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Jutakutokushu 2023.06
Jutakutokushu 2023.06
Jutakutokushu 2023.06
令和5年5月19日発行
第三種郵便物認可
特集/内と外の親密な関係
作品
2023年6月号(第446号)昭和61年7月8日
/十五題
西沢立衛
北澤伸浩
合屋統太+ ヤン=ヤコブ・シュレーダー
青木弘司
土間・テラス・光庭
山田誠一
武田清明
スティーブン・シェンク+服部大祐
矢橋徹+上野拓美
佐藤充
西和人
岸本貴信
阿蘓俊博
岸本和彦+赤池友季子
富永大毅+藤間弥恵
須藤剛+高岩愛実
6 JUTAKUTOKUSHU
SHINKENCHIKU
446
2023
ARCHITECTURE AND URBANISM エー・アンド・ユー 〒 100-6017 東京都千代田区霞が関三丁目
2023 年 6 月号 2 番 5 号 霞が関ビルディング 17 階
Forthcoming June, 2023 発売:2023 年 5 月 27 日 TEL:03-6205-4384
No. 633 予価:2,852 円(税込) FAX:03-6205-4387
発行:
(株)エー・アンド・ユー 振替:00130-5-98119
建築と都市 2023 年 6 月号予告
『a+u』6 月号はドイツ・デュッセルドルフ近郊ノイスの町と豊かなランドスケープに囲まれたホンブロイッヒ美術館を特集す
る。ゲスト・エディターにバーバラ・ホイドンとヴィルフリート・ワンを迎え、美術館島と旧ミサイル基地に分かれるホンブ
ロイッヒの敷地全体から、 2002 年・2022 年に提案された拡張計画まで、ホンブロイッヒの全貌を紹介する。彫刻家エルヴィ
ン・ヘーリッヒの幾何学的パヴィリオンに加え、在住アーティストの作品、安藤忠雄、藤森照信、アルヴァロ・シザなどといっ
た建築家らがこの地にデザインした建築などを掲載。
世界の名建築も手近に。
『a+u』 作品アーカイブが公開。
スマートフォン・タブレット対応。
『a+u』の公開にあたり『新建築』『新建築住宅特集』の
どちらかのプランをご利用いただいている
個人・団体ユーザーのみなさまへ
期間限定で 『a+u』の無償公開を行っています。*
期間内に新たにご契約・ご登録されたユーザーのみなさまも
ご利用いただけます。ぜひこの機会にご利用ください。
スマートフォン・タブレットでの閲覧体験を最適化。
「笑う家」
を考える
5
座談会参加
7
青木 淳(建築家 AS 東京藝術大学教授)
堀部安嗣(建築家 堀部安嗣建築設計事務所
京都芸術大学大学院教授)
平田晃久(建築家 平田晃久建築設計事務所
京都大学教授)
小堀哲夫(建築家 小堀哲夫建築設計事務所
法政大学教授)
座談風景。左から、八田氏、小堀氏、堀部氏、青木氏、平田氏。
八田哲男(大和ハウス工業 執行役員)
リアリティと概念の両立 リティがある提案にするのか、現実からは遠いけれど、これからに先立つ概
念的な提案にするのか。どちらも応募者の中で考え方が振り切れていないよ
八田 今回で、ダイワハウスコンペティションは第18回を迎えます。前回 うに感じました。
はコロナ禍による行動制限がある中で、多くのエントリーをいただき、さまざ 小堀 リアリティと概念という話は面白い。私が家というものを考える時に、
まな提案に大変刺激を受けました。
今年も多くの人に提案していただけるテー 最初に浮かぶのは、家の匂いや記憶などの見えないものです。そういう図面
マを決めてコンペを活性化させていきたいと思います。 には現れないたくさんのものを包括した存在だと思います。そういうものを今
司会 前回は、ますます深刻になる環境問題やウクライナ情勢を背景に、 一度問いかけた時に、どのような提案が出てくるのか興味があります。
今まで当たり前だったものがなくなると、
家はどうなるのか、
という発想から
「電 青木 このコンペでは、2次審査で模型の提出があります。これがこのコ
気を使わない家」をテーマにしました。前回の審査を踏まえ、応募者にどの ンペの性格をつくっていると思います。アイデアコンペなので、模型をつくら
ような提案を期待しますか。 ないと、思いつきぐらいのことでも提案は出せます。けれども、模型があると
平田 「電気を使わない家」では、何もかもが満たされている現代で、ある 足りない部分が明確に分かります。模型=リアリティではないけれども、自
種の欠落が起こった時に、人間の本来もっている力を引き出される、建築と 分が考えたアイデアが、実際に空間として立ち上がったらどんなものになるの
しての新しいあり方が試されている家を見たいという気持ちがありました。提 か、それを考える時間をもってもらうということに貢献していると思います。前
案の中には、そういった人間の潜在能力を引き出そうとする案もありましたが、 回の応募者でも概念を強く押し出した案で面白いものがありましたが、模型
その意図と方向性が一致しない提案も多かったです。今回は、テーマに対し ではそこに説得力が乏しいと感じたものがありました。リアリティと概念は、
て建築のかたちにまで素直に反応してもらえるようなテーマにしたいと思います。 本来はどちらかに偏らず、両方がうまく成立していてほしいですね。それでは
堀部 私たちが建築を志す若い人や学生に、人間の可能性や希望のあ 何をテーマにするべきか、具体的な言葉にしてアイデアを出していきましょう。
るファンタジーを示した提案を求めると、彼らは今の現実の厳しさに向き合
わざるを得ず、その閉塞感に参ってしまうのではないでしょうか。だから、い 見えないものを感じる人間の可能性
きなり人間の可能性を見せてくれといわれても、困ってしまう。もう一度彼ら
に何を期待するのか考え直さないといけないと感じました。 平田 人間は生物の中で唯一、言語を使う存在です。また、見えないも
小堀 家は人それぞれにリアリティがあるので、自分ごとにしやすい。だ のを想像したり、解釈を加えるのも人間の特徴です。身体的欲求を満たすた
から、テーマとして「〇〇家」を続けた方がよいと思います。去年は、建築を めだけではなく、精神的欲求に応える家があったら面白いと思います。堀部
前に進める概念的な広がりを見せる提案と、テーマに向き合って自分ごとに さんが先ほど指摘された人間の可能性は、非常に過酷な状況でこそ現れる
している提案がファイナリストに残りました。しかし全体では、具体的に考え と思います。どんなに過酷な状況であったとしても、ユーモアがないと人間は
やすかったテーマだったはずが、考えを飛躍しきれない提案も多かったこと 生きていけません。それも言語と同様に人間の特徴だといえると思うので、
も反省点です。 人間の可能性を考えるなら「笑いの家」をテーマに考えてみるのも面白いかも
八田 「電気を使わない」というテーマは、これからの都市や社会、家や しれません。また最近は、
「響き」に興味を惹かれます。響きは音が広がり
暮らしがどうなるのか、投げかけとなるテーマでした。実現できるようなリア 伝わることや、ものに反響して聞こえる音を指します。一方で、まったく異な
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るものなのに、ある色とある音とある感情に共通性としての響きを感じる「共 社会の当たり前を考え直す意味では、主体を人間から家に置き換えて考え
感覚」も、人間の大きな特徴といえるかもしれません。認知考古学者のス てみるなど、あるフィクションを前提としたテーマを投げかけて、どんなことが
ティーヴン・ミズンの説では、ネアンデルタール人は異なるフィールドの思考 実現するのか考えを巡らすのも面白いですね。問題はたくさんのアイデアが
を重ね合わせて考えることができなかったのに、ホモ・サピエンスはそれが 生まれそうな言葉になっているかですね。
できたため、進化の中で生き残ったという話もあります。 平田 より広義に人間というものをとらえないといけない時代だと思います。
堀部 「住む」の語源は「澄む」だそ 人間の見直しと再評価が混じり合って思考することで、建築が前に進むと思
うです。家の原点を考えると、外での います。青木さんが先ほどおっしゃった、
「家自体が生き物」という言葉は、
活動で疲れた心を澄み渡らせ、心身 人間が主体として個々が生きているというよりも、家が主体として皆が生きて
を整える場所で、そこから住むという いるともとらえられます。以前、設計した住宅を紹介する展覧会を開催した際、
言葉が生まれている。これは、古今東 展覧会のタイトルは
「Living in Creatures」 と名付けました。
(2011年) 「Living」
西に共通した家の役割だと思います。 は英語で生きている、生活という意味があります。それと同様に生き物や創
しかしコロナ禍を機に、在宅勤務が普 造されたという意味の「Creature」を掛け合わせた造語です。家は人間の手
及しました。新しい仕事のあり方だと によってつくられているが、生き物でもある。そのような中間的な表現をした
いわれていますが、ある批評家による くてこのタイトルにしました。つくられたものであるのに、生きている。使い方
と、家に会社や仕事がもち込まれるこ が異なるけれども、
「Living」
と「Creature」が英語で同じ意味をもつといこと
とで、家に侵食されてしまう危険性を は面白いと感じました。生きていて、動き出しそうな感じがする家。そういっ
指摘していました。寝ている時や風呂に入る時は、人は無防備な状態で心 た切り口から考えを深めることもできますね。
身をリセットしようとしています。その生まれ変わりの瞬間に、会社や仕事が 八田 家が生きていると考えると、そこでの生き方にもさまざまなものが創
すぐ隣にある、その現代の状況を改めて見直してみる、
「澄む家」というテー 造できるし、そこから成長することも考えていけます。応募者が想像力を膨ら
マはどうでしょうか。 ませて考えてもらえるテーマにしたいですね。
青木 最近、谷崎潤一郎の『陰翳 小堀 家での経験は、皆それぞれ
礼讃』(1939年、創元社)を再読しました。 独自のものをもっていると思いますが、
谷崎はこの本を通じて近代批判をして 他者との関係性を築く存在であること
いて、近代の発展に際して失われたも も大切だと思います。先ほど平田さん
のを、街灯が普及して街が明るくなっ から「共感覚」という言葉も出ましたが、
たことから「闇がなくなった」と表現し 私も「共感」と「響き」は最近気になる
ています。堀部さんが指摘された「仕 事柄です。たとえば、自分のアイデア
事が家を侵食する」
ということも近代化 が自分から発生したのか、他人との会
の結果といえるかもしれません。近代 話の中で発生したのかと考えると、想
は視覚中心主義であると同時に、視 像しないところで、波紋のように響き
覚できる人間が一番重要だという考え 合って生まれているのだと思います。
方でもあります。しかし、闇は視覚ではとらえられないものを指します。たと 最初は自分ひとりの考えでも、他者が介入することの連続で響き合ったもの
えば、記憶はイメージですから見えません。風のそよぎや匂いも見えない。 に昇華していく。このような自分自身に向き合うことと、自分も含んだ他者が
見えないものは、近代とは異なる思想であり、人間の可能性を考えるうえで いて存在する世界を行き来するようなテーマはどうでしょうか。記憶は、自
ヒントになるかもしれません。それを土台にして考えてみると、たとえば「生き 分の記憶だけではなく、誰かと共有できる共同的な記憶もあります。それも
ている家」というテーマはどうでしょうか。従来、家は人間が機能的で快適 共鳴ですね。たとえば「私と私たちの家」というテーマだと、見えるものと見
に暮らせることが理想だとされていますが、家自体が生き物として自分とは異 えないものが衝突しながら成立する家が想像できないでしょうか。
なる人格をもつとどうなるか。写真家であり評論家でもあった多木浩二さん
の著作に『生きられた家』(1976年、田畑書店)がありましたが、人間を中心と 笑う家
する近代の思想から離れ、人間の想像力の可能性を考えることはある種の
原点回帰ともいえます。 堀部 今の若い人たちは、見えないものに怯えていると感じることがありま
堀部 ある社会学者の話では、ホモ・サピエンスのいちばんの特徴は、フィ す。新型コロナウイルスや戦争の危機に直面し、希望ある未来を想像できな
クションを構築したことだとあります。国家、お金、宗教などのフィクション いのではないでしょうか。だから、若い人たちが、見えないものに対峙して
を生み出すことができたことで、他の人類を圧倒したのです。平田さんや青 前向きにとらえられる提案ができることが重要だと思います。むしろ、テーマ
木さんのおっしゃったように身体的な要求を満たすだけの家ではなく、現代 に向き合って、自分たちは怯えていてすごく苦しんでいるということを、吐き出
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第18回ダイワハウスコンペティション テーマ座談会
してもらうくらいでもよいと思います。 八田 「笑う」という感情は、人間の大きな特徴ですよね。それは先ほど
平田 ほとんどの学生はコロナ禍によって、学生生活で得るはずだった経 皆さんが共通して言及されていた「人間の可能性」のひとつです。自分の家
験や思い出を失ってしまった人が多いと思いますが、実は彼らにとってはそ に近くなると、ほっと口角が上がって笑顔になるように、笑うことは人の暮ら
れが日常なので、苦しいと感じていないかもしれません。ただ、彼らが私た しや社会には欠かせないものです。それを新しい家の提案において、どのよ
ちと異なる時代背景を経験して育ったということは、同じ世界にいながらまっ うに引き出すのかを考えられると面白いですね。
たく違う日常を見ている可能性がある。彼らにとって、今の社会や暮らしはど 司会 それでは、第18回ダイワハウスコンペティションのテーマは「笑う家」
んなもので何が課題なのか、そして希望はどこにあるのか、素直に問うたら にしたいと思います。
面白いかもしれません。
青木 私が若い人たちと接すると、自分自身に縛られていると感じます。 応募者に期待すること
だから、先へ踏み出すのが怖くて、冒険ができないのではないでしょうか。
提案を通して一歩を踏み出せるきっかけを掴めたらよいと思います。ものづく 平田 面白いと感じたから笑う、ということだけではなく、笑いにも多くの
りには、自分が見たことがないものをつくりたいという欲求があります。それ 種類がありますよね。さらに笑いはひとりではなく、複数の会話の中や、誰
は歴史的に新しいものではなくて、その人にとって知らなかったことを、つく かのアクションを見て起こる感情でもある。つまり、ひとりで成立するのはなく、
ることで感じたいという欲求でもあると思います。そのような欲求を喚起する 他者との関わりの中で生まれるものです。そして、笑いには哲学や歴史があ
テーマにしていきたいです。冒頭で平田さんがおっしゃった「笑いの家」はそ るように、人間の感情の中で最も深いものではないでしょうか。私たちもこの
ういう意味では面白いと思いました。どんな家が想像できるでしょうね(笑)。 テーマに応える提案を通して、新たな発見ができる期待があります。多様性
平田 僕は大阪出身なので、建築を笑いという概念から考えられたらと長 があるテーマなので、応募者には固定観念に縛られず、考えてほしいです。
年思い続けているのですが、実現できていません(笑)。もし、実現したら次 小堀 私はこの議論を通して、その固定観念に囚われていたと気がついた
世代の建築を見出せるかもしれません。 ところです(笑)。笑いには、泣き笑いや怒りの時の笑いまであります。文化
堀部 第14回の「太っ腹な家」はすごく印象的なテーマで、よい提案が や思想が違うことによっても異なることと、誰にでも通じるところがあるので、
集まったことを覚えています。このテーマは家が太っ腹になるわけだから、家 海外からの応募や西と東でどう提案が変わるのかも楽しみです。また誰しも、
を擬人化しています。先ほど青木さんが挙げた「生きている家」
も家を擬人化 自分が笑って得る喜びだけでなく、皆を笑わせたいという欲もあるものです。
していますね。今の季節、4 ∼ 5月に山が一斉に芽吹くことを俳句の春の季 それは先ほど挙げた「自分と自分も含めた他人」がいることを意識させます。
語で「山笑う」
と表現します。その季語に倣って「笑う家」
とか、
「家が笑う」
と 家が笑うということは、中にいる自分も笑いたいし、家の回りの人たちも笑わ
どんな姿なのか、考えるのは面白いかもしれません。 せたい、というような発想も期待します。
平田 たしかに、笑いというものの 堀部 俳句の季語の「山笑う」のように、文学的な表現や詩的に表現する
あり方を限定しない方がいいかもしれ こともよいですし、笑いの本質であるユーモアや皮肉る提案もあるとよいと思
ません。
「笑っちゃう家」や「家笑う」と います。その人なりの、笑うとは何かを見せてほしいです。
いうとまた違って聞こえてきますね。 八田 僕自身、笑いは生きるための
青木 「山笑う」という言葉は、山 ビタミン剤だと思っているので、私たち
が本当に笑っているわけではなくて、 関西人としては、うってつけの考えが
春になり若芽が出てきて、花が咲き始 広がるテーマです(笑)。多様な考えを
めると山が色とりどりになる。その様子 示してほしいと思います。
を表したのでしょうね。同様に、家が 青木 笑いにはこんなにもいろいろ
笑うというのは、どんなものでしょうか。 な種類があって多様だということですよ
こちらも実際にわっはっはと笑っている ね。ニコっと笑うのもあれば、微笑ん
家というよりも、もう少し広がりをもった笑いが生まれるのでしょう。いろいろ だり、爆笑したり、ニヒルな笑みなども
な可能性が考えられます。
「生きている家」よりは「笑う家」の方が面白い気 ありますね。それを職業にして、極めよ
がします。 うとしている人も大勢いる。このテーマ
堀部 よい家を見ると、有名無名問わず自分自身がつい笑顔になってい ではまず、いろいろな笑いの中でどんなものがあるのかをよく見回して考えてほ
る感じがします。それは家が微笑んでいるように見えるのかもしれない。そこ しいです。その中で、その笑うことを深く考察して、家というものを重ね合わ
には大きな生命力も感じます。また、笑うと気持ちや体も澄んでいきます。感 せてみる。
「笑う家」というのは、家が笑っていることにも、そこに住む人が笑
情が沈んでいる時に友人と会話していて、ふと「ここ笑うところだよ」なんてい えるような家にも、両方の意味に取れますが、どちらかに限定しないで考えて
われてつい笑ってしまうと、今まで落ち込んでいたことが「そうだよな、
まあいっ もらいたいと思います。面白い議論が起きる提案を期待しています。
か」
となる。そのように、人をデトックスする作用もあると思います。 (2023年4月12日大和ハウス工業東京本社にて。文責:本誌編集部)
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© 新建築住宅特集 2023 年6 月号/第446 号
2023 年5 月19 日発行 毎月1回19 日発行
定価 2,420 円 本体 2,200 円
振替:00150-6-30658
[編集発行人]吉田信之
[編集長]西牧厚子
[表紙・誌面フォーマットデザイン監修] K2
[発行所]株式会社新建築社
東京都千代田区霞が関三丁目2 番5号
霞が関ビルディング17 階 〒100-6017
tel. (03)6205-4380(代表/総務・出版)
(03)6205-4381(編集部直通)
(03)6205-4382(広告部)
(03)6205-4392(写真部)
fax. (03)6205-4386(代表/総務・出版)
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(03)6205-4387(編集部・広告部・写真部)
CONTENTS
青山ハウス
東京都港区南青山二丁目19 番14 号 〒107-0062
tel. (03)6455-5596
fax. (03)6455-5583
e-mail jt@japan-architect.co.jp
URL https://japan-architect.co.jp
[印刷所]大日本印刷株式会社
[取次店]トーハン 日販 楽天ブックスネットワーク
鍬谷 西村
内 と 外 の 親 密 な 関 係 ── 土 間 ・ テ ラス・ 光 庭
特集作品 15 題
0 1 2 佐藤邸 西沢立衛建築設計事務所+ミサワホーム
0 24 小川邸 北澤伸浩建築設計事務所
0 4 4 都立大学の家 青木弘司
0 5 2 函南町の家 山田誠一建築設計事務所
0 6 2 大崎の住宅 武田清明建築設計事務所
0 8 2 江津ハウス 矢橋徹+上野拓美/矢橋徹建築設計事務所
0 9 0 榴岡の家 佐藤充
0 9 8 能見の高床 西和人
1 0 6 まちと余白といえ 岸本貴信
1 1 4 練馬の家 阿蘓俊博/アソトシヒロデザインオフィス
1 2 2 村の縮景 岸本和彦+赤池友季子
1 3 0 路地の反転 富永大毅+藤間弥恵
1 3 8 小金井の住宅 須藤剛+高岩愛実/須藤剛建築設計事務所
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株式会社 新建築社
〒 100-6017 東京都千代田区霞が関 3-2-5 霞が関ビル 17 階
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バックナンバー
2023 [特集]
リノベーションが拓くもの 2023 [特集]
家の向かう先──若手建築家たちの挑戦
──新しい価値を創造する15 のアイデア [特集作品 14 題]
窓の庭/増田信吾+大坪克亘+湯原彰一 安
渡辺瑞帆
改修 ドーモ・キニャーナ/小田切駿+瀬尾憲司+
ホマレノモリ/阿曽芙実 barn O + house MR
4 月号 部邸/針谷將史 タイルビル/榮家志保+堀越優希 イメージ
ング・ハウス/向山裕二+上野有里紗+笹田侑志 町家のかげ
おくり/畠山鉄生+吉野太基 いすみの倉庫別荘/有井淳生
定価=本体 2,420 円
(税込) 定価=本体 2,420 円
(税込)
/木村吉成+松本尚子 a 邸/富永讓+金光雄基 前野邸/ +入江可子 ディアゴナルの住宅/伊庭野大輔+藤井亮介
鈴木隆介 波/湯浅良介 孔の家/藤 村龍至 日下部家住 バレエ 教 室 の あ る家 / 工 藤 浩 平 おおたかの 森 の 住宅/
