XEE-1400x

　　

LOx/EA/BA シングルエレメント燃焼試験
実施計画書

　概要
本資料は、北海道赤平市植松電機にて 2015 年 2-3 月に実施する炭化水素燃料シング
ルエレメント燃焼試験の実施計画をまとめたものである．

シングルエレメント
キーワード エタノール
ブタノール

情報の区分 □B 情報
□一般 ■B 情報　 □A 情報 □AA 情報
(関係者限定)

開示制限解除年月 2044 年　3 月

個人情報の種類 □B 個人情報　　　　　　　　　□A 個人情報
(該当する場合のみ)

角 エ 先 推
田 ン 進 進
ジ
宇 ン 技 技
宙 研 術 術
セ 究 研 研
配
　 ン 開 究 究
タ 発 グ 開
付
　 ー グ ル 発
先 （ ル ー
技 セ
術 ー プ ン
安 プ タ
（ ー
全 筑
課 波
） ）
配付
種類 R R R R
部数 1 1 1 1
関連 承認 点検 作成 技術資料番号 改訂符号

平岩 XEE-1400x

． ． ． ． 2014．12．25 エンジン研究開発グループ
 XEE-1400x

改訂記録

符 符号 承認 点検 作成 改訂箇所 改訂内容，理由等
号 承認日
初 2015/02
版 /13

C
 XEE-1400x

1. 概要
本資料は，北海道赤平市植松電機にて宇宙輸送ミッション本部推進系研究開発センタが実施す
る、LOx およびエタノール(EA)、ブタノール（BA)推進薬を使用するシングルエレメント燃焼試験の実
施計画について定めるものである．

2.目的
本実験は、201 １年度に開始した炭化水素推進系研究の一環として、エレメント単体携帯での 燃
焼性能取得を目的とする．可視化はせず三種類の衝突型エレメントの比較を実施する．

3.関連文書等
関連法令を遵守する他，宇宙航空研究開発機構（JAXA）が規定する規定類及び適用文書等を
以下に示す.

3.1. 関連文書
(1) 『安全管理規定』　規定第 16-2 号
(2) 『角田宇宙センター（西地区）高圧ガス危害予防規程』　規定第 15-76 号　
(3) 『危険物危害予防規定』　規定第 15-81 号
(4) 『防火管理規定』　規定第 15-54 号　
(5) 『一般危険作業安全基準』　JERG-0-014　
(6) 『廃棄物処理要領』 安全・信頼性推進部長通達 20 号-2 号

3.2. 適用文書
(1) 『推進薬等を使用した地上試験時の保安距離標準算定基準』 JERG-0-048
(2) 『推進薬等を使用した地上試験時の保安距離標準算定基準の考え方について』　 CSA-
110009
(3) 『角田宇宙センターにおける事故等発生時の緊急連絡ルート』　GUC-05011
(4) 『角田宇宙センターにおける事故等発生時の緊急対応マニュアル』　GUC-05014
(5) 『角田宇宙センター事故・災害等発生時の緊急連絡先』　GUC-05052
(6) 『角田宇宙センター安全ハンドブック』　GUC-09006
(7) 『角田宇宙センター内試験設備の保安距離について』　GUA-12001

4. 試験等の概要
4.1. 試験実施期間
平成２ 7 年(2015 年)3 月 2 日（月）から平成 27 年 3 月 6 日（金）まで
試験時間は就業時間内とする．

4.2. 試験の実施場所
北海道赤平市共和
(株)植松電機
ロケットエンジン燃焼スタンド
4.3. 試験の概要
無冷却の可視化用燃焼器供試体に衝突型シングルエレメントを装着して、LOx/EA(エタノール)お
よび LOx/BA(n-ブタノール）を使用した場合の燃焼安定性、C*性能を比較、調査する．供試体は無
冷却なので燃焼時間は短秒時(6 秒程度）、燃焼圧は 2MPa までの範囲で実施する．

4.4. 供試体
本試験で使用する供試体の概略図を図 1 に示す．スロート径 13.6mm、平行部径 100mm．平行部
は 17mm を基本とする．インジェクタヘッドは OFφ0.5mm の unlike 型のものを使用する．
エンジンの主要緒元を表 1 に示す．
表 1　燃焼試験供試体　主要諸元
項目 仕様 備考
推進剤 LOx・エタノール/ブタノール
スロート径 13.6　mm 面積 145.3mm2
平行部径 100 mm 長さ 210mm
全長 240mm(平行部)+137．7mm(縮流部)+26.3mm(拡大部) 供給配管部除く
燃焼圧力 最大 2MPa
燃焼器冷却 無冷却 ノズル部水冷却
噴射エレメント数 1 本(異種衝突型)
着火器 GOx/GH2 スパーク着火

