海 洋 開 発 論 文 集,第22巻,2006年7月

管 中混 合 固化処 理 に ドラ ム型 ミキ サ を適 用 した
高 品質 な 浚渫 固化 処 理 土 製 造 法 の 開発
DEVELOPMENT OF MANUFACTURING TECHNIQUE FOR HIGH QUALITY
STABILIZED DREDGING SOIL USING A COMPRESSED-AIRMIXTURE
PIPELINE WITH A DRUMSTYLE MIXER

岩 田 秀 樹1・ 奥 村 雄 二2・ 川 内 勝3・ 佐 藤 芳 則4・ 斎 藤 武 久5・ 石 田 啓6

Hideki IWATA, Yuji OKUMURA, Masaru KAWAUCHI, Yoshinori SATOU,
Takehisa SAITOH and Hajime ISHIDA

1正 会 員 株式会社 本間組 土 木 本 部(〒951-8650新 潟 県 新 潟 市 西 湊 町通 三 ノ町3300番 地3)

2株 式 会 社 本 間組 エ ンジ ニ ア リン グ企 画 部(〒101-0033東 京 都 千 代 田 区神 田岩 本 町4番 地)
3株 式 会 社 本 間 組 土 木 本部 機械 部(〒951-8650新 潟 県 新 潟 市 西 湊 町 通 三 ノ町3300番 地3)
4株 式 会 社 本 間組 土 木 本部 土 木 部(〒951-8650新 潟県 新 潟 市 西 湊 町 通 三 ノ町3300番 地3)
5正 会 員 博(工) 金 沢 大 学 大 学 院助 教 授 自然 科 学 研 究 科(〒920-1192金 沢 市 角 間 町)
6フ ェ ロー 工博 金沢 大 学 大 学 院教 授 自然 科 学 研 究 科(〒920-1192金 沢 市 角 間 町)

A manufacturing technique of high quality stabilized dredging soil is newly presented in this study. In
the technique, a simple drumstyle mixer without power-driven machinery is used at the process of mixing
dredging soil with cement through a compressed-airmixture pipeline in order to improve the mixing of
two materials. The prototype tests for the producing of stabilized dredging soil are conducted in the cases
with and without the drumstyle mixer, and it is found that the strength of the stabilized dredging soil
using this new technique becomes greater comparing with the case using the previous technique without
the mixer under the same transporting distance of two materials. The systematic tests are also conducted
with different mixer's height h and diameter d, for the discussions about the optimal mixer's shape.
Furthermore, the practicalness of this technique is discussed through the test producing the amount of
stabilized dredging soil per hour that is needed under actual construction of reclamation.

Key Words: High quality stabilized dredging soil, Compressed-airmixture pipeline with drumstyle mixer

1.緒 論 本研 究 では,空 気圧送 過程 にお ける浚渫 土 と固化 材 の

港湾 整備 な どに伴 う埋 立 工事 等 で は,建設副 産物 の リ
サ イ クル推 進 の観点 か ら,浚渫土 を リサ イ クル した固化
処 理土 が活 用 され て いる.現 在,そ の固化 処理 方法 と し
て,湊深 土 の空気 圧送 過 程で 固化 材 を投入 し,目 的 とす
る場所 に固化処 理土 を直接打 設す る ことので きる管 中混
混合促 進 を 目的 に,圧 送 管路途 中 に中空 円筒 状 のシ ンプ
ルな構 造 の非動 力型 ミキサ を設 置す る新 たな圧送 方法,
ドラム ミキ シング工法 を提案 し,現 地 施工例 を含 めた各
種 の実験結 果か ら,本 研 究で提案 した圧 送方 法の有 用性
につ いて検 討す る.さ らに,ミ キサ の形状 を変化 させた
系統 的な実験 結果 か ら,最 適な ミキサ 形状 につ いて検 討