宅離れ / 谷屋/森田一弥+本嶋正太+林 誠 青木湖の住宅 須藤剛+山崎百々美 縁側窓の家/吉川真 理 子+庵 原義 隆
/納 谷 新+太 田 諭 縫 合する家/香川翔勲+林和秀 西日 宇治の家/小松 一平 森下の家/石川素樹 西竹之 丸の家
の長屋/髙木貴間 鷲巣の走馬棟/森清敏+川村奈津子 /桐圭佑 蔵小山の二世帯住居/溝部礼士
改修 旧足立邸/神谷修平 [特集記事]NEXT Generation 新世代建築家が目指すもの
2023 [特集]
平屋の理由──大地に近い屋根の存在 2023 [特集]
木造の醍醐味──木をめぐる建築家たちの挑戦
[特集作品 15 題]移築 から傘の家/奥山信一+大塚優 [特集作品 15 題]
三家ランド/三家大地 特集論考:三家大地
3 月号 2 月号
論考:
藤村龍至 修学院離宮の家/竹口健太郎+山本麻子
[NEWS]第 32 回 A ACA 賞、芦原義信賞 発 表 / JIA 北海道 [MONTHLY REVIEW]座談月評 貝島桃代╳中山英之╳
建築大賞 2022 発表/ JIA 四国建築賞 2022 発表 他 藤村龍至
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446 2023 06
CONTENTS
コンペ 作 品 募 集
0 02 第 18 回ダイワハウスコンペティション 作品募集
M O N T H LY R E V I E W
146 座談月評 北山恒 金田充弘 金野千恵
NEWS
148 2023 年日本建築学会賞発表/
2022 年度 JIA日本建築大賞・JIA 優秀建築賞発表/
東京建築士会住宅建築賞 2023 発表
EXHIBITION
149 LINA BO BARDI 展 with Marcenaria Baraúna /
丸山直文 水を蹴る ー仙石原ー/
FORMS 石川素樹展
BOOKS
151 赤坂喜顕 著『WINDOW STORY 建築と窓』/
マイク・ライドン アンソニー・ガルシア 著 大野千鶴 訳 泉山塁威 ソトノバ 監修
『タクティカル・アーバニズム・ガイド 市民が考える都市デザインの戦術』/
横河健 著『美しい住宅へ』/中村航 著『POP URBANISM 屋台・マーケットがつくる都市』
CONSTRUCTION P R O F I L E・編 集 後 記
153 154
TOPICS
158
特集
内と外の親密な関係
土間・テラス・光 庭
今月号は、内部と外部の親密な関係つくり出す家を特集します。
そうひと括りにいっても、建築家の創意によってつくられる住宅には、親密なる外との関係をもつエレメントが
たくさん存在します。土間や縁側、軒下空間など、日本の民家の要素を再解釈して用いている中間領域、テ
ラスやバルコニー、ロッジアなど、地域や時代を超えて成立してきた半屋外空間、いずれも、暮らしを守りつ
つ外と繋がり開放性を得るという、一見対立する希求を受け止める住まいの緩衝帯です。それらは、気候風
土に寄り添った、時を超えた人びとの知恵と知性の蓄積であり、今日的課題である地球温暖化や生態系の変
化に対応した持続可能な社会づくりに対しても、多くの知見をもたらすものです。
今月号で紹介する住宅は、その多彩な半屋外空間が展開します。光庭がたくさんの部屋の明るい間仕切りと
なり透明感をもたらす家や、外周部にぐるりと回したバルコニーに暮らしやものが溢れ外観をつくるもの、外部
に開けない周辺環境の中でたくさんの光の吹抜けが貫き自然を呼び込もうとするものなど、暮らしの歓びと強く
結びついた親密なる外との関係はさまざまです。通底するのは、家に自然を取り込もうとする思考です。コロナ
禍の影響はこの思考を推し進めることになりましたが、建築家の創意によってその建築的可能性がさらに広
がっていることを見ていただきます。 (編)
特集作品 15 題
佐藤邸
商品化住宅での試み 西沢立衛建築設計事務所+ミサワホーム
小川邸
モノ、人、環境が同時に立ち上がる家 北澤伸浩建築設計事務所
久留米 の 庭と家
室としての庭から考える 合屋統太+ヤン=ヤコブ・シュレーダー
都立大学 の 家
外部環境を繋ぐ間戸としての住宅 青木弘司
函南町 の 家
街の中の空白 山田誠一
大崎 の 住宅
都市に「自然」はないのか 武田清明建築設計事務所
江津 ハウス
環境の一部になるための治具 矢橋徹+上野拓美/矢橋徹建築設計事務所
榴岡 の 家
家族の変化を許容するヴォイド 佐藤充
能見 の 高床
建築を明るくおおらかに開く可能性 西和人
まちと余白といえ
余白をもつ家 岸本貴信
練馬 の 家
路地を引き込む前庭の可能性 阿蘓俊博/アソトシヒロデザインオフィス
村 の 縮景
余白が生み出す生活の場と村の風景 岸本和彦+赤池友季子
路地 の 反転
内外の価値を反転する 富永大毅+藤間弥恵
小金井 の 住宅
ヴォリュームとヴォイドのバッファーゾーン 須藤剛+高岩愛実/須藤剛建築設計事務所
特集:
特集:内と外の親密な関係
佐藤邸
Sato House
埼玉県
西沢立衛建築設計事務所+ミサワホーム
Office of Ryue Nishizawa+MISAWA
北東側外観。平屋5棟、2階建て5棟が集まってできた構成。
外壁は、白、レモン色、ベージュの3色に塗り分けている。
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1階ダイニングからリビング1方向を見る。この家にはふたつの中庭があり、
各室が中庭に面した回遊性のあるプラン。
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2023 06 015
リビング1からダイニング方向を見る。内部は白を基調としつつ8色に塗り分けた。玄関に入って
すぐのリビング1では、明るいブルーの壁が出迎える。中庭の外壁は白色とレモン色で仕上げた。
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2023 06 017
商品化住宅での試み
トイレ
「佐藤邸」はミサワホームと西沢事務所の共同設
2
計による商品化住宅の試みで、Aプロジェクトと
しては「森本邸」以来2件目である。1件目の「森
リビング2
本邸」(本誌2002)の時は、パネル工法によって
個室4
工場でつくる箱型建築と、在来工法によって大
工が現場でつくる自由な形状の下屋建築の、ふ
たつの対比を考えた。四角い箱の周りに自由な
かたちの下屋が襟巻きのように回る構成だ。四
個室5
角いもの(規格品部分)と自由なもの(在来工法部分)
バルコニー
の二言語構成は、ハウスメーカーとアトリエの役
割分担としても明快と感じられた。しかし今回は、
商品化住宅というテーマを考えて、ミサワの商品
だけで建築をつくる方向に進んだ。つまり、どこ
がアトリエでどこがハウスメーカーかという区分
が分からない、より一体感のある建築を目指すこ
2階平面図
とになった。
建主の要望の中に「大家族の家」
「6LDK」とい
うものがあった。多数の部屋をもつ家のイメージ
に、私は心惹かれた。そこから、部屋が集まっ
て立体化する案が生まれた。かたちは従来的な
直方体ではなく、凸凹したかたちとなった。それ
駐車場
庭4 N
A
配置図 縮尺1:800
庭5
トイレ1
浴室
脱衣室
納戸
読書室
押入
ダイニング
キッチン
中庭2
個室2
庭1
B
個室3
中庭1 B
リビング1 玄関
庭3 個室1 自転車置き場
庭2
N
1階配置平面図 縮尺1:150
018 2023 06
は、都心部によく見られる非整形の異形土地に 部屋、読書室、和室、納戸など、多くの個室と 抜ける。
も適合できる自由さがあり、また厳しい斜線制限 子供たちが遊べる庭を望んだ。 また、内外共に白を基調としつつ、部分的に色
に収まる立体造形上の柔軟さがある。他の土地 この住宅は、MJwoodというミサワホーム独自の を入れ、新居の喜びを感じられるような明るい空
にも応用可能という意味で、商品化住宅のテー 木造軸組工法を用い、建物全体を商品化住宅 間を目指した。内壁は、部屋の機能や大きさ、
マに合っていると、私には感じられた。 として計画した。小さな部屋の集合で全体をつく 部屋同士の繋がり、外壁との調和、光の入り方
各室はドアをふたつもち、部屋が数珠繋ぎになっ る構成により、外形が自由になり、さまざまな敷 などから、8色に塗り分けている。たとえば、ダ
て、中庭の周りを周回できる回遊性が生まれ、 地形状に合うという商品化住宅ならではの汎用 イニングの壁、天井、階段室の吹抜けまでベー
子供たちが駆け回ったり交流したりできる。また、 性をもたせた。部屋を異形敷地に合うように雁 ジュが続く大きく明るい空間や、その奥には全面
彼らがいずれ巣立った後は、空き部屋がいっぱ 行させたり、環状に並べたりすることで、庭と混 赤茶で天井高の低い落ち着いた読書室が対比
い残って寂しくならないように、個室群の回遊空 ざり、内外に居場所をつくっている。1棟あたり 的にある。回遊性のある空間を色で分け、色で
間はリング状の居間になる。時間的な機能変化 のヴォリュームが小さくなるため、小屋梁が四周 繋げようと試みている。
や多機能性を想像しながら設計した。以上をま のみとなり、MJwoodの基本形式である小屋組 ハウスメーカーとアトリエの協働により、性能が
とめると、私たちが目指したものは、部屋がたく 形式でも勾配天井を実現した。 担保された安定した空間でありつつ、子供たち
さんあって、大家族のあり様がかたちになるとい 各部屋はふたつの中庭と外周の庭に面して複数 の成長や生活に応じて、自由に変化していける
うこと、凸凹性、回遊性、透明性、多機能性な の開口をもち、部屋群を貫くように並列して開口 風通しのよい住宅を目指した。
どだ。 (西沢立衛) を設け、建物全体の透明性をつくれないかと考 (植松里緒/西沢立衛建築設計事務所)
えた。構造上弱点である出隅には通常壁を設け
小部屋の集合、透明性、色 るところ、今回は許容応力度計算を行い、構造
敷地は閑静な住宅地にあり、北側の用水路沿い 上の安定性を確保しつつ、キッチンの北西とリビ
の道路と東側の道路の2面に接道した異形の旗 ング1の南東に両面開口を設けている。XY軸に
竿地となっている。建主は、
リビングダイニングキッ 加え、斜めの軸にも抜けをつくることで、どの部
チンに加え、3つの子供部屋、テレワークをする 屋にいても庭を感じ、光が差し込み、風が通り
赤茶色で仕上げられた1階読書室は、個室2とダイニングを繋ぐ動線でもある。
2023 06 019
2階リビング2。1階ダイニングのベージュが階段室まで続く。
1階ダイニングから個室2側を見る。ダイニングは東西南北に視線が抜け
る、天井高2.8mの明るい空間。中庭越しや斜め方向に室同士を見通せる。
020 2023 06
2階南東に設けられたバルコニー。大きな開口から視線が抜ける。
1階個室2は畳敷きの和室。天井は畳に合わせて薄緑色とした。
2023 06 021
佐藤邸 担当/西沢立衛 植松里緒 植田有紗 管理 北恵 担当/樋口真 西村健司 基礎 べた基礎
所在地/埼玉県 構造 小松宏年構造設計事務所 大工 仁平正光 規模
主要用途/専用住宅 担当/小松宏年 内装 FINEPLUS 担当/中嶋顕造 階数 地上2階
家族構成/夫婦+子供 設計・工事監理 ミサワホームMJ 電気 習電工 担当/習田大将 軒高 6,980mm 最高高さ 8,030mm
プロデュース/ミサワホームAプロジェクト 担当/髙橋正 基礎 福田工業 担当/福田達也 敷地面積 268.48m2
担当/大島滋 設計協力 ミサワホーム 左官 遠藤建装 担当/遠藤竜幸 建築面積 96.62m2
担当/中島隆 能浦勇一郎 給排水 梅沢水道 担当/梅沢和夫 (建蔽率35.98% 許容50%)
設計 施工 構造・構法 延床面積 147.23m2
西沢立衛建築設計事務所 ミサワホームMJ 担当/根岸克俊 主体構造・構法 木造軸組工法 (容積率54.83% 許容80%)
北西側遠景。
屋根: ▽最高高さ=GL+8,030
ガルバリウム鋼板 t=0.4mm 竪はぜ葺き @350mm
アスファルトルーフィング t=2mm
野地板 t=12mm 軒天:
垂木 45×60mm
1,050
サイディング t=12mm 吹付け塗装
梁 105×180mm
外壁:
サイディング t=14mm 吹付け塗装
縦胴縁 15×45mm @455mm ▽最高軒高=GL+6,980
透湿防水シート
構造用合板 t=9mm
960
内壁:
2階天井: 断熱材 t=105mm
断熱材 t=155mm PB t=12.5mm
野縁受け 30×40mm
140
ビニルクロス ▽小屋梁天端1=GL+6,020
野縁 30×40mm
防湿フィルム ▽小屋梁天端2=GL+5,880
PB t=12.5mm
ビニルクロス
2階床:
フローリング t=12mm
硬質PB t=12.5mm リビング2
構造用合板 t=24mm
2,106
梁 105×210mm
階段室
8,030
49
▽2FL=GL+3,774 ▽2FL=GL+3,774
△2階梁天端=GL+3,725
355
▽小屋梁天端3=GL+3,370
1階天井:
535
断熱材 t=100mm
野縁受け 30×40mm ▽小屋梁天端4=GL+2835
野縁 30×40mm
PB t=12.5mm
ビニルクロス
1階床:
フローリング t=12mm
構造用合板 t=24mm
断熱材 t=100mm
36
▽1FL=GL+591 ▽1FL=GL+591
△1階梁天端=GL+555
250 305
▽中庭=GL+250
▽設計GL±0
土台 105×105mm
鋼製束
防湿コンクリート t=50mm
砕石地業 t=50mm
910 227.5 682.5 910 910 227.5 2,275 910 910 1,592.5 910 1,365
11,830
AA'断面詳細図 縮尺1:75
022 2023 06
1階 94.55m2 2階 52.68m2 外壁/サイディング 吹付け塗装(エスケー化研) 壁・天井/ビニルクロス(サンゲツ) 給排水 給水方式/上水道直結
工程 開口部/樹脂サッシ(YKK AP) 浴室 排水方式/下水道放流
設計期間 2020年12月∼2022年7月 内部仕上げ 床/クッションフロア(東リ) 給湯 給湯方式/エコキュート
工事期間 2022年8月∼2023年3月 リビング・ダイニング 個室1・3∼5 キッチン 壁・天井/ビニルクロス(サンゲツ) 撮影/新建築社写真部
敷地条件 床/シートフローリング(大建工業) 洗面台/ TOTO オクターブ
地域地区 法第22条区域 壁・天井/ビニルクロス(サンゲツ) ユニットバス/ TOTO サザナ
道路幅員 東4m 駐車台数 1台 キッチンカウンター/ステディア(クリナップ) 設備システム
外部仕上げ 個室2 空調 冷暖房方式/壁掛けエアコン
屋根/ガルバリウム鋼板(セキノ興産) 床/畳(大建工業) 換気方式/第3種換気
屋根:
ガルバリウム鋼板 t=0.4mm 竪はぜ葺き @350mm
アスファルトルーフィング t=2mm
野地板 t=12mm
垂木 45×60mm
梁 105×180mm
軒天:
サイディング t=12mm 吹付け塗装
2階天井:
断熱材 t=155mm
野縁受け 30×40mm
野縁 30×40mm
防湿フィルム 外壁:
PB t=12.5mm サイディング t=14mm 吹付け塗装
個室5 ビニルクロス バルコニー 縦胴縁 15×45mm @455mm
透湿防水シート
バルコニー床: 構造用合板 t=9mm
MCボード t=15mm
高耐久シート防水
2階床: 耐水合板 t=12mm 2重貼り
フローリング t=12mm 勾配根太 @455mm
硬質PB t=12.5mm
構造用合板 t=24mm 水勾配1/50
▽2FL=GL+3,774 梁 105×210mm ▽2OFL=GL+3,825∼3,890
1階天井:
断熱材 t=100mm
野縁受け 30×40mm
内壁: 野縁 30×40mm
断熱材 t=105mm PB t=12.5mm
PB t=12.5mm ビニルクロス
ビニルクロス
1階床:
フローリング t=12mm
構造用合板 t=24mm
断熱材 t=100mm 玄関床:
モルタル t=60mm
▽1FL=GL+591 コンクリートスラブ t=240mm
▽1FL=GL+350
土台 105×105mm
鋼製束
防湿コンクリート t=50mm
砕石地業 t=50mm
455 2,047.5 910 2,957.5 910 1,820 910 910 1,365 227.5 682.5
13,195
BB'断面詳細図
2023 06 023
特集:内と外の親密な関係
小川邸
Ogawa House
東京都練馬区
北澤伸浩建築設計事務所
Office of Nobuhiro Kitazawa
024 2023 06
西側全景。袋小路に建つ地下1階の土間と地上2階の3層からなる住宅。
1階と2階は西面と北面にバルコニーを回しており、さまざまな活動が外
に展開する。鉄骨造で矩形ヴォリュームに対し、上階になるにつれセット
バックしたヴォリュームと、動きのある手摺りが外観に柔らかさを与える。
2023 06 025
北西側夜景。地下1階から2階に上がるにつれて鉄骨の断面
寸法は小さくなっている。すべて鉄骨構造で躯体を立ち上げ
ることで、建主の趣味である車を入れる土間と住居を同等に
扱っている。
026 2023 06
1,100mm張り出す1階バルコニーを見通す。玄関
は建て替え前の住宅や隣家に倣い、地面から2.3m
ほど上がった中間階に設けた。下階にとっては庇に、
上階にとっては床となるように段階的にセットバック
し、それぞれのレベルに居場所をつくった。
2023 06 027
028 2023 06
2階リビングダイニング。2階中央に配された柱の位置は地下ガレージの駐車スペース
により決まっているが、それにより緩やかに4つの領域をつくる。床と天井の仕上げは
ラワン合板。階段回りには建主がコレクションしているものなどが飾れる棚を設けた。
冷暖房の効率を上げるよう、2階は階段吹抜けをカーテンで仕切れる。
2023 06 029
バルコニー
リビングダイニング
2階平面図
バルコニー
室1 室2
2階南東側を見る。東側にも小さなバルコニーがあり、洗濯物干しを設けた。
エントランス
トイレ 室3
1階平面図
1階から2階へ上がる階段。蹴込み板をなくして上下階に光と風をもたらす。
土間
廊下
脱衣室
トイレ
浴室
030 2023 06
2階バルコニー。奥行き1,800mmと深いため、アウトドアリビングとして使うことができる。リビングダイニング南東側と北西側のコーナーは掃き出し窓から視線が抜ける。
地下1階土間。左手のスペースは外部リビングのような場所。室内右手奥は水回り。 2階北側のバルコニーから見る。手摺りはφ=34mmのスチールパイプで制作。
2023 06 031
小川邸 延床面積 112.01m2 浴室
B3:H-100×100mm
所在地/東京都練馬区 (容積率99.34% 許容100%) 床/モルタル 撥水剤
V3:□-50×50mm
2 2
主要用途/専用住宅 地階 49.74m 1階 35.41m 壁/ウレタン塗膜防水 C3:H-100×100mm
▽RSL
ラワン合板 t=4mm+OP
木下地
珪酸カルシウム板 t=8mm+EP
PB t=12.5mm+クロス
CH=2,359
アルミサッシ アルミサッシ
2,515
2,335
ラワン合板 t=5.5mm+OP
構造用合板 t=12mm
超速硬化型ウレタン塗膜防水 t=3.3mm
▽2FL ラワン合板 t=9mm
勾配スタイロフォーム t=30∼50mm
190
230
デッキプレート現し
デッキプレート現し
PB t=12.5mm+ラワン合板 t=4mm+OP
最高高さ 6,870
アルミサッシ
CH=2,375
2,415
7,830
室2 室1 バルコニー
ラワン合板 t=5.5mm+OP
構造用合板 t=12mm 超速硬化型ウレタン塗膜防水 t=3.3mm
▽1FL ラワン合板 t=9mm
勾配スタイロフォーム t=30∼50mm
185
225
デッキプレート現し
デッキプレート現し
ガルバリウム鋼板(小波)t=0.4mm
2,710
CH=2,485
2,525
コンクリート打ち放し+撥水剤
▽隣地境界線
▽平均地盤面
土間
コンクリート t=80∼140mm+防塵塗装
▽B1FL
300 100
▽B1SL
断面詳細図 縮尺1:50
△道路境界線
032 2023 06
400 2,700 2,250 900 450 525
北西側外観。
2023 06 033
特集:
特集:内と外の親密な関係
久留米の庭と家
Garden and House in Kurume
福岡県久留米市
合屋統太+ヤン=ヤコブ・シュレーダー
/ GOYA SCHRÖDER & associates
+河内さつき
Tota Goya+Jan-Jakob Schröder
+Satsuki Kawauchi
034 2023 06
東側外観。中心市街地に隣接した寺町に建つ、設計者(河内)とその家族のための住宅。敷地の
表側は袋小路の突きあたりに面し、その裏側は堀と私道を挟んで国道と接し、戸建て住宅が高密
度に密集した一角に位置する。豊かな外部空間を獲得するため、9尺の柱割を9つ配した正方形の
内部空間に庭やバルコニーをその一部として組み込み、視線や光を整える町家の佇まいに倣った。
2023 06 035
南側前面道路よりバルコニーと庭を見る。既存の近隣同士が保っていたオープンな
関係を継承し、隣地の生垣や植栽を借景としている。屋根へ穿たれた開口は、庭
への過剰な採光を調整するため、日射をシミュレーションし決定した。
036 2023 06
居間よりバルコニーを見る。未納連山を臨む遠景を取り込む庭は、
一般的な内向きの中庭とは異なり、景色を切り取るための大きな
窓のある外部の部屋としてとらえて設計した。
庭より前面道路を見る。袋小路から庭までを段差
ないひと繋がりの空間とし、子供の遊び場や隣人
とのコミュニケーションを繋ぐスペースとした。
2023 06 037
室としての庭から考える の形式に倣い、庭と部屋を繋げ、庭と家が立面 客用の公的な表と私的な裏に仕切る。来客は
共同設計者である河内の家族のための住宅。こ になって街並みをつくるよう考えた。 玄関より階段を上がり、2階の居間からバルコ
の敷地の付近には、九州で最も大きな筑後川が そもそも、日本の民家にある通り庭や土間庭は、 ニーへと、螺旋状の動きで導かれる。階段では
緩やかに流れる。遠く、耳納連山の向こうから 内か外か曖昧だ。気密性の低い障子や建具の 段板を隠して吹抜けをつくらないことで昇降の動