エレメント噴射口寸法

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1-1 1-2 1-3

A 衝突型燃料噴射口 φ0.7 φ0.99 φ0.55
個数 4 2 4
B 衝突型LOx噴射口 φ1.04 φ1.47 φ1.04
個数 2 1 2
C 衝突位置 5 5 5

燃焼器平行部

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燃焼器ノズルブロック

インジェクタヘッド

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エレメントブロック 1-1(EA 用 FFOOFF）

エレメントブロック 1-2(EA 用 FOF)

エレメントブロック 1-3(BA 用 FFOOFF)

図１　LOx/EA/BA シングルエレメント燃焼試験用供試体

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4.5. 試験設備の概要
4.5.1. 設備
本試験は、植松電機ロケットエンジン燃焼スタンドに、仮設供給系を組み立てて実施する．推薬供給
系統図を図 2 に示す．

図 2　シングルエレメント燃焼試験用供給系　系統図

4.5.2. 使用流体
本試験で使用する流体の使用を表 2 に示す．また，使用する流体については，フィルタ及び流体
受け入れ時の取扱注意等により，流体組成以外の異物が極力混入しないようにする．
表 2　使用流体一覧
流体名 用途 仕様
水 供試体冷却（ノズルブロック）
LOx 試験流体（酸化剤） 純度 95%以上
EA、BA 試験流体（燃料） 純度 95%以上
GH2/GOx 試験流体(点火器) 純度 95%以上
GN2 弁駆動・パージ 純度 99%以上
GHe パージ・燃料、酸化材タンク加圧 純度 99%以上

4.5.3　キャッチトレイ
　本試験では、燃焼後パージ時に未燃燃料が液体のままノズルより噴射される可能性がある．これに
よる火災を防ぐため、ノズル出口下部には水を入れたトレイを用意しておく．

4.6. 試験実施内容
4.6.1. 試験項目
(1) 予備試験
　a.点火器作動試験
　トーチは無冷却なので燃焼温度は 1000K 程度としておきたい．O/F=1 とすると Tc=1260K、この
条件を GOx 側オリフィス φ0.4mm、GH2 側 φ0.9mm としておくと以下の噴射条件となる．

表　トーチ用 GOxGH2 噴射圧想定表

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Torch燃焼条件OF=1
O/F=1, TC=1260.4K Injection side
throat dia Φ4mm mass flow required injectionhole throat Ptotal required
Pc density velocity area GOx GH2 GOx 0.4mm GH2 0.9mm GOx velocity GH2 velocity GOx GH2
0.2 0.048398 1730.8 1.25664E-05 0.000526325 0.000526325 1.25664E-07 6.36173E-07 204.1 816.9 1.16 0.91
0.22
0.24 0.058078 1730.8 1.25664E-05 0.000631595 0.000631595 1.25664E-07 6.36173E-07 204.1 816.9 1.39 1.09
0.26
0.28 0.067757 1730.8 1.25664E-05 0.000736853 0.000736853 1.25664E-07 6.36173E-07 204.1 816.9 1.62 1.27
0.3
0.32 0.077437 1730.8 1.25664E-05 0.000842123 0.000842123 1.25664E-07 6.36173E-07 204.1 816.9 1.85 1.45
0.34
0.36 0.087117 1730.8 1.25664E-05 0.000947392 0.000947392 1.25664E-07 6.36173E-07 204.1 816.9 2.08 1.63
0.38
0.4 0.096796 1730.8 1.25664E-05 0.00105265 0.00105265 1.25664E-07 6.36173E-07 204.1 816.9 2.31 1.81
0.42
0.44 0.10648 1730.8 1.25664E-05 0.001157963 0.001157963 1.25664E-07 6.36173E-07 204.1 816.9 2.55 1.99
0.46
0.48 0.11616 1730.8 1.25664E-05 0.001263233 0.001263233 1.25664E-07 6.36173E-07 204.1 816.9 2.78 2.18
0.5
0.52 0.12584 1730.8 1.25664E-05 0.001368502 0.001368502 1.25664E-07 6.36173E-07 204.1 816.9 3.01 2.36
0.54
0.56 0.13551 1730.8 1.25664E-05 0.001473663 0.001473663 1.25664E-07 6.36173E-07 204.1 816.9 3.24 2.54
0.58
0.6 0.14519 1730.8 1.25664E-05 0.001578932 0.001578932 1.25664E-07 6.36173E-07 204.1 816.9 3.47 2.72

