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An Evaluation of Fracture Toughness of Graphites for High

Temperature Gas-Cooled Reactors by the ISRM Core Testing
Method used jointly with AE Method

Article · January 1989

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1 author:

Shintaro Ishiyama
Hirosaki University
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論 文

AE法 を併 用 したlSRMコ ア試 験 法 に よ る
高 温 ガ ス炉 用 黒 鉛 の破 壊 靱 性 の 評 価

奥 達 雄*・ 石 山 新 太 郎*・ 高 橋 秀 明*・ 深 沢 孝 幸*・ 橋 田 俊 之*

(平成 元 年2月21日 受 理)

An Evaluation of Fracture Toughness of Graphites

for High Temperature Gas-CooledReactors by the
ISRM Core Testing Method used jointly with AE Method

Tatsuo Oku*, Shintaro Ishiyama*, Hideaki Takahashi**,

Takayuki Fukazawa**, and Toshiyuki Hashida**

*Tokai Establishment , Japan Atomic Energy Research Institute,

Tokai-mura, Naka-gun, Ibaraki-ken 319-11, Japan
**Research Institute for Strength and Francture of
Materials, Faculty of Engineering,
Tohoku University,
Aramaki Aza-Aoba, Aoba-ku, Sendai-shi,
Miyagi-ken980, Japan

The fracture toughness test together with the acoustic emission method (AE) was

conducted on a fine-grained isotropic graphite (IG-11) and a coarse-grained near isotropic

graphite (PGX) for the core components of High Temperature Gas-Cooled Reactors.
Three different kinds of specimens were used: a cylindrical three point bending
, a short
rod and a round compact tension specimens.

These cylindrical specimens were proposed as the standard fracture toughness test

method at the International Society for Rock Mechanics (ISRM).

We have used the J-integral as a parameter of the fracture mechanics, taking into

consideration non-linearity of deformation observed in the graphites used here. The

J-integral value (JiAE) which was evaluated by AE method was constant independent

of specimen shapes. On the basis of the results, the fracture toughness values Kic of

the graphites were evaluated: 1.04 MPa•ãm for IG-11 and 0.77 MPa•ãm for PGX . In

addition, the effect of specimen size on the JiAE values was examined.

KEYWORDS: Fracture toughness, Acoustic emission

, Nuclear graphite, High Temperature

Gas-Cooled Reactor

1.  は じ め に
*日 本 原 子 力 研 究 所 東 海 研 究所:〒319-11茨 城県那珂

郡東海村 高 温 ガ ス炉 用 の炉 心 黒 鉛 材料 は製 造 段 階 に お いて 不 可
**東 北 大 学 工 学 部 材 料 強 度 研 究 施設:〒980宮 城 県仙 避 的 に 生 じる微 小 き裂 を 含 ん で い る。 と りわ け 構 造 物 の
台市 青 葉 区荒 巻 字 青 葉 応 力集 中部 で は,熱 応 力 や 機械 的応 力 に よ る局 所 的 な破

―175―
 論 文 炭 素

壊 の可 能 性 が 指 摘 さ れて い る1)。高 温 ガス炉 の 長 期 間 に
わ た る構 造 健 全 性 を 評価 す る ため には,ま ず,黒 鉛 材料
の破 壊 靱 性 値 を知 る 必要 が あ り,そ の 評 価 法 に 関 す る研

究が 急 務 とな って い る。 と こ ろが,黒 鉛 材 料 に 関 す る標
準 破壊 靱 性試 験 法 は これ ま で 多 くの研 究2)-11)に よ り 検
討 が 行 わ れ て い る に もか か わ らず,ま だ 確 立 さ れて い な
い の が 現 状 で あ る。ASTM標 準 破 壊 靱性試験片を用い
た 研 究12)に お い て は,弾 塑 性 破 壊 力 学,J積 分 に基 づ

