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SRP Player Pro + MDX-540

MDX-540A
ステップアップガイド
Step 2
(標準スピンドル用 /ATC スピンドル用 FAN 作成編)

SRP Player Pro と MDX-540A


両面加工の習得
本書をお読みになる前に
加工機本体及び ZAT-540 のユーザーズマニュアルをお読みください。

このたびは本製品をお買い上げいただきまして、誠にありがとうございました。
○ 本書の内容の一部または全部を、無断で複写・複製することはできません。
○ 本製品の仕様ならびに本書の内容は、予告なしに変更することがあります。
○ 本製品および本書の内容について、万一ご不審な点や誤り、記載漏れなど、お気づきの点がありましたら、
当社あてにご連絡ください。
○ 本製品の故障の有無にかかわらず、本製品をお使いいただいたことによって生じた直接ないし間接的な損害
に対して、当社は一切の責任を負いません。
○ 本製品により作られた製作物に対して生じた、直接ないし間接的な損害に対して、当社は一切の責任を負い
ません。
目次 ページ

1 製作物の説明 2

用意するもの 3
2 ■オプション品
■その他準備品
|
7

加工データ作成
■SRP Player Proの初期設定
■モデルデータ読込み
■ワーク設定
■プロジェクト作成 8
|
3 ■CL生成
■シミュレーション
36
■加工データ ファイル出力
■台座面出しデータ ファイル出力
■捨て板面出しデータ ファイル出力
■ワーク面出しデータ ファイル出力
■ワーク位置決め穴データ ファイル出力
■捨て板位置決め穴データ ファイル出力

準備作業 加工機
■面出し用ツール取付(MDX-540使用時) 37
4 ■ATCツール取付(MDX-540A使用時)
■MDX-540/540A本体の起動
|
45
■マガジンセット(MDX-540A使用時)
■工具(ツール)長補正(MDX-540A使用時)

準備作業 台座加工 46
5 ■台座用ワーク取付
■XYZ原点設定
|
48
■台座面出し加工

準備作業 捨て板加工 49
6 ■捨て板用ワーク取付
■XYZ原点設定
|
51
■捨て板面出し加工

準備作業 ワーク加工 52
7 ■製作物用ワーク取付
■XYZ原点設定
|
54
■ワーク面出し加工

55
表面加工準備
8 ■ツール交換(MDX-540使用時)
■XYZ原点設定
|
56

9 表面加工データ出力 57

反転作業 58
10 ■ワークへの位置決め穴加工
■捨て板への位置決め穴加工
|
60
■ワーク反転取付作業

11 裏面加工データ出力 61

12 製作物の取外し、完了 62
-1-
1.製作物の説明
2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12

1.製作物の説明

本ガイドで製作する製作物は、
MDX-540 = 「fan(EY16-42)」
MDX-540A = 「fan(NDC7S)」
です。

fan(EY16-42) fan(NDC7S)

本ガイドで製作する
製作物のワーク(材料)は
「POM(ポリアセタール)」です。
サイズは50*50*8mmです。

POM

高さ:8mm

fan(EY16-42)、 fan(NDC7S)
の外寸法は図の通りです。

直径:42mm 高さ:8mm
直径:42mm

fan(EY16-42) fan(NDC7S)
製作物大きさ

fan(EY16-42)、 fan(NDC7S)は、
切削くず飛ばしとして使用できます。

fan未使用加工時 fan使用加工時

用途

-2-
2.用意するもの
1 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12

2.用意するもの
■オプション品

図の2本のツールを用います。

1本ずつ用意してください。

刃先半径(R) = 1.5mm
刃長(Lc) =10.0mm
有効長( I ) = 12.0mm
全長(L) = 65.0mm
ボールエンドミル ZUB-150
ボールエンドミル シャンク径(d) = 3.0mm

刃先径(φ) = 10.0mm
刃長( I ) = 25.0mm
全長(L) = 70.0mm
シャンク径(d) = 10.0mm
ストレートエンドミル ストレートエンドミル ZHS-1000

-3-
2.用意するもの
1 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12

■オプション品(MDX-540使用時)
■MDX-540オプション
ツールを取り付けるにはコレットが
必要です。

用いるコレットは写真の2種類です。

それぞれ、
シャンク径φ 3.0mm
シャンク径φ10.0mm
の工具に対応します。

各1個ずつ用意してください。

(1) コレット EY16-3 (2) コレット EY16-10

-4-
2.用意するもの
1 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12

■オプション品(MDX-540A使用時)
■MDX-540Aオプション

(1)ATC用ツールチャック
15T-NDC10-52-PB
1個準備します。

(2)ATC用ツールチャック
15T-NDC7S-55-PB
(1)ATC用ツールチャック (2)ATC用ツールチャック
1個準備します。
15T-NDC10-52-PB 15T-NDC7S-55-PB
(3) ATCツールチャック用
コレット YCC7-3
シャンク径φ3mmツール用コレットです。
1個準備します。

(4) ATCツールチャック用
コレット YCC10-10
シャンク径Φ10mmツール用のコレットです。
1個準備します。

(5)フックスパナ FS-22
「ATC用ツールチャック
15T-NDC7S-55-PB」専用のスパナ
1個準備します。 (3) ATCツールチャック用 (4) ATCツールチャック用
コレット YCC7-3 コレット YCC10-10

(6) フックスパナ FS-33


「ATC用ツールチャック
15T-NDC10-52-PB」専用のスパナ
1個準備します。

(5) フックスパナ FS-22 (6) フックスパナ FS-33

-5-
2.用意するもの
1 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12

■その他準備品
■ツールクランプ(MDX-540A使用時のみ)
ATCツールチャックにツールを固定する際、交換作業がやりやすくなります。

本ガイドではツールクランプの使用を前提として、進めていきます。 ツールクランプ
YTC-15

■ワーク(台座用と製作物用)
1.200*100*80(mm)のケミカルウッド(硬) 1個(台座用)
2.140*50*17(mm)のケミカルウッド(硬) 1個(捨て板用)
3.50*50*8(mm)のPOM(ポリアセタール) 1個(製作物用)
ケミカルウッド(硬) POM
(ポリアセタール)
ポイント
「台座」用ワークは「SRP Player Pro+MDX-540ステップアップガイド ステップ1」で使用した、
「台座」用ワークと全く同サイズのため流用が可能です。

【ワークを準備する時気をつける点】
1.製作物寸法以上のサイズを準備する
製作物寸法と同サイズのワークの場合、加工機本体のX軸あるいはY軸に対し、
少しでも傾けて取付けてしまうと、所望の製作物が得られない場合があります。
この様な場合は、
「製作物寸法に対して余裕があるワークを準備する」
という方法で解決します。
傾けて取付けたワーク

X 加工する製作物

2.両面テープで固定できる平面を最低一面は持つこと
準備した材料のどの面も平面で無かった場合(極端に言えば球体等)では、
単純に両面テープで固定しようとするのは困難です。
これらを固定する場合は特殊な固定冶具を使用するか、接着剤等を用いて固定すると言った、
やや複雑な方法を取る事となります。
従って、慣れないうちは少なくとも一面は平面を持つワークを準備します。

■固定具
両面テープ = ワーク固定に使用します。

両面テープ

-6-
2.用意するもの
1 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12

■その他準備品
■取り外し具
エタノール(エチルアルコール) = 両面テープを剥すのに使用します。
スクレーパ = ワークを台座から取り外すのに使用します。
ニッパー = モデルを枠から切り離すのに使用します。

スクレーパー ニッパー エタノール

■平行ピン
平行ピン
表・裏の両面加工時の位置決め用として用います。
直径φ5mm*全長14mm 2本 平行ピン

■ノギス/金尺
ノギス = 材料の厚みを測るのに用います。
金尺 = 大まかな寸法を測るのに用います。
ノギス 金尺

■掃除道具
集塵機 / ブラシ等
切削くずの掃除用に使用します。

■各種ファイル
MDX-540使用時
1. fan(EY16-42).igs(標準スピンドルFAN用3Dデータ)
2.frame1.igs(製作物反転加工用枠3Dデータ)

MDX-540A使用時
1. fan(NDC7S).iges(ATCスピンドルFAN用3Dデータ)
2.frame1.igs (製作物反転加工用枠3Dデータ)

上記のファイルはこの時点でコンピュータのデスクトップ上に準備しておいてください。

準備頂いたモノについて

取扱い説明書や注意ラベルに従い、正しくお取扱い下さい。

-7-
3.加工データ作成
1 2 4 5 6 7 8 9 10 11 12

3.加工データ作成
■SRP Player Proの初期設定
1 「スタート」 → 「すべてのプログラム」 → 「SRP Player Pro」 → 「SRP Player Pro××」 を
クリックすると「SRP Player Pro」が起動します。

「オプション」 → 「環境設定」 を選択します。

-8-
3.加工データ作成
1 2 4 5 6 7 8 9 10 11 12

■SRP Player Pro の初期設定


3
(1)
(1) 「初期値」 タブをクリックします。
(2) (3)