合 固化処理 工法 が採用 され,多 くの施工 実績 をあげ る こ す る ととも に,検 討 され た ミキサ 形状 で設計 製作 した ミ

とが で き る1).この工 法 は,埋 立 工 事 な どの大規 模 急速 キサ を適用 した実用 規模 施工実験 を実施 す る ことで本工
法 の実用性 につ いて検証 する.
施 工が求 め られ る条件 下で は特 に有 効 とされて いる.一
方 で,管 中混合 固化処 理で は,空 気 圧送 時の気液 二相流
れ の中で,管 中に投入 した 固化 材が 気相 部 に偏 って完全 2. ドラ ム ミキ シ ング 工 法の 概 要
な混 合がで きず,固 化処 理土 の品質 低下 を招 く ことが指
摘 されて い る2). 本研 究 で提 案す る ドラム ミキ シ ング工法 と従 来 の管 中

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 表-1 主要 使用 資機材

図-1 管 中混 合固化 処理 の概 念

図-2 ドラム ミキ シング工法 の概要

混 合 固化 処理工 法 との違 いを明確 にす るため,図-1に,

まず管 中混合 固化処理 の概要 を示す.管 中混合 固化処 理
は,空 気 圧送時 の気液 二相流 れの途 中で 固化材 を添加す
る ことで,管路圧送 中 に泥土 と固化 材 の混合 を行 い,目的
の場所 に固化処 理 土 を直接 打設 す る工 法で あ る.問題点
として,管 中に添加 した 固化 材が気 相部 に偏 って完全 な
混 合が できず,固 化処 理土 の品質低 下 を招 く ことが指摘
されて いる ことは前述 して いる.
これ に対 して本研究 で提案 す る ドラム ミキ シ ング工 法
は,泥 土 と固化 材 の圧 送途 中に何 らか の方法 で気 相 と液
相 の混合 を促進 させ る ことを 目的 と して,図-2に 示す よ
うに,管 路途 中 に中空 円筒状 の シン プル な構造 の非動 力
型 ミキサ(以 下,ド ラム型 ミキサ と略記 す る)を 設置 し,
図-3 実験 装置 の概 要
圧 送す る泥土 と固化 材の混合促 進 を実現 す るもので ある.
本 工法 では,固 化材 は従 来通 り,ド ラム 型 ミキサ 流 入前
の空気圧 送管路 途 中で,圧 送 され る泥土 の送泥 量 に対 し
て定量 的 に添加 され る.こ のため,ド ラム型 ミキサ 上流
の流入管 路 内で は,空 気圧送 時の気 液二 相流れ によ り,
管 中 に添 加 した固化 材が気相 部 に偏 って 完全 な混 合 はで
きな いが,空 気 圧送 の際 に生 じるプ ラグ流が,ド ラム型
ミキサ 内 に高速 で流 入 した 際に発生 す る衝突 を ともな う
乱 流状態 を利用 して,泥 土 と固化材 の混 合の促進 を達 成
させ る.こ の際,複 数の プラグ を同時 に混練す る こ とに
なる ので固化材 添加 量の均等化 が 図 られ る こと も同時 に
期待 で きる.

3. プ ロ トタ イ プ実 験 図-4 ベー カー 線図

ドラム ミキ シ ング工法 にお け る圧 送方 法の有用 性 を検 調整 ・管 理 して圧送 を行 った.図-4の 横軸 は,圧 送管 内

討す るため に,現 地規模 へ の対 応が 可能 なプ ロ トタイ プ
実験 による浚渫 固化処土 の製 造 を行 った.使 用資 機材お
よび実験 装置 の概 要 を表-1お よび図-3に 示す.実 験で は
浚渫 土 を送泥量50m3/hに 設定 した コ ンク リー トポ ンプに
投入 して 圧送 を行 い,汎 用 コン プ レッサ によ り圧 縮空気
を管 路途 中か ら注入す る ことで空気 圧送 を行 った.ま た,
送泥 量 お よび空 気 量の管 理 は管路 に流量 計 を設置 し,混
相流 の流動 様式 を示 す 図-4の ベ ーカ ー線 図3)を指標 と し
て送 泥 量および 空気量 につ いてプ ラグ領域 内 となる よ う
に供給す る圧 縮空気 と泥 土の混 合比 を示す.縦 軸 は圧 送
管 内 の粘 性土 流 を示 し,供 給 され た 圧縮 空 気 と管 径 に
よ って定 義 され る.使 用 した ドラム型 ミキサ の試作機 は,
内径800mm,内 空高 さ1500mmの 鋼 製 中空 円筒状(図-5
参 照)で,流 入 管 お よび 排 出管 がそ れ ぞれ 約100mお よ
び300mと な る位置(内 径 は共 に150mm)に 設 置 し,固
化 材 を流入 管 に取 り付 け た供給 装置 か ら送泥1m3当 た り
100kg添 加 した(図-3参 照).な お,圧 送途 中の 混合 状
態 の把握 は極 めて 困難 な ため,本 工法 の有用性 は,最 終