く破 壊 靱 性 値 が 評 価 され て お り,試 験 片 の寸 法 効 果 及 び
試験 片 の 切 り欠 き先 端 曲率 半 径 の 影響 等 が検 討 さ れて い
る。 Fig. 1 Specimen Geometries used.
一方
,類 似 の 破 壊 挙 動 を 呈 す る岩 石 材 料 に お いて は
ISRM学 会(International Society for Rock Mecha- の開 口変 位 δM及 びSRS,DCT試 験 片 の 荷 重 線 変位 δF

nics)に て,標 準 破 壊 靱 性 試 験 法 と して 円 柱 状 の試 験 片 は ク リップゲ ージに て,ま たBS試 験 片 の 荷 重 線 変 位 δF

が 提案 さ れて い る13)。さ らに直 線 状 切 り欠 きを 有 す る 試 は差 動 変 圧 器 型 変 位計(LVDT)に て 測 定 した 。 各 種 形

験 片(本 論 文 と 同 一 のBS,SRS,DCT試 験 片)を 用 い, 状 と も2本 ず つ 試 験 を 行 った。 こ こ で,2つ の材料 とも

AE法 を併 用 した破 壊 靱性 試 験 法 に よ り,試 験 片 形状 効 荷 重 一変 位 曲 線 は 再 現 性 が よ く,き 裂 の進 展 とAEと の
果 及 び 寸法 効 果 の な い有 効 な破 壊 靱 性 値 が 得 られ る こ と 対 応 につ いて は,2本 で よ い と判 断 した。 しか し,破 壊
が確 認 さ れ て い る14)。 靱 性 値 の絶 対 値 に つ い て は ば らつ きを考 慮 した 統 計 的 評
本研 究 で は,直 線 状 切 り欠 き を有 す る円 柱 状 試 験 片 に 価 が 必 要 で あ る と考 え られ る。 破 壊 靱 性 試 験 と 同時 に,
つ い てAE法 を 併 用 し た 破 壊 靱 性 試 験 を 実 施 し,主 と 高 帯 域AEセ ンサ(PAC社 製UT1000)を 試 験 片 に取 り
して そ の形 状 依 存 性 に つ い て検 討 した の で,そ の 結 果 を 付 け,Fig.2に 示 す 計 測 系 を 用 い,総 合 利 得80dBで,

報 告 す る。 5-500kHzの 周 波 数 範 囲 に お い てAE計 測 を 行 っ た。
AEセ ンサ の取 り付 け 位 置(● 印)をFig.1に 示す。
2.  実 験 方 法

本研 究 に供 した 黒 鉛 材料 は,微 粒 等 方 性 黒 鉛IG-11と
準 等方 性 黒鉛PGXで あ る。 試 験 片 形 状 はFig.1に 示す
直 線状 切 り欠 き を 有 す る 円柱 状 試 験 片 で あ り,3種 の形
状に
対し
てBS(Bendspecimen),SRS(Short Rod

Specimen),DCT(Disk Compact Tension Speci-

men)と 呼ぶ こ と に す る。ISRM標 準破壊靱性試験片で
は,現 在,シ ェ ブ ロ ン切 り欠 き 円柱 試 験 片 が 採 用 され て
い る。 本 研 究 で は,直 線状 切 り欠 き付 き試 験 片 にAE法 Fig. 2 Block diagram of AE measuring system.

を適 用す る こ と に よ り有 効 な破 壊 靱 性 値 が 得 られ る とい
う これ ま で の知 見14)-16)を基 に し,Fig.1の 形 状 を選 択 従 来,材 料 の 破壊 過 程 と そ の際 発 生 す るAE信 号のエ
した。 す べ て の 試 験 片 の コ ア直 径 は50.6mmで あ る。初 ネ ル ギ ー値 とは密 接 な 関係 に あ る こ と が 示 され て い る
17)-20)
期相 対 き裂 長 さ(ao/w)は,BS,SRS,DCT試 験片に 。AEエ ネ ル ギ ー値 と負 荷 過 程 との 対 応 関 係 を 調

