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現代言語学概論

第 2 章 2.2 研究事例

国語学 特別聴講生

B8LJ1019 KARINA TANJUNG

2.2.1 研究事例 1 数量詞遊離

Miyagawa(1989)
」は数量詞について、関連付けられる主語から離れた位置に現れることができるかど

うかは、述語のタイプが決定していると主張する。非対格動詞は主語が VP 内で基底生成されるため、数

量詞と関連付けることができるが、非能格動詞は主語が VP の「外で基底生成されるため、VP 内の数量

詞と関連付けることができないという説明がされている。

Fukuda & Polinsky(2014)は、数量詞の遊離という現象の容認性がどのような要因によって影響され

るのかを調べる実験を実施し、文の派生過程の複雑さが容認性を下げる効果があること、また限界性だ

けが容認性を決めるものではないことを明らかにしている。遊離数量詞と基本的に同様の振る舞いをす

る「誰か」
「何か」といった Existentials Indeterminate Pronominals (EIPs)を活用している。

実験の結果は、それぞれの対で遊離の有無の効果があった。EIP が遊離してない文で容認性が高く、そ

の効果は動詞のタイプにかかわらず観察された。また、全体的に限定的な事象の文で、非限定的な事象の

文に比べて容認度がやや低かった。

2.2.2 研究事例 2 統語的飽和

Goodall(2011)は、英語やロマンス諸語(フランス語、イタリア語、スペイン語など)で観察される

動詞の倒置現象を扱った論文である。英語とスペイン語における倒置現象が、統一した統語的な規則で

扱われるべきかといった問題を設定した上で、-見類似する現象が実は異なる理由によって制限されて

いるという証拠を、実験的な手法を用いて提示している。統語的飽和という現象を指標とした実験を実

施している。統語的飽和現象というのは、何らかの制約に違反して容認度が通常低い刺激文を繰り返し

被害者に呈示すると、ある特定の刺激文のタイプで最終的に容認度が高くなるという現象である。実験

の結果は、倒置をしていない英語の wh 疑問文が飽和現象を全く示さなかった一方で、スペイン語のそれ

に対応する刺激文は飽和現象を明確に示したとまとめることができる。

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