は朝日が昇る。周囲は屋敷の塀が密集している ある民家の内に身をおくと、いつも外と繋がって きを一旦絶って、大屋根の平屋が2階に建つ感
が、袋小路に入ると塀はまばらになり、比較的 いる感覚もある。一方で、現代の住宅は外皮の 覚を強調した。
新しい住宅には塀がなく、敷地いっぱいに建物 気密性が高く、密閉される方向に向かっている。 2階北面は周囲の屋並に揃えた高さとしたが、
のヴォリュームが建ち上がる。それらの家の壁と この住宅では、窓を開放し、庭を点景とするだ 南面はその倍の天井高を確保し、冬の日射を取
いえば、小窓が何にも構わぬ向きに開いており、 けでなく、菜園づくりや、来客の多い建主が共 り込む。南の大きな高窓の向こうには空が広が
窓のカーテンがいつも閉じている状態を拝察す にバルコニーで食事を楽しむなど、活動も含め る。東側の壁に開いた開口部が遠景を切り取る。
る。 て内と外を繋げた住まい方を目指した。そこで、 中庭の高木の密集した枝葉がほどよく目隠しに
2
200m に満たないこの敷地は、周辺と同様に、 部屋の外にある庭やバルコニーを、地域の民家 なり、大開口からは適度の朝日が射し込む。銀
庭付き戸建ての屋敷にするにはやや小さい。そ の内にあった土間庭を参照し、準えて配した。 色の外壁が工業都市、久留米の風景に溶け混
れでも、おおらかに内と外を接続する形式は何 9尺 の 柱 割 を9つ 配した 正 方 形(nine square み、映り込む光や色が緩やかに変化していく。
か思索した。町家は、狭いながらも家の内に庭 grid)の内と、それを東側に2スパン延長させた (合屋統太+Jan-Jakob Schröder)
を組み込み、視線や光を整えている。その町家 外から平面ができる。民家の間取りに倣い、来
寝室3 寝室2
吹抜け
台所 トイレ2
食堂 居間
バルコニー
2階平面図
ウォークイン 寝室1 和室
クローゼット
庭
2,730
脱衣 浴室 玄関ホール
階段より2階を見上げる。
トイレ1
2,730
駐車スペース
収納
038 2023 06
居間。水回りを集めたボックスは、居間の9間の無柱空間を強調
するように独立して立ち上がり、寝室2・3前面の衝立となる。
1階階段側面。和室の障子を通した拡散光と、直角2等辺3角形
の側桁に当たり踏み板の間から漏れる反射光は、壁の色を拾いな
がら、刻々と変化する。玄関ホールより入る来客を自然と2階へと
導くよう意図した。
2023 06 039
居間より食堂を見る。南側の高窓とその上端が、天井面と連続する計算された 食堂からバルコニーを見る。居間からバルコニーまで、内外が連続した開放的な空間とし、
深さの軒によって、夏の日射を遮蔽し、冬の日射を取り込む。 ウッドデッキのセランガンバツは時を重ねて色が褪せ、躯体やフローリングの色と馴染ませる計画。
屋根:
ガルバリウム鋼板 t=0.4mm 堅はぜ葺き
アスファルトルーフィング18K
構造用合板 t=12mm
通気垂木 45×90mm @227.5mm
透湿防水シート
690
天井:
構造用合板 t=24mm 軒裏:
登り梁 120×150mm @910mm/ 木製下地
高性能グラスウール t=90mm×2 珪酸カルシウム板 t=8mm
気密シート 鼻隠:
PB 9.5mm EP 珪酸カルシウム板 t=8mm
4,743
食堂 居室 バルコニー
フローリング t=15mm
構造用合板 t=24mm
外壁:
水性ファインメタリック 和室
窯業系サイディングフラット無塗装 14×910×3,030mm トイレ1
2,450
縦胴縁 15×45mm@455mm
タイベックシート
構造用合板 t=12mm
柱120×120mm/
グラスウール(高性能16K)t=105mm
気密シート
PB t=12.5mm EP
庭
607
190
040 2023 06
寝室2。庭の吹抜けから朝の木漏れ日が射し込む。 2階階段上からバルコニーを見通す。
外壁:
水性ファインメタリック塗装
窯業系サイディングフラット無塗装 屋根:
14×910×3,030mm ガルバリウム鋼板 t=0.4mm 竪はぜ葺き
縦胴縁15×45mm @455mm アスファルトルーフィング18K
タイベックシート 構造用合板 t=12mm
構造用合板 t=12mm 通気垂木 45×90mm @227.5mm
柱 120×120mm/ 透湿防水シート
グラスウール(高性能16K)t=105mm
気密シート
PB t=12.5mm EP
▽最高高さ 8,490
690
軒裏:
木製下地 ▽軒高 7,800
珪酸カルシウム板 t=8mm
天井: 鼻隠:
構造用合板 24mm 珪酸カルシウム板 t=8mm
登り梁 120×150mm @910mm
高性能グラスウール90mm×2
気密シートPB 9.5mm EP
4,743
庇:
ガルバリウム鋼板 t=0.4mm 竪はぜ葺き
バルコニー 木製下地
軒裏:
珪酸カルシウム板 t=8mm
フローリング t=15mm
構造用合板 t=24mm
▽2FL 3,057
2,450
収納
庭
玄関ホール
和室
▽1FL 607
607
▽GL
190
2023 06 041
バルコニーより食堂を見る。柱梁が内外を貫通しつつ反復し、
柱や梁の省略や木部の塗装によって空間の差異が生まれる。
042 2023 06
南側全景。外壁は桁行3間のほぼ正方形の立面が、高窓や庇によって3 3の格子状に分割。庇は外壁面から切り離されながらも外壁面と庭の架構を統合した立面を構成する。
2023 06 043
特集:内と外の親密な関係
都立大学の家
House in Toritsu-daigaku
東京都目黒区
青木弘司+AAOAA
Koji Aoki+AAOAA
044 2023 06
2階住居をバルコニーへの階段から小屋組を通して見通す。1階は建主
が営む店舗(内装別途工事)、2階は住居からなる、木造2階建ての夫
婦の住まい。かつての長屋の名残りで隣家が連なって建て込む敷地で
あることから、屋根勾配を45度に設定しハイサイドライトから外光を取
り込む構成。東西方向に45度の木架構が910mmピッチで連なる。
2023 06 045
リビング・ダイニングから寝室を見る。木架構の納ま
りは6種類あり、小屋梁直下の柱や耐力壁との関係、
妻面の開口の斜材の有無により使い分けている。壁面、
小屋組、天井は濃淡の異なるグレーで統一した。
046 2023 06
リビング・ダイニングより、キッチンを見る。天井高は小屋梁下で
2,195mm、最高高さは5,293mm。右側は手前より、浴室、洗面、ト
イレの水回りを配置。奥の階段よりバルコニーに繋がる。妻面には三
角形の大開口を設け、限られた気積の中で最大限の開放性を図った。
2023 06 047
外部環境を繋ぐ間戸としての住宅 にして高窓から外光を取り込み、小屋組を長手
都内に計画した店舗兼住宅である。敷地の西 方向に反復させながら、室内を東西に貫通する
側には大正時代に創建された寺があり、その緑 ように前面道路と背後の寺の境内を繋いでいる。
豊かな境内を背に短冊状に区画された下駄履 外部の接点となる両妻面には、二等辺三角形
き住宅が軒を連ね、かつての町家の面影を残し の開口が自律的に設けられている。
ている。1階の店舗は、
さまざまな見世構えによっ 小屋組の各部材の表面には外光が回り込み、
て街並みをかたちづくり、東側の前面道路の坂 その様子が日々刻々と変化することで、明るさや、
3,060
道はいつも行き交う人で賑わっている。2階の ほの暗い抑揚を室内に生み出す。幾重にも重な
±0 るために、1階の店舗で快活に過ごすことと、2 部に横たわっているともいえるだろう。住居が直
階の住居で穏やかに安らうことを等価に位置付 接外部に開かれるのではなく、この間戸を介し
けたいと考えた。両隣が迫り、背後の寺の境内 て外部に明け渡されているのだ。
とは擁壁で隔てられている中で、東西それぞれ 1階の店舗では、多数の人との接点をもつこと
の質の異なる外部環境の気配を感じながら健や で社会に触れることになるが、2階の住居も、こ
かに暮らす方法を模索した。 れとは異なるかたちで、外部と積極的に関係を
11,830
11,830
まず、10寸勾配の片流れ屋根の小屋組を室内 取りもつような開き方を提示したいと考えた。さ
9,555
に現して、2階の住居の上方に大きな吹抜けを まざまな人と接し、外部の質に触れながら、こ
確保した。この吹抜けは、増改築を繰り返した の街と共に暮らし、愛着を育むような建築のあ
と思しき隣家の複雑な屋根形状を掻い潜るよう り方を導き出せたのではないかと考えている。
(青木弘司)
320
軒天:
FB t=8mm 天井:
構造用合板 t=24mm EP
1,710
,710 1,350
,350
小梁:
手摺り: 105×105mm EP
2,955
スチールFB 12×50mm
ローバル塗装
バルコニー階配置平面図 開口:
制作スチールサッシ・スチールドア
焼付け塗装 小屋束:
手摺り子:
スチール角パイプ 105×105mm EP
13×13mm @100mm 支柱・手摺り子受け:
ローバル塗装 スチール角パイプ
20×20mm 手摺り:
ローバル塗装 ラワン合板 t=30mm
3,060
N
バルコニー床: 階段:
ウッドデッキ材 90×20mm ゴム集成材 t=25mm
木建具:
2,250
2,275
ラーチ合板フラッシュ
階段下収納 OP
8,745
2,338
キッチン
浴室
11,830
11,830
7,280
2,730
リビング・ダイニング
3,012
床(勝手口)
2,300
2,275
モルテックス
寝室
120
3,060
048 2023 06
バルコニーに繋がる階段。 リビング・ダイニングの上部、南側にはハイサイドライト(GL+6,770mm)が連なる。
登り桁差し
+bolt.M12
▽GL+8,425
屋根:
ガルバリウム鋼板 t=0.4mm 竪平葺き マスタープレート
下地: スリムヘビー
アスファルトルーフィング ▽最高高さ
WT1:105×105mm
構造用合板 t=12mm
320
押出法ポリスチレンフォーム保温板 t=50mm
52.5 52.5
W
通気垂木 45×75mm @455mm
T2
:1
構造用合板 t=24mm △軒高 30 30
05
×1
0 5m
m
2-PX8-260 90
30 30
45
▽GL+6,770 WT6:105×105mm
2-PX8-230 30 40 20
25 45 110
PX8-230 RP-10
180 180
255525
WT4:105×105
木口打ち(計3本)
m
5m
10
22.5 22.5
5× PX8-200(計8本)
登り梁:
:10
30 30
105
105×105mm EP 4 52.5 52.5 105
WT PX8-230 補強材:
70 20
30 30 60 FB-12×90×L360
斜め打ち
▽GL+5,470 (計3本) (SS400)
2,955
39.5
スリムヘビー (両面) (B,D共通)
WT3:105×105mm
45
PX8-200 140 2-PX10-200 110
°
3-PX10-200
木口打ち(計3本) 1:105×105mm PX8-200
105×105mm
開口: ホゾ: 木口打ち
制作スチールサッシ l=60mm×d=30mm×w=40mm (計3本)
小屋筋交い: 焼付け塗装
105×105mm EP 小屋組詳細図
縮尺1:75
廻縁:
小屋梁: アルミアングル 15×15mm
105×105mm EP
▽小屋梁天端
▽最高高さ
320
収納天井:
ポリカーボネート複層板 t=4mm △軒天端
大壁:
ビニールクロス
下地:
地窓 PB t=12.5mm
横滑り出し窓
(LIXIL)
8,745
CH=2,195
2,338
2,955
寝室
リビング・ダイニング
外壁(東側)
モルタル金ごて仕上げ t=12mm
下地:
ラス下地 t=9mm
通気胴縁 15×40mm @455mm
巾木: 透湿防水シート
目透かし型見切縁 AT-12 構造用合板 t=12mm ▽小屋梁天端
ウレタンフォーム吹付け断熱 t=25mm
▽2FL梁天端
床:
8,745
2,338
▽2FL:梁天端
3,012
店舗
3,012
店舗
120
▽1FL
120
△1FL △設計GL
△設計GL
3,060
短手断面図
5,005 縮尺1:100
11,830
2023 06 049
N
バルコニーより北を見る。左は寺の境内。右は隣家がひしめく。 バルコニーより南を見る。食事を楽しむ場になる。 配置図 縮尺1:1,500
東側全景。間口約3m、奥行き約12mの狭小住宅であること
から南側と東西側の開口から自然光を内部に取り入れ、西側
には採風を担う地窓が設けらている。外壁はモルタル仕上げ。
050 2023 06
都立大学の家 電気 志光会社 担当/和泉浩男 敷地条件 トイレ 洗面室
所在地/東京都目黒区 構造・構法 地域地区 近隣商業地域 準防火地域 床/ Pタイル(田島ルーフィング)t=3mm
主要用途/店舗兼住宅 主体構造・構法 木造在来工法 第2種高度地域 壁/ PB t=12.5mm ビニルクロス EP
家族構成/夫婦 基礎 べた基礎 道路幅員 東11m 天井/ポリカーボネート平板 t=4mm
規模 外部仕上げ 浴室
設計 階数 地上2階 屋根/ガルバリウム鋼板 t=0.4mm 竪平葺き ユニットバス(LIXIL)
AAOAA 担当/青木弘司 岡澤創太 軒高 8,425mm 最高高さ 8,745mm 外壁/東側:モルタル金ごて仕上げ 設備システム
矢舖礼子 敷地面積 50.33m2 北・南・西側:窯業サイディング材 t=14mm 空調 冷暖房方式/ルームエアコン
構造 平岩構造計画 担当/平岩良之 建築面積 36.19m2 無塗装シーラー(ケイミュー) サーキュレーター
國江悠介 (建蔽率71.91% 許容80%) 開口部/スチールサッシ 住宅用防火サッシ 換気方式/第3種換気
施工 延床面積 73.69m2 (LIXIL) 給排水 給水方式/上水道連結
ビーンズ 担当/鈴木大 (容積率146.42% 許容200%) 内部仕上げ 排水方式/公共下水道放流
プレカット テクノウッドワークス 1・2階 36.19m2 バルコニー 1.31 m2 キッチン リビング ダイニング 寝室 給湯 給湯方式/ガス給湯器
担当/内城忠 工程 床/無垢フローリング t=12mm 撮影/新建築社写真部
鋼製建具 三協サッシ工業 担当/川島正彦 設計期間 2021年11月∼2022年6月 壁/石膏ボード t=12.5mm ビニルクロス EP
設備 小澤工業所 担当/小澤孝行 工事期間 2022年7月∼2023年2月 天井/木造躯体 EP
2023 06 051
特集:
特集:内と外の親密な関係
函南町の家
House in Kannami-cho
静岡県田方郡函南町
山田誠一建築設計事務所
SEIICHI YAMADA AND ASSOCIATES
052 2023 06
南西側全景。周辺は昔ながらの街区と新しく開発された住宅地が混在している地域に建つ、4人家族のための住宅。
敷地は隣地境界を覆うようにアスファルト舗装が重ねられており、この住宅はその継接ぎ状のアスファルトがそのま
ま建ち上がったように、ヴォリュームが重なったような外観を形成した。各敷地境界線から最低限セットバックさせ
壁を建て、領域ごとに面積や気積、光量を検討し、各ヴォリュームを繋げてひと繋がりのシークエンスをつくった。
2023 06 053
光廊より中庭へ繋がる開口を見る。自由に脱着ができる梯子上部は
ロフト室。天井高は最大で4,550mm、内部土間は中庭に向かって
150mm下がるスロープとなっている。
054 2023 06
中庭からのアプローチより光廊を見る。ヴォリュームのギャップに合わせて、
天井高を変化させている。光廊北側には寝室やサニタリーをコンパクトに接
続し、光廊を含めた内外のシークエンスが暮らしにおける中間領域となる。
2023 06 055
居間より食堂を見る。それぞれの生活行為に適した陰影による重心を
つくるため、中庭に面した窓とトップライトの光を落とす筒の高さを決
定。居間の窓の腰壁高さは350mm、筒の下端は1,950mmとした。
056 2023 06
食堂より中庭越しに街の風景を見る。制作されたダイニングセットに、トップライトからの柔らかな
光が落ちる。食堂では、天井からの筒の高さを1,800mmと抑えつつ、ダイニングテーブル高さ
710mm、中庭に面する窓の高さを750mmと調整し、窓と中庭を介した視線を街へ繋ぐ。
2023 06 057
GL鋼板素地 t=0.4mm 曲げ加工
笠木見付幅60mm
60
2,215
1,560 1,585
1,500
190 1,180 50 105 35
196 111
35 105 56 105 6
GL鋼板素地 t=0.4mm 曲げ加工
450
左官外壁:
177.5
3,450
見付幅寸法4方統一
1,950
1,165
居間 212 95
89 6
177.5
335
食堂より左手に居間、右手に台所を見る。レンジフードやキッ 室2を見る。上はロフト室。室1と2の間仕切り壁は、今後 居間開口部断面詳細図 縮尺1:30
チンの囲いを、内壁と同じ砂漆喰仕上げとすることで、それ の家族構成の変化に応じて取り払える仕様とした。
ぞれのヴォリュームに一体感をもたせる。
▽PH1高さ
(最高高さ)
(GL+5,500)
300
100
▽軒高1(最高軒高)
△PH2高さ
(GL+5,100)
250
△PH3高さ
(GL+4,850)
550
▽PH4高さ
(GL+4,300)
650
ロフト室
▽PH5高さ
(GL+3,650)
内壁:
砂漆喰塗り t=10.5mm
PB t=9.5mm
5,500
5,200
3,000
天井: 中庭
砂漆喰塗り t=10.5mm
PB t=9.5mm
室1 光廊
土間床:
土間コンクリート金ゴテ HP
(基礎コンクリート上)断熱材 t=40mm
コンクリート t=150mm
ポリエチレンフィルム t=0.15mm×2 重敷込下地
砕石 t=100mm
150
▽FL(GL+650)
△土間FL(GL+500)
650
500
▽GL
058 2023 06
光廊より、左手に中庭、右手に食堂と居間を見る。中庭の400mmの高低差を内部で吸収し微地形のように上下する。起点となる箇所に窓やトップライトを
設けることで、場所ごとに性質の異なる陰影が生まれ、シークエンス全体が切り取られた街と暮らしの風景を重ねる中間領域となる。
笠木:
GL鋼板 t=0.4mm 素地曲げ加工
(外部側笠木見付 t=60mm 通気部材共)
屋根:
シート防水 t=2mm
トップライト: エポキシ樹脂系接着剤
断熱複層透明ガラス vサッシシルバー色(既製品) 構造用合板 t=12mm×2 野地板下地
天井内断熱材 t=100mm 充填下地
垂木下地
△CH1
550
△CH2
300
△CH3
450
△CH4
外壁:
900
食堂 居間 勝手口 外通路
床:
オーク複合フローリングOF
構造用合板 t=24mm 下地 プラ束下地
(基礎コンクリート上)断熱材 t=40mm
土間コンクリート t=150mm
ポリエチレンフィルム t=0.15mm×2 重敷込下地
砕石 t=100mm
▽FL
150
△土間FL
1,820 1,820
3,640 1,125 440
2023 06 059
函南町の家 給排水 丸市管工 担当/丸市祐志 地域地区 第1種住居地域 第2種中高層住 台所 収納室 パントリー
所在地/静岡県田方郡函南町 カーテン カーテンコンフィ 担当/大石美穂 居専用地域 床/コンクリート金ごて仕上げ HP
主要用途/専用住宅 置家具 飯沼克起家具製作所 担当/飯沼克起 道路幅員 南4m 壁・天井/砂漆喰塗
家族構成/夫婦+子供2人 基礎・外構 三井土建 担当/三井一正 外部仕上げ 棚/シナランバーコア(制作)
構造・構法 屋根/シート防水 キッチン/制作
設計 主体構造・構法/木造在来工法 外壁/ラスモルタル 掻き落とし コンロ/日立 HT-M150KTF K
山田誠一建築設計事務所 基礎/べた基礎 開口部/アルミサッシ(三協立山アルミ・ベルッ 多目的棚/シナランバーコア(制作)
担当/山田誠一 本田圭 規模 クス) キッチン水栓/サンワカンパニー KT07669
構造 高橋俊也構造建築研究所 階数 地上1階 外構/芝張り 砕石敷き コンクリート金ごて 引き出し金物/ ekrea 30-3080 2段
担当/高橋俊也 軒高 5,200mm 最高高さ 5,500mm 仕上げ タオル掛け/ SUS ハンガーバー(toolbox)
置家具 飯沼克起家具製作所 敷地面積 235.54m2 内部仕上げ・使用機器 引手金物/把手金物(toolbox)
担当/飯沼克起 建築面積 107.01m2 玄関 光廊 主寝室 室2・3 レンジフード/制作
施工 (建蔽率45.44% 許容60%) 床/コンクリート金ごて HP 洗面室 脱衣・洗濯室 トイレ
建築 大栄工業 担当/金澤清文 須賀利次 延床面積 102.98m2 壁・天井/砂漆喰塗 床/コンクリート金ごて仕上げ HP
大工 坂部建築 担当/坂部明 (建蔽率43.73% 許容156.52%) 家具(玄関)/シナランバーコア(制作)AEP 壁/砂漆喰塗 洗面室:一部モザイクタイル 名
左官 山脇豊左官 担当/山脇豊 1階 102.98m2 居間 食堂 古屋モザイク ATS225-A-7
木製建具 渋谷木工所 担当/渋谷一 工程 床/複合フローリング オーク t=20mm クリア 天井/砂漆喰塗
金属製建具 三協テック 担当/鈴木祐司 設計期間 2021年9月∼2022年7月 オイル(IOC) 洗面台/サンワカンパニー フィーネ
塗装 山田塗装工業 担当/山田義忠 工事期間 2022年8月∼2023年4月 壁・天井/砂漆喰塗 水栓/サンワカンパニー TA01919N
電気 山田電気 担当/山田庸介 敷地条件 家具/シナランバーコア制作 AEP ミラー/サンワカンパニー KT03796
乾燥機/リンナイ RDT-80+DPS80Kセット
洗濯用水栓/ TOTO TWAS10A1A
夕景。中庭より窓越しに、左手に居間、右手に食堂を見る。2つの窓は、
排水金物/ SANEI H5502M-50
奥行きを持たせているため外壁面より突出している。芝を張った中庭に面す
る窓をあえて限定させることで、街の風景をより印象づけることを意図した。 Lロープ/リラインス RK-2521
タオル掛/ SUS ハンガーバー(toolbox)
衛生陶器/ TOTO ネオレストRS2
紙巻器/ SUSペーパーホルダー(toolbox)
浴室
床/ FRP2プライ仕上げ(滑止め砂配合)