対 して そ れ ぞ れ0.45,0.65,0.53で あ り,DCT試 験片の べ るた め,AEエ ネルギ ー算 出 法 と して通 常,下 記 の(I),

板 厚 はB=18.8mmと した。 切 り欠 き先 端 の 曲 率 半径 は (II)の 方 法 が あ る21)。す な わ ち,Fig.3に 模 式 的 に示 し

カ ミソ リ刃 に よ り0.1mm以 下 と な る よ うに 加 工 した 。 たAE波 形 に 対 して,

この先 端 半 径 は本 材 料 に お いて は,材 料 特 性 と して の 破 (I) 最 大 振 幅電 圧 の2乗 値 を 用 い て定 義 され る

壊 靱 性値 とみ な し得 る上 限 の切 り欠 き先 端 曲 率 半 径 の値
EAE=k1VoP2
(0.25mm)以 下 で あ12)。
実 験 は,イ ン ス トロ ン型 万 能 引 張 り試 験機 を 用 い,変 (II) 積 分 回 路 に よ り評 価 さ れ る波 形 の積 分 値 を用 いて
位 速 度0.1mm/minの 変 位 制 御 下 で 行 った 。BS試 験片 定 義 され る,

―176―
1989 (No.139) AE法 を 併 用 したISRMコ ア試 験 法 による高 温 ガス炉 用 黒 鉛 の 破 壊 靭 性 の 評 価

(1) DCT試 験 片23):

の2つ で あ る。 こ こで,k1,k2は エ ネ ル ギ変 換 の た め
(6)
の係 数 で あ る。(I)は(II)に 比 べ て 簡 便 で あ るが,AE

波 形(Fig.3)に よ って は(II)の 方 が よ り正 し く事 象 の
エ ネ ル ギ ーを 表 して い る と考 え られ る。 こ こで は,両 者
(7)
に つ い て 検討 した が,(I)に つ い て は 明 確 な結 果 が 得 ら
こ こにBは 板 厚 で あ り,g(β)は 無 次 元 コ ンプ ライ ア ン
れ な か った ので,主 と して(II)の 定義 を 用 いて 整 理 した
スで あ る。
結 果 を 述 べ る。
SRS,DCT試 験 片 に お い て は,負 荷 形 態 が 引 き裂 き

形 状 で あ るの で,式(3)の[]内 の第2項(補 正 項)の 値

は小 さ く,無 視 し うる24)。

3.  結 果 お よ び 考 察

3.1  変 形 挙 動 とAE挙 動
IG-11,PGX材 の そ れ ぞ れ の 代 表 的 な 荷 重 一変 位 曲

線 をFig.4とFig.5に 示 す 。 同 図 に は,負 荷 に対 応 さ
せ てAE信 号 の エ ネ ル ギ ー値EAE(V2o -p):定 義(I)の
変 化 を示 して あ るが,IG-11,PGX材 と もに最大荷重
Fig. 3 Schematic illustration of AE waveform . の ほぼ50%以 上 の点 か らAE信 号 が 計 測 され 始 め ,負 荷
と と も に増大 し,最 大 荷 重 近 傍 で 急 増 す る。Table 1に

PGX材 の一 部 の 試 験 に お い て は,検 出感 度 が0.2mm は 負 荷 開 始 時 か ら最 大 荷 重 点 まで に検 出 され た0 .2V以

の ク ラ ックゲ ー ジに よ る巨 視 き裂 進 展 量 の 測 定 も行 った 。 上 のAE信 号 の 総 イ ベ ン ト数 を 示 す 。 す べ て の試 験 片