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図-5 ドラム型 ミキサ 試作機
表-2 原料 土 の物 理性状
的 に生成 され た固化処 理土 の強度 を,ミ キサ を設 置 しな
い従 来工法 の場 合 と比較す る ことで検 討 した.こ の際,
ドラム型 ミキサ の混練 性能 とミキサ 下流管路 圧送 時 にお
ける泥土 と固化 材 の混 合性 につ いて も確認す るため,固
化 処 理 土 の採 取 は ミ キサ 下 流20mお よび80mの 位 置 で
行 った.採 取 した 固化 処理 土はモ ール ドに詰 めて28日 間
養 生を行 い一軸 圧縮 試験 を実施 した.表-2に 本実 験で使
用 した原料 土 の物理性 状 を示すが,比 較 的有 機質 分が 多
か った ため,固 化材 は高有機 質土用 セ メン ト系 固化材 を
選 定 した.ま た,事 前 に実験 で使用 した原料 土 を対象 に
室 内配合 試験 を行 い一軸圧 縮試験 を行 ってい る.
図-6に プ ロ トタイ プ実験 で得 られた処理 土の 強度特性
を示す.横 軸 は処理 土の採 取位置,縦 軸 は実験処 理土 と
室 内配合 試験 で製作 した供 試体 の一軸圧縮 強度 の比(以
下 に強度 比 と略記す る)を 示す.従 来工法 の場合,強 度
比は0.4∼0.6に留 ま り,そ の変動係 数CVと 共 に圧 送距 離
による変化 が見 られ た.一 方,ド ラム型 ミキサ を設 置 し
た本 工 法 で は,強 度 比 は輸 送距 離 に 関わ らず,お よそ
0.8の水準 に達 し,一 般 的な 施工 機械 によ る処 理土 の強
度 比 の一般 値0.4∼0.8と同等 も しくはそ れ 以上 の値 とな
る ことが 分か った.さ らに,変 動係 数 は圧 送距離 に関わ
らず10%の 水準 に抑 え る ことが で きてい る.な お,排 泥
ピ ッ トには改 良土が 一定 間隔で 断続 的 に排 出 されて いた
こ とか ら,ミ キサ 内で いったん乱 流状態 とな った後,ミ
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図-6 処 理 土の強度 比(現 場/室 内)
お よび変動 係数 特性(プ ロ トタイ プ実験)
図-7 実験 装置(ミ キサ形状 検証実 験)
キサ 下流 の圧 送管路 で プ ラグ流 が再 び形成 されて いる こ
とが 確認で きた.以 上 の結果 は,ミ キサ の設 置 によ り,
浚渫 土 と固化 材 の混 合が 促進 され,短 い圧送 距離 でば ら
つ きの少 ない高 い強 度 の処理土 が得 られ る ことを示す も
ので あ り,施 工性,経 済 性 の観 点か ら本工法 の有用性 を
示唆 す るもので ある.一 方で,圧 送距 離 を比較的長 く確
保で き る場 合な ど,圧 送 距離 と ドラム型 ミキサ設 置の有
用性 につ いては,さ らに検 討 が必要 であ る.
4. ミキ サ 形 状 検 証 実 験
本 工 法 は,ミキサ 内 で発 生す る乱流 に よ り,泥 土 と改
良材 の混 合を促進す るもので あ るた め,ミ キサ の形状 に
よ り,ミキサ 内の流動 の状態 が変化 し,固化処 理土 の品質
に影 響 を与え る もの と考 え られ る.そ こで,泥 土 と固化
材 か ら効 率的 に固化 処理 土 を製造す るた めの ミキ サの適
切 な形状 を検 討す るた め,ミ キサ の高 さh,直 径dおよび
容積Vを パ ラメー タ と した異 な る5種類 の ミキサ を製作
し,ミ キサ 形状検 証実験 を行 った.こ の 時に使用 した実
験 装置 使 用資機 材 を図-7お よび表-3に 示 す.ま た,ミ
キ サ 形状 の 設定 パ ラ メー タお よび原 料 土 の物 理 性状 を
表-4お よび表-5に 示す.圧 送 はベー カー線 図 を指 標 と し
て プ ラグ流が確保 で きるよ うに,混 合比50,単 位 気相流
速 を16.5kg/mm2sと
し,送 泥 量お よび空気 量 を設定 した.
実 験で は,貯 泥 槽 に泥 土 を貯泥 し,送 泥 ポ ンプに よ り
液 相部 が 目視 可 能な 直径40mmの ビニ ル製 管路 に泥 土 を
圧入 し,圧 縮空気 を注入 す る ことで 空気圧送 を行 った.
 表-3 主 要使用試 機材 表-5 原 料土 の物 理性 状

