TS4F01 1 JA Col20 Part A4-1-426

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TS4F01

SAP S/4HANA の財務会計 - アカデミ


ーパート I 1/2

.
.
受講者用ハンドブック
講師主導のトレーニング
.
コースバージョン: 20
コース期間: 10 日間
製品番号: 50158851
SAP 著作権、商標および免責事項

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本書のいかなる部分も、SAP SE 又は SAP の関連会社の明示的な許可なくして、いかな


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行する、又はそこに記述される機能を開発若しくはリリースする義務を負いません。本
書、若しくは関連の提示物、及び SAP SE 若しくはその関連会社の戦略並びに将来の開
発物、製品、及び/又はプラットフォームの方向性並びに機能はすべて、変更となる可
能性があり、SAP SE 若しくはその関連会社により随時、予告なしで変更される場合が
あります。本書に記載する情報は、何らかの具体物、コード、若しくは機能を提供する
という確約、約束、又は法的義務には当たりません。将来の見通しに関する記述はすべ
て、さまざまなリスクや不確定要素を伴うものであり、実際の結果は、予測とは大きく
異なるものとなる可能性があります。読者は、これらの将来の見通しに関する記述に過
剰に依存しないよう注意が求められ、購入の決定を行う際にはこれらに依拠するべきで
はありません。
本書に記載される SAP 及びその他の SAP の製品やサービス、並びにそれらの個々のロ
ゴは、ドイツ及びその他の国における SAP SE (又は SAP の関連会社)の商標若しくは
登録商標です。本書に記載されたその他すべての製品およびサービス名は、それぞれの
企業の商標です。商標に関する詳細の情報や通知に関しては、https://www.sap.com/
corporate/en/legal/copyright.html をご覧ください。
凡例

このハンドブックでは、標準としてアメリカ英語を使用します。
このハンドブックで使用する凡例を次に示します。

この情報は、講師のプレゼンテーションに表示されます。

デモ

手順

注意点

ヒント

関連情報または追加情報

ディスカッション

ユーザインタフェースコントロール Example text

ウィンドウタイトル Example text

© 著作権. All rights reserved. iii


iv © 著作権. All rights reserved.
内容

vii コースの概要

1 1 章: SAP S/4HANA の概要

3 レッスン: SAP S/4HANA の概要の理解


11 レッスン: SAP Fiori の概要
17 演習問題 1 : SAP Fiori ラウンチパッドでのナビゲーション

25 2 章: 主要な財務会計 (FI) 設定

27 レッスン: 財務会計 (FI) の組織ユニットの管理


31 演習問題 2 : 会社コードの登録
39 演習問題 3 : 会社コードの会社 ID の登録と会社コードへの割当
43 演習問題 4 : 管理領域への会社コード割当のチェック
46 レッスン: 総勘定元帳の基本設定のチェック
51 演習問題 5 : 総勘定元帳の基本設定のチェック
55 レッスン: バリアント原則の概説
56 レッスン: 会計年度バリアントの管理
61 演習問題 6 : 会計年度バリアントの登録および更新
67 レッスン: 通貨コードおよび換算レートタイプの基本機能の確認
75 レッスン: 通貨タイプの管理
77 レッスン: SAP S/4HANA を導入するための共通プラクティス

91 3 章: マスタデータ

93 レッスン: 総勘定元帳 (G/L) 勘定の更新


105 演習問題 7 : G/L 勘定の勘定グループの登録と新規 G/L 勘定のイ
ンストール
130 レッスン: 利益センタおよびセグメントの登録
133 演習問題 8 : 利益センタ、原価センタ、およびセグメントの登録
143 レッスン: ビジネスパートナの管理
157 演習問題 9 : ビジネスパートナグルーピングおよび得意先勘定グ
ループのカスタマイジング設定の登録と得意先/仕入先統合の更

175 演習問題 10 : 得意先/仕入先および項目ステータスの編集
181 演習問題 11 : 要承認項目の定義

© 著作権. All rights reserved. v


197 4 章: 伝票管理

198 レッスン: 財務会計 (FI) 伝票のヘッダおよび明細の設定


205 演習問題 12 : 番号範囲および伝票タイプの登録
209 演習問題 13 : 伝票分割の伝票タイプの分類
215 演習問題 14 : 項目ステータスグループの登録および G/L 勘定へ
の割当
220 レッスン: 会計期間の管理
227 演習問題 15 : 会計期間バリアントの登録および更新
232 レッスン: 転記権限の管理
235 演習問題 16 : 許容範囲グループの登録およびユーザへの割当
241 レッスン: FI での基本伝票の登録
245 演習問題 17 : FI 伝票の転記

265 5 章: 転記管理

267 レッスン: 伝票分割の分析


273 演習問題 18 : 伝票分割を使用した伝票の転記
280 レッスン: 初期値の更新
285 演習問題 19 : 初期値の更新
289 レッスン: 変更管理の設定
293 演習問題 20 : 1 つの項目の変更管理を更新する方法
299 レッスン: 反対仕訳伝票の設定
303 演習問題 21 : 反対仕訳伝票の転記
308 レッスン: 支払条件と現金割引の設定
317 演習問題 22 : 支払条件の更新
329 レッスン: 税および税コードの更新
339 演習問題 23 : 税コードの登録および得意先請求書の転記
344 レッスン: 会社間取引の転記
347 演習問題 24 : 会社間取引の設定
353 演習問題 25 : 会社間取引の転記および照会

371 6 章: 会計伝票の消込

372 レッスン: 未消込明細消込の実行


377 演習問題 26 : 勘定の消込
389 演習問題 27 : 消込転記
395 レッスン: 支払差額の管理
403 演習問題 28 : 支払差額の管理
411 レッスン: 換算レート差損益の管理

vi © 著作権. All rights reserved.


コースの概要

対象グループ
このコースの対象者は、以下のとおりです。
● ビジネスアナリスト

© 著作権. All rights reserved. vii


viii © 著作権. All rights reserved.
1章 SAP S/4HANA の概要

レッスン 1
SAP S/4HANA の概要の理解 3

レッスン 2
SAP Fiori の概要 11
演習問題 1 : SAP Fiori ラウンチパッドでのナビゲーション 17

章の目的
● SAP S/4HANA の概要の理解
● SAP Fiori アプリケーションとツールについての説明

© 著作権. All rights reserved. 1


1 章: SAP S/4HANA の概要

2 © 著作権. All rights reserved.


1章
レッスン 1
SAP S/4HANA の概要の理解

レッスンの目的
このレッスンの目的は、以下のとおりです。
● SAP S/4HANA の概要の理解

SAP S/4HANA Finance の Learning Journey

図 1: 財務会計の Learning Journey

Learning Journey は、特定の SAP ソリューションのラーニングパスの完了を支援するように設


計されたビジュアルガイドです。Learning Journey を最も簡単に見つけるには、ブラウザで
SAP Learning Journey を検索します。

© 著作権. All rights reserved. 3


1 章: SAP S/4HANA の概要

つながるデジタル世界

図 2: 世界は変化している

世界は絶え間なく変化し、さまざまなビジネス上の課題や機会が出現しています。現代の世界
は、デジタル化し、ネットワーク化しています。
● データが生まれるペースは加速しており、世界中のデータの 90% が過去 2 年間で生成された
ものです。
● 今後 2 年間で、ビジネスネットワークの導入は 40% 増加するでしょう。
● 2010 年代末には、車から、重機、家電製品に至るまで、2120 億個もの "モノ" がインターネ
ットにつながるでしょう。
● 2020 年までに、世界のモバイルユーザの数は 90 億人に及ぶでしょう。
● 昨年だけでも、ワークロードの 51% がクラウドで処理されました。その数は当面増加し続け
るでしょう。

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レッスン: SAP S/4HANA の概要の理解

図 3: 技術の進歩

大容量のメモリを利用できるため、最大規模の組織であってもデータベース全体を完全にメモリ
に格納できるようになりました。このため、すべてのデータに即座にアクセスできるほか、ディ
スクからメモリへのデータロードによる待機時間を短縮することができます。機械的なディス
ク回転と、それによる遅延時間を回避できるため、メモリを活用してすべてのデータを CPU に
即時ロードすることができます。SSD (Solid State Devices) ストレージはディスクよりも高速
ですが、メモリの代替手段にはなりません。こうして、メモリは以前と違ってボトルネックでは
なくなりました。大容量のメモリに対処するために、64 ビットオペレーティングシステムも使
用されます。
従来の 32 ビットオペレーティングシステムでは、現在利用可能な大容量のメモリに対処できな
い場合があります。メモリの大容量化に加え、CPU 性能も驚異的な速度で向上し続けています。
高速のマルチコア CPU を使用して複雑なタスクを実行し、それらのタスクを分割してから、並
列で処理できるようになりました。そのため、驚異的な応答時間を実現できるようになりまし
た。つまり、最も複雑な分析タスク (予測分析など) に対する応答処理をリアルタイムで実行する
ことができます。こうして、大容量のメモリと高速のマルチコア CPU を通じて、膨大な演算能
力を利用できるようになりました。今日では、より多くのサーバをランドスケープに簡単に追加
し、処理能力やメモリを増強し、どのような規模にも対応できるようになりました。
SAP はこうした新しいハードウェアをフル活用できるよう、ビジネスアプリケーションソフトウ
ェアの書き換えを行いました。SAP は、業界屈指のハードウェアパートナと緊密な連携を保ち、
パートナの新しい CPU アーキテクチャの製品ブループリントを共有することで、すべての機能
を生かす最善の最新ソフトウェアを構築することができました。
クラウドコンピューティング技術は過去数年で成熟してきたものですが、IT ランドスケープの複
雑さと設置や保守コストの増大を望まない顧客にとって、今や強力なデプロイメントオプション
となっています。マシンの仮想化は、企業全体におけるアプリケーションの実行関連コストの削
減につながります。サブスクリプションモデルをベースとしたパブリッククラウドサービスに
よって、コストを削減し、すべてをシンプル化しながら、最新ソリューションへのアクセスをあ
らゆる人に拡大できます。

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1 章: SAP S/4HANA の概要

図 4: OLTP と OLAP の統合

従来は、データを調和させてクリーンアップできるように、トランザクションアプリケーション
から専用システムにデータを移行する必要がありました。その結果、データの複数のコピーが作
成されていました。さらに不都合なことに、データの転送中にシステム間で遅延 (待ち時間) が発
生していました。つまり、企業全体で常に一貫したデータ全体像を把握できていませんでした。
今日の数多くのビジネスランドスケープでは、ハードウェアアーキテクチャ、データベース設
計、データモデルがレコードレベルでの高速読込/書込処理向けに構築されたシステムにおいて、
トランザクションが管理されます。分析システムでは、複数の異なる設計アプローチが採用され
ます。ハードウェア、データベース、データモデルは、バッチロード、集約ストレージ、および
読込負荷の高いクエリとキャッシュを中心に構築されています。このような理由で、通常、オン
ライントランザクションシステム (OLTP) とオンライン分析処理システム (OLAP) は分離され、
データが定期的に移動されるインタフェースを通じてリンクされることになります。このアプ
ローチは、トランザクションデータに関する分析の遅延を招きます。トランザクションデータに
関する分析を開始するために、翌日まで待つ必要が生じることは珍しくありません。
SAP HANA では、トランザクション要件と分析要件を 1 つのプラットフォームに統合することが
できます。このタイプの統合システムの頭辞語は、Hybrid Transaction/Analytical Processing
(HTAP) です。SAP HANA のデータベース、ハードウェア、データモデルは、トランザクション
処理と分析処理を組み合わせて実行するように構築されています。データの移動は不要であり、
トランザクションユーザと分析ユーザはデータの単一のコピーを使用して作業を行います。つ
まり、すべてのアプリケーションでライブデータをリアルタイムで利用できます。このため、個
別のソフトウェアおよびインタフェースを使用してデータを移動する必要がなくなり、複雑さが
軽減されます。また、SAP S/4HANA と同様にトランザクションと分析を組み合わせた新しい革
新的なアプリケーションを構築することもできます。

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レッスン: SAP S/4HANA の概要の理解

SAP S/4HANA - インテリジェントコア

図 5: インテリジェントエンタープライズにおける SAP S/4HANA: 概略

SAP は、万全の事業経営 (best-run business) を実現する企業がインテリジェントエンタープラ


イズであると考えています。インテリジェントエンタープライズでは、俊敏で統合されたビジネ
スプロセスに、高度なテクノロジーとベストプラクティスが適用されます。上記の図は、インテ
リジェントエンタープライズソリューションポートフォリオ、および各コンポーネントの統合方
法を示しています。
インテリジェントエンタープライズは、以下の 4 つのコアコンポーネントで構成されます。
● ビジネスコラボレーションコンポーネントは、ロケーション、組織、およびシステムランド
スケープ間のギャップを埋めるために、外部および内部のビジネスパートナとの接続および
コラボレーションを可能にすることに重点を置いています。コラボレーションの例として
は、Ariba Network の使用などが挙げられます。Ariba Network では、サプライヤの検索、サ
プライヤとの対話やコラボレーションを実行できます。
● ビジネスプロセスコンポーネントでは、各業務トランザクションのエンドツーエンドシナリ
オに重点が置かれ、ビジネスプロセスの統合が最優先課題となります。このトレーニングで
は、ビジネスプロセスの財務部分に焦点を当てます。
● ビジネスアプリケーションコンポーネントは、インテリジェントエンタープライズのデータ
を記録するソリューションに重点を置いています。このトレーニングでは、SAP S/4HANA
ソリューションに焦点を当てます。
● ビジネステクノロジーコンポーネントは、インテリジェントエンタープライズにインテリジ
ェンスを導入する技術インフラストラクチャと情報管理に重点を置いています。

さらに詳しく見てみましょう。
● ビジネスネットワークは、顧客が会社間ビジネスプロセスをデジタル化するのに役立ちます。
ビジネスネットワークは、調達、出張、非正規要員向けの各 SAP ソリューションを基盤とし
ており、SAP 顧客が連携して柔軟なバリューチェーンを構築するのに役立ちます。

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1 章: SAP S/4HANA の概要

● エクスペリエンス管理は、組織が顧客、パートナ、従業員の感情を評価し、その結果に基づ
いて行動するのに役立ちます。利害関係者が何を望んでいるか、そして彼らがどのように感
じているかを理解することは、正しい意思決定を行うために重要です。
● インテリジェントスイートは、俊敏な統合ビジネスプロセスの実行を支援します。SAP は、
組織のあらゆる部分 (従業員、顧客、製品、支出、財務、IT など) の管理を支援します。組込
分析では、ビジネスをあらゆる角度から把握することができます。
● 業種別クラウドでは、顧客が SAP およびパートナの垂直型ソリューションを見つけて配備す
ることができます。そのため、最先端の業種別ベストプラクティスを適用できるほか、現在
のビジネスプロセスを拡張することができます。
● サステナビリティ管理は、顧客がユーザや環境への影響を理解して管理するのに役立ちます。
Climate 21 は、サステナビリティ管理ソリューションの新製品の背景にある SAP イニシアチ
ブの名称です。サステナビリティ管理ソリューションは、企業が温室効果ガス排出量を把握
して管理するのに役立ちます。
● Business Technology Platform では、データ管理機能と分析機能を利用できるほか、アプリ
ケーションの開発と統合がサポートされます。また、人工知能 (AI)、機械学習、モノのイン
ターネット (IoT) などのインテリジェントテクノロジーを利用して、イノベーションを推進す
ることもできます。

この戦略の重要な部分は、エンドツーエンドプロセスの統合です。SAP では、これらのプロセス
の統合を最優先課題としました。SAP の幅広いソリューションによって、このような統合が可能
になります。

ユニバーサルジャーナルによる継続的な会計処理

図 6: ユニバーサルジャーナルによる継続的な会計処理

ユニバーサルジャーナルが、唯一の正しい情報源となりました。転記ごとにユニバーサルジャー
ナル (ACDOCA) 内に明細が登録され、さまざまな財務コンポーネントで入力されたすべてのデ
ータが、1 つの構造に組み合わされます。
データモデルも大幅にシンプル化されています。つまり不要なテーブルや、それらのテーブル内
のデータが排除されたため、フットプリントが劇的に縮小し、アプリケーション設計が簡略化さ
れ拡張性が高まりました。

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レッスン: SAP S/4HANA の概要の理解

SAP S/4HANA - デプロイメントオプション

SAP S/4HANA - クラウドとオンプレミスで一貫した選択

図 7: SAP S/4HANA - クラウドとオンプレミスで一貫した選択

SAP S/4HANA のシンプル化されたデータモデルと最新のユーザエクスペリエンスは、クラウド


とオンプレミスの両方で一貫しています。SAP S/4HANA をデプロイする際、オンプレミスかク
ラウドかを選択できます。どちらの場合でも、SAP S/4HANA のデータモデル、ユーザエクスペ
リエンス、コードラインの整合性が保たれます。SAP S/4HANA と SAP S/4HANA Cloud は一貫
したソリューションを提供しており、あらゆるシナリオや組合せで利用できます。
デプロイメントをオンプレミスにするかクラウドにするかの決定に関連する要因は多数ありま
すが、これらは以下のいくつかの重要な側面にまとめることができます。
● IT 戦略: ERP システムランドスケープに "クラウドファースト" のアプローチを採用する顧客
が増加しています。S/4HANA Cloud の標準的なベストプラクティスの範囲がビジネス要件
に対応していることを検証し、S/4HANA Cloud, extended edition などとの並列デプロイに
よって拡張機能 (業務別、業界別) で補完する必要があるかどうかを確認することが重要です。
● イノベーションサイクル: S/4HANA Cloud の更新は、四半期ごとのイノベーションサイクル
で提供されます。機械学習、自然言語処理、予測分析などの最新技術が、業務を中断するこ
とのない使いやすい方法で、定期的に提供されます。S/4HANA Cloud, single-tenant edition
は年に 2 回アップグレードが提供されます。一方、オンプレミスの S/4HANA のアップグレ
ードは年 1 回です。
● ビジネス機能: デプロイメントオプションごとに利用できる範囲が異なり、それに基づいてラ
イセンスおよびデプロイメントの選択が可能です。
● デプロイメント時間: 多くの顧客では、クラウドの方が S/4HANA のデプロイメントを高速化
できます。インフラストラクチャの調達や保守が不要なためです。
● 規制、業種、および地域の要件: 中には、これらの分野でクラウドが適さない要件を持つ顧客
もいます。このような場合には、従来のオンプレミスデプロイメントを継続できます。また、
各種子会社ごとに異なる要件がある場合、2 層戦略でクラウドとオンプレミスのデプロイメン
トをうまく組み合わせて、IT 部門とビジネスユーザ双方の整合性を維持することができます。

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1 章: SAP S/4HANA の概要

図 8: SAP S/4HANA のデプロイメントオプション

SAP S/4HANA では、カスタマイズ、標準化、制御のバランスを取りながら、クラウドの最適な


側面 (ハイパースケールコンピューティングによってサポートされるプライベートクラウドか
ら、オンプレミスまで) を利用する環境を選択し、価値実現までの時間を短縮するとともに、ビ
ジネスの俊敏性を高めることができます。
● クラウド - すべての業界で実証済みのベストプラクティスに基づいて構築された標準化プロ
セス、1 年に 4 回の新規イノベーション、迅速な価値実現、TCO の削減を通じて、ビジネス
の俊敏性を最大化します。図に示す特性を持つプライベートクラウドソリューションまたは
パブリッククラウドソリューションとして利用できます。
● 任意の需要場所 - 独自のデータセンターに SAP S/4HANA をデプロイするか、IaaS
(Infrastructure-as-a-Service) プロバイダを利用することで、特定ケースへの対応能力を最適
化するとともに、環境を完全に制御して SAP S/4HANA をカスタマイズおよび拡張します。

レッスンのまとめ
以下について学習しました。
● SAP S/4HANA の概要の理解

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1章
レッスン 2
SAP Fiori の概要

レッスンの目的
このレッスンの目的は、以下のとおりです。
● SAP Fiori アプリケーションとツールについての説明

SAP Fiori のアプリケーションおよびツール

シナリオ
あなたは、SAP Business Suite を操作するユーザに、最高のエクスペリエンスを提供したいと思
っています。ユーザが妥協なしにどのデバイス上でも重要なビジネスアプリケーションにアク
セスできるようにしたいと考えています。最後に、ソリューションを既存の IT システムランド
スケープに統合し、固有のニーズに向けて拡張できるかどうか、またあなたは、SAP Fiori がこ
れらの要件を満たすかどうかを確認したいと考えています。

SAP Fiori ユーザエクスペリエンスのパラダイム

図 9: SAP Fiori ユーザエクスペリエンスのパラダイム

SAP Fiori ユーザエクスペリエンスのパラダイムは、次の柱で構成されています。


● ロールベース: ユーザは、タスクを実行するアプリケーションへのアクセス権限を有します。
これらのアプリケーションはこのタスクを完遂する上で固有のものです。
● レスポンシブ: アプリケーションインタフェースは反応性が高く、ユーザがそれへのアクセス
に使用するデバイスや規模に適応します。
● シンプルさ: アプリケーションの範囲はシンプルです。各アプリケーションには 1 ユーザ、1
ユースケース、3 つまでの画面があります。
● 一貫性: アプリケーションは一貫性のある構造で構築されています。アプリケーションでは
すべて同じ言語が用いられ、複数のランドスケープと環境に導入できます。
● 即時性: 導入障壁が低く、IT システム側とユーザ導入側の両方で即座に価値を発揮します。

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1 章: SAP S/4HANA の概要

図 10: SAP Fiori

SAP Fiori ラウンチパッドは、すべてのアプリケーションに、タイルまたはリンクを通じて直接


アクセスするか、または検索を使用してアクセスするための単一のエントリポイントです。SAP
Fiori は、すべての SAP 製品で調和のとれたルック & フィールを提供します。包括的で適応可能
なホームページと通知を介した製品間統合およびデバイス間統合による組込型のインテリジェ
ントユーザガイダンスを備えています。例:
● ロールベースによるビジネスプロセスのシンプル化
● 画一的なソリューションから活動ベースのアプリへの転換
● ユーザの権限委任と、その働き方の刷新

すべての SAP 製品で統一されたルック & フィール


機械学習、動的なホームページ、およびデジタルアシスタントによる組込型のインテリジェント
ユーザガイダンス
包括的で適応可能なホームページ、デジタルアシスタント、通知を介した製品間統合およびデバ
イス間統合
ドメイン固有の情報およびアクションの事例:
● ユーザは、概要ページ、一覧レポート、およびワークリストを使用して、注意が必要なコン
テンツの概要を迅速に把握することができます。通知によって、緊急タスクまたは依頼に関
するアラート用の追加チャネルが提供されます。
● ユーザは、契約の延長、納入日付の変更、次レベルの詳細へのドリルダウンなどのクイック
アクションをトリガすることができます。また、SAP CoPilot (ビジネスアクティビティのコ
ンテキストでアドホックタスクをサポートするインテリジェントアシスタント) を呼び出す
こともできます。

詳細を入力して詳しく探索できます。ピラミッドを下げ、主要なユースケースおよび差別化され
たユースケースを SAP Fiori ユーザエクスペリエンスによって再考します。たとえば、オブジェ
クトページを通じてビジネスオブジェクトの詳細を確認したり、受注で頻繁に更新される項目
(金額、日付、新規アイテム) を変更したりします。

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レッスン: SAP Fiori の概要

トランザクションアプリ、分析アプリ、およびファクトシート

図 11: トランザクションアプリ、分析アプリ、およびファクトシート

トランザクションアプリは、ガイド付きのナビゲーション機能により、変更、登録、照会 (伝票、
マスタレコード) といったタスク、またはプロセス全体に対して、タスクベースのアクセスを提
供します。
分析アプリは、インサイトトゥアクションを提供します。これにより、モニタまたは追跡を行う
ために、複雑なトピックが視覚的に分かりやすく表示されます。
ファクトシートでは、データを検索および探索することができます。ファクトシートは、オブジ
ェクトに関する重要情報を 360 度の視点で表示し、関連するオブジェクト間をコンテキストに
沿ってナビゲーションすることを可能にします。

© 著作権. All rights reserved. 13


1 章: SAP S/4HANA の概要

SAP Fiori ラウンチパッド機能

図 12: SAP Fiori ラウンチパッド機能

SAP Fiori ラウンチパッドは、ブランディング要件に合わせてパーソナライズできるテーマを提


供します。
ブックマークと共有のための静的 URL が提供されます。これは、ブラウザベースであるため、
複数のデバイスやブラウザで機能します。
また、ラウンチパッドが提供するアクティブタイルを通じて、ユーザはアプリケーションを開く
ことなく、更新された情報をフロントページから直接取得できます。

14 © 著作権. All rights reserved.


レッスン: SAP Fiori の概要

SAP Fiori ラウンチパッド - ユーザパーソナライゼーション

図 13: SAP Fiori ラウンチパッド - ユーザパーソナライゼーション

SAP Fiori ラウンチパッドでは、ユーザが次のパーソナライゼーションオプションを利用できま


す。
● 割り当てられたカタログからアプリケーションを追加する。
● 使用しないアプリケーションを削除する。
● アプリケーションの変更や追加により、フィルタされたレポート結果を得る。

たとえば、ドイツ市場に関心があるグループ資金管理者に対して、ドイツ市場のキャッシュポジ
ションに直接アクセスできるアプリケーションを登録できます。これにより、SAP Fiori ラウン
チパッドのホームページからキャッシュポジションをクリックひとつで確認できます。

© 著作権. All rights reserved. 15


1 章: SAP S/4HANA の概要

SAP Fiori ラウンチパッド - ページおよびスペース

図 14: SAP Fiori ラウンチパッド - ページおよびスペース

スペースモードは、特定のユーザグループのラウンチパッドレイアウトを変更するときの柔軟性
を高めるために開発されました。ラウンチパッドのページは、ビジネスロールに割り当てられる
スペースを通じてユーザに割り当てられます。特定のスペースを参照できるユーザは、ビジネス
ロールによって定義されます。ユーザに対してスペースを有効にして、ユーザ向けに特定のスペ
ースとページを定義すると、適合性を向上させることができます。意味のあるセクションがある
ページを定義することで、アプリがページ上でソートされる順序を定義できます。たとえば、最
もよく使用されるアプリを最上位セクションでソートしてから、同じグループに属するアプリに
対して個別のセクションを作成することができます。SAP は、開始時に使用できる事前定義済み
スペースとページを提供しています。

16 © 著作権. All rights reserved.


1章
演習問題 1
SAP Fiori ラウンチパッドでのナビゲーション

ビジネスの例
SAP S/4HANA ユーザの出発点は、トランザクションアプリと分析アプリ、および SAP HANA
の汎用検索を備えた、SAP Fiori ラウンチパッドです。マスタデータ、一般的なレポート、業務
処理など、領域ごとにタイルが論理的にグループ化されたものが事前提供されます。S4F12 のト
レーニングでは、General Ledger、Accounts Payable、Accounts Receivable など、コースの内
容に沿ってパーソナライズされたタイルグループを使用します。ユーザは権限とロールに応じ
て、ラウンチパッドを柔軟にパーソナライズできます。

注記:
この演習問題で、値に ## 文字が含まれているときは、その文字を講師が指定した数
字に置き換えてください。

1. SAP Fiori ラウンチパッドホームページにログオンします。Windows アイコンをクリックし


て、Fiori Launchpad へのリンクを見つけます。講師が指定したログオン認証情報を入力しま
す。

2. Controlling タイルグループで、原価センタ管理 Fiori アプリを見つけて開始します。フィルタ


オプションを表示します。

3. ユーザのパラメータを変更してから、YCOA をデフォルト勘定コード表として設定し、今年
度をデフォルト会計年度および元帳会計年度として、A000 をデフォルト管理領域として設
定します。

4. 検索を使用して、貸借対照表/損益計算書アプリを見つけて開始します。

5. 独自の貸借対照表/損益計算書アプリを登録します。このタイルには、次の表で指定された値
の貸借対照表/損益計算書が表示されます。この Fiori アプリを、My ホームタイルグループで
使えるようにします。新しいアプリをテストします。

項目名 値
会社コード 1010

元帳 0L (リーディング元帳)

財務諸表バージョン 1010

財務諸表タイプ 標準 (実績 - 実績)

終了期間 今月 (MM) - 今年度 (YYYY)

比較終了期間 今月 (MM) - 前年度 (YYYY)

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1 章: SAP S/4HANA の概要

項目名 値
通貨コード EUR

18 © 著作権. All rights reserved.


1章
解答 1
SAP Fiori ラウンチパッドでのナビゲーション

ビジネスの例
SAP S/4HANA ユーザの出発点は、トランザクションアプリと分析アプリ、および SAP HANA
の汎用検索を備えた、SAP Fiori ラウンチパッドです。マスタデータ、一般的なレポート、業務
処理など、領域ごとにタイルが論理的にグループ化されたものが事前提供されます。S4F12 のト
レーニングでは、General Ledger、Accounts Payable、Accounts Receivable など、コースの内
容に沿ってパーソナライズされたタイルグループを使用します。ユーザは権限とロールに応じ
て、ラウンチパッドを柔軟にパーソナライズできます。

注記:
この演習問題で、値に ## 文字が含まれているときは、その文字を講師が指定した数
字に置き換えてください。

1. SAP Fiori ラウンチパッドホームページにログオンします。Windows アイコンをクリックし


て、Fiori Launchpad へのリンクを見つけます。講師が指定したログオン認証情報を入力しま
す。
a) デスクトップのスタートページで、画面の左下にある Windows アイコンを選択します。

b) Fiori Launchpad にスクロールします。

c) SAP Fiori ラウンチパッドへのログオンを開始するには、Fiori Launchpad を選択します。

d) 以下のデータを入力します。

項目名 値
ユーザ S4F12-##

パスワード 講師から指示があります
言語 コースの言語

e) ログオンを選択します。

2. Controlling タイルグループで、原価センタ管理 Fiori アプリを見つけて開始します。フィルタ


オプションを表示します。
a) 画面の上部にある Controlling タイルグループを選択します。

b) アプリを開始するには、原価センタ管理を選択します。

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1 章: SAP S/4HANA の概要

c) 必要に応じて、画面の上部中央にあるヘッダ展開 (v) を選択して、フィルタオプションを


表示します。

d) SAP ロゴ (ホームページにナビゲート) ボタンを選択して、Fiori ラウンチパッドに戻りま


す。

3. ユーザのパラメータを変更してから、YCOA をデフォルト勘定コード表として設定し、今年
度をデフォルト会計年度および元帳会計年度として、A000 をデフォルト管理領域として設
定します。
a) 画面の右上にあるプロファイルアイコン (S4F12-##) を選択します。

b) 設定を選択します。

c) デフォルト値を選択します。

d) 財務会計領域で、表に記載されている値を入力し、この画面にとどまります。

項目名 値
勘定コード表 YCOA

会計年度 今年度
元帳会計年度 今年度

e) 管理領域で、表に記載されている値を入力し、保存を選択します。

項目名 値
管理領域 A000

4. 検索を使用して、貸借対照表/損益計算書アプリを見つけて開始します。
a) 検索入力項目を開くには、画面の右上にある虫眼鏡アイコンをクリックします。

b) 検索入力項目の左側にあるドロップダウンリストからアプリを選択します。

c) 検索入力項目に貸借対照表/損益計算書と入力します。

d) 結果一覧から貸借対照表/損益計算書を選択します。
結果
貸借対照表/損益計算書 Fiori アプリが自動的に開始されます。貸借対照表/損益計算書
画面は表示したままにしておきます。

5. 独自の貸借対照表/損益計算書アプリを登録します。このタイルには、次の表で指定された値
の貸借対照表/損益計算書が表示されます。この Fiori アプリを、My ホームタイルグループで
使えるようにします。新しいアプリをテストします。

項目名 値
会社コード 1010

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レッスン: SAP Fiori の概要

項目名 値
元帳 0L (リーディング元帳)

財務諸表バージョン 1010

財務諸表タイプ 標準 (実績 - 実績)

終了期間 今月 (MM) - 今年度 (YYYY)

比較終了期間 今月 (MM) - 前年度 (YYYY)

通貨コード EUR

a) 表で指定されたデータを入力します。

b) 開始を選択します。

c) 画面の右上にある共有ボタン を選択します。

d) タイルとして保存を選択します。

e) 以下のデータを入力します。

項目名 値
タイトル 財務諸表 ##

サブタイトル 会社コード 1010

グループ My ホーム

f) OK を選択します。

g) SAP ロゴ (ホームページにナビゲート) を選択して、SAP Fiori ラウンチパッドホームペー


ジに戻ります。
結果
My ホームタイルグループに新しいタイルが表示されます。これは Fiori ラウンチパッド
の最初のタイルグループです。

h) 新しいタイル、財務諸表 ## を起動/クリックし、項目が初期値で初期化されているかど
うかを確認します。

i) SAP ロゴ (ホームページにナビゲート) ボタンを選択して、Fiori ラウンチパッドに戻りま


す。

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1 章: SAP S/4HANA の概要

レッスンのまとめ
以下について学習しました。
● SAP Fiori アプリケーションとツールについての説明

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1章

学習内容のテスト

1. すべてのソフトウェアアップデートを自動的に受信するには、SAP S/4HANA をどのように


配置すればよいですか。
正しい答えを選択してください。

X A オンプレミス

X B クラウド

X C セントラルファイナンス

X D 仮想

2. あなたの業務に導入する SAP S/4HANA に最も適した SAP S/4HANA デプロイメントオプ


ションを決定する場合、どの側面が思い浮かびますか。

3. 各種 SAP Fiori アプリのうち、使用できるのはどれですか。

4. SAP Fiori ラウンチパッドで、ユーザはパーソナライゼーションオプションを選択できます。


この文章の内容は正しいですか、誤りですか。

X 正

X 誤

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1章

学習内容のテスト - 解答

1. すべてのソフトウェアアップデートを自動的に受信するには、SAP S/4HANA をどのように


配置すればよいですか。
正しい答えを選択してください。

X A オンプレミス

X B クラウド

X C セントラルファイナンス

X D 仮想

正解です。クラウドデプロイメントオプションを使用すると、システムが自動的に最新リリ
ースに更新されます。

2. あなたの業務に導入する SAP S/4HANA に最も適した SAP S/4HANA デプロイメントオプ


ションを決定する場合、どの側面が思い浮かびますか。

IT 戦略。イノベーションサイクル。ビジネス機能。デプロイメント時間。規制、業種、およ
び地域の要件。

3. 各種 SAP Fiori アプリのうち、使用できるのはどれですか。

以下の 3 つの SAP Fiori アプリタイプを使用できます。トランザクションアプリ、分析アプ


リ、およびファクトシート

4. SAP Fiori ラウンチパッドで、ユーザはパーソナライゼーションオプションを選択できます。


この文章の内容は正しいですか、誤りですか。

X 正

X 誤

正解です。SAP Fiori ラウンチパッドを使用すると、ユーザはラウンチパッドを自分自身のニ


ーズに適応させることができます。

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2章 主要な財務会計 (FI) 設定

レッスン 1
財務会計 (FI) の組織ユニットの管理 27
演習問題 2 : 会社コードの登録 31
演習問題 3 : 会社コードの会社 ID の登録と会社コードへの割当 39
演習問題 4 : 管理領域への会社コード割当のチェック 43

レッスン 2
総勘定元帳の基本設定のチェック 46
演習問題 5 : 総勘定元帳の基本設定のチェック 51

レッスン 3
バリアント原則の概説 55

レッスン 4
会計年度バリアントの管理 56
演習問題 6 : 会計年度バリアントの登録および更新 61

レッスン 5
通貨コードおよび換算レートタイプの基本機能の確認 67

レッスン 6
通貨タイプの管理 75

レッスン 7
SAP S/4HANA を導入するための共通プラクティス 77

章の目的
● 会社コードの登録
● FI の組織ユニットの使用

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2 章: 主要な財務会計 (FI) 設定

● 割当会社コード/管理領域のチェック
● 総勘定元帳の基本設定のチェック
● バリアントの主要機能の概説
● 会計年度バリアントの管理
● 通貨コードおよび換算レートタイプの基本機能の確認
● 通貨タイプの管理
● 実装に関する一般的な設定を理解する

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2章
レッスン 1
財務会計 (FI) の組織ユニットの管理

レッスンの概要
このレッスンでは、会社コードの基礎と会社コードの作成方法について学習します。

ビジネスの例
クライアントは、単一法人組織である中規模の企業に勤務しています。クライアントに対して新
しい会社コードを登録し、割り当てる必要があります。そのためには、以下のことを理解してい
る必要があります。
● 会社コード
● 組織ユニット
● 管理領域

レッスンの目的
このレッスンの目的は、以下のとおりです。
● 会社コードの登録
● FI の組織ユニットの使用
● 割当会社コード/管理領域のチェック

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2 章: 主要な財務会計 (FI) 設定

財務会計 (FI) の組織ユニット

SAP Financials における組織ユニット

図 15: SAP Financials における組織ユニット

SAP S/4HANA の階層では、クライアントが最上位レベルとなります。


各クライアントは、個別のマスタレコード、テーブルのセット、およびデータを含む独立したユ
ニットです。ビジネスの観点からは、クライアントレベルは企業グループまたは関連会社のグル
ープのレベルに相当します。クライアントレベルで入力したデータは、クライアントのすべての
組織ユニットで有効となります。さらに、クライアントレベルで定義したデータは、他のレベル
で再定義する必要がありません。換算レートなどの関連情報やデータは、クライアントレベルで
入力することができます。
会社コードは、企業グループ内の独立した法人などの、法的会計管理を行う単位を表します。法
的に必要とされる財務諸表は、会社コードレベルで作成されます。会社コードは、SAP S/
4HANA (FI) で最低限必要となる構造です。
国際的な企業では、事業が複数の国にまたがります。各国の政府および税務当局は、法的実体ご
とにこれらの事業活動を示すように要求しています。このため、会社ごとに独立した会社コード
を登録します。
貸借対照表および損益計算書が作成されるすべての組織に対して、SAP アプリケーションに会社
コードを登録し、保存する必要があります。
SAP GUI を使用して SAP システムにログオンするには、ユーザは以下の要素を事前登録してお
く必要があります。
● クライアントキー
● クライアント内のユーザマスタレコード

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レッスン: 財務会計 (FI) の組織ユニットの管理

システム階層では、会社コードは FI の最も重要な組織ユニットです。

会社コードの登録

● 会社コードを登録するには、コピー/削除/チェック: 会社コード機能を使用して既存の会社コ
ードをコピーします。これにより、以下のデータがコピーされます。
- 定義
- グローバルパラメータ
- カスタマイジングテーブル
- G/L 勘定 (必要な場合)
- 勘定設定

会社コードのパラメータ

● 会社コードを定義するには、以下のデータが必要です。
- 4 文字の英数字による会社コードキー
- 会社名
- 市区町村
- 国
- 通貨
- 言語
- 住所

● グローバルパラメータを設定するには、以下のデータが必要です。
- 勘定コード表
- 会計年度
- 会社コード初期値

会社コードのキーとして、4 文字の英数字キーを選択します。このキーによって会社コードが識
別されます。会計取引の転記や会社コード固有のマスタデータの登録を行う際に、このキーの入
力が必要になります。
この後、必要に応じて、新しい会社コードに適切な変更を行います。

会社コード
会社コードデータ編集機能では、以下のオブジェクトの編集が可能です。
● 住所データ: 住所データは、連絡文書で必要となり、評価レポートに記録されます。
● 通貨: 通貨は会社コードごとに必要です。この会社コード通貨で勘定が管理されます。他の
通貨はすべて外貨として扱われます。外貨で転記された金額は、会社コード通貨に換算され
ます。SAP S/4HANA (FI) では、会社コードに定義された通貨を国内通貨と呼びます。

© 著作権. All rights reserved. 29


2 章: 主要な財務会計 (FI) 設定

● 言語キー: 言語キーにより、たとえば小切手の発行時などに、自動的に適切な言語でテキスト
が表示されます。
● 国コード: 国コードでは、本国とみなす国を指定します。他の国はすべて外国とみなされま
す。これは、外貨処理ではそれぞれ異なる書式が必要となるため、会計取引または支払処理
で重要になります。また、外国との連絡文書用にさまざまな住所書式もサポートされていま
す。

国別テンプレート
別の国の会社コードが必要な場合は、S/4HANA の準備済ベストプラクティス会社コードを検索
します。次に、この会社コードを新しい会社コードにコピーします。他のオプションは、会社別
テンプレートの一部である会社コードのコピーを作成することです。このステップの後、新しい
会社コードの国別設定を調整します。

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2章
演習問題 2
会社コードの登録

ビジネスの例
顧客は、あるグループに属している会社に勤務しています。
顧客が勤務する会社を表す会社コード GR## を登録します。この会社コードは、コースの別の演
習問題で必要になります。講師が指示しない限り、会社コード通貨は EUR のままにしてくださ
い。

注記:
この演習問題では、SAP GUI にログオンします。
この演習問題では会社コード GR## を登録します。この会社コードは、このコース
で後ほど行う 1 つまたは複数の演習問題で必要になります。
この演習問題で、値に文字 ## が含まれているときは、この文字を講師が指定した数
字に置き換えてください。

SAP GUI にログオン、既存の会社コードをコピー、コピーした会社コードを編集

1. SAP GUI にログオンします (T41; クライアント: 400: ユーザ: S4F12-##)。


講師が指定したログオン認証情報を入力します。次に、SAP メニューを選択して、必要なメ
ニューパスをすべて表示します。

2. 会社コード TA00 には、必要なすべての設定およびデータがすでに含まれています。会社コ


ード TA00 を新しい会社コード GR## にコピーします。このステップで G/L 勘定をコピー
します。管理領域は変更しないでください。国内通貨は変更しないでください。

注記:
このステップで G/L 勘定をコピーすることを忘れないでください。

3. 以下のデータを使用して、新しい会社コード GR## の定義を変更します。

項目名 値

会社名 グループ ##

市区町村 任意の市区町村名
国 DE

通貨コード EUR

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2 章: 主要な財務会計 (FI) 設定

項目名 値

言語 JA

その他の項目は、各自の要件に合わせて入力することができます。

32 © 著作権. All rights reserved.


2章
解答 2
会社コードの登録

ビジネスの例
顧客は、あるグループに属している会社に勤務しています。
顧客が勤務する会社を表す会社コード GR## を登録します。この会社コードは、コースの別の演
習問題で必要になります。講師が指示しない限り、会社コード通貨は EUR のままにしてくださ
い。

注記:
この演習問題では、SAP GUI にログオンします。
この演習問題では会社コード GR## を登録します。この会社コードは、このコース
で後ほど行う 1 つまたは複数の演習問題で必要になります。
この演習問題で、値に文字 ## が含まれているときは、この文字を講師が指定した数
字に置き換えてください。

SAP GUI にログオン、既存の会社コードをコピー、コピーした会社コードを編集

1. SAP GUI にログオンします (T41; クライアント: 400: ユーザ: S4F12-##)。


講師が指定したログオン認証情報を入力します。次に、SAP メニューを選択して、必要なメ
ニューパスをすべて表示します。
a) デスクトップで、Windows アイコン、SAP Logon の順に選択し、SAP Logon Pad を開き
ます。

b) ログオンプロセスを開始するには、システム T41 をダブルクリックします (T41 が画面に


表示されない場合は、ワークスペース、ローカルの順にクリックします)。

c) 以下のデータを入力します。

項目名 値
クライアント 400

ユーザ S4F12-##

パスワード 講師が指定した値
言語 コースの言語

d) Enter を押します。

e) 完全な SAP メニューを表示するには、SAP メニューを選択します。

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2 章: 主要な財務会計 (FI) 設定

2. 会社コード TA00 には、必要なすべての設定およびデータがすでに含まれています。会社コ


ード TA00 を新しい会社コード GR## にコピーします。このステップで G/L 勘定をコピー
します。管理領域は変更しないでください。国内通貨は変更しないでください。

注記:
このステップで G/L 勘定をコピーすることを忘れないでください。

a) SAP Easy Access 画面で、SAP メニュー → ツール → カスタマイジング → IMG → プロジ


ェクト実行を選択します。または、トランザクションコード SPRO を入力します。

b) アプリケーションツールバーで、SAP 完全版 IMG を選択します。

c) IMG 照会画面で、企業構造 → 定義 → 財務会計 → 編集/コピー/削除/チェック: 会社コー


ドを選択します ("IMG アクティビティ" アイコンをクリックします)。

d) アクティビティ選択画面で、コピー/削除/チェック: 会社コードをダブルクリックしま
す。

e) 組織オブジェクト会社コード画面で、組織オブジェクト → 組織オブジェクトコピーを選
択します。

注記:
アプリケーションツールバーから組織オブジェクトコピー ボタンを選択
することもできます。

f) コピーダイアログボックスで、次の情報を入力します。
項目名 値

コピー元会社コード TA00

コピー先会社コード GR##

g) 続行 (Enter) を選択します。
以下のダイアログボックスが表示されます。
ダイアログボックス メッセージ アクション

会社コードの勘定コード 元会社コードに割り当てら Yes


GR## れているものと同じ勘定コ
ード表を目標会社コードに
割り当てる場合は、G/L 勘
定コードのみをコピーして
ください。G/L 勘定コード
の会社コードデータもコピ
ーしますか
管理領域割当 管理領域 A000 が会社コ Yes
ード TA00 に割り当てら
れています。管理領域への
割当をコピーしますか

34 © 著作権. All rights reserved.


レッスン: 財務会計 (FI) の組織ユニットの管理

ダイアログボックス メッセージ アクション

国内通貨の変更 参照元会社コードの国内通 No
貨は EUR です。異なる国
内通貨をコピー先の会社コ
ードに割り当てる場合は、通
貨 EUR の G/L 勘定コー
ドも変更されます。コピー
先の会社コードに別の国内
通貨を割り当てますか

h) 画面に表示される他の警告メッセージを確認し、処理を続行するには、続行/Enter を 2
回選択します。

i) "会社コード TA00 が GR## にコピーされました" というメッセージが表示されます。


続行を押して確認します。

3. 以下のデータを使用して、新しい会社コード GR## の定義を変更します。

項目名 値

会社名 グループ ##

市区町村 任意の市区町村名
国 DE

通貨コード EUR

言語 JA

その他の項目は、各自の要件に合わせて入力することができます。
a) アクティビティ選択画面に戻るには、前画面を選択します。

b) 会社コードデータ編集をダブルクリックします。

c) 位置... ボタンをクリックします。.

d) 会社コード GR## を入力し、続行を選択します。


結果
会社コードがテーブルの最初の行に表示されます。

e) GR## をダブルクリックして開き、詳細を表示します。

f) ビュー "会社コード" 変更: 詳細画面で、以下の値を入力します。

項目名 値

会社名 グループ ##

市区町村 任意の市区町村名
国 DE

通貨コード EUR

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2 章: 主要な財務会計 (FI) 設定

項目名 値

言語 JA

g) 保存 (またはテーブルビュー → 保存) を選択します。


結果
ステータスバーに、データが保存されましたというメッセージが表示されます。

h) 前画面を 2 回選択します。

i) アクティビティ選択画面で、中止 (F12) を選択します。


IMG 照会画面に戻ります。

j) この画面を表示したまま、次の演習問題に進みます。

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レッスン: 財務会計 (FI) の組織ユニットの管理

追加の FI の組織ユニット
会社コード以外にも、FI には重要な組織ユニットがあります。ただし、会社コードとは異なり、
これらの組織ユニットはオプションの要素です。
これらの組織ユニットの使用は、法的要件または内部会計要件に基づいて決定することができま
す。
以下の質問への答えに応じて最終的な決定を行います。
● どの会社またはセグメントで個別レポートが必要であるか。
● どの活動領域または責任範囲に対して個別の財務諸表または損益計算書を作成する必要があ
るか。

利益センタ、事業領域、セグメントなどの数多くの組織ユニットを、これらのレポート要件に使
用できます。選択するユニットは要件によって異なります。たとえば、過去に使用した要素を考
慮する場合などがあります。

FI の重要な組織ユニット
財務会計の主な組織ユニットは以下のとおりです。
● 利益センタ:
利益センタでは、会社内の原価と収益に関与する独立した事業領域の業績が評価されます。
利益センタレベルの損益計算書のみを作成する必要があるか (伝票分割が無効)、または財務
諸表も作成する必要があるか (伝票分割が有効) を決定します。
● セグメント:
セグメントは、外部レポート用に財務諸表を登録することができる会社の部門です。特定の
会計原則 (U.S. GAAP (SFAS 131) および IFRS (IFRS 8)) により、企業はセグメントレポート
の実行を義務付けられています。このために SAP システムでセグメントを定義し、それらの
事業セグメントの財務結果に関する情報を提供することができます。
● 会社:
FI レコードは、会社レベルで連結されます。連結で考慮される 1 つまたは複数の会社コード
を 1 つの会社に割り当てることができます。連結親会社は子会社に会社 ID を割り当てること
ができます。たとえば、ある子会社は会社 ID として 1000 を割り当てられ、別の子会社は
2000 を割り当てられるなどです。会社 ID を指定すると、ビジネスプロセス、マッピング、
およびグループ内の関係の照会を行う場合に役立ちます。
● 機能領域:
売上原価会計では、発生した機能領域に基づいて間接費がレポートされます。
● 事業領域:
事業領域は、組織内の個別の事業分野を表し、複数の会社コードにまたがって使用すること
ができます。事業領域は決算の単位となる事業体であり、この事業体ごとに内部または外部
で使用する財務諸表のセットを作成することができます。事業領域ごとに取引金額を保存し
て評価することができます。事業領域の例には、トレーニング、コンサルティング、ソフト
ウェア開発があります。

組織オブジェクトの選択
顧客が会計の組織オブジェクトを選択し、テンプレートとして使用する場合、以下の質問が役立
ちます。

© 著作権. All rights reserved. 37


2 章: 主要な財務会計 (FI) 設定

● 会社で使用される最も重要な会計原則は何ですか。
● 会社で内部または外部数値レポートに使用される会計原則は何ですか。
● 会社では、総費用または売上原価会計のどちらに従って損益計算書が構成されていますか。
● 会社には、セグメントレポートを発行する義務がありますか。
● 連結財務諸表を発行する必要はありますか。

国際的な会計の要件

表 1: 国際的な会計の要件
トピック 推奨手順 既知の代替手順

期間会計 原価タイプ (収益タイプおよび なし


費用タイプ)

売上原価会計 機能領域 個別勘定 (非推奨)

セグメンテーション 利益センタから誘導されたセグ 利益センタ


メント
事業領域
収益性分析
連結処理準備 会社/取引会社 個別勘定 (非推奨)

パラレル会計 (例: 国内法お 元帳アプローチまたは勘定アプ 特別目的元帳 (FI-SL) 機能によ


よび国際法) ローチ る表現
個別会社コード (非推奨)

各トピックは、さまざまなレポート要件、およびそれぞれの要件を満たすために組織要素を選択
する場合の推奨される手順を表しています。たとえば、売上原価会計についてレポートするに
は、機能領域を使用する必要があります。
利益センタまたはセグメントごとに完全な財務諸表を作成する顧客は、伝票分割を有効にする必
要があります。

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2章
演習問題 3
会社コードの会社 ID の登録と会社コードへの割

ビジネスの例
会社の連結は別のソリューションでも実行されます (グループレポートなど)。そのため、会社 ID
GE## を登録し、会社コード GR## に割り当てる必要があります。
会社コード GR## の共通設定、特に事業領域財務諸表の設定をチェックします。会社コード
(GR##) に新しい会社 ID (GE##) を割り当てます。

注記:
この演習問題では、会社コードの登録の演習問題で登録した会社コード GR## を使
用する必要があります。
この演習問題で、値に文字 ## が含まれているときは、この文字を講師が指定した数
字に置き換えてください。

1. 会社コードおよび会社に対して、会社 ID GE## を登録します (国: DE、通貨: EUR)。

注記:
会社はあるグループに属しており、グループによって割り当てられた会社 ID で識
別されます。GE## が、グループ内の会社コードの会社 ID です。

2. 会社コードのグローバルパラメータを照会します。会社コード GR## に会社 ID GE## を割


り当てます。

© 著作権. All rights reserved. 39


2章
解答 3
会社コードの会社 ID の登録と会社コードへの割

ビジネスの例
会社の連結は別のソリューションでも実行されます (グループレポートなど)。そのため、会社 ID
GE## を登録し、会社コード GR## に割り当てる必要があります。
会社コード GR## の共通設定、特に事業領域財務諸表の設定をチェックします。会社コード
(GR##) に新しい会社 ID (GE##) を割り当てます。

注記:
この演習問題では、会社コードの登録の演習問題で登録した会社コード GR## を使
用する必要があります。
この演習問題で、値に文字 ## が含まれているときは、この文字を講師が指定した数
字に置き換えてください。

1. 会社コードおよび会社に対して、会社 ID GE## を登録します (国: DE、通貨: EUR)。

注記:
会社はあるグループに属しており、グループによって割り当てられた会社 ID で識
別されます。GE## が、グループ内の会社コードの会社 ID です。

a) IMG 照会画面で、企業構造 → 定義 → 財務会計 → 会社の定義を選択します (IMG アクテ


ィビティをクリックします)。

b) 新規エントリボタン (または編集 → 新規エントリ) を選択し、以下の値を入力します。

項目名 値

会社 GE##

会社名 会社グループ ##

地名 任意
郵便番号 任意 (数値; 長さ (5 桁))

市区町村 任意
国/地域 DE

通貨コード EUR

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レッスン: 財務会計 (FI) の組織ユニットの管理

c) 保存を選択します。

d) 前画面を 2 回選択します。

e) 前にある三角形をクリックして、企業構造を閉じます。

2. 会社コードのグローバルパラメータを照会します。会社コード GR## に会社 ID GE## を割


り当てます。
a) カスタマイジングで、財務会計 → 財務会計共通設定 → 会社コードのグローバルパラメー
タ → 登録: グローバルパラメータを選択します (IMG アクティビティをクリックしま
す)。

b) 位置... を選択します。.

c) 会社コード GR## を入力し、続行を選択します。


結果
会社コードがテーブルの最初の行に表示されます。

d) 会社コード GR## をダブルクリックして、詳細を表示します。

e) 会計組織画面領域で、会社項目に会社 ID GE## を入力します。

f) 保存を選択します。

g) IMG に戻るには、前画面を 2 回選択します。

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2 章: 主要な財務会計 (FI) 設定

管理領域への会社コードの割当

図 16: 管理領域

管理領域は、管理会計における最も重要な組織要素です。管理領域は、原価と収益の管理や割当
が可能な独立した組織構造です。原価計算の単位を表します。
複数の会社コードを単一の管理領域に割り当てることができます。これにより、割り当てられた
複数の会社コード間の原価計算が可能になります。
ただし、同じ管理領域に複数の会社コードを割り当てる場合は、割り当てるすべての会社コード
で同じ勘定コード表およびまったく同じ会計年度バリアントを使用している必要があります。

42 © 著作権. All rights reserved.