　b.冷却水通水試験
　
　c.LOx および EA(BA)配管 Cv 計測
タンクおよび噴射マニホルドまでの圧力損失と流量の関係を求める
Cv = flowrate * (density/(Ptank - Pinjector))
噴射 Cv は噴射口形状、個数および Cd から概算する
Cv = Cd * Area(噴射総面積）
非燃焼試験によりタンク-噴射器 Cv、噴射口 Cv を算出、逆算してタンク設定圧を求める．

(2) 燃焼試験（本試験）
本エンジンの基本特性を把握するために，混合比、燃焼圧を変化させて実施する．その時の各
部の圧力・温度変化などのデータを取得する．基本試験条件は以下の表に示す．エレメント 1-
1、1-2 は OF=1.4 から 2.2 まで 5 条件、1-3(BA)は OF=1.2 から 5 条件 の計 15 回を想定する．

表 3　定格の想定燃焼試験条件設定値
値 試験想定範囲 (TBD)
燃焼時間 最大 5 秒 2〜5 秒
燃焼圧力 最大 2 MPa １ MPa
混合比 　1.6(LOx/EA) 1.2〜2.0
1.8(LOx/BA) 1.4〜2.2
試験回数 1-1・1-2・1-3 各5回

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表　LOx/BA　実験条件
*四角部分:ノミナル条件
dia 0.0136 Pc dia [m] 0.00104 0.00055
area 1.453E-04 1 area [m2] 8.495E-07 2.376E-07
numbers 2 4
kg/s ℓ/s nsity[kg/m3] 1000 800
O/F density(kg/m3) Velocity(m/s) m(kg/s) m(LOx) m(BA) vol(LOx) vol(BA) Pinj MPa
1.4 5.18E-01 1152.9 8.678E-02 0.051 0.036 0.051 0.045 1.888 2.809
1.6 0.50564 1163.8 8.548E-02 0.053 0.033 0.053 0.041 1.959 2.496
1.8 0.50845 1158.6 8.558E-02 0.055 0.031 0.055 0.038 2.048 2.293
2.0 0.51843 1146.4 8.634E-02 0.058 0.029 0.058 0.036 2.148 2.146
2.2 0.53127 1131.8 8.735E-02 0.060 0.027 0.060 0.034 2.249 2.031

BA LOx BA
dia 0.0136 Pc dia 0.00104 0.00055
area 1.453E-04 1.25 area 8.49487E-07 2.37583E-07
numbers 2 4
density 1000 800
O/F density(kg/m3) Velocity(m/s) m(kg/s) m(LOx) m(BA) vol(LOx) vol(BA) Pinj
1.4 6.46E-01 1154.2 1.083E-01 0.063 0.045 0.063 0.056 2.634 4.071
1.6 0.62947 1166 1.066E-01 0.066 0.041 0.066 0.051 2.741 3.578
1.8 0.6322 1161.5 1.067E-01 0.069 0.038 0.069 0.048 2.879 3.259
2.0 0.64424 1149.5 1.076E-01 0.072 0.036 0.072 0.045 3.032 3.030
2.2 0.66004 1135 1.088E-01 0.075 0.034 0.075 0.043 3.189 2.851

BA LOx BA
dia 0.0136 Pc dia 0.00104 0.00055
area 1.453E-04 1.5 area 8.49487E-07 2.37583E-07
numbers 2 4
density 1000 800
O/F density(kg/m3) Velocity(m/s) m(kg/s) m(LOx) m(BA) vol(LOx) vol(BA) Pinj
1.4 7.74E-01 1155.1 1.299E-01 0.076 0.054 0.076 0.068 3.489 5.554
1.6 0.75291 1167.7 1.277E-01 0.079 0.049 0.079 0.061 3.640 4.840
1.8 0.7554 1163.8 1.277E-01 0.082 0.046 0.082 0.057 3.835 4.379
2.0 0.7694 1152 1.288E-01 0.086 0.043 0.086 0.054 4.053 4.050
2.2 0.78812 1137.6 1.302E-01 0.090 0.041 0.090 0.051 4.278 3.793

