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2023 年度春学期

ミクロ経済学 I

無藤 望

2023 年 7 月 25 日 (火)

ミクロ経済学 I 2023 年 7 月 25 日 (火) 1 / 33


6.7. 不確実性下の市場均衡
• ここまでは、不確実性のない経済を扱ってきた。
• 得られる財の量や、消費をしたときの効用の値が
事前にわかっている状況だった。
本節では、不確実性が存在する経済における市場均衡
の取り扱いについて議論する。
• そのためには、まず、経済における不確実性を明
示的に記述する必要がある。
経済において、消費者の選好に影響する状態(state,
state of the world)が S 種類あるとする。
• それぞれの状態を s = 1, . . . , S で表すことにする。
• 宝くじであれば「s 等賞」に相当するが、より一
般的な概念である。
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不確実性とその解消
• ここでは、時間は「事前」、「事後」の二段階に分
かれているとする。
• 現実には、時間は連続的に流れ、時間が進む
とともに不確実性が徐々に解消されていく。
事前段階ではどの状態なのかはわからず、事後段階に
なってから不確実性が解消されて、状態が判明する。
• 例えば、「明日晴れる」(状態 1)と「明日雨が降
る」(状態 2)という 2 種類の状態があり得るとき、
どちらの状態かは明日になるまでわからないが、
明日になればわかる。
引き続き、経済に財が L 種類あり、消費者が I 人いる
とする。
• ここでは、企業は考えない。
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定義 6.40
状態 s に関する条件付き財 ℓ(contingent commodity ℓ)
とは、状態 s が実現したとき(またそのときに限り)
財 ℓ を 1 単位受け取ることのできる権利である。
• アロー=ドブリュー証券(Arrow–Debreu security)
とも呼ばれる。
条件付き財ベクトルは
x = (x11 , . . . , xL1 ; x12 , . . . , xL2 ; . . . ; x1S , . . . , xLS ) ∈ RLS
+
のように表される。ここで、xℓs は状態 s に関する条件
付き財 ℓ の量である。
• つまり、この条件付き財ベクトル x を保有してい
る消費者は、状態 s が実現したとき、
(x1s , . . . , xLs ) という財ベクトルを受け取る。
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注意 6.41
現実には、単独の条件付き財はめったに存在せず、多
くの場合は条件付き財ベクトルとして表される。
• 「財を得たり失ったりするのが、ある状態が起
こったときだけ」というような財は珍しい。
金融市場におけるオプション取引の中には単独の条件
付き財に近いものもある。
• その場合でも、複数の状態をまとめてひとつの状
態と見なしていると考えられることの方が多い。

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条件付き財での効用最大化
事前段階で、各消費者 i は、条件付き財ベクトル
ωi = (ω11i , . . . , ωL1i ; . . . ; ω1Si , . . . , ωLSi ) ∈ RLS
+

を初期保有として所持しているとする。消費者 i の条
件付き財ベクトル空間上の効用関数を Ui とする。
• 例えば、消費者 i が vNM 関数 vi を持っていて、各
状態 s が実現する確率を πs と見積もっている場

合、Ui (x) = Ss=1 πs vi (x1s , . . . , xLs ) と表される。
条件付き財の価格ベクトル
p = (p11 , . . . , pL1 ; p12 , . . . , pL2 ; . . . ; p1S , . . . , pLS ) ∈ RLS
++
が与えられると、消費者 i の効用最大化問題を解くこ
とにより、所得 wi を得ているときの需要関数 x∗i (p, wi )
を定義することができる。
• 財の種類が増えただけで、問題の解き方は同じ。
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• 1 人の消費者の需要関数 x∗i (p, wi ) の wi に初期保有
を売却して得られる現金額
L ∑
∑ S
wi = pℓs ωℓsi
ℓ=1 s=1

を代入することにより、この交換経済での需要関
数 x∗i (p) を定義できる。
不確実性のない交換経済における場合と同様に、消費
者の効用最大化、および、需給の一致条件によって、
ワルラス均衡と同様の均衡概念が定義される。