(2) 「6mm」に設定します。

(4) (3) 「荒取りのエアカットの削除を行う」


にチェックを入れます。

(4)「自動クリアランスの最適化を行う」
にチェックを入れます。

(5) 「適用」 をクリックします。

(5)

ポイント
(2)「マージン」の設定は「6mm」を推奨します。

マージンが5mm、ツール径が10mmの場合 マージンが6mm、ツール径が10mmの場合
(ワークサイズがモデルより10mm大きくなる)
NG (ワークサイズがモデルより12mm大きくなる)
OK

MDX-540/540Aで使用できるツール径は マージンが最大ツール半径分(5mm)+仕上げ代
最大10mm(ツール半径は5mm)です。 (デフォルトで0.5mm)以上あり、ツールがモデル
マージンが5mmだとツール径10mmでは半径分し (仕上げ代含む)の外側まで移動できるので、
かモデルの外側に移動できないので、仕上げ代を モデル側面が切削できます。
含めたモデル側面が切削できなくなります。

0.5 (仕上げ代) 0.5 (仕上げ代)

モデル側面 モデル側面
モデル モデル (仕上げ代)
(仕上げ代)
が削れない が削れる

ツール ツール
ワーク 半径(5mm) 半径(5mm)
ワーク
(ツール移動範囲) (ツール移動範囲)
ツール
ツール
(直径10mm)
(直径10mm)
40 5(マージン) 40 6(マージン)
50 52

(ツール中心はワークサイズ輪郭上を移動) (ツール中心はワークサイズ輪郭上を移動)

通常材料サイズはモデルサイズより数mmから10mm程度大きめにします。

(3)「エアカット」とはツールが材料を切削しないで移動する状態を言います。
「荒取りのエアカットの削除を行う」 にチェックを入れることで、加工時間を短縮することができます。

(4) 「自動クリアランスの最適化を行う」にチェックを入れることで、エアカットを少なくすることができます。

-9-
3.加工データ作成
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■SRP Player Proの初期設定


4 (1)
(2)
(4) (1) 「加工機設定」 タブをクリックしま
す。
(3)
(2) 「MDX-540」 選択します。

(3) 「RML-1」 にチェックを入れます。

(4) MDX-540A使用時は、
「ATC」にチェックを入れます。

(5) 「適用」 をクリックします。


(5)

5 (1) (1) 「加工データ出力」 タブをクリック


します。
(2)
(2) 「ファイル」 にチェックを入れます。

(3) 任意の場所を指定します。
(3) ここではデスクトップ上としました。

(4) 「すべてのプロファイルを個別に
出力」 にチェックを入れます。

(5) 「OK」 をクリックします。


(4)
以上で 「SRP Player Pro」 の初期設
(5) 定は終了です。

ポイント
(4)「すべてのプロファイルを個別に出力」を選択しておくことで、切削条件の変更などの再出力を簡単に
することができます。
個別ファイルになっても、出力時はまとめて出力できます。

- 10 -
3.加工データ作成
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■モデルデータ読込み
1

(3)

(2)

(1) 「SRP Player Pro」 → 「ファイル」 → 「開く」 を実行します。


(2) 「ファイルの種類」 で 「IGES FILES(*.igs,.*iges)」 を選択します。
(3) デスクトップ上の 「fan(EY16-42).IGS」(MDX-540使用時)
または 「fan(NDC7S).IGS」 (MDX-540A使用時)を選択し 「開く」 をクリックします。
ポイント
(2)読み込むデータと同じファイル形式を選択してください。「All Type Files」を選択してもかまいません。
すべての形式のファイルを表示します。

2
(1) 保存する位置を指定します。
ここではデスクトップ上としました。

(2) 「OK」 をクリックします。


(1)

(2)

3
見やすくするため「シェーディング」アイコン
をクリックし、シェーディング表示にします。

シェーディング表示
アイコン

- 11 -
3.加工データ作成
1 2 4 5 6 7 8 9 10 11 12

■ワーク設定
1

「新規ワーク」 アイコンをクリックします。
新規ワーク
アイコン

2
(1) 「マージン」 の数値を、
X最大側・最小側 = 4.000
Y最大側・最小側 = 4.000
Z最大側・最小側 = 0.000
に変更します。

(1) (2) 「OK」 をクリックします。

(2)
ポイント
(1)準備する材料の厚さは「面だし」(P48「3」「ポイント」参照)により8mm丁度となるので、Zのマージンは
「0.000」とします。

X/Yのマージンは、後で読み込む外枠のサイズが50mm角なので、ワークサイズが約50mmになるよう
X最大最小、Y最大最小とも「4.000」を入力しています。
・結果としてマージンは約ゼロになります。これは外形を加工しない場合の設定方法です。

外枠を読み込んだ状態でのマージンの値

一般的なマージン設定は「初期設定」の「マージン」(9頁)を参照してください。

3
画面上のモデルを囲む様に黄色い線で
「ワーク」 が設定されます。

- 12 -
3.加工データ作成
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■プロジェクト作成
1

「プロジェクト作成」 アイコンをクリックします。

プロジェクト作成
アイコン

2
(1)
(1) 「表」 と入力します。

(2) 「次へ」 をクリックします。

(2)

ポイント
(1)プロジェクトの名前は自由に付けられます。
また、後での変更も可能です。

3
(1)
「材質の選択」

(1) 「ポリアセタール」 を選択します。

(2) (2) 初期値セットを 「標準(樹脂系)」 とします。

(3) 「次へ」 をクリックします。


(3)

ポイント
(2)高精度/標準では「面粗度」と「曲率精度のステップ」の設定が違います。
通常は「標準」を選択してください。

・樹脂材料でもアクリルなどは「この材料は硬度が高いため金属系の加工条件設定をお奨めします。」
とメッセージが出ます。

- 13 -
3.加工データ作成
1 2 4 5 6 7 8 9 10 11 12

■プロジェクト作成
4
(1) 「加工方向の決定」

(1) 「+Z」 にチェックを入れます。


(2)
(2) 「最下部」 にチェックを入れます。

(3) (3) 「次へ」 をクリックします。

ポイント
(2)「加工高さ範囲」設定は、羽が斜めに
なっているため、表裏両面とも「最下部」
表からの加工
まで加工が必要です。
最下部 ツール

ツール
最下部
裏からの加工

5
(1) (2) 「プロジェクトの原点」

(1) 中央部 にチェックを入れます。

(2) 「ワーク上面」 にチェックを入れます。

(3) (3) 「次へ」 をクリックします。

ポイント

(1)「ワーク中央」を使用すると、両面加工での「位置決め穴」
加工時、中心振り分けで設定できるので便利です。
モデル

(2) ・ワーク上面:通常こちらで設定します。
中心原点 ・中間面 :回転軸を使用する場合の設定です。
位置決め
ピン穴 ・ワーク底面:モデルの高さが変わっても加工機のZ原点
を変える必要がありませんが、台座が機械
加工範囲 の加工範囲全面の大きさの場合、
両面加工時に「位置決め穴」を台座に
n n 開けることができません。

中心振り分け:n=nで設定 加工機本体側で設定した「ユーザ原点」が、ここで設定した
原点と一致します。

- 14 -
3.加工データ作成
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■プロジェクト作成
6
「切削工程の構成」
(1)
(1) 「荒取り(等高線)」 「仕上げ(等高線)」 に
チェックを入れます。

(2) 「次へ」 をクリックします。

(2)

ポイント
(1)ここで表示されていない工程(プロファイル)は、プロジェクト作成後に 「プロジェクト編集」で追加する
ことができます。

7
(1)
「工具選択1」

(1) 「ZUB-150」 を選択します。

(2) 「次へ」 をクリックします。

※「SRP Player Pro」では、


(2) 「ツール」 を 「工具」 と呼称します。

ポイント
(1) 曲面の多いモデルの加工にはボールエンドミルが適しています。
・このモデルは羽と羽の隙間が約3mmなので、直径3mmの「ZUB-150」を選択します。
・荒取りに直径6mmを使用すると荒取りの加工時間(表:25分14秒→17分31秒)は早くなりますが、
仕上げ用の工具交換を作業者が行わなければならず、段取りで却って時間を要します。
・切削に1時間以上かかるような場合には、太めの工具を使用すると加工時間が短縮できます。

8
(1)
「工具選択2」

(1) 「ZUB-150」 を選択します。

(2) 「次へ」 をクリックします。

(2)

- 15 -
3.加工データ作成
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■プロジェクト作成
9

「完了」 をクリックします。

「SRP Player Pro」 画面左側に、


「プロジェクト編集」 ダイアログが表示されます。

10
「プロジェクト編集」 ダイアログ内で作業を行います。

(1) (1) 「荒取り」 又は 「等高線仕上げ」 を選択します。

(2) 工具設定アイコンをクリックします。
(2)