壁・天井/ FRP2プライ仕上げ
浴槽/ BT14021S(追い炊き加工共) BA19379
シャワー水栓/サンワカンパニー TA03339
排水金物/カクダイ 4286-150
室1
床/複合フローリング オーク t=20mm クリア
オイル(IOC) コンクリート金ごて仕上げ HP
壁・天井/砂漆喰塗
ロフト室
床/シナ合板 t=4mm OF
壁・天井/砂漆喰塗
設備システム
空調 冷暖房方式/ルームエアコン
換気方式/第3種換気
給排水 給水方式/上水道直結
排水方式/下水道
給湯 給湯方式/ガス給湯器
撮影/新建築社写真部
南側鳥瞰スケッチ
配置図 縮尺1:4,000
060 2023 06
中庭。中央の芝生を土間が回り、居間と光廊を繋ぐ。
南西側近景。中庭を囲う塀は、一部を切り欠いてベンチとした。 南側鳥瞰。前面道路、駐車場、隣地などのアスファルトが一体的に繋がる。
14,545
2,425 1,820 3,185 1,820 1,820 3,475
トイレ
室1
2,730
室2 室3 主寝室
脱衣・
洗濯室 洗面室
3,655
浴室
2,155
1,150
光廊
(スロープ)
985
1,110
470
食堂
1,745
台所
1,300
パントリー
13,240
5
13,70
11,470
1,820
中庭
9,360
1,820
居間
収納室
7,170
1,820
勝手口
玄関
1,125
)
(スロープ
外廊
1,050
2,100
1,050 N
1,400 5,600
1階配置平面図 縮尺1:100
2023 06 061
特集:内と外の親密な関係
大崎の住宅
House in Osaki
東京都品川区
武田清明建築設計事務所
Kiyoaki Takeda Architects
062 2023 06
北西側全景。都市部の住宅地の角に建つ3階
建ての2世帯住宅。既製サッシを3層分縦に並
べた開口部が3カ所設けられた。右手は勝手口。
2023 06 063
3階寝室。木造3階建てとして必要な耐火性能を外壁と屋根
の外周部だけで取り切ることによって、内部は木質空間とし
た。外壁の室内側はアールがかかった雲型のような輪郭で、
外壁と床との隙間によってたくさんの吹抜けができる。
064 2023 06
1階寝室からリビング側を見る。内部は外壁と入れ子状に木造の構造体が立
ち上がる。雲型の輪郭にすることで室内側に懐が、室外側には吹抜けができる。
1階の床はサイザル麻で仕上げた。壁際のアール形状は人を包み込むように、
ひとりで、または家族と一緒に過ごせるよう大きさを検討。
2023 06 065
外壁:
ジョリパット
窯業系サイディングボード t=14mm
通気層 t=15mm
強化PB(2枚張り)t=21mm
構造用合板 t=12mm
スタイロフォーム t=50mm
サッシ:
アルミサッシ(網入りLow-Eペアガラス)
765
内壁:
1,820
壁紙 t=1mm
曲げ合板 t=12mm
空気の吹抜け t=40∼440mm
強化PB(2枚張り)t=21mm
構造用合板 t=12mm 主寝室
収納 書斎
寝室
1,165
収納 書斎
寝室
PS
収納
8,445
シューズインクローゼット 洗面
上部
2,020
光の
吹抜け
3階平面図
トイレ 収納
柱:
□105×105mm
内壁:
カラーウレタン塗装
ラワン合板 t=5mm
800
構造用合板 t=12mm
リビングダイニング
2,075
リビング
1,275
キッチン
600
玄関 浴室 脱衣室
N
600 1,220 910 1,015 1,985 500
6,230
066 2023 06
屋根:
▽HL:GL+9,090 ガルバリウム鋼板 t=3mm
構造用合板 t=24mm
天井:
壁紙 t=1mm
840
強化PB t=12.5mm
トップライト:
トップライト: 網入りガラス(開閉式)
網入りガラス(開閉式)
登り梁:
燃え代ベイマツ
□105×105mm
サッシ:
2,670
アルミサッシ(網入りLow-Eペアガラス)
主寝室
外壁:ジョリパット
窯業系サイディングボード t=14mm
通気層 t=15mm
強化PB(2枚張り)t=21mm
構造用合板 t=12mm
スタイロフォーム t=50mm
床:
畳 t=14mm
構造用合板 t=24mm
▽3FL:GL+5,580
内壁:
壁紙 t=1mm
曲げ合板 t=12mm
空気の吹抜け t=40∼440mm
強化PB(2枚張り)t=21mm
構造用合板 t=12mm
9,090
2,700
空気の 光の リビング 光の
吹抜け 吹抜け ダイニング 吹抜け
床:
フローリング t=14mm
構造用合板 t=24mm
▽2FL:GL+2,880
外壁:
ジョリパット
窯業系サイディングボード t=14mm
梁: 梁: 通気層 t=15mm
□105×180mm □45×180mm 強化PB(2枚張り)t=21mm
内壁:
AEP(シルバー)
強化PB(2枚張り)t=21mm
2,450
寝室
床:
サイザル麻カーペット敷き t=10mm
構造用合板 t=24mm
空気層 t=247mm
▽1FL:GL+430 スタイロフォーム t=50mm
基礎スラブ
430
空気層
▽GL
断面詳細パース 縮尺1:50
2023 06 067
3階から階段を見下ろす。壁の周りは、屋根に設けたトップラ
イトからの光がアールの吹抜けを介して下階へ届く。また、3
階の床は簀子状で、明るい3階の光が家の内部にも届く。
068 2023 06
親世帯が暮らす3階主寝室。個室は畳敷き。 2階リビングダイニングの窓際を見下ろす。外側の吹抜けは冷気や暖気が循環する空気層。
2階キッチンから共有のリビングダイニング側を見る。水回りは2世帯で共有。
1階書斎。机を設けるため懐の深い曲面とした。
1階寝室。 下に2階リビングダイニング、上に主寝室を見る。
2023 06 069
3階寝室。午前中は南東からの光が差し込む。
ソファを設えた1階リビング。暖
気がアールの懐を通り抜ける。
070 2023 06
大崎の住宅
所在地/東京都品川区
主要用途/専用住宅
家族構成/夫婦+娘夫婦
設計
武田清明建築設計事務所 担当/武田清明
相川航
家具 サインクラフト 担当/南川英雄
不動産 創造系不動産 担当/高橋寿太郎
山岸亮太
構造 鈴木啓/ ASA 担当/姿健一郎
電気 トカゲ 担当/竹内俊雄
施工
太平建設 担当/金山友也 田高亮(施工図)
五十嵐養一(現場監督)
設備 金子水道設備 担当/金子浩司
電気 スズキ電工 担当/鈴木健治
外構・造園 杉田工業 榎本造園土木
大工 杉山信夫
基礎 吉沢基礎工業
外壁 名取屋興産
塗装 実森塗装店
内装 日本エヌティアール
木材 山二
構造・構法
主体構造・構法 木造在来工法
基礎 べた基礎+表層地盤改良
規模
地上3階
軒高 8,205mm 最高高さ 8,720mm
敷地面積 82.02m2
建築面積 47.88m2
(建蔽率58.38% 許容60%)
延床面積 122.59m2 北西側夕景。トップライトと外壁の開口はアールに光が落ちる位置とした。トップライトは開閉可能で、中間期には3層分の吹抜けで高低差換気ができる。
(容積率149.47% 許容160%)
1階 47.88m2 2階 36.99m2
3階 37.72m2
工程
設計期間 2021年5月∼ 2022年9月
工事期間 2022年9月∼ 2023年4月
敷地条件
地域地区 第1種住居地域 防火指定 準防
火地域 高度地区 第3種高度地区
道路幅員 南・西4m
外部仕上げ
屋根/ガルバリウム鋼板
外壁/ジョリパット(アンティークストーン)
開口部/アルミサッシ
外構/砂利敷き コンクリート
内部仕上げ
キッチン
床/オーク材浮造りフローリング(アトムカンパ
ニー)
壁/キッチンパネル
天井/ PB t=12.5mm 不燃壁紙
厨房機器/
食洗器/パナソニック NP-45MD9W
ガスコンロ/ハーマンプラスドゥ
DW35F2JTKST
浴室
ユニットバス/ TOTO サザナHTシリーズSタイプ
空調機器/三乾王
トイレ・洗面所
床/ビニル床タイル マチコV MV35
階段。内部の木造は燃え代設計が不要なため、ローコストで圧迫感のな 玄関。上階の既製サッシと幅や見え方を揃えた。
壁・天井/不燃壁紙
い部材寸法で設計。
1階リビング 寝室 書斎
床/サイザル麻カーペット敷き 板 カラーウレタン塗装 空調 暖房方式・冷房方式/ルームエアコン
壁/曲げ合板 t=12mm 不燃壁紙 ラワン合 天井/構造現し (1階は床下吹き込み)
板 カラーウレタン塗装 3階主寝室 換気方式/第3種換気
天井/構造現し 床/琉球畳(白茶色) スノコ 45 45mm その他/太陽光パネル
2階リビングダイニング 壁/曲げ合板 t=12mm 不燃壁紙 ラワン合 給排水 給水方式/上水道直結
床/オーク材浮造りフローリング(アトムカンパ 板 カラーウレタン塗装 排水方式/下水道放流
N
ニー) 天井/強化PB t=12.5mm 不燃壁紙 給湯 給湯方式/ガス給湯器
壁/曲げ合板 t=12mm 不燃壁紙 ラワン合 設備システム 撮影/新建築社写真部
配置図 縮尺1:2,000
2023 06 071
特集:内と外の親密な関係
Studio House
in Setagaya
東京都世田谷区
Schenk Hattori
構造設計:柳室純構造設計
Structural Design:
Jun Yanagimuro Structural Design
南東側外観夕景。建主のアトリエ・スタジオ兼住宅。敷地は都心部の大通り沿いに面した
約50m2 の角地で、大通りを尾根とする緩やかな下り坂の存在によって場所の地形が顕在化
されていた。街へと広がるスケールの獲得を目指し、この場のもつおおらかな地形を空間の
シークエンスに取り込んだことで、特徴的な段々状の外観がヴォリュームとなって現れた。
072 2023 06
2023 06 073
074 2023 06
2階スタジオ。最高2,820mmの天井高が、床と天井の段差で少しずつ窄まっていき、南面窓際では2,200mm
になる。段々状の断面形状とフルハイトの水平連続窓によって、効率的に多くの自然光を室内に取り込む。西
面奥行き910mmの空間に収まるキッチンには、北面上部にある開口からの安定した光が落ちる。ここは普段は
居間として活用され、スタジオの撮影利用時には、キッチンと北面収納は1枚の大きなカーテンで閉じられる。
2023 06 075
3階寝室。ベッド脚は高さ180mmの床段差に合わせてカット
されている。各階の内装は統一し、窓の配置や高さの変化、
そして家具が空間に棲みつくことで変化を感じさせる。
1階アトリエより前面道路を見る。敷地の既存地面は、南端から
北端に向けて約360mm下がっており、その高低差を内部に吸収
することで、前面道路から約180mm下がった室内床となる。
076 2023 06
スタジオより東側を見る。天井照明は北側にまとめられており、抽象度の高い天井が現れる。
270mmの床段差は、階段としては少し大きく、ベンチとしては少し小さい。着脱可能な脚によっ
て段差に呼応する家具は、配置次第でテーブルにもベンチにもなる。家具制作は甲斐貴大。
2023 06 077
地形に棲む を確保しながら、天井懐を最小限となるようにし する構成により、縦横に伸縮を繰り返す空間の
敷地は東京の都心部に位置する。東西に伸び た。床段差が梁せいに、水平面の奥行きが荷 シークエンスが生まれる。通りの坂道から連続
る大通りを尾根として、緩やかな下り坂が南北 重の支配幅に、それぞれ連動することから、意 するこのシークエンスは、建物内部を経てバル
に伸びている。大通りに面し、五差路の角地に 匠と構造の要件を満たすように微調整を繰り返 コニーの空へと抜け、この建物の気積で考え得
位置する敷地からはこの地形的特徴が明確に見 し、最良の段差計画を導いた。結果として生ま る最大限の空間の連なりを生み出す。
て取れる。この計画では、50m2 程度の敷地に れた内部空間は、
白く平滑な壁面と天井面によっ バルコニーまで登り後方を振り返ると、北東
建主のアトリエ・スタジオ・住宅を内包する建 て仕上げられ、一切の構造部材が露出していな 5km先にある新宿のビル群が見渡せる。尾根か
築が求められた。 いにも関わらず、躯体が薄い衣を纏って立ち現 らの下り坂により、周囲の街並みが視界を遮ら
敷地いっぱいに確保した平面を、西側外壁面か れたかのような様相を示している。 ないため、ビル群の存在が不思議と近く感じる。
ら910mmのラインで2分割する。幅が狭い西 アトリエ・スタジオ・寝室という3つの居室はす 構造形式から生まれた構成によって、建築の中
側のヴォリュームに縦動線を、残った大きな東 べて、平面的な広がりと南面の水平連続窓から に周辺地形の特性が取り込まれることで、棲み
側のヴォリュームに居室を納める。無柱空間と の採光をもつ。共通項がベースとなっている分、 手の意識は建物・敷地を飛び出して都市スケー
なる居室の床スパンは最大5.4mである。木造 梁の配置による床・天井の段差や、水平連続 ルの拡がりを獲得する。 (服部大祐+柳室純)
としてはそれなりに大きなスパンのため、天井面 窓の面積・高さの違いによる各室の個性が際立
をフラットに仕上げようとすると、梁断面を隠す つ。一方、それら居室の間を繋いでいる縦動線
大きな天井懐が生じてしまう。コンパクトで高さ は、高さ方向への伸びと北面上方からの採光を
制限も厳しい敷地条件下で、気積の無駄はでき もつ。居室床の段差が縦動線の一部を担ってい
る限り回避したかった。 るため、通常の階段に比べて段数が少なく、上
そこで、梁ごとに段差をつけ、居室全体を大き 下の居室の距離が近い。 N
な階段状にすることで、床の曲げ剛性(梁せい) 相反する特性をもつ居室と縦動線を交互に往来
配置図 縮尺1:6,000
屋上からは
高層ビル群を望める
空に視線が抜ける
ハイサイド窓
最大光量を取り込む
フルハイト窓
踊り場のような各フロア
前面歩道への
掃き出し窓
構造躯体パース
坂道
尾根道
078 2023 06
バルコニー
▽Top 屋根:
+7,912 FRP防水の上トップコート
耐水合板 t=9mm 2枚千鳥張り
87
△RFL-c 通気胴縁(水勾配確保)
+7,825 透湿防水シート
構造用合板 t=24mm
天井: グラスウール 16K t=150mm
PB t=12.5mm 2枚貼り AEP 防湿気密シート
▽RFL-a
+6,895
2,665
2,225
下屋:
ガルバリウム鋼板 竪はぜ葺き t=0.4mm
耐水合板 t=9mm 2枚千鳥張り
通気胴縁(水勾配確保)
透湿防水シート
▽3FL-d 構造用合板 t=24mm
壁: グラスウール 16K t=150mm
+5,160 PB t=12.5mm AEP 防湿気密シート
▽3FL-a
+4,670
段板:
ラワン合板 t=5.5mm 着色オイル
構造用合板 t=24mm
2,420
8,052
7,035
2,740
キッチン
▽2FL-d
+2,740 天井:
PB t=12.5mm AEP
床:
ラワン合板 t=5.5mm 着色オイル
壁: 温水式床暖房 t=12mm
PB t=12.5mm AEP 構造用合板 t=24mm ▽2FL-a
+1,930
天井:
PB t=12.5mm AEP 天井:
段板: 珪酸カルシウム板 t=12mm AEP
2,740
土木用防湿シート
捨てコンクリート t=50mm
砕石 t=50mm
バルコニー
屋根:
▽Top FRP防水の上トップコート
87
寝室
2,225
収納
壁: 壁: 下屋:
PB t=12.5mm AEP 構造用合板 t=12mm ウレタン塗装 ガルバリウム鋼板 竪はぜ葺き t=0.4mm
PB t=12.5mm AEP 耐水合板 t=9mm 2枚千鳥張り
通気胴縁(水勾配確保)
透湿防水シート
床: 構造用合板 t=24mm
▽3FL-d ラワン合板 t=5.5mm 着色オイル塗装 床: グラスウール 16K t=150mm
+5,160 構造用合板 t=24mm 塩化ビニルシート t=2mm 防湿気密シート
構造用合板 t=24mm
▽3FL-a
天井: +4,670
PB t=12.5mm AEP
壁:
2,420
PB t=12.5mm AEP
8,052
スタジオ
7,035
2,740
▽2FL-d
+2,740
床:
ラワン合板 t=5.5mm 着色オイル塗装
温水式床暖房 t=12mm
構造用合板 t=24mm ▽2FL-a
天井:
PB t=12.5mm AEP +1,930
天井:
珪酸カルシウム板 t=12mm AEP
2,740
壁: PB t=12.5mm
外壁:
PB t=12.5mm AEP ガルバリウム鋼板 小波板 t=0.4mm
1,930
通気胴縁 t=18mm
アトリエ ガレージ 透湿防水シート
構造用合板 t=12mm
グラスウール 16K t=100mm
防湿気密シート
床:
ラワン合板 t=5.5mm 着色オイル塗装
構造用合板 t=12mm
▽GL スタイロエース t=50mm 床:
140
140
土木用防湿シート
捨てコンクリート t=50mm
砕石 t=50mm
断面詳細図 縮尺1:75 3階へ接続する階段の先にはバルコニーが続く。
2023 06 079
Studio House in Setagaya 木製建具 モローズ 担当/両角今朝敏 設計期間 2021年10月∼2022年6月 カーテン/クリエーションバウマン
所在地/東京都世田谷区 構造・構法 工事期間 2022年7月∼12月 厨房機器/クリナップ(既製品)
主要用途/スタジオ兼住居 主体構造・構法 木造在来工法 敷地条件 浴室
基礎 べた基礎 地域地区 近隣商業地域 準防火地域 バスタブ/ TOTO ユニットバス
設計 規模 31m第2種高度地区 トイレ 洗面所 収納
Schenk Hattori 階数 地上3階 道路幅員 南15.3m 東6m 床/東リ マチコV t=2mm
担当/ Steven Schenk 服部大祐 軒高 7,965mm 最高高さ 8,052mm 駐車台数 1台 壁・天井/ PB t=12.5mm AEP 壁(収納)
:
服部さおり 敷地面積 52.89m2 外部仕上げ 構造用合板 t=12mm ウレタン
構造 柳室純構造設計 担当/柳室純 建築面積 37.12m2 屋根/ FRP防水 設備システム
家具設計 studio archē 担当/甲斐貴大 (建蔽率70.19% 許容100%) 外壁/ガルバリウム鋼板 小波板 空調 冷暖房方式/ルームエアコン
施工 延床面積 97.96m2 開口部/アルミサッシ 木製サッシ 換気方式/第3種換気
泰進建設 担当/池部泰広 (容積率152.15% 外構/コンクリート洗出し仕上げ その他/温水式床暖房
大工 創政工房 担当/政木康高 ガレージ部分除く許容300%) 内部仕上げ 給排水 給水方式/上水道直結
電気 東晃電気 担当/間利子慎 1階 37.12m2 2階 34.40m2 アトリエ スタジオ 寝室 キッチン 排水方式/下水道直結
水道 竹内住設 担当/小林知弘 3階 26.44m2 床/ラワン合板 t=5.5mm 着色オイル 給湯 給湯方式/ガス給湯器
鋼製建具 ハマヤ 担当/金川貴之 工程 壁・天井/ PB t=12.5mm AEP 撮影/新建築社写真部
南側全景。南面ファサードの幅4,210mmの水平連続窓は、外部との関係や居室の性格に合わせて
各階で異なる高さをもつ。1階は道路面から高さ1,830mm、2階はフルハイトで高さ2,230mm、
3階は天井面から高さ1,370mmと、すべてアルミサッシの既製寸法で設定されている。
080 2023 06
930
2,080 6,180
193
1,820
1,350
1,820 収納
脱衣所
1,780
浴室
910
5,638
4,450
1,820
寝室
2,670
895
910 4,210
5,120 バルコニーより北側の街並みを見る。敷地より南北へ緩やかな下り坂が伸びている。
3階平面図
キッチン
スタジオ
ガレージよりアトリエ越しに大通りを見通す。
2階平面図
930
2,730 6,990
2,730
193
600
2,830
98
ガレージ
2,670
6,648
トイレ
1,820
5,438
1,780
アトリエ
910
895
890
910 4,210
5,120
2023 06 081
特集:内と外の親密な関係
江津ハウス
Ezuhouse
熊本県熊本市
矢橋徹+上野拓美/
矢橋徹建築設計事務所
yabashi architects
082 2023 06
北東側近景。公園の傍に建ち1階でカフェを営む兼用住宅。1.5階を含む3層構
成で、正方形ヴォリュームの対角線で空間を分節。1階は3面を大きく開け、外
部との床レベル差を抑えることでシームレスに繋がる。床はモルタル金ごて押さえ。
2023 06 083
1階店舗から厨房を見る。1.5階と2階は対角線から互い違いに床を架けることで、1.5層分の吹抜けが生まれ
る。各階や方位ごとに周辺の状況から得られる広がりを検討し、開口を設けた。厨房の左奥に玄関がある。
084 2023 06
2023 06 085
環境の一部になるための治具 つくれる「がらんどうの空間」である。
敷地は湧水公園のほとりに位置し、その湖岸道 1階の店舗と上階の住居は、対角線上に配置し
路沿いに開発された小さな住宅地の一角にある。 た耐力壁で断片的に仕切るだけに留め、1.5層
敷地は湖岸に沿って段上がりの地形になってい 分の開放的な空間と天井の低い親密な空間とい
るため、敷地からは隣地の庭や住宅の屋根の連 う異なるスケールの空間が交互に連続する立体
なりが見渡せ、遠くにある山々なども望める。さ 的なワンルームである。さらに、外部の豊かな
まざまな距離感にある景色や方位ごとの広がり 環境を関係づけるように、耐震要素の軸組に、
が散在している環境だ。 耐風・断熱・開口のための外皮が巻きついた
計画は1階をカフェとした2階建ての兼用住宅で 二重架構とし、開口の自由度を上げている。 1.5階室1から南西側を見る。ブレースは105 105mm。
ある。建主は、この住宅を当面ウィークエンドハ あらゆる方向に設けた窓は、内部に間仕切りが
ウスとして使いながら徐々に暮らしを移していくこ ないこともあって、身体の位置や高さによっては
とを計画していたため、生活を規定せず、変化 上下階越しに空や緑が見えたり、突然視線が
に適応できる空間が求められた。建主は、日常 抜けたりと、どこにいても外を感じられる開放感
を守る家、開放的なヴィラを行き来しながら生 を生み、場所の豊かさそのものに住んでいるよう
活を拡張する。 な状態を目指した。
