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報告様式 9 整理番号 TK150003

活動番号 043

科学研究実践活動のまとめ

1. タイトル
コンパクト空気望遠鏡の製作

2. 背景・目的
本校科学部では、写真 1 の長焦点レンズを使った太陽観測装置
の製作を進めてきた。これらのレンズを使って望遠鏡を作りたい
と考えた。しかし、空気望遠鏡とは、本来10mと大きくそのま
までは長大になるので、光路を Z 型に折り返すことによって、コ
ンパクト化しようと考えた。
目的としては,
・長焦点レンズを使った望遠鏡はどのような利点があるのか確認 写真 1
する。
・300 年前の天体観測の体験

3. 仮説
・長焦点レンズを使った太陽観測装置の投影像では全く色収差を感じなかったので、この望遠鏡も色収
差はほとんどない。
・全長3m強とコンパクトなので軽量になり、扱いやすい望遠鏡になる。

4.製作方法
(1) 光学系
対物レンズ:口径 100mm・焦点距離 9.5m
材質:ソーダ(青板)ガラス:写真 2
接眼レンズ:焦点距離 23cm 凸レンズ 写真 2

平面鏡:口径 120 ㎜ 材質:ソーダガラス 写真 3


この望遠鏡の倍率は 41 倍である。
(2) 鏡筒 写真 4、5
メインフレーム:30mm 幅 3mm 厚 L アルミアングル
4本対物レンズおよび 2 次平面鏡持プレート
接眼部および 1 次平面鏡支持プレート
中心遮光板:21 ㎜合板
写真 3
中間遮光板:12 ㎜合板
補強アングル:10mm 幅 1 ㎜厚 L アルミアングル
接続ボルト:合板とメインフレームは 30mm 幅 3mm 厚の L
アルミアングルを長さ 30 ㎜に切断して作った L 字金具に
て合板側は 6mm キャップボルト、メインフレーム側は 5mm
ボルトを使って接続している
(3) 接眼部分 写真 6
視野全体が見渡せるよう、見渡せる位置に目が来るように 写真 4
塩ビパイプの筒をつけた。
5. 結果
・レンズの焦点距離に対して 1/3 の長さのコ
ンパクトな空気望遠鏡が完成した。それで
も大きくインパクトがある。写真 7
・架台の高さが不足しているので、仰角 45°
より上に望遠鏡を向けると接眼部が低くな
りすぎて観測ができない。
・写真撮影は難しい。 写真 5 写真 6

・見え味は写真 8 のとおりで、小口径のアクロマート屈折望遠鏡
より明るくシャープな見え味で色収差を全く感じない。
・対物レンズは長焦点なので視野に入れば視力によらず誰でもピ
ントが合う。よって、接眼レンズは調節が不要なため固定でよ
い。

6. 考察
・この空気望遠鏡製作は成功した。
・仮説通り、シングルレンズであるにもかかわらず色収差を全く
感じない。
・長焦点レンズを使うとピントが合う幅が広くなり,視力の差に
よるピント調節が不要となる。 写真 7

7. 今後の課題
・平面鏡が傷だらけなので再研磨したい。
・接眼レンズのカビを落とす。
・高度が高くても観測できるように昇降式架台を製作する。
・この空気望遠鏡を使った一般向けの天体観測会の実施。

8. 参考文献等
・カッシーニの空気望遠鏡の再現 水戸二高地学部
・大人の科学マガジン Vol11

9.成果発表実績
・茨城県高等学校文化連盟自然科学部発表会 地学部門 優秀賞
写真 8
→第 42 回全国高等学校総合文化祭 出展
・高校生の科学研究発表会@茨城大学
・第 20 回日本天文学会ジュニアセッション

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