Professional Documents
Culture Documents
2 接続表現の使い方1-1
2 接続表現の使い方1-1
2 接続表現の使い方1-1
次の文章は「日本らしさの発見」というテーマで書かれたものです。 に適切な表現を入れ、下線の表現を改
善してください。
先日、カフェで昼食をとっているとき、隣のテーブルで寝ている会社員を二人見かけた。1)あの写
真はその時に撮ったものである。昼であったが、きっと我慢できず、カフェでも寝られるほど眠かっ
たのだろう。日本では外で寝ている人を見ることが多い。 a 、私の国アイルランドでは、外の
公共の場で寝ることはとても珍しく、カフェなどのテーブルで寝るのはマナーに反する。 b 、安
全性の問題もあるため、眠くても寝ることができない。
日本では電車やバスなどでもよく寝ている人がいるが、アイルランドだけではなくほかの国でも 2)
あのような光景はあまり見られないという。 c 、日本で外で寝ている人が多い理由を考えてみた
ところ、以下の三点の理由があることがわかった。
d 、働きすぎの日本人が多いことが挙げられる。日本の会社員は毎日遅くまで会社で働いてい
るうえ、仕事の後も同僚や上司とよく飲みに行き、いつも緊張して疲れているのであろう。 e 、
家から会社までは遠く、毎朝早く起きて、長い時間電車で通勤する人が多いことである。 f 、日本
は治安がよく、寝ていても盗まれることがほとんどないことである。
大学の授業中にもよく寝ている学生がおり、初めて見たときには大変驚いたが、現在は 3)あのよう
な場面を見かけても驚かなくなった。 g 、これはやはり大変日本的な現象であり、ほかの国では
マナーと安全の面から決して寝てはいけない、ということを日本の人々は知っておいたほうがよいの
ではないだろうか。
*文をつなげる
「散歩した。疲れた」。
⇒「散歩した」ことと「疲れた」ことの関係はどうなっているのだろうか。
「散歩した。だけど、疲れた」
「散歩した。にもかかわらず、疲れた」
「散歩した。だから、疲れた」
「散歩した。それはそれとして、疲れた」
文章とは、たんに個々の内容が羅列してあるだけのものではない。
⇒「AならばB」
⇒「AなのでB」
⇒「AだけどB」
・・・・・・「A」と「B」の関係にはさまざまなかたちが考えられる。
*接続表現
文章を読むときには、文と文の関係を的確につかまなければならない。
文章を書く時には、その関係が的確に読み手に伝わるように書かなければならない。
⇒そこでもっとも重要になるのが、接続表現。
接続詞……「だから」「しかし」など
接続助詞……「ので」「から」など
接続句……「要約すれば」「その結果」など
*接続表現の第一グループ
ふ か
付加―A ということを言い、それに B ということを付け加える。
せんたく
選択―複数のことからどれかを選ぶ。
かんげん
換言―あることがらを別の言い方で述べ直す。
れい じ
例示―例を挙げて説明する。
かんげん
⇒換言には、説明のためにより分かりやすい言い方に言い換える場合、結論的にまとめる場合、より印象
的な言葉に言い換える場合などがある。
*練習問題(接続表現の第1グループ)
ふ か せんたく かんげん れい じ
つぎの文章の下線部は、付加、選択、換言、例示のどれにあたるか答えてみましょう。
① 野菜とハムと錦糸玉子と麺を中華風ドレッシングであえる。これはまちがいなく「サラダ」である。
つまり、冷やし中華はサラダなのだ。
②島に招待された人たちは一人死に、二人死に、そして誰もいなくなった。
③バスはないので、歩いて行くか、あるいはタクシーを呼ぶしかない。
④二人の人が同じ指紋をもつことはない。しかも、指紋は一生変化しない。
⑤よく観察すれば相手が嘘をついていると見破ることができる。例えば、話しながらしきりに鼻を触る
ときは、嘘をついている可能性が高い。