まず敷地に正方形のヴォリュームを置き、上階 この住宅は、極端にいえば床、外皮、開口が
の床を対角線で分節した。床をスキップさせて 組み立てられているだけである。それによって質
地面との多様な関係をつくり、螺旋状の縦移動 樸なつくりとなり、環境を内なるものとして繋ぎと
1階の床から2,400mmほど上がった1.5階。
で繋げることで、場所ごとにさまざまなパースペ め、生活が環境の一部になるための治具となる
クティブをもった3層構成とした。各フロアは最 のではないだろうか。 (矢橋徹)
小限の機能に抑え、家具や植物で自由に場が
室2
層を跨ぐ筋交い構造
建物に入ると外壁面から構造躯体が分離されているため明確な軸組構成が認
識できると共に、2層に跨ぐ筋交いや柱が木造でありながら鉄骨造のような軽 室1
快さを印象付ける。筋交いは座屈長さが問題になるが、外壁内部に仕込まれ
た耐風梁が座屈補剛材としても機能している。また柱も風圧方向に210mmせ
いの断面を使用しているが、外壁内部で耐風梁と一体としているため室内にそ
のヴォリュームを感じさない。接合部は柱ホゾパイプに筋交いボルトをドリフト 店舗
ピン代わりに兼用することで無駄のない応力の伝達としつつ、意匠的にも外部
に露出しない接合方法となっている。 (白橋祐二/建築食堂) 屋根 (1/100勾配):
FRP防水
構造用合板 t=9×2mm 平面投影図
勾配垂木 t=910mm
ネオマフォーム t=60mm
▽最高高さ 設計GL+7,176 構造用合板 t=24mm 実付き
176
△軒高 設計GL+7,000
天井: 天井:
構造材現し 素地仕上げ 構造材現し 素地仕上げ
PB t=12.5mm
高性能GW(防湿紙付き)
ユーティリティ
床: 庇(1/10勾配)
:
塩化ビニルシート t=6mm ガルバリウム鋼板 竪はぜ葺き
構造用合板 t=24mm アスファルトルーフィング
捨て合板 t=9×2mm
勾配垂木 @910mm
構造用合板 t=24mm 実付き
(配管フトコロ)
24
▽2FL 設計GL+4,660
天井:
構造材現し 素地仕上げ
2,136
7,176
2,112
室1
内壁(外周) : 筋交い:
モイスNT t=6mm スギ □=105mm
PB t=12.5mm
耐風梁 □=90mm @455mm
床:
構造用合板 t=24mm 実付き
ウレタンクリア
24
▽1.5FL 設計GL+2,524
天井:
構造材現し 素地仕上げ
2,424
2,400
店舗 厨房 駐車スペース(広場)
内壁:
ラワン合板 t=4mm 浸透性保護材
床: 軒下舗装:
モルタル金ごて押さえ t=50mm 透水レンガ
防塵塗装
50
▽1FL 設計GL+100
100
50
△設計GL
断面詳細図 縮尺1:60
086 2023 06
2階から1.5階を見下ろす。外壁と構造体を独立させることで、開口の位置や大きさに自
由度をもたらした。窓から見える景色が変化するよう、窓は90度振った千鳥状に配置。
1階厨房から北東側を見る。厨房付近は天井高約4.5mの開放的
な空間。北東側に公園があり緑が多いため、大きく開口を取った。
2023 06 087
吹抜け
ユーティリティ
室2
2階平面図 右手に2階、左に1.5階を見る。軽やかさの現れとして、階段や手摺り、キッチンは簡易的な設えやディテールとした。
室1
吹抜け
1.5階平面図 店舗を見下ろす。
江津ハウス
所在地/熊本県熊本市
主要用途/兼用住宅
家族構成/夫婦+子供1人
設計
駐輪スペース 矢橋徹建築設計事務所
担当/矢橋徹 上野拓美
トイレ 構造 建築食堂 担当/白橋祐二
870
施工
870
玄関 熊本建設 担当/緒方雄一
3,480
厨房 大工 浦田建設 担当/本田真琴
板金 山下板金工業 担当/山下光治
870
6,960
塗装 木下塗装 担当/木下靖之
870
建具 ALESIA 担当/平田潤一
材木・プレカット 原田木材 担当/藤島大
870
駐車スペース(広場) 前面道路
3,480
店舗
村上功典 西田孝輔
870
鉄工 オープンスタジオ 担当/高光太郎
構造・構法
1,820
主体構造・構法 木造
基礎 べた基礎
規模
870 870 870 870 870 870 870 870 階数 地上2階
N
3,480 3,480
軒高 7,000mm 最高高さ 7,176mm
6,960 1,820
敷地面積 245.81m2
建築面積 62.29m2
(建蔽率25.34% 許容30%)
1階配置平面図 縮尺1:150
088 2023 06
北東側夕景。軒と透水レンガによる中間領域は、公園のスケールを引き込んだおおらかな場。軒の出は1,820mm、軒高は4,586mm。
2023 06 089
北側全景。夫婦と子供4人の6人家族の住まい。南北に3つのヴォ
リュームを配置。準防火地域でありながら、防火袖壁により北側
に向いた主屋2階の大開口を実現した。西側の集合住宅をレフ板
とし、反射光を内部に取り込む。屋根勾配は太陽光の入射角に
より決定。主屋1階の建具を開閉することで、通りとの距離感を
調整しつつ、上部の欄間から前面にある木々を借景に取り込む。
090 2023 06
特集:内と外の親密な関係
榴岡の家
House in Tsutsujigaoka
宮城県仙台市
佐藤充
Mitsuru Sato / SATO+ARCHITECTS
2023 06 091
サンルームより北側を見る。右は夫婦の主寝室、リビングな
どの家族共有スペースがある主屋。左は4室の子供部屋から
なる低層棟。サンルームは、玄関建具を開放することで路地
のようになり、家族と繋がりをもちながら外部と接続する。
092 2023 06
サンルーム。壁面は内部仕上げと同様に木毛セメント板とし
内部と外部を曖昧な状態とした。鴨居下にあるポリカーボ
ネート波板の建具の開閉パターンにより、玄関、アウトドア
リビング、まちと接続する路地へと空間の質の変化を図った。
2023 06 093
2階リビングから西側を見る。上部の水平連続窓によって隣
地集合住宅の壁面から反射した太陽光を取り込む。下部の
窓は1階と2階を跨ぐように配置し、低層棟と視覚的に繋がる。
ダイニングより北側を見る。前面の
緑地の樹木を借景として取り込む。
094 2023 06
N
主屋 低層棟
冷 トイレ
1,820
子供部屋1
5,000
910
+300
子供部屋2
910
+100 +155
隣地境界線 14,700
給湯
12,740
1,820
子供部屋4
スタディ
+50
1,820
洗面スペース
リビング
浴室
1,820
+100
1,820
防火袖壁
延焼ライン
910
±0 5,000
道路境界線 11,000
5,000
隣地境界線
外部仕上げ
2階バルコニー。床は、スチール角パイプで制作したスノコ床。周囲の風景が天井に映り込むよう、
天井は珪酸カルシウム板をシルバー塗装した。
最高高さ
(7,498)
▽
主屋
360
ゾーニングの検定によるニュートラルな架構
この計画は、汎用性の高い木造在来工法をベースに主屋と低層棟をそれぞれ許容応力度計算にて検 △
ガルバリウム折板 t=0.6mm(素地)SV-3型 軒高(7,138)
討している。主屋から低層棟に向かって勾配を変える断面を1,820mmごとに反復させた構造フレーム ペフ裏張り
に、2棟の偏心率0.3以下、かつゾーニングによる検定比0.75以上となるように耐力壁を配置することで、 透湿防水シート
野地板 t=24mm
2棟の間にFRP折板がもたれ掛かるような架構とし、家族と社会の多様な関係を許容する抽象度の高 吹込みGW t=300mm
いヴォイドを実現している。シンプルな軸組みに対して空間を緩やかに分節するように筋交いを配置し、 10
1,780
空間に奥行きを与え、構造エレメントが生活の拠り所になるように意匠と構造を総合的に検討した。 4.6
(図設計/髙橋雷人)
ロフトFL▽
隣地境界線
木毛セメント板
t=15mm(素地)
木毛セメント板 t=15mm(素地)
2,394
▽軒高(2,580)
285
木毛セメント板 t=15mm(素地)
木毛セメント板 t=15mm(素地) 木毛セメント板 t=15mm(素地)
木毛セメント板 t=15mm(素地)
2,400
配線胴縁 t=18mm
ウォークイン
ガルバリウム鋼板t=0.35mm 大波 クローゼット
耐水PB t=12.5mm
1,820
通気胴縁 t=18mm
CH=2,140
透湿防水シート
2,140
コンクリート金ごて押さえ
564
▽ROOM FL
155
430
防蟻EPS t=80mm
防湿シート
防蟻EPS t=80mm
断面詳細図 防湿シート
縮尺1:60
750 2,730 3,130 3,640 750
096 2023 06 捨てコンクリート t=50mm
割栗 t=150mm
捨てコンクリート t=50mm
割栗 t=150mm
サンルーム夕景。ポリカーボネート波板の建具を閉める
ことで、プライバシーを確保したアウトドアリビングとなる。
天井/木毛セメント板(素地)t=15mm ミラ ー キ ャビ ネット / サ ン ワ カ ンパ ニ ー
サンルーム KT18020
床/コンクリート金ごて押さえ トイレ
壁/木毛セメント板(素地)t=15mm 床 /カバザクラ無 垢フローリング t=15mm
天井/ FRP折板 t=1.5mm (チャネルオリジナル)
手洗いシンク/ TOTO SK106 壁/木毛セメント板(素地)t=15mm
手洗い水栓/ TOTO T130ARQ13C 天井/ネダレス合板 t=24mm
浴室 便器/ TOTO ZR1 CES9154PX
ユニットバス/ TOTO 1616サザナ 設備システム
洗面所 空調 冷暖房方式/ヒートポンプ式ルーム
床 /カバザクラ無 垢フローリング t=15mm エアコン
(チャネルオリジナル) 換気方式/第3種換気方式
壁/木毛セメント板(素地)t=15mm 給排水 給水方式/上水道直結
天井/ネダレス合板 t=24mm 排水方式/下水道直結
洗面カウンター/制作 給湯 給湯方式/ガス給湯器
洗面シンク/ TOTO SK106 (リンナイ RUF-E2406AW24号)
洗面用水栓金物/ TOTO TLG05301ZZ 撮影/新建築社写真部
北西夜景。建物を防火壁に見立てることで、開口部の防火規制を免れ、すべての開口部をLow-E
トリプルガラスにしている。
路地
網戸
玄関
アウトドアリビング アウトドアリビング
2023 06 097
特集:内と外の親密な関係
能美の高床
Stilts in Nomi
石川県能美市
西和人
Kazuto Nishi Architects
西側外観。約10年前に建てられた母屋の南に計画された設計者の自邸。母屋の
中庭からの視線の抜けや、周辺の田園地帯からの通風を遮らないよう、1階は軒下
を大きくとった。降水量の多い北陸の地でも天候に左右されない中間領域となる。
098 2023 06
北側外観。高さ約2.4mの軒下には、鉄棒やブランコが設置され子供たちの遊び場に
もなり、地域に開かれた人びとの交流の場となる。2階の階段は屋上テラスへ通じる。
2023 06 099
100 2023 06
南側外観。奥には母屋が見える。車を2台駐車可能で天候に左右されず乗降できる。
左の格子戸は機械室で、室外機などが並ぶ。2階の腰壁はメタルトレース塗装仕上
げ。窓は制作の木製サッシでガラスはLow-E複層ガラス。軒の出は1,200mm。
2023 06 101
リビング・ダイニング。窓際は、右から仕事やパソコン作業をするスタディ、制作の収納、
座面高さ340mmの4人掛けのソファ。机、収納の構成は将来の事務所転用も想定された
レイアウトになっている。天井は構造現しとし、24 270mmの梁が303mmピッチで架かる。
東側軒下。120 270・210・120mmの梁を910mmピッ
チで格子状に組み、それを120mm角の柱が支える。
102 2023 06
建築を明るくおおらかに開く可能性 構造は、積極的に木の現し仕上げとすることで 屋が享受してきた視線の広がりや通風などの快
この住宅は、約10年前に計画、建設した実家 常に木陰の下にいるような心地よさのある空間と 適性の担保を両立させることができた。
である母屋の隣を敷地とした設計者の自邸であ した。また、居住空間を2階に集約させることで、 この地において建築をおおらかに開き、地域に
る。母屋に住む両親は、中庭越しに見える桜並 田園地帯である周囲の四季折々の風景を見渡す 根付くことで生まれる活力ある人びとの営みが、
木や空への視界の広がり、通風、日当たりのよ こともできる。結果として、人びとの繋がりと母 この地の新たな日常を構築する。 (西和人)
さなどのこれまで得られていた生活環境に満足し
て暮らしており、今回の住宅はそれらを阻害せ
ぬよう計画を行う必要があった。同時に、この
地の気候風土に寄り添った建築を目指した。
北陸のこの地は、年間を通して曇り空や雨の日
が多く、冬になると雪で閉ざされる。その結果、
生活は内に篭りがちになり、建築もまた外部と
の繋がりよりも内部の設えの充実を求め、どこ
か閉鎖的になる傾向がある。そのような環境の
中で、この地域の風土に根ざしながらも人びと
の営みがより外部に顕在化するような新たな北
陸建築のあり方を求め、建物の大半を宙にもち
上げ室内空間よりも大きな軒下空間をもつ構成
リビングよりダイニング・キッチンを見る。右には洗面所などの水回りを配置した。 寝室よりリビング方向を見る。
を考えた。
金沢の伝統的町家には、中間領域として人びと
をもてなす空間としての土間が広がっている。こ デスク 下部収納 下部収納 ソファ 下部収納 デスク
の住宅では、それをより外部に顕在化した姿と テラス
寝室 キッチン 玄関
されず安心して過ごすことのできる開かれた場と
して地域に開放している。今では、冬の雪深い 浴室 洗面所
時期には子供たちの登校の待ち合わせ場となっ トイレ
たり、家族、地域の人びととの交流の拠点とし
て大いにこの場が活用されるようになった。 2階平面図
N
前面道路
川
橋 庭
コノテガシワ
サクラ
17,590 コノテガシワ
7,580 4,550 5,460
川
ツツジ
600
600
ヤマボウシ
ツツジ
ブランコ
2,730
2,730
機械室 倉庫
既存倉庫
畑
5,150
5,150
ツツジ
軒下 軒下
1,820
1,820
鉄棒
イヌマキ
1階配置平面図 縮尺1:150
アケビ ツツジ
ヤマボウシ
田
クローゼット
寝室
ヤマボウシ
書斎
坪庭 母屋 和室
ツツジ
浴室
中庭 2023 06 103
デッキテラス
内部化された外部、外部化された内部
「砺波の家」(本誌2103)では、大きな軒下空間をつくるだけではなく、やんわりと内外を繋
げられるよう、室内に縁側のような通り土間を設けることで内部化された外部空間をつくった。
今回は、地表と建物の間に柱に囲まれた外部空間を挿入し、その空間を外部と内部の中間
領域と捉え、生活と建築をより外部に対し開けないかと考えた。1層分の外部化された内部
空間である。この中間領域の設計は北陸の環境と建築、そして住まい手の豊かな生活を接続
2,100
していく試みで、そこから生まれる新たな建築を目指している。 (西)
750
900
250 500
屋根:
ガルバリウム鋼板t=0.35mm 働き巾 @455mm
ゴムアスファルトシート 22kg
シージングボード t=12mm
110
▽軒高
プロジェクター:
市販品
壁:
PB t=12.5mm
クロス貼り
寝室 リビング・ダイニング・キッチン
2,670
2,000
1,900
制作デスク:
集成材加工 t=30mm 制作家具: 制作ソファー:
ラワン合板 t=4mm ポリエステル張り
木材保護塗料 ウレタンクッション
1,100
1,100
床:
750
三層集成フローリングt=12mm
床暖房パネル
340
5,585
構造用合板 t=12mm
根太
5,370
▽2FL
280
▽1FCH
軒裏:
木材保護塗料
構造用合板 t=24mm
柱・梁:
木材保護塗料
2,370
構造材現し
2,100
軒下 機械室 壁: 倉庫 壁:
珪酸カルシウム板 t=6mm 珪酸カルシウム板 t=6mm
基礎幅木
柱脚金物: 床:
スチール製 土間コンクリート直押さえ
▽1FL ※カッター目地
50
△GL
断面詳細図 縮尺1:60
104 2023 06
屋上テラス。50mm角のフレームで組まれたフレームにはタープを掛ける計画。
南側夜景。
北側全景。
能美の高床 内部仕上げ
所在地/石川県能美市 リビング ダイニング キッチン トイレ
主要用途/専用住宅 洗面所
屋上テラス 屋上フレーム: 家族構成/夫婦+子供2人 床/ 3層集成フローリング(IOC)
St- 加工
溶融亜鉛メッキどぶ漬け 壁/クロス貼り(サンゲツ)
設計 天井/リビング・キッチン:構造用合板現し
750 西和人一級建築士事務所 担当/西和人 トイレ・洗面所:クロス貼り(サンゲツ)
500 250
構造 高橋一級建築士事務所 担当/高橋健市 厨房機器/トーヨーキッチン
床:
樹脂デッキ t=30mm 外構・造園 庭剛 担当/犬塚剛平 食洗器・オーブン/ Miele
施工 換気扇(シェード)/ tool box
道場建設 担当/金浦勉 家具・洗面カウンター/制作家具(ヤマウチ産業)
軒裏:
設備 中山設備工業 担当/中山正記 照明/リビング・キッチン:コイズミ照明 DN
構造用合板
t=24mm 電気 中橋電気 担当/中田聡 ライティング トイレ・洗面所:コイズミ照明
木材保護塗料
外構・造園 庭剛 担当/犬塚剛平 建築金物/スガツネ
屋外階段: 構造・構法 洗面用水栓金物・便器/ TOTO
St- 加工
溶融亜鉛メッキどぶ漬け 主体構造・構法 木造在来工法 浴室
基礎 べた基礎 ユニットバス/ TOTO サザナ
規模 設備システム
テラス
制作デスク: 階数 地上2階 空調 冷暖房方式/エアコン
集成材 t=30mm 壁:
特殊塗装 軒高 5,370mm 最高高さ 5,585mm 換気方式/ 24時間換気
サイディング
t=14mm 敷地面積 247.12m2 その他/温水式床暖房
1,100
750
屋外階段: ブランコ
St- 加工 外部仕上げ
溶融亜鉛メッキどぶ漬け
屋根/ガルバリウム鋼板(セキノ鋼板)t=0.35mm
外壁/ジョリパット(アイカ工業) 田
開口部/木製制作建具(根上木工)
外構/客土敷き 配置図 縮尺1:3,000
2023 06 105
特集:内と外の親密な関係
まちと余白といえ
Town and Margin and House
兵庫県神戸市
岸本貴信
Takanobu Kishimoto
106 2023 06
南側全景。店舗などが建ち並ぶ幹線道路沿いに建つ設計者の自
邸。軒先のみを隣地と揃え、ボリュームをセットバックし、街とのバッ
ファーとしての余白をつくることで住宅におおらかさをもたらす。
2023 06 107
108 2023 06
リビング・ダイニングから南側を見る。正面開口の先には幹線道路が通る。南面と東面の燃え代を含
む化粧柱によりサッシ枠を隠し、耐力壁として鉄筋ブレースを採用することで、内外を隔てる要素を削
ぎ落とした。中央に配した丸太柱が空間の中に弱い領域を生み、緩やかに住宅内の機能を分けている。
2023 06 109
東側近景。隣地と連続するように設けた軒の上下に植栽を施すこと
で、行き交う人びとへの圧迫感を軽減すると共に街に表情を与えた。
1階玄関から前面道路側を見る。1階は鉄筋コンクリート造で、
ラーチ合板の型枠を使用。
110 2023 06
余白をもつ家 るが、内部も余白の延長としてとらえ、強固な
交通量の多い幹線道路沿いの敷地に建つ自邸 壁で仕切るのではなく、枝付き丸柱などが弱い
スペース1
クローゼット
の計画である。街路樹と店舗が連続している街 領域のみを生み、その中に家具や浴槽が置か
並みの中に住宅を計画するにあたり、軒のあり れ、初めて機能性が見えてくるような空間をつ
方、道路と歩道との関係性を再考し、密度の高 くった。
スペース2 い街の中で、行き交う人たちに圧迫感を与えな 2階の南側、東側には大きく開口を取り、光や
い空気のような居場所ができないかと考えた。 風を内部に十分取り入れながらも、余白が街と
吹抜け
スペース3
そのために建ち方は、街の中に余白を生み出し、 の緩衝帯となり、両者を緩やかに関係づける。
喧騒を受け止めるような懐の深さをもたせた。 敷地は準防火地域内であるため、内外の境界
具体的には、ヴォリュームを歩道いっぱいまで には燃え代を含む化粧柱を配しているが、その
建築するのではなく、軒先のみを隣地と揃えな 比較的広い柱幅を利用し、サッシの枠、縦框が
がらセットバックさせた。1階は鉄筋コンクリート 内部からは見えない納まりとした。さらに耐力壁
3階平面図 造、2、3階は木造の3階建てとし、1階はヴォ には鉄筋ブレースを採用、内装はモルタル系の
リュームを敷地中央のみに配置することで全体 左官仕上げとするなど、内外を差異化させる要
の浮遊感を生み、上部も圧迫感を軽減させた。 素を可能な限り削ぎ落とし、街、余白、内部が
軒は奥行き2,275mmで大半をキャンチレバー シームレスな関係となることを目指した。
キッチン とし、見付けは215mmに抑え、軽やかな表現 合理的で無駄がなく、それが窮屈に感じる街の
とした。さらに軒上と軒下には植栽スペースを設 中で、家から見た余白は自由さと大らかさをもた
け、立体的な庭とした。 らし、街と地続きになることで家の外への広がり
トイレ
1階の外部空間は、駐車スペースと機能を限定 も感じさせる。そして、家の一部とも街の延長と
リビング・ダイニング
しないフレキシブルなスペース、内部空間は玄関 もいえる余白は、車や人通りの多い街と家の緩
洗面室
と収納、2階にはリビング・ダイニング、キッチン 衝帯でもあり、それらを親密にするものともいえ
と水回り、3階に家族の居室という構成にしてい るかもしれない。 (岸本貴信)
浴室
リビング・ダイニングから浴室側を見る。正面の壁は外装で用いた窯業
系平形スレート葺きとすることで、内外が入り込んだような仕上げとした。
2階平面図
6,370
2,275 1,820 1,365 910
650
3,185
隣家 玄関 隣家
9,750
2,275
1,365
455
1,820
施工 アルミサッシ(LIXIL)
ienowa produced by中尾建設 担当/岡澤秀弥 外構/モルタル金ごて押さえ 割栗石敷き
配置図 縮尺1:2,500
キッチンキャビネット・洗濯設備機器 内部仕上げ
グローブ 担当/本城佳奈 キッチン リビング・ダイニング 洗面室
外構・造園 Garden design office 萬葉 床/捨て張り合板 左官仕上げ 床/耐水合板2重張り 左官仕上げ
