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E

石城謙吉さんが

いている北海道でのマス類の例も、広
用されて有名なものだ。通常は、オシ
コマ・アメマス・ヤマメの順に、上流かで
下流に分れてすむ。そして水面から底近
まですべての動物を食う。ところでこの
ち二種、あるいは極端な例として三種が共え
ショロコマは底の、
存する場合、
魚というのは海に
入ることができない。また、卵の時期を含
めどの発育の時期にも水から離れることは
不可能である。 水生昆虫も成虫期には飛べ
る。多くの浮遊動物は耐久卵を持ってい
る。 水鳥の趾を良く調べると貝の子供やミ
ジンコの卵の付着していることがある。し
かし淡水魚だけはこういうことができな
い。つまり、下流に連結する溝でもない限
り、ある水系の川から隣りの水系の川に移
りすむことは、淡水魚には全く不可能なの生
である。


動物は一般に、大なり小なり隔離された
繁殖集団を作って生活している。しかし集
団間に僅かでも移動があれば、どれかの集
団に属する成員の中にある違った性質が生
れても、それは拡がり、混じって行く。こ
れに対して各集団が互いに孤立していれ
ば、どこかで生じた違いはその集団内でだり
け固定化される。こうして長い年月が経てだ
ば、誰の眼にも異なったものとして映るよ 一
うになり、もはや互いに混じり合わなくな 流:
れたが、種間の関係もまたこの件に関わっ
てくる。
昔調べた例をまたぞろ持ち出すならば、
オイカワとカワムツはごく近縁の二種だ
が、前者は流れのやや速い開けたところを
好み、泳ぎまわって昆虫と藻とを食い、後
者は流れのゆるい狭い場所にとどまって落
下昆虫を待ち受ける傾向がつよい。初夏に
なってアユがさかのぼってくると、オイカ
ワは流れの中央部をアユに明け渡して岸寄
りにうつり、主に落下昆虫を食う。アユの
数が多くなるとこの傾向はますます大きく
なってくる。その結果カワムツは本来のす
み場をオイカワに明け渡す事になり、餌の
上では全く重ならない相手のアユのすむ流
れの中心部でそれと共存する。 要求の重な
る種の間では、棲み分けか食い分けかのど
ちらかが起らねばならないわけだ。従って
全く同じ場所で蚊鉤を振っても、アユの少
ない年はオイカワが、多い年はカワムツが
釣れるといったことも、実際に認められる
のである。
石城謙吉さんが『日本の生物』などに書
いている北海道でのマス類の例も、広く引
用されて有名なものだ。通常は、オショロ
コマ・アメマス・ヤマメの順に、上流から
下流に分れてすむ。そして水面から底近く
まですべての動物を食う。ところでこのう
ち二種、あるいは極端な例として三種が共
白い比
えは
い対量
にとれ

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