(3) 「切削送り量」 を下記の様に設定します。

「荒取り」 選択時(選択工具:ZUB-150)
「回転数:12000 rpm」
「送り速度:1480 mm/min」

「等高線仕上げ」選択時(選択工具:ZUB-150)
「回転数:12000 rpm」
(3) 「送り速度:1480 mm/min」
(4)
(4) 「OK」 をクリックします。

(5) 「はい」 をクリックします。

(5) ! 必ず「荒取り」「等高線仕上げ」共に設定してください。

- 16 -
3.加工データ作成
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■プロジェクト作成

10
ポイント
(3)「切削送り量」の決定

回転数と送り速度は下の表を参考にしてください。
ツールの磨耗状況、取り付け長さによっても最適条件は変化します。
切削状況を確認しながら調整してください。

「回転数」表示の右「切削速度」欄に刃先速度が、「送り速度」表示の右「1刃送り量」が表示されます。
これはメニュー「オプション」「登録データ編集」「材質・加工条件」で設定されている値です。
※「1刃送り量」は材料として一定でも、工具径が小さくなると小さくする必要があります。

「回転数」・「送り速度」を変更すると、「切削速度」・「1刃送り量」が自動的に計算されて表示されます。

MDX-540の場合、回転が低いとモータ出力が低くなるので、6mm以上の工具では6000rpm以上で
使用することをお勧めします。

ツール
上表は、
工具有効長/工具径= 3以下 の時のものです。
工具有効長/工具径= 5以下 の時は上表の60%
工具有効長/工具径=10以下 の時は上表の30% 工具有効長
と、します。
工具径

- 17 -
3.加工データ作成
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■プロジェクト作成
11 「プロジェクト編集」ダイアログにて、
(1) (2)
(1) 「荒取り」プロファイルを選択し、
「仕上げ代 = 0.200 mm」 と設定します。

(2) 「等高線仕上げ」プロファイルを選択し、
「仕上げ代 = 0.000mm」 と設定します。

(3) (4) (3) 「荒取り」プロファイルを選択し、


「開始 = 0.000mm」
「終了 = -8.000mm」 と設定します。

(4) 「等高線仕上げプロファイルを選択し、
「荒取り」加工高さ範囲 「等高線仕上げ」加工高さ範囲 「開始 = -0.010mm」
「終了 = -8.000mm」 と設定します。

ポイント
(1)荒取りでの仕上げ代は0.1~0.5mm程度の値を使用します。
細いツールほど小さめの値でよいでしょう。
・仕上げ代を決まった値で使用したい場合、メニュー「オプション」「プロファイル初期値」から
変更することができます。

(2)仕上げでの仕上げ代は通常「0.000」を使用します。
荒取りの加工表面は階段状・波状になることが一般的です。このまま仕上げを行った場合、仕上げ代
が一定でないため、金属材料などで仕上げ面にムラが発生することがあります。
このような場合には「中仕上げ」と呼ばれる、仕上げ代に0.1~0.2mmを設定した仕上げプロファイルを
最終仕上げの前に追加すると効果的です。

(4)ワーク上面は面出しで既に仕上がった状態になっているので、開始範囲を「-0.01」として表面にCLが
出ないようにします。

- 18 -
3.加工データ作成
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■プロジェクト作成

12
(1)「荒取り」 プロファイルを選択し、
(1) 詳細設定アイコンをクリックします。

(2) 「加工高さ」 タブをクリックします。


「等高線荒取り設定」ダイアログ
(3) 「垂直ピッチ高さ」 にチェックを
(2)
(4)
入れ 「0.33mm」 と設定します。

(4) 「加工パターンとアプローチ」
(3)
タブをクリックします。
(5)
(5) 「垂直」 のチェックを入れます。

(6) 「OK」 をクリックします。

(6)

ポイント
(3)「垂直ピッチ高さ」の設定は下の表を参考にしてください。

上表は、 ツール
工具有効長/工具径= 3以下 の時のものです。
工具有効長/工具径= 5以下 の時は上表の60%
工具有効長/工具径=10以下 の時は上表の30%
工具有効長
と、します。
工具径
(5)「形状輪郭基準アプローチ」で「円弧」を選択すると、アプローチが水平方向からとなります。モデル側面
まで切削する場合は、指定範囲の外側からアプローチが発生します。

- 19 -
3.加工データ作成
1 2 4 5 6 7 8 9 10 11 12

■プロジェクト作成
13
(1) 「等高線仕上げ」 を選択します。
(1) 詳細設定アイコンをクリックします。

「等高線仕上げ設定」ダイアログ
(2) 「加工高さ」 タブをクリックします。
(2)
(3) 「垂直ピッチ高さ」 にチェックを入れ 「0.15mm」 と
(3) 設定します。

(4) (4) 「等高線オプション」 タブをクリックします。

(5) 「0.15mm」 と設定します。

(5)

(6) (6) 「アプローチと接続移動」 タブをクリックします。


(7) (7) 「垂直」 をチェックします。
(8) (8) 「あり」 をチェックします。

(9) 「OK」 をクリックします。

(9)

ポイント
(3) 「垂直ピッチ高さ」は傾斜面仕上げの場合、工具径の5~10%程度を使用します。細かい値にするほど
精密な仕上がりになりますが、加工時間も長くなります。

(5)「オフセットピッチ」も、ボールエンドミルの場合垂直ピッチと同等(工具径の5~10%程度)に設定します。
ストレートエンドミルで平面部を仕上げる場合は、工具径の40~60%程度を使用します。

(7)「アプローチ」を「円弧」で選択すると、アプローチが水平方向からとなります。モデル外形まで切削
する場合は、指定範囲の外側からアプローチが発生します。

(8)「接続移動」で「あり」をチェックします。余分なエアカットがなくなり、加工時間が早くなります。

- 20 -
3.加工データ作成
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■プロジェクト作成

14 「サポート」の設定

(1)
(1) 「図形」 → 「サポートライブラリ」 をクリック
します。

(2) 「台形」 をクリックします。

(3) L:「3.50mm」、H:「1.00mm」、W:「2.00mm」
と入力します。

(4) 「X-] をチェックします。

(5) 「表示」 → 「視点」 → 「Left」 を選択し、


左側面を表示させます。

(6) 羽の端面に沿うよう (5)参照


「サポート挿入位置」 「中央からの移動量」に
「5.00mm」、
(2) 「挿入高さ」 の 「中央からの移動量」 に
「3.70mm」 を入力します。
(3)
(7) 「挿入」をクリックします
サポートがワイヤーフレーム表示から赤く
(4)
変わったことを確認してください。

(8) 「X+」 をチェックします。


(8)
(9) 「サポート挿入位置」 「中央からの移動量」 に
「-5.00mm」 を入力し「挿入」をクリックします。
(7)
(6) (10)「サポート挿入位置」 「中央からの移動量」に
(13) 「5.00mm」、
「挿入高さ」 「中央からの移動量」に
「-1.60mm」 を入力し「挿入」をクリックします。

(11) 「X-」 をチェックします。

(12) 「中央からの移動量」 に 「-5.00mm」 を入力


(5) し 「挿入」 をクリックします。

(13) 「閉じる」 をクリックします。

- 21 -
3.加工データ作成
1 2 4 5 6 7 8 9 10 11 12

■プロジェクト作成

14
ポイント

ガイド中の製作物は裏面切削の場合、台座に固定される部分は中央円筒部薄肉のみになり、
十分な固定ができません。そのため、外枠及びそれにつながるサポートの設定が必要です。
サポートや外枠はCADで付けておく事も可能です。

反転したとき、この部分のみが台
座に接触する

(3) ここで設定したサポートの長さだと、サポートとモデルが離れていますが、切削時工具はこの隙間
には入りません。これはサポートがモデルに与える影響を少なくするためです。

サポートが離れていると、モデルよりサポートが サポートが接触していると、モデルよりサポートが
太くても、隙間部分が細くなって切り離しやすい 太い場合、切り離し・仕上げに手間がかかる

- 22 -
3.加工データ作成
1 2 4 5 6 7 8 9 10 11 12

■プロジェクト作成
15

(3)

サポートをすべての羽にコピーします。

(2) (1) サポートを一箇所クリックします。

(1) (2) 続けてキーボードの 「Ctrl」 を押しながら、


残りのサポートを順次クリックします。

(3) 「図形」 → 「回転移動」 を選択します。

(4)

(6) (4) 「Z軸廻り」 をチェックします。

(5) 「60.0」 を入力します。

(5),(8) (7),(9) (10) (6) 「コピーを作成」 をチェックします。

(7) 「適用」 をクリックします。

(8) 「120.0」 を入力します。

(9) 「適用」 をクリックします。

(10) 「閉じる」をクリックします。

ポイント
サポートはX/Yのプラス/マイナス4方向からしか設定できません。
しかしこのガイドの方法を用いると円周方向に配置できます。

円周方向でないが、斜めに配置したい場合次のように操作します。
・サポートを一つ選択して希望の向きに回転移動させる。
・それを希望の位置へ平行移動させて配置する。

- 23 -
3.加工データ作成
1 2 4 5 6 7 8 9 10 11 12

■プロジェクト作成

16
外枠データを読み込みます。

(1) (1) 「ファイル」 → 「ファイルの追加」をクリック


します。

(2) 「frame1.igs」ファイルを開きます。

(2)