担当/北谷知之 壁/ PB t=9.5mmm 左官仕上げ 壁・天井/珪酸カルシウム板 t=6mm 左官仕上げ
左官 梶原組 天井/強化PB t=15mm 左官仕上げ(キッチ 家具/制作カウンター 左官仕上げ
大工 鶴永正一 ン) 強化PB t=12.5mm 左官仕上げ(リビ 玄関
外装・屋根 ケイミュー ング・ダイニング) 床/基礎コンクリート一発押さえ
構造・構法 厨房機器/ 壁・天井/鉄筋コンクリート打放し ラーチ合
主体構造・構法 1階:鉄筋コンクリート造 食洗器・IH・オーブン・スチームオーブン/ 板型枠
2・3階:木造 Miele 家具/制作収納 ラワンランバー OS
基礎 べた基礎 換気扇/ FABER スペース1 ∼ 3
規模 家具/制作カウンター 左官仕上げ キャビ 床/突板フローリング
階数 地上3階 ネット WARENDORF 壁/ PB t=9.5mm 左官仕上げ
軒高 9,000mm 最高高さ 9,610mm 浴室 天井/強化PB t=15mm 左官仕上げ
敷地面積 85.28m2 床/耐水合板2重張り 左官仕上げ 設備システム
建築面積 52.48m2 壁・天井/珪酸カルシウム板 t=6mm 左官仕 空調 暖房方式/壁付エアコン・床暖房
(建蔽率61.54% 許容70%) 上げ 冷房方式/壁付エアコン
延床面積 113.15m2 バスタブ/サンワカンパニー BTO1451 換気方式/第3種換気設備
(容積率132.68% 許容200%) トイレ 給排水 給水方式/上水道直結
1階 31.39m2 2階 47.61m2 床/耐水合板2重張り 左官仕上げ 排水方式/公共下水道放流
3階 34.15m2 壁・天井・制作棚/ラワンランバー OS 給湯 給湯方式/電気式給湯器
工程 便器/ TOTO 撮影/新建築社写真部
▽
10
北
屋根:
側
▽軒桁 GL+9,000 3
斜
窯業系平形スレート葺き
線
アスファルトルーフィング 22kg/巻
構造用合板 t=12mm
垂木 45×45mm @303mm
841
構造用合板 t=24mm
断熱材:セルロースファイバー t=185mm
外壁:
窯業系平形スレート張り
スレート下地:構造用合板 t=9mm
胴縁:40×40mm @455mm
透湿防水防風シート 天井:
下地:構造用合板 t=9mm 強化PB t=12.5mm 左官仕上げ 外壁:
断熱材:セルロースファイバー t=100mm 窯業系平形スレート張り
40
スレート下地:構造用合板 t=9mm
胴縁:18×45mm @455mm
3,215
建具: 透湿防水防風シート
引違い框ガラス戸スプルス枠 下地:構造用合板 t=9mm
断熱材:セルロースファイバー t=100mm
2,756
2,374
手摺り:
スチールパイプ φ=21mm SOP h=1,100mm 壁: スペース1
2,000
1,960
1,850
床:
FRP防水 モルタル t=20mm 壁: 10
PB t=9.5mm 左官仕上げ 3
下地:PB t=12.5mm
壁: 床:
PB t=9.5mm 左官仕上げ 挽板フローリング t=13.5mm 屋根:
下地:PB t=12.5mm 下地:構造用合板 t=24mm ガラス屋根
▽3FL±0 GL+5,785
400
天井:
強化PB t=12.5mm 左官仕上げ
天井:
強化PB t=15mm 左官仕上げ
壁:
ラワンランバー OS塗装 壁:
9,610
鉄筋ブレース
PB t=9.5mm 左官仕上げ
下地:PB t=12.5mm
9,000
浴室 キッチン
2,850
2,450
床:
制作鉢: 捨て張り合板 左官仕上げ
亜鉛メッキ 床暖房敷き
下地:構造用合板 t=24mm
断熱材:スタイロフォーム t=40mm
▽2FL±0 GL+2,935
165
床:
コンクリート一発仕上げ 1
浸透性液体ガラス防水 50
450
300
250
215
軒天:
鉄筋コンクリート打放し 天井: 壁:
鉄筋コンクリート打放し 鉄筋コンクリート打放し
壁: 壁: 壁:
鉄筋コンクリート打放し 鉄筋コンクリート打放し仕上げ ラーチ合板型枠 鉄筋コンクリート打放し ラーチ合板型枠
2,865
玄関
2,250
2,320
踏板:
SPL-3.2mm SOP
ささら桁: 外構:
バサルト平板張り SPL-12×100mm SOP 割栗石敷き
床:
コンクリート一発仕上げ
70
▽1FL±0 GL+70
△GL±0
600
▽隣地境界線
▽道路境界線
練馬の家
House in Nerima
東京都練馬区
阿蘓俊博/アソトシヒロデザインオフィス
Toshihiro Aso /
Toshihiro Aso Design Office
東側より見る。住宅密集地の旗竿地に建つ家族4人のための
住宅。住宅地の奥にありながらも、街の中に埋没せずアイコ
ニックな存在となるようガルバリウム鋼板を茜色に塗装した。
114 2023 06
東側近景。旗竿地のアプローチに繋がるように、扉の先
の前庭は空が広がる半屋外空間。前庭の南側の壁は地
面から約1.2mの高さまで浮かせ、風が抜ける前庭とした。
2023 06 115
前庭よりリビングを見る。家族揃って過ごすリビングを中央に配置し、その両
側に水回りや寝室などの諸室を設けた。前庭、玄関、リビング、階段のそれ
ぞれのレベル差が奥行きをつくり、前庭の存在によって大きく開口を取っている。
116 2023 06
2023 06 117
ブリッジ。カウンターを設え、勉強やパソコン作業などができるスタディとして機能する。
前庭に立てた半透明の開口越しに外の気配が曖昧さをもって伝わる。奥は子供室。
路地を引き込む前庭の可能性 内部をシームレスに繋ぐ中間領域を計画した。
住宅密集地にある、34坪の旗竿地に建つ4人 前庭とリビングは、それぞれ用途を限定しない
家族のための住宅である。住み手の更新に伴う 自由な場である。階段や2階の諸室を繋ぐブリッ
宅地の細分化が進む住宅地では、建主が思い ジも単なる動線としてではなく、座る、寝転ぶ、
描く理想の住環境の実現が困難な宅地が増えて 集う、学ぶ、飾るなど居場所となる。キッチン
いる。
そのひとつが旗竿地である。
街路から奥まっ や主寝室など特定用途の諸室は、リビングにい
た旗竿地は、静かな環境を有するが四方に余白 る人とのコミュニケーションが生まれるようリビン
なく隣家が迫り、採光とプライバシーの両立が難 グ側に開口を設けた。諸室の内装は構造材や
しい。そのような敷地でも、明るく伸びやかに暮 合板の現しとして、間取りの更新や制作家具の
らすことができる住宅のあり方を考えた。 追加など、将来の家族の成長に合わせ柔軟に
まず、旗竿地のアプローチに連続するように半 対応しやすいものとした。
屋外空間の前庭をつくった。その前庭は、すべ 旗竿地での暮らしに、白色、灰色、合板と仕上
てを閉ざすのではなく、半透明の開口をもつ地 げの異なる壁と各所の開口の関係により、適度
面から浮かせた壁によって景色と気配に霞をか に閉じつつも、住宅の内と外、敷地の内と外と
け、街との関係を維持する。また、明度の高い いった領域が曖昧となり、光や風の流れ、気配、
白色で塗装し、内壁のような仕上げとすることで、 シークエンスの変化を感じられる。旗竿地だか
子供室から吹抜けを見る。
室内へ自然光と風を届ける役割ももたせた。 らこそ実現できる明るく伸びやかな住宅のひとつ
リビングは、両側に立てた壁により、パサージュ のかたちを示した。 (阿蘓俊博) 中間床を大きく開く
木造2階建て在来工法の住宅であるが、建物の中央と前庭に
のような大きな吹抜けをもち、それを諸室が挟 大きな吹抜けを有する。このような形式の場合、各部分ごと
に独立して設計する、接続部に留意し一体で設計する、とい
む構成とした。リビング両側の壁は明度を抑え
う方法が考えられるが今回は一体で設計する手法を用いた。
た灰色で塗装し、外壁のように仕上げた。これ ただ、分断される各部のヴォリュームをほぼ同一とすることよ
り、壁量バランスがなるべく揃うように留意して接続部に生じ
により、視覚的な前庭の室内化、リビングの室 る偏在応力がなるべく少なくなるよう計画した。正面の吹抜け
を介して建物前面にスクリーンがあるが、水平面は屋根面の
外化を狙い、街路から駐車スペース、前庭、リ みである。そのため、中間層であるブリッジに大断面の梁を用
いている。結果、吹抜けの開放性と安定性を両立した空間が
ビングへ路地を室内に引き込むような、外部と できた。 (長坂健太郎/長坂設計工舎)
118 2023 06
ホールから子供室を見る。ホールと子供室はカーテン
で仕切られる。吹抜け越しに奥の主寝室と対面する。
▽最高高さ
屋根:
ガルバリウム鋼鈑 t=0.35mm 竪はぜ葺き
491
アスファルトルーフィング 10
構造用合板 t=12mm 1.2 ▽軒高
木下地
スタイロ t=100mm
防湿シート
水切り 構造用合板 t=24mm
773
ガルバリウム鋼鈑 t=0.35mm 電動シャッター(防火設備)
曲げ加工
▽RFL
開口部:
天井: 耐候性ポリカーボネート t=8mm
西洋漆喰左官 両面フロスト仕様
PB t=12.5mm 開口枠
ガルバリウム鋼鈑 t=0.35mm 曲げ加工
電動シャッター
防火設備
ブリッジ 制作建具:
枠:ベイマツ
ガラス:Low-Eガラス
2,206
制作建具:
枠:ベイマツ材 本棚 CH2,066 スタディ 外壁(隣地側) :
ガラス:Low-eガラス フロフト仕様 ∼2,279mm カウンター 内壁: ガルバリウム鋼鈑 t=0.35mm 中波板竪葺き
デスク 西洋漆喰左官 耐水PB t=12.5mm
PB t=12.5mm 通気胴縁 t =15mm
透湿防水シート
内壁: 構造用合板 t=9mm
無垢フローリング横張り t=15mm オスモ
6,441
外壁(前庭側) :
内床: 軽量セメントモルタル t=15mm 金ごて押さえ
ラワン合板 t=9mm オスモ ジョリパット ▽2FL
構造用合板 t=24mm 通気ラス網
通気胴縁 t=15mm
外壁: 透湿防水シート
ガルバリウム鋼鈑 t=0.35mm 中波板竪葺き 構造梁:
ベイマツ集成材 105×480mm 現し オスモ 構造用合板 t=9mm
耐水PB t=12.5mm
通気胴縁 t=36mm
透湿防水シート 天井:
構造用合板 t=9mm 西洋漆喰左官
高性能グラスウール 16K t=105mm 充填 PB t=12.5mm
内壁
ラワン合板 t=9mm オスモ リビング 玄関 前庭
2,446
PB t=9.5mm
木下地 CH2,146 水切り:
階段踏面・蹴上: ∼5,033mm アルミ形材
階段下収納 無垢フローリング横張り t=15mm オスモ
構造用合板 t=24mm
CH1,761mm
既存コンクリートブロック塀
内床: 既存コンクリートブロック塀
無垢フローリング t=15mm オスモ 前庭側:モルタル左官 ジョリパット
水切り 構造用合板 t=12mm
アルミ形材 木下地 鋼製束 内床:
基礎立上り t=150mm ベタ基礎 t=150mm コンクリート t=70mm 金ごて押さえ 防塵塗装
スタイロフォーム t=25mm 薄塗モルタル 防湿シート ワイヤーメッシュ筋 ▽1FL
スタイロ t=75mm 外床:
ベタ基礎 t=150mm 砂利敷き 土間コンクリート t=150mm 金ごて押さえ
525
内床:
ラワン合板 t=9mm オスモ
構造用合板 t=12mm
木下地 鋼製束
ベタ基礎 t=150mm
防湿シート
2,265 1,650 2,600 1,055
7,570 1,510 765
断面詳細図 縮尺1:60
2023 06 119
練馬の家 暁建設 担当/白石正倫
所在地/東京都練馬区 大工 川村工務店 担当/川村秀雄
主要用途/専用住宅 設備 KE設備 担当/吉沢順二
家族構成/夫婦+子供2人 電気 ななや 担当/杉本将太郎
板金 上作加藤板金 担当/加藤栄一
設計 塗装 早瀬塗装工業 担当/早瀬竜也
アソトシヒロデザインオフィス 担当/阿蘓俊博 小川原健太
構造 長坂設計工舎 担当/長坂健太郎 左官 及川左官店 担当/及川俊之
上村一貴 岡田美穂 鋼製建具 大昇 担当/小野瀬雄次
施工 木製建具 とも工房 担当/弓指友成
トイレ
子供室
吹抜け
ブリッジ
キッチンからワークスペースを見る。 キッチンの開口からは前庭、主寝室が見える。
スタディ ファミリー
ホール クローゼット
構造・構法 道路幅員 東4m 駐車台数 1台
主体構造・構法 木造在来工法 外部仕上げ
基礎 べた基礎 屋根/ガルバリウム鋼鈑 竪はぜ葺き
規模 外壁/ガルバリウム鋼鈑 中波板竪葺き 一部
階数 地上2階 ジョリパット
(アイカ工業)
吹抜け
子供室 主寝室 軒高 5,950mm 最高高さ 6,441mm 開口部/木製制作建具 アルミ樹脂複合建具
敷地面積 113.42m2 (LIXIL FG-L)
建築面積 52.30m2 外構/土間コンクリート金ごて押さえ 砂利敷き
(建蔽率46.12% 許容50%) 内部仕上げ
延床面積 92.81m2 リビング
(容積率81.83% 許容100%) 床/無垢フローリング t=15mm(カスコ オー
吹抜け
1階 52.30m2 2階 40.51m2 ク)オスモ仕上げ
工程 壁・天井/西洋漆喰左官(プラネットジャパン
設計期間 2019年9月∼ 2020年8月 マーブルフィーユ)
工事期間 2020年9月∼ 2022年8月 木製建具/制作
敷地条件 照明/ LEDペンダントライト(制作)
1,510
洗面カウンター/サンワカンパニー フィオレット
トイレ
w=1,200mm
主寝室 子供室 ファミリークローゼット
冷 床・壁/ラワン合板 t=9mm オスモ仕上げ
1,820
洗面室
2,120
天井/構造用合板 素地現し
家具/棚など(制作)
照明/ LEDスポットライト
7,570
7,570
キッチン 木製建具/制作
1,520
設備システム
2,400
浴室
リビング 空調 冷暖房方式/ヒートポンプエアコン
換気方式/第3種換気方式
給排水 給水方式/上水道直結
排水方式/公共下水接続
785
パントリー
2,420
納戸
給湯 給湯方式/ガス給湯器
シューズイン
1,055
クローゼット 玄関
撮影/新建築社写真部
1,510
2,275
前庭
765
駐車スペース
N N
120 2023 06
玄関。前庭のジョリパット仕上げの壁は、約3 5.5mの大開口
を通じて光と風をリビングへと届ける。玄関奥のシューズインク
ローゼットからパントリーを通じてキッチンにアクセスできる。
2023 06 121
特集:内と外の親密な関係
村の縮景
Metaphor on the topography
東京都小平市
岸本和彦+赤池友季子
Kazuhiko Kishimoto+Yukiko Akaike
南庭より北棟を見る。東京郊外の平地の広がる住宅地に建つ5人家族
のための住宅。南北2棟の分棟を対角線上に配置し、交差するように
庭を設け外部と内部が交わる動線を計画した。階段中央のシマトネリ
コの生長により、大きな木陰をつくられ憩いの場所になることを想定。
122 2023 06
空の間から南棟を見る。妻面は全面ガラス張りとし、
カー
テンの開閉により光と風を制御する。半階上がった先に
南の間、半階下がった先に畳敷きの主寝室が見える。
2023 06 123
124 2023 06
空の間から2棟を見る。空の間は小高い丘の比喩で、
室内動線であり室外動線でもある曖昧な広場。2棟
間は空の間下に広がる下の間を介して行き来できる。
2023 06 125
北の間。妻面の大開口による開放性に対し、壁と天井を珪藻土による緩やかな
曲線で繋ぎ、彫塑的で籠もり感のある空間とした。右側壁面から伸びるアーム
照明は設計者によるデザインで、左右上下自由な調節、独立した調光ができる。
南の間。窓辺に設えたベンチにより、掘り込まれた竪穴のような空間とした。 主寝室。壁面を濃紺色の和紙で仕上げ、上階との明暗差をつけた。左の階段を下ると半地下空
間の下の間へ通じる。
126 2023 06
5,460 900
2,730 2,730
1,820 910
隣地境界線 北棟
600
冷蔵庫
パントリー
1,365
+2,855
ウォークインクローゼット 下草: 床:
キチジョウソウ フローリング
ヤブラン
ギボウシ
イカリソウ
エビネ
洗面室 など
+465 北の間
+2,985
縁側 北庭 目隠塀 床: 北庭
3,185
+405 ホテイチク フローリング
出窓 出窓
大谷石 カウンター カウンター
7,280
木製浴槽 浴室
廊下
910
トイレ +675 +465
910
アオハダ
出窓
910
収納 ポーチ 玄関 下足入れ
+1,665 +1,725
床:
フローリング
−795 家具:
ランバーコア
16,280
空の間
隣地境界線
隣地境界線
+1,665
床: デッキ:
セランガンバツ
3,640
畳敷き 下の間
−595
玄関 ポーチ
出窓
下足入れ +1,725 +1,665
105
805
910
シマトリネコ 収納
床:
フローリング
大谷石 マキ +675
出窓
テマリシモツケ ベンチ 南の間
+2,985
3,640
南庭 床:
フローリング
コンクリート平板ブロック 主寝室
ユーフォルビア
ブラックバード
床:
畳敷き
+795
ビバーナム
ハリアナム
+3,285
810
クローゼット
ポスト(制作)
ウエストリンギア 南棟
ヤマツツジ カレックス キウイ
道路境界線
N
910 910 910 910 910 910
2,730 2,730
5,460 900
前面道路
2023 06 127
北の間から南を見通す。 南庭から階段を上がるにつれて分棟配置によって生まれた隙間から北庭のホテイチクが見られる。
16,280
7,280 2,730
1,365 3,185 910 910 910
屋根:
カラーガルバリウム鋼板t=0.35mm 遮熱タイプ(ギングロ)
棟換気下地:
アスファルトルーフィング 22kg
構造用合板t=12mm
壁・天井:
珪藻土 t=4mm
棚:
ランバーコア t=24mm OF
カウンター:
集成材 t=30mm OF
パントリー 北の間
外壁:
焼スギ t=15mm 床: 空の間
通気横胴縁縦張り t=18mm オークフローリング t=15mm
透湿防水シート
ダイライトMSt=9mm 棚:
強化ガラス t=5mm
デッキ:
棚: セランガンバツ t=20mm
ランバーコア t=21mm OF
ウォークインクローゼット 北庭
壁・天井:
ビニルクロス濃紺
縁側:
ヒノキ t=30mm 縁側
防腐剤塗布
下の間
階段:
集成材 t=30mm OF
畳 t=60mm
断面パース 縮尺1:60
128 2023 06
村の縮景
所在地/東京都小平市
主要用途/専用住宅
家族構成/夫婦+子供3人
設計
acaa 担当/岸本和彦
赤池友季子建築研究所 担当/赤池友季子
構造 諏訪部建築事務所 担当/諏訪部高広
建築プロデュース ザ・ハウス 担当/川村利恵
施工
渡邊技研 担当/小櫃光晴
木工事 家高工務店 担当/家高健
基礎 伊藤基礎 担当/伊藤幸正
板金 仁平板金 担当/仁平守弘
左官 ヤブ原 担当/奥田雄太
木製建具 中原木工所 担当/中原敦則
内装 東弘商事 担当/笠原宏之
給排水設備 岡崎設備 担当/神山勉
電気設備 アクネ 担当/富永忠造
造園 フルヤガーデン 担当/降矢徹
構造・構法
主体構造・構法 木造在来工法
基礎 べた基礎
縁側より南側を見る。右には水回りを集約させ、浴室か
規模
ら北庭を眺められる。縁側を真っ直ぐ進み階段を下ると
階数 地上2階 下の間へ通じる。北庭には大谷石の飛び石を配置した。
軒高 6,134mm 最高高さ 6,325mm
敷地面積 130.24m2
建築面積 51.89m2
(建蔽率39.85% 許容40%)
延床面積 88.88m2
(容積率68.25% 許容80%)
1階 51.89m2 2階 36.99m2
工程
設計期間 2020年11月∼ 2021年11月
工事期間 2021年12月∼ 2022年8月
敷地条件
地域地区 第1種低層住居専用地域 法第22
▽最高高さ GL+6,325
▽最高軒高 GL+6,134
6,270
▽軒高 GL+5,315
南側全景。外壁は焼スギ仕上げ。
2023 06 129
特集:内と外の親密な関係
路地の反転
Reversed Alley House
東京都
富永大毅+藤間弥恵/ TATTA
Hiroki Tominaga+Yae Fujima
北側近景。土間を介して路地テラスを見る。西側の母屋と
接続する築50年以上、再建築不可の木造平屋の改修。土
間右手より母屋へ繋がる。旗竿地に建ち隣家と密接してい
るため専有地の路地側には開けない。そのため母屋との間
を一部減築し、南北に抜ける半屋外空間をつくった。
130 2023 06
部屋4より裏路地テラスを見る。南側には路地
を歩く体験を延長したヒノキのテラスを設置。
2023 06 131
リビングより、裏路地テラスを見る。切妻屋根は南側の天井を撤去。既存の丸
太梁を現し、野地板を八溝スギの厚板に葺き替えた。30mmの厚板により軒を
1m延ばすことを可能とした。開口周りの柱は既存、一部を鉄骨ブレースで補強し
ている。開口を開けるとテラスへ繋がり、ベンチで食事を楽しむことができる。
132 2023 06
2023 06 133
リビングより東を見る。水回りからその奥の
部屋3、4に行くにつれ、だんだんと幅が狭く
なる。部屋3の前にはトップライトを設けた。
リビングより、キッチン玄関を見る。右側
の本棚を兼ねた壁は構造壁として多摩産
のスギ垂木材を束ね、縦ログの壁を制作。
134 2023 06
内外の価値を反転する 屋との間を一部減築して屋根のある半外部空間と だ敷地でも床のヒノキと軒のスギの間で太陽の光
都内の建て込んだ細長い路地状敷地の奥に建つ、 し、路地を家の中に貫通させることした。こうして が増幅し、内部は自然光で満たされる。路地の角、
小さな木造平屋である。昭和40年代に現在の住 生まれた「路地テラス」は母屋との間の中間領域 南東に視線が抜ける角には実質的に玄関を兼ね
人とは別の人によって建てられた。現在西側には 的な通り土間にもなり、物置として使われている るキッチンが置かれ、住人が半屋外で食事を楽し
母屋、その奥に倉庫などがあるが、前面の北側 路地の北側の広がりにも視線が抜ける。何より南 めるようになった。また構造補強として、多摩産
の路地には隣家が接しているため路地側には開け 北に抜いたことで、特に夏場はよく風が抜けるよう のスギ垂木材を束ねた壁が点在して置かれ、土
ない。一方そのおかげで壊されずにいた再建築 になった。路地テラス南側の引き戸を閉めて室内 間の延長となる部屋1から雁行しながら繰り返さ
