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児童・進路指導論 2単位め

科目概要

現代社会︎価値観︎多様化や私事化傾向︎なかで、児童︎家庭や社会におけ
る規範意識︎変容から、学校教 育における生徒指導︎内容も多岐にわ
たり複雑化している。そこで「自己指導能力」︎育成を積極的意義と
して捉える生徒指導︎学校教育における位置づけを知る。指導におい
て学級経営を︎じめとする教師︎活動を理解する。 また、学校・家
庭・地域︎協働、連携による指導体制づくりが必要なことを理解し、
将来︎社会を担う児童︎「生き方 =キャリア教育」も踏まえた、広い視
野から生徒指導︎意義・目的・内容を理解する。

【レポート課題】

次の項目のうちから一つを選択し、児童に対する指導に
ついて述べなさい

2反社会的行動(特に「いじめ問題」等)

※選択した項目に○印を付ける

生徒指導の内容は、大別すると次の3つに分けられる。
第一に、児童の人格の育成を目指す発達的な指導である。
第二に、現実の問題等に対して適応したり回避したりす
るための予防的な指導である。第三に、問題行動等に対
する規制的あるいは対症療法的な指導である。本論では
このうち第三にあげた問題行動に対する指導の中でも、
「反社会的行動」と言われるものに着目しまとめていき
たい。

生徒指導の対象となる問題行動の中で、主に外側へ反
抗の形をとる暴力行為やいじめといった問題行動を「反
社会的問題行動」と言う。暴力行為に関して言えば、仲
間同士の暴力(生徒間暴力)が多く、そのほかにも対教師
暴力や対人暴力、器物損壊等も暴力行為として含まれる。

暴力行為の他に「反社会的行動」として「いじめ」が
あげられる。いじめの件数は暴力行為と比べても発生件
数ははるかに上回っている。これはそれだけ被害者となっ
ている児童が多いことがわかる。以前は「自分より弱い
ものに対して一方的に、身体的・心理的な攻撃を継続的
に加え、相手が深刻な苦痛を感じているもの」を「いじ
め」と定義していた。しかし、平成18年に変更がなされ、
一定の人間関係のあるものから、心理的・物理的な攻撃
を受けたことにより、精神的苦痛を感じているもの」と
定義された。つまり、いじめられている側(被害者側)の
精神的・身体的な苦痛を見直すことによっていじめを認
知しやすいような形にした。「いじめ」の場合には 一方
的 や 継続的な攻撃を加える や (被害者側の)深刻な苦痛
といったことを外側から認識することが難しいため、い
じめがあるのかないのかを見分けることが被害者の苦痛
を早く取り除くためにも重要であるといえる。いったん
いじめにあうと、いじめを受けた児童・生徒は学校に対
して疎外感を持ち、不登校に陥るという深刻な事態に発
展しがちであるとともに、命に関わる事件も時として生
じてしまうこともある。また、現代社会においてはケー
タイやインターネットを使用した陰湿ないじめも増えて
おり、これらに対しては把握する方法や対策が難しいこ
とから、教員としてこれらに対する必要な知識を得るこ
とは必要不可欠なことであるといえる。

実際に「いじめ」が発見された場合には、学校内を中
心として教師はどのような指導・対応をとったら良いの
だろうか。職員会議などを通しての共通理解はもちろん
のこと、学校だけで解決するのではなく保護者や地域な
どといった横の連携を密にすることも大切なことである
といえる。また、 先生に相談すると確実に効果があった
というような実績を常日頃から積み重ねていくことがい
じめを防ぐ上でも、いじめを早く認識する上でも重要で
ある。また、いじめを受けた子どもに はっきりと抵抗す
る ことが良い解決策であるということを教えることも大
切である。同時に 仕返し を招いてしまうことがないよ
うに、具体的な方策をとって支援体制をしくことが何よ
り重要なことである。「いじめ」を行なった児童・生徒
に対しては、他人の痛みを理解できるようにする指導を
根気強く継続して行うことや、場合によっては出席停止
等の措置を講じたり警察との連携を図る時があるという
こと、このような措置を講じることについて保護者や教
育委員会との間に、日頃から十分な共通理解を持ってお
くということが大切である。加害者側である児童・生徒
に対しては毅然とした態度で根気強く指導をし、学級経
営を行う際にもクラスの児童に「いじめ」は非人間的で
あるということ、他者の人権を侵す行為であるというよ
うに、絶対に許されないということを理解させることが
大切である。

「いじめ」を未然に防ぐために、 弱いものをいじめる
ことは人間として絶対に許されないこと という強い認識
を児童に持たせ、「いじめ」が発生している場合にはい
じめられている子どもの立場に立った指導を行い、家庭・
学校・地域社会などの全ての関係者が一体となって真剣
に解決に向けて連携し、取り組むことが大切であるとい
える。「いじめ」を許さない学級経営を行うとともに、
加害者側・被害者側それぞれに適切な指導を行うことが
教師には求められているといえる。

参考文献

改訂 生きる力が育つ生徒指導と進路指導

松田文子・高橋超編著 北大路出版 2013年

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