2章
演習問題 4
管理領域への会社コード割当のチェック

ビジネスの例
新しい会社コード GR## を登録しました。管理会計機能を実行するために、管理領域への割当を
チェックしたいと考えています。他の会社コードと会社コード間の管理会計を実行するために
は、会社コード GR## が管理領域 A000 に属している必要があります。

注記:
この演習問題では、会社コードの登録の演習問題で登録した会社コード GR## を使
用する必要があります。
この演習問題で、値に文字 ## が含まれているときは、この文字を講師が指定した数
字に置き換えてください。

1. 管理領域 A000 への会社コード GR## の割当をチェックします。

注意:
演習問題の制御 - システム設定は変更しないでください。

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2章
解答 4
管理領域への会社コード割当のチェック

ビジネスの例
新しい会社コード GR## を登録しました。管理会計機能を実行するために、管理領域への割当を
チェックしたいと考えています。他の会社コードと会社コード間の管理会計を実行するために
は、会社コード GR## が管理領域 A000 に属している必要があります。

注記:
この演習問題では、会社コードの登録の演習問題で登録した会社コード GR## を使
用する必要があります。
この演習問題で、値に文字 ## が含まれているときは、この文字を講師が指定した数
字に置き換えてください。

1. 管理領域 A000 への会社コード GR## の割当をチェックします。

注意:
演習問題の制御 - システム設定は変更しないでください。

a) カスタマイジングで、企業構造 → 割当 → 管理会計 → 管理領域に対する会社コードの割


当を選択します ("IMG アクティビティ" アイコンをクリックします)。

b) 画面の右側で、管理領域 A000 (Controlling Area A000) を選択/マークします。

c) 画面の左側で、会社コードの割当をダブルクリックします。
割り当てられた会社コードが画面の右ペインに表示されます。

d) この一覧に会社コードが直接表示されない場合は、位置を選択します。

e) マニュアルで会社コード GR## を入力します。

f) キーボードで、続行 (Enter) を押します。


一覧の先頭に会社コードが表示されます。ここでは、会社コード GR## が管理領域
A000 に割り当てられていることを確認できます。

g) 終了を選択して、IMG に戻ります。

h) 更新終了: データが変更されました 変更内容を保存しますかというダイアログボックス


が表示されたら、いいえを選択します。

i) 前にある三角形をクリックして、企業構造を閉じます。

j) この画面を表示したまま、次の演習問題に進みます。

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レッスン: 財務会計 (FI) の組織ユニットの管理

レッスンのまとめ
以下について学習しました。
● 会社コードの登録
● FI の組織ユニットの使用
● 割当会社コード/管理領域のチェック

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2章
レッスン 2
総勘定元帳の基本設定のチェック

レッスンの概要
このレッスンでは、SAP S/4HANA 財務会計 (FI) の総勘定元帳の基本設定をチェックする方法に
ついて説明します。

ビジネスの例
会社は、カスタマイジングで設定する必要があります。すべての要件に準拠するために、総勘定
元帳の必須の基本設定を行う必要があります。
総勘定元帳のカスタマイジングを実行するには、エンティティを定義する必要があります。たと
えば、国際財務報告基準 (IFRS) 要件を満たすセグメントレポートを生成するには、特定の利益
センタセグメントの財務諸表が必要になる場合があります。財務情報のレポートは、事業分野、
地理、および特定の利益センタをベースにすることができます。
総勘定元帳では、複数の総勘定元帳を使用することでパラレル会計、すなわちパラレル評価アプ
ローチが可能になります。そのためには、以下のことを理解している必要があります。
● 複数勘定アプローチと複数元帳アプローチ
● 総勘定元帳の基本設定
● 非リーディング元帳を有効化する方法

レッスンの目的
このレッスンの目的は、以下のとおりです。
● 総勘定元帳の基本設定のチェック

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レッスン: 総勘定元帳の基本設定のチェック

総勘定元帳のリーディング元帳および非リーディング元帳
総勘定元帳の元帳および複数元帳アプローチ

図 17: 総勘定元帳の元帳および複数元帳アプローチ

図 "総勘定元帳の元帳および複数元帳アプローチ" のとおり、リーディング元帳 0L は、標準 SAP


システムに含まれています (SAP によって提供されます)。リーディング元帳に加えて、他の非リ
ーディング元帳 (国内規制) も定義することができます。このアプローチは、総勘定元帳では複数
元帳アプローチと呼ばれています。
各クライアントには、リーディング元帳が 1 つのみあります。クライアントに、非リーディング
元帳と呼ばれる追加の元帳を含めることもできます。すべての会社コードが各クライアントの
リーディング元帳に割り当てられます。この元帳にはグループ評価ビューが含まれており、デフ
ォルトでアプリケーションに用意されています。また、リーディング元帳にはすべての会社コー
ドが自動的に割り当てられるため、'無効化' することはできません。標準システムでは、リーデ
ィング元帳の値のみが管理会計 (CO) に転記されます。
非リーディング元帳はリーディング元帳と同様のものであり、会社コードごとにマニュアルで有
効化されます。たとえば、非リーディング元帳の 1 つを使用して、国内の会計原則を表すことが
できます。非リーディング元帳の会計年度バリアントは、リーディング元帳のものと同じである
必要はありません。
転記済 FI 伝票は (通常) リーディング元帳と非リーディング元帳に表示されます (転記済会社コ
ードに割り当てられます)。1 つの元帳または選択した元帳のみ (たとえばパラレル会計の場合な
ど) で修正仕訳および調整転記を行うことができるように、元帳グループを使用できます。
元帳グループに関する以下の情報に留意してください。
● 任意の数の元帳を 1 つの元帳グループに結合することができます。
● 新しい元帳グループを登録すると、同じ名前の元帳グループが自動的に生成されます。
● ある機能において一括処理を行うため、複数の元帳を結合する場合に元帳グループを登録し
ます。

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2 章: 主要な財務会計 (FI) 設定

● ある機能において元帳グループを入力しなかった場合は、すべての元帳に自動的に転記され
ます。したがって、すべての元帳を結合する元帳グループを登録する必要はありません。

注記:
国内の各会計原則に対して非リーディング元帳を使用することができます。

リーディング元帳は連結財務諸表の作成に使用される会計原則を反映しています。リーディン
グ元帳は、すべての補助元帳に統合されており、すべての会社コードで更新されます。
リーディング元帳と非リーディング元帳は、標準元帳と呼ばれます。標準元帳には、すべての会
計トランザクションに対する一連の仕訳が含まれます。
さらに、追加元帳を加えることも可能です。追加元帳は、既存の基本元帳をベースとしていま
す。基本元帳は標準元帳である必要があります。
追加元帳は標準元帳に割り当てられ、レポートに向けて標準元帳のすべての仕訳を継承します。
追加元帳に対して明示的に行われた転記は、追加元帳には表示されますが、基礎となる標準元帳
には表示されません。
追加元帳はデルタ値を保存するための別の元帳です。追加元帳により、調整とレポートのための
柔軟なメカニズムが提供されます。重要な使用ケースは、法的データ (IFRS またはローカルで一
般に認められた会計原則 [GAAP]) を基盤とする管理ビューです。マスタレコードの登録を除い
て、追加元帳は追加の設定を必要としません。追加元帳のレポートには、常に基本元帳のデータ
が含まれます。
追加元帳を使用すれば、複数の元帳を互いに "ホチキス留め" し、必要なさまざまなビューを提供
できます。これにより、データのフットプリントが削減され、追加ビューを簡単に登録するため
の新しい柔軟性が得られます。
追加元帳への転記はマニュアルでのみ可能です。

複数元帳アプローチに加えて、複数勘定アプローチもあります。このアプローチでは、さまざま
な評価アプローチおよび評価がさまざまな勘定に転記されます。財務諸表を準備する場合、どの
勘定が関連し、どの勘定を評価する必要があるかが、'財務諸表バージョン' の定義に従って決定
されます。

複数勘定アプローチと複数元帳アプローチ
以下の表に、複数勘定アプローチと複数元帳アプローチの違いを示します。

表 2: 複数勘定アプローチと複数元帳アプローチ
複数勘定アプローチ 複数元帳アプローチ

各 GAAP に固有の勘定 -> 複雑な勘定コード表 固有の勘定領域なし -> 勘定コード表への変更


構造 なし
各 GAAP に最低 1 つの未処分利益勘定 すべての GAAP に最低 1 つの未処分利益勘定

複雑な貸借対照表/損益計算書のバージョン 標準の貸借対照表/損益計算書の定義

ローカル GAAP または国際的な GAAP で転記 ローカル GAAP または国際的な GAAP で転記
対象かどうかは勘定レベルで指定 対象かどうかは伝票レベルで指定
すべての評価アプローチを管理会計に転記可 リーディング評価のみを管理会計に転記可能

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レッスン: 総勘定元帳の基本設定のチェック

新しいシステム (グリーンフィールドアプローチ) には元帳ソリューションをお奨めします。

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2 章: 主要な財務会計 (FI) 設定

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2章
演習問題 5
総勘定元帳の基本設定のチェック

ビジネスの例
総勘定元帳の元帳を確認します。また、元帳 2L が会社コード GR## に対して許可されているか
どうかをチェックします。

注記:
この演習問題では、会社コードの登録の演習問題で登録した会社コード GR## を使
用する必要があります。
この演習問題で、値に文字 ## が含まれているときは、この文字を講師が指定した数
字に置き換えてください。

1. カスタマイジング設定をチェックして、リーディング元帳の ID を確認します。

注意:
演習問題の制御 - システム設定は変更しないでください。

2. 元帳 2L および会社コード GR## の会社コード設定をチェックします。

3. 元帳 2L が、通常、会社コード GR## での転記に対して許可されているかどうかをチェック


します。

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2章
解答 5
総勘定元帳の基本設定のチェック

ビジネスの例
総勘定元帳の元帳を確認します。また、元帳 2L が会社コード GR## に対して許可されているか
どうかをチェックします。

注記:
この演習問題では、会社コードの登録の演習問題で登録した会社コード GR## を使
用する必要があります。
この演習問題で、値に文字 ## が含まれているときは、この文字を講師が指定した数
字に置き換えてください。

1. カスタマイジング設定をチェックして、リーディング元帳の ID を確認します。

注意:
演習問題の制御 - システム設定は変更しないでください。

a) カスタマイジングで、財務会計 → 財務会計共通設定 → 元帳 → 元帳 → 定義: 元帳および


通貨タイプの設定を選択します ("IMG アクティビティ" をクリックします)。

b) リーディング元帳の ID は 0L です。次のデータを確認します。

項目名 値

元帳 0L

元帳名 リーディング元帳
リーディング (Leading) 選択

元帳タイプ 標準元帳

次のタスクのために、この画面が表示された状態にしておきます。

2. 元帳 2L および会社コード GR## の会社コード設定をチェックします。


a) 画面の右側にある元帳 2L を選択/マークします。

b) 画面の左側にある元帳の会社コード設定をダブルクリックします。
会社コード GR## には、会計年度バリアント K4 と転記バリアント 1010 が割り当てられ
ています。

c) 前画面を 2 回選択します。

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レッスン: 総勘定元帳の基本設定のチェック

3. 元帳 2L が、通常、会社コード GR## での転記に対して許可されているかどうかをチェック


します。
a) 元帳 → 元帳 → 無効化: 会社コードの元帳を選択します。

b) 作業領域決定: エントリ画面で、2L と入力します。

c) 続行/Enter を選択します。
一覧に会社コード GR## が含まれ、開始会計年度項目と終了会計年度項目には何も入力
されていません。会社コード GR## をすべての会計年度に対してこの元帳に転記できま
す。

d) 終了を選択します。
IMG 照会画面に戻ります。この画面を表示したまま、次の演習問題に進みます。

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2 章: 主要な財務会計 (FI) 設定

レッスンのまとめ
以下について学習しました。
● 総勘定元帳の基本設定のチェック

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2章
レッスン 3
バリアント原則の概説

レッスンの概要
このレッスンでは、SAP S/4HANA におけるバリアント原則の機能について、理念的な概要を示
します。

ビジネスの例
コンサルタントは、複数の設定テーブルで使用される SAP S/4HANA の原則について顧客に説明
しました。この原則は、SAP S/4HANA の設定を簡略化することができます。そのためには、バ
リアント原則の利点について理解している必要があります。

レッスンの目的
このレッスンの目的は、以下のとおりです。
● バリアントの主要機能の概説

バリアント原則
バリアントを使用することにより、複数のビジネスオブジェクトに共通するプロパティの更新が
容易になります。
バリアント原則は、SAP S/4HANA (FI) で特定のプロパティを 1 つ以上のオブジェクトに割り当
てるために使用される、3 ステップの方法です。この 3 つのステップは以下のとおりです。

1. バリアントを定義します。

2. バリアントの値を定義します。

3. 関連オブジェクトにバリアントを割り当てます。

バリアントの用途

● 項目ステータス
● 会計期間
● 会計年度バリアント

レッスンのまとめ
以下について学習しました。
● バリアントの主要機能の概説

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2章
レッスン 4
会計年度バリアントの管理

レッスンの概要
このレッスンでは、会計年度バリアントの登録および更新方法について説明します。

ビジネスの例
会社の会計年度は、カレンダ年に対応しています。会計管理責任者は年次処理関連の転記に 4 つ
の特別会計期間を必要としており、この責任者が設定した要件を満たす必要があります。そのた
めには、以下のことを理解している必要があります。
● 会計年度バリアント
● 会計年度バリアントのさまざまな種類
● 各要件に合う会計年度バリアントの定義方法
● 会社コードへの会計年度バリアントの割当方法

レッスンの目的
このレッスンの目的は、以下のとおりです。
● 会計年度バリアントの管理

会計年度

図 18: 会計年度

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レッスン: 会計年度バリアントの管理

図 "会計年度" は、12 の会計期間と 4 つの特別会計期間で構成される会計年度を示しています。


会計期間は 1 から 12 とマークされています。特別会計期間は 13 から 16 とマークされていま
す。転記日付が 12 番目の会計期間内にある場合、取引を 13 から 16 の範囲の特別会計期間の 1
つに転記することができます。
取引を各期間に割り当てるには、会計年度とその会計期間を定義する必要があります。会計年度
はバリアントとして定義し、会社コードに割り当てます。
会計年度バリアントには、会計期間および特別会計期間の定義が含まれます。特別会計期間は、
期間ではなく年次処理のビジネスプロセスに割り当てられる転記で使用します。合計 16 の期間
を定義できます。
会計期間は、転記日付から誘導されます。転記日付が最後の通常会計期間にある場合は、取引を
特別会計期間の 1 つに転記することができます。
標準会計年度バリアントは、システムに事前定義されており、テンプレートとして使用すること
ができます。

ヒント:
会計年度バリアントでは、会計期間がオープンであるかクローズであるかは指定さ
れません。このデータは、別のテーブル/バリアントで管理されます。会計年度バ
リアントでは、会計期間の数と各期間の開始日および終了日だけが定義されます。

年度非依存の会計年度バリアント

図 19: 年度非依存の会計年度バリアント

図 "年度非依存の会計年度バリアント" は、6 つの会計期間があり、4 月に始まり 3 月に終わる非


カレンダ年を示しています。1 月から 3 月までは前会計年度に属するため、フラグ -1 を設定しま
す。

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2 章: 主要な財務会計 (FI) 設定

会計年度バリアントの各会計年度で、会計期間数と、会計期間の開始日と終了日が毎年同じ場
合、このバリアントは年度非依存です。
年度非依存の会計年度バリアントには次の 2 つのタイプがあります。
● カレンダ年
● 非カレンダ年

会計年度をカレンダ年として定義した場合、会計期間と 1 年の月数が一致します。したがって、
会計年度は 12 の会計期間で構成されます。
会計年度を非カレンダ年として定義した場合、各会計期間は終了日付で定義されます。非カレン
ダ年は、1 から 16 の会計期間で定義することができます。非カレンダ年の開始日が 1 月 1 日でな
い場合、前または翌会計年度に属する会計期間には、フラグ -1 または +1 を設定する必要があり
ます。
会計年度がカレンダ年と異なり、会計期間はカレンダ月と一致する場合は、うるう年に備えて 2
月の最大日数に 29 日を選択します。
通常は、会計年度は年度非依存です。

年度依存の会計年度バリアント

図 20: 年度依存の会計年度バリアント

会計年度バリアントのすべての会計年度で会計期間の数が同じ場合には、年度ごとに異なる期間
日付のみを定義します。図 "年度依存の会計年度バリアント" は、この例を示しています。
会計年度バリアントは、以下のいずれかまたは両方の条件に基づいて年度依存として定義しま
す。
● 会計期間の開始日と終了日が会計年度によって異なる場合
● 会計年度によって会計期間数が異なる場合

会計年度バリアントに会計期間が少ない年度があるものは、短縮会計年度と呼ばれます。このバ
リアントは、通常の会計年度の終了前に決算処理を行う必要がある場合に必要になります。たと

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レッスン: 会計年度バリアントの管理

えば、会計年度の開始日を変更する必要がある場合や、会社が売却された場合などです。短縮会
計年度とその会計期間数は、期間日付を定義する前に定義する必要があります。短縮会計年度に
は、他の会計年度より少ない会計期間数しか割り当てられません。

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2 章: 主要な財務会計 (FI) 設定

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2章
演習問題 6
会計年度バリアントの登録および更新

ビジネスの例
会社の会計年度は、カレンダ年に対応しています。会計管理責任者は、年次処理関連の転記に 4
つの特別会計期間を必要としています。
カレンダ年で会計年度バリアントを登録します。会計年度バリアントを会社コードに割り当て
ますが、実行はしません。

注記:
この演習問題では、会社コードの登録の演習問題で登録した会社コード GR## を使
用する必要があります。
この演習問題で、値に文字 ## が含まれているときは、この文字を講師が指定した数
字に置き換えてください。
特に重要なのは、割当済の会社コードの会計年度バリアントを変更しないことです。

1. 会社コードに、12 の会計期間と 4 つの特別会計期間のあるカレンダ年バリアント ## を新規


登録します。構造は毎年同じです。

ヒント:
既存のデータに 01、02 などから始まるものがあるため、自分のグループ番号に
30 を加算してください。たとえば、グループ番号が 02 の場合は、02 に 30 を
加算して 32 を会計年度バリアントとして入力します。

2. 可能であれば、確認のうえ、新しい会計年度バリアントを会社コード GR## に割り当てま


す。新しい会計年度バリアントを会社コード GR## に割り当てます (ただし、最終的には割
り当てないでください。システムメッセージに注意してください)。

注意:
演習問題の制御 - システム設定は変更しないでください。

3. 4 つの会計期間と 1 つの特別会計期間で成り立つ会計年度の会計年度バリアント ## + 60 を
登録します。会計期間 1 つの長さは 3 カ月です。会計年度は、4 月から 3 月までとします。

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2章
解答 6
会計年度バリアントの登録および更新

ビジネスの例
会社の会計年度は、カレンダ年に対応しています。会計管理責任者は、年次処理関連の転記に 4
つの特別会計期間を必要としています。
カレンダ年で会計年度バリアントを登録します。会計年度バリアントを会社コードに割り当て
ますが、実行はしません。

注記:
この演習問題では、会社コードの登録の演習問題で登録した会社コード GR## を使
用する必要があります。
この演習問題で、値に文字 ## が含まれているときは、この文字を講師が指定した数
字に置き換えてください。
特に重要なのは、割当済の会社コードの会計年度バリアントを変更しないことです。

1. 会社コードに、12 の会計期間と 4 つの特別会計期間のあるカレンダ年バリアント ## を新規


登録します。構造は毎年同じです。

ヒント:
既存のデータに 01、02 などから始まるものがあるため、自分のグループ番号に
30 を加算してください。たとえば、グループ番号が 02 の場合は、02 に 30 を
加算して 32 を会計年度バリアントとして入力します。

a) カスタマイジングで、財務会計 → 財務会計共通設定 → 元帳 → 会計年度および会計期


間 → 更新: 会計年度バリアントを選択します (IMG アクティビティをクリックします)。

b) 新規エントリ (または編集 → 新規エントリ) を選択します。

c) 以下のデータを入力します。
項目名 値

FV (会計年度バリアント) ## +30 (たとえば、グループ 02 は 32)

テキスト 12 会計期間カレンダ年 ##

カレンダ年 選択
通常会計期間数 12

特別会計期間数 4

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レッスン: 会計年度バリアントの管理

d) 保存を選択します。

e) 前画面を 2 回選択します。

f) この画面を表示したまま、次のステップに進みます。

2. 可能であれば、確認のうえ、新しい会計年度バリアントを会社コード GR## に割り当てま


す。新しい会計年度バリアントを会社コード GR## に割り当てます (ただし、最終的には割
り当てないでください。システムメッセージに注意してください)。

注意:
演習問題の制御 - システム設定は変更しないでください。

a) カスタマイジングアクティビティ割当: 会社コード -> 会計年度バリアントを選択します。

b) ビュー "会社コード割当 → 会計年度バリアント" 変更: 概要を選択してアクセスできる画


面で、位置を選択します。

c) 会社コード GR## を入力し、続行 (Enter) を選択します。

d) 会計年度バリアント K4 が会社コード GR## に割り当てられています。

e) 以下のデータを入力します (バリアント K4 を上書き)。

項目名 値

会計年度バリアント ##+30 (例: グループ 02 の場合は


32)

f) 保存を選択します。

g) 次のダイアログボックスが表示されます (いいえを選択します)。

ダイアログボックス メッセージ アクション

ビュー "会社コード割当 -> 管理領域 (A000) および いいえ


会計年度バリアント" 変更: すべての割当済会社コード
概要 の会計年度バリアントも変
更しますか

h) 中止 (タスクバー) をクリックして、操作をキャンセルします。変更は保存しないでくだ
さい。

i) 変更内容は失われます 中止しますかというメッセージに対して、はいを押して確定しま
す。
注意: 習得した事項: 会計年度バリアントが管理領域で他の会社コードとまとめられてい
る場合、個別の会社コードの会計年度バリアントを変更することはできません。

j) 前画面を選択します。
IMG 照会画面に戻ります。

k) この画面を表示したまま、次のステップに進みます。

3. 4 つの会計期間と 1 つの特別会計期間で成り立つ会計年度の会計年度バリアント ## + 60 を
登録します。会計期間 1 つの長さは 3 カ月です。会計年度は、4 月から 3 月までとします。

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2 章: 主要な財務会計 (FI) 設定

a) カスタマイジングアクティビティ更新: 会計年度バリアントに移動します。

b) 新規エントリ (または編集 → 新規エントリ) を選択します。

c) 以下の値を入力します。
項目名 値

FV (会計年度バリアント) ## +60

説明 4 会計期間 - グループ ##

通常会計期間数 4

特別会計期間数 1

d) 保存を選択します。

e) 前画面を選択して、ビュー "会計年度バリアント" 変更: 概要画面に戻ります。

f) 期間日付を定義するには、右ペインで、(## + 60) をクリックして新しい会計年度バリア


ントを選択/マークします。

g) 左ペインで、期間をダブルクリックします。

h) 新規エントリ (または編集 → 新規エントリ) を選択します。

i) 以下の値を入力します。
月 日 期間 年シフト
03 31 4 -1
06 30 1 0
09 30 2 0
12 31 3 0

j) 保存を選択します。

k) 前画面を 2 回選択します。
IMG 照会画面に戻ります。

注記:
カレンダ年会計年度バリアントを登録しました。
また、カレンダに依存しない会計年度バリアントも登録しました。
1 つの管理領域のすべての会社コードに同じ会計年度バリアントが必要です。

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レッスン: 会計年度バリアントの管理

レッスンのまとめ
以下について学習しました。
● 会計年度バリアントの管理

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2 章: 主要な財務会計 (FI) 設定

66 © 著作権. All rights reserved.


2章
レッスン 5
通貨コードおよび換算レートタイプの基本機能の
確認

レッスンの概要
このレッスンでは、財務会計 (FI) における通貨の基本機能について説明します。

ビジネスの例
会社は、複数の国の得意先や仕入先と取引を行っています。経理責任者は、システム内の換算レ
ートを最新の状態に保つために業務が大幅に増加することを懸念しています。SAP S/4HANA
に備えられているツールを使用すると、関連する作業が軽減されることを経理責任者に説明する
必要があります。そのためには、以下のことを理解している必要があります。
● 通貨コードと換算レートタイプ
● 換算レートの基本機能
● 換算レートの更新方法

レッスンの目的
このレッスンの目的は、以下のとおりです。
● 通貨コードおよび換算レートタイプの基本機能の確認

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2 章: 主要な財務会計 (FI) 設定

通貨コードと換算レートタイプ
通貨コードの例

図 21: 通貨コードの例

SAP S/4HANA で使用されるすべての通貨に、通貨コードが割り当てられている必要がありま


す。デフォルトでは、SAP S/4HANA のほとんどの通貨は、標準国際通貨コードを使用して定義
されています。
SAP S/4HANA で定義されている通貨コードごとに、有効日付を割り当てることができます。
さまざまな換算レートタイプを、評価、換算、計画などの異なる目的のために定義することがで
きます。換算レートタイプと 2 つの通貨の組合せで換算レートを更新することができます。

68 © 著作権. All rights reserved.


レッスン: 通貨コードおよび換算レートタイプの基本機能の確認

換算係数

図 22: 換算係数

換算係数を使用して、換算レートタイプと通貨の組合せごとに通貨間の関係を定義する必要があ
ります。この処理は、通常は 1 度だけ実行します。インフレーションによって通貨間の関係が大
幅に変わる可能性があるため、換算係数は期間基準で更新されます。

換算レートの更新ツール
換算レートの更新

図 23: 換算レートの更新

換算レートの更新は、継続的なタスクです。

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2 章: 主要な財務会計 (FI) 設定

外部市場データをファイル書式で転送できるレポート RFTBFF00 を使用すると、Multicash 書式


で入力ファイルをアップロードすることによって換算レートテーブルを自動更新することがで
きます。
また、レポート RFTBDF07 および RFTBDF14 を使用して換算レートを転送することもできます。
これらのレポートでは、外部データ取込で換算レートのリアルタイム更新がサポートされている
場合には、データ取込インタフェースを使用してリアルタイムでデータを転送することができま
す。リモートファンクションコール (RFC) により、外部システムと SAP S/4HANA 間の直接接
続が確立されます。ファイル入力書式、データプロバイダ、ファイル構造の詳細については、こ
のレポートの文書を参照してください。

換算レートの直接または間接呼び値

図 24: 換算レートの直接または間接呼び値

SAP S/4HANA の全アプリケーションと全機能で、以下のタイプの呼び値を使用して換算レート


が処理されます。
● 直接: 1 単位の外貨に対する国内通貨。
● 間接: 1 単位の国内通貨に対する外貨。換算レートが使用されるすべてのコンポーネントに影
響します。アプリケーションにも、国にも依存しません。

使用する呼び値のタイプは、市場の標準や個別の取引に応じて決定します。
以下に、直接呼び値と間接呼び値の例を示します。国内通貨は EUR、外貨は USD とします。
● 直接呼び値:
- 1 USD = 0.8832 EUR。つまり、外貨 USD の 1 単位が、上記の単位数の国内通貨に相当し
ます。
● 間接呼び値:

70 © 著作権. All rights reserved.


レッスン: 通貨コードおよび換算レートタイプの基本機能の確認

- 1 EUR = 1.1319 USD。つまり、国内通貨 EUR の 1 単位が、上記の単位数の外貨 (USD) に相


当します。

通貨の組合せごとに、換算レートの標準表記として直接呼び値か間接呼び値のいずれを使用する
かを定義することができます。アプリケーションで設定した標準呼び値以外の呼び値で換算レ
ートを入力すると、不一致を示すため換算レートが強調表示されます。

換算レート更新のワークリスト

図 25: 換算レート更新のワークリスト

換算レートの更新
S/4HANA に、このアクティビティ用の Fiori アプリが 2 つあります。最も新しいアプリは、通
貨換算レートアプリです。この機能を使用して、通貨換算レートを監視、登録、および変更する
ことができます。
別の方法として、ワークリストを定義し、トランザクション TCURMNT を使用して換算レートを
更新することができます。

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2 章: 主要な財務会計 (FI) 設定

換算レートの設計

図 26: 異なる呼び値による換算レートの設計

換算レートは、直接呼び値または間接呼び値で入力することができます。2 つの接頭辞を登録
し、入力または照会中に直接呼び値と間接呼び値の換算レートを区別することができます。接頭
辞を入力しない場合は、以下の標準設定が有効になります。
接頭辞は以下のとおりです。

接頭辞 耐用年数
" " (空白、接頭辞なし) 直接呼び値換算レートに使用
“/” 間接呼び値換算レートに使用

直接呼び値および間接呼び値を示すシナリオ

表 3: 直接呼び値および間接呼び値を示すシナリオ
シナリオ 設定/呼び値 接頭辞
1 主に直接呼び値が使用される 接頭辞なしで直接呼び値の換
場合は、標準設定を使用しま 算レートを入力することがで
す。 きます。

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レッスン: 通貨コードおよび換算レートタイプの基本機能の確認

シナリオ 設定/呼び値 接頭辞


2 間接呼び値と直接呼び値の両 両方のタイプの呼び値に対し
方が使用されます。 て代替接頭辞を定義すること
ができます。
たとえば、直接呼び値に "*" を
使用し、間接呼び値に "/" を使
用します。
このように設定した場合、接頭
辞なしで換算レートを入力し
ようとするとエラーメッセー
ジが表示されます。このため、
ユーザは適切な呼び値を検討
し、有効な接頭辞を付けて換算
レートを入力する必要があり
ます。

3 会社で最も広く使用される表 異なる設定を定義することが
記は間接呼び値です。 できます。以下のタイプの設
定を定義することができます。
● 直接呼び値に "*" を、間接
呼び値に " " (空白) を定義
します。
● この設定の場合、間接呼び
値の換算レートは接頭辞な
しで入力できますが、使用
頻度の低い直接呼び値の換
算レートの入力時は接頭辞
を付ける必要があります。

外貨換算に関する FAQ の概要については、SAP ノート 783877 を参照してください。

レッスンのまとめ
以下について学習しました。
● 通貨コードおよび換算レートタイプの基本機能の確認

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2 章: 主要な財務会計 (FI) 設定

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2章
レッスン 6
通貨タイプの管理

レッスンの概要
このレッスンでは、さまざまな通貨タイプを設定および管理する方法について説明します。

ビジネスの例
さまざまなレポート理由により、経営陣は SAP S/4HANA でパラレル通貨を有効化する必要があ
ります。パラレル通貨を有効化するために、さまざまな通貨タイプを使用できます。そのために
は、以下のことを理解している必要があります。
● 既存の通貨タイプとその設定
● 必要に応じて、独自の通貨タイプを登録する方法
● 元帳別や会社コード別のさまざまな通貨タイプの有効化に関するルール

レッスンの目的
このレッスンの目的は、以下のとおりです。
● 通貨タイプの管理

複数通貨タイプ

図 27: 複数通貨

財務会計では、管理する元帳に少なくとも 1 つの通貨を指定する必要があります。現地の法定報
告要求に対応する必要があるため、この通貨は会社コードの国通貨、つまり国内通貨 (または会
社コード通貨) になります。また、伝票通貨の値が常にシステムに記録されるため、転記に使用
する通貨にかかわらず、その通貨に転記された値が正確に記録されます。SAP S/4HANA 1610
ではユニバーサルジャーナルが多数の追加パラレル通貨の記録に対応しているため、会社コード
通貨に加えて、会社コードの元帳にその他複数の通貨タイプを割り当てることができます。

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2 章: 主要な財務会計 (FI) 設定

標準通貨タイプ
システムが提供する標準通貨タイプは以下のとおりです。

通貨タイプ テキスト
00 伝票通貨

10 会社コード通貨

20 管理領域通貨

30 グループ通貨

40 ハード通貨

50 インデックス基準通貨

60 グローバル会社通貨

70 CO 対象通貨

これらの通貨タイプのうち、(デフォルトで選択されている 00 と 10 に加えて) どれを更新する


かを選択します。標準システムで提供される通貨タイプとは異なる通貨タイプを記録する必要
がある場合は、独自の通貨タイプを設定できます。さまざまな追加レポート通貨を使用すること
で、大部分は制御できない通貨の変動影響を制限して、会社のパフォーマンスの本来の状況を確
認するなど、内部レポートに役立ちます。

レッスンのまとめ
以下について学習しました。
● 通貨タイプの管理

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2章
レッスン 7
SAP S/4HANA を導入するための共通プラクティ

レッスンの目的
このレッスンの目的は、以下のとおりです。
● 実装に関する一般的な設定を理解する

一般的な導入手順 (グリーンフィールド)
このコンテキストにおける一般的な導入手順では、国際的な企業に S/4HANA システムを新規導
入 (グリーンフィールド) するための一般的な設定を定義します。業種や規模、企業形態によって
は、多くのトピックが関係しないかもしれません。たとえば、公開会社はローカル GAAP のみを
使用すると考えられ、病院では連結会計準備は不要です。
このコースでは、外部会計の設定を取り上げます。新しいデータモデルで、内部会計および外部
会計を単一のテーブル (ユニバーサルジャーナル) に集計して、特定のトピックをまとめて分析す
る必要があります。
以降のスライドでは、いくつかの重要なテーマの簡潔な概要 (内部会計および外部会計) を紹介し
ますが、このコースでこれらすべてのトピックを深く取り上げることはできません。

ユニバーサルジャーナル: レポートのベース

図 28: ユニバーサルジャーナル: レポートのベース

ユニバーサルジャーナル (テーブル ACDOCA) は、以下に対する共通の明細テーブルです。

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2 章: 主要な財務会計 (FI) 設定

● 総勘定元帳
● 利益センタ会計
● 固定資産管理
● 品目元帳
● 管理会計
● 収益性分析

これにより、構成や設定が以下のような他の多くのシナリオにも関連付けられます。
● パラレル会計 (ローカル GAAP や国際的な GAAP)
● セグメントレポート (利益センタ/セグメント)
● 連結会計準備 (企業/連結用取引タイプ)
● 期間会計 (費用性質法) と売上原価会計 (勘定/機能領域)
● 収益性分析 (勘定ベース)

クライアントの国際企業グループ

図 29: クライアントの国際企業グループ

国際企業グループの組織構造とランドスケープを定義することはそれほど簡単ではない場合が
あります。そのため、ここでは重要な組織要素の簡単な説明に留めます。
クライアント:
1 つのグループを複数のクライアントやシステムに割り当てることができます。(規模や株主な
どの点から) 可能であれば、すべての企業を 1 つのクライアントにまとめる必要があります。こ
れにより、会社の統制勘定照合レポートや連結などのトピックが分かりやすくなります。これが
強く推奨される場合もあります (たとえば、管理会計で内部振替価格を使用する場合など)。
会社コード (必須):

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レッスン: SAP S/4HANA を導入するための共通プラクティス

法的に独立した会社はすべて、1 つの会社コードになります。実際の会社が SAP の複数の会社コ


ードを持つことは非常にまれなケースです。
元帳 (必須):
パラレル会計の場合、基本的なソリューションが 2 つあります (元帳ソリューションと勘定ソリ
ューション)。新しいシステム (グリーンフィールドアプローチ) には元帳ソリューションをお奨
めします。リーディング元帳は、グループ全体の管理に使用される会計原則を示します。それは
主に国際法です。ただし、ローカル GAAP の場合もあります。すべての会社はこれに従ってレポ
ートする必要があります。ローカル GAAP 主導でない場合は、すべての国に対し、ローカル
GAAP に対応した元帳を 1 つのみ設定する必要があります。元帳の構造は可能な限りどこでも
同じにすることをお奨めします。もう 1 つの要件は、多くの場合、システムに追加の非リーディ
ング元帳として税法を設定することです。
管理領域 (管理会計に必須):
管理領域は、原価計算のためにクローズシステムを表すために使用される会計管理の組織ユニッ
トです。会社コード間原価計算が推奨されており、管理会計関連のデータはすべて共通の管理領
域に表示され、割当や評価に利用可能です。会社間の金額フローは、特定のシナリオでの管理会
計では求められません。管理会計のトピックは管理会計コースで取り上げます。
分析対象 (オプション):
分析対象は、収益性分析の視点から企業を組織化する会計管理における組織ユニットです。収益
性分析 (CO-PA) では、(事前定義されたまたはカスタマ固有の) 特性を利用します。勘定ベース
CO-PA を使用すると、これらの特性は、ユニバーサルジャーナルに格納され、マルチレベルの
貢献利益管理に使用できます。このトピックは、管理会計コースで徹底的に取り上げます。

連結会計準備: 会社 ID

図 30: 連結会計準備: 会社 ID

会社と連結用取引タイプ (オプション):
これら 2 つのオブジェクトは、連結会計準備のために使用されます。財務会計の連結機能は会社
をベースにしています (法的連結)。実際の連結は別のソリューションで実行します (通常はグル
ープレポートで)。たとえば、グループ会社に 400 の子会社があって、SAP S/4HANA システム
で会社コードが定義されているのがそのうち 100 社しかない場合、100 の会社コードと 400 社

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2 章: 主要な財務会計 (FI) 設定

をシステムに登録する必要があります。各会社 ID はすべてのシステムでグループ全体の整合性
が保たれています。すべての会社コードに独自の会社 ID が付与されます。
参加会社、または関連会社 (パートナ会社と呼ばれる) の会社 ID は、これらの会社が補助元帳勘
定として設定されている場合は、得意先または仕入先のビジネスパートナに割り当てる必要があ
ります。また、これらの会社は、G / L 勘定で会社 ID を直接使用して G/L 勘定として管理するこ
ともできます。伝票タイプを使用して、パートナ会社 (会社 ID) をすべての伝票明細に振り替え
ます (未収金/未払金管理の相手勘定コード)。連結の取引タイプは引当金の分析に使用されます
(貸借対照表項目の水平展開)。

セグメントレポート

図 31: セグメントレポート

セグメント (オプション):
セグメントは、法律の (IFRS 8 と US-GAA の PASC 280) の意味におけるセグメントレポートの
ために会社間で使用されます。多くの導入企業は通常、会計規則に従って少数のセグメントしか
設定しません。セグメントは複数の利益センタから構成されます。
利益センタ (オプション):
利益センタは、グループや会社コードの内部的な構造を表し、内部的なレポートを目的として使
用されます。利益センタの推奨登録数は (ノート 217338 - 利益センタの数) 、最大でも 5000 で
す。これは技術的な制限ではありません。1 万を超すような多数の利益センタは、一般に実用的
ではありません。利益センタは収益に影響する CO オブジェクト (原価センタ、内部指図、受注
など) に直接紐づいています。
伝票分割 (オプション):
損益計算書に加えて、利益センタやセグメントの貸借対照表も伝票分割によって利用できます。
利益センタやセグメントは、内部の会社として扱われることがあります。伝票分割によって、テ
ストや旧データの転送の手間が増えます。伝票分割では、期首残高を各関連オブジェクトの詳細
レベルで作成する必要があります。貸借対照表勘定における利益センタ (およびセグメント) は、
品目マスタや資産マスタなどのその他オブジェクトから直接誘導するか、または手動で入力しま
す (引当金の場合と同様)。伝票分割の機能は、債権、債務、税明細、およびその他の未定義の明
細などの貸借対照表勘定に勘定割当を行います。

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レッスン: SAP S/4HANA を導入するための共通プラクティス

売上原価会計の機能領域

図 32: 売上原価会計の機能領域

売上原価会計の機能領域 (オプション):
損益計算書は、費用性質法または売上原価法によって表示します。S/4HANA は、どちらの方法
も同時にサポートしています。費用性質法は常に有効になっていますが、売上原価法は有効にす
る必要があります。どちらの方法でも結果は同じです。費用性質法は勘定別 (材料や減価償却な
どの各種費用) であるのに対し、売上原価法はアクティビティベースです (収益や管理などを実現
する製造原価)。
機能領域が勘定コードマスタレコード (勘定コード表レベル) に入力されている場合、すべての転
記が当該機能領域に割り当てられます。その他のケースとして、機能領域を原価センタや内部指
図などの管理会計対象に割り当てることもできます。さらに、代入を使用して機能領域を設定す
ることもできます。複数のオブジェクトから同時に機能領域が設定されるような場合は、代入が
最も優先度が高く、次いでマニュアル入力、G/L 勘定、最後に管理会計対象の順となります。

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2 章: 主要な財務会計 (FI) 設定

財務会計における利益センタまたはセグメントとの組み合わせによるレポート

図 33: 財務会計における利益センタまたはセグメントとの組み合わせによるレポート

伝票明細:
明細には、費用性質法および売上原価会計 (勘定、機能領域、利益センタ、セグメント) の情報が
すべて記載されます。

注記:
SAP S/4HANA では、任意の明細レベル特性の G/L 残高をレポートすることができ
ます。

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レッスン: SAP S/4HANA を導入するための共通プラクティス

通貨タイプ概要

図 34: 通貨タイプ概要

会社コードごとに少なくとも 1 つの通貨、会社コード通貨 (10) を使用します。この通貨は第 1 FI


通貨です。これにより、ハード通貨のレポートなどの別の目的で第 2、第 3 の FI 通貨タイプ (パ
ラレル通貨) を設定することができます。外部ビュー (データ入力ビュー) の伝票通貨に加えて、
これらの 3 つの通貨を格納できます。
管理領域では、別々の通貨タイプと通貨を使用します。この通貨は会社コード通貨と異なる場合
があります。管理領域の推奨通貨タイプは、30 (グループ通貨) です。
両方の通貨タイプ (会社コードと管理領域) は、すべての SAP S/4HANA ソリューションで、ユ
ニバーサルジャーナルのすべての伝票に対して更新されます。会社コードでは、国ごとに異なる
通貨、またはアソシエーションの商品で定義された通貨を使用します。そのため、グループ全体
で統一されたグループ通貨があります。

ヒント:
このシナリオでは、グループ通貨 30 を第 2 FI 通貨 (ノート 119428 - 管理領域: 通貨
タイプ 20 または 30) として実行することが重要です。この推奨事項に基づいて、
グループ通貨は元帳ごとに別々の償却領域として固定資産管理に含める必要があ
ります。

ユニバーサルジャーナルには別の目的 (内部振替価格など) で、8 つの補助通貨タイプを保存でき


ます。

注記:
伝票通貨は、すべての取引で必ず記録されます。

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2 章: 主要な財務会計 (FI) 設定

レッスンのまとめ
以下について学習しました。
● 実装に関する一般的な設定を理解する

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2章

学習内容のテスト

1. 会社コードキーの形式はどれですか。
正しい答えを選択してください。

X A 2 文字の英数字

X B 4 文字の英数字

X C 6 文字の英数字

X D 8 文字の英数字

2. 会社間管理会計の前提条件は何ですか。
正しい答えを選択してください。

X A 同じ管理領域に割り当てられた会社コードは、同じ有効勘定コード表に割り当てる必
要がある

X B 同じ管理領域に割り当てられた会社コードは、同じグループ勘定コード表に割り当て
る必要がある

X C 同じ管理領域に割り当てられた会社コードは、同じ会計期間バリアントに割り当てる
必要がある

X D 同じ管理領域に割り当てられた会社コードは、同じ会社 ID に割り当てる必要がある

3. 標準システムに用意されているリーディング元帳の名称は何ですか。
正しい答えを選択してください。

X A 0L

X B 1L

X C 2L

X D 3L

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2 章: 学習内容のテスト

4. バリアント原則は、SAP S/4HANA で特定のプロパティを 1 つ以上のオブジェクトに割り当


てるために使用されます。バリアント原則はいくつのステップで構成されますか。
正しい答えを選択してください。

X A 1

X B 3

X C 4

X D 5

5. 以下のうちバリアント原則の最初のステップはどれですか。
正しい答えを選択してください。

X A バリアントの定義

X B バリアント値の決定

X C オブジェクトへのバリアントの割当

X D 複数のバリアントの登録

6. 会計年度バリアントには、会計期間および特別会計期間の数が含まれます。
この文章の内容は正しいですか、誤りですか。

X 正

X 誤

7. 会計年度バリアントでは、期間がオープンであるかクローズであるかが指定されます。
この文章の内容は正しいですか、誤りですか。

X 正

X 誤

8. 会計年度がカレンダ年と異なり、会計期間はカレンダ月と一致する場合は、うるう年に備え
て 2 月の最大日数を 29 日にします。
この文章の内容は正しいですか、誤りですか。

X 正

X 誤

86 © 著作権. All rights reserved.


2 章: 学習内容のテスト

9. 年度依存の会計年度バリアントは、どのような場合に使用されますか。

10. SAP S/4HANA (FI) では、通貨コードを使用して通貨を定義します。


この文章の内容は正しいですか、誤りですか。

X 正

X 誤

11. 財務会計では、管理する元帳に少なくとも 1 つの通貨を指定する必要があります。


この文章の内容は正しいですか、誤りですか。

X 正

X 誤

12. ユニバーサルジャーナルを表すデータベーステーブルの名称は何ですか。
正しい答えを選択してください。

X A ACDOCA

X B FAGLFLEXT

X C GLT0

X D BSEG

© 著作権. All rights reserved. 87


2章

学習内容のテスト - 解答

1. 会社コードキーの形式はどれですか。
正しい答えを選択してください。

X A 2 文字の英数字

X B 4 文字の英数字

X C 6 文字の英数字

X D 8 文字の英数字

正解です。会社コードキーの形式は 4 文字の英数字です。

2. 会社間管理会計の前提条件は何ですか。
正しい答えを選択してください。

X A 同じ管理領域に割り当てられた会社コードは、同じ有効勘定コード表に割り当てる必
要がある

X B 同じ管理領域に割り当てられた会社コードは、同じグループ勘定コード表に割り当て
る必要がある

X C 同じ管理領域に割り当てられた会社コードは、同じ会計期間バリアントに割り当てる
必要がある

X D 同じ管理領域に割り当てられた会社コードは、同じ会社 ID に割り当てる必要がある

正解です。同じ管理領域に割り当てられた会社コードは、同じ有効勘定コード表に割り当て
る必要があります。

3. 標準システムに用意されているリーディング元帳の名称は何ですか。
正しい答えを選択してください。

X A 0L

X B 1L

X C 2L

X D 3L

正解です。標準システムに用意されているリーディング元帳の名称は 0L です。

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2 章: 学習内容のテスト - 解答

4. バリアント原則は、SAP S/4HANA で特定のプロパティを 1 つ以上のオブジェクトに割り当


てるために使用されます。バリアント原則はいくつのステップで構成されますか。
正しい答えを選択してください。

X A 1

X B 3

X C 4

X D 5

正解です。バリアント原則は 3 つのステップで構成されます。

5. 以下のうちバリアント原則の最初のステップはどれですか。
正しい答えを選択してください。

X A バリアントの定義

X B バリアント値の決定

X C オブジェクトへのバリアントの割当

X D 複数のバリアントの登録

正解です。バリアント原則の最初のステップはバリアントの定義です。

6. 会計年度バリアントには、会計期間および特別会計期間の数が含まれます。
この文章の内容は正しいですか、誤りですか。

X 正

X 誤

正解です。会計年度バリアントには、会計期間および特別会計期間の数が含まれます。

7. 会計年度バリアントでは、期間がオープンであるかクローズであるかが指定されます。
この文章の内容は正しいですか、誤りですか。

X 正

X 誤

正解です。会計年度バリアントでは、会計期間がオープンであるかクローズであるかは指定
されません。

© 著作権. All rights reserved. 89


2 章: 学習内容のテスト - 解答

8. 会計年度がカレンダ年と異なり、会計期間はカレンダ月と一致する場合は、うるう年に備え
て 2 月の最大日数を 29 日にします。
この文章の内容は正しいですか、誤りですか。

X 正

X 誤

正解です。会計年度がカレンダ年と異なり、会計期間はカレンダ月と一致する場合は、うる
う年に備えて 2 月の最大日数を 29 日にします。

9. 年度依存の会計年度バリアントは、どのような場合に使用されますか。

年度依存の会計年度バリアントは、会計期間の開始日と終了日が、会計年度によって異なる
場合に使用されます。会計期間の数が、他の会計年度より少ない会計年度がある場合にも使
用されます (短縮会計年度)。

10. SAP S/4HANA (FI) では、通貨コードを使用して通貨を定義します。


この文章の内容は正しいですか、誤りですか。

X 正

X 誤

正解です。SAP S/4HANA (FI) では、通貨コードを使用して通貨を定義します。

11. 財務会計では、管理する元帳に少なくとも 1 つの通貨を指定する必要があります。


この文章の内容は正しいですか、誤りですか。

X 正

X 誤

正解です。財務会計では、管理する元帳に少なくとも 1 つの通貨を指定する必要があります。
現地の法定報告要求に対応する必要があるため、この通貨は会社コードの国通貨、つまり国
内通貨 (または会社コード通貨) になります。

12. ユニバーサルジャーナルを表すデータベーステーブルの名称は何ですか。
正しい答えを選択してください。

X A ACDOCA

X B FAGLFLEXT

X C GLT0

X D BSEG

正解です。ユニバーサルジャーナルは ACDOCA テーブルによって表されます。

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3章 マスタデータ

レッスン 1
総勘定元帳 (G/L) 勘定の更新 93
演習問題 7 : G/L 勘定の勘定グループの登録と新規 G/L 勘定のインストール 105

レッスン 2
利益センタおよびセグメントの登録 130
演習問題 8 : 利益センタ、原価センタ、およびセグメントの登録 133

レッスン 3
ビジネスパートナの管理 143
演習問題 9 : ビジネスパートナグルーピングおよび得意先勘定グループのカスタマイジン 157
グ設定の登録と得意先/仕入先統合の更新
演習問題 10 : 得意先/仕入先および項目ステータスの編集 175
演習問題 11 : 要承認項目の定義 181

章の目的
● 勘定コード表の基本設定の確認
● 総勘定元帳の構造の概説
● 残高繰越
● G/L 勘定更新のための勘定グループの登録
● G/L 勘定の項目ステータスの設定
● 統制勘定の機能の概説
● G/L 勘定の管理
● G/L 勘定の通貨側面の管理
● 一括処理を使用した G/L 勘定の更新
● グループ勘定コード表および国勘定コード表の更新
● 利益センタ、原価センタ、およびセグメントの登録

© 著作権. All rights reserved. 91


3 章: マスタデータ

● ビジネスパートナデータについての説明
● 得意先/仕入先統合についての理解
● ビジネスパートナおよび項目ステータス
● 得意先/仕入先の追加設定

92 © 著作権. All rights reserved.