不可物件である。従って前の路地はほぼ専有地 側の窓を開ければ、室内もかなり快適な環境に れることで、スギの壁が人を家の奥へと導く。住
であるのにも関わらず(かつ地価も高い)見捨てられ、 なる。過半未満の修繕であることから、屋根は南 人はふたりしかいないが、引き戸で仕切れば個室
住人の活動は家の中に閉じ込められている。しか 半分だけ天井を撤去して古い丸太梁を現しにしつ が4つとなり、居場所があちこちに生まれる。コロ
し、この路地を歩いて家に帰ってくる体験は、こ つ、野地板を長尺の八溝スギの厚板(30mm)に葺 ナ禍の影響で外出できない期間を経験したことか
の場所に属した唯一無二のものである。どうにか き替えた。この厚みによって準防火地域の延焼ラ ら、内部と半外部にできる限り数多く居場所が必
して、路地に直接開くことなく、路地を住宅の一 インでもスギを現しにでき、片持ちで建築面積に 要になると考えた。結果として内部の面積は小さ
部のようにすることができないだろうか。考えた結 入らない範囲で軒を延ばすことができる。こうして くなったが、路地を反転させることで生まれる住
果、もともと路地の入口寄りにあった玄関(現浴室 路地テラスとL字に繋がる南側に雨がかりの少な 人の体験や意識が、家を超えて敷地全体や都市
部分)を、隣接した母屋と同じ敷地奥に集約。母 いヒノキの「裏路地テラス」が生まれ、建て込んだ の隙間へと広がる建築を目指した。
(富永大毅+藤間弥恵)
N
机
2,588
坪庭 部屋3 部屋4
ブロック塀
1,820
上部天窓
浴室 洗面所
ポスト
1,820
TV
路地
部屋2
カウンター リビング 裏路地テラス
(上部天窓) GL+350 GL+350
3,640
ベンチ
部屋1 部屋4から部屋3を介して坪庭を見る。
GL+70
キッチン玄関
1,645
土間 路地テラス
GL+330
1,820
ベンチ
クローク
卓越風
卓越風
撤去柱
母屋
既存柱
新規柱
垂木壁
平面図 部屋2。既存出窓の上部を天窓に変更。
縮尺1:100
2023 06 135
左に路地テラス、右に裏路地テラスを見る。キッチン玄関とダイニ
ングをL字に取り囲むようにテラスを配置。路地テラス南側の引き
戸を閉めることで室内に卓越風が抜け、快適に過ごすことができる。
裏路地テラスより、リビングを見る。制作のヒノキのベンチ
は内部の腰壁の高さに合わせ、内向きにも座れるようにした。
136 2023 06
路地の反転 外構/ヒノキデッキ 砂利敷き 冷房方式/ルームエアコン
N
所在地/東京都 内部仕上げ 換気方式/第3種換気+室内サー
主要用途/専用住宅 キッチン玄関 リビング キュレーション
家族構成/夫婦 床/複合フローリング(アトムカンパニ―) 給排水 給水方式/上水道直結
壁 / PB t=12.5mm 構 造 用 合 板 t=12mm 排水方式/公共下水道放流
設計 AEP 多摩産垂木縦ログ(沖倉製材) 給湯 給湯方式/ガス給湯器
TATTA 担当/富永大毅 藤間弥恵 天井/八溝スギ羽目板 t=30mm(森未来) 撮影/中山保寛
鈴木翔之亮(元所員) 厨房機器/システムキッチン(TOTO ミッテ) 配置図 縮尺1:1,500
構造 川田知典構造設計 担当/川田知典 換気扇(シェード) センターバルケッタS(ア
既存垂木
施工 リアフィーナ)
前澤工務店 担当/前澤誠 照明/ LED間接照明(DNライティング) ペン 既存梁桁
規模 洗面所
階数 地上1階 床/複合フローリング(アトムカンパニ―) PBt=12.5 EP
横胴縁@455mm
軒高 3,090mm 最高高さ6,440mm 壁/ PB t=12.5mm AEP
敷地面積 308.2m2 天井/ PB t=9.5mm AEP 新規柱
既存柱
753
新規柱
▽軒高GL+3,087
珪酸カルシウム板 t=9mm OP
▽CL=GL+2,745 鼻隠し珪酸カルシウム板 t=8mm
PB t=9.5mm 既存丸太梁
AEP断熱材 t=80mm
八溝スギ t=30mm
▽FL=GL+305 防塵塗装
モルタル t=30mm
新規耐圧盤
285
20
1,820 2,730
2023 06 137
特集:内と外の親密な関係
小金井の住宅
House in Koganei
東京都小金井市
須藤剛+高岩愛実/
須藤剛建築設計事務所
TSUDOU DESIGN STUDIO
138 2023 06
南側外観。もともと商店街であった通りに建つ。人通りも多いため通りに
面した1階は最小限の開口とし、上下階を貫く中庭やテラスルームから主
に光や風を取り入れる。テラスルームは屋根を設けつつ最大限開いた。
2023 06 139
室2
トイレ2 2FL±0
室1
2FL+200 △上部ロフト
廊下
縁側
室3
2FL+200
テラスルーム
2FL±0
2階平面図
8,425
3,420 2,730 2,275
N
隣地境界線 10,790
道路境界線 5,940
隣地境界線 7,5
ダイニング
1FL±0
2,730
00
3,640
キッチン
1FL±0
4,550
リビング
1FL±0
6,370
中庭 冷
1FL+200
1,820
910
トイレ1
浴室 洗面脱衣室 玄関
ウォークインクローゼット
1,820
1,820
1FL±0
兼収納
00
洗
2,0
線
界
境
路
道
道路境界線 9,020
1階配置平面図 縮尺1:100
140 2023 06
L字型の切妻ヴォリュームによりできた懐の2階をテラスルームとした。テラスルームは室2と室3に繋がって
おり、左手の階段を下りると中庭に繋がる。外との視線が繋がりやすいよう、腰壁の高さは600mmとした。
1階ダイニングから中庭を見る。1階は中庭を囲うような回遊性のあるプラン。中庭の外壁 2階室2。窓からすぐテラスルームに出られる。突き当たりの扉のガラスは建て替え前の住
はモルタル金ごて押さえで、リビングとダイニングの壁で用いたモイスと調和するよう選定。 宅で使われていたものを再利用している。右上はロフト。
2023 06 141
リビングからキッチン方向を見る。1階は西側の水回りとウォークインクロー
ゼット、玄関以外はワンルームとした。テラスルームから1階に光を取り入
れやすいよう、水回りの天井高をリビングの天井高よりも200mmほど下げた。
142 2023 06
2023 06 143
テラスルームから室3方向を見る。中庭は吹抜け。勾配屋根 中庭。2階との動線としてだけでなく、水回りから近いため洗
はガルバリウム鋼板、テラスルーム上部はFRP防水を施した。 濯物を干したり植物を育てたりする場所としても使われている。
▽最高高さ
屋根:
ガルバリウム鋼板t=0.4mm
アスファルトルーフィング
2,046
構造用合板t=24mm
1.0 垂木 45×45mm @455mm
スタイロフォーム t=50mm
0.6 FRP防水
1,099
構造用合板t=12×2mm(水勾配3/100)
屋根下地材
構造用合板t=24mm
垂木 45×90mm @455mm
天井:
PB t=9.5mm クロス
外壁2:
モルタル金ごて押さえ(撥水材)
ラスカット
通気胴縁
室1 縁側 透湿防水紙
構造用合板t=12mm テラスルーム
2,088
7,034
2,188
デッキ材+木部保護塗装
FRP防水 笠木:
構造用合板 t=12×2mm(水勾配1/50) ガルバリウム鋼板 t=0.4mm 曲げ
フローリングt=15mm 屋根下地材+構造用合板t=24mm
構造用合板 t=24mm
6,187
▽2FL
▽2FL
5,088
外壁1:
ガルバリウム鋼板 t=0.35mm 小波
通気胴縁
+透湿防水紙
耐水PB t=12.5mm
構造用合板t=12mm
2,900
リビング 中庭 廊下 キッチン
2,700
2,621
フローリングt=15mm
下地合板
スタイロフォームt=50mm
ころばし根太 デッキ材+木部保護塗装
コンクリートスラブ
捨てコンクリートt=50mm
砕石
200
▽1FL ▽1FL
100
100
隣地境界線
道路境界線
910 1,365
3,420 2,730 2,275 断面詳細図 縮尺1:60
144 2023 06 8,425
小金井の住宅
所在地/東京都小金井市
主要用途/専用住宅
家族構成/夫婦+子供1人
設計
須藤剛建築設計事務所
担当/須藤剛 高岩愛実
構造 多田脩二構造設計事務所
担当/多田修二 石川将人
施工
ダブルボックス 担当/大月勇輔 福島昂
内外装 サンオアシス 担当/伊藤毅
大工 蛯澤住建 担当/蛯澤勝也
プレカット 長谷川萬治商店
担当/武内啓記
設備 文字山 担当/岡本光彦
電気 三和電気商会 担当/椎葉高士
構造・構法
主体構造・構法 木造
基礎 べた基礎
規模
階数 地上2階
軒高 6,118mm 最高高さ 7,034mm
敷地面積 74.13m2
建築面積 48.70m2
(建蔽率65.70% 許容70%)
延床面積 82.62m2
(容積率111.46% 許容200%)
1階 48.00m2 2階 34.62m2
工程
設計期間 2020年4月∼ 2021年4月
工事期間 2021年5月∼ 12月
敷地条件
地域地区 第1種中高層住居地域 準防火地域
第1種高度地区 日影規制
道路幅員 西5m 南4m
外部仕上げ
屋根/ガルバリウム鋼板 t=0.4mm 横葺き
FRP防水
外壁/ガルバリウム銅板 t=0.35mm 小波
開口部/アルミサッシ 木製建具
外構/コンクリート平板 砂利敷き
内部仕上げ
キッチン
床/ FB
(LIXIL) PB t=12.5mm クロス
壁/タイル貼り
(東リ)
天井/ PB t=9.5mm クロス
厨房機器/
システムキッチン/ toolbox KB-KC022-02
-G183
IH /日立 HT-M8AKTF-K
換気扇/ノーリツ NFG7S20MSI
浴室
ユニットバス
玄関 室1∼3 トイレ1 洗面脱衣所
床/トイレ1・洗面脱衣所:FB 玄関:モルタ
ル金ごて仕上げ 室1∼3:フローリング
(木魂)
南側近景。キッチンから外が眺められるよう、中低木で視線を遮りつつ1階にも開口を設けた。外壁はガルバリウム鋼板。
壁/ PB t=12.5mm クロス
天井/ PB t=9.5mm クロス
洗面器/ TOTO L620
N
2023 06 145
北山 今月はリノベーション特集で、森田一弥さんが 紐解き、忠実に迫っていく歴史学に基づいた姿勢を感
レム・コールハースの『S,M,L,XL』(1995年)のクロノカ じます。それに対し、象設計集団が設計しガラージュ
オスの話を書いていたので読み直したのですが、面白く、 が改修した「ドーモ・キニャーナ」は、原設計の内容
重要な本です。レムはこの中で、ヨーロッパで始まる近 に加えて、住み手がつくり続けてきた行為や空間をど
座 談 代主義、ユートピア主義がもたらすタブラ・ラサという
モダニズムの原罪を確認し、それによって行われる現代
都市の開発と破壊行為の行方を観測しています。そし
う観察するかという視点が文化人類学的で、異なる人
間の手つきを自在に組み取った延長で設計していると
感じました。森田一弥さん本嶋正太さん林誠さんの
「日
て、クロノカオスでは新しい建築物と保存建築の共時 下部家住宅離れ/谷屋」の、解体して骨組みのつくり
月 評
性から
「歴史保存が未来を予想するもの(プロスペクティブ) 方を読み解き、可視化する行為は、建築という物質と
となる」と書きます。いちばん最後にある記事「里山発、 対話する意味で考古学的でありながら、現代の職人
道具連関を都市へ」は、この号全体の趣旨として読め ともいえる森田さんの経験を介して現代を繋いでいると
ました。ブリコラージュという概念は最近よく使われます 感じました。
が、それは終わりのない制作行為なので、道具が必ず 北山 もともと日本の木造軸組建築は手を入れていく
146 2023 06
M O N T H L Y R E V I E W
座談月評
2023 06 147
N E W S
ニュース情報
2023 年日本建築学会賞発表
去る4月19日、日本建築学会(会長: ンクルーシブプレイス コパル(山形市南 汐留美術館+京都国立近代美術館 【日本建築学会文化賞】
田辺新一)は、2023年の各賞の表彰業 」(『新建築』2207)、金
部児童遊戯施設) ▷水谷俊博+木村浩+武蔵野市+ ▷新井久敏 ▷小川重雄 ▷鈴木京香
績と受賞者を発表した。日本建築学 野千恵氏の「春日台センターセンター」 武蔵野クリーンセンター運営協議会+
4
会大賞には、石野久彌氏の「環境建 『新建築』2204)が受賞した。
( 水谷俊博建築設計事務所+荏原環境
築のための建築設備・環境工学研究 そのほかの結果(抜粋)は以下の通り。 プラント+鹿島建設
と設計技術の発展への貢献」
、嘉納成 【日本建築学会賞(論文)】 【日本建築学会著作賞】
男氏の「工程計画と管理における数理 ▷植松康 ▷小椋大輔 ▷佐久間哲哉 ▷川島範久 ▷権藤智之+戸田穣▷
科学的手法の開発とそのICT化の促進 ▷佐藤篤司 ▷真田靖士 ▷垂水弘夫 田中元子 ▷鳥海基樹 ▷中井検裕
に関する学術的貢献」
、中島正愛氏の ▷寺西浩司 ▷牧紀男 +長坂泰之+阿部勝+永山悟
「大型耐震実験手法の開発と耐震解 【日本建築学会賞(技術)】
析・設計の高度化に関する一連の研 ▷杉山智昭+小野英雄+渡辺英義+
究と国際貢献」を選出した。日本建築 阪井由尚 ▷和木洋+高橋武宏+品
学会賞(作品)は、魚谷繁礼氏+魚谷 川恭一+及川孝則
みわ子氏+柳室純氏の「郭巨山会所」 【日本建築学会賞(業績)】
( 、大西麻貴氏+百田
『新建築』2304) ▷滋賀県立大学 陶器浩一研究室
有希氏+平岩良之氏の「シェルターイ ▷分離派100年研究会+パナソニック
左2点:
「郭巨山会所」。右上:「シェルターインクルーシブプレイス コパル(山形市南部児童
遊戯施設)」。右下:
「春日台センターセンター」
3
活動と業績を広く社会に伝えることによ +西澤徹夫/西澤徹夫建築事務所+ 直近3年以内に関東1都3県で竣工し
り、文化としての建築の価値を広げるこ 森純平/ interrobang た住宅を選出対象とした。審査は吉
とを目的としたもの。2019年から2021 ▷「 大 阪 中 之 島 美 術 館 」(『 新 建 築 』 村靖孝(審査員長)、大野博史、倉方
年までに竣工した建築を応募対象とし、 2201)=遠藤克彦/遠藤克彦建築研 俊輔、中川エリカ、西沢大良の5氏で
「日本建築家協会優秀建築選 2022」と 究所 行われ、応募総数71点の中から住宅
して 100作品を選定。その中からJIA日 【JIA優秀建築賞】 建築賞金賞1点、住宅建築賞4点が
本建築大賞、JIA優秀建築賞受賞作品 ▷「全薬工業株式会社 研究開発セ 選出された。受賞作品は以下の通り。
が選出される。審査は田原幸夫(委員 ンター」=頭井秀和+水野悠一郎+チ (受賞者は設計者のみ記載)
、松岡拓公雄、手塚貴晴、永山祐子、
長) ン・シャンリン+河野信/日建設計 【住宅建築賞 金賞】
宮沢洋の5氏で行われ、応募総数228 ▷「Entô」(『新建築』2109)=原田真 ▷「8.5ハウス」(本誌2004)=齋藤隆
点の中からJIA日本建築大賞2点、JIA 宏+原田麻魚+野村和良/ MOUNT 太郎/ DOG+井手駿
優秀建築賞2点が選出された。 FUJI ARCHITECTS STUDIO 【住宅建築賞】
▷「House in Fukasawa」(本誌2109)
2
設計事務所 ▷「石黒邸」
(本誌2104)
=溝部礼士/溝部礼士建築設計事務
所+坪井宏嗣/坪井宏嗣構造設計事
左:
「八戸市美術館」。右:「大阪中之島美術館」
。 上:
「8.5ハウス」
。中:「House in Fukasawa」
。
下:「大森ロッヂ新棟 笑門の家」 。
148 2023 0 6
E X H I B I T I O N
展覧会レポート
©CASA DE
LINA BO BARDI展 with Marcenaria Baraúna
開催中 2023 年 5月9日∼ 5月25日
駐日ブラジル大使館(東京都港区)
近代ブラジルの建築を牽引した建築家リナ・ボ・バ インだけでなく、合理的な構造や生産体制にも深く
ルディの個展。リナが自らの建築のためにデザインし 着目していたことが語られる。また会場では、リナが
た数々の椅子を中心に、その人物像や作品づくりの 2度来日したことも紹介され、その際に日本の伝統文
背景を、当時の写真や自筆のスケッチなどで紹介す 化や建築に感銘を受け、代表作となる「SESC ポン
る。会場にはオリジナルの椅子が並び、現在もサン ペイア文化センター」(1951年)や自邸「ガラスの家」
パウロで家具制作を続けるバラウナ工房による現行 (1951年)において、それがデザインとして反映された
品となる椅子も展示された。バラウナ工房は、リナと ことも紹介。同年代の丹下健三を訪れたともいわれ、
その仲間たちがデザインした家具を自分たちの手で 丹下の自邸で愛用していたといわれる椅子も展示さ
制作するため、1986年に立ち上げた家具工房。本 れた。リナの個展はさまざまな角度から度々日本で展
展では同工 房の協力を受けて、
「SESC Pompeia 覧会が開催される。今回大使館で行われたことから
Chair」
、「Kids Desk」、
「Girafa Low Table」を初 も、ローマからブラジルに渡ったリナが、いかにブラ
上:ブラジル大使館地下で行われた会場風景。手前に「SESC
めて復刻し、会場で初披露された。上映されたマル ジルにとって重要な建築家になったか、そして日本で ポンペイア文化センター」のためにデザインされた「SESC
Pompeia Chair」が並ぶ。左下:「ガラスの家」のために制作
セロ・フェハスのインタビュー映像では、リナがデザ もそのデザインが愛され続けていることが分かる。 された「"Bola" Chair」
。右下:「Giraffe Chair」。
3
丸山直文 水を蹴るー仙石原ー
Ken KATO
開催中 2023 年 1月28日∼ 7月2日
ポーラ美術館 1 階 アトリウム ギャラリー(神奈川県・箱根町)
ポーラ美術館では、2017年よりポーラ美術振興財団 立ち位置が意識されているという。会場構成は、青木
の助成を受けた作家の展覧会を開催している。第14 氏が丸山氏の絵画から着想を得て、半透明の布を2
回目となる今回は1998年度の助成作家である丸山直 枚重ね合わせた時に見られるモアレを水面の揺らぎに
文氏を迎え、会場構成を丸山氏と親交の深い青木淳 見立て、展示空間の壁面を覆った。布のモアレと光の
氏が担当した。丸山氏は下地材を施さない綿布のキャ 反射によりワイヤーなどの絵画を支える構造を見えにく
ンバスに水を引き、絵具を滲ませる「ステイニング」とい くすることで、絵画を浮いているように展示することも
う技法を用いた絵画を制作。近年は制作において重 意図された。また、入口右側の透明の壁面に布と絵
要な役割を担う「水」をモチーフにした絵画を発表して 画を掛けることで、その奥に広がる仙石原の景色と絵
いる。本展では箱根、仙石原をテーマに、丸山氏が 画が重なるよう配置。会場の入口には躯体のRCを模
上:
「水を蹴る(この間に) 」2022年 作家蔵(左)、
「水を蹴る
実際に訪れて描いた新作2点と初公開作品2点を含む した壁をつくり、量感のある構えにすることで来場者に
(しかしやがて)」2022年 タグチアートコレクション(右)。壁
6点を展示。展覧会名の
「水を蹴る」
では水たまりを蹴っ 対して会場への動線を示した。小規模な展示でありな 面の布のモアレと床面の照明により絵画を支える構造を見せ
ず絵画が水面に浮いているように見える。テキスタイルデザイ
た時の、水面に映った景色の揺らぎとパンデミックや がら丸山氏の絵画の世界観に呼応した空間は、画中 ンは安東陽子デザイン、照明は岡安泉照明設計事務所が参
加。左下:展示に使用された布は防炎のカーテン生地。2枚
震災などで感じた不安定な世界や不確定な私たちの の世界を体験できる鑑賞のあり方を提示している。
の布を重ね合わせると現れるモアレ。右下:展示会場入口。
FORMS
2
石川素樹展
開催中 2023年4月29日∼6月24日
プリズミックギャラリー(東京都港区)
建築設計だけでなく、機械部品メーカー栃木屋との る石川氏の思いに基づく。また、工業製品化を避け
協働による家具・建材ブランド「S2M」のディレクショ 木や金属、土などの普遍的な素材を用いて、現代的
ンも行う石川素樹氏。著書『ELEMENTS 5つの建築 でありながら民芸のような製品を目指す
「S2M」
のルー
5つの断章』(2019年、オーム社)で挙げた、対話、観 バーや椅子、取っ手といった製品の展示との組合せ
察、全体、過程、細部の考えから生まれたものを は、建築の部分と全体の関係性から生み出される、
「FORMS」と題し、建築5作品の模型やイメージムー 多様で自然と調和した建築のあり方を示している。さ
ビーので紹介する。なめらかな質感のあるチェリーで らに、
キャプションボードのQRコードから、
WEBにアッ
制作された模型、樹幹が化石化した珪化木を用いた プされ た展 示 作 品 の3DVR( 制 作: 徳 永 雄 太 氏 /
模型台などで展示空間を構成。それらは、素材本来 ARCHI HATCH)にアクセスでき、作品内部のウォーク
2023 06 149
茶室 33選
ARCHITECTURE AND URBANISM
November 2022 Special Issue
建築と都市 2022 年 11月臨時増刊
利休・遠州から近代まで
33 Japanese Teahouses
From Rikyu- and Enshu- to Modern Times
利休・遠州の古典の名作から近代までの 33 の茶室を一冊に。特に自然との関係をキーワードに、その影響を受けた数寄屋建築や
煎茶席にも言及。写真と詳細な図面を多数掲載、茶室入門者にもわかりやすく解説しています。
桐浴邦夫(ゲストエディター/茶室研究者・京都建築専門学校副校長)
妙喜庵待庵/西芳寺湘南亭/藪内家燕庵/有楽苑如庵/大徳寺孤蓬庵忘筌/太閤山荘擁翠亭/水無瀬神宮燈心亭/
表千家不審菴/表千家残月亭/裏千家今日庵/裏千家又隠/大徳寺真珠庵庭玉軒/慈光院高林庵・書院/西翁院澱看席/
大徳寺玉林院蓑庵・霞床席/萩市松陰神社花月楼/有澤山荘菅田庵・向月亭/昭和美術館南山寿荘捻駕籠席/
成巽閣清香軒
三渓園聴秋閣/一条恵観山荘/修学院離宮上の御茶屋/桂離宮松琴亭/中津万象園観潮楼/山紫水明処/成巽閣三華亭
廣誠院/箱根強羅公園白雲洞茶苑/北村美術館四君子苑/八勝館/ウェスティン都ホテル京都佳水園/
迎賓館赤坂離宮和風別館游心亭/白鳥庭園清羽亭
好 評 発 売 中!
