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翻訳: Yasushi Aoki

校正: Shimajiri Michiaki

みなさん今日は

2年前 私の人生は
劇的に変化しました

妻ケルシーと私は

娘リーラを授かったのです

親になるというのは
とても素晴らしい体験です

世界が一変します

物事の優先度が
ひっくり返ります

それはあまりにも急で
対応しきれないこともあります

また 親として たくさんのことを
新たに学ぶ必要があります

たとえば
子供にどう服を着せるかとか

(笑)

これは私にとっては
目新しいことでした

私は結構イケてると
思ったんですが

赤ん坊の娘にさえ
イケてないのが分かっているようです (笑)

山ほどの学ぶことと混乱が
一挙に押し寄せます

混乱に輪をかけたのは
妻も私も家で仕事をしていたことでした

それぞれ自分の
ビジネスを持っていて

妻はヨガの先生のための
オンラインコースを作っていて

私は作家です

私が家で働き
妻が家で働き

家には乳児が居て

私たちは必要なことをすべてしようと
悪戦苦闘していましたが

忙しさに圧倒されていました

この素晴らしい体験に突入して
何週間かすると

酷い睡眠不足に
陥りました

8週目くらいのことです

そして世界中の

あらゆる時代 あらゆる場所の親が
抱いたであろう考えを

抱くようになりました

「自分は もう2度と再び
自由な時間なんて持てない!」

(笑)

本当にそうだと言う人もいます

本当にそうであるわけでは
ないんですが

当時は本当に
そう感じられました

私にとっては
すごく不安を感じることでした

というのも
私が何より好きなのは

新しいことを
学ぶことだからです
何かに興味を抱き

飛び込んでいじりまわし
試行錯誤しながら学んで

最後には かなり上手く
できるようになる

自由時間なくしては

もうそんなことできない
と思ったんです

私は勉強好きな人間で

いつも何かを学んでいたい
成長したいと思っています

それで私は
図書館や本屋に行って —

素早く物事を学ぶ方法に
関する研究を

いろいろ調べました

たくさんの本を読み
ウェブサイトを見て

答えを探したんです

「新しいスキルを身に付けるには
どれほどかかるか?」

私が見つけた答えが
分かりますか?

1万時間です!

聞いたことあるでしょう

何か新しいことを学び

それに上手くなるには

1万時間かかるというのです

それをたくさんの本やウェブサイトで
繰り返し目にしました

それを見た時の私の心理が
どんなだったかというと —

「ノー!!
そんな時間はない!」

1万時間なんて無理です

もう新しいことなんて
絶対学べやしないでしょう

死ぬまで一生(笑)

でも本当でしょうか?