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　 表　LOx/EA　実験条件
*四角部分:ノミナル条件
Velocity(m/s) m(kg/s) m(LOx) m(BA) vol(LOx) vol(BA) Pinj MPa O/F
1152.9 8.678E-02 0.051 0.036 0.051 0.045 1.888 2.809 1.2
1163.8 8.548E-02 0.053 0.033 0.053 0.041 1.959 2.496 1.4
1158.6 8.558E-02 0.055 0.031 0.055 0.038 2.048 2.293 1.6
1146.4 8.634E-02 0.058 0.029 0.058 0.036 2.148 2.146 1.8
1131.8 8.735E-02 0.060 0.027 0.060 0.034 2.249 2.031 2.0

LOx BA
0.0136 Pc dia 0.00104 0.00055
1.453E-04 1.25 area 8.49487E-07 2.37583E-07
numbers 2 4
density 1000 800
Velocity(m/s) m(kg/s) m(LOx) m(BA) vol(LOx) vol(BA) Pinj O/F
1154.2 1.083E-01 0.063 0.045 0.063 0.056 2.634 4.071 1.2
1166 1.066E-01 0.066 0.041 0.066 0.051 2.741 3.578 1.4
1161.5 1.067E-01 0.069 0.038 0.069 0.048 2.879 3.259 1.6
1149.5 1.076E-01 0.072 0.036 0.072 0.045 3.032 3.030 1.8
1135 1.088E-01 0.075 0.034 0.075 0.043 3.189 2.851 2.0

LOx BA
0.0136 Pc dia 0.00104 0.00055
1.453E-04 1.5 area 8.49487E-07 2.37583E-07
numbers 2 4
density 1000 800
Velocity(m/s) m(kg/s) m(LOx) m(BA) vol(LOx) vol(BA) Pinj O/F
1155.1 1.299E-01 0.076 0.054 0.076 0.068 3.489 5.554 1.2
1167.7 1.277E-01 0.079 0.049 0.079 0.061 3.640 4.840 1.4
1163.8 1.277E-01 0.082 0.046 0.082 0.057 3.835 4.379 1.6
1152 1.288E-01 0.086 0.043 0.086 0.054 4.053 4.050 1.8
1137.6 1.302E-01 0.090 0.041 0.090 0.051 4.278 3.793 2.0

表 4 に使用想定液量を示した．
表 4　試験時の液ガスの予想最大使用量
質量流量 時間　[s] 使用量　[kg] 使用量　[ℓ] 想定温度　[K]
[kg/s]
LOx 0．06 10 0.6 0.6 100
EA 0．04 5 0.2 0．25 275
BA 0.036 5 0.18 0.225 275
GN2
GHe

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4.6.2. 試験手順
試験手順の概要を図 4 に示す．準備作業の経験から、最終的な手順を決定する．なお実施にお
いては、チェックリストを用意し試験手順や現場の作業手順を確認しながら進める．

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4.6.3. 計測項目
計測項目（案）を図 6 に示す．計測に際しては DL（EDX）、圧力は共和製、温度は φ1mmK およ
び E 種熱電対を使用する．

表　遠隔作動弁および計測項目リスト
チャンネル項目 計測項目 センサ項目
Ch No. 計測名称 記号 作動点 O/F点 メーカ 型式 定格 S/N
シークエンサ 1 Oトーチ始動弁 OTV 0~5V
2 Fトーチ始動弁 FTV 0~5V
3 Fパージ弁 FEPV 0~5V
4 LOxガス主弁 OPV 0~5V
5 Fガス主弁 FPV 0~5V
6 イグナイタ信号 IGN 0~5V
7 計測データ処理信号 DV 0~5V
8 冷却水元弁 QV 0~5V

EDX 1 トーチ燃焼圧 PTPC ~5MPa KYOWA FL4710032 5MPa

2 トーチGOx噴射圧 PTOL ~5MPa KYOWA FD1090023 5MPa
3 トーチGH2噴射圧 PTFL ~5MPa KYOWA FG8830025 5MPa
4 燃焼圧 PC1 ~5MPa KYOWA FL4710031 5MPa
5 LOx噴射圧 POJ ~5MPa KYOWA FV1980012 5MPa
6 F噴射圧 PFJ ~5MPa KYOWA FV1980013 5MPa
7 LOxライン圧 POL ~5MPa KYOWA FV1980014 5MPa
8 Fライン圧 PFL ~5MPa KYOWA FV1980015 5MPa
9 LOxオリフィス上流圧PFOL ~5MPa KYOWA FV1980016 5MPa
10 Fオリフィス上流圧 PFFL ~5MPa KYOWA FV1980017 5MPa
11 LOxタンク圧 POT ~20MPa KYOWA 20MPa
12 Fタンク圧 PFT ~20MPa KYOWA 20MPa
13 Fエンジンパージ圧 PEP ~20MPa KYOWA 20MPa
14 LOx噴射温度 TOJ Etype
15 F噴射温度 TFJ Ktype
16 LOxライン温度 TOL Etype
17 Fライン温度 TFL Ktype
18 トーチ燃焼温度 Ttorch Ktype

