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資料3

第8回マルチGNSSによる高精度測位技術の開発に関する委員会
平成25年度
マルチGNSS解析技術等の開発に向けた
地殻変動解析に関する技術開発業務

平成25年11月14日

日立造船株式会社
東京海洋大学
平成25年度マルチGNSS解析技術等の開発に向けた地殻変動解析に関する技術開発業務 平成25年11月14日

業務目的
緊急時における迅速な地殻変動の把握のため、
マルチGNSSを用いて、
測位精度の安定性及び信頼性を確保しつつ、
GEONETのような1000点を超える大規模観測網にも
適用可能な高精度測位の計算手法を確立させる

第7回マルチGNSSによる高精度測位技術の開発に関する委員会
資料6 平成25年度の作業計画(案)より
2
平成25年度マルチGNSS解析技術等の開発に向けた地殻変動解析に関する技術開発業務 平成25年11月14日

業務内容

1.計算手法の比較検討
マルチGNSS解析技術等を用いて、
GEONETのような大規模GNSS観測網のデータを解析して、
広域の正確な地殻変動をより迅速に取得するための
計算方法を検討

2.地殻変動緊急解析サブシステムの基本設計
1.計算手法の比較検討結果、最適と判断された手法により
GEONETを想定した大規模GNSS観測網の
地殻変動緊急解析を行うサブシステムについて、
概念レベルの基本設計を行う

3
平成25年度マルチGNSS解析技術等の開発に向けた地殻変動解析に関する技術開発業務 平成25年11月14日

1.計算手法の比較検討
1)階層的な基線解析において
二重位相差のアンビギュイティ解決をする計算手法
n 大規模網基線解析
2)各点毎の精密単独測位(PPP)において
アンビギュイティ解決をする計算手法
n PPP-AR
計算手法 ソフトウェア 可能な計算手法
大規模網基線解析 Bernese v5.2 階層的な基線解析
PPP-AR GIPSY v6.1.2 PPP、PPP-AR、PPP+網解析
PPP-AR RTKLIB v2.4.2 PPP、PPP-AR
4
平成25年度マルチGNSS解析技術等の開発に向けた地殻変動解析に関する技術開発業務 平成25年11月14日

1.計算手法の比較検討項目
# 比較検討項目
1 測位計算の概要
2 観測時間短縮に向けたマルチGNSSやL5の利活用の考え方
3 測位計算の手順、主要アルゴリズム
4 測位計算の結果から広域地殻変動を把握する方法
5 イベント発生後、広域地殻変動が得られるまでの時間の見積もり
及びその定量的な根拠
6 イベント発生後、上記時間内に得られる地殻変動量の精度の見積もり
及びその定量的な根拠
7 測位計算における外部情報の必要性及び入手可能性。
必要な情報を迅速に得ることが難しい場合、当該情報を独自に生成する方法
並びに生成に必要なデータ及び生成システムの概要
8 測位計算における観測網の階層化・分割の必要性及びその方法
9 測位計算に必要な計算機の能力
10 その他地殻変動の迅速な把握という立場からみた有効性及び実現性
5
平成25年度マルチGNSS解析技術等の開発に向けた地殻変動解析に関する技術開発業務 平成25年11月14日

2.地殻変動緊急解析サブシステムの基本設計
l 解析可能な点数は、最大1300点とする
l イベント発生後に緊急解析した観測点の座標の各成分の精度
(標準偏差)は水平1cm、上下2cm以下を目標とする。
l イベント発生後に必要な観測時間及びそのデータの解析時間
の合計は、2時間以下を目標とする。
l 利用衛星は、GPS及びQZSSを必須とし、GLONASSも利用する
ことが望ましい。
l 緊急解析以外に、1日分の全点データを用いた解析も可能であ
ること。この場合の解析時間は、20分以内を目標とする。
など 6
平成25年度マルチGNSS解析技術等の開発に向けた地殻変動解析に関する技術開発業務 平成25年11月14日

Bernese5.2による階層的な基線解析手法の構築

1.階層構成(上位ー>下位)
1)バックボーンクラスタ (BB)
2)基本クラスタ(SC)
3)追加クラスタ(SA)