1万時間が
どれくらいの長さかというと

フルタイムの仕事
5年分に相当するんです

相当長い時間です

誰しも新しいことを
学んだことはありますが

そんなに時間を費やした覚えは
ありませんよね

どういうことなんでしょう?
何か変なことが起きているようです

研究結果と
我々の経験が

噛み合っていません

その後分かったのは

1万時間というのは専門家レベルの能力の研究から
出て来たものだということです

1万時間の法則を
最初に唱えたのは

K・アンダース・エリクソンという

フロリダ州立大の教授です

そして彼が研究していたのは
プロスポーツ選手や
世界的な演奏家や
チェスのグランドマスターでした

ものすごく競争の激しい世界で
ものすごく優れた人たちが対象だったんです

そういった分野で
頂点にたどり着くまでの

時間を調べていたんです

それで分かったのは
計画的に練習をし

必要な要素の
練習を積み重ね

時間と労力をかけるほど
それが何であれ

上達していく
ということです

そしてそれぞれの分野で
頂点にいる人達というのは

1万時間くらい練習を
積んでいたということです

さっき伝言ゲームの
話がありましたが

起きたのは
こういうことです

マルコム・グラッドウェル
という作家が

2007 年に『天才! 成功する人々の法則』


という本を書きましたが

その本の核になっていたのが
1万時間の法則でした

適切な方法でたくさん練習を積めば
技を極めて

その分野の頂点に立てる

元々のメッセージ —
エリクソン博士が
実際に言っていたのは

ある種限られた範囲の
競争の激しい分野では

頂点に立つのに1万時間かかる
ということでした

しかしその後
『天才』が出版され

ベストセラーリストの1位を

3ヶ月間独占し

1万時間の法則が至るところで
語られるようになり

そして社会全体で
伝言ゲームが始まったのです

「競争の激しい分野の頂点に立つには
1万時間かかる」という伝言が

「何かで専門家レベルになるには
1万時間かかる」になり

それがさらに

「何かに上手になるには
1万時間かかる」になり

それがさらに

「何かを学ぼうと思ったら
1万時間かかる」になりました

しかし最後の
「何かを学ぼうと思ったら1万時間かかる」—

というのは
明らかに正しくありません

研究者が実際に
言っているのは —

勉強オタクの私は
ここカリフォルニア州立大にある
図書館の認知心理学の棚のところで
長い時間を過ごしましたが —

スキル習得に関する研究を
調べていると

よく目にするのが
こういうグラフです

身体を使う
運動スキルについてであれ

頭を使う
知的スキルについてであれ

研究者というのは
時間測定できる課題を好んで研究します

数値にできるからですね

それで研究者は被験者に
何かちょっとした作業を与えます

物を並べ変えるとか

何かコツを学ぶ必要が
あるようなことです

そして被験者がその作業を
完了するまでの時間を計ります

このグラフで分かるのは
作業を与えられた時 —

被験者は最初すごく
時間がかかるということです

初めてやることで
下手なためです

それから練習するうちに
どんどん上達します

練習の初期においては
上達が非常に早いんです

ほんの少しの練習で
グッと上達することができます
ここで注意しておきたいんですが

何かのスキルを
身に付けようという時

早さというのは
そんなに気にかけませんよね?

私たちに関心があるのは
どれだけ上手くなったかということです

だからグラフの縦軸を
作業所要時間からスキル熟達度に変えると

グラフがひっくり返って

かの有名な
学習曲線になります

学習曲線が示しているのは
始めたばかりの時は

すごく下手で 自分でも
それが分かっているということです

(笑)

しかし少しの練習で
かなり上手くなります

はじめのうちはとても早く
上達します

ある時点で
成長が鈍化して

上達するのに
ずっと時間がかかるようになります

私が知りたいのは
あの時点です

何かをやり始めて
すごく下手な状態から

そこそこ上手くなるまでには

どれくらいかかるのか
ということです
できるだけ短い時間で
到達したい

どれくらい時間がかかるのか?

私が研究したところでは
20 時間です

それだけです
まったくのズブの素人というところから始めます

どんなスキルでも構いません

外国語を学びたい?

絵を描けるようになりたい?

火の付いたチェーンソーで
ジャグリングできるようになりたい?

(笑)

計画的で集中的な練習に
20 時間かけたなら

どれほど上手くなれるものか

きっと自分でも驚くでしょう

20 時間というのは

十分実行可能な時間です
1日 45 分で1ヶ月です

多少サボってもいけます

20 時間やるというのは
そんなに大変なことじゃありません

ただし そのための
方法があります

20 時間いい加減にやっても
そんなに大きな上達は

期待できません

知的に練習する
必要があります

効率的に練習し
20 時間を可能な限り

有効に投資するんです

この方法は
何にでも適用できます

第1に「スキルを分解する」ということ

正確に何ができるようになりたいか
決めたら

そのスキルを細かく
分解していくんです

私たちがスキルとして
考えるものの多くは

様々な異なるスキルから
構成されています

スキルを細かく

分解していくと

どの部分が
自分の目指すことに

最も効果があるか
見極めやすくなります

その部分を最初に
練習するんです

重要なところから
練習していけば

最小の時間で

上手くなれます

2番目は「自己修正できるだけ学ぶ」ということ

学ぼうとしていることについての情報源を
3〜5個手に入れます

本や DVD や コースや
その他のものかもしれません

ただしそれを 練習を先延ばしする
口実にしてはいけません

私自身やりがちなので
分かります

そのトピックの本を 20 冊集めて

「よし この 20 冊を
全部読破したら

プログラミングの
練習を始めるぞ!」

それは先延ばしに過ぎません

実際に練習し —

練習しながら
自己修正していく上で

必要なだけ学ぶんです

学習というのは

間違った時に
それと気付いて

やり方を変えられるようになる
ためにするんです

3番目は「練習の邪魔になるものを取り除く」こと

気を散らすもの
テレビ インターネット

これらはすべて
本腰を入れて物事に取り組む

妨げになります

少し意志力を使って

練習の邪魔になるものを
取り除くことで

実際に練習をする
公算が高くなります

4番目は「少なくとも 20 時間は練習する」こと

多くのスキルには
私が「苛立ちの壁」と呼ぶものがあります

目も当てられないほど下手で
自分でもそれが分かっている

すごく苛立たせられます

自分がマヌケだとは感じたくないものです

マヌケだと感じることは
練習に取り組む妨げになります

やりたいことが何にせよ

とりあえず 20 時間練習する
と決めることで

最初に直面する苛立ちの壁を
越えることができ

結果が得られるだけ十分に長く
練習することになります

これだけです
難しいことじゃありません

この簡単な4ステップは
何を学ぶのにも使えます

理論について話すのは
簡単ですが

実践について話すのは
もっと楽しいです

私が長い間
学びたいと思っていたのは

ウクレレです

ジェイク・シマブクロの
TEDTalk を見た人いますか?