4.7. 監視項目及び緊急停止項目
試験時の緊急停止項目を表 5 に示す．なお，最終的には，各試験の条件設定会議で決定する．

表 5　緊急停止項目
範囲 監視項目 判定時 判定条件 担当者
（自動/手動）
設定値を超えない 手動
不着火 スタート時
噴射器 モニター画面監視，着火音 手動
・ 設定値を超える 手動
燃焼器 燃焼圧異常 定常燃焼中
データ画面監視 手動
燃焼壁温度異常 定常燃焼中 設定値を超える　473K(OFC 軟化温度 TBD) 手動
計測系動作異常 計測中 データ画面監視 手動　
設備 外燃 試験中 火炎発生 手動　
・
供給系 燃焼器及びヒータなどからの白煙噴出，燃焼
目視異常 試験中 手動
ガスのリーク
供試体 目視、明らかな異音など 手動
　　異常 　　全般
設備全般 緊急地震速報発報、有感地震

4.8. 試験の日程
　試験日程（案）を以下に示す．なお，試験期間，試験回数及び予定日は，天候その他の理
由により変更することがある．

1D　 移動および供試体、供給系、計測系の組立、設置.
2D　 LOx および EA オリフィス流量構成(LOx はコリオリ流量計使用)
圧力センサ校正
点火器作動試験
3D　 LOx/EA　燃焼実験　(1-2 一回、1-1/4〜5 回)
4D　 LOx/BA　燃焼試験　(1-3/4〜5 回)

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5D 予備日および撤収

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4.9 試験時の人員配置
試験実施時の人員配置・担当を表 6 に示す．

表 6　試験実施時の人員配置・担当

宇宙輸送ミッション本部　宇宙輸送系推進技術研究開発センター．

試験とりまとめ 平岩
試験主任 平岩【兼】
安全主任 布目
設備 五十地(UE)
制御 布目【兼】、五十地(UE)【兼】、IST
監視 平岩【兼】、布目【兼】、IST【兼】、五十地(UE)【兼】
計測 五十地(UE)【兼】、布目【兼】
凡例　【兼】：兼任 計５名

5. 試験実施体制
試験実施体制を図８に示す．
試験取りまとめ、試験主任および安全主任の一名が欠けた場合には試験は実施しない．
図８　試験実施体制
試験実施責任者
( 正 ) 　先進技術研究グループ長
( 副 ) 　先進技術研究グループ領域リーダ

試験取りまとめ
　平岩　徹夫

試験主任　平岩　徹夫 先進技術研究グループ
安全主任　布目　佳央 エンジン研究開発グループ
・試験条件設定
・データ取得・データ評価

衛星推進研究グループ
・試験条件設定・設備運転
・データ取得・データ評価
・上記に関わる点検作業、品証管理・液ガス類調
達

協力会社 : 　植松電機、 IST

・委託元の業務に関わる支援全般

6. 安全対策
6.1. 規程類の遵守
(1) 法令の遵守
本試験を実施するに当たっては，関連する法令を遵守する．
(2) 宇宙航空研究開発機構安全関係規程の遵守
本試験を実施するに当たっては，3 項 JAXA 文書を遵守する．

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6.2. 安全管理体制及び高圧ガス保安管理体制
安全管理体制を図９に示す．本試験では高圧ガスを使用しないので保安体制は設けない．

設備内の管理:　試験における安全管理
　試験の作業安全検討 エンジン研究開発グループ長
　試験のシステム安全管理 　
　安全教育(試験作業関連)の実施 試験取りまとめ
　警戒区域の確認 　平岩　徹夫
　試験時の警戒業務 安全主任
　 　布目　佳央

協力会社
　植松電機

図９　安全管理体制

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6.3. 緊急連絡体制

6.4. 試験設備の安全性・健全性
表 7 に各試験間に実施する設備点検項目を示す．なお，試験毎に JAXA 角田宇宙センターロ
ケットエンジン高空性能試験設備点検フォームにより記録する．図 1 ２に設備点検フォーマットを示
す．