3章
レッスン 1
総勘定元帳 (G/L) 勘定の更新

レッスンの概要
このレッスンでは、G/L 勘定を更新する方法について説明します。

ビジネスの例
会計責任者は、G/L 勘定の勘定コード表および会社コードの設定を、会社コード TA00 からコピ
ーすることを決定しました。ただし、会計部門は、承認済の経費と支払を処理するための G/L 勘
定を追加する必要があります。費用の勘定コードは、専用の番号範囲に属していなければなりま
せん。そのためには、以下のことを理解している必要があります。
● 勘定コード表
● G/L 勘定の構造
● G/L 勘定のさまざまな種類
● G/L 勘定の登録、更新、および制御方法
● 同時に複数の G/L 勘定を変更する方法

レッスンの目的
このレッスンの目的は、以下のとおりです。
● 勘定コード表の基本設定の確認
● 総勘定元帳の構造の概説
● 残高繰越
● G/L 勘定更新のための勘定グループの登録
● G/L 勘定の項目ステータスの設定
● 統制勘定の機能の概説
● G/L 勘定の管理
● G/L 勘定の通貨側面の管理
● 一括処理を使用した G/L 勘定の更新
● グループ勘定コード表および国勘定コード表の更新

© 著作権. All rights reserved. 93


3 章: マスタデータ

勘定コード表

図 35: 勘定コード表

勘定コード表は、G/L 勘定の構造や基本情報を含むバリアントです。
勘定コード表は 4 文字の ID で定義され、以下の設定が含まれます。
● 勘定コード表キー
● 勘定コード表の名称
● 更新言語
● G/L 勘定コードの長さ
● グループ勘定コード表 (連結)
● ブロックフラグ

該当する勘定コード表の構造に基づいて勘定を更新する必要があるすべての会社コードに対し
て、勘定コード表 (YCOA、IKR、CAUS、国に適用されるその他の勘定表など) を割り当てます。

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レッスン: 総勘定元帳 (G/L) 勘定の更新

勘定コード表の基本設定
勘定コード表の定義

図 36: 勘定コード表の定義

更新言語は、勘定テキストの更新に使用する言語です。
G/L 勘定の勘定コードは、1 から 10 桁の長さの範囲で定義します。
各 G/L 勘定にグループ勘定コードを割り当てることができます。この勘定コードは、会社コード
ごとに異なる勘定コード表を使用する場合の会社コードをまたがるレポートで使用します。
G/L 勘定にグループ勘定コードを入力するには、G/L 勘定定義の該当項目 (必須入力項目) にグ
ループ勘定コードを入力する必要があります。入力すると、グループ勘定コードがそのグループ
勘定コード表に存在するかどうかがチェックされます。
未完成の勘定コード表をブロックすることができます。ブロック状態の場合、会社コードで勘定
コード表が使用されることはありません。

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3 章: マスタデータ

勘定コード表の割当

図 37: 勘定コード表の割当

各会社コードに、勘定コード表が割り当てられる必要があります。バリアント原則に基づいて、
1 つの勘定コード表を複数の会社コードに割り当てることができます。
管理会計 (CO) コンポーネントと財務会計 (FI) コンポーネントでは、同じ勘定コード表が使用さ
れます。会社コードをまたがった管理会計を行う会社コードには、すべて同じ勘定コード表を割
り当てる必要があります。上の図の例では、勘定コード表を割り当てることで会社コード
CC1000 と CC2000 を使用して会社コードをまたがった管理会計を行うことはできますが、会社
コード CC2000 と CC3000 を使用して行うことはできません。

勘定コード表レベル

図 38: 勘定コード表レベル

勘定コード表には、勘定に関する基本的な情報が記載されます。この情報は、勘定コード表レベ
ルにまとめられます。

96 © 著作権. All rights reserved.


レッスン: 総勘定元帳 (G/L) 勘定の更新

G/L 勘定の勘定コード表レベルには、以下の情報が含まれています。
● 勘定コード
● 勘定名 (テキスト (短) またはテキスト (長))
● 管理項目
● 連結項目

勘定コード表を他の言語に翻訳することができます。翻訳すると、マスタデータの照会や転記の
際に適切なログオン言語で勘定名を表示することができます。勘定コード表をログオン言語に
翻訳しない場合、勘定名は勘定コード表のマスタ言語で表示されます。
1 つの勘定コード表レベルに対して、内容の異なるテキスト情報を割り当てることができます。

勘定コード表レベルの項目

図 39: 勘定コード表レベルの項目

G/L 勘定の勘定コード表レベルに入力する情報は、すべての会社コードに適用されます。この情
報は 1 度だけ入力します。
キーワードを使用して勘定コードを検索することができます。

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3 章: マスタデータ

会社コードレベル

図 40: 会社コードレベル

会社コードに割り当てられた勘定コード表の勘定を使用するには、会社コードレベルを登録する
必要があります。この会社コードレベルと勘定コード表レベルを組み合わせて勘定が構成され
ます。
会社コードレベルのこの情報によって、会計伝票の入力と会計データの管理方法を制御します。
図 "会社コードレベル" の会社コードでは、勘定 000002 を使用しませんが、他の会社コードは
この勘定を使用できます。たとえば、ある会社コードにとって取引先が存在しない国の通貨で管
理されている外貨建ての貸借対照表勘定が、グループ内の別の会社コードでは、その国に取引先
を持っている場合があります。

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レッスン: 総勘定元帳 (G/L) 勘定の更新

会社コードレベルの項目

図 41: 会社コードレベルの項目

G/L 勘定には、複数の会社コードレベルを含めることができます。たとえば、特定の会社コード
に対して税カテゴリ区分を設定することで、費用勘定の使用時に税を含めることができます。他
の会社コードに対しては、この区分を設定しなくてもかまいません。
会社コードに対して以下の情報を定義することができます。
● 通貨
● 税
● 統制勘定
● ソートキー
● 項目ステータスグループ
● 取引銀行
● 金利計算情報

勘定コード表レベルの図で説明したように、テキスト ID と言語機能を使用してテキストを管理
することができます。

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3 章: マスタデータ

1 つの勘定コード表とそれを使用する複数の会社コード

図 42: 1 つの勘定コード表と複数の会社コード

割り当てられた勘定コード表の勘定を使用する会社コードごとに、それぞれ独自の会社コードレ
ベルデータが必要です。勘定の番号と名称が勘定コード表レベルで更新されます。そのため、割
り当てられたすべての会社コードで勘定の名称と番号が同じになります。

SAP Fiori: G/L 勘定マスタデータの管理

図 43: SAP Fiori: G/L 勘定マスタデータの管理

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レッスン: 総勘定元帳 (G/L) 勘定の更新

G/L 勘定タイプと残高繰越

G/L 勘定タイプ

図 44: GL 勘定タイプ

G/L 勘定は、以下の G/L 勘定タイプに分類されます。

貸借対照表勘定*
取引から転記される勘定です。貸借対照表勘定の残高は、会計年度末に繰り越されます。
現金勘定 (銀行統制勘定)
複数の取引銀行口座に割り当てることができる G/L 勘定です。各取引銀行口座には、支払
処理が転記される G/L 勘定が必要です。現金勘定では、このような G/L 勘定の数を大幅に
削減することができます。

営業外費用または収入
製造会社による財務投資から得られた利益など、会社の主目的以外の活動から生じた費用ま
たは利益を記録する損益計算書勘定です。
一次原価または収益
一次原価または収益の原価要素として機能する損益計算書勘定です。一次原価は、給与、販
売費、管理費などの営業費用を示します。
二次原価
二次原価の原価要素として機能する損益計算書勘定です。二次原価は、内部活動原価配分、
間接費配分、決済取引など、組織内の金額フローから発生します。

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3 章: マスタデータ

管理領域固有のデータは、二次原価勘定および一次原価または収益勘定にのみ必要です。管理領
域固有のデータでは、原価要素タイプを割り当てます。原価要素タイプによって、CO でどの勘
定をどの取引に使用できるのかが決まります。
例: 原価要素タイプ 21 (内部決済) は二次原価勘定マスタレコードに割り当てられます。この二
次原価要素は、CO の対象に対して受注原価やプロジェクト原価を決済するためにのみ使用でき
ます。
*資産および品目貸借対照表勘定は、a) 資産勘定が "統制勘定" として定義されている場合、およ
び b) カスタマイジングで資産会計または品目管理の対応する勘定設定に含まれている場合、任
意で管理会計に統合できます。

管理領域の勘定設定

図 45: 管理領域の勘定設定

残高繰越

図 46: 貸借対照表勘定と損益計算書勘定

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レッスン: 総勘定元帳 (G/L) 勘定の更新

勘定コード表レベルで、その勘定が貸借対照表勘定 (G/L 勘定タイプ) であるかどうかを指定し


ます。

決算処理の勘定

表 4: 決算処理の勘定
これらの勘定は、決算処理での扱いが以下のように異なります。
勘定のタイプ テキスト
貸借対照表 残高は同じ勘定に繰り越されます。
損益計算書 残高は未処分利益勘定に繰り越され、損益計算
書勘定の残高はゼロになります。残高が繰り
越される勘定には、キー X が割り当てられま
す。このキーは、勘定コード表レベルの損益計
算書勘定タイプ項目に入力する必要がありま
す。

ユーザは、カスタマイジングで未処分利益勘定を定義することができます。この勘定は、G/L 勘
定のマスタレコードを登録するときに、費用勘定に割り当てることができます。

勘定の使用ケース

表 5: 勘定の使用ケース
未処分利益勘定の数に応じて、以下の場合があります。
未処分利益勘定の数 耐用年数
1つ 勘定は、損益勘定の登録時に、自動的に未処分
利益勘定として割り当てられます。
複数 損益計算書勘定ごとに未処分利益勘定を選択
する必要があります。

自動勘定設定アプリを使用して、G/L 勘定割当を設定することができます (未処分利益勘定の定


義など)。

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3 章: マスタデータ

G/L 勘定の勘定グループ

図 47: G/L 勘定の勘定グループ

勘定コード表にはさまざまな種類の勘定が含まれており、それらの勘定をさまざまな勘定グルー
プに割り当てることができます。
たとえば、複数の勘定を以下の方法でグループ化することができます。
● 現金勘定
● 品目勘定
● 資産勘定
● 損益計算書勘定

番号範囲を勘定グループに割り当てると、同じ種類の勘定を同じ番号範囲内に登録することがで
きます。勘定グループの番号範囲は、重複させることもできます。
G/L 勘定マスタデータの勘定コード表レベルに、勘定グループを入力する必要があります。勘定
グループによって、G/L 勘定の会社コードレベルの表示方法が制御されます。たとえば、現金消
込勘定のすべての未消込明細を管理するには、カスタマイジングで、現金消込勘定勘定グループ
について、明細消込管理の項目ステータスを必須入力に変更します。

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3章
演習問題 7
G/L 勘定の勘定グループの登録と新規 G/L 勘定
のインストール

ビジネスの例
会計部門は、承認済の経費と支払を処理するための G/L 勘定を追加する必要があります。承認済
の経費とは、会計管理責任者の承認が必要となる国内通貨 10000 単位を超える費用です。
この費用勘定には、AE000000 から AE999999 の範囲の勘定コードを使用する必要がありま
す。支払勘定には、CD000000 から CD999999 の範囲の勘定コードを使用する必要がありま
す。

注記:
この演習問題では、会社コードの登録の演習問題で登録した会社コード GR## を使
用する必要があります。
この演習問題で、値に文字 ## が含まれているときは、この文字を講師が指定した数
字に置き換えてください。

勘定グループの登録と G/L 勘定の登録


前の演習問題で会社コード TA00 をコピーしたときに、会社コードの G/L 勘定の割当済勘定コ
ード表と会社コードレベルもコピーされました。このビジネスシナリオにおける G/L 勘定につ
いて、会計部門では、費用用と支払用に 2 つの追加勘定グループが必要になります。

1. 勘定コード表 (YCOA) 内の勘定グループ ERG. を新しい勘定グループ AE## にコピーして、


テキスト承認済費用 ## を指定します。勘定グループ AE## の番号範囲を AE000000-
AE999999 に変更します。

表 6: 勘定詳細 - グループ AE##


項目名 値

勘定コード表 YCOA

勘定 Group AE##

名称 承認済費用 ##

開始勘定 AE000000

終了勘定 AE999999

2. 勘定コード表 (YCOA) 内の勘定グループ SAKO を新しい勘定グループ CD## にコピーして、


テキスト現金支払 ## を指定します。勘定グループ CD## の番号範囲を CD000000-
CD999999 に適宜変更します。

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3 章: マスタデータ

表 7: 勘定詳細 - グループ CD##


項目名 値

勘定コード表 YCOA

勘定 Group CD##

名称 現金支払 ##

開始勘定 CD000000

終了勘定 CD999999

3. 承認済費用の G/L 勘定の勘定コード表レベルを登録します (勘定グループ AE## を使用しま


す)。
G/L 勘定 AE0001## - 交際接待費を、新規に登録します (General Ledger グループの G/L
勘定マスタデータ管理タイルを使用)。以下の情報を使用します。

項目名 値

G/L 勘定 AE0001##

勘定コード表 YCOA

G/L 勘定タイプ 一次原価または収益

勘定グループ AE## (承認済費用 ##)

テキスト (短) 接待 ##

G/L 勘定テキスト (長) 交際接待費 ##

グループ勘定コード 0051100000

注記:
有効なポップアップブロッカがアプリの起動を阻止しました。ブラウザで、ポッ
プアップブロッカを無効にしてからアプリを起動してくださいというエラーメ
ッセージが表示された場合は、OK を選択します。画面の右上に、ページがブロ
ックされていることを表すアイコンが表示されています。http://..... からのポッ
プアップを常に許可するをクリックして、完了を選択します。もう一度タイルを
開きます。

必要なタイルを見つけるには、以下のようなさまざまな方法があります (常に SAP Fiori ラウ


ンチパッドホームページから開始)。

● タイルグループをクリックスルーして、適切なタイルを探します。

● タイルの検索機能:
画面の右上に、拡大鏡アイコンが表示されています。アイコンをクリックすると、2 つの
項目が表示されます。

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レッスン: 総勘定元帳 (G/L) 勘定の更新

最初の項目では、"すべて" の要素を検索するか、または "アプリ" などのみを検索するか


を決定することができます。まずは、"すべて" の後ろにある下向き矢印を選択します。次
に、対象の要素を選択します。

結果
ここまでで、新しい勘定の勘定コード表レベルが保存されました。

4. 新規 G/L 勘定 (AE0001## - 交際費) の会社コードレベル (GR##) を登録します。以下の情


報を使用します。

項目名 値
勘定通貨 EUR

税カテゴリ - (仮払消費税のみ)

ソートキー 008 (原価センタ)

項目ステータスグループ YB03 (品目消費勘定)

さらに、以下の情報を使用して管理会計データを更新します。

項目名 値
原価要素タイプ 01 (一次原価/収益削減原価)

5. 2 つ目の新規 G/L 勘定 AE0002## を 1 つのステップで登録します。そのためには、G/L 勘定


AE0001## をコピーします。以下のデータを使用します。

項目名 値
G/L 勘定 AE0002##

勘定コード表 YCOA

G/L 勘定タイプ 一次原価または収益

勘定グループ AE## (承認済費用 ##)

損益計算書勘定タイプ X (剰余金)

テキスト (短) レンタル ##

G/L 勘定テキスト (長) スポーツカーレンタル費用 ##

グループ勘定コード 0051100000

会社コード GR##

6. 各現金支払勘定には、自己完結型の G/L 勘定が必要です。そのような勘定の登録には、指定


された参照勘定を使用します。この新しい G/L 勘定には、新しい勘定グループ CD## を使用
します。

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3 章: マスタデータ

SAP Easy Access を使用して、3 つ目の G/L 勘定 CD0003## を登録します。

項目名 値
G/L 勘定 CD0003##

参照勘定コード 10010000

会社コード GR##

G/L 勘定タイプ 貸借対照表勘定

勘定グループ CD## (現金支払 ##)

テキスト (短) 支払 ##

G/L 勘定テキスト (長) 支払 ##

7. 勘定コード表管理アプリを使用して、会社コード (GR##) の勘定コード表 (YCOA) の G/L 勘


定を照会します (一度は通常の一覧を使用し、一度は財務諸表バージョン 1010 の構造を使
用)。

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3章
解答 7
G/L 勘定の勘定グループの登録と新規 G/L 勘定
のインストール

ビジネスの例
会計部門は、承認済の経費と支払を処理するための G/L 勘定を追加する必要があります。承認済
の経費とは、会計管理責任者の承認が必要となる国内通貨 10000 単位を超える費用です。
この費用勘定には、AE000000 から AE999999 の範囲の勘定コードを使用する必要がありま
す。支払勘定には、CD000000 から CD999999 の範囲の勘定コードを使用する必要がありま
す。

注記:
この演習問題では、会社コードの登録の演習問題で登録した会社コード GR## を使
用する必要があります。
この演習問題で、値に文字 ## が含まれているときは、この文字を講師が指定した数
字に置き換えてください。

勘定グループの登録と G/L 勘定の登録


前の演習問題で会社コード TA00 をコピーしたときに、会社コードの G/L 勘定の割当済勘定コ
ード表と会社コードレベルもコピーされました。このビジネスシナリオにおける G/L 勘定につ
いて、会計部門では、費用用と支払用に 2 つの追加勘定グループが必要になります。

1. 勘定コード表 (YCOA) 内の勘定グループ ERG. を新しい勘定グループ AE## にコピーして、


テキスト承認済費用 ## を指定します。勘定グループ AE## の番号範囲を AE000000-
AE999999 に変更します。

表 6: 勘定詳細 - グループ AE##


項目名 値

勘定コード表 YCOA

勘定 Group AE##

名称 承認済費用 ##

開始勘定 AE000000

終了勘定 AE999999

a) カスタマイジング (IMG) で、財務会計 → 総勘定元帳 → マスタデータ → G/L 勘定 → 準


備 → 定義: 勘定グループを選択します (IMG アクティビティを選択します)。

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3 章: マスタデータ

b) 下にスクロールして、勘定 Code 表 (勘定コード表) YCOA を照会するか、位置を選択して


検索します。

c) 勘定コード表の勘定グループ ERG.、損益計算書勘定を選択/マークします。

d) 別名コピー.. ボタン (または編集 → 別名コピー) を選択します。

e) ERG. 勘定グループ設定を、表 "勘定詳細 - グループ AE##" に記載されているデータで上


書きします (勘定コード表は YCOA のまま)。

f) Enter を押します。

g) 保存を選択します。

2. 勘定コード表 (YCOA) 内の勘定グループ SAKO を新しい勘定グループ CD## にコピーして、


テキスト現金支払 ## を指定します。勘定グループ CD## の番号範囲を CD000000-
CD999999 に適宜変更します。

表 7: 勘定詳細 - グループ CD##


項目名 値

勘定コード表 YCOA

勘定 Group CD##

名称 現金支払 ##

開始勘定 CD000000

終了勘定 CD999999

a) 勘定コード表 (YCOA) の勘定グループ SAKO、G/L 勘定 (一般) を選択します。

b) 別名コピー.. ボタン (または編集 → 別名コピー) を選択します。

c) SAKO 勘定グループ設定を、表 "勘定詳細 - グループ CD##" に記載されているデータで上


書きします (勘定コード表は YCOA のまま)。

d) Enter を押します。

e) 保存を選択します。

f) IMG 照会画面に戻るため、前画面を選択します。この画面を表示したままにします。

3. 承認済費用の G/L 勘定の勘定コード表レベルを登録します (勘定グループ AE## を使用しま


す)。
G/L 勘定 AE0001## - 交際接待費を、新規に登録します (General Ledger グループの G/L
勘定マスタデータ管理タイルを使用)。以下の情報を使用します。

項目名 値

G/L 勘定 AE0001##

勘定コード表 YCOA

G/L 勘定タイプ 一次原価または収益

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レッスン: 総勘定元帳 (G/L) 勘定の更新

項目名 値

勘定グループ AE## (承認済費用 ##)

テキスト (短) 接待 ##

G/L 勘定テキスト (長) 交際接待費 ##

グループ勘定コード 0051100000

注記:
有効なポップアップブロッカがアプリの起動を阻止しました。ブラウザで、ポッ
プアップブロッカを無効にしてからアプリを起動してくださいというエラーメ
ッセージが表示された場合は、OK を選択します。画面の右上に、ページがブロ
ックされていることを表すアイコンが表示されています。http://..... からのポッ
プアップを常に許可するをクリックして、完了を選択します。もう一度タイルを
開きます。

必要なタイルを見つけるには、以下のようなさまざまな方法があります (常に SAP Fiori ラウ


ンチパッドホームページから開始)。

● タイルグループをクリックスルーして、適切なタイルを探します。

● タイルの検索機能:
画面の右上に、拡大鏡アイコンが表示されています。アイコンをクリックすると、2 つの
項目が表示されます。
最初の項目では、"すべて" の要素を検索するか、または "アプリ" などのみを検索するか
を決定することができます。まずは、"すべて" の後ろにある下向き矢印を選択します。次
に、対象の要素を選択します。

a) SAP Fiori ラウンチパッドホームページで、ラウンチパッドの General Ledger グループに


ある G/L 勘定マスタデータ管理タイルをクリックします。SAP Fiori ラウンチパッドホ
ームページを開始するには、Windows のスタートボタンを選択し、Fiori Launchpad
を探します。

b) 画面の右側で、登録を選択します。

c) 以下の表に記載されているデータを入力します。必要に応じて、ヘッダ押ボタンを選択し
ます。

表 8: 勘定コードマスタデータ - ヘッダ
項目名 値

G/L 勘定 AE0001##

d) 以下の表に記載されているデータを入力します。

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3 章: マスタデータ

表 9: 勘定コードマスタデータ - 一般
項目名 値

制御
勘定コード表 YCOA

G/L 勘定タイプ 一次原価または収益

勘定グループ AE## (承認済費用 ##)

マスタ言語のテキスト (XX)

テキスト (短) 接待 ##

G/L 勘定テキスト (長) 交際接待費 ##

連結データ
グループ勘定コード 0051100000

e) 保存を選択します。勘定が正常に保存されたというメッセージが表示されます。この画
面を表示したまま、次の演習ステップに進みます。

結果
ここまでで、新しい勘定の勘定コード表レベルが保存されました。

4. 新規 G/L 勘定 (AE0001## - 交際費) の会社コードレベル (GR##) を登録します。以下の情


報を使用します。

項目名 値
勘定通貨 EUR

税カテゴリ - (仮払消費税のみ)

ソートキー 008 (原価センタ)

項目ステータスグループ YB03 (品目消費勘定)

さらに、以下の情報を使用して管理会計データを更新します。

項目名 値
原価要素タイプ 01 (一次原価/収益削減原価)

a) 編集を選択します。

b) 会社コードデータを選択します (またはこのセクションまでスクロールします)。

c) 画面の右側で、登録を選択します。

d) ヘッダ画面領域に、以下の表に記載されているデータを入力します。

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レッスン: 総勘定元帳 (G/L) 勘定の更新

表 10: 新規会社コード割当
項目名 値

新規会社コード割当 GR##

e) 管理データ画面領域で、表に記載されているデータを入力します。

表 11: 勘定管理
項目名 値

勘定管理
勘定通貨 EUR

税カテゴリ - (仮払消費税のみ)

勘定コード管理
ソートキー 008 (原価センタ)

登録/銀行/金利

項目ステータスグループ YB03 (品目消費勘定)

f) 画面の右下にある OK を選択します。

g) 次の画面で管理会計データを選択します。

h) 管理領域の設定の表に従ってデータを入力します。

項目名 値
原価要素タイプ 01 (一次原価/収益削減原価)

i) 保存を選択します。勘定が正常に保存されたというメッセージが表示されます。この画
面を表示したまま、次の演習ステップに進みます。
ここまでで、新しい勘定の会社コードレベルが正常に登録されました。
新規 G/L 勘定が完了しました。
この画面を表示したまま、次の G/L 勘定を登録します。

5. 2 つ目の新規 G/L 勘定 AE0002## を 1 つのステップで登録します。そのためには、G/L 勘定


AE0001## をコピーします。以下のデータを使用します。

項目名 値
G/L 勘定 AE0002##

勘定コード表 YCOA

G/L 勘定タイプ 一次原価または収益

勘定グループ AE## (承認済費用 ##)

© 著作権. All rights reserved. 113


3 章: マスタデータ

項目名 値
損益計算書勘定タイプ X (剰余金)

テキスト (短) レンタル ##

G/L 勘定テキスト (長) スポーツカーレンタル費用 ##

グループ勘定コード 0051100000

会社コード GR##

a) 次の G/L 勘定 AE0002## を登録するには、画面の上部で、コピーを選択します。

b) 表に従ってデータを入力します。

表 12: 勘定コードマスタデータ - 一般情報


項目名 値

勘定コード AE0002##

マスタ言語のテキスト (XX) レンタル ##

c) OK を選択します。

d) データを確認し、必要に応じて、G/L マスタデータ - 一般の表に従って情報を変更/入力


します。

表 13: 勘定コードマスタデータ - 一般
項目名 値

制御
勘定コード表 YCOA

G/L 勘定タイプ 一次原価または収益

勘定グループ AE## (承認済費用 ##)

損益計算書勘定タイプ X (剰余金)

マスタ言語のテキスト (XX)

テキスト (短) レンタル ##

G/L 勘定テキスト (長) スポーツカーレンタル費用 ##

連結データ
グループ勘定コード 0051100000

e) 会社コード GR## が割り当てられているかどうかを確認します。下へスクロールする


か、会社コードデータをクリックします。

f) 保存を選択します。
勘定が正常に保存されたというメッセージが表示されます。

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レッスン: 総勘定元帳 (G/L) 勘定の更新

注記:
新しい G/L 勘定 AE0002## を 1 ステップで登録しました (勘定コード表レ
ベルおよび会社コードレベル)。

g) 新しい会社コードセグメントの内容をチェックするには、会社コード割当セクションの行
の末尾にある詳細ボタン (>) をクリックします。

h) 内容を変更する必要がある場合は、編集を選択します。

i) 新規 G/L 勘定の登録を終了したら、SAP ロゴ (ホームページにナビゲート) を選択しま


す。

6. 各現金支払勘定には、自己完結型の G/L 勘定が必要です。そのような勘定の登録には、指定


された参照勘定を使用します。この新しい G/L 勘定には、新しい勘定グループ CD## を使用
します。
SAP Easy Access を使用して、3 つ目の G/L 勘定 CD0003## を登録します。

項目名 値
G/L 勘定 CD0003##

参照勘定コード 10010000

会社コード GR##

G/L 勘定タイプ 貸借対照表勘定

勘定グループ CD## (現金支払 ##)

テキスト (短) 支払 ##

G/L 勘定テキスト (長) 支払 ##

a) SAP Easy Access 画面で、SAP メニューボタンを選択します (Ctrl+F11)。次に、会計管


理 → 財務会計 → 総勘定元帳 → マスタレコード → G/L 勘定 → 個別処理 → 共通を選択
します。または、トランザクションコード FS00 を入力します。以下のデータを使用しま
す。

表 14: 共通編集: G/L 勘定


項目名 値

G/L 勘定 CD0003##

会社コード GR##

b) 勘定コード → 参照登録、またはテンプレート使用を選択します。

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3 章: マスタデータ

表 15: 参照勘定
項目名 値

G/L 勘定 10010000

会社コード GR##

c) 続行を選択し、表 "勘定タイプ詳細" に記載されているデータを入力します。

表 16: 勘定タイプ詳細
項目名 値

G/L 勘定タイプ 貸借対照表勘定

勘定グループ CD## (現金支払 ##)

テキスト (短) 支払 ##

G/L 勘定テキスト (長) 支払 ##

d) 保存を選択します。

e) 必要に応じて、続行/Enter を押して情報メッセージを確認します。

f) 終了を選択して、SAP Easy Access に戻ります。

7. 勘定コード表管理アプリを使用して、会社コード (GR##) の勘定コード表 (YCOA) の G/L 勘


定を照会します (一度は通常の一覧を使用し、一度は財務諸表バージョン 1010 の構造を使
用)。
a) SAP Fiori ラウンチパッドホームページに移動し、ラウンチパッドの General Ledger グル
ープで、勘定コード表管理タイルを選択します。

b) 勘定コード表タブページをクリックします。

c) 勘定コード表 YCOA を選択し、画面の右側にある詳細ボタン (>) を押します。

d) 会社コードビュータブを選択します。

e) 表から以下のデータを入力します。

項目名 値
会社コード GR##

f) Enter を選択します。
これで、会社コードの G/L 勘定を画面で確認することができます。新しい勘定を探しま
す。下にスクロールするか、検索項目を使用します (たとえば AE* と入力し、虫眼鏡を使
用して検索開始)。

g) 前画面を選択します。

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レッスン: 総勘定元帳 (G/L) 勘定の更新

h) 財務報告書バージョンタブに切り替えます。1010 を選択し、行の最後にある詳細ボタン
(>) を押します。

i) 財務諸表バージョン 1010 の構造が画面に表示されます (勘定コード表ビュー)。

j) 構造を展開し、割り当てられた G/L 勘定を参照します。

k) 会社コード GR## に用意されているすべての勘定コード表 YCOA を照会するには、会社


コードビュータブをクリックします。会社コード GR## を入力します。Enter を選択し
ます。
選択した財務諸表バージョンの構造で会社コードの G/L 勘定が表示されます。
新しい勘定を探すには、検索項目を使用します。
現在、階層ビューが表示されています。
検索項目の近くに、一覧ビューボタンがあります。このボタンを選択すると、財務諸表バ
ージョンの構造を使用しないで G/L 勘定が表示されます。

l) SAP Fiori ラウンチパッドホームページに戻るには、SAP ロゴ (ホームページにナビゲー


ト) を選択します。

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3 章: マスタデータ

G/L 勘定の項目ステータス

項目ステータス

図 48: 項目ステータス

項目ステータスを使用すると、勘定のマスタデータの表示と更新を制御することができます。
以下のいずれかを項目のステータスとして設定することができます。
ステータス 勘定コード表の割当
非表示 使用しない項目
表示のみ 値を変更してはならない項目
必須入力 値の入力が必須の項目
任意入力 入力可能であるが必須入力ではない項目

項目は SAP S/4HANA によってグループ化されます。グループのすべての項目に対して、共通の


項目ステータスを設定することができます。たとえば、金利計算フラグ項目、金利計算周期項
目、および最終金利計算基準日項目に対して 1 つのステータスを設定することができます。
勘定通貨項目と項目ステータスグループ項目は、常に入力必須項目です。これらの項目のステー
タスは変更することができません。

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レッスン: 総勘定元帳 (G/L) 勘定の更新

ヒント:
項目が非表示の場合にも、有効な値が含まれていることがあります。

G/L マスタデータの項目ステータス

図 49: マスタデータの項目ステータス

通常、項目ステータスは勘定グループによって制御されます。マスタデータの変更時に編集可能
部分を指定するには、通常、処理別制御のみを使用します。
マスタレコードを登録した後に、特定の項目を変更不可能にしたいという場合があります。たと
えば、現金勘定の通貨を GBP に設定した後、それを変更できないようにします。この場合、総
勘定元帳のカスタマイジングで、定義: 処理別の画面レイアウト → 変更の下の関連項目に表示の
みのステータスを割り当てます。
項目ごとに、勘定グループと処理別の項目ステータス定義が考慮され、優先度の高い方が使用さ
れます。
SAP S/4HANA で優先度の高いものから低いものの順に並べると、次のようになります。
● 非表示
● 表示のみ
● 必須入力
● 任意入力

照会トランザクションでは値を入力することができないため、マスタデータ照会トランザクショ
ンでアクセスする項目のステータスは、表示のみまたは非表示のどちらかになります。処理別制
御を使用しない場合は、すべての項目の項目ステータスを任意に設定することができます。任意
項目ステータスは優先度が最も低いため、項目ステータスの定義に勘定グループ別制御が常に使
用されるようになります。

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3 章: マスタデータ

統制勘定

図 50: 統制勘定

統制勘定は、補助元帳から転記を受け取る G/L 勘定です。


補助元帳に対するすべての転記は、割り当てられた統制勘定に自動的に転記されます。これによ
り、G/L 勘定が常に更新されるようになります。
勘定タイプは、G/L 勘定マスタデータの会社コードレベルセクションにある勘定タイプの統制勘
定項目に入力する必要があります。
統制勘定は、指定された勘定タイプに対してのみ有効になります。
以下に、一般的な統制勘定タイプを示します。
● 売掛金
● 買掛金

注記:
統制勘定には、金額を直接転記することができません。

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レッスン: 総勘定元帳 (G/L) 勘定の更新

G/L 勘定の未消込明細

図 51: 明細消込管理

G/L 勘定のマスタレコードで明細消込管理区分が設定されると、この勘定に転記される明細は以
下のいずれかの状態になります。
● 未消込
● 消込済

明細消込管理は、特定の取引に対して相殺転記が行われたかどうかをチェックするための前提条
件です。未消込明細と消込済明細を別々に照会することができるため、消込が必要な取引を容易
に識別することができます。
明細消込管理は、以下の勘定に対して使用します。
● 銀行仮勘定
● 入庫または請求書受領の消込勘定
● 給与消込勘定

明細消込管理を有効化または無効化することができるのは、勘定の貸借が一致している場合のみ
です。
元帳ごとに明細消込管理が設定されている場合は、元帳グループ固有消込 (元帳ごとの明細消込
管理) 機能を使用することができます。

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3 章: マスタデータ

国内通貨の勘定

図 52: 国内通貨の勘定

会社コードの定義時には、会社コード通貨も定義する必要があります。
勘定通貨として、以下のいずれかの通貨を選択することができます。
● 国内通貨
● 外貨

標準では、G/L 勘定を登録する場合、SAP S/4HANA システムでは国内通貨がデフォルト勘定通


貨として使用されます。
国内通貨を選択した場合、この G/L 勘定に任意の通貨で転記することができます。その他の通貨
は、各明細の国内通貨に変換されます。
異なる通貨での明細の転記は、明細照会ができるかどうかに関係なく可能です。

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レッスン: 総勘定元帳 (G/L) 勘定の更新

外貨の勘定

図 53: 外貨の勘定

勘定に外貨を設定した場合は、その指定した通貨でのみ勘定を転記することができます。

G/L 勘定
以下の方法を使用して、G/L 勘定、勘定コード表レベル、および会社コードレベルを登録するこ
とができます。
● 1 ステップ: 両方のレベルを同時に (集中) 登録
● 2 ステップ: 勘定コード表レベルの登録後に会社コードレベルを登録
● コピー: 以下の構成要素をコピーします。
- 個別 G/L 勘定をコピー: 別の G/L 勘定を参照してコピーします。
- 会社コードレベルをコピー: 会社コードレベル全体をコピーします。
- 勘定コード表レベルをコピー: 勘定コード表レベル全体をコピーします。
● コピーによる G/L 勘定の登録: 既存の勘定をコピーして同じプロパティを持つ新しい勘定を
登録します。勘定の名前を変更する必要もあります。新しい勘定は、元勘定のすべてのプロ
パティを継承します。会社コードのすべての G/L 勘定が他の会社コードで必要になる場合が
あります。その場合は、会社コードレベル全体を新しい会社コードにコピーすることができ
ます。また、勘定設定も含めた勘定コード表全体を新しい勘定コード表にコピーすることも
できます。さらに、財務諸表バージョンもコピーすることができます。
● データ転送: S/4HANA 移行コックピットなど。

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3 章: マスタデータ

一括処理

図 54: 一括処理

SAP S/4HANA には、G/L 勘定マスタレコードの一括処理機能が用意されています。


複数の G/L 勘定のマスタデータに対して同時に変更を加えることができます。
G/L 勘定マスタデータを一括処理で変更するには、以下のオプションを使用することができま
す。
● 変更: 勘定コード表データ
● 変更: 会社コードデータ
● 変更: 勘定名 (テキスト)
● 変更/登録: 管理領域データ (G/L 勘定マスタデータ管理アプリでのみ)

G/L 勘定に以下の変更を行うことができます (たとえば、複数の G/L 勘定の編集 - 会社コードビ


ューを使用して)。
● 変更する項目を選択します。
● 表示される項目の値を変更します。既存の値を置換するには、新規値の列に新しい値を入力
します。選択したすべての G/L 勘定で、元の値が新しい値に置き換えられます。

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レッスン: 総勘定元帳 (G/L) 勘定の更新

アプリ G/L 勘定マスタデータ管理での一括変更

図 55: アプリ G/L 勘定マスタデータ管理での一括変更

G/L 勘定に以下の変更を加えることができます (G/L 勘定マスタデータ管理アプリを使用、一度


に処理できる勘定数は 50 まで)。
● 変更する勘定を選択します。
● 関連するものをマーク付けします。
● 一括変更、その他の属性の順に選択します。
● 表示されていない項目を変更する場合は、設定を選択します。
● 変更する値を挿入します (置換)。既存の値を置換するには、置換後の列に新しい値を入力し
ます。
● 適用を選択します。
● 保存を選択して、データベースのデータを変更します。

注記:
既存の G/L 勘定に対する変更は、保存後に有効になり、広範囲に影響を与える可能
性があります。このため、保存する前に変更内容を確認してください。

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3 章: マスタデータ

グループ勘定コード表

図 56: グループ勘定コード表

多くの場合、企業グループはグループのすべての会社を含む連結財務諸表を発行する必要があり
ます。グループの会社コードによっては、法務要件を満たすために特別な勘定コード表の使用を
求められる場合もあります。これは、特に多国籍企業に当てはまります。

注記:
会社コードによって使用される勘定コード表が異なるため、会社コード間の管理会計
を実行することはできません。

連結財務諸表のための特別な勘定コード表を使用するには

1. グループ勘定がすべて含まれている勘定コード表を登録します。

2. グループ勘定コード表を各勘定コード表に割り当てます。この割当を行うと、勘定コード表
の勘定コード表レベルにあるグループ勘定コード項目が必須入力項目になります。

3. 勘定の勘定コード表レベルに、グループ勘定コードを入力します。1 つの勘定コード表の複数
の勘定で同じグループ勘定を参照することができます。

4. グループ勘定コード用の財務諸表バージョンを使用します。

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レッスン: 総勘定元帳 (G/L) 勘定の更新

国勘定コード表

図 57: 国勘定コード表

SAP S/4HANA では、グループ勘定コード表以外にも国勘定コード表を割り当てることができま


す。たとえば、国勘定コード表を使用することで、グループ勘定コード表を別途用意せずに、す
べての会社コードに同じオペレーショナル勘定コード表を割り当てることができます。
外部レポート用に特別な勘定コード表を必要とする会社コードについては、以下の設定をするこ
とができます。
● 国勘定コード表を割り当てます。
● 国勘定コード表の勘定コード (代替勘定コード) は、各 G/L 勘定の会社コードレベルに入力し
ます。この勘定コードは 1 度しか割り当てることができません。

注記:
すべての会社コードで同じ勘定コード表に従って転記を行うため、会社コード間の管
理会計が可能です。

国勘定コード表を使用することによる短所は、国勘定コード表に慣れ親しんだ記帳担当者が、勘
定コード表に慣れる必要があることです。

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3 章: マスタデータ

グループの勘定コード表

図 58: シナリオ - グループの勘定コード表

図 "シナリオ - グループの勘定コード表" に示されている国際的グループでは、ヨーロッパの会社


コードで会社コード間の管理会計が可能です。これは、スペイン、ドイツ、イギリスの会社コー
ドで同じオペレーショナル勘定コード表が使用されているためです。ヨーロッパの会社コード
では、勘定コード表として勘定コード表 YCOA が使用されます。
米国とカナダの会社コードでは、オペレーショナル勘定コード表として勘定コード表 CAUS が使
用されます。そのため、北米での会社コードをまたがる管理会計が可能です。
国勘定コード表を使用してレポートを登録するために、国際グループの経営会議において、会社
コードに国の勘定コード表を定義するよう決定されました。
この経営会議では、ヨーロッパと北米を組み合わせた管理会計は必要ではなく、その代わりに連
結を行うことも決定されました。このため、勘定コード表 YCOA と CAUS に対してグループ勘
定コード表 (CONS) が設定されました。

128 © 著作権. All rights reserved.


レッスン: 総勘定元帳 (G/L) 勘定の更新

レッスンのまとめ
以下について学習しました。
● 勘定コード表の基本設定の確認
● 総勘定元帳の構造の概説
● 残高繰越
● G/L 勘定更新のための勘定グループの登録
● G/L 勘定の項目ステータスの設定
● 統制勘定の機能の概説
● G/L 勘定の管理
● G/L 勘定の通貨側面の管理
● 一括処理を使用した G/L 勘定の更新
● グループ勘定コード表および国勘定コード表の更新

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3章
レッスン 2
利益センタおよびセグメントの登録

レッスンの概要
このレッスンでは、利益センタおよびセグメントの更新方法について説明します。

ビジネスの例
SAP S/4HANA (FI) では、各会社に対して、貸借対照表や損益計算書などのレポートに使用する
要素またはオブジェクトを定義することができます。多くの場合、そのようなオブジェクトとし
てセグメント特性が選択されます。そのためには、以下のことを理解している必要があります。
● 利益センタおよびセグメントのコンセプト
● セグメントの誘導オプション

レッスンの目的
このレッスンの目的は、以下のとおりです。
● 利益センタ、原価センタ、およびセグメントの登録

利益センタとセグメント

セグメント特性

● セグメント特性は、会社コードレベルの下位のオブジェクト/エンティティの評価を登録でき
る、SAP S/4HANA (FI) で使用可能な標準勘定割当オブジェクトです。
● セグメント特性の目的は、マーケットや製品など、広範な企業でのさまざまな業務活動領域
の詳細分析を可能にすることです。

セグメントは、国際会計原則 (=> IFRS/US-GAAP) のセグメントレポート要件を満たすために使


用することができます。
事業領域オブジェクトまたは利益センタオブジェクトを代替として使用することができます。
事業領域と利益センタは、これまで他の目的で頻繁に使用されていたため、追加の要件を満たす
ためにセグメントが提供されています。
IFRS 8 からの抜粋: 事業セグメント
事業セグメントとは、以下の基準を満たす会社の事業領域の 1 つです。

1. セグメントは、会社の一部として、事業活動に従事し、その活動から収益を獲得し、費用を
負担します (同一企業内の領域間の取引に関する収益および費用を含む)。

2. セグメントは、会社の一部として、その営業利益が、当該セグメントへのリソース割当に関
する意思決定および当該セグメントの収益性評価の観点から、企業の主要な意思決定者によ
って定期的に検査されます。

3. セグメントは、会社の一部として、対応する財務情報を持っています。

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レッスン: 利益センタおよびセグメントの登録

セグメントの誘導

図 59: 利益センタからのセグメントの誘導

セグメントは、利益センタのマスタデータに保存することができます。セグメントは、利益セン
タへの転記時に自動的に転記されます。利益センタにセグメントが存在しない場合、セグメント
転記は行われません。標準的には、セグメントは利益センタから誘導されます。顧客は追加のソ
リューションや誘導を開発することができます。

セグメントの誘導

図 60: セグメントの誘導

© 著作権. All rights reserved. 131


3 章: マスタデータ

セグメント特性は、さまざまな SAP オブジェクトに存在する利益センタ特性から誘導されます。


SAP ノート 1035140 で説明されているように、セグメントには以下の原則が適用されます。
● セグメントの使用は、利益センタを同時に使用する場合にのみ、SAP によって正式に承認さ
れています。
● セグメントは、利益センタの使用によってのみ自動的に誘導することができます。
● 多くのビジネスケース、特にロジスティクスでは、セグメントをマニュアルで入力すること
はできません。
● 多くの標準インタフェースでも、セグメントはサポートされていません。

セグメント特性を利益センタのマスタレコードから誘導できない場合は、セグメントを割り当て
る別の方法を見つける必要があります。
伝票分割がある新総勘定元帳には、以下のオプションが用意されています。
● マニュアル入力
● BAdI 実装 (FAGL_DERIVE_SEGMENT)
● 代入規則の定義
● 標準勘定割当

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3章
演習問題 8
利益センタ、原価センタ、およびセグメントの登録

ビジネスの例
利益センタ会計およびセグメントレポートを総勘定元帳にマッピングする必要があります。こ
のためには、必要なオブジェクトを登録して割り当てる必要があります。利益センタ、原価セン
タ、およびセグメントを登録します。新規原価センタが使用される場所 (会社コード、グループ
と階層、利益センタ) を確認します。

注記:
この演習問題では、会社コードの登録の演習問題で登録した会社コード GR## を使
用する必要があります。
この演習問題で、値に文字 ## が含まれているときは、この文字を講師が指定した数
字に置き換えてください。

1. セグメント SE## (会社の主要事業分野) をサービスグループ ## という名称で登録します。

2. 管理領域 A000 に、PR## という名称で利益センタを登録します。テンプレートとして、管


理領域 A000 の利益センタ T-PCB## を使用できます。
SAP Fiori ラウンチパッドホームページで、ラウンチパッドの General Ledger タイルグルー
プから利益センタ管理タイルを選択します。
以下のデータを使用して、新しい利益センタを登録します。
項目名 値

参照利益センタ
管理領域 A000

利益センタ T-PCB##

新規利益センタ
一般情報
管理領域 A000

利益センタ PR##

利益センタ名 PC グループ ##

テキスト 利益センタグループ ##

有効開始日付 01.01.jjjj (今年度)

有効終了日付 9999/12/31

責任ユーザ 空白のまま

© 著作権. All rights reserved. 133


3 章: マスタデータ

項目名 値

責任者 グループ ##

区分
利益センタロック済 いいえ
組織ユニット
標準階層ノード YBH20 (管理)

セグメント SE##

部署 トレーニング

3. 原価センタグループ ## という名称で原価センタ COCE## を登録します。テンプレートと


して、管理領域 A000 の原価センタ 111## を使用します。
SAP Fiori ラウンチパッドの Controlling タイルグループの原価センタ管理タイルを使用しま
す。
利用可能なアプリがない場合は、SAP Easy Access メニューでトランザクションコード KS01
を使用できます。
原価センタに対して、以下のデータを使用します。
項目名 値

参照原価センタ
管理領域 A000

原価センタ 111##

新規原価センタ
管理領域 A000

原価センタ COCE##

名称 原価センタ ##

テキスト 原価センタグループ ##

有効開始日付 01.01.jjjj (今年度)

有効終了日付 9999/12/31

責任ユーザ 空白のまま
責任者 グループ ##

責任ユーザ 空白のまま

部署 トレーニング
原価センタカテゴリ 4 (管理)

標準階層ノード B## (部署グループ ##)

会社コード GR##

134 © 著作権. All rights reserved.


レッスン: 利益センタおよびセグメントの登録

項目名 値

事業領域 空白のまま
利益センタ PR##

機能領域 YB40 (管理)

注記:
正しい会社コード (GR##) および利益センタ (PR##) を選択してください。

登録したセグメント SE## が利益センタ PR## に割り当てられ、利益センタ PR## が原価セ


ンタ COCE## に割り当てられました。

4. 新しい原価センタが使用される場所 (会社コード、グループ、階層、利益センタ) を確認しま


す。
SAP Fiori ラウンチパッドホームページの Controlling タイルグループの使用先一覧 - 原価セ
ンタタイルを使用します ("使用先" として、会社コード、グループおよび階層、利益センタを
表示)。
以下のデータを使用します。
項目名 値

管理領域 A000

原価センタ COCE##

© 著作権. All rights reserved. 135


3章
解答 8
利益センタ、原価センタ、およびセグメントの登録

ビジネスの例
利益センタ会計およびセグメントレポートを総勘定元帳にマッピングする必要があります。こ
のためには、必要なオブジェクトを登録して割り当てる必要があります。利益センタ、原価セン
タ、およびセグメントを登録します。新規原価センタが使用される場所 (会社コード、グループ
と階層、利益センタ) を確認します。

注記:
この演習問題では、会社コードの登録の演習問題で登録した会社コード GR## を使
用する必要があります。
この演習問題で、値に文字 ## が含まれているときは、この文字を講師が指定した数
字に置き換えてください。

1. セグメント SE## (会社の主要事業分野) をサービスグループ ## という名称で登録します。


a) カスタマイジングで企業構造 → 定義 → 財務会計 → 定義: セグメントを選択します。

b) 新規エントリ (または編集 → 新規エントリ) を選択します。

c) 以下の値を入力します。
項目名 値

セグメント SE##

テキスト サービスグループ ##

d) 保存を選択します。

e) 前画面を 2 回選択して、IMG 照会画面に戻ります。

2. 管理領域 A000 に、PR## という名称で利益センタを登録します。テンプレートとして、管


理領域 A000 の利益センタ T-PCB## を使用できます。
SAP Fiori ラウンチパッドホームページで、ラウンチパッドの General Ledger タイルグルー
プから利益センタ管理タイルを選択します。
以下のデータを使用して、新しい利益センタを登録します。
項目名 値

参照利益センタ
管理領域 A000

利益センタ T-PCB##

136 © 著作権. All rights reserved.


レッスン: 利益センタおよびセグメントの登録

項目名 値

新規利益センタ

一般情報
管理領域 A000

利益センタ PR##

利益センタ名 PC グループ ##

テキスト 利益センタグループ ##

有効開始日付 01.01.jjjj (今年度)

有効終了日付 9999/12/31

責任ユーザ 空白のまま
責任者 グループ ##

区分
利益センタロック済 いいえ
組織ユニット
標準階層ノード YBH20 (管理)

セグメント SE##

部署 トレーニング

a) SAP Fiori ラウンチパッドホームページで General Ledger タイルグループの利益センタ


管理タイルを選択します。

b) 必要に応じて、ヘッダ展開 (画面の上部中央にあるボタン) をクリックします。

c) 以下のデータを入力して開始を選択します。
項目名 値

参照利益センタ
管理領域 A000

利益センタ T-PCB##

d) 利益センタ T-PCB## の行を選択/マークします。

e) (画面の右側にある) コピーを選択します。

f) 以下のデータを入力します。
項目名 値

新規利益センタ
一般情報
管理領域 A000

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3 章: マスタデータ

項目名 値

利益センタ PR##

利益センタ名 PC グループ ##

テキスト 利益センタグループ ##

有効開始日付 01.01.jjjj (今年度)

有効終了日付 9999/12/31

責任ユーザ 空白のまま
責任者 グループ ##

区分
利益センタロック済 いいえ

組織ユニット
標準階層ノード YBH20 (管理)

セグメント SE##

部署 トレーニング

g) 登録を選択します。

h) SAP ロゴ (ホームページにナビゲート) ボタンを選択して、SAP Fiori ラウンチパッドホー


ムページに戻ります。

3. 原価センタグループ ## という名称で原価センタ COCE## を登録します。テンプレートと


して、管理領域 A000 の原価センタ 111## を使用します。
SAP Fiori ラウンチパッドの Controlling タイルグループの原価センタ管理タイルを使用しま
す。
利用可能なアプリがない場合は、SAP Easy Access メニューでトランザクションコード KS01
を使用できます。
原価センタに対して、以下のデータを使用します。
項目名 値

参照原価センタ
管理領域 A000

原価センタ 111##

新規原価センタ
管理領域 A000

原価センタ COCE##

名称 原価センタ ##

テキスト 原価センタグループ ##

138 © 著作権. All rights reserved.


レッスン: 利益センタおよびセグメントの登録

項目名 値

有効開始日付 01.01.jjjj (今年度)

有効終了日付 9999/12/31

責任ユーザ 空白のまま
責任者 グループ ##

責任ユーザ 空白のまま

部署 トレーニング
原価センタカテゴリ 4 (管理)

標準階層ノード B## (部署グループ ##)

会社コード GR##

事業領域 空白のまま
利益センタ PR##

機能領域 YB40 (管理)

注記:
正しい会社コード (GR##) および利益センタ (PR##) を選択してください。

登録したセグメント SE## が利益センタ PR## に割り当てられ、利益センタ PR## が原価セ


ンタ COCE## に割り当てられました。
a) SAP Fiori ラウンチパッドホームページで Controlling タイルグループの原価センタ管理
タイルを選択します。

b) 必要に応じて、ヘッダ展開 (画面の上部中央にあるボタン) をクリックします。

c) 以下のデータを入力します。
項目名 値

参照原価センタ
管理領域 A000

原価センタ 111##

d) 開始を選択します。

e) 原価センタ 111## の行を選択/マークします。

f) (画面の右側にある) コピーを選択します。

g) 以下のデータを入力します。

© 著作権. All rights reserved. 139


3 章: マスタデータ

項目名 値
新規原価センタ
一般情報
管理領域 A000

原価センタ COCE##

名称 原価センタ ##

テキスト 原価センタグループ ##

有効開始日付 01.01.jjjj (今年度)

有効終了日付 9999/12/31

責任ユーザ 空白のまま
責任者 グループ ##

部署 トレーニング
原価センタカテゴリ 4 (管理)

組織ユニット
標準階層ノード B## (部署グループ ##)

会社コード GR##

事業領域 空白のまま
利益センタ PR##

機能領域 YB40 (管理)

h) 登録を選択します。

i) SAP ロゴ (ホームページにナビゲート) を選択して、SAP Fiori ラウンチパッドホームペー


ジに戻ります。

4. 新しい原価センタが使用される場所 (会社コード、グループ、階層、利益センタ) を確認しま


す。
SAP Fiori ラウンチパッドホームページの Controlling タイルグループの使用先一覧 - 原価セ
ンタタイルを使用します ("使用先" として、会社コード、グループおよび階層、利益センタを
表示)。
以下のデータを使用します。
項目名 値

管理領域 A000

原価センタ COCE##

a) SAP Fiori ラウンチパッドホームページで Controlling タイルグループの使用先一覧 - 原


価センタタイルを選択します。

140 © 著作権. All rights reserved.