3種 の形 状 の それ ぞ れ の 破壊 靱 性値 の評 価 に 用 い た コ 形 状 に つ いて,PGX材 の 総AEイ ベ ン ト数 はIG-11材

ンプ ライ ア ンス ・キ ャ リ ブ レ ー シ ョ ンな らびにJ積 分 の の もの に対 し,約2∼3倍 程 度 で あ る。 ま た,変 形 の 非

算 出 につ いて 以 下 に 示 す 。J積 分 の 算 出 は,BS・DCT 線 形 性 は き裂 先 端 近 傍 の 微 視 割 れ形 成 に起 因 す る もの と

試 験 片 の場 合 文 献13),22)に 従 い,SRS試 験 片 の場合 考 え られ,変 形 途 中 か らのAE特 性 は この 微 視 割 れ 形 成

の度 合 に対 応 して い る とみ る ことが で きよ う。
文 献14)に 従 った 。

BS試 験 片:

(2)
(3)

こ こで,g(α)は 無 次 元 コ ンプ ライ ア ンス,α=a/D,
vは ポ ア ソ ン比,Aは 荷 重 一荷 重 線 変 位(F-δF)曲 線
の 下 の 面 積,E'(=E/(1-v2))は 有 効 縦 弾 性 係 数,Bは
き裂 縁 幅,Eは 縦 弾 性 係 数,ηBSは 補 正 係 数 で あ る。 式

(3)の右 辺[]内 の 第2項 は,き 裂 の な い 平 滑 試 験 片 に

蓄 え られ る ひず み エネ ル ギ ー に 関係 した項 で あ る。
SRS試 験 片:

(4) Fig. 4 Load-load line displacement curve of

(5) SRS specimen and AE energy.

こ こ に β=a/W,で あ り,ηSRSは 補 正 係 数 で あ る。

―177―
 論 文 炭 素

振 幅 のAE信 号 の発 生 点 で あ る ことか ら,こ の 点 を 巨 視

き裂 の発 生 に対 応 す る点 で あ る と 考え た 。 す なわ ち,そ
の折 れ 曲が り点 を も って 巨視 き裂 初 生 と定 義 す る こ とに

す る。 な お,こ の 折 れ 曲 が り点 のJ積 分 値 をJiAEと す

Fig. 5 Load-load line displacement curve of

DCT specimen and AE energy.

Table 1 The number of AE events up to the

muximum load.

Fig. 6 Relationship between accumulated AE

energy based on the integrated voltage
over its duration time, f V(t)2 dt, and
J-integral for IG-11 graphite.

3.2  AE法 に よ る破 壊 靱 性 評 価
2種 の 材 料 に お いて,(II)の 定 義 に よ るAEエ ネル ギ

EAE(AE信 号 の 波 形 積 分 和)とJ積 分 と の関 係 をFig.6

とFig.7に 示 す 。 最 大 振 幅 電 圧 に基 づ く整 理 で は,あ
るJ積 分 値 を 境 に してAEが 急増 す る もの も見 られ るが,
中 には 明 瞭 に 識別 で き ない もの もあ った。 これ に対 して,
Fig.6とFig.7に 示 す よ うに,波 形 積 分 和 に基 づ く整 理
で は,AEの 急 増 点 が 明確 に観 察 され た。 これ は,黒 鉛
材料 に お け るAE信 号 の継 続 時 間が,き わ め て 短 い た め,
(I)の 方 法 に よ る エ ネ ル ギ ー値 が 実 際 よ り過 大 評 価 さ れ Fig. 7 Relationship between accumulated AE
た か らで あ る と考 え られ る。 そ こで,こ こで はFig.6と energy based on the integrated voltage
Fig.7に 示 す よ うに,(II)の 方 法 に よ り従 来 知 られ て い
over its duration time, f V (t)2 dt, and
る よ うな2直 線 近 似 を し15),16)。こ のAEの 急 増 点 が大 J-integral for PGX graphite.

