Toyoyasu c13wk

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Nゲージ蒸気機関車>蒸機の工作>片上鉄道C13の組み立て

片上鉄道C13の組み立て(ワールド工芸)

2015.4.12

ワールド工芸から発売された、片上鉄道C13形(初期仕様)です。 
一見C11に似たスタイルで、ワールド工芸のNゲージのタンク機としては最大の部類です。

それほどバリエーション展開がありそうな形式ではありませんが、一応組み立てメモを残してみました。 
何か組み立てに詰まったときに、それまでの他形式の組み立てがヒントになることがありました。

上廻りの組み立て
初めて組み立てる形式の場合(特にタンク機)、何を先にするかいつも悩むところです。うっかり先に固定した
ために、あとで取り返しがつかなくなる部分はないか…。

組み立て手順に関する大ヒントが説明書の2ページ目にありました。 
「★ランボードには組立てたA2­6関係(注:サイドタンク)を一番先に取り付け、そのあと他の部品を取付け
て下さい。」 
→というわけで、先にランボードを組み立て、サイドタンクの固定から始めました。

ランボードは真鍮製です。要所は
曲げ済みになっており、前デッキ
部の曲面も曲げられています。助
かります。 
最終的な形の調整は組み立てる
人の仕事です。

前デッキ上部の網目板なども、こ
こで重ねて貼り合わせました。

左右の水タンク(A2­6)は前面でつながっています。折り曲
げて形を作り、上部に天井板と給水口を取り付けました。
組み立てたサイドタンクをランボー
ドにぴったりはめ込んで固定しまし
た。

このほかは手順の指定は特にな
いので、どれかの部品を先に付け
たら、他の部品が付けられなくなる
ことはないか、などを考えつつ適
当に組み立てていきました。 
自信のないところは1つずつ固定せず、周辺の部品も一緒に仮組みしながら、その段階で固定しても問題な
いかどうかを考えます。

前方に空気溜めのカバーやバネ
箱などを組み立てて取り付けまし
た。 
ランボード上に空気溜めがむき出
しで置かれていると、ボイラーの脇
を歩きにくいため、カバーで覆った
のかもしれませんね。空気溜めの
上に歩み板が設置されている機関
車は結構ありますが、すっぽり覆
ったのは珍しいかもしれません。

カバーの側面前方にはあとでデフが密着します。

キャブの裾をぴったり合わせて内張りを貼り合わせます。 
が、若干ずれてしまい(固定時にクリップがずれたらし
い…)、ランボードとの密着がベストではなくなってしまいま
した。

妻板も屋根のカーブのほうを合わせるのではなく、裾側を
合わせるほうがよいようです。

後部妻板とタンクの天井を固定し、後ろからタン
ク/炭庫の外装をかぶせました。ここも基本的な曲
げが終わっているのがありがたいです。 
裾をぴったり合わせて固定しました。
前後の窓の上のひさし、天窓レール、扉の手すりなどを固
定しました。 
前後のひさしはエッチングにより薄く加工されているので、
丸棒などに押し付けると簡単に丸みを付けられます。

側面窓の上のひさしは説明書から記載が抜けています。
H2­11を使いました。

後部にはライト、ハシゴ等を付けました。 
ハシゴの下部は、あとでランボードに固定するとき
に、後部端梁に差し込みます。

後部のひさしは説明書ではA4­2とされていますが、
A1­1の誤りかと思います。 
炭庫脇の手すり(H2­17)には部品番号の重複があり
ます。もっとも、一方は煙室扉ハンドルなので間違え
はしません。

組み上がったキャブをランボードに
差し込んで、仮合わせしているとこ
ろです。まだ固定はしていません。

最終的にはボイラーと一緒に仮組
みし、うまく付くことを確認してから
固定しました。

ランボードにコンプレッサーと繰り出し管を固定し、前
端梁、カウキャッチャー、エアホースを固定しまし
た。

下廻りを組み立てていないため、この段階ではカウ
キャッチャーの適切な高さがわかりませんが、説明
書の写真などを参考に柱の下端に合わせました。

後部を裏返したところです。後部端梁、カウキャッチャー、
エアホースを固定し、従台車の枕を固定しました。

後ろのカウキャッチャーは、カプラーに当たらぬようにとい
後ろのカウキャッチャーは、カプラーに当たらぬようにとい
うことで、若干下げました。

マグネ・マティックカプラーを使う場合、前部は#905(Zゲー
ジ用)、後部は#1025が指定されています。私は#1025を持
っていなかったので、持っていた#1015を猛烈に削って使い
ました。#2001ではカプラーの位置が高すぎるかもしれませ
ん。