レッスン: 利益センタおよびセグメントの登録

b) 以下のデータを入力します。
項目名 値

管理領域 A000

原価センタ COCE##

使用箇所 項目の端にある記号をクリックします。
使用箇所: 会社コード 選択

使用箇所: グループおよび階層 選択

使用箇所: 利益センタ 選択

c) OK を選択してから、開始を選択します。

d) 詳細情報を表示するには、行の末尾にある矢印をクリックします (例: 会社コード)。

e) 利用可能マッチが画面の右側に表示されます。

f) 画面の左側で、グループおよび階層にナビゲートすることができます。行の最後の矢印を
クリックします。その他... .

g) SAP ロゴ (ホームページにナビゲート) を選択して、SAP Fiori ラウンチパッドホームペー


ジに戻ります。

© 著作権. All rights reserved. 141


3 章: マスタデータ

レッスンのまとめ
以下について学習しました。
● 利益センタ、原価センタ、およびセグメントの登録

142 © 著作権. All rights reserved.


3章
レッスン 3
ビジネスパートナの管理

レッスンの概要
このレッスンでは、ビジネスパートナデータの管理方法について説明します。

ビジネスの例
SAP S/4HANA の導入により、ビジネスパートナコンセプトという新しいコンセプトが導入され
ました。経営陣は、この新しいコンセプトにおける債権および債務のマスタデータ登録および設
定の方法について理解したいと考えています。そのためには、以下のことを理解している必要が
あります。
● ビジネスパートナを使用した債権および債務マスタデータの登録方法
● ビジネスパートナの設定方法
● ビジネスパートナと FI モジュールの統合
● ワンタイム勘定の管理方法
● マスタレコードの要承認項目の定義方法

レッスンの目的
このレッスンの目的は、以下のとおりです。
● ビジネスパートナデータについての説明
● 得意先/仕入先統合についての理解
● ビジネスパートナおよび項目ステータス
● 得意先/仕入先の追加設定

ビジネスパートナカテゴリ
SAP S/4HANA では、ビジネスパートナは得意先と仕入先の管理に使用するマスタレコードで
す。ビジネスパートナ、得意先、および仕入先に対するマスタデータを登録、編集、および表示
するための単一の入力ポイントが提供されます。

© 著作権. All rights reserved. 143


3 章: マスタデータ

図 61: ビジネスパートナカテゴリの設定

"ビジネスパートナカテゴリ" という用語は、ビジネスパートナを、たとえば、個人 (個人事業主)


や組織 (法人または法人の一部 (会社の部門など)) として分類するために使用される用語です。
原則として、ビジネスパートナカテゴリによって、データ入力に利用可能な項目が決まります。
たとえば、ビジネスパートナを組織として登録する場合は、項目の 1 つに法的書式を入力するこ
とができます。個人の場合は、名、姓、性別などを入力します。ビジネスパートナが登録された
ら、ビジネスパートナカテゴリを選択する必要があります (必須エントリ)。ビジネスパートナカ
テゴリの割当は静的であり、ビジネスパートナの登録後は変更できません。

ビジネスパートナロール

図 62: ビジネスパートナロール

144 © 著作権. All rights reserved.


レッスン: ビジネスパートナの管理

ビジネスパートナは、契約パートナ (FI-CA)、FI 仕入先 (FI-AP)、FI 得意先 (FI-AR)、得意先


(SD)、仕入先 (MM)、見込顧客 (潜在顧客)、ビジネスパートナ (一般) などの複数のロールを持つ
ことができます。一般に、ビジネスパートナ (BP) ロールは、ビジネスパートナが表示されるビ
ジネスコンテキストに対応しており、アプリケーション固有のデータを提供します。1 つまたは
複数の BP ロールを担うビジネスパートナを登録することができます。名称、住所、銀行詳細な
どの共通データは、一回だけ登録する必要があります。BP ロールの一般ビジネスパートナは、
データの基になる開始ポイントとして、常に新しいビジネスパートナへ自動的に割り当てられま
す。

ビジネスパートナセグメント (一般データと会社コードデータ)

ビジネスパートナセグメント (一般データと FI)

図 63: ビジネスパートナセグメント (一般データと FI)

一般データ
アプリケーション共通のデータ (名前、住所情報、銀行詳細など) は、ビジネスパートナマスタレ
コードの一般データに格納されます。
会社コード
会社コード固有のデータが含まれています。特定のビジネスパートナとの取引を行う会社は、会
社コードレベルを登録する必要があります。会社コードデータには、統制勘定、支払条件、支払
方法、督促データ、連絡文書設定などの情報が含まれています。転記ブロックの設定も更新でき
ます。

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3 章: マスタデータ

ビジネスパートナセグメント (一般データ、FI、および MM)

図 64: ビジネスパートナセグメント (一般データ、FI、および MM)

在庫/購買管理で、ある仕入先に対する調達プロセスを実行するには、その仕入先のビジネスパ
ートナマスタレコードに、在庫/購買管理に使用されている対応するビジネスパートナロール
(BP ロール FLVN01 - サプライヤなど) が必要です。マスタレコードの会社コードデータが 1 つ
の会社コードに固有であるのと同様に、購買データは 1 つの購買組織に固有のデータです。1 つ
の仕入先マスタレコードに複数の会社コードレベルを割当できるのと同様に、複数の購買データ
レベルを割当できます。各購買データレベルは、1 つの購買組織に固有のデータを表します。ビ
ジネパートナマスタレコードの購買データにアクセスするには、SAP Fiori アプリビジネスパー
トナ更新を使用します。または、SAP Easy Access メニューで、トランザクション BP を使用す
ることもできます。
完全で統合された仕入先コードには、以下の 3 つのセグメントがあります。
● クライアントレベルの一般データ
● 会社コードレベル
● 購買組織レベル

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レッスン: ビジネスパートナの管理

ビジネスパートナセグメント (一般データ、FI、および SD)

図 65: ビジネスパートナセグメント (一般データ、FI、および SD)

販売管理部門は得意先とやり取りするため、すべての得意先に関する詳細データが必要です。こ
のため、ビジネスパートナロール FLCU01 - 得意先などの得意先ごとに販売エリアレベルを登録
することができます。得意先と取引を行う販売エリアでは、最初にその販売エリアレベルを登録
する必要があります。このレベルには、販売エリア固有のデータが含まれています。ビジネパー
トナマスタレコードの販売データにアクセスするには、SAP Fiori アプリビジネスパートナ更新
を使用します。または、SAP Easy Access メニューで、トランザクション BP を使用することも
できます。
完全で統合された得意先コードには、以下の 3 つのセグメントがあります。
● クライアントレベルの一般データ
● 会社コードレベル
● 販売エリアレベル

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3 章: マスタデータ

ビジネスパートナロールグループ

図 66: ビジネスパートナロールグループ

SAP ビジネスパートナを使用して、ロールをグループ化することができます。ロールをグループ
化すると、1 人の担当者が 1 ステップで異なるロール (FI (FI 得意先) や SD (得意先) など) の 1 つ
の得意先またはビジネスパートナを登録できます。この機能を使用すると、ビジネスパートナの
集中更新を実行できます。財務会計、販売管理、在庫/購買管理など、すべての領域のデータレ
コードを同時に登録することができます。

注記:
債権管理と販売管理の両方を導入する場合は、両方のチームのメンバーが協力する必
要があります。この共同作業により、得意先マスタレコードの設定方法および更新の
責任者を決定することができます。

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レッスン: ビジネスパートナの管理

得意先と仕入先の統合
得意先/仕入先統合のコンセプト

図 67: 得意先/仕入先統合のコンセプト

ビジネスパートナの得意先/仕入先統合は、財務会計 (FI) と SAP ビジネスパートナを並行して使


用する場合に必要となることがあります。
企業外部会計である財務会計 (FI) の債権管理および債務管理は、債権 (AR) および債務 (AP) 補助
元帳の一部として使用され、すべての得意先および仕入先の会計データを管理します。財務会計
では、独自の得意先/仕入先マスタレコードを使用します。これらのレコードは、すべての会計
取引 (勘定に対する取引の登録、転記データの処理など) で利用されます。
Loans Management (FS-CML) や SAP Treasury and Risk Management (TRM) などのその他の
アプリケーションも、ビジネスパートナの管理に SAP ビジネスパートナを使用します。
得意先と仕入先の統合では、互いを独立して使用することができます。得意先の統合のみを使用
する会社もあれば、仕入先の統合も必要な会社もあります。得意先/仕入先の統合には、1 つのシ
ステム/1 つのクライアントソリューションが意図されています。

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3 章: マスタデータ

ビジネスパートナ - 得意先/仕入先統合プロセス

図 68: ビジネスパートナ - 得意先/仕入先統合プロセス

ビジネスパートナには 1 つの得意先/仕入先のみを割り当てることができます。逆の場合も同様
です (1:1 割当)。対応するビジネスパートナロールでは、1 つの得意先と 1 つの仕入先を 1 つのビ
ジネスパートナに同時に割り当てることができます。
得意先/仕入先統合は、システムによってマスタデータが処理される間にバックグラウンドで実
行されます。ビジネスパートナを登録すると、そのビジネスパートナの情報に従って、得意先/
仕入先内のすべての入力必須項目がシステムにより転記されます。技術的には、ビジネスパート
ナの更新時に、対応する得意先/仕入先が同時に更新されます。
得意先/仕入先マスタレコードは、カスタマイジングで同期コントロールおよび得意先/仕入先統
合に対して行った設定に従って、ビジネスパートナにリンクされます。
生成が可能な得意先ビジネスパートナロールカテゴリを選択している場合に限り、ビジネスパー
トナの作成中に、得意先/仕入先を生成できます。
ビジネスパートナの処理時に、得意先/仕入先マスタレコードに関連するデータも更新していま
す。

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レッスン: ビジネスパートナの管理

BP 得意先統合 - 番号範囲とグルーピング

図 69: BP 得意先統合 - 番号範囲とグルーピング

BP 得意先統合 - BP ロールカテゴリと勘定グループ

図 70: BP 得意先統合 - BP ロールカテゴリと勘定グループ

カスタマイジングでは、得意先および仕入先マスタレコードの勘定グループをビジネスパートナ
グルーピングに割り当てて、ビジネスパートナの処理と同時にシステムによって得意先および仕
入先が更新されるようにします。
同一コードフラグは、得意先マスタレコード/仕入先マスタレコードを得意先/仕入先統合の一部
として登録するときに、現在処理されているビジネスパートナ番号と同じ番号を使用するよう設
定します。そのための前提条件は次のとおりです。

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3 章: マスタデータ

● 得意先/仕入先およびビジネスパートナの番号範囲が同じ領域である
● 財務会計 (FI) で外部番号割当が設定されている

ビジネスパートナと得意先/仕入先に同じ番号を設定する必要はありません。ビジネスパートナ
と得意先/仕入先に同じ番号を設定しないという選択肢もあります。

ビジネスパートナグルーピング - 番号範囲

ビジネスパートナグルーピング

図 71: ビジネスパートナグルーピング

ビジネスパートナの登録時には、各ビジネスパートナをグルーピングに割り当てる必要がありま
す。グルーピングによって、番号範囲 (外部または内部) が決まります。この割当は後で変更でき
ません。カスタマイジングでは、グルーピング、その内容説明、関連する番号範囲、およびその
他の属性を定義します。
また、内部および外部番号割当の標準グループを定義することもできます。さらに、グルーピン
グ項目のエントリにより、ビジネスパートナ番号項目に入力が行われるかどうか、およびその方
法が決定されます。
各番号範囲について、その番号割当が外部採番または内部採番のいずれであるかを定義すること
ができます。内部番号はシステムによって割り当てられ、外部番号はレコードの登録時にユーザ
が割り当てます。外部番号には、英数字を使用することができます。
カスタマイジング設定で "非表示" グルーピングを選択することができます。この項目は、グルー
ピングをドロップダウンリストボックスや F4 ヘルプで選択できるようにするかどうかを制御し
ます。この区分を設定すると、グルーピングが非表示になり、ダイアログで選択できなくなりま
す。これは、たとえばグルーピングをデータ交換 (外部インタフェース) 用に予約する必要がある
場合に役立ちます。

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レッスン: ビジネスパートナの管理

ビジネスパートナ番号範囲

図 72: ビジネスパートナ番号範囲

各番号範囲について、その番号割当が外部採番または内部採番のいずれであるかを定義すること
ができます。内部番号はシステムによって割り当てられ、外部番号はレコードの登録時にユーザ
が割り当てます。外部番号には、英数字も使用できます。
"同一コード" の切替が設定されている場合、得意先勘定グループおよび仕入先勘定グループの番
号範囲は、SAP ビジネスパートナ設定に従う必要があります。

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3 章: マスタデータ

得意先または仕入先の勘定グループ

図 73: 得意先または仕入先の勘定グループ

すべての得意先および仕入先に勘定グループがあります。SAP ビジネスパートナでは、得意先/
仕入先統合でグルーピングを使用して勘定グループがリンクされます。

得意先または仕入先の番号範囲

図 74: 得意先または仕入先の番号範囲

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レッスン: ビジネスパートナの管理

各番号範囲について、その番号割当が外部採番または内部採番のいずれであるかを定義すること
ができます。外部番号には、英数字を使用することができます。
各番号範囲は、1 つ以上の勘定グループに割り当てることができます。
財務会計では、得意先または仕入先コードを登録した後でその勘定グループを変更することはで
きません。
同一コードの切替が設定されている場合、得意先勘定グループおよび仕入先勘定グループの番号
範囲は、SAP ビジネスパートナ設定に合わせる必要があります。この場合、勘定グループに対し
て外部番号割当を使用する必要があります。同一コードが設定されていない場合は、柔軟性が高
まり、勘定グループに対して内部番号割当を使用することができます。

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3 章: マスタデータ

156 © 著作権. All rights reserved.


3章
演習問題 9
ビジネスパートナグルーピングおよび得意先勘定
グループのカスタマイジング設定の登録と得意
先/仕入先統合の更新

ビジネスの例
得意先/仕入先マスタデータは、会計部門で登録します。そのため、ビジネスパートナ機能が使
用されます。ビジネスパートナ/統合カスタマイジングに加え、得意先/仕入先勘定グループを登
録および設定する必要があります。これらの勘定グループは、得意先と仕入先の統合にも必要で
す (ビジネスパートナ)。

注記:
この演習問題では、会社コードの登録の演習問題で登録した会社コード GR## を使
用する必要があります。
この演習問題では、元の番号 ## に値 30 を追加する必要がある場合があります (た
とえば、グループ 07 → 07+30 = 37、グループ 15 --> 15+30 = 45)。
## と (##+30) のどちらを使用すべきか注意してください。

ビジネスパートナ (得意先コード):
● 勘定コードは、BP に自動的に割り当てられます (BP と得意先は同じ勘定コードです)。
● 支払条件は、必ず記帳担当者が指定する必要があります。
● 債権部門管理者は、検索語句 A/1 (入力必須) が使用できるようになることを望んでいます。

タスク 1: ビジネスパートナグルーピングおよび得意先勘定グループの登録 (番号範囲を含む)。


得意先/仕入先統合の更新 (得意先)

1. FI 得意先および FI 仕入先に対して独自のロールを登録する必要がありますか。その場合、理
由は何ですか。そうでない場合、理由は何ですか。

2. FI 得意先および FI 仕入先に対して SAP が提供する標準ロールは何ですか。

3. 一般の得意先コード用に、得意先 ## というテキストで BP グルーピング AC## を新規登録


します。番号範囲 (内部) は 200##00 から 200##99 です (番号範囲番号: (##+30))。

4. 一般の得意先コード用に、得意先グループ ## というテキストで勘定グループ (D##) を新規


登録します (得意先はビジネスパートナと同じ番号である必要があります)。勘定グループ
KUNA をテンプレートとして使用します。マスタレコードの登録時に、経理担当者が検索語
句 A/1 項目と支払条件項目に入力する必要があることを確認します。

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3 章: マスタデータ

5. 得意先コードの番号範囲 (##+30) を新規登録し、新しい勘定グループ D## に割り当てます。


ビジネスパートナと得意先は同じ番号である必要があります (番号範囲
000200##00-000200##99)。得意先勘定グループの場合、この番号範囲を外部として宣
言する必要があります。
システムで先行ゼロを入力することが重要です。

6. 得意先/仕入先統合で、以下のデータを使用して、新規グルーピング AC## を新規勘定グル


ープ D## にリンクします (ビジネスパートナと得意先は同じ番号である必要があります)。

項目名 値

グルーピング AC##

勘定グループ D##

タスク 2: 2 つの異なるアプリを使用した 2 つのビジネスパートナ (得意先) の登録

1. SAP Fiori ラウンチパッドホームページの Accounts Receivable タイルグループのビジネス


パートナ更新タイルを使用して、以下のデータで得意先コードを新規登録します。
項目名 値

カテゴリ 組織
ビジネスパートナ 空白のまま
グルーピング 得意先 ## (新規グルーピング)

BP 役割の登録 トレーニング FI 得意先 S4F (ZFCU00)

項目名 値

名称 任意
検索語句 1 グループ ##

都道府県/番地 任意

郵便番号 任意 (数値、5 桁)

市区町村 任意
国 DE

地域 BW

言語 英語 (またはユーザの言語)

項目名 値

会社コード GR##

項目名 値

統制勘定 12100000 (売掛金 - 国内)

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レッスン: ビジネスパートナの管理

項目名 値

ソートキー 003 (伝票日付)

項目名 値

支払条件 0001

2. FI の得意先コードも登録されたかどうかを確認します。得意先リスト照会アプリを使用しま
す。

3. 新しい得意先コードに割り当てられている勘定グループを確認します。得意先マスタデータ
管理アプリ (Accounts Receivable タイルグループ) を使用します。

4. 得意先マスタデータ管理 SAP Fiori アプリで、以下のデータを使用して、2 番目の得意先コー


ドを登録します。

表 17: ビジネスパートナ 1
項目名またはデータ型 値
ビジネスパートナ 空白のまま
グルーピング 得意先 ## (200##00-200##99、内部)

BP ロール FLCU00 (ビジネスパートナの FI 得意先)

名称 1 自分の新規得意先 ## (## = グループ番


号)

地名 地名を入力
番地 任意の番地を入力
市区町村 Walldorf

郵便番号 69190

国/地域 DE (ドイツ)

地域 BW

言語 言語を選択
会社コード GR##

統制勘定 12100000

少し後で必要:

支払条件 0001

検索語句 1 グループ ##

得意先コードを書き留めておきます。
_____________________________

タスク 3: ビジネスパートナの登録 (仕入先)

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3 章: マスタデータ

1. SAP Fiori ラウンチパッドの Accounts Payable タイルグループのビジネスパートナ更新タイ


ルを使用して、新しい仕入先コード (ビジネスパートナカテゴリ: 組織) を登録します。以下
のデータを使用します。
項目名 値

カテゴリ 組織
ビジネスパートナ Vendor##

グルーピング Ext.alpha-num.numb (a-z;CUST/


SUPL)

BP 役割の登録 トレーニング FI 仕入先 S4F

名称 任意
検索語句 1 グループ ##

都道府県/番地 任意/任意

郵便番号 任意 (数値、5 桁)

市区町村 任意
国 DE

地域 BW

言語 JA

会社コード GR##

統制勘定 21100000 (買掛金 - 国内)

2. FI の仕入先コードも登録されたかどうかを確認します。仕入先一覧照会アプリを使用しま
す。

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3章
解答 9
ビジネスパートナグルーピングおよび得意先勘定
グループのカスタマイジング設定の登録と得意
先/仕入先統合の更新

ビジネスの例
得意先/仕入先マスタデータは、会計部門で登録します。そのため、ビジネスパートナ機能が使
用されます。ビジネスパートナ/統合カスタマイジングに加え、得意先/仕入先勘定グループを登
録および設定する必要があります。これらの勘定グループは、得意先と仕入先の統合にも必要で
す (ビジネスパートナ)。

注記:
この演習問題では、会社コードの登録の演習問題で登録した会社コード GR## を使
用する必要があります。
この演習問題では、元の番号 ## に値 30 を追加する必要がある場合があります (た
とえば、グループ 07 → 07+30 = 37、グループ 15 --> 15+30 = 45)。
## と (##+30) のどちらを使用すべきか注意してください。

ビジネスパートナ (得意先コード):
● 勘定コードは、BP に自動的に割り当てられます (BP と得意先は同じ勘定コードです)。
● 支払条件は、必ず記帳担当者が指定する必要があります。
● 債権部門管理者は、検索語句 A/1 (入力必須) が使用できるようになることを望んでいます。

タスク 1: ビジネスパートナグルーピングおよび得意先勘定グループの登録 (番号範囲を含む)。


得意先/仕入先統合の更新 (得意先)

1. FI 得意先および FI 仕入先に対して独自のロールを登録する必要がありますか。その場合、理
由は何ですか。そうでない場合、理由は何ですか。
a) SAP では、得意先および仕入先に対して提供されているロールを使用することをお奨め
します。項目ステータスの制御やその他の処理は他のオブジェクトによってバックグラ
ウンドで実行されるため、追加ロールに付加価値はありません。そのため、独自のロール
では、更新作業が増え、付加価値はありません。ユーザにとって、ロールが増えるという
ことは複雑さが増すことを意味します。

2. FI 得意先および FI 仕入先に対して SAP が提供する標準ロールは何ですか。


a) FI 得意先の標準ロール: FLCU00 - ビジネスパートナの FI 得意先

b) FI 仕入先の標準ロール: FLVN00 - ビジネスパートナの FI 仕入先

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3 章: マスタデータ

3. 一般の得意先コード用に、得意先 ## というテキストで BP グルーピング AC## を新規登録


します。番号範囲 (内部) は 200##00 から 200##99 です (番号範囲番号: (##+30))。
a) カスタマイジングで、クロスアプリケーションコンポーネント → SAP ビジネスパート
ナ → ビジネスパートナ → 基本設定 → 番号範囲/グルーピング → 定義: 番号範囲を選択
します。

b) 番号範囲変更を選択します。

c) 行挿入 (F6) を選択します。

d) 以下のデータを入力します。
項目名 値

番号範囲番号 (##+30) (例: グループ 10: 10+30 =40)

開始番号 200##00

終了番号 200##99

外部 選択しない

e) 保存を選択します。

f) 必要に応じて、続行 (Enter) を押して情報メッセージを確認します。

g) 前画面を (2 回) 選択して、IMG に戻ります。

h) IMG で、アクティビティ番号範囲/グルーピング → 定義: グルーピング/割当: 番号範囲を


選択します。

i) 新規エントリボタンを選択します。

j) 以下のデータを入力します。
項目名 値

グルーピング AC##

名称 (短) GR##

テキスト 得意先 ## (200##00-200##99、内部)

番号範囲 (##+30)

k) 保存を選択します。

l) 終了を選択して、IMG に戻ります。

4. 一般の得意先コード用に、得意先グループ ## というテキストで勘定グループ (D##) を新規


登録します (得意先はビジネスパートナと同じ番号である必要があります)。勘定グループ
KUNA をテンプレートとして使用します。マスタレコードの登録時に、経理担当者が検索語
句 A/1 項目と支払条件項目に入力する必要があることを確認します。
a) カスタマイジングで、財務会計 → 債権管理および債務管理 → 得意先コード → マスタデ
ータ → 得意先マスタデータ登録準備 → 定義: 得意先勘定グループ/画面レイアウトを選
択します。

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レッスン: ビジネスパートナの管理

b) KUNA を選択し、別名コピー... (F6) を押します。

c) 以下のデータを入力します。
項目名 値

勘定グループ D##

テキスト 得意先グループ ##

d) 画面の項目ステータスセクションで一般データをダブルクリックして、項目ステータスを
確認します。

e) 画面のグループ選択セクションで、住所をダブルクリックします。

f) 検索語句 A が必須入力項目として定義されていることを確認します。必要に応じて、フ
ラグを設定します。

g) 前画面を (2 回) 選択して、ビュー "得意先勘定グループ" 変更: 詳細画面に戻ります。

h) 画面の項目ステータスセクションで、会社コードデータをダブルクリックします。

i) 画面のグループ選択セクションで、支払処理をダブルクリックします。

j) 支払条件が必須入力項目として定義されていることを確認します。必要に応じて、フラグ
を設定します。

k) 保存を選択します。

l) 概要画面に戻ります。

m) 保存を再度選択します。

n) (ステータスバーに) データが保存されましたというメッセージが表示されます。

o) 前画面を選択して、IMG に戻ります。

5. 得意先コードの番号範囲 (##+30) を新規登録し、新しい勘定グループ D## に割り当てます。


ビジネスパートナと得意先は同じ番号である必要があります (番号範囲
000200##00-000200##99)。得意先勘定グループの場合、この番号範囲を外部として宣
言する必要があります。
システムで先行ゼロを入力することが重要です。
a) カスタマイジングで、財務会計 → 債権管理および債務管理 → 得意先コード → マスタデ
ータ → 得意先マスタデータ登録準備 → 登録: 得意先コードの番号範囲を選択します。

b) 番号範囲変更をクリックします。

c) 行挿入 (F6) アイコンをクリックします。

d) 以下のデータを入力します。
項目名 値

番号範囲番号 (##+30)

開始番号 000200##00

終了番号 000200##99

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3 章: マスタデータ

項目名 値

外部 選択

e) 保存を選択します。

f) 必要に応じて、続行 (Enter) を押して情報メッセージを確認します。

g) ステータスバーに、変更は保存されましたというメッセージが表示されます。

h) 前画面を (2 回) 選択して、IMG に戻ります。

i) 得意先マスタデータ登録準備 → 割当: 番号範囲 -> 得意先勘定グループを選択します。

j) 位置... を選択して、勘定グループ D## を選択します。

k) 以下のデータを入力します。
項目名 値

勘定グループ D##

l) 続行 (Enter) をクリックします。

m) 勘定グループ D## に番号範囲 (##+30) を割り当てます。

n) 保存をクリックします。

o) 前画面を選択して、IMG に戻ります。

6. 得意先/仕入先統合で、以下のデータを使用して、新規グルーピング AC## を新規勘定グル


ープ D## にリンクします (ビジネスパートナと得意先は同じ番号である必要があります)。

項目名 値

グルーピング AC##

勘定グループ D##

a) クロスアプリケーションコンポーネント → マスタデータ同期 → 得意先/仕入先統


合 → ビジネスパートナ設定 → 得意先統合設定 → 得意先統合の項目割当 → キー割
当 → 定義: 番号割当: ビジネスパートナ -> 得意先を選択します。

b) 新規エントリを選択します。

c) 以下のデータを入力します。
項目名 値

グルーピング AC##

勘定グループ D##

同一コード 選択

d) 保存を選択します。

e) 前画面を (2 回) 選択して、IMG に戻ります。

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レッスン: ビジネスパートナの管理

タスク 2: 2 つの異なるアプリを使用した 2 つのビジネスパートナ (得意先) の登録

1. SAP Fiori ラウンチパッドホームページの Accounts Receivable タイルグループのビジネス


パートナ更新タイルを使用して、以下のデータで得意先コードを新規登録します。
項目名 値

カテゴリ 組織
ビジネスパートナ 空白のまま
グルーピング 得意先 ## (新規グルーピング)

BP 役割の登録 トレーニング FI 得意先 S4F (ZFCU00)

項目名 値

名称 任意
検索語句 1 グループ ##

都道府県/番地 任意

郵便番号 任意 (数値、5 桁)

市区町村 任意
国 DE

地域 BW

言語 英語 (またはユーザの言語)

項目名 値

会社コード GR##

項目名 値

統制勘定 12100000 (売掛金 - 国内)

ソートキー 003 (伝票日付)

項目名 値

支払条件 0001

a) SAP Fiori ラウンチパッドホームページで、Accounts Receivable タイルグループのビジネ


スパートナ更新タイルを選択します。

b) 組織を選択します。

c) 以下のデータを入力します。

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3 章: マスタデータ

項目名 値

ビジネスパートナ 空白のまま
グルーピング 得意先 ## (新規グルーピング)

BP 役割の登録 トレーニング FI 得意先 S4F


(ZFCU00)

<<ビジネスパートナを登録しますか: 最初に BP ロール 'トレーニング FI 得意先


S4F' または BP ロール 'ビジネスパートナ (一般)' に保存してから変更しますか。
登録を選択すると入力済のデータは保存されません。>> というメッセージがダイアロ
グボックスに表示されます。

d) 登録を選択します。

e) 住所タブで、以下のデータを入力します。
項目名 値

名称 任意
検索語句 1 グループ ##

都道府県/番地 任意

郵便番号 任意 (数値、5 桁)

市区町村 任意
国 DE

地域 BW

言語 EN (または各自の言語)

f) タスクバーで会社コードを選択します。

g) 会社コード GR## を入力し、Enter を押します。

h) 得意先: 口座管理タブページで、以下のデータを入力します。

項目名 値

統制勘定 12100000 (売掛金 - 国内)

ソートキー 003 (伝票日付)

i) 保存を選択します。
必須項目を入力する必要があることを示すメッセージが表示されます (支払条件)。

j) 通常、必須項目は直接表示されます。(表示されない場合は、得意先: 支払処理タブページ
を選択してください)

k) 以下のデータを入力します。

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レッスン: ビジネスパートナの管理

項目名 値

支払条件 0001

l) 保存を選択します。
画面の下部に、以下のメッセージが表示されます。ビジネスパートナ YYYYYYY が登録
されました

m) ビジネスパートナ/得意先の番号をメモしておきます。__________________

n) SAP ロゴをクリックして、SAP Fiori ラウンチパッドに戻ります。

2. FI の得意先コードも登録されたかどうかを確認します。得意先リスト照会アプリを使用しま
す。
a) SAP Fiori ラウンチパッドホームページで、Accounts Receivable タイルグループの得意先
リスト照会タイルを選択します。

b) ヘッダが表示されない場合は、ヘッダ展開 (画面の上部中央にあるボタン) をクリックし


ます。

c) 以下の情報を入力します。
項目名 値

会社コード GR##

d) 開始を選択します。

e) 新しい得意先が一覧に表示されます。番号はビジネスパートナと同じになります。

f) SAP ロゴ (ホームページにナビゲート) を選択します。

3. 新しい得意先コードに割り当てられている勘定グループを確認します。得意先マスタデータ
管理アプリ (Accounts Receivable タイルグループ) を使用します。
a) SAP Fiori ラウンチパッドホームページで、得意先マスタデータ管理アプリ (Accounts
Receivable タイルグループ) をクリックします。

b) 以下の情報を入力します。
項目名 値

ビジネスパートナ 得意先コード

c) 開始を選択します。

d) 新しい得意先が一覧に表示されます。行の最後の矢印 (>) を選択します。

e) マスタレコードシートの最初のタブページである基本データに、得意先情報領域が表示さ
れます。ここで、得意先勘定グループが得意先グループ ## (D##) であることを確認でき
ます。得意先コードはビジネスパートナと同じ番号です。

f) SAP ロゴ (ホームページにナビゲート) を選択します。

4. 得意先マスタデータ管理 SAP Fiori アプリで、以下のデータを使用して、2 番目の得意先コー


ドを登録します。

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3 章: マスタデータ

表 17: ビジネスパートナ 1
項目名またはデータ型 値
ビジネスパートナ 空白のまま
グルーピング 得意先 ## (200##00-200##99、内部)

BP ロール FLCU00 (ビジネスパートナの FI 得意先)

名称 1 自分の新規得意先 ## (## = グループ番


号)

地名 地名を入力
番地 任意の番地を入力
市区町村 Walldorf

郵便番号 69190

国/地域 DE (ドイツ)

地域 BW

言語 言語を選択
会社コード GR##

統制勘定 12100000

少し後で必要:

支払条件 0001

検索語句 1 グループ ##

得意先コードを書き留めておきます。
_____________________________
a) SAP Fiori ラウンチパッドホームページで、Accounts Receivable タイルグループを選択
し、得意先マスタデータ管理 SAP Fiori アプリを開始します。

b) 登録を選択してから、組織を選択します。

c) 表に記載されているデータ (最後の 2 行を除く) を入力し、OK を押します。

d) 登録を選択します。
必須項目を入力する必要があることを示すメッセージが表示されます (支払条件)。

e) 会社コードをクリックしてから、会社コードの行の末尾にある詳細ボタン (>) をクリック


します。

f) 財務をクリックし、以下のデータを入力します。
項目名 値

支払条件 0001

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レッスン: ビジネスパートナの管理

g) 適用をクリックします。

h) 登録を選択します。
必須項目を入力する必要があることを示すメッセージが表示されます (検索語句 1)。

i) 以下のデータを入力します。
項目名 値

検索語句 1 グループ ##

j) 保存を選択します。

k) 表示された得意先コードを書き留めておきます。

l) SAP ロゴ (ホームページにナビゲート) を選択して、SAP Fiori ラウンチパッドホームペー


ジに戻ります。

タスク 3: ビジネスパートナの登録 (仕入先)

1. SAP Fiori ラウンチパッドの Accounts Payable タイルグループのビジネスパートナ更新タイ


ルを使用して、新しい仕入先コード (ビジネスパートナカテゴリ: 組織) を登録します。以下
のデータを使用します。
項目名 値

カテゴリ 組織
ビジネスパートナ Vendor##

グルーピング Ext.alpha-num.numb (a-z;CUST/


SUPL)

BP 役割の登録 トレーニング FI 仕入先 S4F

名称 任意
検索語句 1 グループ ##

都道府県/番地 任意/任意

郵便番号 任意 (数値、5 桁)

市区町村 任意
国 DE

地域 BW

言語 JA

会社コード GR##

統制勘定 21100000 (買掛金 - 国内)

a) SAP Fiori ラウンチパッドホームページで、Accounts Payable タイルグループのビジネス


パートナ更新タイルを選択します。

b) 組織を選択します。

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3 章: マスタデータ

c) 以下のデータを入力します。
項目名 値

ビジネスパートナ Vendor##

グルーピング BPAB

BP 役割の登録 トレーニング FI 仕入先 S4F

<<BP ロール 'トレーニング FI 仕入先 S4F' に、ビジネスパートナを登録しますか。


または、最初に BP ロール 'ビジネスパートナ (一般)' にビジネスパートナを保存し
てから変更しますか。登録を選択すると入力済のデータは保存されません。>> というメ
ッセージがダイアログボックスに表示されます。

d) 登録を選択します。

e) 住所タブページを開き、以下のデータを入力します。
項目名 値

名称 任意
検索語句 1 グループ ##

都道府県/番地 任意/任意

郵便番号 任意 (数値、5 桁)

市区町村 任意
国 DE

地域 BW

言語 JA

f) 新しい仕入先の会社コードデータを登録するには、画面の上部にある会社コードを選択し
ます。

g) 会社コード GR## を入力し、Enter を押します。

h) 仕入先: 口座管理タブページが表示されていない場合は、そのタブを選択します。以下の
データを入力します。
項目名 値

統制勘定 21100000 (買掛金 - 国内)

i) 保存を選択します。
画面の下部に、ビジネスパートナ VENDOR## が登録されましたというメッセージが表示
されます。

j) ビジネスパートナ/仕入先: VENDOR## の番号をメモしておきます。

k) SAP ロゴ (ホームページにナビゲート) を選択します。

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レッスン: ビジネスパートナの管理

2. FI の仕入先コードも登録されたかどうかを確認します。仕入先一覧照会アプリを使用しま
す。
a) SAP Fiori ラウンチパッドホームページで、Accounts Payable タイルグループのサプライ
ヤ一覧照会タイルを選択します。

b) 表示されない場合は、ヘッダ展開 (画面の上部中央にあるボタン) をクリックします。

c) 以下の情報を入力します。
項目名 値

会社コード GR##

d) 開始を選択します。

e) 新しいサプライヤ/仕入先が一覧に表示されます。番号はビジネスパートナと同じになり
ます (VENDOR##)。

f) SAP ロゴ (ホームページにナビゲート) ボタンを選択して、SAP Fiori ラウンチパッドに戻


ります。

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3 章: マスタデータ

項目グルーピング (項目属性)

項目グルーピング

図 75: 項目グルーピング

仕入先コードと得意先コードの項目ステータスは、重要な項目がマークされ、入力が必要な場合
に役に立つため、重要です。たとえば、すべての連絡文書に全住所情報が記載されるようにする
には、項目ステータスを変更して、すべての住所情報項目を必須入力としてマークする必要があ
ります。
ビジネスパートナの項目ステータスを制御するためのさまざまなオプションがあります。FI 得
意先/仕入先の設定を使用して、ビジネスパートナ FI の項目ステータスを制御することをお奨め
します。
つまり、ビジネスパートナ設定上の項目ステータスを最低の優先度レベルで定義して、それらの
設定が SAP ビジネスパートナ (得意先/仕入先) 更新に影響を与えないようにしてください。
更新には、FI カスタマイジングで可能な 3 つの設定 (勘定グループ別項目ステータス、処理別項
目ステータス、および会社コード別項目ステータス) があります。SAP 導入プロジェクトでは、
通常、得意先および仕入先の勘定グループに、対応する項目ステータスがあります。
得意先/仕入先に処理別制御を使用しない場合は、項目ステータスを任意入力に設定します。こ
の項目ステータスは優先度が最も低いため、この設定によって勘定グループ別制御が常に使用さ
れるようになります。

注記:
得意先と仕入先の項目ステータスが BP と FI の両方で制御される場合は、設定が相
互に矛盾しないことが重要です。

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レッスン: ビジネスパートナの管理

ビジネスパートナの項目ステータス - 異なる基準

図 76: ビジネスパートナの項目ステータス - 異なる基準

特殊なケース: ビジネスパートナの項目ステータス - 同じ基準


すべてのビジネスパートナロールで、項目ステータスを更新することができます (推奨ではない
が可能)。ビジネスパートナは複数のロールを持つことができるため、リンクルールがシステム
に格納されます。たとえば、ビジネスパートナに 2 つのロールが割り当てられている場合は、同
じ項目に 2 つの異なる項目ステータスを設定することができます。ビジネスパートナに 3 つの
ロールが割り当てられている場合は、3 つの項目ステータスを設定できます。
たとえば、項目は以下のようになります。
● - 財務会計では非常に重要であり、入力必須項目に設定されています。
● - SD では重要ではなく、非表示に設定されています。

通常のルールが適用される場合、BP でこの項目は非表示になります。そうなると、ビジネスの
観点からは意味がなくなってしまうので、複数の担当ロールに対しては特別なルールが適用され
ます ("同一基準" のルール)。
同じ基準 (複数のビジネスパートナロール) の場合、優先度は以下のとおりです。

1. 必須入力
(最も高い優先度)

2. 任意入力

3. 表示のみ

4. 非表示

5. 指定なし*

(* 指定なしは、有効な意思決定を行っていないことを意味します (一次ステータス))

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3 章: マスタデータ

174 © 著作権. All rights reserved.


3章
演習問題 10
得意先/仕入先および項目ステータスの編集

ビジネスの例
得意先/仕入先マスタデータは、会計部門で登録します。そのため、ビジネスパートナ機能が使
用されます。マスタデータの項目は、有意義な方法で管理する必要があります。たとえば、必須
項目は入力必須項目として管理する必要があります。また、不要な項目は非表示にすると便利で
す。

ビジネスパートナ (得意先) の変更および項目ステータスのカスタマイジング設定の確認

1. (番号を書き留めた) 最初の新規得意先は、新規ソートキーを取得する必要があります。SAP
Fiori ラウンチパッドの Accounts Receivable タイルグループにあるビジネスパートナ更新ア
プリを使用します。項目を更新できない場合は、(カスタマイジングで) 理由を検索してくだ
さい。設定は変更しないでください。

2. 項目ステータスを決定する際に通常適用されるルールはどれですか。

3. また、ビジネスパートナの設定を使用して、得意先/仕入先の項目ステータスを制御すること
もできます (非推奨)。BP カスタマイジングでソートキー項目の設定を確認してください
(BP ロールの設定)。

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3章
解答 10
得意先/仕入先および項目ステータスの編集

ビジネスの例
得意先/仕入先マスタデータは、会計部門で登録します。そのため、ビジネスパートナ機能が使
用されます。マスタデータの項目は、有意義な方法で管理する必要があります。たとえば、必須
項目は入力必須項目として管理する必要があります。また、不要な項目は非表示にすると便利で
す。

ビジネスパートナ (得意先) の変更および項目ステータスのカスタマイジング設定の確認

1. (番号を書き留めた) 最初の新規得意先は、新規ソートキーを取得する必要があります。SAP
Fiori ラウンチパッドの Accounts Receivable タイルグループにあるビジネスパートナ更新ア
プリを使用します。項目を更新できない場合は、(カスタマイジングで) 理由を検索してくだ
さい。設定は変更しないでください。
a) SAP Fiori ラウンチパッドホームページで、Accounts Receivable タイルグループのビジネ
スパートナ更新タイルを選択します。

b) BP オープンを選択します。

c) 以下のデータを入力します。
項目名 値

ビジネスパートナ いずれかの新規得意先のコード

d) Enter を選択します。
結果
得意先は画面に表示されますが、BP ロールはビジネスパートナ (一般) です。

e) BP ロールをトレーニング FI 得意先 S4F に変更します。

f) 照会と変更の切替をクリックします。

g) 会社コードをクリックして、会社コードデータを表示します。
結果
得意先: 口座管理タブにソートキー項目が表示されます。この項目を更新できません。

h) 考えられる原因を考えてみてください。

i) 勘定グループ D## (項目ステータス "ソートキー") の設定を確認します。

j) カスタマイジングで、財務会計 → 債権管理および債務管理 → 得意先コード → マスタデ


ータ → 得意先マスタデータ登録準備 → 定義: 得意先勘定グループ/画面レイアウトを選
択します。

k) 勘定グループ D## をダブルクリックします。

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レッスン: ビジネスパートナの管理

l) 会社コードデータ (項目ステータス) をダブルクリックします。

m) 勘定コード管理 (グループ選択) をダブルクリックします。


結果
ソートキーは、任意入力の項目です。

n) 処理別 (得意先) の変更の設定を確認します。

o) カスタマイジングで、財務会計 → 債権管理および債務管理 → 得意先コード → マスタデ


ータ → 得意先マスタデータ登録準備 → 定義: 処理別の画面レイアウト (得意先) を選択
します。

p) 得意先変更 (共通) をダブルクリックします。

q) 会社コードデータ (項目ステータス) をダブルクリックします。

r) 勘定コード管理 (グループ選択) をダブルクリックします。


結果
ソートキーは、項目ステータスが表示のみの項目です。表示のみは任意入力よりも優先度
が高いため、"表示のみ" が BP/得意先マスタデータの変更時の表示ステータスとなりま
す。この定義は、特定の BP ロールや特定の勘定グループに固有のものではありません。
変更モードですべての得意先に対して有効です。

s) ステータスは変更しないでください (他の参加者がいるため)。

t) 終了を選択して、IMG に戻ります。

2. 項目ステータスを決定する際に通常適用されるルールはどれですか。
a) (ほとんどの場合) 項目ステータスの優先度は以下のとおりです。
1.非表示 (最高の優先度) 2. 表示のみ 3. 必須 4.任意

3. また、ビジネスパートナの設定を使用して、得意先/仕入先の項目ステータスを制御すること
もできます (非推奨)。BP カスタマイジングでソートキー項目の設定を確認してください
(BP ロールの設定)。
a) IMG で、クロスアプリケーションコンポーネント → SAP ビジネスパートナ → ビジネス
パートナ → 基本設定 → 項目グルーピング → 設定: 項目属性 (ビジネスパートナロール
別) を選択します。

b) 設定: 各ロールカテゴリの項目属性 (0001-3500) をダブルクリックします。

c) BP ロール ZFCU00 (トレーニング FI 得意先 S4F) をダブルクリックします。

d) 画面の左にある得意先: 一般会社コードデータをダブルクリックして選択します。
右側に、割り当てられている項目が表示されています。

e) 得意先: ソートキーというエントリにスクロールします。
この設定はすでに指定なしに設定されています。設定は変更しないでください。

f) IMG 照会画面に戻るため、終了を選択します。

© 著作権. All rights reserved. 177


3 章: マスタデータ

フレキシブルグルーピング

図 77: BP およびフレキシブルグルーピング

特定の番号範囲で得意先または仕入先を登録することが必要になる場合があります。たとえば、
会計管理担当者が得意先コードに基づいて重要な情報を受け取る場合や、特定のマスタデータに
対して特別な評価を登録する場合などです。また、マスタデータの項目ステータスに対する要件
によって異なる勘定グループの使用が提案される場合があります。
グループを使用した得意先/仕入先統合における勘定グループの固定定義に加えて、会計担当者
がビジネスパートナの登録時に適切な勘定グループをマニュアルで選択することもできます。

178 © 著作権. All rights reserved.


レッスン: ビジネスパートナの管理

ワンタイム勘定

図 78: 通常の勘定とワンタイム勘定

めったに取引を行わない得意先と仕入先用に、特殊な得意先/仕入先マスタレコードを登録しま
す。このマスタレコードには、ワンタイム得意先/仕入先の債権および債務が含まれています。
他のマスタレコードと比べると、ワンタイム勘定マスタレコードには特定の得意先/仕入先に関
する情報は含まれていません。これは、この勘定を複数の得意先/仕入先で使用するためです。
このため、得意先または仕入先固有の項目はこれらのレコードでは非表示となります。
得意先固有または仕入先固有のデータは、転記時に伝票に直接入力します。

要承認項目の定義

図 79: 二重管理原則

© 著作権. All rights reserved. 179


3 章: マスタデータ

二重管理原則では、ある担当者が得意先または仕入先マスタデータを変更し、別の担当者が変更
内容を確認することができます。通常、これは得意先または仕入先に対する重要な変更に対して
行います。
二重原則を適用する前に、カスタマイジングで得意先または仕入先マスタレコードの二重管理項
目を定義します。得意先または仕入先マスタレコードの項目を要承認と定義すると、エントリが
変更された場合、対応する得意先または仕入先の支払が保留されます。この保留は、権限を持つ
担当者が変更を確認または拒否した場合にのみ解除されます。個別の得意先または仕入先の変
更を確認することができます。または、一覧を作成して変更を確認することもできます。
確認変更一覧を制限するために、以下の項目を使用することができます。
● 得意先または仕入先
● 会社コード
● 未確認の勘定
● 拒絶された勘定
● 自己確認対象の勘定

レポート RFDABL00 または RFKABL00 を使用すると、すべての勘定の得意先または仕入先マス


タレコードに対する変更を照会することができます。

180 © 著作権. All rights reserved.


3章
演習問題 11
要承認項目の定義

ビジネスの例
会計管理責任者は、仕入先タイプを最初の検索語句に入力することに決定しました。この例で
は、仕入先タイプは供給や設備になり、2 番目の検索語句に会社コードを入力する必要がありま
す。最初の検索語句は要承認項目であるため、会計管理責任者はこの項目に対するすべての変更
を確認する必要があります。

注記:
この演習問題で、値に文字 ## が含まれているときは、この文字を講師が指定した数
字に置き換えてください。

検索語句 1 を要承認項目として定義し、仕入先マスタレコードを更新します。変更を確認しま
す。

1. 検索語句 1 を要承認項目として定義します。

2. BP VENDOR## を新しい情報で更新します。Fiori アプリビジネスパートナ更新を使用しま


す。ビジネスパートナ: Vendor## を選択し、変更アクティビティを選択します(トレーニン
グ FI 仕入先 (a-z) というビジネスパートナロールであることに留意してください)。

3. 近くのクラスメートが加えた仕入先マスタレコードに対する変更を確認します。クラスメー
トがいない場合は、各自の仕入先を取得してください。データを照会することはできますが、
変更/確認は行えません。これは次の演習問題では、何の問題もありません。

© 著作権. All rights reserved. 181


3章 Type text here

解答 11
要承認項目の定義

ビジネスの例
会計管理責任者は、仕入先タイプを最初の検索語句に入力することに決定しました。この例で
は、仕入先タイプは供給や設備になり、2 番目の検索語句に会社コードを入力する必要がありま
す。最初の検索語句は要承認項目であるため、会計管理責任者はこの項目に対するすべての変更
を確認する必要があります。

注記:
この演習問題で、値に文字 ## が含まれているときは、この文字を講師が指定した数
字に置き換えてください。

検索語句 1 を要承認項目として定義し、仕入先マスタレコードを更新します。変更を確認しま
す。

1. 検索語句 1 を要承認項目として定義します。
a) カスタマイジングで、財務会計 → 債権管理および債務管理 → 仕入先コード → マスタデ
ータ → 仕入先マスタデータ登録準備 → 定義: 二重管理の要承認項目 (仕入先) を選択し
ます。

b) 新規エントリを選択します。

c) 項目名項目の横にある入力ヘルプを選択して、ADRC-SORT1 をダブルクリックします。

d) 保存を選択し、前画面を選択します。

ヒント:
要承認項目の定義は、クライアント固有ではありません。このため、この項
目の設定はすでに講師や他の受講者によって行われている可能性がありま
す。

2. BP VENDOR## を新しい情報で更新します。Fiori アプリビジネスパートナ更新を使用しま


す。ビジネスパートナ: Vendor## を選択し、変更アクティビティを選択します(トレーニン
グ FI 仕入先 (a-z) というビジネスパートナロールであることに留意してください)。
a) SAP Fiori ラウンチパッドホームページで、Accounts Payable グループのビジネスパート
ナ更新タイルを選択し、以下のデータを入力します。
項目名 値

ビジネスパートナ VENDOR##

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レッスン: ビジネスパートナの管理

Type text here


b) Enter を選択します。

c) VENDOR## をダブルクリックします。

d) 照会と変更の切替 (F7) を選択します。

e) Enter を選択し、以下のデータを入力します。

項目名 値

BP 役割の変更 トレーニング FI 仕入先 (a-z)

f) Enter を選択し、以下のデータを入力します。

項目名 値

検索語句 1 供給

g) 保存を選択します。
仕入先 VENDOR## の変更は未確認ですというメッセージのダイアログボックスが表示
されます。

h) 続行を選択して変更を確定します。

3. 近くのクラスメートが加えた仕入先マスタレコードに対する変更を確認します。クラスメー
トがいない場合は、各自の仕入先を取得してください。データを照会することはできますが、
変更/確認は行えません。これは次の演習問題では、何の問題もありません。
a) SAP Easy Access 画面で、会計管理 → 財務会計 → 債務 → マスタレコード → 変更確
認 → 個別を選択します。または、トランザクションコード FK08 を入力し、以下のエン
トリを更新します。
項目名またはデータ型 値

仕入先 近くのクラスメートの VENDOR##

会社コード 近くのクラスメートの GR ##

b) Enter を選択します。

c) 機密項目に対する変更を選択して、変更内容をチェックします。

d) 項目名をダブルクリックして、変更の詳細情報を照会します。

e) 前画面を 2 回選択します。

f) 確認を選択して、クラスメートの変更内容を確認します (または、クラスメートがいない
場合は前画面を選択します)。

g) 保存を選択します (クラスメートがいない場合は実行できません)。

© 著作権. All rights reserved. 183


3 章: マスタデータ

レッスンのまとめ
以下について学習しました。
● ビジネスパートナデータについての説明
● 得意先/仕入先統合についての理解
● ビジネスパートナおよび項目ステータス
● 得意先/仕入先の追加設定

184 © 著作権. All rights reserved.


