日本語言學概論

日本語言學概論
・字音について
狭義には呉音及び漢音をさす。
これらより古い古音（奇ガ、意オ、移オ）

そのほか
蘭ラン 縁エン 銭ゼン 消息ショウソク 大徳ダイトく
台湾大学日本語学科
林立萍 2023.12.12 蘭ラニ 縁エニ 銭ゼニ 消息ショウソコ 大徳ダイトコ
→ラン、エンなどは、閉音節（子音で終わる拍）
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呉音vs漢音
・字音について
天然 てんねん 自然 しぜん

天文 てんもん 人文 じんぶん
PS メンツ、ワンタン、チャーハンなど、借用の歴史が
万一 まんいち 万全 ばんぜん
浅いため、洋語とまとめて外来語とするのが普通。
伝馬 てんま 人馬 じんば 犬馬けんば..．
☛ウーロン茶
男女 なんにょ 男女 だんじょ
ろうにゃくなんにょ【老若男女】 男性、女性、男子、女子、..．
仙女 せんにょ せんじょ
無常 むじょう 無償 むしょう 無難・無礼 無頼漢 無聊 （少）
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ぶなん ぶれい ぶらいかん

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教科書P58(2段より) 教科書P57(2)

呼 称 呉音vs漢音
伝入時代
呉 音 漢 音
呉 音 和音、 中国本土南方の音が朝鮮を経 仏教の読誦、また、古くから国語
中国南方の呉地方。母胎音や伝来時期・経 大唐の標準音である長安音。
奈良時代 対馬音 由して伝来したもの に入った漢語
路 不明
以 前
漢 音 正音、 漢音についで、恐らく隋唐時代 日本では、奈良時代以降、朝廷 馬万 米微無亡 内 奴 男 難 鮎 人・女 馬万 米微無亡 内 奴 男 難 鮎 人・女
平安時代 唐音 に伝えられた音で、中国北方、 が｢正音｣として普及に努力し、漢 メ・マン・マイ・ミ ・ム・モウナイ・ノ/ヌ・ナン・ナン・ネン ニン・ニョ バ・バン・ベイ・ビ・ブ・ボウ ダイ・ ド ・ダン・ダン・デン ジン・ジョ
/ m/ /n/ /n/ / b/ /d / /z/
当時の都長安付近のものであ 籍や一部の仏教には用いられた
り、中国における標準的な音と が、在来の呉音を排除するには 渡来人によって伝えれた間接的なものであっ 入唐僧（弘法大師）などによって伝入とさ
されていたもの。直接交流によ 至らず、長い間それと併用された た可能性が高い れている
って移植され伝承されたもの・ 。
仏教経典（妙法蓮華経、大般若波羅蜜多経 大学寮で使用された漢籍（尚書、論語・孝
など）の読誦音 みょうほうれんげきょう 経・史記・漢書など）
どくじゅ だいはんにゃはらみったきょう

概ね、500～600年頃の南方系を母胎にして
成り立ったものであろう。

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層 別 層 別 分 野
呉 音 経文 きょうもん 行事 ぎょうじ 仏教関係、庶民
呉 音 経文 きょうもん 行事 ぎょうじ 漢字を偏や旁つ
くりの音にひか
の生活語彙
漢 音 経過 けいか 行為 こうい れるなどして誤
って我流に読む
漢 音 経過 けいか 行為 こうい 漢籍、字音の中
こと。「洗滌せ で一番多い
新 漢 音 んでき」を「せ
んじょう」と読
む類。
鎌倉唐音 諷経 ふぎん 行灯 あんどん
江戸唐音

そのた 宜（ガ）、巷（ソ）、移（ヤ）→呉音よりもさらに古く伝えられたとされる音
石（コク）、輸（ユ）、耗（モウ） →日本の慣用音（誤用） 300語ぐらい
扇（せん） 参（さん） 漢 （かん） 変（へん） 黒（こく）
蠱（チウ・ちゅう）、 肓 （モウ）、滌（ジョウ） →百姓読 7 8

扱（ ？ ） 芋（？ ） 娘 （？） 匁 （？） 込（？）

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日本漢字音の特徴は、

・ラ行、濁音で始まる拍や拗音の拍が多いこと（教科書参照）
・すべて1拍か二拍になること
・単字としては/P/が字頭に現れないこと、(資料参照）
・二拍の字音の末尾は「イ・キ・ク・チ・ツ・
ン・ウ（引き音節）」の音に限られている。(資料参照）
・すべての漢字に複数の字音があるわけではない。

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日本の漢字音は、このように複雑であるが、これら
◆音声・音韻、単音・音素、音節・モーラ
を通して眺め渡すことにより、中国語の音韻変遷を
知るための資料を得ることができ、さらには、その読 ◆現代日本語の音節特徴、音節の結合による音声上の変化
音節の数、
み方から漢語語彙の伝来した時代を察することので ◆日本語の音韻変遷について
きる例もすくなくない。 拗音（合拗音・開拗音）、撥音、促音、半濁音、
ア行・ワ行音、サ行音、タ行音、ハ行音、四つ仮名、
音便、長音、音節数

◆アクセント

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