ボイラーに主な部品を取り付けま
した。 
写真はボイラーをランボードに仮
に合わせ、砂撒管の位置を決めて
いるところです。サイドタンクの一
部に砂撒管を逃がす凹みがある
ので、その位置に真鍮線を合わせ
てボイラーに固定しました。

ここでいよいよボイラーとキャブを
仮組みし、決心のうえでハンダ付
けしました。

非公式側の配管は番号順に付けました。写
真では1と3が重なって見えますが、1はH2­
12、3はH2­7です。

2, 3はそれぞれ何かに引っかかって付けに
くかったので、ボイラーを車体に取り付ける
時点で仮に差し込んでおけば楽だったのか
もしれません。

ホワイトメタルのドームも景気づけのため?
固定しましたが、他のハンダ付け作業が終
わってからのほうが良さそうです。あやうくコテが触れて溶かしそうになる場面がありました。

煙室扉を組み立て、ボイラーに固定してから、デフを固定し
ました。

デフの下部には取り付けピンなどがなく、昔のキットのよう
にベタ付けになります。側面はランボード上の空気溜めカ
バーに密着します。私の場合カバーが少し傾いていたた
め、軽くハンダを盛って(ほんの少しです)厚みを調整しまし
め、軽くハンダを盛って(ほんの少しです)厚みを調整しまし
た。

デフの折り曲げに「A4­4の折り曲げガイド使用」とあるの
は、A1­14の誤り。

キャブ下の連通管はエッチングパーツが付属して
いますが、少し見た目の効果を上げるため0.8mm
真鍮線にしてみました。エッチングパーツに形を
合わせて真鍮線を曲げ、取り付け穴を少し広げて
固定しました。

固定の際、床下との間には、真鍮板1枚が入るぐ
らいの隙間を空けておきます。あとで下廻りの取
り付け部が入り込むためです。また、なるべく外側
に寄せて取り付けないと、下廻りの取り付けネジ
が当たってしまいます。

これで上廻りはおしまいです。

下廻りの組み立て
先台車・従台車と車輪押さえを、それぞれ折り曲げて
組み立てました。 
特に難しいところはありません。

左右のフレーム(車輪座)、車輪押さえ、モ
ーターベース等を折り曲げて組み立てまし
た。

モーターベースA4­2の左右の張り出しは、
説明書に従って少々カットしておきます。先
ほどの連通管に干渉しないようにするため
です。

説明書の部品番号A5­1・A5­2は、それぞれ
A4­1・A4­2の誤りです。何かお疲れの様
子…?

ギヤが付くほうの車輪座を裏側から見たところで
す。

上部の3箇所を箱状に折り曲げますが、特に前後
の2箇所はなるべく直角にしないと機関車が傾き
ます。

前方の裏側には、先台車をネジ止めするためのH1­3が付
きます。最後のほうまでうっかり忘れていました。

ワールド工芸のタンク機の場合、シリンダーブロックは真
鍮ロスト等の鋳造になっていることが多いですが、これはテ
ンダードライブ機と同様のエッチング板となっています。

左に写っている上面の裏板は、先に重ねてから前後左右
の側面を曲げるのがよいようです。順序が逆だとうまく入り
ません。

スライドバーとドレインコックを固定しました。スライドバー
はよく磨いておきます。

上部には、あとでラジアスロッドを取り付ける台座
(F1­3)をネジ留めしますが、部品の形がおかしい
ようです(説明書の図とも異なります)。 
写真の赤い部分をヤスリで削り取りました。そうし
ないとフレームの溝に収まりません。

なおこの部品にねじ切りをするためには、M1.0タ
ップが必要です。ほか上廻りのカプラー取り付け
穴はM1.2タップ、他のネジ穴はすべてM1.4タップ
を使います。