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定義 6.42 (アロー=ドブリュー均衡)
条件付き財の配分 (x1 , . . . , xI ) と条件付き財の価格ベク
トル p との組がアロー=ドブリュー均衡
(Arrow–Debreu equilibrium)であるとは、次の 2 つの条
件をみたすことである。
(1) 各消費者 i は効用を最大化するように取引する。
すなわち、xi = x∗i (p)。 I I
∑ ∑
(2) 需要と供給が一致する。つまり、 xi = ωi
i=1 i=1
• アロー = ドブリュー均衡では、ワルラス均衡と同
様の条件が仮定されている。
したがって、ワルラス均衡の場合と同様に、厚生経済
学の第一・第二基本定理が成り立つ。
• 確認のために次のような例を考えてみる。
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1 財、2 状態、2 消費者の、次のような経済を考える。
• 各消費者 i = 1, 2 は、強い意味で単調増加な vNM
関数 vi を持っているとする。
• 各消費者はどちらも、状態 s = 1, 2 が実現する確
率をそれぞれ πs と見積もっているとする。
• ただし、π1 + π2 = 1
• 初期保有において、各消費者 i は同じ条件付き財
ベクトルを保有しており、
ωi = (ω1i , ω2i ) = (ω̄1 , ω̄2 )
となっているとする。
• ここで、ωsi は消費者 i の状態 s に関する条件
付き財の初期保有量であるとしている。
• 財が 1 種類なので、財に関する添え字を省略
した。
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練習問題 6.43
前頁の仮定の下で、v1 (x1 ) = x1 (すなわち、消費者 1
がリスク中立的)で、v2′′ (x2 ) < 0(すなわち、消費者 2
がリスク回避的)であると仮定する。
このとき、アロー=ドブリュー均衡において、消費者 2
は各状態 1, 2 に関する条件付き財を同じ量だけ保有す
ることを示しなさい。
• すると、消費者 2 は状態によらずに同じ消費をす
ることから、消費者 2 は不確実性から完全に守ら
れていると言える。
• 「完全保険(full insurance)」ともいう。
• リスク回避的な人が不確実性から守られる状況
が、パレート効率的である。

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注意 6.44
注意 6.41 で述べたとおり、現実に存在する資産
(asset)や証券(security)などの金融商品は、多くの
場合、単独の条件付き財ではなく、複数の条件付き財
の組み合わせと考えられる。また、考えられる状態数
に比べて、資産・金融商品の種類が少なすぎると考え
られることも多い。したがって、単独の条件付き財を
需要しても、現実には購入が難しいことが多い。
このように、(どの時点でも)取引できない条件付き財
があるとき、不完備市場(incomplete market)である
という。
• 現実の市場は不完備であるため、近年の経済学に
おいて不完備市場に関する分析が進展している。
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注意 6.45
• アロー = ドブリュー均衡では、事前段階ですべて
の条件付き財が取引可能な市場を考えた。
しかし、もっと弱い仮定の下でも、パレート効率性が
保証されることが知られている。
• そのかわりに、次の 2 つの性質が成り立てばよい。
(1) 事前段階では、少なくとも 1 種類の財 ℓ について、
すべての状態 s に関する条件付き財 ℓ が取引可能。
(2) 事後段階では、すべての財が取引可能。
• ただし、各状態 s が実現した後の各財の価格
は、事前に正しく予想されていると仮定する。
このような状況で定義される均衡をラドナー均衡
(Radner equilibrium)という。
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6.8. 私的所有経済 (private ownership
economy)
• 再び、不確実性がない場合に戻る。
この節では、消費者だけでなく企業(生産者)も経済
の中に存在する場合を扱う。
• 企業が存在したとしても、交換経済において得ら
れた多くの結果は、 (適切に言い換えることによ
り)同様に成り立つことを確認していく。
これまでと同様に、I 人の消費者と L 種類の財が存在
するとする。
• それに加えて、J 社の企業からなる経済を考える。
• 企業 1, 2, . . . , J と呼ぶ。
これまでと同様に、すべての消費者と企業はプライ
ス・テイカーとする。
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消費者: 交換経済と同様に、各消費者 i は、初期保有
としてそれぞれの財 ℓ を ωℓi だけ保有しているとす
る。効用関数を ui とおく。
企業: 各企業 j の生産集合を Yj ⊆ RL とおく。ここで
は、0 ∈ Yj と仮定する。
• すなわち、 「何も投入せずに何も生産しない」とい
う選択が可能であるとする。
企業と消費者の関係: 各企業は消費者によって私的
に所有されているとする。
• 消費者 i による企業 j の持ち分の割合を θij ∈ [0, 1]
とおく。