表 7　試験設備点検項目

点検対象 点検項目
液・ガス類及び設備の使用状況 以下に示す液ガス類について使用量及び試験前後における関
連設備の弁等の状態確認を実施する．
液ガス類：GHe，GN2、Na、Cs
設備全般 振動，異音の有無，漏洩の有無，腐食，塗装等外観の異常，消
火設備の異常

6.5. 供試体の安全性・健全性
各試験間に実施する供試体点検項目を表 8 に示す．該当する異常があった場合には，記録を残
す．

表 8　供試体点検項目

点検箇所 項目 確認方法 時期
燃焼器 焼損 目視 試験直後
割れ・変形 目視 試験直後
変色 目視 試験直後
ヒートマーク形状 目視 試験直後
固着、堆積 目視 試験直後
噴射器 焼損 目視 試験直後
割れ・変形 目視 試験直後
変色 目視 試験直後
噴射面堆積 目視 試験直後
供給系 焼損/ヒーター焼損 目視 試験直後
割れ・変形 目視 試験直後
変色 目視 試験直後
固着、堆積 目視 試験直後

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6.6. 搬入機材
本試験に際して使用する機材ならびに持ち込み機材は以下の通り:

コンテナ:　ヤマト便

燃焼器供試体　 噴射器、燃焼器、スロート φ13.6 各 1　関連ねじなど一式

エレメント供試体 1-1・1-2・1-3 各1
供試体ブランケット 1台
冷却水用チューブ 1/2 インチチューブ 1 式　20 本
1/4-1/8 継手 10 組
圧力計 5MPa レンジトランスデューサ 10 台
多治見 7 ピン 10m ケーブル 10 本

送付パッケージ:　
ケース 1
　Na チューブ　圧力校正器　流体物性値　Macbook　文房具　電源タップ
ケース 2
　Na/Cs 用配管　ノズル　インジェクタ　電磁弁 Cs チューブ　カメラ類(照明込み)
ケース 3
　長靴　防寒具　ヘルメット

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6.7. 作業の安全性
本試験に対して実施した，作業安全検討とシステム安全検討の結果をそれぞれ表 9 及び表 10 に
示す．TBD

6.8. 非常時の措置
試験時に地震・火災等が発生した場合には，ただちに試験を中止し，6.3 項示した図 11 に従っ
て，必要な箇所へ連絡する．また，適用文書（3）『角田宇宙センターにおける事故等発生時の緊急
対応マニュアル』　（GUC-05014B）に従って必要な措置を行う．

6.9. 安全教育・訓練
平成 26 年 6 月試験開始前に、燃焼器技術領域内にて試験前の確認会を実施、試験内容、目
的、スケジュール、注意点などの確認を行う予定．本試験の安全教育も同日実施予定．こ

6.10. 保安距離及び警戒区域の設定
本試験では EA ランタンクは充填量 1ℓ あるとする． LOx はランタンクに予冷分込みで 5 リットル、
があると仮定する．そのため総質量は
1 × 0.8 + 5 × 1.3 = 7.3kg
とな る．した がっ て保安距離算出 用質量 は 、 EA を RP-1 と同等と考え れば TNT 換算質量は
0.73kg(1.6lb)となる．AFMAN 91-201, 12.23.1, pp227 より

LOx/EA 総質量 << 45000 lb

かつ

　12.23.1.1.8. For bare (non-fragment producing) explosives in the open, IBD is K40; PTRD is 60%
of the resulting IBD．
*PTRD Public Traffic Route Distance, IBD Inhabited building distance

P.302 より、
d = 40*NEWQD^(1/3)
= 40*1.6^(1/3)
= 47 ft
=14 m
を立ち入り禁止域として設定する．

以上

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Appendix　
燃焼器内部の熱流束予測と冷却水流量
■ LOxEAOF=1.6 を基準として計算
平行部で 0.1MW/m2 以下　スロートは収縮比が高いため高く、20MW/m2 を予想する．

■ 必要冷却水流量
平行部には流路はないが、流路を適当に仮定した上で、全体の冷却量を推算する．
(安全率 2 を想定)
必要冷却流量は、ノズル部分ではスロートを除き 100cc/s 以下．スロートのみ 350cc/s ほど要求
しているので、ここに 200cc/s ほどは流れるよう調整しておくこと．

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