3章

学習内容のテスト

1. 勘定を設定するすべての会社コードに対して、勘定コード表を割り当てる必要があります。
この文章の内容は正しいですか、誤りですか。

X 正

X 誤

2. 以下のうち、G/L 勘定の勘定コード表レベルに入力される情報はどれですか。
正しい答えを選択してください (複数可)。

X A 勘定コード

X B 制御項目

X C 連結項目

X D 通貨項目

3. 会社コードに割り当てられた勘定コード表の勘定を使用するには、会社コードレベルを登録
する必要があります。
この文章の内容は正しいですか、誤りですか。

X 正

X 誤

4. 貸借対照表勘定では、残高は未処分利益勘定に繰り越され、貸借対照表勘定の残高はゼロに
なります。
この文章の内容は正しいですか、誤りですか。

X 正

X 誤

5. G/L 勘定に含まれるセグメントを列挙してください。

© 著作権. All rights reserved. 185


3 章: 学習内容のテスト

6. 優先度が最も低い項目ステータスはどれですか (マスタレコード: G/L 勘定)。


正しい答えを選択してください。

X A 必須入力

X B 非表示

X C 任意入力

X D 表示

7. 補助元帳に対するすべての転記は、割り当てられた統制勘定に自動的に転記されます。
この文章の内容は正しいですか、誤りですか。

X 正

X 誤

8. G/L 勘定を登録する場合、SAP S/4HANA システムでは会社コード国内通貨がデフォルト勘


定通貨として使用されます。
この文章の内容は正しいですか、誤りですか。

X 正

X 誤

9. 一括処理を使用して G/L 勘定マスタデータ (CO を含む) を変更する場合に使用できるオプ


ションは、以下のうちどれですか。
正しい答えを選択してください (複数可)。

X A 変更: 勘定コード表データ

X B 変更: 会社コードデータ

X C 変更/登録: 管理領域データ

X D 変更: クライアントレベルデータ

X E 変更: 勘定名 (テキスト)

10. 1 つの勘定コード表の複数の勘定で同じグループ勘定を参照することができます。
この文章の内容は正しいですか、誤りですか。

X 正

X 誤

186 © 著作権. All rights reserved.


3 章: 学習内容のテスト

11. 国勘定コード表の勘定コード (代替勘定コード) は、各勘定コード表レベルに入力します。


この文章の内容は正しいですか、誤りですか。

X 正

X 誤

12. セグメントは、利益センタのマスタデータに保存することができます。
この文章の内容は正しいですか、誤りですか。

X 正

X 誤

13. 多くのビジネスケース、特にロジスティクスでは、セグメントをマニュアルで入力する必要
があります。
この文章の内容は正しいですか、誤りですか。

X 正

X 誤

14. 利益センタは、セグメントを一律に誘導できる最適なオブジェクトです。
この文章の内容は正しいですか、誤りですか。

X 正

X 誤

15. セグメントには時間参照が設定されます。
この文章の内容は正しいですか、誤りですか。

X 正

X 誤

16. セグメントは階層に割り当てられます。
この文章の内容は正しいですか、誤りですか。

X 正

X 誤

© 著作権. All rights reserved. 187


3 章: 学習内容のテスト

17. 同じセグメントを複数の利益センタに割り当てることができます。
この文章の内容は正しいですか、誤りですか。

X 正

X 誤

18. 組織全体からアクセスできるビジネスパートナ (得意先または仕入先) の一般データは、シス


テムのどのレベルに格納されていますか。
正しい答えを選択してください。

X A 組織レベル

X B クライアントレベル

X C 会社コード

X D 勘定レベル

19. 財務会計では、得意先または仕入先コードを登録した後でその勘定グループを変更すること
はできません。
この文章の内容は正しいですか、誤りですか。

X 正

X 誤

20. ワンタイム勘定マスタレコードには、特定の得意先または仕入先に関する情報が含まれてい
ます。
この文章の内容は正しいですか、誤りですか。

X 正

X 誤

21. 得意先コードと仕入先コードで同じ番号範囲を使用することはできません。
この文章の内容は正しいですか、誤りですか。

X 正

X 誤

188 © 著作権. All rights reserved.


3 章: 学習内容のテスト

22. 勘定グループ別、処理別、会社コード別などの個別領域 (FI 得意先/仕入先のカスタマイジン


グ) における項目ステータスエントリは競合し、最も優先度の高い項目ステータスが使用され
ます。
この文章の内容は正しいですか、誤りですか。

X 正

X 誤

23. FI 得意先ロールでビジネスパートナを新規登録する場合、得意先/仕入先統合でグルーピング
に割り当てられた勘定グループが常に使用されます。
この文章の内容は正しいですか、誤りですか。

X 正

X 誤

© 著作権. All rights reserved. 189


Type text here

3章

学習内容のテスト - 解答

1. 勘定を設定するすべての会社コードに対して、勘定コード表を割り当てる必要があります。
この文章の内容は正しいですか、誤りですか。

X 正

X 誤

正解です。勘定を設定するすべての会社コードに対して、勘定コード表を割り当てる必要が
あります。

2. 以下のうち、G/L 勘定の勘定コード表レベルに入力される情報はどれですか。
正しい答えを選択してください (複数可)。

X A 勘定コード

X B 制御項目

X C 連結項目

X D 通貨項目

正解です。G/L 勘定の勘定コード表レベルには、勘定コード、管理項目、連結項目が含まれ
ています。

3. 会社コードに割り当てられた勘定コード表の勘定を使用するには、会社コードレベルを登録
する必要があります。
この文章の内容は正しいですか、誤りですか。

X 正

X 誤

正解です。会社コードに割り当てられた勘定コード表の勘定を使用するには、会社コードレ
ベルを登録する必要があります。

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3 章: 学習内容のテスト - 解答

4. 貸借対照表勘定では、残高は未処分利益勘定に繰り越され、貸借対照表勘定の残高はゼロに
なります。
この文章の内容は正しいですか、誤りですか。

X 正

X 誤

正解です。貸借対照表勘定では、残高は未処分利益勘定に繰り越されず、貸借対照表勘定の
残高はゼロになりません。

5. G/L 勘定に含まれるセグメントを列挙してください。

勘定コード表レベルと会社コードレベルです。

6. 優先度が最も低い項目ステータスはどれですか (マスタレコード: G/L 勘定)。


正しい答えを選択してください。

X A 必須入力

X B 非表示

X C 任意入力

X D 表示

正解です。優先度が最も低い項目ステータスは、任意入力です (マスタレコード: G/L 勘定)。

7. 補助元帳に対するすべての転記は、割り当てられた統制勘定に自動的に転記されます。
この文章の内容は正しいですか、誤りですか。

X 正

X 誤

正解です。補助元帳に対するすべての転記は、割り当てられた統制勘定に自動的に転記され
ます。

8. G/L 勘定を登録する場合、SAP S/4HANA システムでは会社コード国内通貨がデフォルト勘


定通貨として使用されます。
この文章の内容は正しいですか、誤りですか。

X 正

X 誤

正解です。G/L 勘定を登録する場合、SAP S/4HANA システムでは会社コード国内通貨がデ


フォルト勘定通貨として使用されます。

© 著作権. All rights reserved. 191


3 章: 学習内容のテスト - 解答

9. 一括処理を使用して G/L 勘定マスタデータ (CO を含む) を変更する場合に使用できるオプ


ションは、以下のうちどれですか。
正しい答えを選択してください (複数可)。

X A 変更: 勘定コード表データ

X B 変更: 会社コードデータ

X C 変更/登録: 管理領域データ

X D 変更: クライアントレベルデータ

X E 変更: 勘定名 (テキスト)

正解です。一括処理を使用して G/L 勘定マスタデータを変更する場合に使用できるオプシ


ョンは、変更: 勘定コード表データ、変更: 会社コードデータ、変更: 勘定名 (テキスト)、変
更/登録: 管理領域データです。

10. 1 つの勘定コード表の複数の勘定で同じグループ勘定を参照することができます。
この文章の内容は正しいですか、誤りですか。

X 正

X 誤

正解です。1 つの勘定コード表の複数の勘定で同じグループ勘定を参照することができます。

11. 国勘定コード表の勘定コード (代替勘定コード) は、各勘定コード表レベルに入力します。


この文章の内容は正しいですか、誤りですか。

X 正

X 誤

正解です。国勘定コード表の勘定コード (代替勘定コード) は、各 G/L 勘定の会社コードレベ


ルに入力します。この勘定コードは 1 度しか割り当てることができません。

12. セグメントは、利益センタのマスタデータに保存することができます。
この文章の内容は正しいですか、誤りですか。

X 正

X 誤

正解です。セグメントは、利益センタのマスタデータに保存することができます。

192 © 著作権. All rights reserved.


3 章: 学習内容のテスト - 解答

13. 多くのビジネスケース、特にロジスティクスでは、セグメントをマニュアルで入力する必要
があります。
この文章の内容は正しいですか、誤りですか。

X 正

X 誤

正解です。通常、セグメントをマニュアルで入力する必要はありません。

14. 利益センタは、セグメントを一律に誘導できる最適なオブジェクトです。
この文章の内容は正しいですか、誤りですか。

X 正

X 誤

正解です。利益センタは、セグメントを一律に誘導できる最適なオブジェクトです。

15. セグメントには時間参照が設定されます。
この文章の内容は正しいですか、誤りですか。

X 正

X 誤

正解です。セグメントには時間参照が設定されません。

16. セグメントは階層に割り当てられます。
この文章の内容は正しいですか、誤りですか。

X 正

X 誤

正解です。事業領域と同様に、セグメントはどの構造にも割り当てられず、複数の会社コー
ドにまたがって使用することができます。

17. 同じセグメントを複数の利益センタに割り当てることができます。
この文章の内容は正しいですか、誤りですか。

X 正

X 誤

正解です。通常、セグメントの使用は、法的要件に対応しています。通常は少数のセグメン
ト (主要ビジネス特性) のみを使用します。これらのセグメントは、多くの利益センタに割り
当てられます。

© 著作権. All rights reserved. 193


3 章: 学習内容のテスト - 解答

18. 組織全体からアクセスできるビジネスパートナ (得意先または仕入先) の一般データは、シス


テムのどのレベルに格納されていますか。
正しい答えを選択してください。

X A 組織レベル

X B クライアントレベル

X C 会社コード

X D 勘定レベル

正解です。組織全体からアクセスできるビジネスパートナ (得意先または仕入先) の一般デ


ータが含まれているのは、クライアントレベルです。

19. 財務会計では、得意先または仕入先コードを登録した後でその勘定グループを変更すること
はできません。
この文章の内容は正しいですか、誤りですか。

X 正

X 誤

正解です。財務会計では、得意先または仕入先コードを登録した後でその勘定グループを変
更することはできません。

20. ワンタイム勘定マスタレコードには、特定の得意先または仕入先に関する情報が含まれてい
ます。
この文章の内容は正しいですか、誤りですか。

X 正

X 誤

正解です。ワンタイム勘定マスタレコードには、特定の得意先または仕入先に関する情報は
含まれていません。

21. 得意先コードと仕入先コードで同じ番号範囲を使用することはできません。
この文章の内容は正しいですか、誤りですか。

X 正

X 誤

正解です。得意先コードと仕入先コードで同じ番号範囲を使用することができます。

194 © 著作権. All rights reserved.


3 章: 学習内容のテスト - 解答

22. 勘定グループ別、処理別、会社コード別などの個別領域 (FI 得意先/仕入先のカスタマイジン


グ) における項目ステータスエントリは競合し、最も優先度の高い項目ステータスが使用され
ます。
この文章の内容は正しいですか、誤りですか。

X 正

X 誤

正解です。勘定グループ別、処理別、会社コード別などの個別領域 (FI 得意先/仕入先のカス


タマイジング) における項目ステータスエントリは競合し、最も優先度の高い項目ステータス
が使用されます。

23. FI 得意先ロールでビジネスパートナを新規登録する場合、得意先/仕入先統合でグルーピング
に割り当てられた勘定グループが常に使用されます。
この文章の内容は正しいですか、誤りですか。

X 正

X 誤

正解です。得意先/仕入先統合でフレキシブルグルーピングが有効化されている場合、FI 得意
先ロールにビジネスパートナを登録する際に勘定グループをマニュアルで入力することがで
きます。

© 著作権. All rights reserved. 195


3 章: 学習内容のテスト - 解答

196 © 著作権. All rights reserved.


4章 伝票管理

レッスン 1
財務会計 (FI) 伝票のヘッダおよび明細の設定 198
演習問題 12 : 番号範囲および伝票タイプの登録 205
演習問題 13 : 伝票分割の伝票タイプの分類 209
演習問題 14 : 項目ステータスグループの登録および G/L 勘定への割当 215

レッスン 2
会計期間の管理 220
演習問題 15 : 会計期間バリアントの登録および更新 227

レッスン 3
転記権限の管理 232
演習問題 16 : 許容範囲グループの登録およびユーザへの割当 235

レッスン 4
FI での基本伝票の登録 241
演習問題 17 : FI 伝票の転記 245

章の目的
● FI 伝票の構造の更新
● 伝票ヘッダの管理要素の準備
● 明細の管理要素に対する転記キーの使用
● FI 伝票明細の項目ステータスの設定
● 会計期間バリアントの管理
● 転記権限の管理
● 基本 FI 伝票の転記

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4章
レッスン 1
財務会計 (FI) 伝票のヘッダおよび明細の設定

レッスンの概要
このレッスンでは、FI 伝票のヘッダおよび明細の設定方法について説明します。

ビジネスの例
会社は、毎日何百もの会計伝票を登録しています。伝票の保管を簡略化するために、オリジナル
伝票をいくつかのカテゴリに分類する必要があります。内部監査人は、承認済費用のすべての伝
票が一意の伝票タイプによって識別され、異なる番号範囲から生成されるようにしたいと考えて
います。
1 つの伝票内のさまざまなタイプのデータが、各種取引によって必要とされます。特別な転記の
場合に必須となるデータもあります。顧客は、承認済費用の勘定の各明細に入力される費用の根
拠を示す詳細な内容説明を必要としています。そのためには、以下のことを理解している必要が
あります。
● 会計伝票の分類方法
● 会計伝票の表示方法
● 会計伝票の構造

レッスンの目的
このレッスンの目的は、以下のとおりです。
● FI 伝票の構造の更新
● 伝票ヘッダの管理要素の準備
● 明細の管理要素に対する転記キーの使用
● FI 伝票明細の項目ステータスの設定

198 © 著作権. All rights reserved.


レッスン: 財務会計 (FI) 伝票のヘッダおよび明細の設定

伝票構造
SAP Financials の伝票

図 80: SAP Financials の伝票

SAP S/4HANA では、伝票の原則に基づいて以下の一連の処理が実行されます。

1. すべての取引転記は伝票の形で保存されます。

2. 伝票は、アーカイブされるまで完全な単位としてシステムに存在します。

3. すべての伝票は、次の 3 つの項目によって一意に識別されます。

● 伝票番号

● 会社コード

● 会計年度

SAP S/4HANA の伝票には、以下の詳細が含まれています。

伝票ヘッダ
このコンポーネントには、伝票全体に適用される情報が含まれています。
明細
各転記済会計伝票には、少なくとも 2 行 (借方と貸方など)、最大で 999 件の明細が含まれ
ます。明細ごとに固有の情報が含まれています。販売管理や購買管理などの財務/管理会計
インタフェースを使用して伝票を転記すると、会計伝票に、ほぼすべての項目に同じ値を持
つ明細が登録されます。

© 著作権. All rights reserved. 199


4 章: 伝票管理

管理キー
伝票ヘッダと明細の詳細データを照会することができます。
伝票には次の 2 つの重要な管理キーがあります。
● 伝票タイプ (伝票ヘッダで使用)
● 転記キー (明細で使用)

SAP S/4HANA では、取引ごとに少なくとも 1 件の伝票が生成されます。各伝票には、一意の伝


票番号が割り当てられます。内部番号割当時には、伝票番号はシステムによって割り当てられま
す。外部番号割当時には、ユーザが伝票番号項目で伝票番号を割り当てます。
取引では、1 つまたは複数の伝票を登録することができます。たとえば、仕入先から商品が納入
されると、在庫管理で重要となるデータを記録するための入出庫伝票が登録されます。また、総
勘定元帳関連の勘定データや金額などの、財務関連情報を記録するための会計伝票も登録されま
す。
SAP S/4HANA では、さまざまな取引に対する伝票が生成されますが、伝票生成の影響を受けな
い取引の場合、会計管理で同時に会計伝票が生成されることはありません。この例として、在
庫/購買管理の購買発注の生成があります。このときに、会計伝票は生成されません。
SAP S/4HANA では関連する伝票がリンクされているため、SAP で各取引の概要を把握すること
ができます。
RFBELJ00 レポートを使用すると、要約伝票仕訳帳を登録することができます。要約伝票仕訳帳
には、選択した伝票の伝票ヘッダおよび明細の最も重要なデータのテーブルが含まれています。
RFBUEB00 レポートおよび RFBUEB01 レポートを使用すると、伝票を検索することができます。
SAP Fiori ラウンチパッドでは、仕訳管理タイル (General Ledger グループ) を使用して伝票を検
索することができます。

200 © 著作権. All rights reserved.


レッスン: 財務会計 (FI) 伝票のヘッダおよび明細の設定

伝票タイプの登録
伝票タイプ

図 81: 伝票タイプ

伝票タイプは、伝票ヘッダを制御し、転記する必要がある取引を区別する際に役立ちます。
伝票タイプはクライアントレベルで定義されるため、すべての会社コードで有効です。SAP S/
4HANA には、変更またはコピーが可能な伝票タイプが用意されています。
伝票タイプにより、以下の要素が定義されます。
● 伝票タイプの番号範囲:
各伝票タイプに番号範囲を割り当てる必要があります。
● 反対仕訳伝票タイプ:
反対仕訳伝票タイプ項目で指定した伝票タイプは、反対仕訳取引の実行時に使用されます。
反対仕訳伝票タイプを指定しないと、転記した伝票タイプが反対仕訳に使用されます。
● 転記可能な勘定タイプ:
勘定タイプセクションでは、転記先の勘定タイプ (資産、得意先、仕入先、品目、G/L 勘定)
を指定します。
● 管理データ:

© 著作権. All rights reserved. 201


4 章: 伝票管理

このセクションでは、正味転記伝票タイプ項目を選択します。この項目は、仕入先請求書に
使用される伝票タイプに対してのみ有効です。この区分を選択すると、支払合計額から、請
求書の支払条件で指定された現金割引額が差し引かれます。
このセクションには、以下の項目も含まれています。
- 得意先/仕入先チェック
- マイナス転記可
- 会社間転記
- 取引先入力
● 伝票入力時の必須項目

参照番号および伝票ヘッダテキストを選択して、これらの項目を伝票ヘッダの必須項目に設定し
ます。
換算レートタイプ

重要な標準伝票タイプ

図 82: 重要な標準伝票タイプ

伝票タイプ AB は、すべての勘定タイプに転記することができます。
これ以外の伝票タイプはすべて、転記可能な勘定タイプが制限されています。たとえば、伝票タ
イプ DG では、得意先 (D) と G/L 勘定 (S) への転記のみが可能です。
SAP S/4HANA 請求アプリケーションから請求伝票を転送するには、以下のいずれかの伝票タイ
プを使用する必要があります。
● RV: 販売管理請求伝票 (得意先請求書) の初期伝票タイプ

202 © 著作権. All rights reserved.


レッスン: 財務会計 (FI) 伝票のヘッダおよび明細の設定

● RE: 在庫/購買管理請求伝票 (仕入先請求書) の初期伝票タイプ

内部番号割当の場合は、財務会計コンポーネントの各伝票に新しい番号が割り当てられます。外
部番号割当の場合は、請求伝票番号が会計伝票に転送されます。ただし、この番号がまだ使用さ
れていない場合に限ります。
支払プログラムでは、伝票タイプ ZP を使用してほとんどの自動転記が実行されます。

伝票番号範囲

図 83: 伝票番号範囲

伝票番号範囲によって、伝票番号に割り当てられる番号の範囲が定義されます。これらの番号範
囲は重複できません。
SAP S/4HANA では、以下のタイプの番号割当を使用することができます。
● 内部番号割当
このタイプの番号割当では、番号範囲から最後に使用された伝票番号が現在番号項目に保存
されます。現在番号の次の番号が次の伝票番号として割り当てられます。図の例 00 と 01 を
参照してください。
● 外部番号割当
このタイプの番号割当では、ユーザがオリジナル伝票の番号をマニュアルで入力するか、ま
たは別のシステムから自動的に番号が転送されます。これらの番号は連番でないため、現在
番号は保存されません。図の例 02 を参照してください。番号割当には英数字を使用するこ
とができます。

伝票番号範囲は、それを使用する会計年度に対して定義する必要があります。

伝票番号範囲の定義オプション
伝票範囲の定義には、以下のオプションを使用することができます。

© 著作権. All rights reserved. 203


4 章: 伝票管理

● 継続:
新会計年度になっても、現在番号の次の番号が引き続き次の番号として使用されます。番号
範囲の最初の番号には戻りません。
● 会計年度ごとの定義:
新会計年度の開始時に、番号範囲の先頭番号から割当が開始されます。これにより、番号範
囲を十分に確保することができます。

1 つの番号範囲を複数の伝票タイプに割り当てることができます。伝票番号範囲の間隔をある会
社コードから別の会社コードにコピーしたり、ある会計年度から別の会計年度にコピーしたりす
ることができます。
RFBNUM00 レポートを使用すると、伝票番号割当でのギャップを検索することができます。

204 © 著作権. All rights reserved.


4章
演習問題 12
番号範囲および伝票タイプの登録

ビジネスの例
会社は、毎日何百もの会計伝票を登録しています。保管を簡略化するために、伝票をいくつかの
カテゴリに分類する必要があります。内部監査人は、承認済費用のすべての伝票を一意の伝票タ
イプによって識別し、異なる番号範囲を使用したいと考えています。
会計部門責任者による承認番号を伝票ヘッダに入力する必要があります。
伝票タイプを登録し、新しい伝票範囲を割り当てます。

注記:
この演習問題では、会社コードの登録の演習問題で登録した会社コード GR## を使
用する必要があります。
この演習問題で、値に文字 ## が含まれているときは、この文字を講師が指定した数
字に置き換えてください。

1. 番号範囲 (86; 8600000000-8699999999、内部番号割当) を登録し、承認済費用伝票に使


用する伝票タイプ ## を登録します (ビジネスシナリオ、名称: 承認済費用 ## )。

2. 伝票タイプ ## を新規登録し、番号範囲 86 (8600000000-8699999999) を割り当てます。


反対仕訳伝票タイプは AB です。仕入先マスタレコードおよび G/L 勘定への転記を可能にし
ます。伝票ヘッダの参照項目は、必須入力項目に設定します。

© 著作権. All rights reserved. 205


4章
解答 12
番号範囲および伝票タイプの登録

ビジネスの例
会社は、毎日何百もの会計伝票を登録しています。保管を簡略化するために、伝票をいくつかの
カテゴリに分類する必要があります。内部監査人は、承認済費用のすべての伝票を一意の伝票タ
イプによって識別し、異なる番号範囲を使用したいと考えています。
会計部門責任者による承認番号を伝票ヘッダに入力する必要があります。
伝票タイプを登録し、新しい伝票範囲を割り当てます。

注記:
この演習問題では、会社コードの登録の演習問題で登録した会社コード GR## を使
用する必要があります。
この演習問題で、値に文字 ## が含まれているときは、この文字を講師が指定した数
字に置き換えてください。

1. 番号範囲 (86; 8600000000-8699999999、内部番号割当) を登録し、承認済費用伝票に使


用する伝票タイプ ## を登録します (ビジネスシナリオ、名称: 承認済費用 ## )。
a) カスタマイジングで、財務会計 → 財務会計共通設定 → 伝票 → 伝票番号範囲 → 定義: 伝
票番号範囲を選択します。

b) 会社コード GR## を入力します。

c) 番号範囲変更を選択します。

d) 行挿入 アイコンを選択します。

e) 以下のデータを入力します。
項目名 値

番号範囲番号 86

年度 今年度
開始番号 8600000000

終了番号 8699999999

外部 選択しない

f) Enter を選択します。

g) 保存を選択します。

206 © 著作権. All rights reserved.


レッスン: 財務会計 (FI) 伝票のヘッダおよび明細の設定

h) Enter (続行) を押して、番号範囲間隔の移送ダイアログボックスのメッセージを確認しま


す。

i) 前画面を 2 回選択して、IMG 照会画面に戻ります。

2. 伝票タイプ ## を新規登録し、番号範囲 86 (8600000000-8699999999) を割り当てます。


反対仕訳伝票タイプは AB です。仕入先マスタレコードおよび G/L 勘定への転記を可能にし
ます。伝票ヘッダの参照項目は、必須入力項目に設定します。
a) カスタマイジングで、財務会計 → 財務会計共通設定 → 伝票 → 伝票タイプ → 定義: 伝票
タイプを選択します。

b) 新規エントリを選択します (または編集 → 新規エントリを選択します)。

c) 以下のデータを入力します。
項目名 値
伝票タイプ ##

番号範囲 86

反対仕訳伝票タイプ AB (会計伝票)

勘定タイプ
資産 選択しない
得意先 選択しない
仕入先 選択
品目 選択しない
総勘定元帳 選択
二次原価 選択しない
伝票入力時の必須項目
参照番号 選択

d) 保存を選択します。

e) 前の画面に戻るには、前画面を選択します。

f) タイプ ## の横にあるテキスト項目に名称承認済費用 ## を入力します。

g) 保存を選択します。

h) 前画面を選択して、IMG 照会画面に戻ります。

© 著作権. All rights reserved. 207


4 章: 伝票管理

208 © 著作権. All rights reserved.


4章
演習問題 13
伝票分割の伝票タイプの分類

ビジネスの例
伝票分割の伝票タイプを準備します。

注記:
この演習問題では、番号範囲および伝票タイプの登録の演習問題で登録した、伝票タ
イプ ## のデータを使用する必要があります。
この演習問題で、値に文字 ## が含まれているときは、この文字を講師が指定した数
字に置き換えてください。

1. 自社で伝票分割が有効化されている場合は、(転記を有効にするために) 伝票分割の新しい伝
票タイプ ## を分類する必要があります。

注記:
伝票分割の詳細については、転記管理の章の対応するレッスンを参照してくださ
い。

© 著作権. All rights reserved. 209


4章
解答 13
伝票分割の伝票タイプの分類

ビジネスの例
伝票分割の伝票タイプを準備します。

注記:
この演習問題では、番号範囲および伝票タイプの登録の演習問題で登録した、伝票タ
イプ ## のデータを使用する必要があります。
この演習問題で、値に文字 ## が含まれているときは、この文字を講師が指定した数
字に置き換えてください。

1. 自社で伝票分割が有効化されている場合は、(転記を有効にするために) 伝票分割の新しい伝
票タイプ ## を分類する必要があります。

注記:
伝票分割の詳細については、転記管理の章の対応するレッスンを参照してくださ
い。

a) カスタマイジングで、財務会計 → 総勘定元帳 → 取引 → 伝票分割 → 分類: 分割の伝票タ


イプを選択します。

b) 位置を選択して伝票タイプ ## を選択します。

c) 以下の値を入力します。
項目名 値

取引 0300 (仕入先請求書)

バリアント 0001 (標準)

d) 保存を選択します。

e) 前画面を選択して、IMG 照会画面に戻ります。

210 © 著作権. All rights reserved.


Type text here
レッスン: 財務会計 (FI) 伝票のヘッダおよび明細の設定

転記キー

図 84: 転記キーの機能

伝票タイプと同様に、転記キーもクライアントレベルで定義されます。
図 "転記キーの機能" に示されている制御機能以外に、転記キーによって以下の内容も指定されま
す。
● 明細が支払処理に関連するかどうか。この情報は、支払履歴の分析と支払通知の登録に必要
です。
● 転記が売上関連であり、勘定の売上高がトランザクション(得意先請求書の転記など) によっ
て更新されるかどうか。

SAP S/4HANA のカスタマイジングでは、転記キーに以下の初期値が指定されています。


● 一般転記: 転記キー 40 は借方、転記キー 50 は貸方を表します。
● 得意先転記: 転記キー 01 は借方、転記キー 11 は貸方を表します。
● 仕入先転記: 転記キー 21 は借方、転記キー 31 は貸方を表します。

© 著作権. All rights reserved. 211


4 章: 伝票管理

伝票項目ステータスおよび項目ステータスグループ
伝票項目ステータス

図 85: 伝票項目ステータス

伝票の入力時には、複数の項目が表示されます。表示される項目は、使用するトランザクション
や勘定によって異なります。たとえば、費用を転記する場合は、原価センタと税データを指定す
る必要があります。一方、現金を転記する場合は、これらの情報を指定する必要はありません。
伝票の処理時に入力および表示される情報は、項目ステータスによって制御されます。
G/L 勘定の項目に定義された項目ステータスと同様に、優先度の高い項目ステータスが使用され
ます。
優先度は以下のようになります。
● 非表示 (最高の優先度)
● 必須入力
● 任意入力 (最低の優先度)

税項目への入力は、G/L 勘定が税関連である場合にのみ可能です。
非表示項目ステータスと必須入力項目ステータスを組み合わせることはできません。この組合
せはエラーになります。

212 © 著作権. All rights reserved.


レッスン: 財務会計 (FI) 伝票のヘッダおよび明細の設定

項目ステータスグループ

図 86: 項目ステータスグループ

G/L 勘定の種類 (現金勘定、費用勘定など) ごとに、各伝票入力項目のステータスを定義する必


要があります。これらの G/L 勘定の伝票を入力する場合、テキスト項目を必須、任意、または非
表示のいずれにするかを決定する必要があります。同様に、G/L 勘定の伝票を入力する場合、原
価センタ項目を必須、任意、または非表示のいずれにするかを決定する必要があります。
この情報は、G/L 勘定の種類ごとに、項目ステータスグループに分類されます。勘定コードマス
タレコードで、各 G/L 勘定に項目ステータスグループを割り当てます。項目ステータスグループ
は、1 つの項目ステータスバリアントにまとめられます。
項目ステータスバリアントは、会社コードに割り当てます。項目ステータスバリアントが完成す
るまで、転記を行うことはできません。一般には、すべての会社コードに同じ項目ステータスバ
リアントを割り当て、会社コード間で同じ項目ステータス情報を適用できるようにします。
標準 SAP S/4HANA では、さまざまな項目ステータスグループを使用することができます。この
標準項目ステータスグループをコピーし、必要に応じて修正することをお奨めします。
伝票が補助元帳勘定に転記される場合は、統制勘定の項目ステータスグループが使用されます。

© 著作権. All rights reserved. 213


4 章: 伝票管理

標準転記キー

図 87: 標準転記キー

SAP では、標準転記キーを使用することをお奨めします。標準転記キーを変更したり、新たに転
記キーを定義したりするには、これらのキーを参照するテーブルもすべて更新する必要がありま
す。
資産および品目の転記キーは、対応する SAP コンポーネントが設定されている場合にのみ使用
することができます。
転記キーの項目ステータス定義、および項目ステータスグループを変更して、項目ステータスを
取引別または勘定別に設定することができます。補助元帳勘定には項目ステータスグループが
ないため、転記は異なる転記キーによって区別されます。このため、補助元帳勘定には数多くの
転記キーが用意されています。
G/L 勘定への転記は、異なる項目ステータスグループによって区別されます。このため、G/L 勘
定の転記に必要な転記キーは 40 と 50 の 2 つのみです。

214 © 著作権. All rights reserved.


4章
演習問題 14
項目ステータスグループの登録および G/L 勘定へ
の割当

ビジネスの例
レンタルした車の車種を追跡するために、スポーツカーレンタル費用勘定の明細のテキスト項目
を必須入力にします。新規項目ステータスグループとして FS## を登録し、テキストに承認済費
用 ## を指定します。新規項目ステータスグループを登録し、テキスト項目を必須入力にして、
G/L 勘定に項目ステータスグループを割り当てます。

注記:
この演習問題で、値に文字 ## が含まれているときは、この文字を講師が指定した数
字に置き換えてください。

1. 新規項目ステータスグループ FS## を登録するには、項目ステータスバリアント 0010 の項


目ステータスグループ YB01 をコピーします。

2. テキスト項目を必須入力にします。項目ステータスグループの項目ステータスを変更しま
す。

3. スポーツカーレンタル費用 AE0002## の G/L 勘定に、項目ステータスグループを割り当て


ます。

© 著作権. All rights reserved. 215


4章
解答 14
項目ステータスグループの登録および G/L 勘定へ
の割当

ビジネスの例
レンタルした車の車種を追跡するために、スポーツカーレンタル費用勘定の明細のテキスト項目
を必須入力にします。新規項目ステータスグループとして FS## を登録し、テキストに承認済費
用 ## を指定します。新規項目ステータスグループを登録し、テキスト項目を必須入力にして、
G/L 勘定に項目ステータスグループを割り当てます。

注記:
この演習問題で、値に文字 ## が含まれているときは、この文字を講師が指定した数
字に置き換えてください。

1. 新規項目ステータスグループ FS## を登録するには、項目ステータスバリアント 0010 の項


目ステータスグループ YB01 をコピーします。
a) カスタマイジングで、財務会計 → 財務会計共通設定 → 元帳 → 項目 → 割当: 項目ステー
タスバリアント -> 会社コードを選択します。

b) 会社コードに割り当てられている項目ステータスバリアント (Fld stat.var.) をメモして


おきます。

c) 前画面を選択して、IMG 照会画面に戻ります。

d) カスタマイジングで、財務会計 → 財務会計共通設定 → 元帳 → 項目 → 定義: 項目ステー


タスバリアントを選択します。

e) 画面の右側で、会社コードに割り当てられている項目ステータスバリアントを選択/マー
クします。

f) ダイアログ構造で、項目ステータスグループをダブルクリックし、YB01 を選択します。

g) YB01 を選択/マークします。

h) 別名コピーボタンを選択します。

i) 以下のデータを入力します。
項目名 値

項目ステータスグループ FS##

216 © 著作権. All rights reserved.


レッスン: 財務会計 (FI) 伝票のヘッダおよび明細の設定

項目名 値

テキスト 承認済費用 ##

j) Enter を選択します。

k) 保存を選択します。

注記:
この画面はまだ終了しないでください。

2. テキスト項目を必須入力にします。項目ステータスグループの項目ステータスを変更しま
す。
a) FS## をダブルクリックします。

b) 一般データをダブルクリックします。

c) テキストに対して必須入力を選択します。

d) 保存を選択します。

e) 前画面を 2 回選択して、IMG 照会画面に戻ります。

3. スポーツカーレンタル費用 AE0002## の G/L 勘定に、項目ステータスグループを割り当て


ます。
a) SAP Fiori ラウンチパッドホームページで、General Ledger グループの G/L 勘定マスタデ
ータ管理タイルを選択します。

b) 以下のデータを入力します。
項目名 値

勘定コード表 YCOA

G/L 勘定 AE0002##

ビュー 勘定コード表ビュー

c) 開始 (画面の右側) を選択して、G/L 勘定を照会します。

d) 行の末尾にある詳細ボタン (>) をクリックすることで、AE0002## を選択します。

e) 編集を選択します。

f) 会社コードデータを選択します。

g) 行の末尾にある詳細ボタン (>) をクリックすることで、会社コード GR## を選択します。

h) 登録/銀行/金利を選択します。

i) 以下のデータを入力します。
項目名 値

項目ステータスグループ FS##

© 著作権. All rights reserved. 217


Type text here
4 章: 伝票管理

j) 画面の下部にある OK を選択します。
次の画面で、画面の下部にある保存を選択します。

注記:
新規項目ステータスグループの登録とスポーツカーレンタル費用勘定への割
当が完了しました。

218 © 著作権. All rights reserved.


レッスン: 財務会計 (FI) 伝票のヘッダおよび明細の設定

レッスンのまとめ
以下について学習しました。
● FI 伝票の構造の更新
● 伝票ヘッダの管理要素の準備
● 明細の管理要素に対する転記キーの使用
● FI 伝票明細の項目ステータスの設定

© 著作権. All rights reserved. 219


4章
レッスン 2
会計期間の管理

レッスンの概要
このレッスンでは、会計期間の管理方法について説明します。

ビジネスの例
会計部門では、会計期間の終了時に補助元帳をクローズします。ただし、前期間の財務会計と管
理会計の総勘定元帳を照合するために、G/L 勘定はしばらくの間オープンにしておきます。その
ためには、異なる勘定タイプの会計期間のオープンおよびクローズについて理解している必要が
あります。

レッスンの目的
このレッスンの目的は、以下のとおりです。
● 会計期間バリアントの管理

会計期間バリアント
会計期間

図 88: 会計期間

会計期間は、会計年度バリアントで定義されます。

220 © 著作権. All rights reserved.


レッスン: 会計期間の管理

伝票が間違った会計期間に転記されるのを回避するために、特定の会計期間をクローズすること
ができます。
通常、現在の会計期間をオープンし、他の期間はすべてクローズします。期末には、その期間を
クローズして次の期間をオープンします。会計期間をオープンするには、会計期間バリアントに
その会計期間を含む範囲を入力します。会計期間は、必要に応じていくつでもオープンすること
ができます。
会計年度決算処理時には、決算転記のための特別会計期間をオープンすることができます。

会計期間バリアントの更新

図 89: 会計期間バリアント

複数の会社コードで同じ会計期間バリアントを使用することができます。このため、会計期間バ
リアントが割り当てられているすべての会社コードに対して、会計期間が同時にオープン/クロ
ーズします (バリアント原則)。

© 著作権. All rights reserved. 221


4 章: 伝票管理

勘定タイプごとの期間チェック

図 90: 勘定タイプごとの期間チェック

伝票ヘッダでは、勘定タイプ + に割り当てられている期間が最初にチェックされます。
したがって、他の勘定タイプでオープンする会計期間は、勘定タイプ + のオープンが必要で、会
計期間バリアントには、少なくとも勘定タイプ + が含まれている必要があります。異なる勘定タ
イプの会計期間をすべて同じように処理する場合は、+ エントリによる制御で十分です。
勘定タイプごとに会計期間の処理方法を変えることができます。ある会計期間において、得意先
コードへの転記は可能にするが、仕入先コードへの転記は制限するなどの設定が可能です。
明細レベルでは、割り当てられた勘定タイプで会計期間がオープンされているかを確認するため
に、転記キーの勘定タイプがチェックされます。
勘定間隔には、常に G/L 勘定を設定しています。補助元帳の勘定タイプに統制勘定を入力するこ
とにより、統制勘定ごとにこれらの補助元帳の処理を変えることができます。

222 © 著作権. All rights reserved.


レッスン: 会計期間の管理

最初の 2 つの期間範囲

図 91: 最初の 2 つの期間範囲

会計年度決算処理中には、同時に 2 つの期間範囲をオープンしておく必要があります。このた
め、2 つの期間範囲 (範囲 1 および 2) を会計期間テーブルに入力することができます。特別会計
期間の転記には期間範囲 1 を、通常期間の転記処理には期間 2 を使用することをお奨めします。
期間範囲 1 には、権限ユーザのグループを割り当てることができます。たとえば、月次処理また
は年次処理のために、特定ユーザにのみ転記期間をオープンにすることができます。オプション
の権限オブジェクトである会計伝票: 転記期間の権限 ( F_BKPF_BUP) で必要な権限設定を行い
ます。期間範囲 1 は特別会計期間に使用することをお奨めします。ここでのみ、権限を管理する
ことができるためです。
会計期間テーブルの権限グループ項目の値と同じ値を設定した権限オブジェクト F_BKPF_BUP
(会計伝票: 会計期間に関する転記) をユーザに割り当てる必要があります。

© 著作権. All rights reserved. 223


4 章: 伝票管理

FI の期間ロック

図 92: FI の期間ロック

SAP S/4HANA では、期間範囲 3 は管理会計 (CO) から財務会計 (FI) への転記に使用されます。


3 つ目の期間が入力されていない場合は、期間 1 および 2 のエントリもこれらの転記で有効にな
ります。
SAP S/4HANA では、FI (CO 関連) における転記と CO (FI 関連) における転記で、FI のオープン
またはクローズ (OB52/アプリ) および CO 期間ロック (OKP1) にオープン期間が必要です。

注記:
CO 期間ロックでは、どのトランザクションをどのくらいの期間にわたってロックす
るかを指定する必要があります (SAP メニュー: 会計管理 → 管理会計 → 原価要素会
計 → 環境 → 期間ロック)。

転記期間の更新には、レポート RFOB5200 を使用することもできます (プログラムを実行できる


ユーザを制御する権限: SAP ノート 2251160)。

アプリ: 会計期間管理

図 93: 会計期間管理アプリ

224 © 著作権. All rights reserved.


レッスン: 会計期間の管理

SAP S/4HANA 1809 からアプリを使用して、会計期間を管理できます。このアプリにより、


OB52 と同じテーブルに入力されます。

会計期間の設定

図 94: 転記中の会計期間の設定

伝票に入力する際は、転記日付を入力します。SAP S/4HANA では、入力した転記日付を基準に


して、会計期間と会計年度が自動決定されます。
会計期間が決定され、会計期間ごとに取引金額が更新されます。
勘定の残高を照会すると、この会計期間の取引金額が表示されます。

© 著作権. All rights reserved. 225


4 章: 伝票管理

226 © 著作権. All rights reserved.


4章
演習問題 15
会計期間バリアントの登録および更新

ビジネスの例
会計部門では、会計期間の終了時に補助元帳をクローズします。ただし、G/L 勘定はしばらくの
間オープンにしておき、その期間の財務会計と管理会計の元帳を照合できるようにすることを求
めています。会計期間バリアントを登録します。

注記:
この演習問題では、会社コードの登録の演習問題で登録した会社コード GR## を使
用する必要があります。
この演習問題で、値に文字 ## が含まれているときは、この文字を講師が指定した数
字に置き換えてください。

1. 会計期間バリアント PP## を登録し、会計期間 GR## という名称を指定します。会計部門の


要件を満たします。つまり、補助元帳は今月のみオープンし、総勘定元帳は今月と前月の両
方でオープンするようにします。

2. バリアントの期間を定義します。カスタマイジングでこれを実行するか、アプリ
(Environment グループの [会計期間オープン/クローズ]) を使用することができます。

3. この会計期間バリアントを会社コードに割り当てます。

© 著作権. All rights reserved. 227


4章
解答 15
会計期間バリアントの登録および更新

ビジネスの例
会計部門では、会計期間の終了時に補助元帳をクローズします。ただし、G/L 勘定はしばらくの
間オープンにしておき、その期間の財務会計と管理会計の元帳を照合できるようにすることを求
めています。会計期間バリアントを登録します。

注記:
この演習問題では、会社コードの登録の演習問題で登録した会社コード GR## を使
用する必要があります。
この演習問題で、値に文字 ## が含まれているときは、この文字を講師が指定した数
字に置き換えてください。

1. 会計期間バリアント PP## を登録し、会計期間 GR## という名称を指定します。会計部門の


要件を満たします。つまり、補助元帳は今月のみオープンし、総勘定元帳は今月と前月の両
方でオープンするようにします。
a) カスタマイジングで、財務会計 → 財務会計共通設定 → 元帳 → 会計年度および会計期
間 → 会計期間 → 定義: オープン会計期間のバリアントを選択します。

b) 新規エントリを選択します。

c) 以下のデータを入力します。
項目名 値

バリアント PP##

名称 会計期間 GR##

d) 保存を選択します。

e) 前画面を 2 回選択して、IMG 照会画面に戻ります。

2. バリアントの期間を定義します。カスタマイジングでこれを実行するか、アプリ
(Environment グループの [会計期間オープン/クローズ]) を使用することができます。
a) SAP Fiori ラウンチパッドホームページで、Environment グループの会計期間オープン/ク
ローズタイルを選択します。

b) または、カスタマイジングで、財務会計 → 財務会計共通設定 → 元帳 → 会計年度および


会計期間 → 会計期間 → オープン/クローズ: 会計期間を選択します。

c) ダイアログボックスに以下の情報を入力します。

228 © 著作権. All rights reserved.


レッスン: 会計期間の管理

項目名 値

会計期間バリアント PP##

d) 続行を選択します。

e) 新規エントリを選択します。

f) 最初の行に以下のデータを入力します。
項目名 値

A (勘定タイプまたはマスク) + (全選択勘定タイプに有効)

開始勘定 空白のまま
終了勘定 空白のまま
開始期間 1 前月

年度 前月の年度
終了期間 1 今月

年度 今年度

2 番目の行に以下のデータを入力します。
項目名 値

A (勘定タイプまたはマスク) D (得意先)

開始勘定 空白のまま
終了勘定 ZZZZZZZZZZ

開始期間 1 今月

年度 今年度
終了期間 1 今月

年度 今年度

3 番目の行に以下のデータを入力します。
項目名 値

A (勘定タイプまたはマスク) K (仕入先)

開始勘定 空白のまま
終了勘定 ZZZZZZZZZZ

開始期間 1 今月

年度 今年度
終了期間 1 今月

© 著作権. All rights reserved. 229


4 章: 伝票管理

項目名 値

年度 今年度

g) 保存を選択します。

h) 前画面を 2 回選択します。

3. この会計期間バリアントを会社コードに割り当てます。
a) カスタマイジングで、財務会計 → 財務会計共通設定 → 元帳 → 会計年度および会計期
間 → 会計期間 → 割当: バリアント -> 会社コードを選択します。

b) 会社コード GR## を選択します。

c) 以下のデータを入力します。
項目名 値

バリアント PP##

d) 保存を選択します。

e) 前画面を選択して、IMG 照会画面に戻ります。

注記:
以下のタスクを実行しました。

i. オープン会計期間のバリアントの登録

ii. オープン期間の日付の定義

iii. 各自の会社コードへの会計期間バリアントの割当

230 © 著作権. All rights reserved.


レッスン: 会計期間の管理

レッスンのまとめ
以下について学習しました。
● 会計期間バリアントの管理

© 著作権. All rights reserved. 231


4章
レッスン 3
転記権限の管理

レッスンの概要
このレッスンでは、転記権限の管理方法について説明します。

ビジネスの例
会計管理責任者は、記帳担当者に対して、それぞれ異なる転記上限額の権限を定義することを望
んでいます。そのためには、以下のことを理解している必要があります。
● ユーザの許容範囲グループへの割当
● 許容範囲グループに対して許可する転記金額の定義

レッスンの目的
このレッスンの目的は、以下のとおりです。
● 転記権限の管理

転記権限
上限額

図 95: 上限額

このセクションでは、許容範囲グループ内の転記処理の上限額に焦点を当てます。
カスタマイジングの定義: 従業員の許容範囲グループで、従業員に対してさまざまな上限額を定
義します。
取引転記および消込処理時に以下の側面を決定するため、許容範囲グループを定義します。

232 © 著作権. All rights reserved.


レッスン: 転記権限の管理

1. 従業員に転記する権限が与えられる伝票の最大限度額はどれだけですか。
(伝票あたりの金額: 伝票内のすべての借方明細または貸方明細の合計)

2. 従業員が得意先コードまたは仕入先コードに明細として入力できる最大限度額はどれだけで
すか。
(未消込明細別金額)

3. 従業員が明細で許可できる最大現金割引率はどれだけですか。
(明細別割引)

4. 従業員の支払差額 (超過支払または過少支払) の最大許容範囲はどれだけですか


(収益 - 超過支払、費用 - 過少支払)

転記権限の割当

図 96: 転記権限の割当

許容範囲グループは必要な数だけ登録することができます。すべてのユーザを許容範囲グルー
プに明示的に割り当てることができます。
ユーザを特定の許容範囲グループに割り当てない場合は、空白許容範囲グループの設定が有効に
なります。
通常、空白許容範囲グループには、ほとんどの従業員に適用される値が含まれています。特に高
い限度額または低い限度額が設定された従業員については、特別な許容範囲グループを登録する
必要があります。その後、特別なグループをユーザのログオン ID に割り当てることができます。

© 著作権. All rights reserved. 233


4 章: 伝票管理

234 © 著作権. All rights reserved.


4章
演習問題 16
許容範囲グループの登録およびユーザへの割当

ビジネスの例
内部監査人は、会計部門に対して許可する権限の上限を以下のように設定することを要求してい
ます。

注記:
この演習問題では、会社コードの登録の演習問題で登録した会社コード GR## を使
用する必要があります。
この演習問題で、値に文字 ## が含まれているときは、この文字を講師が指定した数
字に置き換えてください。

● 記帳担当者 (既存の許容範囲グループ、空白)
- 伝票あたり 500000
- 未消込明細あたり 300000
- 現金割引 5%
● 会計責任者 (新規許容範囲グループ、SUPV)
- 伝票あたり 5000000
- 未消込明細あたり 800000
- 現金割引 10%

既存の許容範囲グループ (空白) を変更し、新規許容範囲グループ (SUPV) を登録してユーザに割


り当てます。今後、あなたは会計責任者という役割 (許容範囲グループ SUPV) を担うことになり
ます。

1. 記帳担当者の許容範囲グループは、空白の許容範囲グループです。会計責任者の新規許容範
囲グループ SUPV を登録する必要があります。ビジネスシナリオのデータを考慮する必要が
あります。空白許容範囲グループを変更します。

2. ユーザにこの会計管理責任者の許容範囲グループを割り当てます。

© 著作権. All rights reserved. 235


4 章: 伝票管理

結果

注記:
以下のタスクを実行しました。
● 会計管理責任者用の新規許容範囲グループの登録。
● 会計管理責任者への新規許容範囲額の追加。
● 会計管理責任者用の許容範囲グループのユーザへの割当。これはバリアント原則
の一例です。

236 © 著作権. All rights reserved.


4章
解答 16
許容範囲グループの登録およびユーザへの割当

ビジネスの例
内部監査人は、会計部門に対して許可する権限の上限を以下のように設定することを要求してい
ます。

注記:
この演習問題では、会社コードの登録の演習問題で登録した会社コード GR## を使
用する必要があります。
この演習問題で、値に文字 ## が含まれているときは、この文字を講師が指定した数
字に置き換えてください。

● 記帳担当者 (既存の許容範囲グループ、空白)
- 伝票あたり 500000
- 未消込明細あたり 300000
- 現金割引 5%
● 会計責任者 (新規許容範囲グループ、SUPV)
- 伝票あたり 5000000
- 未消込明細あたり 800000
- 現金割引 10%

既存の許容範囲グループ (空白) を変更し、新規許容範囲グループ (SUPV) を登録してユーザに割


り当てます。今後、あなたは会計責任者という役割 (許容範囲グループ SUPV) を担うことになり
ます。

1. 記帳担当者の許容範囲グループは、空白の許容範囲グループです。会計責任者の新規許容範
囲グループ SUPV を登録する必要があります。ビジネスシナリオのデータを考慮する必要が
あります。空白許容範囲グループを変更します。
a) カスタマイジングで、財務会計 → 財務会計共通設定 → 伝票 → 許容範囲グループ → 定
義: 従業員の許容範囲グループを選択します。

b) 一覧の上部に、一部の会社コード (GR## など) に対する許容範囲グループ空白が表示さ


れます。

c) 会社コード GR## の許容範囲グループ空白をダブルクリックします。

d) ビュー "FI ユーザ許容範囲グループ" 変更: 詳細画面に、以下のデータを入力します。

© 著作権. All rights reserved. 237


4 章: 伝票管理

項目名 値

伝票最高記帳額 500000

未消込明細勘定別金額 300000

明細別割引 5%

e) 保存を選択します。

f) 前画面を選択します。

g) 会社コード GR## の許容範囲グループ空白を選択/マークします。


これは変更した許容範囲グループです。

h) 別名コピーボタンを選択します。

i) ビュー "FI ユーザ許容範囲グループ" 変更: 選択済セットの詳細画面

項目名 値

グループ SUPV

会社コード GR##

伝票最高記帳額 5000000

未消込明細勘定別金額 800000

明細別割引 10%

j) 保存を選択します。

k) 前画面を 2 回選択して、IMG 照会画面に移動します。

2. ユーザにこの会計管理責任者の許容範囲グループを割り当てます。
a) カスタマイジングで、財務会計 → 財務会計共通設定 → 伝票 → 許容範囲グループ → 割
当: ユーザ/許容グループを選択します。

b) 新規エントリを選択します。

c) 新規エントリ: 追加エントリ概要画面に、以下のデータを入力します。

項目名 値

ユーザ名 S4F12-## (SAP ログオンユーザ)

許容範囲グループ SUPV

注記:
これはログオンした SAP ユーザを使用する場合に機能します。

d) 保存を選択します。

e) 前画面を 2 回選択します。

238 © 著作権. All rights reserved.


レッスン: 転記権限の管理

結果

注記:
以下のタスクを実行しました。
● 会計管理責任者用の新規許容範囲グループの登録。
● 会計管理責任者への新規許容範囲額の追加。
● 会計管理責任者用の許容範囲グループのユーザへの割当。これはバリアント原則
の一例です。

© 著作権. All rights reserved. 239


4 章: 伝票管理

レッスンのまとめ
以下について学習しました。
● 転記権限の管理

240 © 著作権. All rights reserved.