• 各企業 j について Ii=1 θij = 1 が成り立つとする。
• 企業が得た利潤は、この割合に従って消費者に
分配される。
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実行可能性
私的所有経済において、配分 (x1 , . . . , xI ; y1 , . . . , yJ )
が実行可能であるとは、
• 各企業 j について、yj ∈ Yj であり、
• 各財 ℓ について
I
∑ I
∑ J

xℓi = ωℓi + yℓj
i=1 i=1 j=1

が成り立つことである。
• 消費の総量は、初期保有と生産量(生産要素と
して投入される場合は負の値)との和に等しい。
実行可能配分のパレート効率性は、交換経済の場合と
同様に、消費者の効用を考えることで定義できる。
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企業の利潤とその分配
• 消費者 i の効用関数 ui から効用最大化問題を解い
て得られる需要関数を x∗i (p, wi ) とする。
• 企業 j の生産集合から利潤最大化問題を解いて得
られる供給関数を yj∗ (p)、利潤関数を πj (p) とする。
• 企業の利潤は、その企業を所有している消費者た
ちに分配されるとする。
消費者 i は、初期保有 ωi を売却することにより
∑L
ℓ=1 pℓ ωℓi の現金を得ることに加えて、各企業 j から
θij πj (p) の収入を得ることができる。
L
∑ J

• i の所得は合計で wi = pℓ ωℓi + θij πj (p) 。
ℓ=1 j=1
• 私的所有経済での消費者 i の需要関数 x∗ (p) は、上
の x∗i (p, wi ) に上式を代入することで得られる。
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定義 6.46 (私的所有経済でのワルラス均衡)
配分 (x1 , . . . , xI ; y1 , . . . , yJ ) と価格ベクトル p の組が私
的所有経済におけるワルラス均衡であるとは、
(1) 各消費者 i は効用を最大化している。つまり、

xi = x∗i (p)

(2) 各企業 j は利潤を最大化している。つまり、


yj = yj∗ (p)

(3) 需要と供給が一致する。つまり、各財 ℓ について


I
∑ I
∑ J

xℓi = ωℓi + yℓj
i=1 i=1 j=1

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交換経済との関係

注意 6.47
すべての企業 j について Yj = {0} の場合に、交換経済
と等価な環境となっている。
• どの企業も、何も生産できない場合。
私的所有経済は、特殊例として、交換経済を含んでい
ると言える。

ミクロ経済学 I 2023 年 7 月 25 日 (火) 18 / 33


消費者 1 人、企業 1 社の場合
最も単純な場合を考える。
例 6.48
消費者 1 人、企業 1 社で、財が 2 種類の経済を考える。
• 消費者の効用関数は u(x1 , x2 ) とする。
• 消費者の初期保有は ω = (ω1 , ω2 ) とする。
• 財 1 は生産要素、財 2 は産出物であるとし、生産
関数は y2 = f (z1 ) = f (−y1 ) とする。
消費者が 1 人なので、その消費者が企業の利潤の全額
を受け取る。

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いったん最適化を忘れて、お金の動きを整理する。
• 価格ベクトル p = (p1 , p2 ) が与えられたとする。
仮に、企業が ȳ = (ȳ1 , ȳ2 ) を生産したとする。
• 財 1 は生産要素で財 2 は産出物と仮定したので、
ȳ1 ≤ 0, ȳ2 ≥ 0 である。
• つまり、−ȳ1 の量の財 1 を投入して、ȳ2 = f (−ȳ1 )
の量の財 2 を生産する。
このとき、企業の利潤は p1 ȳ1 + p2 ȳ2 である。
• 消費者はこの利潤をまるごと受け取る。
初期保有を売却して得られる現金とあわせて、消費者
の所得は
w = (p1 ω1 + p2 ω2 ) + (p1 ȳ1 + p2 ȳ2 )
= p1 (ω1 + ȳ1 ) + p2 (ω2 + ȳ2 )
• ω + ȳ を売却して得られる現金額と等しい。
消費者は、この所得を使って、財を購入して消費する。
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生産集合 Y は y2 ≤ f (−y1 ) をみたす領域。
y2 = f (−y1 ) y2

y1
Of

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(利潤最大化されていなくても)効率的な生産を行う
なら、生産ベクトル ȳ は生産集合の境界線上にくる。
y2

y1
Of

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消費者の所得は ω + ȳ を売却して得られる金額と等し
いので、消費者の予算線は ω + ȳ を通る。
x2

ω + ȳ

予算線 (傾き − pp12 )