表-4 設定 パ ラメー タ(ミ キサ形状 検証 実験)

な お,φ は 混 相 流 の 流 動 様 式 に 準 じ,お お む ね 以 下 の様 に 規 定 さ れ る.
送 泥 量100m3/h-φ=200mm,送 泥 量300m3/h-φ=400mm
送 泥 量600m3/h-φ=600mm

圧 縮 空 気 注 入 場 所 か ら25mの 位 置 に ドラ ム 型 ミ キ サ を設
置 し,ド ラ ム 型 ミ キ サ の 上 流 部 か ら 固 化 材 を 注 入 した.
実 験 は ミ キ サ タ イ プ ご と に 実 施 し,採 取 した 改 良 土 の 強
度 と ば らつ き に つ い て 比 較 した.な お,ミ キ サ 形 状 を評
価 す る パ ラ メ ー タ と して,本 研 究 で は,ミ キ サ 高 さhを
ミキ サ 直 径dで 除 した 値h/d(ミ キ サ 形 状 比)と ミキサ容
積Vを プ ラ グ 流 中 の 液 相 部 代 表 体 積Fで 除 し た 値V/F(ミ
キ サ 容 積 比)を 定 義 す る.た だ し,液 相 部 代 表 体 積Fの
評 価 に は,多 くの 議 論 が あ る が,本 研 究 で は,空 気 圧 送
中 の液 相 部1個 あた りの 長 さ を写 真 撮 影 に よ り測 定 して
整 理 し,そ れ ら の結 果 と既 往 の 実 験 結 果4)を 参 考 に評 価
を 行 っ た.具 体 的 に は,実 験 で 計測 され た プ ラ グ流 の液
相 部 平 均 長 さは307mm∼480mmの 範 囲 で,平 均 値 が403
mmで あ り,こ の 結 果 は,液 相 部 の 平 均 長 さLに 関 す る 図-8 ミキサ形状特 性 の変化 に伴 う処 理土 の強度

既 往 の 実 験 結 果 と 同 様 に,そ の 長 さ を圧 送 管 直 径 φ の10 特 性(ミ キサ形 状検証 実験)

倍(L=10× φ)と して評 価 す る こ とを支 持す るも ので

あ っ た.こ の た め,液 相 部1個 あ た り の代 表 体 積Fの 評 3.75に達す る と平均 強度 の顕著 な低 下 は見 られな いが変
価 式 と して,F=(π φ2/4)×Lを 用 い て い る.本 実 験 の 場 動 係数 が 若干 高 い ことか ら,ミ キ サ 形状 比 は,1.5付 近
合,液 相 部1個 当た り の代 表 体 積}よF=(π ×0.0402/4) に設 定す る ことが適切 と考 え られ る.ミ キサ容積 比 につ
×10×0.040=5.03E-04(m3)と な る.実 験 で は ミ キ サ 形 いて は,実 験 結果 よ り,液 相 部代 表体 積 は,約 ±20%の
状 比h/dと ミ キ サ 容 積 比V/Fを パ ラメ ー タ と して固化 変 動 が認 め られ るが,ミ キ サ 形状 比 を15付 近 に設 定 し
処 理 土 の 強 度 特 性 を 比 較 評価 す る こ と で,最 も効 率 的 に た場 合,(b)図 のよ うに,3∼30の 範囲 で設定す るこ と
固 化 処 理 土 の製 造 が で き る ミキ サ 形 状 に つ い て 考 察 した. によ り比較 的 ば らつ きの少な い処理 土 を得 る ことがで き
図-8に ミ キ サ 形 状 比h/dお よ び ミ キ サ 容 積 比V/Fと 処 理 る.ミ キ サ内 の流動 は,様 々な因子 が複雑 に影響 して お
土 の 平 均 強 度 と の 関 係 を示 す.(a)図 よ り,ミ キ サ 形 り流 動状 況 を把握 す る事 は困難 で あるが,本 実験 で得 ら
状 比 は0.8の 場 合 と 比 較 して,1.56の 場 合 に処 理 土 の 強 度 れ た最適 な形状 比 と容積 比で見 られ る ミキサ 内の流動 状
が 高 く変 動 係 数 が 小 さ く な った.ま た,ミ キ サ形状 比 態 が泥土 と固化 材 を混 合す る上で最 もバ ラ ンスの とれ た