ポイント
外枠データはCADで作成しますが、
座標の向きをモデルに合わせておくことが重要です。

向きが違っていると、読み込んだ後回転移動や平行
移動で位置を合わせる作業が発生してしまいます。

- 24 -
3.加工データ作成
1 2 4 5 6 7 8 9 10 11 12

■プロジェクト作成

17 裏面の加工工程を作成します。
「表」プロジェクトをコピーします。

(1)
(1) 「プロジェクトコピー」 アイコンをクリックします。

(2) 「裏」 と入力します。

(3) 「カレントプロジェクトに設定する」にチェック
します。

(4) 「OK」 をクリックします。

(2)
(3)
(5) 「プロジェクト」 → 「加工方向」をクリック
(4) します。

(6) 「-Z」 にチェックします。


(5)
(7) 「OK」 をクリックします。

(8) 「OK」 をクリックします。

ポイント
(2) プロジェクト名は自由に設定できます。

(3)「カレントプロジェクトに設定する」 にチェック
を入れておくと、コピーしたプロジェクトが
表示されます。

(6)
(8)
(7)

- 25 -
3.加工データ作成
1 2 4 5 6 7 8 9 10 11 12

■プロジェクト作成

18 中央部穴を加工範囲から除外します。

(2)
(1)
(1) 「荒取りプロファイル」 を選択します。

(2) 「加工範囲設定」 アイコンをクリックします。

(3) ワイヤーフレーム表示に切り替えます。

(4) 左クリックする度に、クリックした点を繋ぐ連続した
(5)
直線が引けますので、中央穴を囲みます。
最後の点をクリックしたら右ボタンをクリック
し「確定」をクリックします。
(4)
(3) (5) 「島残し」アイコンをクリックします。

(6) 「島残し」設定になると上図の表示が下図に
変わります。

(6)

「荒取り」プロファイルで設定した加工範囲を
「仕上げ」プロファイルにコピーします。

(7) 「プロファイル」 → 「加工範囲」 → 「コピー」


(7) をクリックします。
(8) 「等高線仕上げ」 をクリックします。

(9) 「OK」 をクリックします。

ポイント
このまま全面を加工すると、中央穴は表側から加工
しているので重複加工となります。
※「島残し」設定とは、指定した範囲を加工しない機能
(8) です。

中央部穴を加工範囲から除外することで、加工時間は
荒取り 27分19秒→16分05秒
(9) 仕上げ 23分58秒→21分16秒 と短縮されます。

- 26 -
3.加工データ作成
1 2 4 5 6 7 8 9 10 11 12

■プロジェクト作成

19

(2)
等高線仕上げでは中央穴は未加工です。
よって、表側加工での削り残しがあるので、
(1) 削り取る工程を作成します。

(1) 「等高線仕上げ」 プロファイルを選択します。

(2) 「プロファイルコピー」 アイコンをクリックします。

(4)
(3) 「等高線仕上げ1」 プロファイルをクリックします。
(3)
(4) 「島残し」 アイコンをクリックします。
(4-1) (4-1)表示が変わります。

(5) 「終了」 に 「-3.000」 を入力します。


(5)

ポイント
このまま等高線仕上げプロファイルで中央穴を加工から除外すると、表側から加工したボールエンドミル
のRが残ってしまうので、R残り部のみの加工用プロファイルを追加します。

(5)工具R1.5なので、3.0mmと設定しています。

この範囲が切削されずに残っている
ツール

ワーク

3.0
1.5

片面からのみの加工の場合は、メニュー「プロジェクト」「捨て板」からモデル下部に捨て板を設定すること
で、モデル底面より、捨て板の厚み分だけ深く削り込むことができます。
これで工具半径分切削範囲を深くすることで削り残しを防ぐことができます。

- 27 -
3.加工データ作成
1 2 4 5 6 7 8 9 10 11 12

■CL生成
1 (1) 「加工データ」 → 「CL生成」 →
「カレントワーク」 をクリックします。
(1)
(2) 「はい」 をクリックします。

(2)

ポイント
(1)「プロジェクトの全CL生成」アイコンからでも、
表示プロジェクト(カレントプロジェクト)すべての
プロファイルのCL生成を開始できますが、
表示されていないプロジェクトは別途CL生成する
必要があります。

2
下記コンピュータで、
約6分程度掛かります。

CPU:Intel(R) Core(TM)2 Duo


クロック:2.33GHz
メモリー:2GB

(お使いのコンピュータの性能に
よって生成時間は異なります。)

3
終了と生成時間を知らせるダイアログが出ます。

(1) 「OK」 をクリックします。

完了すると、「プロファイル編集ダイアログ」の
各プロファイルの右空欄に青色でチェックが入ります。

(1) 以上でCL生成は終了です。

ポイント
(2) 「シミュレーションの状態」(各プロファイルの右欄)に
オレンジ色でチェックが入ると「干渉」が起こっています。
チェックをダブルクリックすると干渉内容が表示されます。

ヘルプの 加工データ(C)>シミュレーション(S)>干渉
チェック結果(C) を参考に対策してください。

- 28 -
3.加工データ作成
1 2 4 5 6 7 8 9 10 11 12

■シミュレーション
1

「プロファイル編集」ダイアログ内で、
「荒取り」か「等高線仕上げ」を選択します。

その後、「切削結果表示」アイコンを
クリックします。

「荒取り」あるいは「等高線仕上げ」の切削
切削結果表示 結果が表示されます。
アイコン

「荒取り」切削結果表示 「等高線仕上げ」切削結果表示

(1) 「プロジェクト詳細」 アイコンをクリックします。

各プロファイルの詳細情報と共に、加工予測時間の確認が
できます。

(2) 確認後 「OK」 でダイアログを閉じます。


(1)

(2)

- 29 -
3.加工データ作成
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■加工データ ファイル出力
1 (1) 「加工データ出力」 アイコンをクリックします。

MDX-540とMDX-540Aでは若干、
(1) 表示ダイアログと手順が異なります。
(2) 加工データ出力先を「デスクトップ」とします。
加工データ出力
アイコン
(3) 「fan表」と入力し「適用」をクリック します。
MDX-540使用時 MDX-540A使用時

(2) (2)

(3)
(3)

(4)

(4) (5) (5)

(4) 「すべてチェック」をクリックします。
(4) 「荒取り」の工具No.に「2」を選択します。
「荒取り」「等高線仕上げ」
両方チェックされます。 「等高線仕上げ」は「荒取り」と同じ工具を
「荒取り」 = 「fan表1.rml」 使用するので、自動的に設定されます。
「等高線仕上げ」 = 「fan表2.rml」
というファイル名で出力します。
(5)「OK」をクリックします。
デスクトップ上にファイルが出力されます。

(6) (6)プロジェクトを「裏」にします。

(7)「加工データ出力」アイコンをクリックし、
(7) 再び「加工ダイアログ」を表示させます。

(8)プレフィックスに「fan裏」と入力、「適用」をクリックします。

MDX-540使用時 MDX-540A使用時

(9)「すべてチェック」をクリックし、 (9)「荒取り」で工具No.「2」を選択、
「OK」をクリックします。 「OK」をクリックします。
(10)デスクトップ上に
「荒取り」 = 「fan裏1.rml」
「等高線仕上げ」 = 「 fan裏2.rml」
「等高線仕上げ1」 = 「 fan裏3.rml」
が出力されます。
ポイント
加工データ出力は「ファイル」となっていますが、メニュー「オプション」「環境設定」「加工データ出力」で出力
先を設定すれば、加工機に直接出力することもできます。

(4)使用するツールをセットした「ストッカNo.」を選択してください。(MDX-540A使用時のみ)

- 30 -
3.加工データ作成
1 2 4 5 6 7 8 9 10 11 12

■台座面出しデータ ファイル出力
1 プロジェクト「表」で作業します。
(1)
(1) 「面出し設定」 アイコンをクリックします。

(2) 「OK」 をクリックします。


面出し設定
アイコン
(3) 「工具設定」ダイアログが表示されます。
(2) 以下の様に設定してください。
(3) 工具名 : ZHS-1000
回転数 : 8900rpm
送り速度 : 2810mm/min

(4) 設定後、 「OK」 をクリックします。


(4-1) (4-2)
(4) 「面出し設定」 ダイアログ内で作業します。

(4-1) 「加工条件」内を以下の様にします。
平面方向ピッチ : 4.000mm
開始高さ : 0.000mm
面出し量 : 1.000mm
(5) 切削ピッチ : 1.000mm
(4-3)

