JPN Fish Stories 3

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オオクチバス

サンフィッシュ科
月ごろ泥底に直径 0.5~1m の巣をつ
くり 雄が卵と仔魚を守る。
和 オオクチバス (俗称;ブラックバス)

学名 Micropterus salmoides (LACEPEDE)
形態 背側は灰緑色で, 腹側は黄味をおびた
白色。 背側のほぼ全体に暗褐色の不規
則な斑点があり, 体側中央には幅広い
黒褐色の縦帯がある。
分布 北アメリカ原産。 現在日本各地のため
池, 湖で繁殖。 イギリス・ヨーロッパ・
南アフリカブラジル 東南アジアに
移殖されている。
生態 流れのない岸辺の藻場に多い。 5〜7
昭和 54 年の初夏のこと, いつものように水族館の魚のえさとするボテ (タナゴ類) を採
ろうと琵琶湖文化館横の桟橋で打網をうっていた時のことです。 確か 4~5 回も網をうち
終え, つぎに水草めがけてうったところ網に激しくぶつかりながら浮き上ってくる 20cm
ほどの魚がいました。・・・ワタカ ?, いやカムルチーか。 何となくそう思いながら網をたぐ
り寄せ,いざあげてみてびっくり。 と同時に 「これは大変なことになったぞ」と思いまし
た。 網の中でバタバタ暴れているその魚は小魚を喰い荒すことで猛魚とうわさの高いあの
ブラックバスだったからです。 そして, これが私たちが南湖で確認したパスの第 1 号でし
た。
152

1.
マウス
*ブラックバス” いかにも淡水のギャングという感じの名前をいただいているこの魚, 原
産地は北アメリカで, 現地名を large mouth bass と言います。 「大きな口のバス」とい
う意味で、和名のオオクチバスはこれをそのまま訳したものです。 この魚, 名前のとおり
口はたいそう大きく, 口を拡げると自分自身をくわえ込めるほどです。 ちなみに, バス
の仲間は 6 種ほど知られ,そのうちコクチバスもオオクチバスと同じころわが国へ移殖さ
れたと言われていますが, この方は増えていません。
さて、ブラックバスがわが国へやってきたのは 1925 年(大正 14)のこと。 箱根の実業家・
赤星鉄馬さんの手によって移殖されたものです。 最初の繁殖地である芦の湖へは,赤星さ
んの自宅の池で飼っていたものが脱走して入り込んだものと言われています。 以後各地へ
分布を広げていますが,これは心ない人々によって放流されたものです。
琵琶湖へ姿をあらわしたのは昭和 49 年ころ。 最初は琵琶湖の北, すなわち北湖の今津や
海津 菅浦などの地先で多くみられましたが, 徐々に分布を広げ, 昭和 57 年ころには琵琶
湖の沿岸ほぼ全域で見られるようになりました。 特に南湖では昭和 58 年に 15~20cm の大
きさのバスの群れが多く岸辺からみられ, 爆発的な増加を物語っていました。 でも大量
に漁獲されだし,漁業者にとってもはや無視し得ない状況が訪れ, この年には滋賀県漁連
が主体となって, バスの一掃作戦が展開されました。 しかし, この作戦は思うようにバス
が獲れなかったと聞き及びます。 私たちもしょっちゅうバスを採集しますが、 どうもこの
魚習性が日本在来のどの魚ともちがうようです。 私たちはバスを打網で採る場合, 何度
でも同じ場所で網をうちます。 不思議なことに最初何も採れなくても 2 回、3 回とうつほ
どにバスが多くとれだすのです。 日本産の魚の場合,一度網をうった場所でさらにうって
もまず採れません。なぜなら、1 回目の音で付近の魚は逃げて行ってしまうからです。 と
ころがバスはどうかというと,逆に音のする方向へ寄って来るのです。 こんな魚ですから,
刺網を張っておいて, 石を投げて驚かして採ろうと思っても網にはかかりません。 投げた
石の方へ寄って来ますから。 また,こんな話もあります。琵琶湖へ潜ったら、遠くからバ
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