2.測位計算の手順
バクボーンクラスタ、基本クラスタ、追加クラスタの
順に座標と大気遅延を決定し、上位階層の解を
固定して下位階層の解を求める。

7
平成25年度マルチGNSS解析技術等の開発に向けた地殻変動解析に関する技術開発業務 平成25年11月14日

Bernese 5.2による階層的な基線解析
解析諸条件
項目 説明
座標系 ITRF2008
基線決定 共通可視期間が最大となる基線(観測点の組)を決定
GMF/GPTモデルを採用
大気遅延推定
天頂遅延は1時間毎に、勾配はセッション毎に推定
電離層遅延 高次項補正
1)200km∼6000kmの基線:
Melbourne-Wubbena(MW)+SIGMA
2)20km∼200kmの基線:
アンビギュイティ決定
Wide Lane+SIGMA、Narrow Lane+SIGMA
3) 2000km以下の基線: L1&L2+QIF
4)20km以下の基線: L1&L2+SIGMA
GLONASSアンビギュイティ 整数化
海洋潮汐荷重 なし
大気潮汐荷重 あり
アンテナ位相特性モデル PCV_COD.I08 (絶対モデル)
基準点の拘束 最小拘束 (移動成分に0.01mmの拘束)
Berense5.2はL5未対応。 8
平成25年度マルチGNSS解析技術等の開発に向けた地殻変動解析に関する技術開発業務 平成25年11月14日

Bernese 5.2による階層的な基線解析
基線構成
(バクボーンクラスタ)
PC 1台で処理

BBクラスタ
21点

9
平成25年度マルチGNSS解析技術等の開発に向けた地殻変動解析に関する技術開発業務 平成25年11月14日

Bernese 5.2による階層的な基線解析
2.基線構成
(基本クラスタ)
C1クラスタ C2クラスタ
PC 5台で 196点 186点
各クラスタを処理

C3クラスタ C4クラスタ C5クラスタ


157点 180点 207点

10
平成25年度マルチGNSS解析技術等の開発に向けた地殻変動解析に関する技術開発業務 平成25年11月14日

Bernese 5.2による階層的な基線解析
2.基線構成
(追加クラスタ)
A1クラスタ A2クラスタ
PC 5台で
92点 74点
各クラスタを処理

A3クラスタ A4クラスタ A5クラスタ


21点 82点 72点

11
平成25年度マルチGNSS解析技術等の開発に向けた地殻変動解析に関する技術開発業務 平成25年11月14日

Bernese5.2による階層的な基線解析結果
GPS+GLONASS解析 超速報暦(IGU) 全国約1210点
2013年10月1日から7日間 24時間データ
標準偏差 平均値の差
0.03
30mm 0.05
50mm
平均 2mm F3=2mm 平均7mmのバイアス 標準偏差凡例
0.02 0
0mm ●:F3解
東西 ●:Bernese
0.01 -0.05

0mm0 -100mm
-0.1
0 500 1000 1500 2000 0 500 1000 1500 2000

30mm
0.03 0.05
50mm
平均 2mm F3=2mm 平均3mmのバイアス
0.02 0
0mm
南北
0.01 -0.05

0mm0 -0.1
-100mm
0 500 1000 1500 2000 0 500 1000 1500 2000

30mm
0.03 50mm
0.05
平均 6mm F3=7mm 平均29mmのバイアス
0.02 0mm
0

上下
0.01 -0.05 横軸
固定点(つくば1)
0mm0 -100mm 12
0
0km 500 1000
1000km 1500 2000
2000km
-0.1
0
0km 500 1000 1500 2000
からの基線長
1000km 2000km
平成25年度マルチGNSS解析技術等の開発に向けた地殻変動解析に関する技術開発業務 平成25年11月14日

RTKLIBによるPPP-AR解析
RTKLIBのPPPモデル
PPP Models
Satellites GPS,QZS,GLO,GAL
Troposhere GPT
NMF or GMF+Gradient
Ionosphere Iono-Free LC (L1-L2,L1-L5)
or STEC estimation (opt)
Tidal Displacement Solid Earth Tide: DEHANTTIDEINEL.F (opt)
Ocean Tide Loading: IERS 2010 with BLQ
Pole Tide: IERS 2010 with IGS ERP
Ambiguity Yes (opt)
Resolution

測位方法
PPP + AR(WL-LC/NL-Rounding)
外部のPPP-AR補正情報を使用 13
平成25年度マルチGNSS解析技術等の開発に向けた地殻変動解析に関する技術開発業務 平成25年11月14日

RTKLIBによるPPP-AR解析
PPP-AR補正情報
衛星軌道、衛星時計、衛星位相補正情報
n CNT暦 (GPSのみ対応)