(4-2) 「プロジェクト原点」 にチェックを入れます。


モデル右側
(4-3) 「加工範囲」 を設定します。
モデル手前側 X: 200.000mm
Y: 90.000mm
モデル右側: 75.000mm
モデル手前側: 0.000mm

MDX-540 (5) 「OK」 をクリックします。


(6)
使用時
(6) 保存先をデスクトップ上、保存ファイル名は、
「surfacing_base.rml」
(7) となる様に設定してください。

(7) 「OK」 をクリックします。


デスクトップ上に、
MDX-540A 「surfacing_base.rml」 が生成されます。
使用時
(6)
これで「台座面出し」データができました。

(7)
ポイント
面出しデータはどのプロジェクトでも作業できます。

(4-3)X/Yの値を先に入力します。続いてモデルからの左右前後の数値を入力します。
左右、前後の数値は片方を入力すると、もう片方の数値が自動的に修正されます。

MDX-540A使用時、「工具No.」選択をしていませんが、「面出し」用ツールが、
ストッカNo.1にセットしてあることが前提です。No.1以外にセットしている場合には、そのNo.を選択します。

- 31 -
3.加工データ作成
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■捨て板面出しデータ ファイル出力
1 (1) 先に「台座面出しデータ出力」を終えておきます。

(1) 「面出し設定」 アイコンをクリックします。

面出し設定 「工具設定ダイアログ」は開きません。
アイコン 前回のZHS-1000が、引き続き使われます。

(2) (2) 「面出し設定」 ダイアログ内で作業を行います。


(2-1) (2-2)
(2-1) 「加工条件」内を以下の様にします。
平面方向ピッチ : 4.000mm
開始高さ : 0.000mm
面出し量 : 1.000mm
切削ピッチ : 1.000mm

(2-3) (2-2) 「プロジェクト原点」 にチェックを入れます。


(3)
(2-3) 「加工範囲」 を設定します。
モデル右側 X:140.000mm
Y: 50.000mm
モデル手前側 モデル右側: 45.000mm
モデル手前側: 0.300mm

(3) 「OK」 をクリックします。

(4) 保存先をデスクトップ上とし、保存ファイル名は、
「surfacing_plate.rml」 と設定してください。
MDX-540
使用時 (4) (5) 「OK」 をクリックします。
デスクトップ上に、
「surfacing_plate.rml」 が生成されます。

これで「捨て板面出し」データができました。
(5)

MDX-540A
使用時
(4)

(5)

- 32 -
3.加工データ作成
1 2 4 5 6 7 8 9 10 11 12

■ワーク面出しデータ ファイル出力
1 (1) 先に「捨て板面出しデータ出力」を終えておきます。

(1) 「面出し設定」 アイコンをクリックします。

面出し設定
アイコン 「工具設定ダイアログ」は開きません。
(2) 前回のZHS-1000が、
(2-1) (2-2) 引き続き使われるようになっています。

(2) 「面出し設定」 ダイアログ内で作業を行います。

(2-1) 「加工条件」内を以下の様にします。
(2-4) 平面方向ピッチ : 4.000mm
開始高さ : 1.000mm
(2-3) (3) 面出し量 : 1.000mm
切削ピッチ : 0.500mm

(2-2) 「プロジェクト原点」 にチェックを入れます。


モデル右側
(2-3) 「加工範囲」 を設定します。
モデル手前側 X: 50.000mm
Y: 50.000mm
モデル右側: 0.000mm
モデル手前側: 0.300mm

(2-4) 「回転数」、「送り速度」を設定します。
MDX-540 回転数 : 6000rpm
使用時 (4) 送り速度 : 1190mm/min

(3) 「OK」 をクリックします。

(4) 保存先をデスクトップ上とし、保存ファイル名は、
(5) 「surfacing_work.rml」 と設定してください。

(5) 「OK」 をクリックします。


デスクトップ上に、
「surfacing_work.rml」 が生成されます。

MDX-540A
使用時
(4)
これで「ワーク面出し」データができました。

(5)

- 33 -
3.加工データ作成
1 2 4 5 6 7 8 9 10 11 12

■ワーク位置決め穴データ ファイル出力
(1) プロジェクトを「表」にします。
1 (2) 「位置決め穴」 アイコンをクリックします。
(2) (1)

(3) 「OK」 をクリックします。


位置決め穴
アイコン
(4) 「工具設定」ダイアログが表示されます。
以下の様に設定してください。
(4)
工具名 : ZUB-150
回転数 : 12000rpm
(3)
送り速度 : 1480mm/min

設定後「OK」をクリックします。

(5) (5) 「穴位置」タブをクリックします。

(5-1) 「追加する穴」欄内を以下のようにしてください。
直径:5.020mm X:20.000mm Y:20.000mm
(5-1) 深さ: 9.000mm
設定後 「追加」 ボタンをクリックします。

(5-2) (5-2) 「追加する穴」欄内を以下のようにしてください。


直径:5.020mm X:-20.000mm Y:-20.000mm
深さ: 9.000mm
設定後 「追加」 ボタンをクリックします。

(5-3) 「CLデータ作成」 をクリックします。

(5-4) (5-3) (5-4) 「加工データ出力」をクリックします。

MDX-540使用時

(6) 保存先をデスクトップ上 とし、


保存ファイル名は、
「drilling_work.rml」
(6) と入力してください。

(7) 「OK」 をクリックします。

(7)
MDX-540A使用時
(6) 工具No.に「2」を選択 してください。
(6)
(7) 保存先をデスクトップ上とし、
保存ファイル名は、
(7) 「drilling_work.rml」
と入力してください。

(8) (8) 「OK」 をクリックします。

- 34 -
3.加工データ作成
1 2 4 5 6 7 8 9 10 11 12

■ワーク位置決め穴データ ファイル出力
1
ポイント
(4)使用する工具径の1.5倍以上の穴加工ができます。使用する位置決めピンに合わせた工具径に
してください。なお、ボールエンドミルからしか選択はできません。

(5-1)今回はモデル内に未加工エリアがあるので、穴位置をモデル内にしました。
モデル内に未加工エリアがない場合、Yに「0.00」、Xに「プラスマイナスn」(nはモデルの外で穴が
モデル加工範囲に干渉しない値)を使用すると、台座とモデルで同じ穴データが使用できます。

位置決め
ピン穴

モデル

加工範囲


穴加工後、ピンを挿入して、勘合状態をチェックしてください。一般的に穴径が若干小さくなります。
ピン挿入がきつい場合は穴径を調整してください。

穴の深さは(使用するピンの長さの1/2+ボールエンドミル半径)以上とします。
今回は14mmのピンを使用するので
穴深さ=(14/2)+1.5
=8.5 →9.0mm とします。

- 35 -
3.加工データ作成
1 2 4 5 6 7 8 9 10 11 12

■捨て板位置決め穴データ ファイル出力
(1) プロジェクトを 「裏」 にします。
1
(2) (1)
(2) 「位置決め穴」 アイコンをクリックします。

位置決め穴
アイコン (3) 「OK」 をクリックします。
(4) 「工具設定」 ダイアログが表示されます。
(4) 以下の様に設定してください。
(3)
工具名 : ZUB-150
回転数 : 12000rpm
送り速度 : 1480mm/min

「OK」 をクリックし「工具設定」ダイアログを閉じます。
(5)
(5) 「穴位置」 タブをクリックします。

(5-1) 「追加する穴」 欄内を以下のようにしてください。


(5-1)
直径:5.000mm X:-20.000mm Y:20.000mm
深さ:9.000mm
入力後 「追加」 ボタンをクリックします。
(5-2)
(5-2) 「追加する穴」欄内を以下のようにしてください。
直径:5.000mm X:20.000mm Y:-20.000mm
深さ:9.000mm
入力後 「追加」 ボタンをクリックします。

(5-3) 「CLデータ作成」 をクリックします。

(5-4) 「加工データ出力」 をクリックします。


(5-4) (5-3)

MDX-540使用時
(6) 保存先をデスクトップ上 とし、
保存ファイル名は、
「drilling_plate.rml」
(6) と入力してください。

(7) 「OK」 をクリックします。

(7)
MDX-540A使用時
(6) 工具No.に「2」を選択 してください。
(6)
(7) 保存先をデスクトップ上とし、
保存ファイル名は、
(7) 「drilling_plate.rml」
と入力してください。

(8) (8) 「OK」 をクリックします。

- 36 -
4.準備作業 加工機
1 2 3 5 6 7 8 9 10 11 12

4.準備作業 加工機
■面出し用ツール取付(MDX-540使用時)
1 セーフティカバーの扉を開け、加工機本体のスピンドルカバーを開けます。

コレット EY16-10
ストレートエンドミル ZHS-1000
を準備してください。

ストレートエンドミル ZHS-1000

コレット EY16-10

3 ナットにコレットをはめ込みます。
その際、コレットとナットの端面が「同一表面(図(1))となる様に、
ナットの爪にコレットの溝をしっかりはめこんでください(図(2))。

ナット

同一表面
- 33 -
(1)

きちんと爪にはめ込む

(2)

