メディア芸術について

You might also like

Download as docx, pdf, or txt
Download as docx, pdf, or txt
You are on page 1of 3

メディア芸術について

アニメーションにおける比喩的な表現についての研究
私の研究のテーマは「アニメーションにおける比喩的な表現についての研究」です。
まず比喩について説明したいと思います。比喩については、比喩の意味を解釈します。
「デジタル大辞泉(小学館)」によると比喩、あるいは比喩法では物事を直接に描写・
叙述・形容などしないで、たとえを用いて理解を容易にし、表現に味わいを加える修辞
法です。直喩(シミリ)・隠喩(メタファー)・諷喩 (ふうゆ)(アレゴリー)・引喩
(アリュージョン)・換喩(メトニミー)・提喩(シネクドキ)などの種類に分けられ
ます。
アニメーションにおいて、比喩的な表現は、視覚的なイメージを使って、抽象的な概
念や感情を表現する方法と言えます。例えば、キャラクターの感情を表すために、顔に
雲が浮かんでいるイメージを使うことや驚いたキャラクターが感電するようなフラッ
シュエフェクトや髪の毛が立つイメージを使うことなどがあります。
それに基づいて、フィクションのアニメーション作品の『新世紀エヴァンゲリオン』
には、特有の比喩的な表現が多く見られました。「エヴァンゲリオン」に乗ることで、
人間が自分自身を超越することを表現しています。「A.T フィールド」という設定も、人
間の心に存在し、自己を守るために、外部からの心理的な攻撃を防ぐことを表現してい
ます。
『交響詩篇エウレカセブン』の中で「アミタ・ドライブ」は、人間が求める「自由」
や「幸福」を指し、人間が持つ駆動力を表現して、「セブンスウェル」という人間の感
情で発揮できる強い力を設定しました。
このような一つの設定と一つの表現に対応しているほか、『輪るピングドラム』の中
の「リンゴ」は多くの意味に対応しており、例えば「運命」のイメージを表しています
また、物語全体が「愛」というテーマを中心に展開しているため、リンゴは「命を捧げ
てきた愛」であり、「他人と分かち合う」意味を表しています。
だから、私はこのようなフィクションの世界観から自身の理解した人間の愛情につい
ての意味を短編アニメーションで表現したいと思います。研究のきっかけとしては自身
は様々な人間関係を経験し、失敗したことがあります。
そして、自身が好んだ作品、前も言った『新世紀エヴァンゲリオン』、『交響詩篇エ
ウレカセブン』、『輪るピングドラム』というアニメーション作品を見て、自分の経歴
と結びついた独自の観点が生まれました。それが比喩的な設定でアニメーションを制作
し、研究に向かう動機となりました。
研究、制作の目的では人間の愛情についての表現が含まれたアニメーション作品を分
析し、フィクションの世界でそういう表現がどうやってうまく視聴者に伝えられるかを
明らかにし、自分の作品に適切であると思われる表現を取り入れて修了作品を制作した
いです。
研究の方法は先ず参考アニメーション作品の世界観の枠組みや物語の構造を分析し、
自身の作品と比較、研究します。そして、これらの作品と自身の作品の似た表現、異な
る表現それぞれを比較分析し、自身が使っている理由を明らかにします。最後に分析、
研究から得られた結果を作品のコンセプトと企画に反映すると共に、修士論文にまとめ
ます。
その研究のために最初に作られたアニメーション作品が「恋」についての「 Space
Oddity」です。これは 2D デジタルアニメーションで、時間は全長13分37秒で、アニ
メーションの部分はすでに制作終わりました。音楽はクラシックミュージックを使用し
ていますが、著作権の問題がありますので、まだネット公開はしていません。今後も音
楽の修正とともに、セリフの録音も一緒に仕上げていきたいと思います。
次は世界観のことですが、作品が始まる前の物語も簡単に書きました。大昔、宇宙が
まだ光っていた頃には「古いものたち」という生命形態が存在していました。彼らは自
分たちの欲望を満たすためにこの宇宙を構築するエネルギー源の一つである生命の種を
集め、機械巨星を作って生命の種を制御していました。しかし、欲望に満ち溢れた原因
で機械が暴走しました。生命の種を利用することに反対する二人の「古いものたち」は
宇宙の破壊を防ぐため、宇宙の空間を封印し、残りの生命の種である人々を送り出しま
した。今、光の無い宇宙は救う力を持つ人が現れる時を待っていました。
作品の本編のストーリーでは、光の無い宇宙で、小さな星に孤独に暮らしている主人
公が彼とコミュニケーションできる存在を見つけました。あの人に接近するため、宇宙
の封印を破って、危機に陥って沈みました。しかし、相手の激励のもとで再び危険に直
面しました。ついに自分の力を解放して相手と出会い、この宇宙が封印された秘密も明
らかになり、主人公はこの宇宙の他の人と一緒に危機を解決することに力を結集しまし
た!元々は宇宙に散らばっていた人がその危機で新生した星に集まり、新たな未来が始
まります!
最初のうちはどんな世界や物語なのか見定めるために、このようなスケッチ、イメー
ジボードもたくさん描いて製作の方向を決めていました。
そして、主人公が宇宙服を着た姿と、成長を経てドレスを着た姿というデザインにな
っています。ヒロインも同じようにその様子をデザインしました。主人公たちが住んで
いる星については、ストーリーの発展によって変化もできます。これはキャラクターは
生命の種から生まれた特殊な生命体ですから、その生命力と繋がって自分の心によって
星の形を変えられます。それは人間など知恵を持つ生物が自分で生きる環境を作る能力
の象徴です。
この作品の中にもまたいろりろな比喩的な表現を使いました。たとえば、暗闇の中の
小さな星で孤独感を表現したり、宇宙を越えたコミュニケーションで人間のつながりを
表現したりしています。主人公が落ち込んだ時にも紙飛行機をダモクレスの剣のように
する表現や、自分の心の対話を、精神分析学でいう自我とエスを借りて表現しています
最後に全ての人が集まった巨像が赤ん坊を抱えているように暴走する巨星をなだめる表
現も、母性のような崇高な愛を表現しています。流れ星となった人たちは、人間同士の
つながりをもう一度表現しています。これはこの作品の説明です。
これから制作予定のアニメーション作品は、友情についての「ACROSS THE DARK」です。
これも 2D デジタルアニメーションで作って、時間は全長 8 分予定です。音楽は自主製作
予定で、セリフがなしです。
この作品のストーリーでは、植物の世界の少年 A と B は、幼い頃暗い空に現れた一筋
の光を見て、暗闇を破ることに憧れていました。しかしこの世界の上層の人々は、彼ら
がその秩序を壊すことを望んでいません。成長した少年 B が光を求めて処刑された後も、
少年 A はその信念を受け継いで研究を続けていました。最後に下層世界の人々の反抗と
ともに、少年 A は暗い空を開き、すべての人に光を与えていきます。
まだ制作準備中なので、簡単にスケッチを描いただけで、具体的な設定とか植物の世
界表現や、どのように比喩的な表現を取り入れていくかなどゆっくり考えていきたいと
思います。
最後のまとめでは、Space Oddity は私の最初の作品としては物足りない部分も多いが、
そこから自分が表現したいものの手がかりを少しでも掴むことができました。
今回の作品で用いた表現の多くは、過去に見た文化作品や個人的な経験から生まれた
アイデアです。単なる直感のようなものとも言え、まだ理論的なものにまとめられてい
ません。
ですから、その後の作品も、比喩的な表現について修士論文の理論的なものを中心に
作っていきたいと思っています。

You might also like