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 表-6 実 験規模

図-9 水 セ メン ト比 と一軸圧縮 強度 の関係 図-10 実験 配置

状態 で あった と考 え られ る.

5. 実用 規模施 工実験

本 工法 の実用 規模 にお ける有 効性 を確 認す るため,港

湾埋 立工事 規模 を想 定 した実 用規模 施工実験 を行 った.
こ こで は,ミ キ サ形 状検 証実験 で得 られ た ミキサ 形状 を
も とに設 計製作 した ドラム型 ミキサ を使用 した.
(1)実験 規模
実 験規模 を表-6に 示すが,実 験 では ミキサ形状検 証実
験 と同等 な流動 様式 を確保す る ため,泥 土 の単位体 積質
量 を1.498t/m3,混 合 比50,単 位気 相流 速 を17.0kg/mm2sと
して計画 した.な お,実 験 には ミキサ形 状検 証実験 と同
じ試料 を使 用 した.

(2)室 内配合 試験
実 験 を行 う前 に室 内配合 試験 を実 施 し,固 化材 添加 量 図-11 ドラム型 ミキサ の概略 構造
と強度発現 の関係 につ いて 把握 した.固 化 処理土 の強度
は一般 的 に 固化 処理 土 中の水 分 とセ メン トの重量 比(水 ル ド内 の 原 泥 ポ ン ドに2000m3確 保 し た.ド ラ ム 型 ミキ
セ メ ン ト比:W/C)と 高 い相 関 関係 に ある ことが知 られ サ は管 路 延 長 の ほ ぼ 中間 点 に設 置 し た.圧 送 管 内 へ の 土
て い る こ とか ら,含 水 比 を2水準,改 良材 添加 量(高 炉 砂 供 給 は,原 泥 ポ ン ドか ら水 槽 に投 入 し た泥 土 を ス クイ
セ メ ン トB種)を3水 準 設 定 し,固 化 処 理土 の水 セ メ ン ー ズ タ イ プ の コ ン ク リ-ト ポ ン プ 車 を 使 用 し ,600m3/h

ト比 と一軸 圧縮 強度 の関係 を把握 した.図-9よ り,水 セ で 定 量 供 給 し,圧 縮 空 気 を 供 給 した.固 化 材 は高 炉 セ メ

メ ン ト比 と一軸 圧縮 強度が 高い相 関関係 にあ る ことが確 ン トB種 を使 用 し,ス ラ リ ー 状(水 重 量/セ メ ン ト重 量
認 でき る.実 験 で は,図-9を 指標 として 固化 材添 加量 を =1)で 添 加 し た.ス ラ リ ー は 生 コ ン工 場 か ら ア ジ テ ー
設定 した. タ車 で 実 験 ヤ ー ドま で 運 搬 し,コ ン ク リ ー トポ ン プ 車 で
供 給 した.実 験 で 用 いた 使 用 資 機 材 を表-7に 示 す.圧 送
(3)実験 概要 開 始 後,排 泥 ポ ン ドで 固 化 処 理 土 を採 取 し,供 試 体 を 作
実 験概 要 を図-10に示す.圧 送用 の土砂 を実 験 フィ ー 製 した.ま た,圧 力 計 を圧 送 元,ド ラ ム 型 ミ キ サ 上 下 流,