彼がウクレレを弾く姿は

まるでウクレレの神でした

見事なばかりです

「あれ すごいカッコイイ!」
「あの楽器いいな
弾けるようになりたいな」と思いました

それでこの理論を
実証するために

ウクレレを 20 時間練習して
どういう結果になるか

見てみることにしました

ウクレレを練習するために
最初にしなければならないのは

ウクレレを入手することです

それで手に入れました
アシスタント君はいるかな?

(笑)

どうもありがとう
まずコードを繋ぎます

ただのウクレレじゃありません
エレキ・ウクレレです (笑)

いいでしょう?

何をするにせよ
最初の2時間くらいにやるのは

練習に使う道具を
揃えるということです

準備をするわけです

私のウクレレの場合
弦が張ってなくて

弦の張り方を
調べる必要がありました

大事なことですよね?

調律の仕方も
学ぶ必要がありました

練習し始めるための
準備をする方法を
学ぶ必要があるんです

練習を始める準備ができた時に
やったことの1つは

曲の弾き方を知るために
ネット上のデータベースや曲集を見ることでした

それによると — ウクレレでは
一度に複数の弦を鳴らすことで

コードが弾けて
カッコイイ

弾き語りだってできるぜ (笑)

そして曲を
見始めました

ウクレレのコード集を
持っているんですが

それにはコードが何百もあって
怯みました

しかし実際の曲を見ると

同じコードばかりが
繰り返し現れます

分かったのは
ウクレレも他のことと同様で

わずかな数の
非常に重要なことがあり

それをしょっちゅう
使うということです

たいていの曲はコードを
4つか5つしか

使わないんです

その4つか5つのコードを
知っていれば事足り

何百も覚えなくていいんです
下調べをしている時に
素敵なポップソング・メドレーを見つけました

アクシス・オブ・オーサムによるものです
(口笛)

知っている人も
いるようですね

彼らの言うところでは

過去 50 年のポップソングの
かなりの部分は 4つのコードで

弾けるということです

そのコードとは
G D Em C です

4つのコードでポップソングが
みんな弾けるんです

「そいつはいい!」
と思いました

ポップソングをみんな弾いてやろう! (笑)

それで その曲を
最初に覚えることにしました

それを皆さんに披露しようと思います
いいですか?

(拍手)
OK

(音楽)

孤独な世界に生きている
[Don't Stop Believin']

小さな街の女の子が
[Don't Stop Believin']

どこへでも行く深夜列車に乗った
[Don't Stop Believin']

落ち着いたって聞いたわ (笑)
[Someone Like You]

いい娘見つけて
[Someone Like You]

結婚したんだって
[Someone Like You]

毎晩夢の中で
[My Heart Will Go On]

あなたを見 感じる (笑)


[My Heart Will Go On]

私はそうやってあなたがどうしているかを知る (笑)
[My Heart Will Go On]

もうためらわない もう待てない 僕は君のもの


[I'm Yours]

君が素晴らしいから 僕らが素晴らしいことをしたから
[Amazing]

できることなら どこへだって 君の行くところへ行く


[Wherever You Will Go]

今夜 愛を感じられるかい (笑)
[Can you feel the love tonight]

君がいてもいなくても 僕は生きていけない
[With Or Without]

僕が困っているといつもマリア様が現れる
[Let It Be]

時々自分には誰もいないんだと感じる
[Under The Bridge]

どうか泣かないで
[No Woman, No Cry]

ああ 母さん これは夢に違いない
[Sex And Candy]

地球の反対側の国から来たんだ (笑)
[Down Under]

ある時 放浪者が沼のほとりで野宿した
[Waltzing Matilda]

ねぇ 会ったばかりで変だと思うかもしれないけど (笑)
[Call Me Maybe]

これ私の番号 よかったら電話して
[Call Me Maybe]

ヘイ セクシー・レディー オレ様は江南スタイル (笑)


[Gangnam Style]

別れを告げる時が来ました
[Time To Say Goodbye]

閉店時間 新しい始まりは 別の始まりの終わりからやってくる


[Closing Time]

(拍手) (歓声)

ありがとう

これが私の好きな曲です (笑)

ひとつ秘密を
打ち明けましょう

今弾いたので
私のウクレレ練習時間の累計が

ちょうど 20 時間になりました

(拍手)
どうも

すごいと思いませんか
ほとんどあらゆることが学べるんです

何を学びたいと思いますか?

何か新しいことを学ぶ時に
大きな障害になるのは

知力の問題でもなく
たくさんの細々したコツを学ぶ過程でもなく

感情的なものなんです
私たちの感じる恐れです

何か新しいことを
学び始めた時に

自分が馬鹿みたいに
感じられるのは

楽しいものではありません

大きな障害は知的なものではなく
感情的なものなんです

しかし何であれ 20 時間を割り当てるなら
それは問題でなくなります

何を学びたいと思いますか?

外国語を学びたい?

料理を学びたい?

絵の描き方を学びたい?

あなたを熱くさせるもの
楽しくさせるものは何でしょう?

それをやってみましょうよ
たったの 20 時間です

頑張って!

(拍手)

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