- 37 -
4.準備作業 加工機
1 2 3 5 6 7 8 9 10 11 12

■面出し用ツール取付(MDX-540使用時)
4 コレットを嵌めこんだナットを
加工機本体に取付けます。

ねじになっているので回して軽く
留めてください。

5 (1)ツールを挿入し、
ツールが落下しない程度まで
ナットを回して締め込みます。

(1) (2)ツールの突出し長さは、
30~35mm ここでは30~35mm程度としてください。

(2)

6 付属のスパナ(2本)でツールを固定します。

スピンドル上部(プーリ上部)にスパナを
引っ掛け、回転しないように固定します。

ツールがずれたり落下しない様に、
人差し指でツールを固定しながら
ナットをもう1本のスパナで固定します。

ツールが落下しない様に、
人差し指で固定しておく

- 38 -
4.準備作業 加工機
1 2 3 5 6 7 8 9 10 11 12

■ATCツール取付(MDX-540A使用時)
1

(1)各ツールチャックのナット部分を取外します。

(2) (2)各ナットに対応するコレットをはめ込みます。

(2-1)
ツールチャック15T-NDC10-52-PB
(1) +
コレットYCC10-10
ナット部
を1セット

(2-2)
(2-1) ツールチャック15T-NDC7S-55-PB
+
コレットYCC7-3
を1セット

その際、ナットの爪にコレットの溝を
しっかりはめこんでください(図(3))
コレット YCC10-10
ツールチャック
15T-NDC10-52-PB 1セット

(2-2)

コレット YCC7-3

ツールチャック
15T-NDC7S-55-PB 1セット きちんと爪にはめ込む

(3)

- 39 -
4.準備作業 加工機
1 2 3 5 6 7 8 9 10 11 12

■ATCツール取付(MDX-540A使用時)
2 コレットのはめ込まれたナットを時計回しで、軽く留めます。

<各1セット>
ツールチャック 15T-NDC10-52-PB
ツールチャック 15T-NDC7S-55-PB

3
(1)ナット着きツールチャックを、
ツールクランプにはめ込みます。
ツールクランプ ツールチャック 15T-NDC10-52-PBから行います。
YTC-15
(1)
ツールクランプと、ツールチャック切り欠き部が、
ツールクランプの溝と合う様にはめ込みます。
(図(1-1))

(1-1)
固定ネジノブ
ツールクランプ

(2-1) (2)ツールチャックをツールクランプに
ガタツキが無い程度に押さえつつ、
固定ネジのノブを時計回しで固定します。(図(2-1))

上面図
(2) (3)ツールチャック 15T-NDC10-52-PBに、
固定ネジノブ ツールチャック ツール ZHS-1000を挿入します。
突出し長さは「30~35㎜」としてください。
(3)
(3-1)
(4) フックスパナ先端を、
ナット切り欠き部に引っ掛けます。(図(4-1))
突出し長さ ナットを時計方向に回して、
ツールが手で抜けない程度まで固定します。

(5)固定ネジノブを反時計方向に回し、
緩めて、ツールチャックを取外します。
(4)
(4-1)
以降、同様の手順で
15T-NDC7S-55-PB + ZUB-150
の組合せも行ってください。
突出し長さは「20~25㎜」です。

- 40 -
4.準備作業 加工機
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■ATCツール取付(MDX-540A使用時)
4 ツール取付け上の注意
(1)コレットとナット部の嵌め合わせ(ツールチャック 15T-NDC10-52-PB使用時)

OK時はコレット端面とナット端面が同一面になります。

NG時は「ATCツール取付『1』」の、
コレットとナットの取り付けからやり直してください。
フックスパナで半時計方向に回すとナットが緩みます。

NG OK 「OK」時
コレット端面と ! 「NG」状態で加工を行うと事故や故障の原因となります。
ナット端面が同一面

(2)コレットとナット部の嵌め合わせ(ツールチャック 15T-NDC7S-55-PB使用時 )

OK時はコレット端面とナット裏側端面が
図「OK」の様に密着します。

OK

コレット端面とナット裏側端面に隙間

NG時はコレット端面とナット裏側端面が
図「NG」のように密着せず隙間ができます。

NG時は「ATCツール取付『1』」の、
コレットとナットの取り付けからやり直してください。
フックスパナで半時計方向に回すとナットが緩みます。

! 「NG」状態で加工を行うと事故や故障の原因となります。
NG

- 41 -
4.準備作業 加工機
1 2 3 5 6 7 8 9 10 11 12

■MDX-540/540A本体の起動
1
「SRP Player Pro」及び
「VPanel for MODELA PRO Ⅱ」「WindowsDriver」
がインストールされたコンピュータを
MDX-540/540AとUSBケーブルで接続します。

2 (2)

(1) (1)スピンドルカバーを閉じます。

(2)セーフティカバーの扉を閉じます。

3
加工機本体操作パネル、
右側面の電源スイッチをONにします。

加工機本体操作パネルの「EMERGENCY STOP」が押されていると電源は入りません。

4
コンピュータ上
「スタート」
「すべてのプログラム」
「Roland VPanel for MODELA PRO Ⅱ」
「VPanel for MODELA PRO Ⅱ」
と選択します。

5
「OK」 をクリックします。

- 42 -
4.準備作業 加工機
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■MDX-540/540A本体の起動
6

(1) 「RML-1」 にチェックを入れます。

(2) 「設定」 ボタンをクリックします。


(1) (2)

(1)
コンピュータ画面上にダイアログ(1)が表示され、

加工機本体操作パネルの「RML」ランプが点灯します。

「RML」ランプ点灯

8
(1) (1) 加工機本体操作パネル 「ENTER」 を押します。

(2) コンピュータ画面上にはVPanelメイン画面が表示されます。

これで加工機本体を操作可能となります。

(2)V-Panelメイン画面 (左:MDX-540使用時 右:MDX-540A使用時)

- 43 -
4.準備作業 加工機
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■マガジンセット(MDX-540A使用時)

(1)ビュー位置に加工機本体テーブルを移動させます。

(2)ATCマガジンカバーを開きます。

(3)ツール取付済みのツールチャックを各ストッカへ取付けます。

ストッカNo.1>ツールチャック15T-NDC10-52-PB+ZHS-1000
ストッカNo.2> ツールチャック15T-NDC7S-55-PB+ZUB-150
(3)
(4)取付時、ツールチャック部取付部(爪)の開放側と、
ツールチャックの切り欠き部の方向を一致させて取付けます。

(5)各ストッカに必要なツールチャックを取付けた状態です。
(6)ATCマガジンカバーを 閉じます。

(4) (5)
ツールチャック
取付部(爪)

ツールチャック ツールチャック取付(上面図)

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4.準備作業 加工機
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■工具(ツール)長補正(MDX-540A使用時)

(1) (1)センサーケーブルを取付けます。

(2)セーフティカバー内へセンサーケーブルを通します。

(3)セーフティカバー内で、Z原点センサーに
センサーケーブルを差込ます。

(4)セーフティカバーの扉を閉めます。

(5)「工具(ツール)長補正」を行います。

(6)「工具(ツール)長補正」後、
センサーケーブルを取り外して下さい。
(2)

(3)

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5.準備作業 台座加工
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5.準備作業 台座加工
■台座用ワーク取付
1

200×100×80(mm)のケミカルウッド(硬)に、図の様に両面テープを貼ります。

! 両面テープを貼り付ける面にはゴミや汚れが無い様にしてください。
剥離紙を剥がし、貼り合せる相手の面も同様です。
また、貼り付ける際、テープが皺にならず平滑になる様に貼ってください。
以降、両面テープを取り扱う際も注意願います。

中央付近に目印
(1)
「台座」のワークを加工機本体のテーブル中央部付近((1)図)に、両面テープの剥離紙を剥がして取付けます。

また、後でX/Y軸の原点を合わせる為、ワークの中心付近に鉛筆等で印を付けておきます。

ポイント
加工機本体テーブル上に直接ワークを取付けて切削を行うと、
ワーク底面より下へのツール移動は、テーブルを削るのでできません。
ツール
ワーク
また、ほとんどの場合、ツールが下まで届かないので、
加工機本体テーブル
ワークの下の方が加工ができない。

・ワーク底面より下は削れない と、いった問題が発生します。
・ツールが届ききらない
そこで台座の登場となります。
ワーク
ツール ワークとテーブルの間に「台座」を挟むことで加工機本体テーブルを傷つけず、
台座 ワーク底面より下方向へのツール移動が可能となります。

加工機本体テーブル また、台座でツールの到達位置までワークをかさ上げする事で、
ワークの下の方まで加工できるようになります。
・ワーク底面より下が削れる。
但し、ワークを載せる基準面となるため、台座の面出しは必須です。
・ツールがワークの下まで届く。

台座はケミカルウッド(硬)が扱いやすくお勧めです。

実際に日常的な加工で台座を使う際は、段取りの手間から、ほぼ常に取付けた状態と考えられます。
したがって、作業エリア確保のため、実際の台座サイズはなるべく広い方が望ましいです。