CNESのリアルタイムPPP-AR補正情報
(The PPP-WIZARD project)
• リアルタイムに生成されたプロダクトが後処理用に
.sp3、.clk、.biasファイルで提供
n GRG暦 (GPSのみ対応)
CNESの後処理解析によるPPP-AR補正情報
本業務ではこれら後処理用のプロダクトを使用して評価
マルチGNSS(GPS+QZSS)はJAXA QZSS最終暦によるPPPで評価 14
平成25年度マルチGNSS解析技術等の開発に向けた地殻変動解析に関する技術開発業務 平成25年11月14日

RTKLIB v2.4.2によるPPP解析結果例 RTKLIB v2.4.2


rtkpost p4
電子基準点93023(千葉市川) 2013年10月1日から7日間
30秒サンプリング24時間データ
PPP-Kinematic解析(フィルタ+スムーザ)24時間ごとに解析
GRG暦 PPP ARなし GRG暦 PPP ARあり (Fix 99.5%)

AVE E:1.20, N:0.55, U:-0.53 cm AVE E:1.59, N:0.48, U:0.24 cm


STD E:1.43, N:1.13, U:2.97 cm STD E:1.08, N:1.07, U:3.13 cm
RMS E:1.86, N:1.25, U:3.01 cm RMS E:1.92, N:1.17, U:3.14 cm
基準座標:F3解10月1日から7日間の平均 15
平成25年度マルチGNSS解析技術等の開発に向けた地殻変動解析に関する技術開発業務 平成25年11月14日

RTKLIB v2.4.2によるPPP解析結果例 RTKLIB v2.4.2


rtkpost p4
電子基準点93023(千葉市川) 2013年10月1日から7日間
30秒サンプリング24時間データ
PPP-Static解析(フィルタ+スムーザ)24時間ごとに解析

平均値 標準偏差 RMS


●E、 ●N、 ●U E N U E N U
暦 解析 暦 解析
(mm) (mm) (mm) (mm) (mm) (mm)
IGS 2.3 2.2 2.9 PPP IGS 14.8 6.1 4.7 PPP
GRG 1.7 2.6 2.8 PPP GRG 11.3 6.4 4.0 PPP
GRG 0.7 1.7 3.0 PPP-AR GRG 14.8 6.1 4.7 PPP-AR
平均値 (mm)

CNT 4.1 2.4 8.8 PPP CNT 9.9 10.3 14.0 PPP
■E、 ■N、 ■U ■E、 ■N、 ■U

基準座標:F3解10月1日から7日間の平均 16
平成25年度マルチGNSS解析技術等の開発に向けた地殻変動解析に関する技術開発業務 平成25年11月14日

平均値
RTKLIB v2.4.2による
PPP解析結果 東西
平均値 (mm)
平均 11 mmのバイアス

解析:PPP-Static (ARなし)

期間:2013年10月1日から7日間
南北
暦:GRG暦 (mm)
平均 3 mmのバイアス
観測点:電子基準点 1,216点

基準座標:F3解同じ期間の平均値

上下
(mm)
平均 0 mmのバイアス
RTKLIB v2.4.2 rnx2rtkp p4

17
観測点数 (緯度でソート)
平成25年度マルチGNSS解析技術等の開発に向けた地殻変動解析に関する技術開発業務 平成25年11月14日

RTKLIB v2.4.2によるPPP解析結果
東西 南北 上下
標準偏差 (mm)

RMS (mm)

観測点数
(電子基準点1,216点 緯度でソート) 18
平成25年度マルチGNSS解析技術等の開発に向けた地殻変動解析に関する技術開発業務 平成25年11月14日

GIPSY-OASIS6.1.2による精密測位の手法
• JPLが開発した精密測位・軌道時刻推定ソフトウェア
GIPSY-OASISの
• 大学での研究利用は無償、米国外の配布はバイナリコードのみ
1 概要
• 最新版はGIPSY/OASIS-II ver.6.2 (本解析では ver. 6.1.2を使用)
• 軌道時刻情報はJPL暦を使用(ただし、JPL暦はGLONASSに未対応)
• PPP-AR(Bertiger, JoG, 2010)
:位相バイアス解を使って単独受信機のPPPでアンビギュイティを解く方
2 測位計算の概要