⑥日本人には同調現象が起きやすい。すなわち、多くの人が同じ反応を示し始めたとき、それに合わせな
いと不安になってしまうのである
⑦カードでの支払いは、署名するか、または、暗証番号を入力しなくてはいけない。
⑧十歳以下、および八十歳以上の方は半額です。
⑨ 彼はすぐ人を信じるし、頼まれるとイヤと言えない。要するにお人よしなのだ。
⑩ネット犯罪はますます巧妙化し、かつ悪質になっている。
*接続表現の第二グループ:逆接
対比-複数のことがらを比較対照する。
転換-前に述べたこととは逆方向の内容を主張する。
補足-前で述べたことに対して、説明を補ったり、例外を示したりする。
第二グループは「逆接」としてまとめられることがある
対比 AとBは同じ重み。AとBをただ比較しているだけ
転換 後にあるBの方が言いたいこと
転換:「インターネットは便利だ。しかし鵜呑みにするのは危険だ」。
補足 前にあるAの方が言いたいこと
補足:「インターネットは便利だ。ただし、鵜呑みにするのは危険だ」
。
*練習問題(接続表現の第2グループ)
つぎの文章の下線部が対比、転換、補足のどれにあたるか答えてみましょう。
①リクガメとウミガメの見分け方を知っているだろうか。リクガメは手足を甲羅の中に引っ込めること
ができる。しかし、ウミガメはできない。そこに違いがある。
②告白したが、あやまられた。
③ 「ぼくがおごるよ」といい格好をしようとした。ところがお金が足りなかった。
⑤子どもの読書離れが言われもする。しかし、昔の子どもよりも今の子どもの方が本を読んでいるとい
うデータもある。
⑥シャクヤクは草であるが、ボタンは木である。
⑦タンタンメンを注文したのに、ワンタンメンが出てきた。
⑧ 働きたくない。だからといって、働かないわけにもいかない。
⑨紫外線は体内でビタミン D を作る。ただし、浴びすぎると皮膚がんの原因ともなる。
⑩「ナイル」はアラビア語で「川」という意味なので、
「ナイル川」は「川川」になるらしい。もっとも、
ネットの情報だから本当かどうかは分からないが。
*接続表現の第三グループ
条件-Aという条件を仮定するとBが成り立つことを述べる。
譲歩条件-Bに反するような条件Aを仮定しても、なおBであると述べる。
理由-まずAが成り立つことを述べ、次に、なぜAが成り立つのかを説明するためにBと述べる。
帰結-まずAが成り立つことを述べ、次に、その結果としてBを述べる。
*条件と帰結のちがい
「ご飯を食べれば眠くなる」・・・条件
⇒英語の仮定法 If にあたる。
⇒もしご飯をたべたならば・・・
「ご飯を食べたので眠くなった」・・・帰結
⇒実際にご飯を食べ、その結果眠くなった。
*譲歩条件と転換のちがい
譲歩条件・・・even if にあたる。
「雨が降っても出かけよう」
⇒雨が降ることは外出を妨げる条件と考えられるが、それでもなお出かけようということ。
⇒転換とのちがいに注意。
「雨が降りはじめても、試合は続行された」
⇒仮定された条件ではなく、実際に雨が降った場合は転換になる。
*練習問題
つぎの文章の下線部は、条件、譲歩条件、理由、帰結のどれにあたるか答えてみましょう。
①風邪をひいたので、今日は休みます。
②金魚を液体窒素で瞬間冷凍しても、すぐに取り出して解凍すれば復活する。
③大阪の人なら、撃つまねをすると撃たれたまねをしてくれる。
④リンゴは本来の果実ではない。だから、柄のところにヘタがない。
⑤抗生物質はウイルスには効果がない。なぜなら、抗生物質が有効なのは細菌に対してであり、ウイルス
は細菌ではないからだ。
⑥ドラエもんの「あらかじめ日記」があれば、人生思いのままである。
⑦昨日花子が冷たくしたから、太郎は今日もまだしょげている。
⑧犬は苦手だ。というのも、子どものときにかまれた経験があるんだ。
⑨気圧が下がると水の沸点も下がる。それゆえ、富士山の頂上でふつうにご飯を炊こうとしてもうまく
炊けない。
⑩私の競馬など、儲かったところでたかが知れている。