4章
レッスン 4
FI での基本伝票の登録

レッスンの概要
このレッスンでは、財務会計の基本伝票の登録方法について説明します。

ビジネスの例
担当者は、転記用の SAP Fiori アプリについて聞き、これを実際に見て試してみたいと思ってい
ます。そのためには、FI での基本伝票の登録方法について理解している必要があります。

レッスンの目的
このレッスンの目的は、以下のとおりです。
● 基本 FI 伝票の転記

基本 FI 伝票

SAP S/4HANA Finance の基本転記

図 97: SAP S/4HANA Finance の基本転記

以下の転記タイプは、SAP S/4HANA (FI) で Fiori アプリを使用して実行することができます。


● G/L 勘定転記

© 著作権. All rights reserved. 241


4 章: 伝票管理

● 得意先請求書転記
● 得意先クレジットメモ転記
● 仕入先請求書転記
● 仕入先クレジットメモ転記

転記用の Fiori アプリの使用

図 98: Fiori アプリ - 仕入先請求書の登録

伝票ヘッダに、転記伝票の一般データを入力します。項目の例を以下に示します。
● 請求書日付
● 転記日付
● テキスト

受領した請求書やクレジットメモの入力に対しては、トランザクションごとに伝票タイプを定義
することができます。この伝票タイプは一般的な初期値として表示されます。この提案された
伝票タイプは、伝票入力時に伝票タイプ項目が入力可能になっていれば、いつでも上書きするこ
とができます。伝票タイプを定義しないと、標準伝票タイプ (仕入先請求書入力の場合は KR な
ど) が提案されます。
重要な入力項目は最前面の最初のタブ (基本データ) に含まれており、それほど頻繁には使用しな
い項目はその他のタブに含まれています。
得意先請求書および仕入先請求書では、得意先勘定コードおよび仕入先勘定コードと、請求書ま
たはクレジットメモの金額をこのセクションに入力します。
次に、Enter を選択すると、勘定名、住所、銀行詳細とともに、得意先/仕入先マスタデータも表
示されます。
未消込明細ボタンを選択すると、未消込明細一覧を照会することができます。
ヘッダおよび明細データに加えて、入力画面には勘定残高を示す情報領域があります。
ツリーボタンを使用して、以下のテンプレートにアクセスしたり、選択したりすることができま
す。
● 画面バリアント
● 勘定割当テンプレート

242 © 著作権. All rights reserved.


レッスン: FI での基本伝票の登録

● 仮伝票

画面左側のツリー構造からナビゲーションが行えます。
画面下部の項目に伝票の追加明細を入力することができます。
さまざまな項目や列を選択して、それらの表示長や順序を変更することができます。また、明細
をコピーすることもできます。
伝票入力トランザクションで、伝票に対して行うことを決定できます。
● 未転記
● 転記
● 仮保存

Fiori アプリ - 一般仕訳転記

図 99: Fiori アプリ - 一般仕訳転記

転記入力の一般トランザクションも引き続き利用可能です。
明細ごとに説明用テキストを入力することができます。この明細テキストは内部および外部で
使用することができます。連絡文書、督促状、支払明細通知書などでテキストを外部目的で使用
するには、テキストの前にアスタリスク (*) を入力します。

注記:
アスタリスクは印刷時に削除されます。

カスタマイジングで、4 桁のキーを使用してテキストテンプレートを定義することができます。
伝票入力時、テキスト項目に該当のキーを入力すると、定義したテキストテンプレートが明細に
自動的にコピーされます。
画面の下部で、参照用のテンプレートを選択できます。多数の仕訳情報の入力時に時間と労力を
節約するには、仕訳テンプレート管理アプリを使用して、特定のニーズに合った仕訳テンプレー
トを登録します。仕訳入力テンプレートを登録するとき、仕訳の送信や転記など、特定の用途に

© 著作権. All rights reserved. 243


4 章: 伝票管理

必要な項目および値を選択します。仕訳入力テンプレートを登録するとき、そのテンプレートを
公開することもできます。つまり、テンプレートを組織内の他のユーザと共有できます。

244 © 著作権. All rights reserved.


4章
演習問題 17
FI 伝票の転記

ビジネスの例
顧客の要件に従った伝票管理を設定しました。次に、この設定をテストするよう顧客から依頼さ
れています。このため、財務会計で基本伝票を転記する必要があります。

注記:
この演習問題で、値に文字 ## が含まれているときは、この文字を講師が指定した数
字に置き換えてください。

注意:
前の演習問題で、各ユーザに会計管理責任者の許容範囲グループを割り当てまし
た。つまり、SUPV 許容範囲グループで定義されている金額のしきい値があなたに
も適用されます。必要であれば、自分の許容範囲グループを空白に戻してくださ
い。

財務会計での基本伝票の転記

1. 取引銀行の口座から 5000 EUR を引き出し、小口現金にします。この取引を転記します (現


金勘定: 10010000、銀行勘定: 11100000、それぞれの利益センタ: PR##)。これには、General
Ledger グループの一般仕訳転記 Fiori アプリを使用します。

2. 会計管理責任者は、遠方での会議のためにレンタカーを借りました。前に登録した仕入先コ
ード (Vendor##) に 110 EUR の仕入先請求書を転記します。税額計算オプションを選択し
ます。税コード 11 (仮払消費税 10% (トレーニング)) を使用します。参照伝票項目に、会計責
任者から受領した承認番号 A## を入力します。
利益センタ PR## および登録したスポーツカーレンタル費用の勘定 AE0002## にこの費用
を転記します。伝票タイプ ## を使用して、明細の必須テキスト項目にテキスト (会議 ##)
を入力します。

伝票番号を書き留めてください。

© 著作権. All rights reserved. 245


4 章: 伝票管理

ヒント:
伝票ヘッダに伝票タイプを入力できない場合は、編集オプションボタンを選択
して編集オプション画面を表示します。伝票タイプオプションドロップダウン
リストから、4 省略名で入力を選択します。ユーザマスタ変更をクリックし、前
画面を選択します。

3. 2 番目の仕入先請求書を転記します。会議の際に、会計責任者は顧客をディナーに招待しま
した。現地通貨で 330 ユニットの追加請求書を接待費の勘定 AE0001## に転記します。こ
れ以外の条件は前のタスクと同じです。

伝票番号を書き留めてください。

4. 220000 ユーロの得意先請求書を得意先コード (会社コード Gr##) に転記します。税額計算


オプションを選択します。税コード 1O (仮受消費税 (トレーニング) 10%) を使用します。収
益勘定 41000500 に転記します。

伝票番号を書き留めてください。

5. 現地通貨で 5500 ユニットの得意先クレジットメモを、前に登録した得意先コードに転記し


ます。税コード 1O (仮受消費税 10% [トレーニング]) および収益勘定 41000500 を使用し
ます (得意先請求書の登録アプリを使用できます)。

伝票番号を書き留めてください。

6. 転記を確認するには、得意先と仕入先の明細を照会します。

246 © 著作権. All rights reserved.


4章
解答 17
FI 伝票の転記

ビジネスの例
顧客の要件に従った伝票管理を設定しました。次に、この設定をテストするよう顧客から依頼さ
れています。このため、財務会計で基本伝票を転記する必要があります。

注記:
この演習問題で、値に文字 ## が含まれているときは、この文字を講師が指定した数
字に置き換えてください。

注意:
前の演習問題で、各ユーザに会計管理責任者の許容範囲グループを割り当てまし
た。つまり、SUPV 許容範囲グループで定義されている金額のしきい値があなたに
も適用されます。必要であれば、自分の許容範囲グループを空白に戻してくださ
い。

財務会計での基本伝票の転記

1. 取引銀行の口座から 5000 EUR を引き出し、小口現金にします。この取引を転記します (現


金勘定: 10010000、銀行勘定: 11100000、それぞれの利益センタ: PR##)。これには、General
Ledger グループの一般仕訳転記 Fiori アプリを使用します。
a) SAP Fiori ラウンチパッドホームページで、General Ledger グループの一般仕訳転記タイ
ルを選択します。

b) (画面の下部にある) テンプレート選択をクリックします。

c) テンプレート Z_WITH_PROFIT_CENTER をダブルクリックします。

d) 必要に応じて破棄をクリックします。

e) 以下のヘッダデータを入力します。
項目名 値

仕訳日付 現在日付
転記日付 現在日付
伝票タイプ SA

会社コード GR##

© 著作権. All rights reserved. 247


4 章: 伝票管理

項目名 値

取引通貨 EUR

f) 明細の最初の行に、以下のデータを入力します。
項目名 値

G/L 勘定 10010000 (小口現金)

借方 5000

g) 明細の先頭にある矢印 (>) を選択するか、または Enter を押して、詳細および勘定割当明


細項目を開きます。次の勘定割当を入力します。
項目名 値
利益センタ PR##

h) Enter を押します。
結果
利益センタ PR## から誘導されたセグメント SE## が、さらなる勘定割当として照会さ
れます。

i) 明細の 2 番目の行に、以下のデータを入力します。

項目名 値

G/L 勘定 11100000 (銀行 1 銀行 (メイン) 口座)

貸方 5000

j) 画面の右下にあるシミュレートを選択します。

k) データを確認してください。

l) 画面の右下にある転記を選択します。
伝票 xxxxxxxx (20XX/GR##) は正常に転記されましたという正常終了メッセージが
表示されます。

m) 照会を選択します。

n) これで転記された伝票を画面で確認することができます。

o) SAP ロゴ (ホームページにナビゲート) をクリックして SAP Fiori ラウンチパッドホーム


ページに戻ります。

2. 会計管理責任者は、遠方での会議のためにレンタカーを借りました。前に登録した仕入先コ
ード (Vendor##) に 110 EUR の仕入先請求書を転記します。税額計算オプションを選択し
ます。税コード 11 (仮払消費税 10% (トレーニング)) を使用します。参照伝票項目に、会計責
任者から受領した承認番号 A## を入力します。
利益センタ PR## および登録したスポーツカーレンタル費用の勘定 AE0002## にこの費用
を転記します。伝票タイプ ## を使用して、明細の必須テキスト項目にテキスト (会議 ##)
を入力します。

248 © 著作権. All rights reserved.


レッスン: FI での基本伝票の登録

伝票番号を書き留めてください。

ヒント:
伝票ヘッダに伝票タイプを入力できない場合は、編集オプションボタンを選択
して編集オプション画面を表示します。伝票タイプオプションドロップダウン
リストから、4 省略名で入力を選択します。ユーザマスタ変更をクリックし、前
画面を選択します。

a) SAP Fiori ラウンチパッドホームページで、Accounts Payable グループの仕入先請求書の


登録タイルを選択します

b) データを入力する前に、選択されている会社コードを確認します。必要に応じて、会社コ
ードボタン (会社コード切替: F7) を使用して会社コードを変更します。

c) 使用される画面バリアントを確認します。
バリアント Z_WITH_COST_CENTER が有用です。ツリーオンボタンを使用して画面バ
リアントの選択を変更できます。明細の画面バリアントを、その前にある矢印をクリック
して選択します。バリアント Z_WITH_COST_CENTER をダブルクリックして選択しま
す。画面の右側で、データを入力するか、ツリーオフを使用してツリーを閉じます。

d) 仕入先請求書入力: 会社コード GR## 画面で、以下のデータを入力します。

項目名 値

基本データ
仕入先 Vendor##

請求書日付 現在日付
参照 A##

転記日付 現在日付
伝票タイプ ##
このオプションが画面に表示されない場合
は、上記のヒントにある手順に従ってくだ
さい。

金額 110

通貨 EUR

税額計算 選択
税コード 1l (10 % 仮払消費税 (トレーニング))

明細
G/L 勘定 AE0002##

D/C 借方

© 著作権. All rights reserved. 249


4 章: 伝票管理

項目名 値

伝票通貨額 *

テキスト 会議 ##

原価センタ COCE##

e) Enter を押します。項目利益センタに PR## が自動的に入力されます。

f) シミュレートを選択します。

g) 伝票をチェックします。

h) 明細をダブルクリックして、データを照会または変更し、前画面を選択します。

i) 伝票を保存するために、転記を選択します。

伝票番号を書き留めてください。

j) この画面を表示したまま、次の仕入先請求書の転記に進みます。

3. 2 番目の仕入先請求書を転記します。会議の際に、会計責任者は顧客をディナーに招待しま
した。現地通貨で 330 ユニットの追加請求書を接待費の勘定 AE0001## に転記します。こ
れ以外の条件は前のタスクと同じです。

伝票番号を書き留めてください。

a) 仕入先請求書入力: 会社コード GR## 画面で、以下のデータを入力します。

項目名 値

基本データ
仕入先 Vendor##

請求書日付 現在日付
参照 A##

転記日付 現在日付
伝票タイプ ##

金額 330

通貨 EUR

税額計算 選択
税コード 1l (10 % 仮払消費税 (トレーニング))

明細

250 © 著作権. All rights reserved.


レッスン: FI での基本伝票の登録

項目名 値

G/L 勘定 AE0001##

D/C 借方

伝票通貨額 *

税(税額) 1l

テキスト 夕食 ##

原価センタ COCE##

b) Enter を押します。項目利益センタに PR## が自動的に入力されます。

c) シミュレートを選択します。

d) 伝票をチェックします。

e) 伝票を保存するために、転記を選択します。

伝票番号を書き留めてください。

f) SAP ロゴ (ホームページにナビゲート) ボタンを選択して、SAP Fiori ラウンチパッドホー


ムページに戻ります。

4. 220000 ユーロの得意先請求書を得意先コード (会社コード Gr##) に転記します。税額計算


オプションを選択します。税コード 1O (仮受消費税 (トレーニング) 10%) を使用します。収
益勘定 41000500 に転記します。

伝票番号を書き留めてください。

a) SAP Fiori ラウンチパッドホームページで、Accounts Receivable グループから得意先請求


書の登録タイルを選択します。

b) 必要に応じて、会社コード GR## を入力して続行を押します。

c) 得意先請求書入力: 会社コード GR## 画面で、以下のデータを入力します。

項目名 値

基本データ
得意先 得意先を入力します
請求書日付 現在日付
転記日付 現在日付
金額 220000

© 著作権. All rights reserved. 251


4 章: 伝票管理

項目名 値

通貨 EUR

税額計算 選択
税コード 1O (10% 仮受消費税 (トレーニング))

d) ツリーオンボタンを選択し、画面バリアント STANDARD 3_0100 を選択します。

項目名 値
明細
G/L 勘定 41000500

D/C 貸方

伝票通貨額 *

利益センタ PR##

e) シミュレート (伝票転記シミュレート (F9)) を選択します。

f) 伝票をチェックします。

g) 明細をダブルクリックして、データを照会または変更し、前画面を選択します。

h) 転記を選択して伝票を保存します。

i) 伝票番号を書き留めます。

j) このページを表示したまま、次の演習ステップの得意先クレジットメモの転記に進みま
す。

5. 現地通貨で 5500 ユニットの得意先クレジットメモを、前に登録した得意先コードに転記し


ます。税コード 1O (仮受消費税 10% [トレーニング]) および収益勘定 41000500 を使用し
ます (得意先請求書の登録アプリを使用できます)。

伝票番号を書き留めてください。

a) 請求書からクレジットメモに変更します。
項目名 値
処理 クレジットメモ

b) 得意先クレジットメモ入力: 会社コード GR## 画面で、以下のデータを入力します。

項目名 値
基本データ
得意先 登録した得意先

252 © 著作権. All rights reserved.


レッスン: FI での基本伝票の登録

項目名 値
請求書日付 現在日付
転記日付 現在日付
金額 5500

通貨 EUR

税額計算 選択
税コード 1O (10 % 仮受消費税 (トレーニング))

支払
支払基準日 現在日付
明細
G/L 勘定 41000500

D/C 借方

伝票通貨額 *

利益センタ PR##

c) シミュレートを選択します。

d) 伝票をチェックします。

e) 明細をダブルクリックして、データを照会または変更し、前画面を選択します。

f) 転記を選択して伝票を保存します。

g) 伝票番号を書き留めてください。

h) SAP ロゴ (ホームページにナビゲート) ボタンを選択して、SAP Fiori ラウンチパッドホー


ムページに戻ります。

6. 転記を確認するには、得意先と仕入先の明細を照会します。
a) SAP Fiori ラウンチパッドホームページで、Accounts Payable グループの仕入先明細管理
タイルを選択します。

b) 仕入先明細管理画面で、以下のデータを入力します。
項目名 値
サプライヤ Vendor##

会社コード GR##

ステータス 未処理明細
基準日未消込明細 現在日付

© 著作権. All rights reserved. 253


4 章: 伝票管理

項目名 値
明細タイプ 標準明細

c) 開始を選択します。
画面に未消込明細が表示されます。

d) 画面上で別のレイアウトを使用するには、表示されているレイアウトの後ろ (画面の左側
にある 1 つ目の明細の上) にある下向き矢印ボタン (ビュー選択) を押します。

e) SAP ロゴ (ホームページにナビゲート) を選択します。

f) SAP Fiori ラウンチパッドホームページで、Accounts Receivable グループの得意先明細管


理タイルを選択します。

g) 得意先明細管理画面で、以下のデータを入力します。
項目名 値
得意先 登録した得意先
会社コード GR##

ステータス 未処理明細
基準日未消込明細 現在日付
明細タイプ 標準明細

h) 開始を選択します。
画面に未消込明細が表示されます。

i) SAP Fiori ラウンチパッドホームページに戻るには、SAP ロゴ (ホームページにナビゲー


ト) を選択します。

注記:
仕入先請求書 2 件、得意先クレジットメモ 1 件、および得意先請求書 1 件の転
記が終了しました。明細を照会して、明細転記を確認しました。

254 © 著作権. All rights reserved.


レッスン: FI での基本伝票の登録

レッスンのまとめ
以下について学習しました。
● 基本 FI 伝票の転記

© 著作権. All rights reserved. 255


4 章: 伝票管理

256 © 著作権. All rights reserved.


4章

学習内容のテスト

1. 会計年度バリアントでは、会計年度の期間数を定義します。
この文章の内容は正しいですか、誤りですか。

X 正

X 誤

2. 伝票タイプは会社コードレベルで登録されます。
この文章の内容は正しいですか、誤りですか。

X 正

X 誤

3. 外部番号割当 (マニュアル転記) に関する以下の記述のうち正しいものはどれですか。


正しい答えを選択してください。

X A 最後に使用された伝票番号が現在番号となります。

X B 番号は自動的に割り当てられます。

X C 番号はユーザによって入力されます。

X D 番号は連番で割り当てる必要があります。

4. 外部番号割当では、数字を使用する必要があります。
この文章の内容は正しいですか、誤りですか。

X 正

X 誤

5. 1 つの番号範囲は 1 つの伝票タイプにのみ割り当てることができます。
この文章の内容は正しいですか、誤りですか。

X 正

X 誤

© 著作権. All rights reserved. 257


4 章: 学習内容のテスト

6. G/L 勘定転記では、以下の標準転記キーのうち借方用はどれですか。
正しい答えを選択してください。

X A 01

X B 31

X C 40

X D 50

7. 資産および品目の転記キーは、対応する SAP コンポーネントが有効な場合にのみ使用するこ


とができます。
この文章の内容は正しいですか、誤りですか。

X 正

X 誤

8. 複数の会社コードで同じ会計期間バリアントを使用することができます。
この文章の内容は正しいですか、誤りですか。

X 正

X 誤

9. 会計期間テーブルで必須の勘定タイプはどれですか。
正しい答えを選択してください。

X A +

X B D

X C K

X D S

10. ユーザを特定の許容範囲グループに割り当てない場合は、デフォルトの許容範囲グループの
設定が有効になります。
この文章の内容は正しいですか、誤りですか。

X 正

X 誤

258 © 著作権. All rights reserved.


4 章: 学習内容のテスト

11. 許容範囲グループは必要な数だけ登録することができます。
この文章の内容は正しいですか、誤りですか。

X 正

X 誤

12. すべての会社コードに常に設定する必要がある許容範囲グループは、以下のうちどれですか。
正しい答えを選択してください。

X A 空白

X B 特別

X C 定義済

X D 名称付

13. 通常の伝票入力トランザクションは、残高がゼロである場合にのみ転記することができます。
この文章の内容は正しいですか、誤りですか。

X 正

X 誤

14. 伝票ヘッダに含まれるデータはどれですか。
正しい答えを選択してください (複数可)。

X A 転記日付

X B 利益センタ

X C 会社コード

X D 勘定コード

© 著作権. All rights reserved. 259


4章

学習内容のテスト - 解答

1. 会計年度バリアントでは、会計年度の期間数を定義します。
この文章の内容は正しいですか、誤りですか。

X 正

X 誤

正解です。会計年度バリアントでは、会計年度の期間数を定義します。

2. 伝票タイプは会社コードレベルで登録されます。
この文章の内容は正しいですか、誤りですか。

X 正

X 誤

正解です。伝票タイプはクライアントレベルで定義されます。

3. 外部番号割当 (マニュアル転記) に関する以下の記述のうち正しいものはどれですか。


正しい答えを選択してください。

X A 最後に使用された伝票番号が現在番号となります。

X B 番号は自動的に割り当てられます。

X C 番号はユーザによって入力されます。

X D 番号は連番で割り当てる必要があります。

正解です。外部番号割当では、ユーザがオリジナル伝票の番号を入力するか、または別のシ
ステムから自動的に番号が転送されます。

4. 外部番号割当では、数字を使用する必要があります。
この文章の内容は正しいですか、誤りですか。

X 正

X 誤

正解です。外部番号割当では、英数字を使用できます。

260 © 著作権. All rights reserved.


4 章: 学習内容のテスト - 解答

5. 1 つの番号範囲は 1 つの伝票タイプにのみ割り当てることができます。
この文章の内容は正しいですか、誤りですか。

X 正

X 誤

正解です。1 つの番号範囲を複数の伝票タイプに割り当てることができます。

6. G/L 勘定転記では、以下の標準転記キーのうち借方用はどれですか。
正しい答えを選択してください。

X A 01

X B 31

X C 40

X D 50

正解です。G/L 勘定転記では、借方は転記キー 40 です。

7. 資産および品目の転記キーは、対応する SAP コンポーネントが有効な場合にのみ使用するこ


とができます。
この文章の内容は正しいですか、誤りですか。

X 正

X 誤

正解です。資産および品目の転記キーは、対応する SAP コンポーネントが有効な場合にのみ


使用することができます。

8. 複数の会社コードで同じ会計期間バリアントを使用することができます。
この文章の内容は正しいですか、誤りですか。

X 正

X 誤

正解です。複数の会社コードで同じ会計期間バリアントを使用することができます。

© 著作権. All rights reserved. 261


4 章: 学習内容のテスト - 解答

9. 会計期間テーブルで必須の勘定タイプはどれですか。
正しい答えを選択してください。

X A +

X B D

X C K

X D S

正解です。"+" 勘定タイプ (すべての勘定) は必須です。

10. ユーザを特定の許容範囲グループに割り当てない場合は、デフォルトの許容範囲グループの
設定が有効になります。
この文章の内容は正しいですか、誤りですか。

X 正

X 誤

正解です。ユーザを特定の許容範囲グループに割り当てない場合は、デフォルトの許容範囲
グループの設定が有効になります。

11. 許容範囲グループは必要な数だけ登録することができます。
この文章の内容は正しいですか、誤りですか。

X 正

X 誤

正解です。許容範囲グループは必要な数だけ登録することができます。

12. すべての会社コードに常に設定する必要がある許容範囲グループは、以下のうちどれですか。
正しい答えを選択してください。

X A 空白

X B 特別

X C 定義済

X D 名称付

正解です。各会社コードに常に空白許容範囲グループを設定する必要があります。

262 © 著作権. All rights reserved.


4 章: 学習内容のテスト - 解答

13. 通常の伝票入力トランザクションは、残高がゼロである場合にのみ転記することができます。
この文章の内容は正しいですか、誤りですか。

X 正

X 誤

正解です。通常の伝票入力トランザクションは、残高がゼロの場合でも転記することができ
ます。

14. 伝票ヘッダに含まれるデータはどれですか。
正しい答えを選択してください (複数可)。

X A 転記日付

X B 利益センタ

X C 会社コード

X D 勘定コード

正解です。伝票ヘッダに含まれるのは、転記日付と会社コードです。

© 著作権. All rights reserved. 263


4 章: 学習内容のテスト - 解答

264 © 著作権. All rights reserved.


5章 転記管理

レッスン 1
伝票分割の分析 267
演習問題 18 : 伝票分割を使用した伝票の転記 273

レッスン 2
初期値の更新 280
演習問題 19 : 初期値の更新 285

レッスン 3
変更管理の設定 289
演習問題 20 : 1 つの項目の変更管理を更新する方法 293

レッスン 4
反対仕訳伝票の設定 299
演習問題 21 : 反対仕訳伝票の転記 303

レッスン 5
支払条件と現金割引の設定 308
演習問題 22 : 支払条件の更新 317

レッスン 6
税および税コードの更新 329
演習問題 23 : 税コードの登録および得意先請求書の転記 339

レッスン 7
会社間取引の転記 344
演習問題 24 : 会社間取引の設定 347
演習問題 25 : 会社間取引の転記および照会 353

© 著作権. All rights reserved. 265


5 章: 転記管理

章の目的
● 伝票分割の分析
● 初期値の更新
● 変更管理の設定
● 反対仕訳伝票の設定
● 支払条件の設定
● 現金割引の準備
● 税の準備
● 税コードの設定
● 会社間取引の基本設定
● 会社間取引の転記

266 © 著作権. All rights reserved.


5章
レッスン 1
伝票分割の分析

レッスンの概要
このレッスンでは、伝票分割のコンセプトについて説明します。

ビジネスの例
SAP は、会社コードレベルより下位のオブジェクトの貸借を一致させるための伝票分割機能を提
供しています。セグメントレベルでの完全な貸借対照表レポートを生成しようとしています。
そのためには、以下のことを理解している必要があります。
● S/4HANA の総勘定元帳における伝票分割のコンセプト
● 能動伝票分割と受動伝票分割の違い
● カスタマイジングでの伝票分割の入力方法

レッスンの目的
このレッスンの目的は、以下のとおりです。
● 伝票分割の分析

総勘定元帳のビュー
新総勘定元帳では、財務会計 (FI) 伝票に常に 2 つのビューがあります。

図 100: 総勘定元帳のビュー

入力ビューおよび総勘定元帳ビューでの伝票の表示は総勘定元帳で定義されており、カスタマイ
ジングを使用してオンとオフを切り替えることはできません。

© 著作権. All rights reserved. 267


5 章: 転記管理

伝票分割

図 101: 伝票分割

以下のオブジェクトを使用して、損益計算書を表示できます。
● 利益センタ
● 事業領域
● セグメント

明細は、入力ビューでは分割されて表示されません。
伝票分割を使用する場合、総勘定元帳ビューでは、明細は分割されて表示されます。

注記:
伝票分割は、他のレポート特性を必要とする顧客固有のものです。たとえば、顧客は
会社コードに加えてセグメントごとの貸借対照表を必要とする場合があります。

268 © 著作権. All rights reserved.


レッスン: 伝票分割の分析

伝票分割 - 能動分割

図 102: 伝票分割 - 能動分割

明示的に入力しない場合、分割特性はカスタマイジングで定義するルールに基づいて転記行に転
送されます。図 "伝票分割 - 能動分割" では、利益センタ特性とセグメント特性の貸借は一致しま
す。
また、総勘定元帳ビューの仕入先明細と税明細も示しています。仕入先明細と税明細 (明細 1 と
4) が、費用明細 (明細 2 と 3、および費用勘定 65003000) に従って分割されます。
伝票分割 (オンライン分割とも呼ばれます) によって、会社では、オブジェクトの完全な貸借対照
表を作成することができます。
伝票分割を有効化しない場合、入力ビューと総勘定元帳ビューに違いはありません。

© 著作権. All rights reserved. 269


5 章: 転記管理

カスタマイジングでの伝票分割

図 103: 伝票分割の有効化

カスタマイジングで伝票分割を有効化します。

SAP S/4HANA では、標準処理として分割方法 0000000012 が用意されています。変更を加え


るには、この標準処理を Z000000012 などのカスタムエントリにコピーします。

注記:
伝票分割は、クライアントごとに有効化し、会社コードごとに無効化します。ただ
し、伝票を分割する決定は、会社コードレベルで行います。クライアントのすべての
会社コードでは、同じ伝票分割方法のみを使用することができます。

継承および標準勘定割当のコンセプト

表 18: 伝票分割設定

伝票分割を有効化する場合、以下の設定を有効にすることができます。
コンセプト テキスト

継承 勘定割当オブジェクトが一意である場合は、指
定されていないすべてのポジションで勘定割
当オブジェクトがオンラインで継承されます。
伝票分割を有効化する場合は、継承の区分を常
に設定する必要があります。
標準勘定割当 (標準 A/C 割当) 伝票転記時に分割特性の値が入力または誘導
されない場合は、利益センタやセグメントなど
の初期値を自動的に設定することができます。
標準勘定割当を使用するには、まずカスタマイ
ジングに定数値を定義する必要があります。

270 © 著作権. All rights reserved.


レッスン: 伝票分割の分析

初期値を使用すると、データの品質が低下することがあります。初期値を使用する場合、すべて
の不足オブジェクトが定数で置換されるため、誤った分割ルールを特定して修正することが難し
くなります。標準勘定割当を使用する場合は、初期値なしでテストを実行します。これにより、
エラーがないかどうかを確認することができます。

伝票分割のステップ
伝票分割プロセスは、以下の 3 つの簡易ステップに分割することができます。

図 104: 伝票分割のステップ

表 19: 伝票分割プロセスのステップ
伝票分割プロセスでは、以下のステップが実行されます。
分割タイプ テキスト 例

受動 消込時に、消込対象伝票のエン 支払時に、仕入先請求書が複数
ティティ (セグメントなど) がそ の勘定に割り当てられます。仕
のまま消込伝票にコピーされま 入先請求書は、60:40 の比率で 2
す。 つのセグメント A および B に分
割されます。消込時に、支払が
60:40 の比率でこれらのセグメ
ントに分割されます。これは、
総勘定元帳ビューでのみ行われ
ます。
能動 消込処理以外の伝票では、カス 仕入先請求書が複数の勘定に割
タマイジングで個別の分割ルー り当てられます。
ルを登録することができます。
特定の基準明細に従って分割す
る伝票の明細を指定するルール
を登録することができます。伝
票タイプがルールの基準となり
ます。
消込明細登録/貸借一致 この機能は、伝票全体に加えて、 この機能がない場合は、同じ勘
伝票内の貸借一致オブジェクト 定でセグメント A からセグメン
(利益センタやセグメントなど) ト B に振替転記すると 2 件の明
の残高をゼロにする必要がある 細が登録されます。貸借一致で
場合に使用されます。 は 2 件の追加消込明細が登録さ
れます。

© 著作権. All rights reserved. 271


5 章: 転記管理

伝票 - 分割ロジック、能動分割

図 105: 伝票 - 分割ロジック、能動分割

簡単に説明すると、分割方法とはすべての取引に対するすべての分割ルールを集計したもので
す。したがって、分割方法により、伝票分割の実行方法とその実行環境が定義されます。詳細に
説明すると、各分割方法により、個別取引における各明細カテゴリの処理方法が定義されます。
たとえば、得意先明細の勘定割当を収益明細から得意先請求書にコピーするかどうかなどです。
(ルールベース分割を参照してください)
取引とは、SAP が提供する実際のビジネスプロセスを一般的に分類したものであり、さまざまな
明細カテゴリが割り当てられます。
取引バリアント (会計トランザクションバリアント) は、SAP が提供する事前定義された取引を
具体化したものであり、伝票分割に関する実際のビジネスプロセスを (技術的に) モデル化したも
のです。
明細カテゴリは、転記済明細の (技術的な) マッピングです。これは、伝票 (取引) 内に表示され
る明細を記述します。明細カテゴリは、特に G/L 勘定カテゴリなどから誘導されます。つまり、
明細カテゴリは伝票分割の意味を説明するものです。
個別の分割ルールでは、どの明細カテゴリを分割することができるか、または分割する必要があ
るかが定義され (処理対象明細カテゴリ)、同時にどの基盤 (基準) を使用することができるか (基
準明細カテゴリ) も定義されます。

272 © 著作権. All rights reserved.


5章
演習問題 18
伝票分割を使用した伝票の転記

ビジネスの例
得意先請求書は、さまざまなオブジェクト (2 つの利益センタおよびさまざまなセグメント) に分
割されて割り当てられます。債権および税を収入明細に従って分割する必要があります。

注記:
この演習問題で、値に文字 ## が含まれているときは、この文字を講師が指定した数
字に置き換えてください。

1. 収益の得意先請求書を入力します (画面バリアント: Z_WITH_PROFIT_CENTER を使用)。以


下のデータを使用します。
項目名 値

得意先 登録した得意先
請求書日付 現在日付
転記日付 現在日付
金額 110000

税額計算 選択を解除
税額 10000

税コード 1O (仮受消費税 10% (トレーニング))

テキスト 他の営業グループ ##

会社コード GR##

第一明細
G/L 勘定 41000500

伝票通貨額 60000

利益センタ PR##

セグメント <自動的に割り当てられる (SE##)>

第二明細
G/L 勘定 41000500

伝票通貨額 40000

利益センタ T-PCA##

© 著作権. All rights reserved. 273


5 章: 転記管理

項目名 値

セグメント <自動的に割り当てられる (1000_A)>

注記:
保存する前に、伝票をシミュレートする必要があります。従来のシミュレーショ
ンを使用して、FI 伝票の入力ビューを照会することができます。特性利益センタ
およびセグメントが、すべての伝票明細に表示されるようにするには、総勘定元
帳ビューのシミュレーションを続けて行う必要があります。
以下のパラメータおよび情報を照会するには、総勘定元帳ビューのシミュレーシ
ョンにナビゲートして、エキスパートモードに進みます。
● 伝票分割の設定画面領域の場合:
- 伝票による誘導タイプ
- 取引
- 取引バリアント
● 伝票照会画面領域の場合:
- 基準明細の明細カテゴリ
- 分割の計算に基づく転記明細カテゴリ

完了させるには、エキスパートモードおよび総勘定元帳ビューのシミュレーショ
ンを終了して、伝票を転記します。

274 © 著作権. All rights reserved.


5章
解答 18
伝票分割を使用した伝票の転記

ビジネスの例
得意先請求書は、さまざまなオブジェクト (2 つの利益センタおよびさまざまなセグメント) に分
割されて割り当てられます。債権および税を収入明細に従って分割する必要があります。

注記:
この演習問題で、値に文字 ## が含まれているときは、この文字を講師が指定した数
字に置き換えてください。

1. 収益の得意先請求書を入力します (画面バリアント: Z_WITH_PROFIT_CENTER を使用)。以


下のデータを使用します。
項目名 値

得意先 登録した得意先
請求書日付 現在日付
転記日付 現在日付
金額 110000

税額計算 選択を解除
税額 10000

税コード 1O (仮受消費税 10% (トレーニング))

テキスト 他の営業グループ ##

会社コード GR##

第一明細
G/L 勘定 41000500

伝票通貨額 60000

利益センタ PR##

セグメント <自動的に割り当てられる (SE##)>

第二明細
G/L 勘定 41000500

伝票通貨額 40000

利益センタ T-PCA##

© 著作権. All rights reserved. 275


5 章: 転記管理

項目名 値

セグメント <自動的に割り当てられる (1000_A)>

注記:
保存する前に、伝票をシミュレートする必要があります。従来のシミュレーショ
ンを使用して、FI 伝票の入力ビューを照会することができます。特性利益センタ
およびセグメントが、すべての伝票明細に表示されるようにするには、総勘定元
帳ビューのシミュレーションを続けて行う必要があります。
以下のパラメータおよび情報を照会するには、総勘定元帳ビューのシミュレーシ
ョンにナビゲートして、エキスパートモードに進みます。
● 伝票分割の設定画面領域の場合:
- 伝票による誘導タイプ
- 取引
- 取引バリアント
● 伝票照会画面領域の場合:
- 基準明細の明細カテゴリ
- 分割の計算に基づく転記明細カテゴリ

完了させるには、エキスパートモードおよび総勘定元帳ビューのシミュレーショ
ンを終了して、伝票を転記します。

a) SAP Fiori ラウンチパッドホームページで、Accounts Receivable グループから得意先請求


書の登録タイルを選択します。
または、SAP Easy Access メニューのコマンドフィールドに、トランザクションコード
FB70 を入力します。

b) 必要に応じて、会社コード GR## を入力します。

c) 必要に応じて、画面バリアント Z_WITH_PROFIT_CENTER (ツリーオン) を選択します。

d) 得意先請求書入力画面で、以下のデータを入力します。
項目名 値
基本データ
会社コード GR##

得意先 得意先を入力します
請求書日付 現在日付
転記日付 現在日付
金額 110000

通貨 EUR

276 © 著作権. All rights reserved.


レッスン: 伝票分割の分析

項目名 値
税額計算 空白のまま
税額 10000

税コード 1O (10% 仮受消費税 (トレーニング))

テキスト 他の営業グループ ##

e) 明細セクションに以下のデータを入力します。
項目名 値
第一明細
G/L 勘定 41000500

D/C 貸方

伝票通貨額 60000

利益センタ PR##

セグメント <自動的に割り当てられる (SE##)>

第二明細
G/L 勘定 41000500

D/C 貸方

伝票通貨額 40000

利益センタ T-PCA##

セグメント <自動的に割り当てられる (1000_A)>

f) シミュレートを選択します。

g) 前画面を選択し、情報メッセージを確認して続行します。

h) 総勘定元帳ビューをシミュレートするには、追加 → 伝票 → 総勘定元帳のシミュレートを
選択します。
特性利益センタおよびセグメントが、すべての伝票明細に表示される必要があります。

i) 金額列を選択し、合計ボタンを選択して、全体の合計を計算します。セグメント列を選択
し、小計... を使用して小計を表示します。

j) エキスパートモードに進むには、エキスパートモードボタンを選択します。

k) 以下の値を照会します。
項目名 値

伝票による誘導タイプ DR

取引 0200

取引バリアント 0001

© 著作権. All rights reserved. 277


5 章: 転記管理

項目名 値

勘定設定カテゴリ 基準行 3/4

債権勘定 (勘定 12100000) は、どの転記明 収益明細 41000500 (30000) および


細に基づいて分割されるか。 22000000 (05100)

l) 続行を選択し、前画面を選択します。

m) 転記を選択します。

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レッスン: 伝票分割の分析

レッスンのまとめ
以下について学習しました。
● 伝票分割の分析

© 著作権. All rights reserved. 279


5章
レッスン 2
初期値の更新

レッスンの概要
このレッスンでは、初期値の更新方法について説明します。

ビジネスの例
SAP トランザクションの実行時に、同じデータを何度も入力したくありません。したがって、
SAP S/4HANA の項目に初期値を設定します。そのため、以下の知識が必要です。
● 初期値についての理解
● ユーザ固有の初期値の設定方法についての理解
● システムでの初期値の設定方法についての理解

レッスンの目的
このレッスンの目的は、以下のとおりです。
● 初期値の更新

280 © 著作権. All rights reserved.


レッスン: 初期値の更新

初期値
ユーザ設定の初期値

図 106: ユーザ設定の初期値

パラメータ ID を使用して、値が頻繁に変更されない項目 (会社コード項目、通貨項目など) の初


期値を設定することができます。トランザクションを実行すると、初期値が対応する項目に自動
的に表示されます。マニュアル入力する代わりに事前定義された値を照会することにより、入力
ミスを回避することができます。
編集オプションを使用すると、以下の領域などを設定することができます。
● 伝票入力
● 伝票照会
● 未消込明細
● 明細
● 小口現金出納帳

SAP S/4HANA にログオンするときには、ユーザ ID に対する特定のプロパティがアプリケーシ


ョン全体で適用されます。
ユーザ固有プロパティの例を以下に示します。
● ログオン言語
● 日付書式
● 小数点表記

また、各自のプリンタの初期値を設定することもできます。

© 著作権. All rights reserved. 281


5 章: 転記管理

ユーザ更新を簡略化するには、以下の手順に従ってください。

1. ダミーユーザを登録します。

2. 会計要件に応じて値を更新します。

3. ユーザをコピーします。

システム初期値と会計管理初期値

図 107: システム初期値と会計管理初期値

SAP S/4HANA (FI) では、伝票入力の際に基本的な初期値が提供されます。たとえば、伝票入力


時に現在日付が転記日付として提案されます。すでに伝票を入力し、特定の会社コードを使用し
たと仮定します。前回の伝票で入力したものと同じ会社コードが次の伝票で提案されます (同じ
転記方法が選択された場合)。
SAP S/4HANA (FI) は、伝票残高がゼロになっていないと伝票を転記することができないという
伝票の原則に従います。
会計管理でさまざまな取引を入力する場合、SAP S/4HANA には以下の項目について事前定義さ
れた値が提供されます。
● 伝票タイプ
● 転記キー

たとえば、仕入先請求書の伝票タイプが KR の場合、貸方転記は転記キー 31 を使用して実行され


ます。

282 © 著作権. All rights reserved.


レッスン: 初期値の更新

会計年度提案
SAP S/4HANA (FI) で、伝票の照会または変更時に (取引を使用して) 会計年度が提案されるよう
にするかどうかを設定することができます。年度固有の伝票番号割当のある会社コードで会計
年度が提案される場合、最後に処理した伝票の伝票番号とその会計年度が提案されます。また、
起算日として CPU 日付を提案することもできます。
会社コードレベルで、以下の換算レート間で許容される差額上限を入力することができます。
● 取引の伝票ヘッダに入力された換算レート
● 換算レートテーブル内の換算レート

SAP S/4HANA (FI) で換算レート間のパーセント差額上限を超えたことが判別されると、警告メ


ッセージが表示されます。これにより、入力ミスを発見することができます。

© 著作権. All rights reserved. 283


5 章: 転記管理

284 © 著作権. All rights reserved.


5章
演習問題 19
初期値の更新

ビジネスの例
ユーザはデータの入力を 1 回だけにしたいです。そのため、システムで初期値を定義します。

注記:
この演習問題で、値に文字 ## が含まれているときは、この文字を講師が指定した数
字に置き換えてください。

1. ユーザが伝票入力中に誤って伝票タイプを変更することがないように、必要な設定を選択し
ます。

2. 起算日は、資金管理に取引を反映させるために必要です。伝票処理時に起算日を初期表示す
る機能を有効化してください。

3. 会社の換算レート差異の上限を 5% に設定します。現在、換算レート差異の上限が 10% に設


定されていますが、経理担当者はこの率が高すぎることを懸念しています。

© 著作権. All rights reserved. 285


5章
解答 19
初期値の更新

ビジネスの例
ユーザはデータの入力を 1 回だけにしたいです。そのため、システムで初期値を定義します。

注記:
この演習問題で、値に文字 ## が含まれているときは、この文字を講師が指定した数
字に置き換えてください。

1. ユーザが伝票入力中に誤って伝票タイプを変更することがないように、必要な設定を選択し
ます。
a) SAP Fiori ラウンチパッドホームページで、Accounts Receivable グループから得意先請求
書の登録タイルを選択します。

b) 編集オプションボタンを選択します。

c) 画面の下部にある伝票 typ.option 項目で、伝票タイプ非表示 (選択肢: 伝票タイプオプシ


ョン) を選択します。

d) ユーザマスタ変更を選択します。
オプションがユーザマスタレコードに入力されたというメッセージが表示されます。

e) 前画面を選択します。

f) タブページを閉じます。

2. 起算日は、資金管理に取引を反映させるために必要です。伝票処理時に起算日を初期表示す
る機能を有効化してください。
a) カスタマイジングで、財務会計 → 財務会計共通設定 → 伝票 → 初期値 → 定義: 起算日初
期値を選択します。

b) 下にスクロールして会社コード GR## を照会し、起算日初期値提案を選択します。

c) 保存を選択します。

d) 終了を選択して、IMG 照会画面に戻ります。

3. 会社の換算レート差異の上限を 5% に設定します。現在、換算レート差異の上限が 10% に設


定されていますが、経理担当者はこの率が高すぎることを懸念しています。
a) カスタマイジングで、財務会計 → 財務会計共通設定 → 会社コードのグローバルパラメー
タ → 通貨 → 換算レート差損益上限 → 定義: 会社コード別の換算レート誤差上限を選択
します。

286 © 著作権. All rights reserved.


レッスン: 初期値の更新

b) 下にスクロールして会社コード GR## を照会し、換算レート誤差上限 % 項目を 5% に変


更します。

c) 保存を選択します。

d) 前画面を選択して、IMG 照会画面に戻ります。

注記:
今後の取引に反映されるシステム初期値の設定を行いました。

© 著作権. All rights reserved. 287


5 章: 転記管理

レッスンのまとめ
以下について学習しました。
● 初期値の更新

288 © 著作権. All rights reserved.


5章
レッスン 3
変更管理の設定

レッスンの概要
このレッスンでは、変更管理の設定方法について説明します。

ビジネスの例
会計責任者は、SAP S/4HANA に伝票が転記された後、特定の項目を変更不可にしたいと考えて
います。そのためには、以下のことを理解している必要があります。
● 伝票変更を管理するルール
● 伝票の変更方法
● 伝票変更の分析方法

レッスンの目的
このレッスンの目的は、以下のとおりです。
● 変更管理の設定

変更管理
伝票の変更

図 108: 伝票の変更

© 著作権. All rights reserved. 289


5 章: 転記管理

ユーザは転記済の伝票を変更することができます。ただし、さまざまなルールに基づいて特定の
項目のみを変更することができます。
伝票の以下の項目を変更することができます。
● 伝票ヘッダ
参照番号と伝票ヘッダテキスト
● 明細
例: ソートキー項目、テキスト項目、および支払条件

注記:
金額、転記キー、勘定、または転記の照合に影響を与えるその他の項目は変更するこ
とができません。

ユーザが伝票を変更すると、SAP S/4HANA では以下の情報が記録されます。


● 変更された項目
● 変更前と後の値
● 変更者
● 変更日時

伝票変更ルール

図 109: 伝票変更ルール

以下の基準を使用して、伝票変更ルールを区別することができます。

290 © 著作権. All rights reserved.


レッスン: 変更管理の設定

● 勘定タイプ
勘定タイプにより、得意先、仕入先、および G/L 勘定に対するルールを定義することができ
ます。
● 特殊仕訳タイプ
特殊仕訳タイプは、手形や前受/前払金などの特殊仕訳取引にのみ使用します。
● 会社コード
会社コードが空白の場合、変更ルールはクライアントのすべての会社コードに適用されます。

以下の条件の下で項目を変更することができます。
● 会計期間がオープンであること
● 明細が消し込まれていないこと
● 明細が得意先コードの借方か、仕入先コードの貸方であること
● 伝票が請求書のクレジットメモではないこと
● 伝票が前受/前払金のクレジットメモではないこと

レポート RFBABL00 を使用すると、すべての伝票の伝票変更を照会することができます。


このレポートでは、変更された伝票について以下の選択オプションを使用することができます。
● 会社コード
● 伝票番号
● 会計年度
● 変更日付
● 変更者のユーザ名

© 著作権. All rights reserved. 291


5 章: 転記管理

292 © 著作権. All rights reserved.


5章
演習問題 20
1 つの項目の変更管理を更新する方法

ビジネスの例
ソートキー項目により、受注管理のどの伝票が会計伝票の基礎となるかが決まります。内部監査
人から、取引の転記後はソートキー項目を変更できないように依頼されました。
ソートキー項目が変更可能であるかどうかをチェックします。変更可能である場合は、変更ルー
ルを変更して、変更不可能にします。

注記:
この演習問題で、値に文字 ## が含まれているときは、この文字を講師が指定した数
字に置き換えてください。

1. 転記した得意先請求書 (FI 伝票の転記に関する演習問題) で、BSEG-ZUONR ソートキー項目


が変更可能であるかどうかを確認します。

表 20: 得意先コード詳細
項目名 値

得意先コード 登録した得意先
会社コード GR##

ステータス 未消込明細
基準日未消込明細 現在日付
明細タイプ 標準明細

表 21: ソートキー詳細
項目名 値

ソートキー 47##

2. 変更可能な場合は、勘定タイプ S、D、および K のルールを変更して、ソートキー項目を変


更不可能にします。以下のデータを使用します。

表 22: 勘定 S 詳細
項目名 値

項目名 BSEG-ZUONR

勘定タイプ S

© 著作権. All rights reserved. 293


5 章: 転記管理

項目名 値

特殊仕訳タイプ 空白のまま
会社コード GR##

項目変更可能 空白のまま

表 23: 勘定 D 詳細
項目名 値

項目名 BSEG-ZUONR

勘定タイプ D

特殊仕訳タイプ 空白のまま
会社コード GR##

項目変更可能 空白のまま

表 24: 勘定 K 詳細
項目名 値
項目名 BSEG-ZUONR

勘定タイプ K

特殊仕訳タイプ 空白のまま
会社コード GR##

項目変更可能 空白のまま

3. ソートキー項目 BSEG-ZUONR が変更不可能になっているかどうかを確認します。以下のデ


ータを使用します。

表 25: ソートキー詳細
項目名 値

ソートキー 88##

294 © 著作権. All rights reserved.


5章
解答 20
1 つの項目の変更管理を更新する方法

ビジネスの例
ソートキー項目により、受注管理のどの伝票が会計伝票の基礎となるかが決まります。内部監査
人から、取引の転記後はソートキー項目を変更できないように依頼されました。
ソートキー項目が変更可能であるかどうかをチェックします。変更可能である場合は、変更ルー
ルを変更して、変更不可能にします。

注記:
この演習問題で、値に文字 ## が含まれているときは、この文字を講師が指定した数
字に置き換えてください。

1. 転記した得意先請求書 (FI 伝票の転記に関する演習問題) で、BSEG-ZUONR ソートキー項目


が変更可能であるかどうかを確認します。

表 20: 得意先コード詳細
項目名 値

得意先コード 登録した得意先
会社コード GR##

ステータス 未消込明細
基準日未消込明細 現在日付
明細タイプ 標準明細

表 21: ソートキー詳細
項目名 値

ソートキー 47##

a) SAP Fiori ラウンチパッドホームページで、Accounts Receivable グループの得意先明細管


理タイルを選択します。

b) 得意先コード詳細表のデータを入力します。

c) 開始を選択します。

d) 前にあるチェックボックスを使用して、画面上の第一明細を選択します。

e) 明細編集を選択します。

© 著作権. All rights reserved. 295


5 章: 転記管理

f) 表示される画面に、ソートキー項目が表示されます (セクター: 追加データ)。

g) ソートキー詳細の表に記載されたデータ (47##) を入力します。

h) 画面の下部で、OK を選択します。
画面に、データが変更されたという簡易情報メッセージが表示されます。

i) この画面を表示したままにします。

2. 変更可能な場合は、勘定タイプ S、D、および K のルールを変更して、ソートキー項目を変


更不可能にします。以下のデータを使用します。

表 22: 勘定 S 詳細
項目名 値

項目名 BSEG-ZUONR

勘定タイプ S

特殊仕訳タイプ 空白のまま
会社コード GR##

項目変更可能 空白のまま

表 23: 勘定 D 詳細
項目名 値

項目名 BSEG-ZUONR

勘定タイプ D

特殊仕訳タイプ 空白のまま
会社コード GR##

項目変更可能 空白のまま

表 24: 勘定 K 詳細
項目名 値
項目名 BSEG-ZUONR

勘定タイプ K

特殊仕訳タイプ 空白のまま
会社コード GR##

項目変更可能 空白のまま

a) カスタマイジングで、財務会計 → 財務会計共通設定 → 伝票 → 伝票変更ルール → 伝票変


更ルール - 明細を選択します。

296 © 著作権. All rights reserved.


レッスン: 変更管理の設定

b) 新規エントリを選択します。

c) 勘定 S 詳細の表に記載されたデータを入力します。

d) Enter を選択します。

e) 前画面を選択して、概要画面に戻ります。

f) 新しいエントリを選択/マークし、別名コピーを選択します。

g) 勘定 D 詳細の表に記載されたデータを入力します。

h) Enter を選択します。

i) 保存を選択します。

j) 新しいエントリを選択し、別名コピーを選択します。

k) 勘定 K 詳細の表に記載されたデータを入力します。

l) Enter を選択します。

m) 保存を選択します。

n) IMG 照会画面に戻るため、前画面を選択します。

3. ソートキー項目 BSEG-ZUONR が変更不可能になっているかどうかを確認します。以下のデ


ータを使用します。

表 25: ソートキー詳細
項目名 値

ソートキー 88##

a) SAP Fiori の得意先明細管理画面に戻ります。

b) 明細を選択/マークし、明細編集を選択します。
次の画面に、ソートキー項目が表示されます。

c) ソートキー詳細の表に記載されたデータ (88##) を入力します。

d) 画面の下部で、OK を選択します。
次のメッセージが表示されます。ソートキーは選択された明細に対して変更できませ
ん ......

e) 閉じるを選択します。

f) SAP Fiori ラウンチパッドホームページに戻るには、SAP ロゴ (ホームページにナビゲー


ト) を選択します。

注記:
得意先、仕入先、および総勘定元帳転記に適用される伝票変更ルールを登録
し、転記後にソートキー項目を変更できないようにしました。

© 著作権. All rights reserved. 297


5 章: 転記管理

レッスンのまとめ
以下について学習しました。
● 変更管理の設定

298 © 著作権. All rights reserved.