定価:4,950 円(本体 4,500 円)
発行:株式会社エー・アンド・ユー 〒 100-6017 東京都千代田区霞が関三丁目 2 番 5 号 霞が関ビルディング 17 階
電話:03-6205-4384 / FAX:03-6205-4387 振替:00130-5-98119 写真:有楽苑如庵の有楽窓(撮影/桐浴邦夫)
B O O K S
新 刊紹介
窓は建築において採光や通風を確保すると同時に、外部と内部の境界であり、ふた タクティカル・アーバニズムとは、住民主導で実践する、都市に持続的な改善をもた
つの領域を結びつけまた解放する役割を担う。本書は、窓を介した内と外の関係を らす草の根的なアプローチである。この実践者である著者の2氏は、
アメリカでのケー
時代や世界中の都市をまたぎ、建築作品や都市空間、または絵画や彫刻などにも広 ススタディを編纂し、都市計画におけるこのアプローチの位置づけと、その介入の幅
げ分析。窓の構造や様相に内と外を関係づける多様性があることが示され、それら と拡張性を示す。サンフランシスコの舗道を公園に変容させた事例、エルパソで新し
が成立する歴史的背景を論じる。
「外から内へ」
「内も外も」
「内から外へ」
「内から い路面電車の開通に繋がったストリートアートムーヴメントなどを参照し、都市が人
外から」という全4章で構成され、抽象的なテーマでありながらもそれぞれには大きな びとのアイデアを試す最適な実験場であり、公共空間を住民自らの手で再プログラム
差異があることを提示。連続的な窓の配置とかたちにより視覚的な変化を起こす
「ヴィ する重要性を強調する。小規模であるが資本や政治的な要素に依存しない試みには、
ラ・ジュリア」
、虚を演出するレリーフでつくられた窓を設えた「メディチ家礼拝堂・新 持続的なスケールアップや都市インフラレベルの戦略的政策転換に繋がる寛大さが
聖具室Ⅰ」
、アルヴァ・アアルトによる「夏の家」の湖への視線を意識した窓などが紹 ある。本書は、変化のスピードが緩慢な日本社会にとって、デザインと創造的なプロ
介される。窓における試行の集積は次世代の建築を考える手立てとなる。 (kk) セスが都市変革の中心に据える方法が示されることは、励ましを与えるものだ。
(dy)
横河健 著 中村航 著
建築家の横河健氏は40年以上にわたり、住宅を中心に公共建築からプロダクトデ 世界中の都市で展開される屋台やマーケット。近年、
そこでのコミュニケーションによっ
ザインまで、人びとの生活に寄り添うものづくりの価値観を磨き続けてきた。本書は、 て生まれる個人間の関係性に価値が見出され、実験的な新しいムーブメントが起こり、
著者の思想を総括する建築論ではなく、美しさという視点を軸に、住宅とは何か、 著者はその現象を「POP URBANISM」を名付ける。それらは都市や、建築にどのよ
住宅が生まれるプロセスで重要なものは何かを、一般の人びとにも分かりやすく解 うな影響を与えるのか。本書は、その可能性を世界20都市36の事例を、食、都市
く。建築家が洞察する要素が住環境に現れ、それが社会と暮らしを結びつくことを、 空間の使われ方、歴史・地域性、ユニークさの視点から紹介。例えば、ロンドンの
著者自身の生家での原体験や過去のクライアントとの交流から示す。世界中の歴 駐車場ビルをリノベーションした「PECKHAM LEVELS」は、地上から屋上まで貫く
史的名作建築を引用し、街並みや豊かな景観が建築のもつ社会的な性格の現れ 既存のスロープを活かし、各層ごとに設けられたアトリエやバー、コワーキングスペー
であり、これらを支える社会構造を再考する共有意識の重要性についても論じる。 スなどをシームレスに繋ぐことで、
異業種の交流を生み都市の新陳代謝を促す核となっ
建築の成立過程を見つめ直すこと、それは私たちそれぞれのあり方を問う視点をも ている。都市に既にあるものを活用し、試行錯誤を繰り返しながら成長する、仮設的
つことでもあり、
本書が現代に生きる若者に伝えたいメッセージかもしれない。
(dy) で柔軟性をもつPOP URBANISMの数々は、都市に勢いを与える起爆剤となる。
(trt)
151 2023 06
新建築社が運営するオンラインメディア。連載記事や雑誌掲載作品の動画など、
現在、500以上のコンテンツがご覧いただけます。
https://shinkenchiku.online
C O N S T R U C T I O N
施 工 会 社 & 現 場 監 督 紹介
2023 06 153
路地の反転 「阿佐ヶ谷の家」浅利幸男(本誌1506) 小金井の住宅 「Hayama Huts」小山光(本誌2210)
掲載:130-137頁 COMMENT 掲載:138-145頁 「火の山のツリーハット」中村拓志(本誌2110)
前澤工務店 施工 それぞれの工程、工種でしっかり打 ダブルボックス COMMENT
代表・今回の現場監督 前澤誠 合せをしながら進めていただきました。 代表 和田重文 施工 設計意図を理解しながら柔軟に対応
規模 15名 工期 躯体に難のある中、ほぼ予定通りの 今回の現場監督 大月勇輔 していただき進めることができました。
所在地 東京都新宿区新宿7-15-11 工期でした。 規模 15名 工期 施工中の設計変更にも対応していた
電話番号 03-3202-1331 コスト コストが高騰する状況で、丁寧な見 所在地 東京都世田谷区南烏山3-21-6 1F だきながら工程管理をしていただきました。
https://www.maezawa-koumuten.com 積をしてくださり減額に対応いただきました。 電話番号 03-5969-9388 コスト 適正価格でした。細かな変更点にも
最近施工した作品 (富永大毅+藤間弥恵) http//doublebox.org 都度柔軟に対応いただきました。 (須藤剛)
「入母屋の離れ」富永大毅(本誌1803) 最近施工した作品
「living journey」佐藤美輝(本誌1705) 「氷川町の住宅」須藤剛(本誌2211)
建築家情報
A R C H I T E C T S 1. 今後予定しているプロジェクトや展覧会、講演会などの情報/ 2. Facebook、TwitterのURL
建築家プロフィール ※1の作品名、竣工時期、展覧会、講演会情報は本誌発売時点での予定となります。
西沢立衛(にしざわ・りゅうえ)
1966年東京都生まれ/ 1990年横浜国立大学大学院修士課程修了、妹島和世建築設計事務所入所/ 1995年妹島和世と共にSANAA設立/ 1997年西沢立衛建築設計事務所
設立/現在、横浜国立大学大学院建築都市スクールY-GSA教授/主な受賞に日本建築学会賞、吉阪隆正賞、藝術文化勲章オフィシエ、高松宮殿下記念世界文化賞 、プリツ
カー賞 ( はSANAAとして妹島和世との共同設計および受賞)
北澤伸浩(きたざわ・のぶひろ)
1983年長野県生まれ/ 2006年千葉大学工学部デザイン工学科(建築)卒業/ 2008年慶應義塾大学大学院理工学研究科修了/ 2008∼19年SANAA / 2018年北澤伸浩建
築設計事務所設立
▼建築家情報
1.「Y-Project」(東京都/ 2023年9月) (神奈川県/ 2023年11月)
「T-HOUSE」
2. Instagram:@oonk.jp Facebook:https://www.facebook.com/oonk.jp
▼建築家情報
2. Instagram:@goyaschroeder
河内さつき(かわうち・さつき)
1978年山形県生まれ/ 2002年千葉大学工学部建築学科卒業/ 2003∼04年パリ・ラヴィレット建築大学留学/ 2004年セントルーカス建築大学留学/ 2005年千葉大学大
学院自然科学研究科建築専攻修了/ 2005∼20年岡田新一設計事務所/ 2020年∼石本建築事務所/主な論文に、
『近代建築 Vol.67「聖マリア病院 国際医療センター地
域支援棟」』(2013年、近代建築社)『病院設備 Vol.62「出産レポート―設計に関わった病院における出産体験―」
』(2020年、一般社団法人日本医療福祉設備協会)
青木弘司(あおき・こうじ)
1976年北海道生まれ/ 2001年北海学園大学工学部建築学科卒業/ 2003年室蘭工業大学大学院修士課程終了/ 2003 ∼ 11年藤本壮介建築設計事務所/ 2011年青木弘
司建築設計事務所設立/現在、AAOAA共同主宰、武蔵野美術大学、東京造形大学、前橋工科大学、早稲田大学、文化学園大学、東京都市大学非常勤講師/ 2016年第
15回ヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展特別表彰(日本館)/ 2019年「伊達の家」
(本誌1711)で第2回JIA北海道支部建築大賞2019飯田善彦審査委員長賞、第3回日
本建築設計学会賞受賞
▼建築家情報
1.「水戸の美容室」
(茨城県水戸市/ 2023年3月)「伊達の工場と家」
(北海道伊達市/ 2023年3月)
2. Twitter:@koji_a0ki Instagram:@kojiaoki_kaa Facebook:http://www.facebook.com/koji.aoki.54
154 2023 06
山田誠一(やまだ・せいいち)
1978年静岡県生まれ/ 2011年山田誠一建築設計事務所設立/ 2014年「富里の家」
(本誌1311)で第2回JIA東海住宅建築賞奨励賞受賞/「実相寺毘沙門堂」で2016年
第26回AACA賞奨励賞、2017年第49回中部建築賞受賞/ 2017年「加茂の家」 『Process of the Works 住宅の設計方法』
でJIA東海住宅建築賞奨励賞受賞/主な著書に (2022
年、オーム社)
▼建築家情報
1.「安東の家」
(静岡県静岡市/ 2023年)「箱根の家」(静岡県三島市/ 2023年)「比奈の家」(静岡県富士市/ 2024年) (静岡県富士市/ 2024年)
「富士の家」
「Yアトリエ」(愛知県/ 2024年)「長泉町の家」(静岡県駿東郡長泉町/ 2024年)個展(プリズミックギャラリー、2024年1∼2月)
2. Twitter:@Mail012345Mail Instagram:@seiichi.yamada_architect Facebook:https://www.facebook.com/seiichi.yamada.777
武田清明(たけだ・きよあき)
1982年神奈川県生まれ/ 2007年イーストロンドン大学大学院修士課程修了/ 2009∼18年隈研吾建築都市設計事務所(同事務所設計室長歴任)/ 2018年武田清明建築設
計事務所設立/ 2019年∼千葉工業大学非常勤講師/ 2020年∼日本女子大学非常勤講師/ 2018年
「6つの小さな離れの家」 でSDレビュー 2018鹿島賞受賞/
(本誌1902) 「鶴
岡邸」
(本誌2108)で2022年住宅建築賞、2022年日本建築学会作品選集新人賞受賞
▼建築家情報
1. 「暮らしの石」展示販売会 毎月第1日曜日(東京都練馬区石神井町3-10-12 1階)
2. Instagram:@kiyoakitakeda Facebook:https://www.facebook.com/kiyoaki.takeda.3
▼建築家情報
1.「Hotel in Toba」(三重県鳥羽市/ 2023年)「House in Ookayama」(東京都目黒区/ 2024年)
「Resting Space No.4 in Expo 2025」
(大阪府大阪市/ 2025年)
2. Instagram:@schenkhattori
柳室純(やなぎむろ・じゅん)
1980年静岡県生まれ/ 2003年京都大学工学部建築学科卒業/ 2007年同大学大学院工学研究科建築学専攻修士課程修了/ 2007∼15年満田衛資構造計画研究所/
2015年柳室純構造設計設立/ 2023年日本建築学会賞(作品)受賞
甲斐貴大(かい・たかひろ)
1993年宮崎県生まれ/ 2016年studio archē設立/ 2017年東京藝術大学美術学部建築科卒業/ 2020年同大学非常勤講師/ 2021年∼同大学教育研究助手
矢橋徹(やばし・とおる) 上野拓美(うえの・たくみ)
(矢橋徹・上)1981年熊本県生まれ/ 2003年日本文理大学工学部建築学科卒業/ 2005∼07年UID勤務/ 2008∼10年森繁建築研究所勤務/ 2013年矢橋徹建築設計事
務所設立/ 2020年崇城大学非常勤講師/ 2019年「オモケンパーク」
(『新建築』1910)で第24回くまもとアートポリス推進賞、2020年日本空間デザイン賞2020銀賞、
2021年日本建築学会九州支部建築九州賞佳作、2021年日事連建築賞奨励賞受賞/「下江津の家」
(本誌2211)で2021年第25回くまもとアートポリス推進賞受賞
(上野拓美・下)1989年熊本県生まれ/ 2012年熊本大学工学部建築学科卒業/ 2015年同大学大学院自然科学研究科建築学専攻/ 2016年∼矢橋徹建築設計事務所
▼建築家情報
1.「出水の家」
(熊本県熊本市/ 2023年)「久原の大庇」(熊本県山鹿市/ 2023年)
「滝尾みらいプロジェクト」(大分県大分市/ 2024年)
2. Instagram:@yabashi_architects
2023 06 155
佐藤充(さとう・みつる)
1980年 宮 城 県 生まれ / 2005年 東 北 芸 術 工 科 大 学 大 学 院 修 士 課 程 修了/ 2005∼09年 早 川 邦 彦 建 築 研 究 室 / 2010∼13年 建 築 工 房DADA / 2013年SATO+
ARCHITECTS設立/ 2010∼20年東北芸術工科大学非常勤講師/ 2011∼20年東北工業大学非常勤講師/現在、東北芸術工科大学建築・環境デザイン学科准教授/
2018年「北山の家」で第11回JIA東北住宅大賞優秀賞受賞/ 2019年「郡山の家」で第12回JIA東北住宅大賞優秀賞受賞/ 2020年「南光台東の家」(本誌2004)で
GOODDESIGN賞受賞/ 2022年「木町通の家」(本誌2207)で日本建築学会東北支部東北建築賞受賞/ 2022年「双葉ヶ丘の家」で第14回JIA東北住宅大賞優秀賞受賞
▼建築家情報
1.「中山の家」(宮城県仙台市/ 2023年)
西和人(にし・かずと)
1981年石川県生まれ/ 2005年宇都宮大学大学院工学研究科建設学専攻修士課程修了/ 2013年西和人一級建築士事務所設立/ 2014年沖縄営業所設立/現在、金沢科
学技術大学校非常勤講師、日本建築士会連合会青年委員会役員/ 2014年「荒木田の家」で石川県デザイン展石川県建築産業連合会会長賞受賞/ 2016年「上荒屋の家」で
石川県デザイン展金沢建設業協会会長賞受賞/ 2016年「美里の家」で第18回木材活用コンクール木材活用特別賞、2019年建築九州賞受賞/ 2017年「上荒屋の家」で第49
回中部建築賞受賞
▼建築家情報
1.「金沢の住宅」(石川県/ 2023年)「某店舗増築計画」(2024年)「加賀の家」(石川県/ 2024年) (石川県/ 2024年)
「某店舗新築計画」
2. Twitter:@kn__architects Instagram:@KazutoNishi_Architects Facebook:https://www.facebook.com/ni.ka.946954
YouTube:https://www.youtube.com/channel/UC2sDwFZT7SS43-9u1RHCYGA
岸本貴信(きしもと・たかのぶ)
1974年兵庫県生まれ/ 1997年福山大学工学部建築学科卒業/ 1997∼99年瀬戸本淳建築研究所/ 1999∼2007年井内清志建築研究室/ 2007年CONTAINER DESIGN
設立/ 2018年「売布山手の家」(本誌1908)でJIA近畿支部住宅部会、第1回JIA KINKI住宅部会賞受賞
▼建築家情報
1.「いかるが町目安の家」
(奈良県/ 2023年)「板野郡北島町の家」(徳島県/ 2023年)
「周南市久米の大きな屋根の家」
(山口県周南市)
2. Instagram:@containerdesign Facebook:https://www.facebook.com/containerdesign.aa
阿蘓俊博(あそ・としひろ)
1976年東京都生まれ/ 2000年日本大学理工学部建築学科卒業/ 2002年同大学大学院理工学研究科建築学専攻修了/ 2003∼09年ツナミデザイン/ 2010年アソトシヒロ
デザインオフィス設立/ 2015∼19年東京テクニカルカレッジ建築科非常勤講師/ 2017年門前仲町にサテライトオフィスを開設(門仲オフィス)/ 2002年青森市北国型集合
住宅国際設計競技会特別賞受賞(本杉研究室と共同)/ 2004年International Housing in Catalonia Competition 400,000homes FINALIST / 2019年「朝霞の家」で第7回
埼玉県環境住宅賞優秀賞受賞
▼建築家情報
1.「上祖師谷の家」
(東京都世田谷区/ 2023年)
「平野の家」(東京都江東区/ 2024年)
2. Instagram:@toshihiro_aso_design_office Facebook:https://www.facebook.com/asotoshihirodesignoffice
岸本和彦(きしもと・かずひこ)
1968年鳥取県生まれ/ 1991年東海大学工学部建築学科卒業/ 2016年早稲田大学大学院創造理工学研究科修了博士(建築学)/ 1998年ATELIER CINQU設立/ 2004
∼ 14年東海大学工学部建築学科非常勤講師/ 2004∼18年東京デザイナー学院建築デザイン科非常勤講師/ 2007年組織名をacaaに改名/「余白の杜」(本誌1803)で
2017年JIA東北住宅大賞2016優秀賞、2018年日本建築学会東北建築賞作品賞受賞/ 2018年「地形の残像」
(本誌1807)で神奈川建築コンクール優秀賞受賞/「森と空へ」
で2020年福岡県美しいまちづくり建築賞2019入選、2020年第13回建築九州賞奨励賞受賞、
(本誌1908) 2022年日本建築学会作品選集2021-2022選出/ 2022年「縮景の杜」
(本誌1910)で神奈川建築コンクール優秀賞受賞/「地形と居場所」(本誌2110)で2022年中部建築賞、2022年DFA Design for Asia Awards 2022優秀賞受賞、2022年
ICONIC AWARDS 2022 Innovative Architecture部門 Winner、2022年INTERNATIONAL ARCHITECTURE & DESIGN AWARDS 2022、2022年Residential of 2A
Continental Architectural Awards 2022 Asia-Honorable Mention、2022年JIA優秀建築選2021-2022選出、2023年日本建築学会作品選集2023選出/主な著書に『日本の
住宅をデザインする方法2』(共著、2013年、エクスナレッジ)
▼建築家情報
1.「桜新町の家」
(東京都世田谷区/ 2023年)「雪の下の家」
(神奈川県鎌倉市/ 2023年)
2. Twitter:@acaa_PR Instagram:@ND]XKLNRBNLVKLPRWRBDFDD
赤池友季子(あかいけ・ゆきこ)
1987年静岡県生まれ/ 2009年前橋工科大学工学部建築学科卒業/ 2009∼13年acaa勤務/ 2019年赤池友季子建築研究所設立/「育成会ひまわり保育園」で2022年ウッ
ドデザイン賞、2022年木材利用優良施設等コンクール優秀賞受賞
▼建築家情報
1.「宮前の家」
(東京都杉並区/ 2023年)「夏目坂の共同住宅」
(東京都新宿区/ 2024年)
2. Instagram:@yukikoakaike
156 2023 06
富永大毅(とみなが・ひろき) 藤間弥恵(ふじま・やえ)
(富永大毅・上)1978年千葉県生まれ/ 2001年東京都立大学(現・首都大学東京)藤木隆男研究室卒業/ 2003 ∼ 04年ミュンヘン工科大学留学/ 2005年東京工業大学
大学院塚本由晴研究室修士課程修了/ 2005∼08年千葉学建築計画事務所/ 2008∼12年隈研吾建築都市設計事務所/ 2012年富永大毅建築都市計画事務所設立/
2019年TATTA代表取締役/ 2017∼21年首都大学東京非常勤講師/ 2018∼22年日本大学非常勤講師/現在、明治大学兼任講師、日本工業大学非常勤講師
(藤間弥恵・下)1980年東京都生まれ/ 2003年法政大学工学部卒業/ 2005年同大学大学院工学研究科修了/ 2005∼14年千葉学建築計画事務所/ 2014年∼富永大毅
建築都市計画事務所/ 2019年TATTA代表取締役
2017年「ドーマー窓の家」
(本誌1607)でAICA施工例コンテスト最優秀賞受賞/ 2018年「垂木の住宅」
(本誌1704)で第35回住まいのリフォームコンクール住宅リフォーム
部門優秀賞受賞/ 2019年「入母屋の家」(本誌1803)で住まいの環境デザイン・アワード2019ベターリビングブルー&グリーン賞 受賞/ 2021年「奥浅草ハイブリッド」でグッ
ドデザイン賞受賞
▼建築家情報
1. 2023年5月19∼21日G7広島サミットにてBeLINパネル(真庭産のスギヒノキを利用した無垢パネル)展示
「ウッドストックハウス」(東京都八王子市/ 2023年9月)「稲城の家」
(東京都稲城市/ 2023年8月)
2. twitter:@hiroki_tominaga Facebook:https://www.facebook.com/ht.at.jp
須藤剛(すどう・つよし) 高岩愛実(たかいわ・まなみ)
(須藤剛・上)1980年埼玉県生まれ/ 2003年法政大学工学部土木工学科卒業/北川原温建築都市研究所、ジャムズなどを経て、2012年須藤剛建築設計事務所設立/
2021年∼日本大学非常勤講師/ 2023年∼東洋大学非常勤講師
(高岩愛実・下)1994年東京都生まれ/ 2017年東洋大学理工学部建築学科卒業/ 2019年明治大学大学院I-AUD修士課程修了/ 2019年∼須藤剛建築設計事務所
▼建築家情報
1.「下落合PJ」(東京都新宿区/ 2023年)「十条PJ」(東京都北区/ 2024年)「西池袋PJ」(東京都豊島区/ 2024年)
2. Twitter:@TsuyoshiSudoh Instagram:@tsudoudesignstudio
執筆者
編集後記
2023 06 157
ミラノサローネ2023 に出展 コンフォート福岡ショールームがオープン
トーヨーキッチンスタイル コンフォート
トーヨーキッチンスタイルが総代理店を務めるブランド「Kartell(カルテル)」「moooi(モー コンフォート(株)は天神エリアにある「アクロス福岡」の地下1階にショールームをオープン
イ)」がミラノサローネ2023に出展する。Kartell はブランドのアイデンティティを伝え、近 した。ミニマムデザインのコンセプトで、ドア、収納、家具とインテリアをトータルで演出す
年築き上げた多くの製品を効果的に表現する大型ブースをデザイン。「moooi」はLGと協力 るRaikiの全シリーズや、天然クォーツの持つ質感のよさと美しい表情を、たしかな品質とト
して、AIを活用したオーダーメイドのインテリアフレグランス体験を提供。日時:2023 年 4 レンドを取り入れたデザインで表現するシーザーストーンの製品を体感できる。完全予約制。
月18日∼ 4月23日 営業時間:平日10 時∼ 18 時。※土日祝日の予約は営業時間内に電話にて受付。
「ハニカム・サーモスクリーン」新電動タイプを発売 TOTOトイレの最上位シリーズ「ネオレスト」発売30周年
セイキ総業 TOTO
製品イメージ。 製品イメージ。
セイキ総業(株) TOTO(株)
tel:04-2951-7221 0120-03-1010
https://www.seikisogyo.net https://jp.toto.com
158 2023 06
T O P I C S
オペリアシリーズに新たなラインナップ 国産の杉材を上質なスラット(羽根)に仕上げたウッドブラインド
ニチハ ナニックジャパン
ニチハ(株)は、次世代インクジェット塗装品で ナニックジャパン(株)は国産の杉でつくられた
あるオペリアシリーズの新コンセプト「+D(プラ 「スギシリーズ ウッドブラインド」を発売。ウッ
スディー)」の第一弾として「バウンティウッド」 ドブラインドの専門メーカーとして長年培った
を発売した。繊細な風合いやリアルな質感を高 ノウハウ・技術で柾目の杉材を上質なスラット
いレベルで表現することで本物の風格を実現し (羽根)に仕上げた。自然な木目の美しさと、
たシリーズ。カラーは、木材の経年変化による 温かい質感があらゆる空間に溶け込む。仕上
銀化 を再現した「エイジングシダー」など6 げ色は杉材の魅力を表現した標準 8 色。特注
種をラインナップ。 色も対応。
ニチハ(株) ナニックジャパン(株)
tel:052-220-5125 tel:03-3370-0729
製品イメージ(バウンティウッド サクラ https://www.nichiha.co.jp 製品イメージ。 https://www.nanik.co.jp
MG)。
住宅基礎の美観と耐久性を高めるベースメイク 快適なプライベート空間を実現、
「ルシアス」フェンスシリーズ拡充
四国化成建材 YKK AP
四国化成建材(株)は、住宅基礎用の仕上材 YKK AP(株)は、コーディネイト提案力や目隠
ベースメイクを発売した。住宅基礎の表面に塗 し機能、
耐風性能を強化した「ルシアス スクリー
布することで二酸化炭素との反応によるコンク ンフェンス」
「ルシアス フェンス」を仕様拡充。
リートの中性化を抑制し基礎コンクリートの耐 さらに「ルシアス スクリーンフェンス」と連結可
久性が向上するほか、塗膜に弾性があるため 能な「ルシアス スクリーンフェンス用門扉 HS02
コンクリートの乾燥収縮によるヘアークラック 型」を発売した。これにより集合住宅の専用庭
も気にならない。また豊富なカラーバリエーショ を囲ったフェンスの連続性を損なわずに出入口
ンにより建物外壁とのカラーコーディネートも を設けるなど機能性の高い提案も可能になる。
可能となる。
製品イメージ。
朝日ウッドテック(株) 左:エリーザ・オッシノ氏による作品 右:大城 (株)アンビエンテック
tel:06-6245-9505 健作氏による作品。 tel:045-441-0082
https://www.woodtec.co.jp/ https://ambientec.co.jp
2023 06 159
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アイジー工業 表4
広告掲載企業
大和ハウス工業(コンペ告知) 2∼5
ユニオンシステム 6
デニカ 160
四国化成建材 ニチハ
セイキ総業 ニチベイ
DNライティング YKK AP
新建築社ホームページ https://japan-architect.co.jp
160 2023 06
「新 建 築 書 店」開 店 中!
今月のおすすめ
『Sparano + Mooney Architecture: 『Abzgram』 『DAVID HOCKNEY』 『LA FÁBRICA, RICARDO BOFILL』
A Way of Working』 Karolina Wojtas David Hockney Ricardo Bofill
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物
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可
令
和
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月
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