しかし、広い面積の台座を両面テープで取付けるとテーブルに強固に貼り付き、取り外しが非常に困難です。
ネジ止め等、簡便に着脱できる取付方法を推奨します。

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5.準備作業 台座加工
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■XYZ原点設定
1

(MDX-540A使用時のみ)
ストッカNo.1のツールチャックをATCスピンドルに持たせます。

2 ツール
(1) 「台座」ワークの中央上空へツールを移動させます。
ワークの中心

(2) 「ユーザ座標系」で「X」「Y」の各原点を設定します。

台座

センサーケーブルを取付けます。

4 (1) セーフティカバー内へセンサーケーブルを通します。
2
(2) セーフティカバー内で、ツールセンサーにセンサーケーブルを差込ます。
(1)
(3) 切削するワークの上面、任意の位置にツールセンサーを置きます。

(2) (3) (4)セーフティカバーの扉を閉めます。

5
(1) ツールセンサー上空、10mm程度の位置へツールを移動させます。
(1)
(2) 「ユーザ座標系」でツールセンサーを検出させます。
(2)

「台座」ワークの 「X」 「Y」 「Z」 の各原点が設定されました。


セーフティカバーの扉を開け、加工機本体よりツールセンサーを
ケーブルごと取り外して下さい。

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5.準備作業 台座加工
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■台座面出し加工
1 (1)VPanel画面上部の 「加工」 アイコンを
クリックします。

(1)

2 (1) デスクトップ上の「sufacing_base.rml」ファイルを、
ドラッグ&ドロップで 「加工」 ダイアログの空欄に
移動します。

(2) 「出力」 ボタンをクリックします。


(1)
台座の面出しが開始されます。

(2)

3 台座の面出しが終わると図(1)のような形状になります。
横から見ると図(2)の様な形となっているはずです。
(1)
台座の面出しは以上で終了です。

(2)
手前側
台座

加工機本体テーブル

ポイント ポイント
手前に段を残す事で、
ワークを台座に両面テープを 台座自身はX軸に平行に取付けられていなくても、
使用して固定するためには、 段差の側面は加工機本体のX軸と平行になります。

接着面が平坦でなければなりません。 したがって、ここに当て付けて取付けた物も
X軸と平行になります。
面だし加工は、
台座面の平面をだすために行います。
当て付け面

ワー ク ワーク 加工機本体テーブル
ワーク
手前側
台座
台座 台座 台座 Y軸 ワーク

面出し前 面出し後 加工機本体テーブル


X軸
側面図 上面図

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6.準備作業 捨て板加工
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6.準備作業 捨て板加工
■捨て板用ワーク取付
1
捨て板用のワークに両面テープを図のように貼り付けます。

2 台座の面出しで、手前側に段差が設けてあるはずです。
その段差に捨て板用ワークの側面を、隙間の無いように突き当てつつ、
両面テープ剥離紙を剥がした捨て板用ワークを台座に貼付けます(図(1))。

捨て板用ワーク
(1)
捨て板用ワーク
手前側
台座
台座 加工機本体テーブル

台座の段差に突き当てる

3 ワークの中央付近に原点設定の目印とするため、
鉛筆等で目印を付けておきます。

ワークの中央付近

ポイント
台座は加工機本体テーブル保護が目的ですが、「捨て板」はその台座を保護する目的に使用します。

小さい面積の台座は、取り付けたワークごと加工しても、
台座自体の交換や表面の面出し加工は比較的容易ですが、
大きい面積の台座を交換したり、面出し加工をするとなると、手間が掛かり効率が良いとは言えません。

そこで「捨て板」の登場となります。

ワークと台座の間に捨て板を設けます。
ワーク底面より下を削っても、捨て板が台座を保護する形になり、
加工終了後、捨て板の交換ですぐに次の加工を行う事ができます。
ワーク

特に表裏からの両面加工では、 捨て板
位置決め用のピン穴を、ワーク設置面に設ける事から、
台座に穴を開けるより、より交換が容易な捨て板の利用が有効です。 台座

また、交換の容易さから、 加工機本体テーブル
接着剤を用いてワークを強固に固定したり、
ワーク固定用に枠を削り込む場合などにも捨て板は有効です。 捨て板の利用

捨て板もケミカルウッド(硬)をお勧めします。

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6.準備作業 捨て板加工
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■XYZ原点設定
ツール (1) 捨て板用ワークの中央上空へツールを移動させます。

ワークの中心
(2) 「ユーザ座標系」 で、「X」「Y」の各原点を設定してください。

捨て板用ワーク

(3)ツールセンサーを接続し、捨て板用ワーク上面に置きます。

(4) ツールセンサー上空10mm程度の位置へ移動させます。

(5) 「ユーザ座標系」でツールセンサーを検出させます。

以上で、捨て板用ワークの 「X」 「Y」 「Z」 各原点が設定されました。


ツールセンサーをケーブルごと取り外して下さい。

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6.準備作業 捨て板加工
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■捨て板面出し加工
1 (1)VPanelより「加工」ダイアログを起動します。

(2) のボタンをクリックします。

(3) 出力ファイルリストから削除されます。

(3)

(2)

(1) (1) デスクトップ上の「sufacing_plate.rml」ファイルを、


ドラッグ&ドロップで「加工」ダイアログの空欄に
移動させてください。

(2) 「出力」 ボタンをクリックします。

捨て板の面出しが開始されます。

(2)

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7.準備作業 ワーク加工
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7.準備作業 ワーク加工
■製作物用ワーク取付
1 剥離紙 テープ部厚み
両面テープのテープ部厚みをノギスで測り、
記録しておきます。
テープ部

ポイント
両面テープの厚みは、 8.10mm 製作物用ワーク 8.20mm
後の工程で、Z原点を出す際に必要になってきます。
ワークの厚みが不均一な例
製作物用ワークは、見掛けは均一な厚みに見えても、
面出し加工をする前では、全ての領域で「8.00」mmと言う事はほとんどありえません。
ある箇所では8.10mmだったり、ある箇所では8.20mmであったりします。

従って、直接、製作物用ワーク上にZ0センサーを置き、Z原点を作る。
製作物用ワークが
と、いう運用は精度の信頼性が低下します。 「8.0」mmになる面出し位置

よって、面出し加工で平面を確保した捨て板の上に製作物用ワークを載せ、 ツール
捨て板表面を基準として、製作物用ワークの面出し加工を行います。
その時、製作物用ワークの厚みをより「8.00」mmに近づけるため、
両面テープの厚みを知っておく事が重要になります。 製作物用ワーク
8.0+テープ厚み

両面テープ 捨て板

2
製作物用のワークに両面テープを図のように貼り付けます。

3 製作物用ワーク
取付位置は、
X方向は捨て板のほぼ中央とし、
Y方向は捨て板の縁と、製作物用ワークの縁を、
揃えるように貼付けます。

捨て板と縁を揃える! 台座

4 後で製作物用ワークの中央付近にXY原点を設定します。

ワークの中央に原点設定の目印とするため、
金尺を用いてなるべく正確に、製作物用ワーク中央に、
マジック等で目印を付けておきます。
ワークの中央

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7.準備作業 ワーク加工
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■XYZ原点設定

(1) 製作物用ワークの中央上空へツールを移動させます。

(2)「ユーザ座標系」で「X」「Y」の各原点を設定します。
(1) (2)

新Z原点 捨て板面出し前のZ原点 (3)「捨て板」用ワークはZ原点より1mm面出ししたので、


(旧Z座標:-1.0) (Z座標:0) 製作物用ワークを取付ける面のZ座標は「-1.0」です。

ワーク
面出し量:1mm 製作物用ワーク取付け面を基準面としたいので、
その面を新しくZ原点としてください。

捨て板

両面テープ (3)

ワーク面出しで (4)製作物用ワークについて、
ツール
削られる部分 3Dデータ通り「8.0mm」の厚みを持たせるには、

両面テープ H=8.0(製作物モデルの厚さ)+両面テープ厚さ(mm)
H ワーク
の位置でZ原点に設定します。
(例) H=8.0+0.15
捨て板 (4)
=8.15 mm

モデル高さ:8.00mm
両面テープ厚さ:0.15mm
これにより製作物用ワークの「X」「Y」「Z」原点が設定されました。
ポイント
捨て板上面にZ軸の基準を取るメリットは、
(A)
ツール
「製作物の形状に左右されずZ原点を取れる」と、いうことです。

例えば図(A)の様な形状の製作物で、ツールを交換して他工程を行う際、 製作物
製作物上にツールセンサーを乗せる面が確保できません。

ところが、図(B)の様に「基準面となる板」を製作物底面に用意する事で、
(B)
ツールセンサーを乗せる場所が確保できます。 ツール
そこから製作物の高さ分(SRP Player Pro上で判ります)
ツールを移動させる事で、そこをZ原点とし次工程が可能となります。
製作物高さ
ガイド中の製作物は、上面にツールセンサーを乗せることができましたが、 製作物
あえて他形状でも応用の利く方法を取りました。
基準面となる板
実際には、製作物上で基準面を取る事が出来る場合は、
この方法を取る必要はありません。 ツールセンサー