5章
レッスン 4
反対仕訳伝票の設定

レッスンの概要
このレッスンでは、反対仕訳伝票の設定方法について説明します。

ビジネスの例
ユーザが誤ったデータを入力し、伝票を転記する場合があります。このような場合、伝票を反対
仕訳して正しく入力し直す必要があります。管理部門は、伝票の反対仕訳によって取引金額が修
正されることを望んでいます。そのためには、以下のことを理解している必要があります。
● 伝票の反対仕訳方法
● カスタマイジングでの反対仕訳理由の定義方法

レッスンの目的
このレッスンの目的は、以下のとおりです。
● 反対仕訳伝票の設定

反対仕訳伝票
反対仕訳伝票

図 110: 反対仕訳伝票

© 著作権. All rights reserved. 299


5 章: 転記管理

ユーザが間違えて伝票を入力する場合があります。その結果として登録された伝票は、不正な情
報が含まれるため修正が必要になります。伝票に対する修正を記録するには、まず、間違った伝
票を反対仕訳する必要があります。その後、正しいエントリで伝票を再転記することができま
す。
SAP S/4HANA には、総勘定元帳伝票、得意先伝票、および仕入先伝票を個別に、またはグルー
プとして反対仕訳できる機能が用意されています。この一括反対仕訳機能を使用すると、ユーザ
が入力する広範な伝票を反対仕訳することができます。この機能では、同じトランザクションを
使用して個別の伝票を反対仕訳することもできます。
以下のいずれかの方法を使用して、伝票を反対仕訳することができます。
● 標準の反対仕訳転記
● マイナス転記

標準の反対仕訳転記では、反対仕訳転記を実行すると取引金額が増加します。一方、マイナス転
記では、反対仕訳転記を実行すると取引金額をリセットします。マイナス転記を使用すると、取
引金額が不要に大きくなることを避けることができます。この機能は得意先の要件を満たすた
めに開発されたものであり、オプションです。
伝票を反対仕訳する際、反対仕訳について説明する反対仕訳理由を入力する必要があります。反
対仕訳理由設定は、元の転記日付とは異なる反対仕訳日付を入力できるように設定できます。
消込済明細を含む伝票を反対仕訳することはできません。反対仕訳する前に、伝票を再登録する
必要があります。

標準反対仕訳転記とマイナス転記

図 111: 標準反対仕訳転記とマイナス転記

標準の反対仕訳転記では、誤った借方転記を貸方に転記し、誤った貸方転記を借方に転記しま
す。この形式の転記では、取引金額が増加します。

300 © 著作権. All rights reserved.


レッスン: 反対仕訳伝票の設定

マイナス転記でも、誤った借方転記を貸方に転記し、誤った貸方転記を借方に転記します。マイ
ナス転記では、転記金額は取引金額に加算されず、勘定の反対側の取引金額から減算されます。
この結果、取引金額は誤った転記前の状態に戻されます。
マイナス転記を行うには、以下の前提条件を満たしている必要があります。
● 会社コードでマイナス転記が許可されていること
● マイナス転記を許可する反対仕訳理由が設定されていること

マイナス転記を使用して、間違った明細の振替転記を実行することもできます。マイナス転記を
使用して誤った勘定から明細が削除されますが、その際、取引金額がリセットされます。その
後、通常の転記を使用して正しい勘定に明細を転記します。この方法は、マイナス転記が許可さ
れている伝票タイプでのみ行うことができます。

© 著作権. All rights reserved. 301


5 章: 転記管理

302 © 著作権. All rights reserved.


5章
演習問題 21
反対仕訳伝票の転記

ビジネスの例
ユーザが誤った伝票を入力し、転記する場合があります。このような場合、伝票を反対仕訳して
正しく入力し直す必要があります。管理部門は、取引金額が修正されることを望んでいます。
会社コードにマイナス転記で伝票の反対仕訳を許可するよう設定します。

注記:
この演習問題で、値に ## 文字が含まれているときは、その文字を講師が指定した数
字に置き換えてください。

1. 会社コードでマイナス転記が許可されているかどうかを確認します。会社コードでマイナス
転記を許可します。

2. マイナス転記による反対仕訳の実行に使用される反対仕訳理由を確認します。

3. 演習問題 "FI 伝票の転記" の現金勘定 (10010000) の残高をチェックします。残高を照会し、


転記済伝票にナビゲートし、マイナス転記を実行します。もう一度残高を照会し、変更を確
認します。

© 著作権. All rights reserved. 303


5章
解答 21
反対仕訳伝票の転記

ビジネスの例
ユーザが誤った伝票を入力し、転記する場合があります。このような場合、伝票を反対仕訳して
正しく入力し直す必要があります。管理部門は、取引金額が修正されることを望んでいます。
会社コードにマイナス転記で伝票の反対仕訳を許可するよう設定します。

注記:
この演習問題で、値に ## 文字が含まれているときは、その文字を講師が指定した数
字に置き換えてください。

1. 会社コードでマイナス転記が許可されているかどうかを確認します。会社コードでマイナス
転記を許可します。
a) カスタマイジングで、財務会計 → 総勘定元帳 → 取引 → 調整転記/反対仕訳 → 許可: マイ
ナス転記を選択します。

b) ビュー "会社コードにおけるマイナス転記の更新" 変更: 概要画面で、位置を選択します。

c) 別のエントリダイアログボックスで、会社コード項目に GR## を入力します。

d) 続行を選択します。

e) マイナス転記が有効でない場合は、マイナス転記可チェックボックスを選択します。

f) エントリを保存します。

g) 前画面を選択して、IMG 照会画面に戻ります。

2. マイナス転記による反対仕訳の実行に使用される反対仕訳理由を確認します。
a) カスタマイジングで、財務会計 → 総勘定元帳 → 取引 → 調整転記/反対仕訳 → 定義: 反対
仕訳理由を選択します。

b) 理由コードをチェックします。
マイナス転記区分は、特に反対仕訳理由 03、04、および 05 に対して設定されています。

c) 前画面を選択します。

3. 演習問題 "FI 伝票の転記" の現金勘定 (10010000) の残高をチェックします。残高を照会し、


転記済伝票にナビゲートし、マイナス転記を実行します。もう一度残高を照会し、変更を確
認します。
a) SAP Fiori ラウンチパッドホームページで、General Ledger グループの G/L 勘定残高照会
タイルを選択します。

b) G/L 勘定残高画面で、以下のデータを入力します。

304 © 著作権. All rights reserved.


レッスン: 反対仕訳伝票の設定

項目名 値
元帳 0L (リーディング元帳)

会社コード GR##

G/L 勘定 10010000

元帳会計年度 今年度
期間開始 空白のまま
期間終了 空白のまま

c) 開始を選択します。

d) 現会計期間の残高を記録してください。
借方: _______________
貸方: _____________

e) 現会計期間の借方残高をクリックします。矢印 (>) をクリックして構造を展開します。


残高を登録した明細が最下位レベルに表示されます。

f) 仕訳の下線が付いた数字をクリックします。

g) ダイアログボックスで、仕訳管理をクリックします。

h) 仕訳管理画面で、仕訳に戻るボタンを選択します。

i) 反対仕訳する正しい伝票であるかどうかを確認します。正しい伝票である場合は、画面右
下のセクションにある反対仕訳ボタンを選択します。

j) 仕訳の反対仕訳画面で、以下のデータを入力します。
項目名 値
反対仕訳理由 (03) 現会計期間の反対仕訳 (マイナス
転記)

転記日付 元の明細の転記日付
税レポート日付 変更不要
期間 空白のまま
無効理由のチェック 空白のまま

k) OK を選択します。
画面の上部中央に、反対仕訳された伝票が転記されますというメッセージが表示されま
す。

l) これで、反対仕訳済伝票 (入力ビュー) を画面に表示することができます。関連伝票が 1


つあります。関連伝票をクリックします。反対仕訳伝票も画面に表示されます。
または、反対仕訳を実行するために、仕訳管理アプリを使用できます。明細を選択/マー
クして反対仕訳ボタンを選択します。

m) G/L 勘定残高画面に戻るには、前画面を 2 回選択します。

© 著作権. All rights reserved. 305


5 章: 転記管理

n) 現会計期間の残高を記録してください。
借方: _______________
貸方: _____________

o) これらの値を反対仕訳の前に記録した残高と比較します。

p) SAP Fiori ラウンチパッドホームページに戻るには、SAP ロゴ (ホームページにナビゲー


ト) を選択します。

306 © 著作権. All rights reserved.


レッスン: 反対仕訳伝票の設定

レッスンのまとめ
以下について学習しました。
● 反対仕訳伝票の設定

© 著作権. All rights reserved. 307


5章
レッスン 5
支払条件と現金割引の設定

レッスンの概要
このレッスンでは、支払条件と現金割引の設定方法について説明します。

ビジネスの例
会社は、現在も仕入先と新しい支払条件について交渉しており、これらをシステムに反映させる
予定です。現金割引は自動的に転記されるようにします。そのためには、以下のことを理解して
いる必要があります。
● 支払条件の定義方法
● 現金割引の自動転記に対する勘定設定の実行方法

レッスンの目的
このレッスンの目的は、以下のとおりです。
● 支払条件の設定
● 現金割引の準備

支払条件

図 112: 支払条件

支払条件は、ビジネスパートナとの間で請求書支払に関して取り決められた条件です。

308 © 著作権. All rights reserved.


レッスン: 支払条件と現金割引の設定

支払条件では、以下のパラメータが定義されます。
● 支払期日
● 特定の期間内に請求書の支払に適用される現金割引

SAP S/4HANA ではいくつかの支払条件が事前定義されています。必要に応じて、新しい支払条


件を追加することもできます。
支払条件では、以下の項目を計算することができます。
● 現金割引
● 請求書の支払期日

現金割引および請求書の支払期日の項目を計算するには、以下のデータが必要です。
● 支払基準日
支払期日の起算日
● 現金割引条件
現金割引が適用される条件
● 現金割引率
現金割引の計算に使用する比率

伝票の処理時に、必要な支払条件を計算できるように支払条件を入力する必要があります。
支払条件は、得意先または仕入先マスタレコード (ビジネスパートナ) に保存されます。これらの
支払条件は、転記処理時の初期条件になります。ただし、ユーザは必要に応じてこれらの条件を
変更することができます。

請求書の支払条件

図 113: 請求書の支払条件

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5 章: 転記管理

支払条件は、得意先または仕入先マスタレコード (ビジネスパートナ) の会社コードレベル、販売


エリアレベル、および購買組織レベルで入力することができます。
請求書の転記時に初期設定される支払条件は、請求書を登録するコンポーネントによって決まり
ます。

請求書の場所

表 26: 請求書の場所
請求書は、以下のいずれかの場所で登録することができます。
システムの場所 ステータス
財務会計 会社コードレベルの支払条件が初期値となり
ます (ビジネスパートナロール FI)。

受注管理 販売エリアレベルの支払条件が初期値となり
ます (ビジネスパートナロール SD)。受注管理
に請求書を転記すると、支払条件が、自動的に
登録される FI 請求書にコピーされます。

購買管理 購買組織レベルの支払条件が初期値となりま
す (ビジネスパートナロール MM)。購買管理
に請求書を転記すると、支払条件が会計伝票に
自動的にコピーされます。

仕入先請求書の入力時に、固定金額を現金割引として設定するか、固定の現金割引率を設定する
こともできます。現金割引は、支払期間や支払日に依存しません。固定の現金割引または現金割
引率を設定するには、現金割引項目に適切な値を入力する必要があります。

請求書関連クレジットメモの支払条件

図 114: 請求書関連クレジットメモの支払条件

310 © 著作権. All rights reserved.


レッスン: 支払条件と現金割引の設定

クレジットメモの支払条件の転記には、以下のオプションを使用することができます。
● 請求書関連クレジットメモ
● その他のクレジットメモ

伝票入力時に参照請求書項目に請求書番号を入力すると、クレジットメモをオリジナル請求書に
リンクすることができます。この場合、支払条件は請求書からクレジットメモにコピーされま
す。請求書とクレジットメモの支払期日は同じになります。

その他のクレジットメモの支払条件

図 115: その他のクレジットメモの支払条件

得意先マスタレコードには、クレジットメモに対する独自の支払条件項目として、クレジットメ
モ支払条件という項目が存在します。項目ステータスの設定で表示が許可されている場合、この
項目は標準の支払条件の直下に表示されます。割り当てられている支払条件がある場合、クレジ
ットメモの入力時にシステムによって提案されます。
オリジナル請求書にリンクされていないクレジットメモの支払条件は、無視されます。これらの
クレジットメモは、いずれも支払基準日が支払期日になります。このような請求書関連でないク
レジットメモの支払条件を有効にするには、伝票入力時に参照請求書項目に V を入力します。

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5 章: 転記管理

支払条件: 基本データ

図 116: 支払条件 - 基本データ

期限により、1 つの支払条件キーで日付固有の支払条件を定義することができます。
支払条件を複数バージョン定義して、各バージョンに異なる期限を指定することができます。
期限は、その支払条件バージョンが適用される支払基準日を表します。期限 (支払基準日が月の
15 日より前であるかどうかなど) に依存する支払条件では、同じ支払条件キーを使用して 2 部分
から成る支払条件を入力することができます。指定された期限のエントリが支払条件キーに追
加されます。これにより、支払条件の異なる 2 つのエントリを定義することができます。
以下の支払条件では、期限の指定が必要です。
● 請求書日付が月の 15 日以前で、翌月の最終日が支払期日となる伝票
● 請求書日付が月の 15 日以降で、翌月の 15 日が支払期日となる伝票

仕入先請求書および仕入先クレジットメモの支払条件

表 27: 仕入先請求書および仕入先クレジットメモの支払条件
仕入先請求書および仕入先クレジットメモに対して以下の支払条件を指定することができます。
項目名 テキスト
期限 支払条件が有効となるカレンダ日を表します。
期限を使用して、単一または複数の支払条件を
支払条件キーに保存することができます。

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レッスン: 支払条件と現金割引の設定

項目名 テキスト
テキスト SAP S/4HANA によって自動的に生成される
説明が含まれています。この説明は、ユーザ定
義のテキストで置換することができます。請
求書に印刷される販売管理テキストも含まれ
ています。
勘定タイプ 支払条件を使用できる補助元帳を定義します。
仕入先と得意先に対して個別の支払条件を定
義し、1 つの勘定タイプでのみ使用します。こ
れにより、得意先の支払条件に対して行った変
更が、仕入先への転記に影響するのを回避する
ことができます。たとえば、現金割引率を 3%
から 2% に変更するなどの例があります。

支払条件: 支払管理

図 117: 支払条件 - 支払管理

支払条件の定義時に、保留キーや支払方法を入力して、支払を管理することができます。保留キ
ー (= 保留理由) を使用すると、転記時に支払の明細を保留することができます。その場合、支払
プログラムによる明細の回収と支払が行われません。これは、仕入先請求書に対して特に役立ち
ます。最初に、常に支払保留を設定します。次の担当者が請求書をチェックし、支払ブロックを
削除します (二重管理原則)。
支払に使用される処理 (小切手、振込、手形) は、支払方法によって決まります。
保留キーおよび支払方法は、以下の処理で設定することができます。
● 転記時
● 得意先または仕入先マスタレコード内 (会社コードレベル、ビジネスパートナロール FI)
● 支払条件内

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5 章: 転記管理

支払条件に定義された保留キーと支払方法は、支払条件の使用時に初期値として明細に設定され
ます。

支払基準日の計算

図 118: 支払基準日

請求書の支払期日および現金割引条件を計算する場合、支払基準日が使用されます。支払基準日
は、提案された値を使用することも、マニュアルで入力することもできます。支払基準日の初期
値には、転記日付、伝票日付、および入力日付を適用することができます。
支払基準日の計算には、以下の 2 つの方法を使用することができます。
● 固定日
これは基準日のカレンダ日を上書きするために使用される日付です。たとえば、固定日を常
に月の 15 日にすることができます。
● 追加月の数
これらは支払基準日のカレンダ月に追加する必要がある月です。

SAP S/4HANA の支払基準日の初期値による処理と、月数を追加して支払期日を変更する方法の


詳細については、ノート 162885 を参照してください。

314 © 著作権. All rights reserved.


レッスン: 支払条件と現金割引の設定

現金割引

図 119: 現金割引

現金割引を計算するには、支払条件に割引率を入力します。同じ行に、その率が適用される日数
を入力します。必要に応じて、支払条件行に固定日数と追加月数を追加することができます。
支払条件で指定された日数および追加月数と支払基準日を使用して、支払日における正確な割引
額が計算されます。
現金割引期間は 3 つまで入力することができます。

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5 章: 転記管理

316 © 著作権. All rights reserved.


5章
演習問題 22
支払条件の更新

ビジネスの例
この会社では、さまざまな支払条件を使用します。現金割引は自動的に転記されるようにしま
す。この会社では、仕入先と新たな支払条件を取り決めました。

注記:
この演習問題で、値に ## 文字が含まれているときは、その文字を講師が指定した数
字に置き換えてください。

1. 新たな支払条件キー AC## を定義して、それが正しく機能することを確認する必要がありま


す。仕入先との間で取り決められた新たな条件は以下のとおりです。

● 即時支払の場合 5% の現金割引

● 14 日以内の支払の場合 2% の現金割引

● 30 日以内の支払には控除なし

● 転記日付が支払基準日

以下のデータを使用します。

項目名 値

支払条件 AC##

勘定タイプ
得意先 選択しない
仕入先 選択
支払基準日初期値 転記日付
支払条件
条件 1

パーセント 5%

日数 空白のまま
条件 2

パーセント 2%

日数 14

条件 3

© 著作権. All rights reserved. 317


5 章: 転記管理

項目名 値

日数 30

2. 新たな支払条件を仕入先に割り当てます。仕入先マスタレコードに支払条件を入力します。
以下のデータを使用します。

表 28: 仕入先
項目名 値

ビジネスパートナ Vendor##

表 29: BP ロール
項目名 値

BP 役割の照会 トレーニング FI 仕入先 (a-z)

表 30: 支払条件
項目名 値

支払条件 AC##

3. 次回請求書を入力する際に、新しい支払条件キーを使用します。4,000 EUR (国内通貨) の請


求書を転記して、新たな支払条件をテストします。借方転記には、G/L 勘定 65001000、原
価センタ COCE##、および仮払消費税コード V0 (0%) を使用します。仕入先請求書の登録
アプリを選択します。Z_WITH_COST_CENTER 画面バリアントを使用します。以下のデー
タを使用します。

表 31: 請求書詳細
項目名 値

仕入先 Vendor##

請求書日付 昨日の日付
転記日付 現在日付
参照 1##

表 32: 税情報
項目名 値

金額 4000

税コード V0 (0% 仮払消費税非課税)

318 © 著作権. All rights reserved.


レッスン: 支払条件と現金割引の設定

表 33: 原価センタ詳細
項目名 値

G/L 勘定 65001000

D/C 借方

伝票通貨額 *

税コード V0 (0% 仮払消費税非課税)

原価センタ COCE##

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5章
解答 22
支払条件の更新

ビジネスの例
この会社では、さまざまな支払条件を使用します。現金割引は自動的に転記されるようにしま
す。この会社では、仕入先と新たな支払条件を取り決めました。

注記:
この演習問題で、値に ## 文字が含まれているときは、その文字を講師が指定した数
字に置き換えてください。

1. 新たな支払条件キー AC## を定義して、それが正しく機能することを確認する必要がありま


す。仕入先との間で取り決められた新たな条件は以下のとおりです。

● 即時支払の場合 5% の現金割引

● 14 日以内の支払の場合 2% の現金割引

● 30 日以内の支払には控除なし

● 転記日付が支払基準日

以下のデータを使用します。

項目名 値

支払条件 AC##

勘定タイプ
得意先 選択しない
仕入先 選択
支払基準日初期値 転記日付
支払条件
条件 1

パーセント 5%

日数 空白のまま
条件 2

パーセント 2%

日数 14

条件 3

320 © 著作権. All rights reserved.


レッスン: 支払条件と現金割引の設定

項目名 値

日数 30

a) カスタマイジングで、財務会計 → 債権管理および債務管理 → 会計トランザクショ


ン → 入金請求書/クレジットメモ → 更新: 支払条件を選択します。

b) 新規エントリを選択します。

c) 新規エントリ: 追加エントリ詳細画面に、表のデータを入力します。

d) Enter を選択します。

e) 説明領域には、支払条件が自動的に記述されます。支払条件を正しく入力したかどうかを
確認します。

f) エントリを保存し、ダイアログボックスが表示されたら確認します。

g) 前画面を 2 回選択します。

2. 新たな支払条件を仕入先に割り当てます。仕入先マスタレコードに支払条件を入力します。
以下のデータを使用します。

表 28: 仕入先
項目名 値

ビジネスパートナ Vendor##

表 29: BP ロール
項目名 値

BP 役割の照会 トレーニング FI 仕入先 (a-z)

表 30: 支払条件
項目名 値

支払条件 AC##

a) SAP Fiori ラウンチパッドホームページで、Accounts Payable グループのビジネスパート


ナ更新タイルを選択します。

b) ビジネスパートナ更新画面で、仕入先 (Vendor##) を入力します。

c) Enter を選択します。

d) 組織照会: ..... 画面で、BP ロールトレーニング FI 仕入先 (a-z) を入力します。

e) Enter を選択します。

f) 次の画面で、会社コードを選択します。
画面に会社コード固有のデータが表示されます。

© 著作権. All rights reserved. 321


5 章: 転記管理

g) データを変更するには、照会と変更の切替を選択します。

h) 仕入先: 支払処理タブで、新しい支払条件 (AC##) を入力します。

i) エントリを保存します。
変更箇所が保存されましたというメッセージが表示されます。

j) SAP Fiori ラウンチパッドホームページに戻るには、SAP ロゴ (ホームページにナビゲー


ト) を選択します。

3. 次回請求書を入力する際に、新しい支払条件キーを使用します。4,000 EUR (国内通貨) の請


求書を転記して、新たな支払条件をテストします。借方転記には、G/L 勘定 65001000、原
価センタ COCE##、および仮払消費税コード V0 (0%) を使用します。仕入先請求書の登録
アプリを選択します。Z_WITH_COST_CENTER 画面バリアントを使用します。以下のデー
タを使用します。

表 31: 請求書詳細
項目名 値

仕入先 Vendor##

請求書日付 昨日の日付
転記日付 現在日付
参照 1##

表 32: 税情報
項目名 値

金額 4000

税コード V0 (0% 仮払消費税非課税)

表 33: 原価センタ詳細
項目名 値

G/L 勘定 65001000

D/C 借方

伝票通貨額 *

税コード V0 (0% 仮払消費税非課税)

原価センタ COCE##

a) SAP Fiori ラウンチパッドホームページで、Accounts Payable グループの仕入先請求書の


登録タイルを選択します。

b) 会社コードダイアログボックスが表示されたら、会社コード GR## を入力します。

c) Enter を押します。

322 © 著作権. All rights reserved.


レッスン: 支払条件と現金割引の設定

d) 基本データタブで、請求書詳細表のデータを入力します。

e) Enter を押して、税詳細の表に記載されたデータを入力します。

f) ツリーオンを選択します。明細の画面バリアントフォルダを開きます。
Z_WITH_COST_CENTER をダブルクリックします。原価センタ詳細の表に記載されたデ
ータを入力します。

g) 転記を選択します。

注意:
未転記伝票アイコンを選択しないでください。

h) 仕入先と請求書入力のブラウザタブを閉じます。

注記:
以下のアクティビティを実行しました。
● 新しい支払条件の登録
● 仕入先マスタレコードへの新しい条件の割当

請求書の転記時に、仕入先マスタレコードから新規支払条件がデフォルトで
取得されました。
仕入先マスタレコードから新規支払条件が初期値として取得されたことをチ
ェックするには、以下を実行します。
SAP Fiori ラウンチパッドホームページで、Accounts Payable グループの仕入
先明細管理タイルを選択します。
選択画面に仕入先コードと会社コードを入力し、開始を選択します。
支払条件をチェックするには、レイアウトバリアント SAP - 支払条件を選
択します。

© 著作権. All rights reserved. 323


5 章: 転記管理

分割支払

図 120: 分割支払

分割払いを使用して、請求書の支払を数カ月かけて行うことができます。また、請求金額の一部
を保留して後で支払うこともできます。
請求合計金額は、異なる期日を持つ部分金額に分割されます。
支払条件で分割支払を定義すると、自動的に分割されます。
支払条件で分割支払を定義するには、まず分割支払を選択します (現金割引期間と現金割引率は
割り当てません)。
分割部分ごとに以下の明細を定義します。
● 分割支払回数
● パーセント
● 支払条件

指定したパーセントの合計が 100% になる必要があります。


指定した分割部分ごとに 1 つの明細が登録されます。
明細額は、合計金額のパーセントに対応します。明細額の合計は合計金額に一致します。
明細の支払条件は、各分割支払に対して定義された支払条件です。

324 © 著作権. All rights reserved.


レッスン: 支払条件と現金割引の設定

現金割引および正味処理

図 121: 現金割引基準額

各国の法的要件に応じて、以下の値を使用して現金割引基準が計算されます。
● 正味額 (総勘定元帳明細と資産明細の合計額で、消費税は含まれない)
● 総額 (消費税を含む)、ドイツ、スイスなど

会社コードまたは税管轄コードごとに、カスタマイジングで現金割引基準としていずれの値を使
用するかを指定します (グローバルパラメータを参照)。

© 著作権. All rights reserved. 325


5 章: 転記管理

現金割引の転記: 全処理

図 122: 現金割引の転記 - 全処理

現金割引額は、マニュアルで入力するか、または支払条件のパーセントを自動的に使用するよう
に SAP S/4HANA を設定することもできます。請求書を転記した後でも、現金割引を変更するこ
とができます。
得意先コードまたは仕入先コードの未消込明細を消し込むと、適用可能な現金割引が、現金割引
費用勘定または現金割引収益勘定に自動的に転記されます。
設定時に、現金割引費用勘定または現金割引収益勘定を定義します。

326 © 著作権. All rights reserved.


レッスン: 支払条件と現金割引の設定

正味処理: 請求書と支払

図 123: 正味処理 - 請求書 1 と支払 2

正味処理の伝票タイプで仕入先請求書を転記すると、費用勘定または貸借対照表勘定から現金割
引金額が自動的に差し引かれます。次にこれと同じ金額が現金割引消込勘定に転記され、転記が
消し込まれます。
正味処理を使用する場合、現金割引額が請求書とともに自動的に転記されます。
請求書の支払を行うと、現金割引消込勘定への消込転記が実行されます。
請求書に対する支払を現金割引期間後に行った場合は、失効現金割引が別の勘定に転記されま
す。
現金割引消込勘定は、未消込明細を基準に管理する必要があります。

© 著作権. All rights reserved. 327


5 章: 転記管理

レッスンのまとめ
以下について学習しました。
● 支払条件の設定
● 現金割引の準備

328 © 著作権. All rights reserved.


5章
レッスン 6
税および税コードの更新

レッスンの概要
このレッスンでは、税および税コードの更新方法について説明します。

ビジネスの例
管理者から、時間的な制約があるため、国の基本的な税の要件をプロトタイプとして示すよう要
求されました。SAP S/4HANA の国別税テンプレートを使用するよう提案されました。そのた
めには、以下のことを理解している必要があります。
● SAP S/4HANA における税の処理方法
● 税コードの登録および税勘定の定義方法

レッスンの目的
このレッスンの目的は、以下のとおりです。
● 税の準備
● 税コードの設定

SAP S/4HANA の税

図 124: 税

SAP S/4HANA では以下の税システムがサポートされています。


● 消費税

© 著作権. All rights reserved. 329


5 章: 転記管理

● 米国の売上税
● 追加税 (国依存)
● 源泉徴収税

SAP S/4HANA では、以下のタイプの税を処理することができます。


● 国レベルで一律の税率で賦課される税
● 州/税管轄レベルで賦課され、州/税管轄ごとに税率が定められる税

このタイプの課税は複雑であるため、多くの場合はサードパーティ製のソフトウェアを使用して
税の割り当てが決定されます。たとえば、米国には 67,000 を超える税管轄があります。SAP S/
4HANA には、各州/税管轄によって定められた税をサポートするための汎用インタフェースソフ
トウェアが用意されています。
一部の国では、これらの両方のレベルで課税されます。このような国の例には、カナダ、イン
ド、ブラジルがあります。U.S. 売上税と使用税は、国レベル以下の税の典型的な例です。

税の支援機能

図 125: 税の支援機能

税処理は、システムで以下のアクションによってサポートされます。
● 入力された税額のチェック、および税の自動計算
● 税勘定への税額の転記
● 現金割引およびその他の控除に応じた税調整の実行

費用または収益の金額が基準額になります。基準額には、現金割引を含めることも、除外するこ
ともできます。現金割引を含める場合、課税基準は総額となり、現金割引を除外する場合、課税
基準は正味額となります。
SAP S/4HANA では、税コードを使用して、課税機能の実行に必要な計算が決定されます。
課税基準額は、国によって以下のいずれかの金額に定められています。

330 © 著作権. All rights reserved.


レッスン: 税および税コードの更新

● 正味額:
課税対象の費用または収益明細から現金割引を控除
● 総額:
課税対象の費用または収益明細に現金割引を算入

いずれの基準額を使用するかは、会社コードごと、または最上位レベルの税管轄コードごとに指
定することができます。

税計算

図 126: 税計算表

SAP S/4HANA には、国ごとに事前設定された税計算表が存在します。


税計算表は、以下の要素で構成されます。
● 一連のステップ
税計算表で必要なステップです。開始ステップは、そのステップの基準値を取得する時点を
示します。
● 税タイプ (条件タイプ)
国に関する条件タイプです。
● 勘定キー (内部処理キー)
このキーは、追加の指定に対処するためのキーで、関連する税の自動勘定設定で使用されま
す。SAP S/4HANA には、事前定義された勘定キーが用意されています。これらの標準勘定
キーを使用することをお奨めします。

© 著作権. All rights reserved. 331


5 章: 転記管理

税コード

図 127: 税コード

伝票の転記時に、税コードも入力します。税コードにより、伝票が税計算に関連付けられます。
この関連付けは、該当する国で税管轄コードに依存する税計算表が使用されているかどうかによ
って異なります。
税コードは、以下のいずれかの値にリンクしています。
● 国コード
● 国コードと税管轄コードの組合せ

管轄課税方法の場合、税コードは日付依存です。システム設定で、伝票日付と転記日付のいずれ
を税計算で有効にするかを選択することができます。

332 © 著作権. All rights reserved.


レッスン: 税および税コードの更新

税率

図 128: 税率

税コードには、税率などのさまざまな情報も含まれています。税率は、税計算表で使用される税
タイプに割り当てられます。(1 つの明細が複数の税タイプを使用して課税される場合) 税タイプ
の異なる複数の税率を入力した税コードを設定することができますが、通常、税率は 1 つだけ入
力します。
税コードに複数の税率を入力する例として、明細に 10% の仮払消費税が課税され、税額の 40%
が非控除税である場合があります。
税率にすると、この例は 6% の仮払消費税と 4% の非控除仮払消費税になります。
税関連の G/L 勘定への転記を、税率 0 で行わなければならない場合があります。これは、以下
の明細に当てはまります。
● 非課税だが、税務当局への提出が必要な明細。このような明細のために、税率 0 の特別な税
コードを登録します。
● 在庫の出庫、在庫の移動などの非課税取引によって登録された明細。これらの取引には、特
別な税コードを割り当てる必要があります。

税タイプの定義によって、基準額が "税率込" または "税率別" のいずれであるかが決定されます。


計算された税額と入力された税額が異なると、エラーメッセージ (チェックフラグ設定時) または
警告メッセージ (チェックフラグ非設定時) が表示されます。仮払消費税コードにはチェックフ
ラグを設定しないでください。これは、請求書の税額が正確かどうかにかかわらず、ユーザはそ
の税額を転記しなければならないためです。

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5 章: 転記管理

税転記

図 129: 税転記

税転記には、以下のタイプがあります。
● 通常、アプリケーションによって計算される税は、個別の明細として固有の税勘定に転記さ
れます。これが標準的なシナリオです。
● NVV などの特定の内部処理キーや勘定キーが設定された税は、関連する費用明細または収益
明細に割り当てられます。これは、未払売上税やその他の非控除仮払消費税の処理で行われ
ます。

334 © 著作権. All rights reserved.


レッスン: 税および税コードの更新

税勘定の設定

図 130: 税勘定設定

税勘定の自動設定を有効にするには、転記中に税明細を生成するための勘定キーまたは内部処理
キーに以下のデータを割り当てます。
● 税勘定
● 転記キー (40 と 50 を推奨)
● 税コードや勘定キーなどの勘定設定の基準となる項目を決定するルール

外貨による税調整で換算レート差損益が発生した場合、通常はこれを通常の換算レート差損益勘
定に転記します。ただし、税明細の換算レートをマニュアルでも入力可能にするか、転記日付や
伝票日付によって決定するかを会社コードごとに指定することもできます。この場合に生じる
差損益は特殊な勘定に転記されます。

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5 章: 転記管理

税勘定

図 131: 税勘定

税カテゴリ項目に以下のいずれかの記号を入力して、税明細の転記先となる税勘定を定義するこ
とができます。
● < 仮払消費税の場合
● > 仮受消費税の場合

税が仮払消費税として転記されるか、仮受消費税として転記されるかは、税コードの詳細によっ
て定義されます。
税をマニュアル転記しない場合は、自動仕訳のみを選択します。

他の G/L 勘定

図 132: 他の G/L 勘定

336 © 著作権. All rights reserved.


レッスン: 税および税コードの更新

その他すべての G/L 勘定では、税カテゴリ項目に以下のいずれかの入力を行います。

表 34: 税カテゴリ項目への入力
エンティティ テキスト
"" 税関連ではない転記 (銀行転記など)
- 仮払消費税コードを必要とする転記 (費用な
ど)
+ 仮受消費税コードを必要とする転記 (収益な
ど)
* 任意の税コードを必要とする転記
XX 事前定義された税コード xx による転記

税コードなし転記可項目を選択した場合は、税コードを指定しないで G/L 勘定に転記することが


できます。この処理が必要となるのは、税管轄コードの税計算表内で税管轄コードが割り当てら
れていない海外の得意先に対する税転記を行う場合です。

注記:
税調整転記を行う場合は、現金割引勘定の税カテゴリ項目に入力がされている必要が
あります。

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5 章: 転記管理

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5章
演習問題 23
税コードの登録および得意先請求書の転記

ビジネスの例
管理者から、国の基本的な税の要件をプロトタイプとして示すよう要求されました。SAP S/
4HANA の自国の税テンプレートを使用するよう提案されました。
この演習問題で、値に文字 ## が含まれているときは、この文字を講師が指定した数字に置き換
えてください。
新規税コードを登録し、税を含む得意先請求書を転記します。

1. 税管轄以外の新規税コードを登録します。国により税制改革が行われ、消費税率が 20% に設
定されました。新たな税の要件に合わせて、新しい仮受消費税コード ## を登録します。

2. 財務会計の得意先請求書トランザクションに関連する税コードを新規に登録します。

3. 得意先請求書を入力して、新しい税コードをテストします。300000 EUR の得意先請求書を


得意先コードに転記します。税額計算を選択します。登録した税コードを使用し、必要な場
合はその税管轄コードも使用します。収益勘定 41000500 および利益センタ PR## に転記
します。

注記:
伝票番号をデータシートに記入してください。

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5章
解答 23
税コードの登録および得意先請求書の転記

ビジネスの例
管理者から、国の基本的な税の要件をプロトタイプとして示すよう要求されました。SAP S/
4HANA の自国の税テンプレートを使用するよう提案されました。
この演習問題で、値に文字 ## が含まれているときは、この文字を講師が指定した数字に置き換
えてください。
新規税コードを登録し、税を含む得意先請求書を転記します。

1. 税管轄以外の新規税コードを登録します。国により税制改革が行われ、消費税率が 20% に設
定されました。新たな税の要件に合わせて、新しい仮受消費税コード ## を登録します。
a) カスタマイジングで、財務会計 → 財務会計共通設定 → 消費税 → 計算 → 定義: 消費税コ
ードを選択します。

b) 国項目に DE と入力します。

c) 続行を選択します。

d) 税コードの ## を入力します。

e) Enter を押します。

f) 詳細ダイアログボックスで、以下のデータを入力します。
項目名 値

税コード ##

消費税コードテキスト 仮受消費税 20%

税タイプ A (仮受消費税)

g) 続行/Enter を選択します。

h) 仮受消費税 MWS の行で税率 (%) の列に 20 を入力し、Enter を押します。

i) 税勘定を割り当てるには、税勘定を選択します。

j) 勘定コード表に YCOA を入力します。

k) 続行を選択します。
次の画面に、すべての税コード (仮受消費税) が割り当てられた G/L 勘定 22000000 が表
示されます。

l) 続行を選択します。

m) データを保存します。

340 © 著作権. All rights reserved.


レッスン: 税および税コードの更新

n) 前画面を選択します。

2. 財務会計の得意先請求書トランザクションに関連する税コードを新規に登録します。
a) カスタマイジングで、財務会計 → 債権管理および債務管理 → 会計トランザクショ
ン → 入金請求書/クレジットメモ → 入金請求書/クレジットメモ - Enjoy → 定義: 税コー
ド (処理別) を選択します。

b) 国項目に DE と入力します。

c) 続行を選択します。

d) ビュー "トランザクションの税コード選択" 変更: 概要画面で、新規エントリを選択しま


す。

e) 新規エントリ: 追加エントリ概要画面で、以下のデータを入力します。

項目名 値

税コード ##

処理 財務会計請求書発行
初期 選択しない

f) 保存を選択します。

g) 前画面を選択します。

3. 得意先請求書を入力して、新しい税コードをテストします。300000 EUR の得意先請求書を


得意先コードに転記します。税額計算を選択します。登録した税コードを使用し、必要な場
合はその税管轄コードも使用します。収益勘定 41000500 および利益センタ PR## に転記
します。

注記:
伝票番号をデータシートに記入してください。

a) SAP Fiori ラウンチパッドホームページで、Accounts Receivable グループから得意先請求


書の登録タイルを選択します。

b) 必要に応じて、会社コード GR## を入力して続行を押します。

c) 得意先請求書入力画面で、以下のデータを入力します。
項目名 値

基本データ
会社コード GR##

得意先 得意先を入力します
請求書日付 現在日付
転記日付 現在日付
金額 300000

通貨 EUR

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5 章: 転記管理

項目名 値

税額計算 選択
税コード ## (新しく登録した税コード)

d) ツリーオンボタンを選択し、画面バリアント Z_WITH_PROFIT_CENTER を選択します。

項目名 値
明細
G/L 勘定 41000500

D/C 貸方

伝票通貨額 *

税コード ##

利益センタ PR##

e) 追加 → 伝票 → シミュレートを選択します。

f) 伝票をチェックします。

g) 転記を選択して伝票を保存します。

注記:
以下のことを行いました。
● 新規税コードの登録
● 自動税転記のデモのための得意先請求書の転記

342 © 著作権. All rights reserved.


レッスン: 税および税コードの更新

レッスンのまとめ
以下について学習しました。
● 税の準備
● 税コードの設定

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5章
レッスン 7
会社間取引の転記

レッスンの概要
このレッスンでは、会社間取引の設定および転記方法について説明します。

ビジネスの例
経営陣は、国内に新しい子会社の設立を検討しており、SAP S/4HANA (FI) で会社間取引転記を
処理できるかどうかを知りたいと考えています。そのため、以下の知識が必要となります。
● 会社間取引についての理解
● 会社間取引の転記方法についての理解

レッスンの目的
このレッスンの目的は、以下のとおりです。
● 会社間取引の基本設定
● 会社間取引の転記

会社間取引

図 133: 会社間取引

344 © 著作権. All rights reserved.


レッスン: 会社間取引の転記

会社間取引では、1 つの取引に 2 つ以上の会社コードが関与します。


会社間取引の例として、以下のものがあります。
● 1 つの会社コードが他の会社コードの購買を行う場合 (集中購買)。
● 1 つの会社コードが他の会社コードの請求書支払を行う場合 (集中支払)。
● 1 つの会社コードが他の会社コードに商品を販売する場合。

会社間取引では、複数の会社コードの勘定に転記が行われます。
この処理は、1 つの伝票を転記するだけはできません。1 つの伝票は 1 つの会社コードにしか割り
当てられないためです。このため、会社間取引では、関連する会社コードごとに個別の伝票が登
録され、転記されます。
伝票の貸借を一致させるため、自動的に明細が生成され、消込勘定 (債務または債権) に転記され
ます。
1 つの会社間取引に属するすべての伝票は、共通の会社間取引番号によって関連付けられます。
レポート RFBVOR00 を使用して、会社間取引を照会することができます。

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5 章: 転記管理

346 © 著作権. All rights reserved.


5章
演習問題 24
会社間取引の設定

ビジネスの例
経営陣は、海外に新しい子会社の設立を検討しており、SAP S/4HANA で会社間取引転記を処理
することができるかどうかを知りたいと考えています。
2 つの会社間の会社間取引の自動仕訳を設定します。

注記:
この演習問題で、値に文字 ## が含まれているときは、この文字を講師が指定した数
字に置き換えてください。

1. 各自の会社コード GR## と講師の会社コード GR00 との間の会社間取引の自動転記を設定


します。会社コード GR## に対して勘定 14000100 を定義し、講師の会社コードに対して勘
定 14000200 を定義します。各勘定を債権と債務に設定します。

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5章
解答 24
会社間取引の設定

ビジネスの例
経営陣は、海外に新しい子会社の設立を検討しており、SAP S/4HANA で会社間取引転記を処理
することができるかどうかを知りたいと考えています。
2 つの会社間の会社間取引の自動仕訳を設定します。

注記:
この演習問題で、値に文字 ## が含まれているときは、この文字を講師が指定した数
字に置き換えてください。

1. 各自の会社コード GR## と講師の会社コード GR00 との間の会社間取引の自動転記を設定


します。会社コード GR## に対して勘定 14000100 を定義し、講師の会社コードに対して勘
定 14000200 を定義します。各勘定を債権と債務に設定します。
a) カスタマイジングで、財務会計 → 総勘定元帳 → 取引 → 準備: 会社コード間取引を選択し
ます。以下のデータを入力します。
項目名またはデータ型 値

会社コード 1 GR##

会社コード 2 GR00 (講師の会社コード)

b) 続行を選択します。

c) 財務会計システム設定更新: 自動仕訳 - 消込勘定画面で、以下のデータを入力します。

項目名 値

会社コード 1

債権 - 借方転記キー 40

債権 - 借方決済勘定コード 14000100

債務 - 貸方転記キー 50

債務 - 貸方決済勘定コード 14000100

会社コード 2

債権 - 借方転記キー 40

債権 - 借方決済勘定コード 14000200

債務 - 貸方転記キー 50

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レッスン: 会社間取引の転記

項目名 値

債務 - 貸方決済勘定コード 14000200

d) エントリを保存します。

e) IMG 照会画面に戻るため、前画面を選択します。

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5 章: 転記管理

転記を使用した会社間取引

図 134: 集中購買の例

図 "集中購買 (例)" は、会社間取引の例を示しています。仕入先から、ある商品が会社コード


1000 に、別の商品が会社コード 2000 に納入されます。この 2 つの会社コードに納入された商
品は、それぞれ異なります。仕入先は、すべての商品に対する請求書を 1 通のみ、会社コード
1000 に送付します。この場合、会社コード 1000 の仕入先コードに費用の一部を入力して請求
書を転記します。請求書の入力時に、残りの費用を会社コード 2000 に転記する必要がありま
す。消込勘定と税勘定は自動的に登録されます。税は、費用に応じた会社コード間での配賦が行
われません。
この機能は、以下のいずれかの場合にのみ使用します。
● 取引が税関連でない場合
● 複数の会社コードで 1 つの課税法人を形成している場合

計算された税は、常に第一明細の会社コードに転記されます。税が必ず請求書と同じ会社コード
に転記されるようにするには、請求書の会社コードを伝票ヘッダに入力する必要があります。日
本やデンマークのように、費用が発生した会社コードに税額を転記することが税法で定められて
いる国もあります。
この場合、各会社コードの費用の金額に応じて、税金を最初の会社コードから他の会社コードに
配賦する必要があります。税金を配賦するには、レポート RFBUST10 を使用することができま
す。

350 © 著作権. All rights reserved.


レッスン: 会社間取引の転記

消込勘定

図 135: 消込勘定

SAP S/4HANA では、すべての会社コードに消込勘定が必要です。消込勘定は、会社間取引を実


行するために必要です。
以下のタイプの消込勘定を定義することができます。
● G/L 勘定
● 得意先コード
● 仕入先コード

考えられるすべての 2 つの会社コードの組合せに消込勘定を割り当て、その会社コード間での転
記ができるようにする必要があります。
たとえば、3 つの会社コードの場合は 3 * 2 = 6 個の消込勘定が必要となります。
消込勘定には、勘定タイプを識別するために転記キーを割り当てる必要があります。

© 著作権. All rights reserved. 351


5 章: 転記管理

会社間取引伝票番号

図 136: 会社間取引伝票番号

会社間取引伝票を転記すると、会社間取引伝票番号が生成され、新たに登録されるすべての伝票
が関連付けられます。この伝票番号は、最初の会社コードの伝票番号 + 最初の会社コード + 会計
年度で構成されます。会社間取引伝票番号は、完全な監査証跡となるように、関連するすべての
伝票の伝票ヘッダに保存されます。
会社間取引伝票を反対仕訳するには、会社間取引の反対仕訳機能を使用します。

352 © 著作権. All rights reserved.


5章
演習問題 25
会社間取引の転記および照会

ビジネスの例
経営陣は、海外に新しい子会社の設立を検討しており、SAP S/4HANA で会社間取引転記を処理
することができるかどうかを知りたいと考えています。

注記:
この演習問題で、値に文字 ## が含まれているときは、この文字を講師が指定した数
字に置き換えてください。

集中購買の取引の例を転記し、会社間取引伝票をチェックします。

1. 各自の会社コードと講師の会社コードで購入した品目に対する 55000 EUR の請求書を仕入


先から受け取ります。品目全体の 5 分の 2 を講師の会社コードで注文しました。税コード 1l
(仮払消費税 10% [トレーニング]) を使用します。会社間請求書を転記して、請求書の情報を
各自の会社コードに入力し、請求書の費用を講師の会社コードに入力します (両方の会社コー
ドの費用勘定は 65003000 です)。原価センタは COCE## (各自の会社コード)、もう 1 つの
原価センタは COCE00 (講師の会社コード) です。

伝票番号を書き留めます。

注記:
許容範囲グループ SUPV へのユーザ割当を削除します。そうしないと、講師の会
社コードで転記する権限が与えられません。許容範囲グループへのユーザ割当
を確認するには、カスタマイジングで、財務会計 → 財務会計共通設定 → 伝
票 → 許容範囲グループ → 割当: ユーザ/許容グループを選択します。ビュー "ユ
ーザ割当て -> 許容範囲グループ" 変更: 概要画面で、自分のユーザ ID の行を選択
し、削除 (Shift+F2) を押します。

2. 転記をチェックします。会社間取引伝票を再び照会します。

© 著作権. All rights reserved. 353


5章
解答 25
会社間取引の転記および照会

ビジネスの例
経営陣は、海外に新しい子会社の設立を検討しており、SAP S/4HANA で会社間取引転記を処理
することができるかどうかを知りたいと考えています。

注記:
この演習問題で、値に文字 ## が含まれているときは、この文字を講師が指定した数
字に置き換えてください。

集中購買の取引の例を転記し、会社間取引伝票をチェックします。

1. 各自の会社コードと講師の会社コードで購入した品目に対する 55000 EUR の請求書を仕入


先から受け取ります。品目全体の 5 分の 2 を講師の会社コードで注文しました。税コード 1l
(仮払消費税 10% [トレーニング]) を使用します。会社間請求書を転記して、請求書の情報を
各自の会社コードに入力し、請求書の費用を講師の会社コードに入力します (両方の会社コー
ドの費用勘定は 65003000 です)。原価センタは COCE## (各自の会社コード)、もう 1 つの
原価センタは COCE00 (講師の会社コード) です。

伝票番号を書き留めます。

注記:
許容範囲グループ SUPV へのユーザ割当を削除します。そうしないと、講師の会
社コードで転記する権限が与えられません。許容範囲グループへのユーザ割当
を確認するには、カスタマイジングで、財務会計 → 財務会計共通設定 → 伝
票 → 許容範囲グループ → 割当: ユーザ/許容グループを選択します。ビュー "ユ
ーザ割当て -> 許容範囲グループ" 変更: 概要画面で、自分のユーザ ID の行を選択
し、削除 (Shift+F2) を押します。

a) SAP Fiori ラウンチパッドホームページで、Accounts Payable グループの仕入先請求書の


登録タイルを選択します(または、SAP Easy Access のコマンドフィールドに、トランザ
クションコード FB60 を入力します)。

会社コード GR## で転記するようにします。

354 © 著作権. All rights reserved.


レッスン: 会社間取引の転記

ヒント:
画面バリアント STANDARD 3_0100 には、転記の会社コード項目が含まれ
ます。

以下のデータを入力します。
項目名 値

基本データ
会社コード GR##

仕入先 Vendor##

請求書日付 現在日付
転記日付 現在日付
金額 55000

通貨コード EUR

税額計算 選択を解除
税額 5000

税コード 1I (仮払消費税 10% (トレーニング))

第一明細
G/L 勘定 65003000

D/C 借方

伝票通貨額 30000

会社コード GR##

原価センタ COCE##

第二明細
G/L 勘定 65003000

D/C 借方

伝票通貨額 *

会社コード 講師の会社コード
(通常は GR00)

原価センタ COCE00

b) シミュレートを選択します。

c) 伝票をチェックするには、明細をダブルクリックして、データを照会または変更します。
前画面を選択して明細を表示し、前画面を選択して仕入先請求書入力: 会社コード GR##
画面に戻ります。会社間消込勘定のエントリを確認します。

© 著作権. All rights reserved. 355


5 章: 転記管理

d) 前画面を選択します。

e) 転記を選択して伝票を保存します。

f) 伝票番号を書き留めてください。

g) 続行を選択します。

h) タブを閉じます。

2. 転記をチェックします。会社間取引伝票を再び照会します。
a) SAP Fiori ラウンチパッドホームページで、Accounts Payable グループの仕訳照会: 会社
コード間タイルを選択します (トランザクションコード: FBU3)。(または、メニューバー
から、伝票 → 照会を選択します)

b) 会社間取引番号を入力します。

c) Enter を押して伝票を照会します。

d) ブラウザタブページを閉じます。

注記:
以下のタスクを実行しました。
● 講師の会社コードとの間の会社コード間消込の自動仕訳の設定
● 会社間取引伝票の転記
● 会社間取引伝票の照会

356 © 著作権. All rights reserved.


レッスン: 会社間取引の転記

レッスンのまとめ
以下について学習しました。
● 会社間取引の基本設定
● 会社間取引の転記

© 著作権. All rights reserved. 357


5 章: 転記管理

358 © 著作権. All rights reserved.


5章

学習内容のテスト

1. SAP S/4HANA では、伝票を入力ビューおよび総勘定元帳ビューで表示することができます。


この文章の内容は正しいですか、誤りですか。

X 正

X 誤

2. クライアントの会社コード別に異なる伝票分割手順を割り当てることができます。
この文章の内容は正しいですか、誤りですか。

X 正

X 誤

3. パラメータ ID を使用して、会社コードや通貨などの項目の初期値を設定することができま
す。
この文章の内容は正しいですか、誤りですか。

X 正

X 誤

4. SAP S/4HANA では、伝票入力の際に基本的な初期値が提供されます。たとえば、転記日付


として現在日付が提案されます。この提案された日付を変更することはできません。
この文章の内容は正しいですか、誤りですか。

X 正

X 誤

© 著作権. All rights reserved. 359


5 章: 学習内容のテスト

5. 通常、伝票変更ルールを区別する基準はどれですか。
正しい答えを選択してください (複数可)。

X A 未処理明細

X B 勘定タイプ

X C 資産クラス

X D 会社コード

6. 伝票ヘッダで変更することのできる項目は以下のうちどれですか。
正しい答えを選択してください (複数可)。

X A 参照番号

X B 伝票ヘッダテキスト

X C 伝票日付

X D 通貨換算レート

7. 伝票変更ルールに基づいて、ユーザは転記済伝票の特定の項目のみを変更することができま
す。
この文章の内容は正しいですか、誤りですか。

X 正

X 誤

8. SAP S/4HANA で伝票を反対仕訳する方法を 2 つ挙げてください。

9. マイナス転記処理のための 2 つの前提条件は何ですか。

10. 伝票を反対仕訳する場合、反対仕訳の理由を入力する必要があります。
この文章の内容は正しいですか、誤りですか。

X 正

X 誤

360 © 著作権. All rights reserved.