―178―
1989(No.139) AE法 を併 用 したISRMコ ア試 験 法 による高 温 ガス炉 用黒 鉛 の破 壊 靭 性 の評 価

る。 ま た,こ のJiAE値 の 寸 法 効 果 を 検 討 す る た め, 巨視 き裂 進 展量 △aを 荷 重-変 位 曲 線 上 に示 した 。 ク ラ

PGX材 の2イ ンチ 厚 さの コ ンパ ク トテ ン シ ョ ン試 験 片 ッ クゲ ー ジ法 に よ り評 価 した き裂 初 生 時 のJ積 分値 は
(2TCT)に 関 す る実 験 結 果 を波 形積 分和 に よ って 整 理 90.6J/m2で あ り,Table 2のJiAE値 と 比 べ る と,約10
した もの をFig.8に 示 す。 こ の 図 をFig.7と 比較す る %小 さ い が,ヤ ング率EとJiEPか ら(8)式 を 用 い て求 め
と,2TCTに よ る折 れ 曲 が り点 か ら得 られ るJiAE値(2 たKIEP値 で比 較 す る と ほぼ 等 しい こ とが 分 か る。 この
個)はFig.7の3個 の 値 を含 む形 とな り,明 瞭 な 寸 法 こ とは,き 裂 初 生 検 出法 と してAE法 も十 分 使 え る こ と

効 果 は 見 られ なか った。 この こ とか ら直 ち に寸 法 効 果 は を示 して い る。
な い とは 結論 で き ない か も知 れ な いが,少 な くと も寸 法
に大 き く依 存 して い な い とみ て よ いで あ ろ う。 Table 2 Summary of the fracture toughness
tests of graphite.

*文 献12)に よ る。

Fig. 8 Relationship between accumulated AE

energy based on the integrated voltage
over its duration time, f V(t)2 dt, and
J-integral for 2TCT specimen of PGX
graphite.

す べ て の 破 壊 靱 性 試 験 に お け るJiAE値 をTable2に
ま と めて 示 す 。 参 考 の た め に,最 大 荷 重 時 のJ積 分値
Fig. 9 Load-load line displacement curve and
(Jmax)を 併 記 して あ る。 なお,BS試 験 片 の 式(3)の 補
crack extension amount A a measured
正 項 に対 応 す るJ積 分 値 はIG-11材 で約40J/m2,PGX by crack gage.
材 で 約30J/m2で あ り,補 正 の 必 要 が あ る ことが 分か る。
この よ う に,JiAE値 はPGX材 の2TCTの 結 果 も参 考 ま た,有 効 縦 弾 性 係 数E'は,破 壊 靱 性 試 験 で測 定 さ
にす る と試 験 片形 状 並 び に 寸 法 に 依存 しな い材 料 固 有 の れ る初 期 接 線 コ ンプ ライ ア ン スを 用 い,式(2),(4),(6)よ
値 と結 論 して よ い。IG-11黒 鉛 に つ い て,JiAEの 平均値 り求 め る こ とが で きる。Table3に 示 した よ うに,こ れ
は,電 位 差 法 か ら得 られ て い る き裂進 展 開始 時 のJ積 分 よ り評 価E'(BS,SRS,DCTで 求 め たE'の 平均
値,JiEP=85J/m212)よ り大 きい 値 とな って い る。その 値)は 破 断面 が 同方 向 と な る よ うに 作 成 した丸 棒 の引 張
理 由 と して は,AEの 急 増 開始 点 は電 位 差 の増 加 開 始 点 り試 験 に よ り評 価 さ れ たEと ほぼ 同 じ値 を示 して お り,
よ り,よ り大 きい き裂 また は 多 くの き裂 の生 成 に対 応 し コ ンプ ライ ア ンス法 に よ り黒 鉛 の 縦 弾 性係 数 を 同一 試 験
て い る こ とが 一 因 で は な いか と考 え ら れ る 。Fig.9に 片 に よ り同 時 に評 価 し得 る こ とが 分 か る。 この よ うに,
PGX材 を 対 象 に して,ク ラ ッ クゲ ー ジに よ り検 出 した 破 壊 靱 性 試 験 に よ り,形 状 効 果 お よ び寸 法 効 果 の な い材