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7.準備作業 ワーク加工
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■ワーク面出し加工
1 (1)VPanelより「加工」ダイアログを起動します。

(2) のボタンをクリックします。

(3) 出力ファイルリストから削除されます。

(3)

(2)

2
(1)
(1) デスクトップ上の「sufacing_work.rml」ファイルを、
ドラッグ&ドロップで「加工」ダイアログの空欄に
移動させてください。

(2) 「出力」 ボタンをクリックします。

ワークの面出しが開始します。

(2)

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8.表面加工準備
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8.表面加工準備
■ツール交換(MDX-540使用時)

(1) (1)製作物加工用ツールを準備してください。

コレット EY16-3
ボールエンドミル ZUB-150
コレット ボールエンドミル
EY16-3 ZUB-150

(2)加工機本体スピンドルに、
突き出し長さが「20~25mm」になるよう、
スピンドル 取付けてください。
コレット

ナット
20~25mm

(2)

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8.表面加工準備
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■XYZ原点設定
■MDX-540使用時
(1)製作物用ワークの中央上空へツールを移動させます。

(2)「ユーザ座標系」で「X」「Y」の各原点を設定してください。

ワーク中心とツール先端を
出来うる限り、一致する様に

(3)ツールセンサーを接続し、捨て板用ワーク上面に置きます。

(4) ツールセンサー上空10mm程度の位置へ移動させます。

(5) 「ユーザ座標系」でツールセンサーを検出させます。

(6)ツールセンサーをケーブルごと取り外して下さい。

(4)までのZ原点 (7) この時点で設定したZ原点は、捨て板の上面です。


ツール
製作物用ワーク表面をZ原点にするには、
両面テープ
H=8.0(製作物モデルの厚さ)+両面テープ厚さ(mm)

ワーク H の位置でZ原点に設定します。

捨て板
以上で製作物用ワークの「X」「Y」「Z」原点が設定されました。

■MDX-540A使用時
(1)ツールをストッカNo.2の「ZUB-150」に交換します。

(2) 製作物用ワークの中央上空へツールを移動させます。

ストッカNo.2
ZUB-150 (3)「ユーザ座標系」で、「X」「Y」の各原点を設定してください。

ここではZ原点の設定は必要ありません。

ストッカNo.1のツールで、ワーク上面を面出しした際のZ原点が、
ワーク中心とツール先端を 「工具(ツール)長補正」機能により、
出来うる限り、一致する様に ストッカNo.2のZUB-150でのZ原点も設定されています。

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9.表面加工データ出力
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9.表面加工データ出力

1 (1)VPanelより「加工」ダイアログを起動します。

(2) のボタンをクリックします。

(3) 出力ファイルリストから削除されます。
(3)

(2)

2
(1) デスクトップ上に作成した、
「fan表1.rml」「fan表2.rml」ファイルを
ドラッグ&ドロップで「加工」ダイアログの空欄に
移動します。

! この時必ず、出力ファイルリストでは、
上から順にデータが出力されるので、
(1) 必ず、
「fan表1.rml」が一番上になるように
(2) (3)
してください。
なっていなければ、
(2)ボタンでファイルの順番を入れ替えます。

(3)「出力」ボタンをクリックします。

3
加工には1時間程度かかります。
表面加工が終了した状態です。

切削くずを掃除して、取り除いてください。

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10.反転作業
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10.反転作業
■ワークへの位置決め穴加工
1 (1)VPanelより「加工」ダイアログを起動します。

(2) のボタンをクリックします。

(3) 出力ファイルリストから削除されます。
(3)

(2)

2
(1) デスクトップ上に作成した、
「drilling_work.rml」ファイルを
ドラッグ&ドロップで「加工」ダイアログの空欄に
移動します。

(1)

(2) 「出力」 ボタンをクリックします。

(2)

3
位置決め穴加工が終了した状態です。

切削くずを掃除して、取り除いてください。

位置決め穴

4
(1) (1) ワークと捨て板の間に剥離剤を注入し、
湿らせて、剥がし易いようにします。

(2) スクレーパーを、
捨て板とワークの間に差し込みゆっくりと
ワークを捨て板から外します。
(2)
(3)捨て板表面上に切削くずや、
両面テープの剥がし残しが無いよう、清掃します。

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10.反転作業
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■捨て板への位置決め穴加工
1
現時点ではワーク上面がZ原点となっています。
ツール 図中H分ツール移動させた、捨て板上面がZ原点になる様に再設定します。
両面テープ
ワーク上面のZ原点から、

ワーク H H=8.0(製作物モデルの厚さ)+両面テープ厚さ(mm)

捨て板 上記数値分、ツールをZ下方向に移動させ、Z原点として再設定します。

2 (1)VPanelより「加工」ダイアログを起動します。

(2) のボタンをクリックします。

(3) 出力ファイルリストから削除されます。
(1)

(2)

3
(1) デスクトップ上に作成した、
「drilling_plate.rml」ファイルを
ドラッグ&ドロップで「加工」ダイアログの空欄に
移動させてください。

(1)
(2) 「出力」ボタンをクリックします。

(2)

4 位置決め穴加工が終了した状態です。

切削くずを掃除して、取り除いてください。
位置決め穴

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10.反転作業
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■ワーク反転取付作業
1
穴に平行ピンを挿入します。

2
加工したワーク表面に、ピン穴を避けるように両面テープを貼ります。

3 ピンで位置合わせし、両面テープ剥離紙が剥がされたワークを、
捨て板上面にしっかり貼り付けます。

ポイント
今回の製作物ではA図のようにX軸中心、Y軸中心
どちらで反転させても、形状がXY軸に対して対称なため、 裏
反転時の取付方向に注意をする必要はありませんでした。 X軸

裏 表
しかしながら、
B図のようにある軸には対称でも、
別の軸では非対称な形状もありうるので、 A図
両面からの加工を行う際は Y軸
反転する方向に注意を払う必要があります。


B図で言うならば表面を加工した後、
X軸中心で反転させて裏面を加工してしまうと、 X軸
表裏でちぐはぐな製作物になってしまいます。
裏 表

B図
Y軸

4 現在のZ原点 ツール 現在のZ原点は、捨て板の上面です。


製作物用ワーク表面をZ原点にするには、
両面テープ

H=8.0(製作物モデルの厚さ)+両面テープ厚さ(mm)
ワーク H
の位置でZ原点に設定します。
捨て板 「X」「Y」原点は再設定の必要はありません。

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11.裏面加工データ出力
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11.裏面加工データ出力

1 (1)VPanelより「加工」ダイアログを起動します。

(2) の ボタンをクリックします。

(3) 出力ファイルリストから削除されます。
(3)

(2)

2 (1)
(1) デスクトップ上に作成した、
「fan裏1.rml」「fan裏2.rml」「fan裏3.rml」ファイルを
ドラッグ&ドロップで「加工」ダイアログの空欄に
移動します。

! この時必ず、出力ファイルリストでは、
上から順にデータが出力されるので、
必ず上から、
「fan裏1.rml」>「fan裏2.rml」>「fan裏3.rml」
となるようにしてください。
なっていなければ、
(2)ボタンでファイルの順番を入れ替えます。
(3)
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(2) (3) 「出力」ボタンをクリックします。

1時間程度で終了します。

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12.製作物の取り外し、完了
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11

12.製作物の取り外し、完了

1
加工が終了したら、セーフティカバーの扉を開け、
製作物の周りの切削くずを取り除きます。

台座と製作物の間に剥離剤を注入し、
剥がしやすくします。

エタノール(エチルアルコール)使用時の注意
・テープ部分に液体が浸透するのに必要な量だけ使用して下さい。
・テープ部分に液体が浸透するのに必要な量だけ使用して下さい。
・引火性液体です。
・引火性液体です。
火気・その他火源となる恐れのあるものが近くにないことを確認
火気・その他火源となる恐れのあるものが近くにないことを確認
の上、ご使用下さい。
の上、ご使用下さい。

台座と製作物の間にスクレーパーを挿し込み、
ゆっくりと慎重に製作物を剥がします。

3 全ての工程が終了し、加工は完了しました。

ニッパーで丁寧に、
枠から羽の部分を切り離します。

以上で製作物は完成です。

加工機本体の電源をOFFにしてください。

その後、後片付けとして、
コレット、ツール及びツールチャックを
fan(EY16-42) fan(NCD7S) 加工機本体より取外し、
防錆油で防錆処理後、保管してください。
MDX-540使用時 MDX-540A使用時
また、加工機本体も次の加工に差支えが無いよう、
切削くずは清掃しておきます。

以上で全ての工程は終了です。

お疲れ様でした。

【終わり】
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R2-090522

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