数、𝑡を時間、𝛾は内的自然増加率、𝐾を
環境定数とすると、基本となるロジスティック方程式は以下のように書ける。
𝑑𝑁 𝑁
= 𝛾𝑁 (1 − )
𝑑𝑡 𝐾
𝛾, 𝐾が時間によらず一定だと仮定したとき、個体数は時間によってどのように変化するか
計算をする。まずは、𝑁の逆数の時間変化における微分方程式を計算すると、
𝑑 1 1 1
( )= 𝛾( − )
𝑑𝑡 𝑁 𝐾 𝑁
1
となることを確認せよ。これを を一つの変数とみることによってこの方程式を解け。但し、
𝑁
𝑡 = 0のとき、𝑁 = 𝑁0 とする。また、𝑡 → ∞のときの個体数を求めよ。
2.wolfram alpha に微分方程式を自由に打ち込んでみよ。初等的な数式であれば、解は出て
くるが、比較的に解析的に良く知られた簡単な関数(sin 𝑥や𝑒 𝑥 等)を使った式であっても解
が出てこないことがある。微分方程式を解くときに用いている方法が積分であることがそ
の大きな要因となっているが、それはなぜなのか調べてみよ。
3.SIR モデルについて調べよ。2020 年 2 月に流行し始めた新型コロナウイルスに関してこ
れを用いて、どの程度の割合で感受性保持者が免疫保持者に移行するのかを計算してみよ。
政府から出ているデータは潜伏期間後かつ検査後で陽性と診断された後であることに注意
して考えてみること。

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