―179―
 論 文 炭 素

料 固 有 の 値E',JiAEを 得 る て とが で き る。Table2に は 5) J.E. Brocklehurst, "Chemistry and Physics

線 形 お よ び 非 線 形 弾 性 体 に対 して 成 り立 つ 次 式, of Carbon" edited by P. L. Walker & P. A.
Thrower, Vol.13, p.145 (1977)
(8) 6) F. H. Ho, R.E. Vollman and A.D. Cull,
に よ り算 出 した 破 壊 靱 性 値 を 示 した 。 これ らの値 は電 位 ASTM STP 791, 598 (1982)
差 法 に よ って 得 られ た値(KIEP値)12)と 比 較 的 よ く一 致
7) M. Sakai, K. Urashima and M. Inagaki,
J. Am. Ceram. Soc. 66, 868 (1983)
して い る とい え る。
8) 逆井 基 次, 浦 島和 浩, 稲 垣 道 夫, 材 料32,
1260 (1983)
Table3 Effective Young's modulus E' de
9) 逆 井 基 次, 後 藤 泰 男, 稲 垣 道 夫, 窯 業 協会 誌 94,
termined by the compliance method 163 (1986)
and comparison with uniaxial test 10) 逆 井 基 次, 炭 素1984[No.134]211
results. 11) 小 林 英男, 荒居 善 雄, 中村 春 夫, 荒 木 徹, 奥 達
雄, 材料37, 934(1988)
12) 奥 達 雄, 石 山新 太郎, 衛 藤 基 邦, 後 藤 泰 男, 浦 島
和 浩, 稲 垣 道 夫, 日本 セ ラ ミッ クス 協 会 学 術 論 文 誌
96[7]773(1988)
13) ISRM: Suggested methods for determining
fracture toughness of rock, Int. J. Rock
Mech. Min. Sci. and Geomech. Abstr.,
4.  結 論
Vol.25 (1988), pp.71-96
14) 橋 田 俊 之, 深 沢 孝 幸, 高 橋 秀 明, 第5回 アコーステ
高 温 ガ ス炉 用 微 粒 等方 性 黒 鉛IG-11お よ び準 等 方性
ィ ッ ク ・エ ミ ッ シ ョ ン 総 合 コ ン フ ァ レ ン ス 論 文 集,
黒 鉛PGXの 破 壊 靱 性 を 円柱 状 試 験 片 を用 い,AE法 を
1985, pp.161-166
併 用 して 実 施 した 結果,以 下 の結 論 を得 た。
15) 高 橋 秀 明, 橋 田 俊 之, 玉 川 欣 治, 湯 田 周 二, 鈴木正
1) AEエ ネル ギ(AE信 号 の波 形 積 分 和)とJ積 分
彦, 日本 鉱 業 会 誌100, 17(1984)
値 との 関 係 は折 れ 曲が り点 を もつ2つ の 直 線 で 近 似 す る
16) 橋 田 俊 之, 高 橋 秀 明, 第6回 岩 の 力 学 国 内 シ ンポ ジ
て とが で きた 。 て の折 れ 曲 が り点 を 巨視 き裂 進 展 開始 点
ュ ウム講 演 論 文 集, 13(1984)
と定 義 す る と,そ の 点 にお け るJ積 分 値JiAEは 電 位 ポ 17) T.C. Lindley and McIntyre, "Application of
テ ン シ ャル 法 に よ って 定 義 され るJiEPよ り 若 干 大 きな Acoustic Emission to Crack Detection and
値 とな った 。 しか し,KICの 推 定 値KIAEはKIEPと ほ Measurements", in The Measurement of
ぼ 一致 した。JIAEの 平 均値 はIG-11材 で.14.5J/m2, Crack Length and Shape During Fracture
PGX材 で は97.6J/m2で あ った。 and Fatigue, C.J. Beevers, Ed., Chamerleon
2)  コ ンプ ライ ア ン ス法 を 用 い,破 壊 靱 性 試験 に よ り Press, London, 1980, pp.285-344
得 られ た有 効 縦 弾 性係 数 は,丸 棒 引張 り試 験 片 よ り得 ら 18) M. Suzuki, H. Abe, H. Takahashi, K.
れ た もの と ほ ぼ一 致 した。
Tamakawa and M. Kikuchi, "Acoustic
Emission Characteristics and Fracture
文 献 Toughness of Sandstone", Technology
Reports of Tohoku University 43, 1978,
1) R. Alloway, W. Gorholt, F. Ho, R. Vollman
pp.231-240
and H. Yu, JAERI-M 86-192 (IWGGCR/11),
19) H. Niitsuma, M. Kikuchi, H. Takahashi, M.
p.43-p.57 Suzuki and R. Sato, "AE Classification and
2) C.A. Anderson and E.I. Salkovitz, "Fracture
Micro Pop-in Cracking in Fracture Tough-
Mechanics of Ceramics" edited by R. C,
ness Test", in Proceedings of the Fifth
Bradt, D. P. H. Hasselm an, F. F. Lange,
International Symposium on Acoustic Emis-
Vol.2, p.509 (1973)
sion, Tokyo, NDI Japan, 1980, pp. 411-420
3) F. H. Vitovec, .J. Test Evaluat. 1 (3) 250
(1973) 20) D.O. Harris and R.L. Bell, "The Measure-
4) P. Marshall and E.K. Priddle, Carbon 11, ment and Significance of Energy in Acoustic
541 (1973) Emission Testing", Experimental Mechanics,