ȳ2
ω
ω2 −ȳ1
x1
Oc ω1

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生産者のグラフに消費者のグラフを重ねる。
• ただし、生産者の ȳ と消費者の ω + ȳ が(生産者の
原点 Of と消費者の ω が)重なるように平行移動。
つまり、消費者のグラフを初期保有の分だけ左下に平
行移動する。 x2 y2

ȳ2 消費者の
予算線
y1
ω2 −ȳ1 Of
Oc x1
ω1
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企業の等利潤線の傾きは −p1 /p2 である。
• 消費者の予算線の傾きと同じ。
x2 y2

消費者の 企業の
=
予算線 等利潤線
y1
Of
Oc x1

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ここで、企業が y ∗ = (y1∗ , y2∗ ) で利潤最大化するとする。
• 内点解を仮定すると、y ∗ で生産曲線と等利潤線が
接する。
y2

y∗
等利潤線 (傾き − pp12 )

y1
Of

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他方、消費者が効用最大化すると、無差別曲線と予算
線が接する。
x2

x∗ = (x∗1 , x∗2 )

無差別曲線
予算線 (傾き − pp12 )

x1
Oc
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市場価格がちょうどよいと、需給が一致する。
• グラフを重ねたとき、x∗ と y ∗ が一致する。
x2 無差別曲線 y2

y∗

y2∗
x∗2 等利潤線
y1
Of
ω2 x∗1 −y1∗
Oc x1
ω1
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私的所有経済における厚生経済学の第
一基本定理
私的所有経済においても、厚生経済学の第一基本定理
が同様に成り立つ。
定理 6.49 (私的所有経済における厚生経済学
の第一基本定理)
各消費者の効用関数が強い意味で単調増加であるとす
る。このとき、ワルラス均衡配分はパレート効率的。
証明は、交換経済の場合と同様である。

ミクロ経済学 I 2023 年 7 月 25 日 (火) 29 / 33


私的所有経済における厚生経済学の第
二基本定理
• 厚生経済学の第二基本定理は、第一基本定理より
も注意を要する。
交換経済における第二基本定理で、消費者の効用関数
の準凹性を仮定したのと同様に、生産技術の凸性を仮
定する。
• つまり、各企業 j について、生産集合 Yj が凸であ
るとする。
さらに、初期保有を適当に設定する代わりに、所得を
適当に再配分ことにより均衡を実現するという形で定
式化される。

ミクロ経済学 I 2023 年 7 月 25 日 (火) 30 / 33


定理 6.50 (私的所有経済における厚生経済学
の第二基本定理)
各消費者の効用関数が強い意味で単調増加で、準凹で
あるとする。さらに、各企業の生産集合が強い意味で
凸集合であるとする。初期保有 ω はすべての消費者、
すべての財について正であるとする。このとき、実行
可能配分 (x1 , . . . , xI ; y1 , . . . , yJ ) がパレート効率的であ
るならば、所得移転込みのワルラス均衡配分となる。
• 政府などが所得の再配分を適切に行うことによっ
て、どのようなパレート効率的配分でも、ワルラ
ス均衡を通じて実現できることを主張している。
ただし、「所得移転込みのワルラス均衡」とは次の意味
である。
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価格ベクトル p と配分 (x1 , . . . , xI ; y1 , . . . , yJ ) の組が
「所得移転込みのワルラス均衡」であるとは、消費者間

の所得の移転額 (t1 , . . . , tI )( Ii=1 ti = 0)をうまく定め
ることによって、次の (1)~(3) が成り立つようにでき
ることである。
(1) 各消費者 i は、移転された所得込みで、効用を最
大化している。つまり、
( L
∑ J
∑ )
xi = x∗i p, pℓ ωℓi + θij πj (p) + ti
ℓ=1 j=1

(2) 各企業 j は利潤を最大化している。つまり、


yj = yj∗ (p)
(3) 需要と供給が一致する。つまり、各財 ℓ について
I
∑ I
∑ J

xℓi = ωℓi + yℓj
i=1 i=1 j=1
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今回のまとめ
不確実性下の市場均衡
• どの「状態」が実現するかが不確実な状況
• 条件付き財:実現する状態によって得られる財の
量が変化する
• アロー=ドブリュー均衡
• どの時点でどの財が取引可能であるかが、市場の
効率性に影響する。
私的所有経済
• 企業が消費者に所有されている。
• 企業が得た利潤を消費者に分配する。
• 私的所有経済でのワルラス均衡
• 厚生経済学の第一・第二基本定理
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