塗装の前に全体を仮に組み立て、
傾きの調整などを行いました。
部品を洗浄して塗装しました。またアクリジョンによるプライマー省略塗装です。 
半光沢よりもつや消し寄りにしようと思い、ブラック:つや消しブラック=1:1(いつもは2:1ぐらい)とし、それ
を水と専用薄め液で2倍程度に希釈し塗りました。 
次の工程に移るまで3日程度乾燥させましたが、まだいつもより粒状感が残っています。1週間もすればもっ
ときめ細かくなると思います。 
あとは細部に好きな色で色挿ししてアクセントとしました。

動力部
駆動軸に動輪を圧入し、輪心用リングを圧入しま
した。

共用のプラ輪心よりも動輪内径が少し大きいた
め、隙間を埋めるために輪心用リングが付属して
います。あらかじめ、表に見えるリングの断面を狙
って黒塗装しておきました。

左右のフレームと関連部品はネジ留めした
状態で塗装したので、一度ネジを外して左
右を分離してからギヤを取り付けました。

通常のワールド工芸の動力ユニットと同じ
要領です。小ギヤ軸の頭にバリが残ってい
ると大ギヤが引っかかるので、きれいにヤ
スリ落としておきます。

ギヤが軽く回るのを確かめてから、もう一度非公
式側のフレームを固定しました。

間に絶縁ワッシャと絶縁ブッシュを挟み、M1.4×2
ナベネジで固定します。「コナベ」ではなく「ナ
ベ」ネジなので、他のネジより少し頭が大きいネジ
です。

左右の軸受けの高さがバラバラにならないよう、
実際に動輪をはめて、レールの上で平らに保持しながらネジを締め直しました。

軸受けが若干渋かったので、車輪押さえを
軸受けが若干渋かったので、車輪押さえを
取り付けてから2.5mmリーマー/2.5mm丸ヤ
スリで軸受けを整えました。

プラ輪心をはめ込みました。あらかじめ外周をヤ
スリで少し落とし、中央の穴を2.5mmヤスリで広げ
ておきました。

クランクピンの穴の位置を3つとも揃えてから、中
心付近を少量の瞬間接着剤で固定しました。反
対側は90度先行するように合わせます。

モーターを取り付けて試運転しました。

通電用の突起はモーター端子の穴に差し込むだ
けにする予定でしたが、矢印の部分がもう少しの
ところで穴に届かず、仕方なく突き合わせてハン
ダ付けしました。

最初はサイドロッドをつけずにギヤ連動だけで試
運転し、動きがぎこちないときは軸受けをリーマー
やヤスリで再調整しました。2回ぐらいでスムーズ
になったので、次にはサイドロッドを付けて調整しました。
軸受けの具合が良ければ微振動が起きにくいので、ウェイトを載せなくても集電が途切れにくく、案外とスム
ーズに走ります。

試運転中、非公式側の第一動輪がランボードに
接触する可能性を感じたので(コンプレッサーがあ
るため左右でランボードの形が違う)、矢印のあ
たりを少し削りました。しかし、そのままでも問題
ないかもしれません。

サイドロッドの次はエキセントリックロッドとリター
ンクランクを付けてテストしました。リターンクラン
クの形やカシメの具合により、動きが悪くなること
があるためです。 
通常通りの修正をしてから取り付けたところ、特に
通常通りの修正をしてから取り付けたところ、特に
問題は起きませんでした。

あとは一度エキセントリックロッドと
リターンクランクを外し、テンダード
ライブ蒸機と同じようにクロスヘッ
ド・メインロッド等を取り付けまし
た。

初め公式側を取り付け、一発でう
まく動いたので、非公式側も取り付
けました。

うまく動いたあと、念のためモーターを外してレールの上で転がし、変な引っ掛かりがないかを確かめている
ところです。

完成
完成しました。国鉄C11に一見似ていますが、よく見ていくとずいぶん違いがあります。
走りはワールド工芸のタンク機として普通のものかと思います。公式サイトの動画で見られるとおりです。モ
ーターは大きめ(といってもいわゆるBトレモーターサイズ)のため、携帯モーター的な超小型モーターに比べト
ルク的に安心感はあります。 
2軸従台車が付いてテンダー機的な軸配置なので、曲線も同様にR320以上のほうが適しているかもしれませ
ん。あまり小カーブは得意でないような気がします。

こんな形式まで発売されるというのが今の金属キットの面白さですね。プラ量産品ではマイクロエースを含め
て考えても、まず絶対に出ないでしょうから。 
ディテールの密度もほどほどで、振り返ってみれば組み立てやすかったです。

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