5 章: 学習内容のテスト

11. 消込済明細を含む伝票を反対仕訳することができます。
この文章の内容は正しいですか、誤りですか。

X 正

X 誤

12. 標準の反対仕訳転記またはマイナス転記を使用して伝票を反対仕訳することができます。
この文章の内容は正しいですか、誤りですか。

X 正

X 誤

13. 反対仕訳理由により、反対仕訳日付が元の転記日付と異なってもかまわないかどうかが決ま
ります。
この文章の内容は正しいですか、誤りですか。

X 正

X 誤

14. ______________を計算するには、支払条件に割引率を入力する必要があります。
正しい答えを選択してください。

X A 現金割引

X B 貸方額

X C 借方額

X D 請求割引

15. 支払基準日は、請求書支払期日の計算に使用される開始日付です。
この文章の内容は正しいですか、誤りですか。

X 正

X 誤

© 著作権. All rights reserved. 361


5 章: 学習内容のテスト

16. ビジネスパートナマスタレコード (得意先または仕入先) の以下のセグメントのうち、支払条


件を入力することができるものはどれですか。
正しい答えを選択してください (複数可)。

X A 会社コードレベル

X B クライアントレベル

X C 販売エリアレベル

X D 購買組織レベル

17. 期限により、1 つの支払条件キーで日付固有の支払条件を定義することができます。


この文章の内容は正しいですか、誤りですか。

X 正

X 誤

18. SAP S/4HANA では、得意先の正味処理のみがサポートされています。


この文章の内容は正しいですか、誤りですか。

X 正

X 誤

19. 支払条件にはいくつの現金割引期間を入力することができますか。
正しい答えを選択してください。

X A 5

X B 3

X C 2

X D 8

20. 税コードは、SAP システムの課税機能の実行に必要な税計算表に使用されます。


この文章の内容は正しいですか、誤りですか。

X 正

X 誤

362 © 著作権. All rights reserved.


5 章: 学習内容のテスト

21. 通常、システムで計算される税は、個別の明細として固有の税勘定に転記されます。
この文章の内容は正しいですか、誤りですか。

X 正

X 誤

22. 1 つの会社間取引に属する伝票は、共通の会社間取引番号にリンクされます。
この文章の内容は正しいですか、誤りですか。

X 正

X 誤

23. SAP S/4HANA の設定で、考えられるすべての会社コードの組合せに必ず消込勘定を割り当


てる必要があります。
この文章の内容は正しいですか、誤りですか。

X 正

X 誤

© 著作権. All rights reserved. 363


5章

学習内容のテスト - 解答

1. SAP S/4HANA では、伝票を入力ビューおよび総勘定元帳ビューで表示することができます。


この文章の内容は正しいですか、誤りですか。

X 正

X 誤

正解です。SAP S/4HANA では、伝票を入力ビューおよび総勘定元帳ビューで表示すること


ができます。

2. クライアントの会社コード別に異なる伝票分割手順を割り当てることができます。
この文章の内容は正しいですか、誤りですか。

X 正

X 誤

正解です。クライアントのすべての会社コードでは、同じ伝票分割方法のみを使用すること
ができます。

3. パラメータ ID を使用して、会社コードや通貨などの項目の初期値を設定することができま
す。
この文章の内容は正しいですか、誤りですか。

X 正

X 誤

正解です。パラメータ ID を使用して、会社コードや通貨などの項目の初期値を設定すること
ができます。

4. SAP S/4HANA では、伝票入力の際に基本的な初期値が提供されます。たとえば、転記日付


として現在日付が提案されます。この提案された日付を変更することはできません。
この文章の内容は正しいですか、誤りですか。

X 正

X 誤

正解です。SAP S/4HANA では、伝票入力の際に基本的な初期値が提供されます。提案され


た日付は変更することができます。

364 © 著作権. All rights reserved.


5 章: 学習内容のテスト - 解答

5. 通常、伝票変更ルールを区別する基準はどれですか。
正しい答えを選択してください (複数可)。

X A 未処理明細

X B 勘定タイプ

X C 資産クラス

X D 会社コード

正解です。勘定タイプと会社コードに基づいて、伝票変更ルールを区別することができます。

6. 伝票ヘッダで変更することのできる項目は以下のうちどれですか。
正しい答えを選択してください (複数可)。

X A 参照番号

X B 伝票ヘッダテキスト

X C 伝票日付

X D 通貨換算レート

正解です。伝票ヘッダでは、参照番号項目と伝票ヘッダテキスト項目を変更することができ
ます。

7. 伝票変更ルールに基づいて、ユーザは転記済伝票の特定の項目のみを変更することができま
す。
この文章の内容は正しいですか、誤りですか。

X 正

X 誤

正解です。伝票変更ルールに基づいて、ユーザは転記済伝票の特定の項目のみを変更するこ
とができます。

8. SAP S/4HANA で伝票を反対仕訳する方法を 2 つ挙げてください。

(1) 標準の反対仕訳転記。(2) マイナス転記による反対仕訳。

9. マイナス転記処理のための 2 つの前提条件は何ですか。

(1) 会社コードでマイナス転記が許可されていること。(2) マイナス転記用として反対仕訳理


由が定義されていること。

© 著作権. All rights reserved. 365


5 章: 学習内容のテスト - 解答

10. 伝票を反対仕訳する場合、反対仕訳の理由を入力する必要があります。
この文章の内容は正しいですか、誤りですか。

X 正

X 誤

正解です。伝票を反対仕訳する場合、反対仕訳の理由を入力する必要があります。

11. 消込済明細を含む伝票を反対仕訳することができます。
この文章の内容は正しいですか、誤りですか。

X 正

X 誤

正解です。消込済明細を含む伝票を反対仕訳することはできません。

12. 標準の反対仕訳転記またはマイナス転記を使用して伝票を反対仕訳することができます。
この文章の内容は正しいですか、誤りですか。

X 正

X 誤

正解です。標準の反対仕訳転記またはマイナス転記を使用して伝票を反対仕訳することがで
きます。

13. 反対仕訳理由により、反対仕訳日付が元の転記日付と異なってもかまわないかどうかが決ま
ります。
この文章の内容は正しいですか、誤りですか。

X 正

X 誤

正解です。反対仕訳理由により、反対仕訳日付が元の転記日付と異なってもかまわないかど
うかが決まります。

366 © 著作権. All rights reserved.


5 章: 学習内容のテスト - 解答

14. ______________を計算するには、支払条件に割引率を入力する必要があります。
正しい答えを選択してください。

X A 現金割引

X B 貸方額

X C 借方額

X D 請求割引

正解です。現金割引を計算するには、支払条件に割引率を入力する必要があります。

15. 支払基準日は、請求書支払期日の計算に使用される開始日付です。
この文章の内容は正しいですか、誤りですか。

X 正

X 誤

正解です。支払基準日は、請求書支払期日の計算に使用される開始日付です。

16. ビジネスパートナマスタレコード (得意先または仕入先) の以下のセグメントのうち、支払条


件を入力することができるものはどれですか。
正しい答えを選択してください (複数可)。

X A 会社コードレベル

X B クライアントレベル

X C 販売エリアレベル

X D 購買組織レベル

正解です。ビジネスパートナマスタレコード (得意先または仕入先) では、会社コードセグメ


ント、販売エリアセグメント、および購買組織セグメントで支払条件を入力することができ
ます。

17. 期限により、1 つの支払条件キーで日付固有の支払条件を定義することができます。


この文章の内容は正しいですか、誤りですか。

X 正

X 誤

正解です。期限により、1 つの支払条件キーで日付固有の支払条件を定義することができま
す。

© 著作権. All rights reserved. 367


5 章: 学習内容のテスト - 解答

18. SAP S/4HANA では、得意先の正味処理のみがサポートされています。


この文章の内容は正しいですか、誤りですか。

X 正

X 誤

正解です。SAP S/4HANA では、仕入先の正味処理のみがサポートされています。

19. 支払条件にはいくつの現金割引期間を入力することができますか。
正しい答えを選択してください。

X A 5

X B 3

X C 2

X D 8

正解です。支払条件には、3 つの現金割引期間を入力することができます。

20. 税コードは、SAP システムの課税機能の実行に必要な税計算表に使用されます。


この文章の内容は正しいですか、誤りですか。

X 正

X 誤

正解です。税コードは、SAP システムの課税機能の実行に必要な税計算表に使用されます。

21. 通常、システムで計算される税は、個別の明細として固有の税勘定に転記されます。
この文章の内容は正しいですか、誤りですか。

X 正

X 誤

正解です。通常、システムで計算される税は、個別の明細として固有の税勘定に転記されま
す。

22. 1 つの会社間取引に属する伝票は、共通の会社間取引番号にリンクされます。
この文章の内容は正しいですか、誤りですか。

X 正

X 誤

正解です。1 つの会社間取引に属する伝票は、共通の会社間取引番号にリンクされます。

368 © 著作権. All rights reserved.


5 章: 学習内容のテスト - 解答

23. SAP S/4HANA の設定で、考えられるすべての会社コードの組合せに必ず消込勘定を割り当


てる必要があります。
この文章の内容は正しいですか、誤りですか。

X 正

X 誤

正解です。会社コード転記の対象の組合せごとに消込勘定を割り当て、両社の間で会社間取
引転記ができるようにする必要があります。

© 著作権. All rights reserved. 369


5 章: 学習内容のテスト - 解答

370 © 著作権. All rights reserved.


6章 会計伝票の消込

レッスン 1
未消込明細消込の実行 372
演習問題 26 : 勘定の消込 377
演習問題 27 : 消込転記 389

レッスン 2
支払差額の管理 395
演習問題 28 : 支払差額の管理 403

レッスン 3
換算レート差損益の管理 411

章の目的
● 会計伝票の消込転記
● 勘定消込の実行
● 消込プログラムの使用
● 入金および支払の実行
● 消込の再登録
● 許容範囲グループの設定
● 支払差額の処理
● 換算レート差損益の設定

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6章
レッスン 1
未消込明細消込の実行

レッスンの概要
このレッスンでは、未消込明細の消込の実行方法について説明します。

ビジネスの例
取引を完了するには、未消込明細消込を行う必要があります。SAP S/4HANA には、消込用に 2
つの基本的なトランザクションがあります。これらのトランザクションは会社にとって有用で
す。そのためには、以下のことを理解している必要があります。
● 消込転記
● 勘定消込

レッスンの目的
このレッスンの目的は、以下のとおりです。
● 会計伝票の消込転記
● 勘定消込の実行
● 消込プログラムの使用
● 入金および支払の実行
● 消込の再登録

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レッスン: 未消込明細消込の実行

未処理明細
未消込明細の消込

図 137: 未消込明細の消込

未消込明細は、未払の請求書など、まだ完了していない取引を表します。
取引を完了するには、消込を行う必要があります。取引の消込は、明細または明細グループに対
して相手勘定を割り当てそれらの明細を貸借一致させることによって行います。
未消込明細がある伝票をアーカイブすることはできません。伝票は、すべての未消込明細が消し
込まれるまで SAP S/4HANA に残ります。
消込転記の例は以下のとおりです。

1. 得意先コードに請求書が転記されます。この時点ではまだ入金されていないので、この請求
書は未消込明細とみなされます。

2. 得意先がこの請求書の入金を行い、これを未消込明細に割り当てます。

3. この入金によって請求書が消し込まれ、貸借が一致します。

この消込処理では、勘定から貸借が一致する未消込明細をマニュアルで選択します。消込をマニ
ュアルで実行する場合の例は、以下のとおりです。
● 銀行仮勘定および消込勘定の場合
● デビットメモ処理に合意した場合
● 仕入先から払戻がある場合

消込処理を行うと、必ず消込伝票が登録されます。

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6 章: 会計伝票の消込

消込転記

図 138: 消込転記

消込転記機能を使用する場合は、消込伝票の金額を入力して、消し込む必要がある未消込明細を
選択します。選択した未消込明細の合計金額が消込伝票の金額と一致すると、1 つまたは複数の
消込明細が登録されて、未消込明細が消し込まれます。選択した未消込明細の合計金額が相手勘
定の金額と一致しない場合は、差額を転記することができます。
未消込明細の消込には、以下のオプションを使用することができます。
● 複数の勘定および勘定タイプの消込
● 特定の通貨での明細消込
● 明細を相互に割り当てることによって発生した差額の転記
● 任意の数の追加明細 (銀行手数料など) の入力

消込転記処理は、マニュアルで実行することも、自動支払プログラムおよび自動消込プログラム
を使用して自動実行することもできます。

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レッスン: 未消込明細消込の実行

勘定消込

図 139: 勘定消込

勘定消込機能を使用すると、勘定内で貸借が一致する未消込明細が処理されます。それらの未消
込明細は自動的に消込済としてマークされ、消込伝票が登録されます。
各消込済明細には以下の情報が含まれています。
● 消込伝票番号
● 消込日付

消込日付は、現在日付を使用することも、ユーザが定義することもできます。
勘定消込機能は、総勘定元帳と補助元帳の任意の未消込明細管理勘定で使用することができま
す。

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6 章: 会計伝票の消込

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6章
演習問題 26
勘定の消込

ビジネスの例
得意先が会社から購入した欠陥製品を返品しました。クレジットメモを転記して、オリジナル請
求書転記の消込を行う必要があります。SAP S/4HANA には、未消込明細の消込用に、勘定消込
と消込転記の 2 つのトランザクションが用意されています。この演習問題では、勘定消込機能を
使用します。

注記:
この演習問題で、値に文字 ## が含まれているときは、この文字を講師が指定した数
字に置き換えてください。

1. 5500 EUR の得意先請求書およびクレジットメモを転記します。この得意先請求書の入力時


に、支払条件キーを 0001 (即時支払) に変更します。税コード 10 (仮受消費税 10% [トレー
ニング])、収益勘定 41000500、および利益センタ PR## を使用します。

2. 前のステップと同じデータを使用して (支払条件を入力しないで)、クレジットメモを登録し
ます。

3. 得意先コードの明細を照会します。

4. 5500 EUR の得意先請求書と同じ金額で登録したクレジットメモを使用してこの明細を消し


込みます。

5. 消込後の得意先コードの明細をチェックします。

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6章
解答 26
勘定の消込

ビジネスの例
得意先が会社から購入した欠陥製品を返品しました。クレジットメモを転記して、オリジナル請
求書転記の消込を行う必要があります。SAP S/4HANA には、未消込明細の消込用に、勘定消込
と消込転記の 2 つのトランザクションが用意されています。この演習問題では、勘定消込機能を
使用します。

注記:
この演習問題で、値に文字 ## が含まれているときは、この文字を講師が指定した数
字に置き換えてください。

1. 5500 EUR の得意先請求書およびクレジットメモを転記します。この得意先請求書の入力時


に、支払条件キーを 0001 (即時支払) に変更します。税コード 10 (仮受消費税 10% [トレー
ニング])、収益勘定 41000500、および利益センタ PR## を使用します。
a) SAP Fiori ラウンチパッドホームページで、Accounts Receivable グループから得意先請求
書の登録タイルを選択します。

b) 必要に応じて、会社コード GR## を入力します。

c) 得意先請求書入力画面で、以下のデータを入力します。
項目名 値

基本データ
得意先 登録した得意先
請求書日付 現在日付
転記日付 現在日付
金額 5500

通貨 EUR

税額計算 選択
税コード 1O (仮受消費税 10% (トレーニング))

d) 支払タブページで、支払条件の値に 0001 を入力します (支払条件)。

e) ツリーオンボタンを選択し、画面バリアント STANDARD 3_0100 を選択します。以下の


データを入力します。

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レッスン: 未消込明細消込の実行

項目名 値

明細
G/L 勘定 41000500

D/C 貸方

伝票通貨額 *

利益センタ PR##

f) シミュレートボタンを選択します。

g) 転記を選択して伝票を保存します。

h) 伝票番号を書き留めます。

i) このページを表示したまま、次の演習ステップの得意先クレジットメモの転記に進みま
す。

2. 前のステップと同じデータを使用して (支払条件を入力しないで)、クレジットメモを登録し
ます。
a) 請求書からクレジットメモに変更します。
項目名 値

処理 クレジットメモ

b) 得意先クレジットメモ入力画面で、以下のデータを入力します。
項目名 値

基本データ
得意先 登録した得意先
伝票日付 現在日付
転記日付 現在日付
金額 5500

通貨 EUR

税額計算 選択
税コード 1O (仮受消費税 10% (トレーニング))

支払
支払基準日 (支払期日計算の基準日) 現在日付

明細
G/L 勘定 41000500

D/C 借方

伝票通貨額 *

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6 章: 会計伝票の消込

項目名 値

利益センタ PR##

c) 伝票を転記します。

d) 伝票番号を書き留めます。

e) ブラウザタブページを閉じて、SAP Fiori ラウンチパッドホームページに戻ります。

3. 得意先コードの明細を照会します。
a) SAP Fiori ラウンチパッドホームページで、Accounts Receivable グループの得意先明細管
理タイルを選択します。(または、SAP Easy Access のコマンド項目で、トランザクショ
ンコード FBL5N を入力します)

b) 得意先明細管理画面で、以下のデータを入力します。
項目名 値

得意先 登録した得意先
会社コード GR##

ステータス 全明細
転記日付 今月の初日から現在日付まで
明細タイプ 標準明細

c) 開始を選択します。
画面に未消込明細が表示されます。

注記:
5500 EUR の請求書とクレジットメモの両方が未消込明細です (明細の消込
ステータス列)。

d) SAP ロゴを選択して、SAP Fiori ラウンチパッドホームページに戻ります。

4. 5500 EUR の得意先請求書と同じ金額で登録したクレジットメモを使用してこの明細を消し


込みます。
a) Fiori ラウンチパッドホームページで、Accounts Receivable グループの入金消込 - マニュ
アル消込タイルを選択します。

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レッスン: 未消込明細消込の実行

注記:
勘定の消込にはさまざまな方法があります。
● SAP Fiori ラウンチパッドホームページで、Accounts Receivable グループ
の入金消込 - マニュアル消込タイルを選択します。
● SAP Easy Access 画面で、会計管理 → 財務会計 → 債権 → 勘定コー
ド → 消込を選択します。
● または、トランザクションコード F-32 を入力します。

b) 画面の右側にある未消込明細消込を選択します。以下のデータを入力します。
項目名 値

会社コード GR##

得意先 登録した得意先

c) OK を選択します。
画面の左側に、未消込明細セクションがあり、右側に消込対象明細セクションがありま
す。

d) 画面の左側で、単一明細の後ろにある消込を選択して、消込対象の明細を選択します (DG:
-5.500 および DR: 5.500)。
選択した明細が画面の右側に表示されます。

e) 転記を選択します。
転記が正常に行われたというメッセージが表示されます。

f) 転記済伝票を表示するには、照会を選択します。

g) SAP ロゴ (ホームページにナビゲート) を選択します。

5. 消込後の得意先コードの明細をチェックします。
a) SAP Fiori ラウンチパッドホームページで、Accounts Receivable グループの得意先明細管
理タイルを選択します。(または、SAP Easy Access メニューのコマンド項目で、トラン
ザクションコード FBL5N を入力します)。

b) 得意先明細管理画面で、以下のデータを入力します。
項目名 値

得意先 登録した得意先
会社コード GR##

ステータス/明細セクション 消込済明細

消込日付 本日を選択します
明細タイプ 標準明細

c) 開始を選択します。

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6 章: 会計伝票の消込

請求書とクレジットメモが消込済明細になりました。

d) 前画面を選択して、SAP Fiori ラウンチパッドホームページに戻ります。

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レッスン: 未消込明細消込の実行

消込プログラム

図 140: 消込プログラム

自動消込プログラムを使用すると、以下の勘定の未消込明細を消し込むことができます。
● G/L 勘定
● 補助元帳

自動消込プログラムでは、1 つの勘定内で以下の項目に同じエントリを持つ明細がグループ化さ
れます。
● 会社コード
● 勘定タイプ
● 勘定コード
● 統制勘定コード
● 通貨
● 特殊仕訳コード

レポートでは、グループを登録するために、伝票ヘッダまたは明細から最大 5 つの追加ユーザ基
準も使用されます。
グループ内の明細の (国内通貨における) 貸借が一致すると、SAP S/4HANA (FI) により、それら
が自動的に消し込まれて、消込伝票が登録されます。自動消込が必要となる勘定は、すべてカス
タマイジングで定義しておく必要があります。
自動消込プログラムでは、以下の明細は消し込まれません。
● 備忘明細

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6 章: 会計伝票の消込

● 統計転記、および手形に関連した特定の特殊仕訳取引
● 前受/前払金
前受/前払金は、同じ金額の前受/前払金明細がすでに転記されている場合にのみ消し込むこ
とができます。
● 源泉徴収税が入力された明細

ソート項目としてのソートキー項目の使用
ソート項目としてのソートキー項目

図 141: ソート項目としてのソートキー項目

明細を転記する場合、マスタレコードのソートキー項目に入力した値が、明細のソートキー項目
に自動的に入ってきます。
ソートキー項目は、最大 4 つの項目 (最大 18 文字) で構成することができます。たとえば、伝票
番号 (10 文字) と転記日付 (6 文字) を表示する場合は、これらがソートキー項目の定義に組み込
まれます。
同様に、ビジネスパートナマスタレコード (得意先/仕入先) でソートキーとして購買発注番号が
設定されている場合、ビジネスパートナ明細のソートキー項目には購買発注番号が入力されま
す。
総勘定元帳マスタレコードでソートキーとして原価センタが設定されている場合は、総勘定元帳
明細のソートキー項目には、原価センタ番号が入力されます。

明細ソートキー
明細照会や消込機能では、このソートキー項目に基づいて明細をソートできます。たとえば、受
注管理で請求書を転記すると、財務会計 (FI) で会計伝票が登録されます。会計伝票の伝票番号
は、受注管理の請求書番号とは異なります。受注管理請求伝票の参照とソートキーを使用するこ

384 © 著作権. All rights reserved.


レッスン: 未消込明細消込の実行

とによって、会計伝票の元となる受注管理伝票を追跡することができます。会計伝票の参照とソ
ートキーは、受注管理請求伝票の参照とソートキーからコピーされます。
受注管理伝票に参照およびソートキーとしてコピーし、FI に転送する番号 (購買発注、受注、出
荷、または請求伝票番号) を定義することができます。その後、これらの項目を FI での選択基準
として使用できます。

マニュアル支払処理

図 142: マニュアル支払処理

マニュアル支払とは、請求書などの未消込明細を消し込む処理です。マニュアル支払では消込伝
票をマニュアルで未消込明細に割り当てます。
入金は債権管理で使用され、借方の未消込を消し込みます。支払は債務管理で使用され、貸方の
未消込を消し込みます。

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6 章: 会計伝票の消込

支払ヘッダ

図 143: 支払ヘッダ

伝票ヘッダに入力するデータは、請求書を転記するときに入力するデータと同様です。
伝票ヘッダは、以下のセクションで構成されています。
● 支払ヘッダ
● 銀行データ
● 未消込明細選択

伝票ヘッダの支払ヘッダセクションに、以下の情報を入力します。
● 伝票日付
● 伝票タイプ (SAP S/4HANA によって提案され、呼び出されたトランザクションに基づいてい
ます)
● 会社コード (コードが提案されない場合)
● 日付設定には、伝票日付および転記日付と、会計期間が含まれます。現在日付がデフォルト
の伝票日付および転記日付になり、この転記日付から会計期間が誘導されます。
● 通貨設定には、通貨コード、換算レート、および通貨換算日付が含まれます。換算レートま
たは換算日付をマニュアル入力しない場合は、転記日付時点の換算レートテーブルの換算レ
ートが使用されます。
● 参照伝票番号、伝票ヘッダテキスト、消込テキストなどの項目には、入金の識別に必要な支
払参照データを入力します。

伝票ヘッダの銀行データセクションに、以下のデータを入力します。
● 入金および支払の G/L 勘定コード
● 合計支払金額
● 処理業務に対する銀行手数料:

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レッスン: 未消込明細消込の実行

この手数料は、特別な費用勘定に自動的に転記されます。
● 起算日:
この日付は、資金管理でポジションの評価に使用します。システムの初期値である現在日付
となる場合があります。
● テキスト:
明細の任意のテキストです。先頭にアスタリスク (*) を付けると、外部連絡文書にもテキスト
を印刷することができます。また、テキストテンプレートを使用して、標準テキスト一覧か
ら入力値を選択することもできます。
● ソートキー:
自動登録するか、またはマニュアルで入力します。

S/4HANA は転記手数料の計算時に以下の情報を参照します。
● 入金:
入金額に銀行手数料を足したものが消込額になります。
● 支払:
支払額から銀行手数料を差し引いたものが消込額になります。

未消込明細の処理

図 144: 未消込明細の処理

入金転記: 未消込明細処理画面に、未割当の未消込明細がすべて表示されます。未割当の未消込
明細には、支払、デビットメモ、クレジットメモ、請求書などが含まれます。
消込額項目が割当済項目と同じ場合、伝票を転記することができます。
現金割引額は、明細の支払条件によって決定されます。割当済額は、現金割引に基づいて計算さ
れます。現金割引を変更するには、現金割引額を上書きするか、または現金割引率を変更しま
す。割引は、許容限度を超えることはできません。
入力済の伝票をチェックするには、伝票 → シミュレートで、自動登録された伝票を含むすべて
の明細を照会します。貸借が一致している場合は、完成した伝票を転記することができます。後
になって伝票に間違いが見つかった場合は、消込済明細を再登録し、伝票を反対仕訳して、元の
転記を正しく入力し直します。

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6 章: 会計伝票の消込

マニュアル支払を処理するには

1. 伝票ヘッダにデータを入力します。

2. 消込対象となる未消込明細を選択します。

3. 取引を保存します。

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6章
演習問題 27
消込転記

ビジネスの例
得意先は、現金割引が適用される未処理請求書を支払います。このため、現金割引のある入金の
転記方法を理解しておく必要があります。

注記:
この演習問題で、値に文字 ## が含まれているときは、この文字を講師が指定した数
字に置き換えてください。

1. 次の転記については、G/L 勘定 44000000 および 72510000 (トランザクションコード


OKB9、会社コード GR##、原価センタ COCE##) のデフォルト勘定割当テーブルを準備し
ます。次の演習問題で勘定の 1 つが必要になります。必要な勘定への転記過払い/支払不足
および未許可の控除を原価センタ COCE## に対して実行する必要があります。

2. レッスン "SAP S/4HANA の基本伝票" で転記した 220000 EUR の未消込明細に対して、得


意先から 213400 EUR の入金を受け取りました。請求書の入力時に現金割引を許可してい
なかった場合は、6600 EUR の現金割引をマニュアル入力します。銀行仮勘定 11100000 を
使用します。

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6章
解答 27
消込転記

ビジネスの例
得意先は、現金割引が適用される未処理請求書を支払います。このため、現金割引のある入金の
転記方法を理解しておく必要があります。

注記:
この演習問題で、値に文字 ## が含まれているときは、この文字を講師が指定した数
字に置き換えてください。

1. 次の転記については、G/L 勘定 44000000 および 72510000 (トランザクションコード


OKB9、会社コード GR##、原価センタ COCE##) のデフォルト勘定割当テーブルを準備し
ます。次の演習問題で勘定の 1 つが必要になります。必要な勘定への転記過払い/支払不足
および未許可の控除を原価センタ COCE## に対して実行する必要があります。
a) SAP Easy Access に戻ります。

b) コマンドフィールドに、トランザクションコード OKB9 を入力します。

c) Enter を選択します。

d) 新規エントリボタンを選択します。

e) 以下の値を入力します (2 行)。

項目名 値
明細 1

CoCd (会社コード) GR##

原価要素 44000000

原価センタ COCE##

明細 2

CoCd (会社コード) GR##

原価要素 72510000

原価センタ COCE##

f) Enter を選択します。

g) 保存を選択します。

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レッスン: 未消込明細消込の実行

2. レッスン "SAP S/4HANA の基本伝票" で転記した 220000 EUR の未消込明細に対して、得


意先から 213400 EUR の入金を受け取りました。請求書の入力時に現金割引を許可してい
なかった場合は、6600 EUR の現金割引をマニュアル入力します。銀行仮勘定 11100000 を
使用します。
a) SAP Fiori ラウンチパッドで、Accounts Receivable グループの入金転記タイルを選択しま
す(または、会計管理 → 財務会計 → 債権 → 伝票入力 → 入金 (トランザクション F-28) を
選択します)。以下のデータを使用します。

項目名 値

一般情報
会社コード GR##

転記日付 現在日付
仕訳日付 現在日付
起算日 現在日付
伝票タイプ DZ (得意先支払)

銀行データ
G/L 勘定 11100000

金額/通貨 213400/EUR

未消込明細選択
勘定タイプ/勘定 ID 得意先/登録した得意先

b) 明細提案を選択します。
未消込明細が画面の左下に表示されます。
画面の右側に、消込対象明細セクションが表示されます。

c) 消込 (明細の後ろ) を選択して、220000 EUR の請求書を選択します。


選択した明細は、消込対象明細セクションに表示されます。

d) 最後の列 (割引額) に、割引額としてマニュアルで 6600 EUR と入力します。

e) Enter を選択します。

f) 転記を選択して伝票を保存します。
正常終了: 仕訳....が転記されました。というメッセージが表示されます。

g) 転記済伝票を分析するには、照会を選択します。

h) SAP ロゴ (ホームページにナビゲート) を選択します。

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6 章: 会計伝票の消込

未消込明細消込の自動仕訳

図 145: 未消込明細消込の自動仕訳

未消込明細の消込時に、税調整、銀行手数料、換算レート差損益などの自動仕訳が実行されま
す。これまでのレッスンで、これらの自動仕訳に関する設定はすでに説明しました。
銀行データの入力時に銀行手数料を入力することができます。銀行手数料は自動的に G/L 勘定
に転記されます。
会社間マニュアル支払を実行するには、消込トランザクションを割り当てます。消込トランザク
ションは、入金または支払のいずれかです。支払会社コードと支払を受ける会社コードの組合せ
に対して消込トランザクションを割り当てます。その後、未消込明細を選択すると、各会社コー
ドからの未消込明細が表示されます。

392 © 著作権. All rights reserved.


レッスン: 未消込明細消込の実行

消込の再登録

図 146: 消込リセット

個別伝票に対する消込を再登録することができます。消込の再登録を行うと、明細から消込デー
タが削除されます。1709 から、新しいアプリ消込済明細再登録が提供されています。
SAP S/4HANA では変更がログに記録され、変更伝票に表示されます。債権管理の場合は、支払
履歴と与信限度が必要に応じて修正されます。

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6 章: 会計伝票の消込

レッスンのまとめ
以下について学習しました。
● 会計伝票の消込転記
● 勘定消込の実行
● 消込プログラムの使用
● 入金および支払の実行
● 消込の再登録

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6章
レッスン 2
支払差額の管理

レッスンの概要
このレッスンでは、支払差額の管理について説明します。

ビジネスの例
得意先は、請求書に対し会社の許容限度を超える差額で支払を行うことがしばしばあります。そ
のためには、以下のことを理解している必要があります。
● 支払差額の転記
● 許容範囲グループとその支払差額転記における役割
● 一部入金/支払と残余明細の転記
● 支払差額の理由コードの登録および使用方法

レッスンの目的
このレッスンの目的は、以下のとおりです。
● 許容範囲グループの設定
● 支払差額の処理

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6 章: 会計伝票の消込

許容範囲グループ

図 147: 許容範囲グループ

会計管理では、許容範囲は以下のグループに分けられます。
● 従業員許容範囲グループ
● G/L 勘定許容範囲グループ
● 得意先または仕入先 (ビジネスパートナ) 許容範囲グループ

従業員許容範囲グループでは、以下の要素が制御されます。
● 転記処理の上限額
● 許容支払差額

注記:
転記処理の上限額については、転記権限に関するレッスンを参照してください。

G/L 勘定許容範囲グループでは、自動消込処理の許容支払差額が制御されます。
得意先または仕入先許容範囲グループは、以下の処理の設定に使用します。
● 消込トランザクション
● 許容支払差額の処理
● 支払差額の残余明細転記

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レッスン: 支払差額の管理

● 支払明細通知書の許容範囲の確認

許容支払差額

図 148: 許容支払差額

許容支払差額は、従業員許容範囲グループと得意先/仕入先許容範囲グループの両方で設定する
ことができます。この設定により、現金割引調整と未承認得意先控除の自動仕訳が制御されま
す。
SAP S/4HANA では、消込時に両方のグループのエントリが考慮されます。支払差額を自動的に
処理するには、差額が両方の許容範囲内である必要があります。
以下の支払差額処理の例を検討してみます。
● 現金割引調整として自動仕訳するには、支払差額が 3.00 および 2.00 通貨単位未満である必
要があります。
● 支払差額は 200.00 および 100.00 通貨単位以下である必要があります。また、支払差額は未
消込金額の 2.5% および 2.0% 未満である必要があります。両方の条件が満たされた場合、支
払差額を未承認控除として自動仕訳することができます。2 つの許容範囲内の低い方が常に
適用されます。たとえば、未消込金額 1,000 EUR の場合、20 EUR の未承認得意先控除が適
用されます。未消込金額 100,000 EUR の場合、100 EUR の未承認得意先控除が適用されま
す。

許容範囲グループへの入力は、常に国内通貨で行います。

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6 章: 会計伝票の消込

支払差額の処理

図 149: 支払差額

一般に、支払差額は未消込明細の消込時に発生します。この差額は、従業員許容範囲グループお
よび得意先または仕入先許容範囲グループと比較されます。
支払差額が許容範囲内である場合、差額は現金割引調整または未承認控除として自動仕訳されま
す。それ以外の場合は、差額をマニュアル処理します。

支払差額の自動処理
支払差額の処理

図 150: 支払差額の処理

支払差額が少額の場合は、以下のステップによって自動処理することができます。

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レッスン: 支払差額の管理

● 指定金額までを現金割引として調整
● 支払差額を特別な勘定で費用化

少額とみなす支払差額の限度は、許容範囲グループで定義することができます。従業員の許容範
囲グループでは、定義した限度内の現金割引の調整を許可することができます。この方法によ
り、従業員に調整を実行する権限を与えることができます。従業員の許容範囲グループを定義す
る場合は、従業員が明細でビジネスパートナに適用できる最大現金割引率を事前定義します。現
金割引率を事前定義した場合、現金割引を調整することによって (定義した限度内の場合)、また
は別の費用勘定あるいは収益勘定に転記することによって、支払差額を転記することができま
す。
従業員に対して異なる許容範囲を定義する場合は、従業員グループごとに限度額を指定します。
異なる許容範囲グループを定義した場合は、"割当: ユーザ -> 許容範囲グループ" を選択して、従
業員を特定の許容範囲グループに割り当てる必要があります。特別な許容範囲をグループに指
定することによって、関連するグループの従業員をこの許容範囲グループに割り当て、このグル
ープの従業員が、許容範囲グループで事前定義された限度額までの現金割引を調整できるように
します。

一部入金と残余支払

図 151: 一部入金と残余支払

支払差額が許容限度を超える場合は、マニュアルで処理する必要があります。
以下のオプションを使用して、支払差額のマニュアル処理を行うことができます。
● 支払差額を一部入金として転記します。
すべての伝票は未消込明細として勘定に残ります。
● 支払差額を残余明細として転記します。
残余明細のみが勘定に残ります。元の伝票と入金は消し込まれます。元の伝票を参照して新
規伝票番号が登録されます。

© 著作権. All rights reserved. 399


6 章: 会計伝票の消込

● 支払差額を他の勘定に転記します。
これは、理由コードと自動勘定設定を使用する異なる転記です。
● 支払差額を費用化します。
これはマニュアル勘定割当です。

得意先または仕入先許容範囲グループには、残余明細を制御し、以下の条件を指定する設定があ
ります。
● 残余明細の支払条件が消込済明細の支払条件と同じであるか、または固定支払条件であるか
どうか。
● 現金割引が金額の一部にのみ適用されるかどうか。
● 指定した督促キーを使用して、残余明細に最大督促レベルが設定されるか、または個別に印
刷されるか。

支払差額の理由が分かっている場合は、理由コードを入力することができます。

理由コード

図 152: 理由コード

理由コードを使用して、支払差額の理由を説明することができます。1 つの支払差額に複数の理
由コードを割り当てるには、配賦差異を選択します。
理由コードは、以下の明細に割り当てることができます。
● 差額転記
● 一部入金/支払

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レッスン: 支払差額の管理

● 残余明細

理由コードを使用すると、支払差額の分析と後処理を行うことができます。
理由コードには、以下の追加オプション機能もあります。
● 得意先に送付する連絡文書タイプの制御
● 残余明細が転記される勘定の制御
● 指定された G/L 勘定への残余明細の自動仕訳
● クレームを受けた残余明細の与信限度チェックからの除外

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6 章: 会計伝票の消込

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6章
演習問題 28
支払差額の管理

ビジネスの例
一部の得意先は、未処理請求書を一部入金のみで入金します。これらの支払不足は、債権管理で
転記する必要があります。
一部入金/支払を入力し、損傷品の理由コードを登録し、現金割引と理由コードのある入金を転
記します。

1. 得意先は、キャッシュフローの問題で請求書を全額支払うことができません。
入金の基準として、100000 EUR の得意先請求書を得意先コードに転記します。税額計算オ
プションを選択します。税コード 1O (仮受消費税 (トレーニング)) を使用します。収益勘定
41000500 および利益センタ PR## に転記します。
先ほど転記した 100000 EUR の請求書に対して、得意先から 40000 EUR の入金を受け取り
ました (銀行仮勘定 11100000)。この入金を一部入金として得意先コードに転記します。
転記を確認するには、得意先の明細を照会します。

2. 得意先は、輸送中に商品が損傷したため支払額を減らしました。これらの金額を記録する必
要があります。輸送中の商品損傷 Z## という理由コードを登録して、この差額を費用化しま
す。

3. 得意先から 250000 EUR の支払を受領し、それを 300000 EUR の未消込明細 (演習問題 24


- 税コード) に対して転記する必要があります。得意先は、商品が輸送中に損傷していたた
め、残額に対する値引を求めています。登録した理由コード Z## を使用して、この差額を残
余明細として転記します (銀行口座 11100000)。

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6章
解答 28
支払差額の管理

ビジネスの例
一部の得意先は、未処理請求書を一部入金のみで入金します。これらの支払不足は、債権管理で
転記する必要があります。
一部入金/支払を入力し、損傷品の理由コードを登録し、現金割引と理由コードのある入金を転
記します。

1. 得意先は、キャッシュフローの問題で請求書を全額支払うことができません。
入金の基準として、100000 EUR の得意先請求書を得意先コードに転記します。税額計算オ
プションを選択します。税コード 1O (仮受消費税 (トレーニング)) を使用します。収益勘定
41000500 および利益センタ PR## に転記します。
先ほど転記した 100000 EUR の請求書に対して、得意先から 40000 EUR の入金を受け取り
ました (銀行仮勘定 11100000)。この入金を一部入金として得意先コードに転記します。
転記を確認するには、得意先の明細を照会します。
a) SAP Fiori ラウンチパッドホームページで、Accounts Receivable タイルグループの得意先
請求書の登録タイルを選択します。
(または、SAP Easy Access メニューで、会計管理 → 財務会計 → 債権 → 伝票入力 → 請
求書 (トランザクションコード FB70) を選択します)

b) 得意先請求書入力画面で、以下のデータを入力します。
項目名 値
会社コード GR##

得意先コード 登録した得意先
請求書日付 現在日付
転記日付 現在日付
金額 100000

通貨 EUR

税額計算 選択
税コード 1O (仮受消費税 10% (トレーニング))

明細
G/L 勘定 41000500

D/C 貸方

伝票通貨額 *

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レッスン: 支払差額の管理

項目名 値
利益センタ PR##

c) 転記を選択し、ブラウザタブを閉じます。
次のステップで、この請求書の入金を転記しますが、得意先からは金額の一部しか送金さ
れませんでした。

d) Accounts Receivable タイルグループの入金転記 SAP Fiori アプリを選択します。


(または、SAP Easy Access メニューで、会計管理 → 財務会計 → 債権 → 伝票入力 → 入
金 (トランザクションコード F-28) を選択します)

e) 以下の値を入力します。
項目名 値
伝票ヘッダ
会社コード GR##

転記日付 現在日付
仕訳日付 現在日付
起算日 現在日付
伝票タイプ DZ

銀行データ
G/L 勘定 11100000

金額 40000

通貨 EUR

未消込明細選択
勘定タイプ/勘定 ID 得意先/登録した得意先

f) 明細提案を選択します。

g) いま転記した請求書の最終行で消込ボタンを選択します。

h) 画面の右側 (セクション: 消込対象明細) に請求書が表示されます。

i) 割当額項目の 100000 EUR を 40000 EUR で上書きします。

j) シミュレート、転記の順に選択します。

k) 照会を選択します。

l) SAP ロゴ (ホームページにナビゲート) を選択します。

m) このステップでは、転記済データ (一部入金/支払) をチェックします。SAP Fiori ラウン


チパッドホームページで、Accounts Receivable グループの得意先明細管理タイルを選択
します。

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6 章: 会計伝票の消込

(または、SAP Easy Access で、会計管理 → 財務会計 → 債権 → 勘定コード → 明細照会/


変更 (トランザクションコード FBL5N))

n) 得意先明細管理画面で、以下のデータを入力します。
項目名 値
得意先コード 登録した得意先
会社コード GR##

ステータス 未消込明細
基準日未消込明細 現在日付
明細タイプ 標準明細

o) 開始を選択します。未処理アイテムが画面に表示されます。
一部入金と割り当てられた請求書が未消込明細に残ります。

p) 一部入金の仕訳入力番号 (伝票タイプ DZ; 40000 EUR) をクリックして、仕訳明細管理を


選択します。得意先請求伝票番号が請求書参照項目に表示されます。

2. 得意先は、輸送中に商品が損傷したため支払額を減らしました。これらの金額を記録する必
要があります。輸送中の商品損傷 Z## という理由コードを登録して、この差額を費用化しま
す。
a) カスタマイジングで、財務会計 → 債権管理および債務管理 → 会計トランザクショ
ン → 入金 → 銀行入金共通設定 → 支払過不足 → 定義: 理由コードを選択します。

b) 会社コードとして GR## を入力します。

c) Enter を選択します。

d) 新規エントリを選択します。

e) 以下の値を入力します。
項目名 値
RCd (理由コード) Z##

テキスト (短) 輸送中の損傷

テキスト (長) 輸送中の商品損傷

列 C (区分: 別勘定からの差額処理) 選択

f) 保存を選択します。

3. 得意先から 250000 EUR の支払を受領し、それを 300000 EUR の未消込明細 (演習問題 24


- 税コード) に対して転記する必要があります。得意先は、商品が輸送中に損傷していたた
め、残額に対する値引を求めています。登録した理由コード Z## を使用して、この差額を残
余明細として転記します (銀行口座 11100000)。
a) SAP Fiori ラウンチパッドホームページで、Accounts Receivable グループの入金転記タイ
ルを選択します (または SAP Easy Access で会計管理 → 財務会計 → 債権 → 伝票入
力 → 入金 (F-28) を選択します)。以下のデータを入力します。

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レッスン: 支払差額の管理

項目名 値
伝票ヘッダ
会社コード GR##

伝票日付 現在日付
転記日付 現在日付
通貨 EUR

銀行データ
G/L 勘定 11100000

金額 250000

未消込明細選択
勘定タイプ/勘定 ID 得意先/登録した得意先

b) 明細提案を選択します。

c) 未消込明細が画面の左下に表示されます。

d) 消込 (明細の後ろ) を選択して、300000 EUR (伝票タイプ DR) の請求書を選択します。

e) 現金割引額を削除するか、または 0 と入力します。Enter を選択します。

f) 消込対象明細領域で設定を選択します。

g) 以下のデータを入力します。
項目名 値
理由コード 選択
残余金額 選択

h) OK を選択します。
ヒント: 後で参照するためにこのビューを保存するには、ビュー選択 (矢印) をクリックし
ます。名前を付けて保存を選択します。ビュー名: 残余明細 ##。公開を選択します。移
送理由のポップアップがある場合は、ローカルオブジェクトを選択します。保存を選択し
ます。

i) 次のデータ (消込対象の明細) を入力します。

項目名 値
残余金額 50000

理由コード (RCd) Z##

j) シミュレートを選択します。
理由コード Z## を使用して残余明細が消し込まれます (勘定 44000000)。

k) 転記を選択して伝票を入力します。

© 著作権. All rights reserved. 407


6 章: 会計伝票の消込

伝票番号を書き留めます。

注記:
以下のタスクを実行しました。
● 支払差額理由コードの登録。
● 差額のある入金の転記。
● 残余明細の登録。
● 支払差額理由コードの割当。

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レッスン: 支払差額の管理

レッスンのまとめ
以下について学習しました。
● 許容範囲グループの設定
● 支払差額の処理

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6 章: 会計伝票の消込

410 © 著作権. All rights reserved.


6章
レッスン 3
換算レート差損益の管理

レッスンの概要
このレッスンでは、SAP S/4HANA (FI) での換算レート差損益の処理方法について説明します。

ビジネスの例
会社は、海外を拠点とする多数の仕入先と取引を行っています。経理部門は、会計での実現換算
レート差異の処理方法を知っておく必要があります。そのため、SAP S/4HANA (FI) での換算レ
ート差損益の処理方法を理解する必要があります。

レッスンの目的
このレッスンの目的は、以下のとおりです。
● 換算レート差損益の設定

換算レート差損益
実現換算差損益

図 153: 実現換算差損益

外貨建の未消込明細を消し込む場合、換算レート差損益が生じることがあります。これは、換算
レートの変動が原因で発生します。SAP S/4HANA (FI) では、これらの換算レート差損益は、収
益勘定または費用勘定に実現換算差損益として自動的に転記されます。SAP S/4HANA (FI) の
設定時に、これらの差損益を転記するための勘定を定義します。SAP S/4HANA (FI) では、実現
換算差損益は消込済明細に保存されます。

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6 章: 会計伝票の消込

換算レート差損益は、財務諸表作成のために未消込明細を評価する際にも転記されます。換算レ
ート損益は、換算レート差損益の個別の費用勘定または収益勘定に相殺転記として転記されま
す。
評価済の未消込明細を消し込むと、貸借対照表調整勘定が反対仕訳され、残りの換算レート差損
益が実現換算レート差異の勘定に転記されます。

勘定設定

図 154: 勘定設定

外貨建の未消込明細を処理するすべての統制勘定と G/L 勘定に対して、収益勘定または費用勘定


を割り当てる必要があります。これらの実現換算差損益用の勘定を割り当てる必要があります。
1 つの損益勘定を以下の通貨および通貨タイプに割り当てることができます。
● すべての通貨と通貨タイプ
● 通貨および通貨タイプ別
● 通貨別
● 通貨タイプ別

レッスンのまとめ
以下について学習しました。
● 換算レート差損益の設定

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6章

学習内容のテスト

1. 未消込明細の例として、未払の請求書などの完了していない取引があります。
この文章の内容は正しいですか、誤りですか。

X 正

X 誤

2. 消込処理を行うと、必ず消込伝票が登録されます。
この文章の内容は正しいですか、誤りですか。

X 正

X 誤

3. 勘定消込トランザクションは、マニュアルで実行することも、消込プログラムを使用して自
動実行することもできます。
この文章の内容は正しいですか、誤りですか。

X 正

X 誤

4. 未消込明細がある伝票をアーカイブすることができます。
この文章の内容は正しいですか、誤りですか。

X 正

X 誤

5. 消込済明細に含まれている情報は以下のうちどれですか。
正しい答えを選択してください (複数可)。

X A 消込伝票番号

X B 支払期日

X C 消込日付

X D アーカイブ情報

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6 章: 学習内容のテスト

6. 自動消込プログラムを使用して、ユーザは以下のどの明細の未消込明細を消し込むことがで
きますか。
正しい答えを選択してください (複数可)。

X A G/L 勘定

X B 通貨

X C 特殊仕訳コード

X D 補助元帳勘定

7. マニュアル支払処理を実行する場合、現金割引額を上書きすることができます。
この文章の内容は正しいですか、誤りですか。

X 正

X 誤

8. ソートキー項目は、最大 6 つの項目 (最大 10 文字) で構成することができます。


この文章の内容は正しいですか、誤りですか。

X 正

X 誤

9. 消込の再登録を行うと、明細から消込データが削除されます。
この文章の内容は正しいですか、誤りですか。

X 正

X 誤

10. 会計管理における許容範囲の 3 つのタイプはどれですか。


正しい答えを選択してください (複数可)。

X A 従業員許容範囲グループ

X B G/L 勘定許容範囲グループ

X C 得意先/仕入先許容範囲グループ

X D 特殊勘定許容範囲グループ

414 © 著作権. All rights reserved.


6 章: 学習内容のテスト

11. 支払差額が少額ではない場合は、マニュアルで処理する必要があります。
この文章の内容は正しいですか、誤りですか。

X 正

X 誤

12. 外貨建の未消込明細を処理するすべての統制勘定と G/L 勘定に対して、収益勘定または費用


勘定を割り当てる必要があります。
この文章の内容は正しいですか、誤りですか。

X 正

X 誤

© 著作権. All rights reserved. 415


6章

学習内容のテスト - 解答

1. 未消込明細の例として、未払の請求書などの完了していない取引があります。
この文章の内容は正しいですか、誤りですか。

X 正

X 誤

正解です。未消込明細の例として、未払の請求書などの完了していない取引があります。

2. 消込処理を行うと、必ず消込伝票が登録されます。
この文章の内容は正しいですか、誤りですか。

X 正

X 誤

正解です。消込処理を行うと、必ず消込伝票が登録されます。

3. 勘定消込トランザクションは、マニュアルで実行することも、消込プログラムを使用して自
動実行することもできます。
この文章の内容は正しいですか、誤りですか。

X 正

X 誤

正解です。勘定消込トランザクションは、マニュアルで実行することも、消込プログラムを
使用して自動実行することもできます。

4. 未消込明細がある伝票をアーカイブすることができます。
この文章の内容は正しいですか、誤りですか。

X 正

X 誤

正解です。未消込明細がある伝票をアーカイブすることはできません。伝票は、すべての未
消込明細が消し込まれるまで SAP S/4HANA に残ります。

416 © 著作権. All rights reserved.


6 章: 学習内容のテスト - 解答

5. 消込済明細に含まれている情報は以下のうちどれですか。
正しい答えを選択してください (複数可)。

X A 消込伝票番号

X B 支払期日

X C 消込日付

X D アーカイブ情報

正解です。消込済明細には、消込伝票番号と消込日付が含まれています。

6. 自動消込プログラムを使用して、ユーザは以下のどの明細の未消込明細を消し込むことがで
きますか。
正しい答えを選択してください (複数可)。

X A G/L 勘定

X B 通貨

X C 特殊仕訳コード

X D 補助元帳勘定

正解です。ユーザは、総勘定元帳と補助元帳勘定の未消込明細を消し込むことができます。

7. マニュアル支払処理を実行する場合、現金割引額を上書きすることができます。
この文章の内容は正しいですか、誤りですか。

X 正

X 誤

正解です。マニュアル支払処理を実行する場合、現金割引額を上書きすることができます。

8. ソートキー項目は、最大 6 つの項目 (最大 10 文字) で構成することができます。


この文章の内容は正しいですか、誤りですか。

X 正

X 誤

正解です。ソートキー項目は、最大 4 つの項目 (最大 18 文字) で構成することができます。

© 著作権. All rights reserved. 417


6 章: 学習内容のテスト - 解答

9. 消込の再登録を行うと、明細から消込データが削除されます。
この文章の内容は正しいですか、誤りですか。

X 正

X 誤

正解です。消込の再登録を行うと、明細から消込データが削除されます。

10. 会計管理における許容範囲の 3 つのタイプはどれですか。


正しい答えを選択してください (複数可)。

X A 従業員許容範囲グループ

X B G/L 勘定許容範囲グループ

X C 得意先/仕入先許容範囲グループ

X D 特殊勘定許容範囲グループ

正解です。会計管理における 3 タイプの許容範囲は、従業員許容範囲グループ、G/L 勘定許


容範囲グループ、および得意先/仕入先許容範囲グループです。

11. 支払差額が少額ではない場合は、マニュアルで処理する必要があります。
この文章の内容は正しいですか、誤りですか。

X 正

X 誤

正解です。支払差額が少額ではない場合は、マニュアルで処理する必要があります。

12. 外貨建の未消込明細を処理するすべての統制勘定と G/L 勘定に対して、収益勘定または費用


勘定を割り当てる必要があります。
この文章の内容は正しいですか、誤りですか。

X 正

X 誤

正解です。外貨建の未消込明細を処理するすべての統制勘定と G/L 勘定に対して、収益勘定


または費用勘定を割り当てる必要があります。

418 © 著作権. All rights reserved.

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