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 表-7 主要使用 資機 材

吐 出 口付 近 に 合 計5箇 所 設 置 し,実 験 中 の 管 内 圧 力 を 連
図-12 材令28日 の処 理土 の強度 分布
続 計 測 した.ド ラ ム 型 ミ キ サ の 概 略 構 造 を 図-11に 示 す.
ミキ サ は 機 動性 を考 慮 し,ミ キ サ 本 体 部,流 入 部,排 出
部 の3ユ ニ ッ トで 構 成 し,分 解,組 立 す る こ と に よ り陸
上 搬 送 が 可 能 な 組 立可 搬 式 と した.実 証 実 験 で は,目 標
強 度 をqu28=250kN/mm2に 設 定 し,図-9に 示 すW/Cと 一軸
圧 縮 強 度 の 関 係 式 よ り,W/Cを10に 設 定 した.こ の 場 合,
改 良 材 添 加 量 は,圧 送 土1m3当 た り77kgと な る.

(4) 実 験 結 果

図-12に 材 令28に お け る 固 化 処 理 土 の 一 軸 圧 縮 強 度 の 図-13 圧送管 内圧 力分布

度 数 分 布 を 示 す.実 験 結 果 よ り(現 場/室 内)強 度 比 は
平 均0.83(最 小0.75,最 大0.88),変 動 係 数5.3の 処 理 土 を 変 化 さ せ た 系 統 的 な 実 験 に よ り,適 切 な ミ キ サ 形 状 に
の製 造 に成 功 し て お り,本 工 法 の 実 用 性 に つ い て 確 認 で つ いて 明 ら か に す る と共 に,最 適 ミ キサ 形 状 を も と に 設
き た.ま た,固 化 処 理 土 は ヤ ー ド内 の 造 成 材 料 と して 活 計 製 作 した ドラム 型 ミキ サ を 使 用 し た実 用 規 模 施 工 実 験
用 した.次 に,図-13に 実 験 中 の 管 内 圧 力分 布 を 示 す. 結 果 か ら,本 工 法 の 実 用 性 を 確 認 し た.
図 中 の プ ロ ッテ ィ ン グ デ ー タ は,各 測 定 点 に お け る 管 内
圧 力 の 平 均 値 を表 す.ド ラ ム型 ミキ サ に よ る 圧 力 損 失 は, 謝 辞:本 研 究 を 行 う に 際 し,御 指 導,御 協 力 を惜 し ま な
概 ね30kPaで あ っ た.ま た,圧 送 元 圧 は 約130kPaで あ り, か っ た 関 係 諸 氏 に厚 く謝 意 を 表 す.
汎 用 コ ン プ レ ッサ の 仕 様 や 作 業 船 の 圧 送 機 仕 様 を考 慮 す
れ ば 実 用 上 問 題 の な い値 で あ る.
参 考文献
1) 車 田 佳 範 他:石 炭 灰 を 活 用 し た 浚 渫 粘 性 土 の 管 中混 合
6. 結論
固 化 処 理 工 事,電 力土 木,No,291,pp.131-133,2001.
2) 坂 本 暁 紀:管 中 混 合 固 化 処 理 工 法,ヘ ド ロ,No.73,pp.
本 研 究 で は,空 気 圧 送 過 程 に お け る 浚 渫 土 と 固化 材 の 41-46,1998.
混 合 促 進 を 目的 に,圧 送 管 路 途 中 に 中 空 円筒 状 の シ ン プ 3)財 団 法 人 沿 岸 開 発 技 術 研 究 セ ン タ ー:管 中 混 合 固 化 処
ル な 構 造 の 非 動 力 型 ミ キ サ を設 置 す る 新 た な 圧 送 方 法 を 理 工 法 技 術 マ ニ ュ ア ル,pp.55-56,2001.
提 案 し,プ ロ トタ イ プ実 験 に よ り施 工 性,経 済 性の観点 4) 財 団 法 人 沿 岸 開 発 技 術 研 究 セ ン タ ー:管 中 混 合 固 化 処
か ら本 工 法 の 有 用 性 を確 認 した.さ ら に,ミ キ サ の 形 状 理 工 法 技 術 マ ニ ュ ア ル,pp.58-59,2001.

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