• PPP-AMBIZAP(Blewitt, JGR, 2008) : PPP+網解析
マルチGNSSや マルチGNSS及びL5の利用は良好な観測値が増加するのでフィ
3
L5の活用 ルタの推定条件が改善され観測時間の短縮につながると考える
• PPP-AR
– 衛星-局-アーク毎のワイドレーンバイアスと位相バイアスの推定値
のリストを作成する
測位計算の – これらのバイアス解を使って単独受信機でアンビギュイティを解く
4 手順、主要 • PPP-AMBIZAP
アルゴリズム – 基準局位置の初期値はPPP解で算出
– 基線の数を(n-1)に削減(計算時間の短縮)
– 基線の選択:ユークリッド最小木問題(基線の総和を最小にして探
索)
19
平成25年度マルチGNSS解析技術等の開発に向けた地殻変動解析に関する技術開発業務 平成25年11月14日

GIPSY-OASIS6.1.2によるPPP解析結果例
電子基準点93023(千葉市川) 2013年10月1日から7日間
30秒サンプリング24時間データ
PPP-Kinematic解析(フィルタ+スムーザ)24時間ごとに解析
JPL暦 PPP ARなし JPL暦 PPP ARあり
0.2 0.2
0.1 0.1

E-W (m)
E-W (m)

0 0
-0.1 -0.1
-0.2 -0.2

0.2 0.2
0.1 0.1

N-S (m)
N-S (m)

0 0
-0.1 -0.1
-0.2 -0.2

0.2 0.2
0.1
U-D (m)

0.1
U-D (m)

0 0
-0.1 -0.1
-0.2 -0.2
10/01 10/02 10/03 10/04 10/05 10/06 10/07 10/08 10/01 10/02 10/03 10/04 10/05 10/06 10/07 10/08
Time (s) Time (s)
AVE E:1.28, N:0.69, U:-0.34 cm AVE E:1.53, N:0.71, U:-0.17 cm
STD E:1.03, N:1.04, U:2.65 cm STD E:0.80, N:0.97, U:2.33 cm
RMS E:1.67, N:1.25, U:2.70 cm RMS E:1.72, N:1.20, U:2.36 cm
20
基準座標:F3解10月1日から7日間の平均
平成25年度マルチGNSS解析技術等の開発に向けた地殻変動解析に関する技術開発業務 平成25年11月14日

GIPSY-OASIS6.1.2によるPPP解析結果例
電子基準点93023(千葉市川) 2013年10月1日から7日間
30秒サンプリング24時間データ
PPP-Kinematic解析(フィルタ+スムーザ)24時間ごとに解析
JPL暦 PPP-AMBIZAP
0.2
E-W (m)

0.1
0
-0.1
-0.2
0.2
N-S (m)

0.1
0
-0.1
-0.2
0.2
U-D (m)

0.1
0
-0.1
-0.2
10/01 10/02 10/03 10/04 10/05 10/06 10/07 10/08
Time (s)
AVE E:2.07, N:0.09, U:1.16 cm
STD E:1.04, N:1.01, U:2.72 cm
RMS E:2.37, N:1.09, U:2.98 cm
21
基準座標:F3解10月1日から7日間の平均
平成25年度マルチGNSS解析技術等の開発に向けた地殻変動解析に関する技術開発業務 平成25年11月14日

GIPSY-OASIS6.1.2によるPPP解析結果例
電子基準点93023(千葉市川) 2013年10月1日から7日間
30秒サンプリング24時間データ
PPP-Static解析(フィルタ+スムーザ)24時間ごとに解析
平均値 RMS
E N U E N U
暦 解析 暦 解析
(mm) (mm) (mm) (mm) (mm) (mm)
JPL 15.2 7.0 -3.0 PPP JPL 15.3 7.1 4.0 PPP
JPL 14.9 6.7 1.8 PPP-AR JPL 14.9 6.7 2.6 PPP-AR
PPP- PPP-
JPL 20.5 0.1 13.7 JPL 21.0 4.5 14.2
AMBIZAP AMBIZAP
標準偏差
E N U
暦 解析
(mm) (mm) (mm)
JPL 3.3 1.4 1.0 PPP
JPL 2.0 1.3 0.8 PPP-AR 基準座標:F3解10月1日から7日間の平均
PPP-
JPL 4.5 5.6 2.9
AMBIZAP 22
平成25年度マルチGNSS解析技術等の開発に向けた地殻変動解析に関する技術開発業務 平成25年11月14日

今後の作業

n 実観測データによる基本性能(精度、実行時間、所要メモリ)
評価

n 実観測データによるイベント(地殻変動)発生時の性能評価

n 文献調査と解析結果による計算手法の比較検討

n 上記比較検討結果をもとにした地殻変動緊急解析
サブシステムの基本設計

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