―180―
 1989 (No.139) AE法 を 併 用 したISRMコ ア試 験 法 による高 温 ガス炉 用 黒 鉛 の破 壊 靭 性 の 評 価

Vol.17, 1977, pp.347-353 23) J. C. Newman, Jr., Int. J. Fracture 17,

21) 岸 輝雄, 栗 林 一彦, 日本 金 属 学 会 会 報20, 167 567(1981)
(1981) 24) J. R. Rice, et al., "Progress in Flaw Growth
22) G.A. Clarke and J. D. Landes, J. Testing and and Fracture Touness Testing", ASTM STP
Evaluation 7, 264(1979) 536, 231(1973)

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内容 目 次 IＩI 
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I  熱 分 析 で 何 が わ か る か て い るか れ て い る のか
−熱 分 析 の 原 理 -金 属 ,無 機 材 料 へ の 応 用 例 -有 機 ,生 体 材 料 へ の 応 用 例

熱 分 析 と は,熱 分 析 の 発 展 と歴 史,TG, 落 下 法 に よ る 合 金 状 態 図 の 作 製,金 属 の 高 n-ア ル カ ンの 融 解,長 鎖 化 合 物 の多 形 現

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リ メ ト リ ー,熱 伝 導 測 定,熱 膨 張 測 定, 安 定性,形 状 記 憶 合 金 の 変 態点 の決 定,非 晶 サ イズ と分 子 配 向,ポ リス チ レ ンの ガ ラ ス
TMA,動 的 熱 機 械 測 定,発 生 気 体 分 析,エ 質合 金 の構 造 緩 和 と結 晶 化,水 素 吸 蔵 合 金 転 移,エ ン ジニ ア リ ング プ ラ ス チ ック の エ
マ ネ ー シ ョン熱 分 析,昇 温 脱 離法,熱 刺 激 電 の相 転 移 と脱 水 素 化 反 応,鉄 鋼 製 錬 と発 生 ンタル ー緩 和,ポ リオ レフ ィ ンの等 温 結

流(TSC)測 定,熱 ル ミネ セ ンス 測 定(TL) 気 体 分 析,無 機 結 晶 の 吸 着 水 と結 晶水 の 脱 晶 化-ポ リ プ ロ ピ レ ン,ポ リオ レフ ィ ンの

II  ど の よ う に 測 定 す る の か
-基 礎 技 法 と 解 析 法
熱 電 対 の 種 類 と 特 徴,熱 分 析 の 較 正 物 質,
DTA,DSCの はか り方-(試
昇 温 速 度 の 決 め 方,試 料 の 量 と形,測 定 雰
離,無 機 炭 酸 塩 の 熱 分 解 とDTA,金 属有機 等 温 結 晶 化 − ポ リエ チ レ ン,ポ エチ レン
のTLC,有 機 潜 熱 蓄 熱 材 料,重 合熱 の は か
酸 塩 の熱 分 解,無 機 塩 類 のTG-DTA,金 属
カ ル コ ゲ ン化 物 の熱 分 析,層 間 化 合物 の 相 り方,繊 維 の熱 収 縮 とTMA,セ ルロースの
料 容器 の選 び方, 転 移,錯 フ ッ化 物 の高 圧DSC,金 属 酸化 物 の 熱 刺 激 電 流,TGに る リ グニ ンの 熱 分 解,
固相 反 応 の追 跡,無 機 ガ ラ スの 結 晶化,ゾ ル エ ン ジニ ア リン グ プ ラ ス チ ック のDMA,

囲 気 の 影 響,低 温 測定 の注 意 点,高 温 測 定 の ゲ ル法 非 晶質 体 のDTA-TG,高 レベ ル 放 相溶 性 ポ リマ ー ブ レ ン ドの 高 圧DTA,硬 質

注 意 点,液 体 試 料 の は か り方),ベ ースライ 射 性 廃 液 固化 体 の ア クチ ニ ド照 射 とDSC, プラ チ ック の動 的 粘 弾 性,非 相 溶 性 ポ リ
ンの 意 味 と取 り扱 い,ピ ー ク分 離 の 解析,高 ドロ マ イ トのDTA,モ ンモ リロ ナ イ トの熱 マ ー ブ レン ドの動 的 粘 弾 性,複 合 材 の 熱 分

分 子 の 融 点 と結 晶 化 温 度 の 決 め 方,ガ ラ ス 分析,粘 土・非 イオ ン界面 活 性 剤 複 合 体 の熱 析 など

転 移 温 度 の決 め 方,転 移 熱 量の 求 め 方,DSC 分析,炭 素 化 過 程 の 熱 分析,フ ェ ラ イ ト原 料
に よ る比 熱 容 量 の決 め方,DSCに よ る純 度 粉 のDTA-TG,DSCに よ る石膏,石 灰,エ ト
の決 め 方,紫 外 線 照 射DSC,超 高圧力下 の リ ン ガ イ トの 定 量,水 和 塩 系 潜 熱 蓄 熱 材 料
DTA,簡 易 型DTAの 作 製 と学 生 実験 へ の 適 のDSC,溶 融塩 潜熱 蓄 熱 材料 の比 熱容 量,ケ 申 込 先  株 式 会 社 リ ア ラ ズ社
用,DTA,DSC装 置 の保 守,TGの は か り方 イ 酸 塩 鉱 物 のDSC,熱 天秤 によるセラ ミッ 東 京 都 文 京 区 湯 島2-16-13
-(サ ンプ リン グ,雰 囲 気 の 設 定,等 温 測 定, ク ス材 料 の蒸 発 過 程 の測 定,高 圧 ガ ス下 で 斎 藤 ビ ル2F
微分 表 示),TMAの はか り方-(試 料の形 の 熱 分 析,超 高圧 力 下DTAの 測 定 例,AgI 電 話  03-815-8511(代)
状 と検 出 部,測 定 温度,雰 囲 気)な ど の 断 熱 法 に よ る相 転 移 の測 定 な ど FAX  03-815-8529

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