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Jpn J Rehabil Med 2007 ; 44 : 177.

188

《総 説》

脳卒中後うつ病(Poststroke depression)
−その診断と治療−

長田麻衣子*1 村 岡 香 織*2 里 宇 明 元*1

Poststroke Depression ― Diagnosis and Treatment ―


Maiko OSADA,*1 Kaori MURAOKA,*2 Meigen LIU*1

Abstract : Depression is a common complication of stroke. Reported prevalence ranges from 23 to


40% of patients with stroke. The range is very wide, because there are methodological differences
between the different studies(e.g. diagnostic criteria, type of rating scales used, timing of evaluation
and wide range of patient selection) . Poststroke depression(PSD)has a negative impact on function-
al recovery, activities of daily living(ADL) , and quality of life, and can impede the process of rehabili-
tation. Furthermore, PSD leads to increased morbidity and mortality. It is therefore important to iden-
tify and treat depression in its early stages. In this paper, we reviewed the diagnosis and treatment of
PSD. Many studies used diagnostic tools that are routinely employed for the diagnosis of major
depression and other depressive disorders. Diagnosis is hindered by problems related with self-
reporting in patients with cognitive and communicative deficits following stroke, and is confounded
by the fact that many of the somatic symptoms of depression can also arise directly from stroke itself.
There is therefore a concern about the validity of regular diagnostic tools in assessing poststroke
patients. Different approaches and diagnostic criteria used to assess neuropsychiatric disorders in dif-
ferent studies make it difficult to compare their results and to interpret neuropsychiatric phenomena.
The effects of treatment of poststroke depression have been examined and confirmed in several trials
with tricyclic antidepressants and selective serotonin reuptake inhibitors(SSRI) . There is currently
no evidence that exercise, whose effectiveness has been demonstrated in major depression, may
reduce depression in stroke patients. This is an area to be further explored in rehabilitation settings.

Key words : うつ状態(depressive state),リハビリテーション(rehabilitation),機能予後


(functional outcome)
,抗うつ薬(antidepressant)
,運動(exercise)

は,診断が困難であったり,治療方針決定に難渋
はじめに したりするケースも多い.そこで本稿では,まず
PSD の疫学や PSD がリハの予後にどのような影
脳卒中後のうつ病(poststroke depression 以下 響を与えるかを示し,次に最近の PSD の診断法
PSD)は,脳卒中患者にしばしばみられ,リハビ および治療法をまとめた.さらに,リハ医療場面
リテーション(以下,リハ)を施行していく上で からみた,PSD の診断における課題や,運動療法
留意すべき合併症の一つである.しかし,実際に など,薬物療法以外の治療法の可能性について文

2006 年 10 月 23 日受稿
*1
慶應義塾大学医学部リハビリテーション医学教室/〒 160.8582 東京都新宿区信濃町 35
Department of Rehabilitation Medicine, Keio University School of Medicine
*2
慶應義塾大学月が瀬リハビリテーションセンター/〒 410.3293 静岡県伊豆市月ヶ瀬 380.2
Department of Rehabilitation Medicine, Keio University Tsukigase Rehabilitation Center
E-mail : osadamaiko@hotmail.com

Jpn J Rehabil Med VOL. 44 NO. 3 2007 177


長田麻衣子・他

献的検討を加えた.
なお,診断の項でも述べるが,現在 PSD 特有
の診断基準として確立されたものはなく,本稿で
引用する文献における PSD の定義も一定のもの
ではない.文献によってはうつ病の評価尺度を使
用し PSD と定義しているものもある.評価尺度
ではうつ病の診断はできないため,これは本来
PSD とは呼べないが,本稿ではこれらも含めて
図1 PSD の頻度と脳卒中後の期間(文献 2 より引用・
PSD として扱うこととする.
改変)
縦軸は Major depressive disorder(MDD)の罹患率を,横
PSD の疫学 軸は脳卒中発症からの期間を表す.罹患率は発症後 3 カ月
で最高,1 年で最低となり以後再び増加する.

PSD の頻度は,報告によりさまざまであるが脳
卒中患者の 23 ∼ 40 %であるとされる.Astrom ている.Bhogal ら2)は 2004 年に 26 の原著論文を
1)
ら によると,PSD は脳卒中発症後より 2 年の間 レビューし,PSD と病変部位との関係は明らかで
に多く発症し,特に,脳卒中発症から半年以内の はないとしている.
リハを行う期間に高率にみられるとされている
.脳卒中発症後の期間により PSD の発症率
(図 1) PSD と機能予後
が違うことや,PSD の診断基準が確立されていな
いことから,PSD の頻度は上記のように報告によ Morris ら3)は,10 年間の追跡調査の結果,PSD
ってばらつきがあるが,世界保健機関(WHO) 患者群では PSD のないコントロール群と比較し
によるとうつ病全体の時点有病率が全世界で 3 % て死亡率が 3.4 倍であったと報告している(図 2)

であることと比較すると,PSD の頻度は非常に高 Gainotti ら4)は,PSD 患者を抗うつ薬による治療
いということができる.PSD と病変部位の関係に 群と未治療群に分け,さらに PSD のない対照群
ついては多くの報告があり,左前頭葉病変に多い も加えて PSD が日常生活動作(activities of daily
とする報告や右半球病変の方が多いとする報告, living:以下 ADL)に及ぼす影響を検討し,PSD
左右差はないとする報告など,脳卒中発症からの が ADL に悪影響を及ぼすこと,またこの影響は
期間や,対象患者の背景により異なる結論となっ 治療により軽減できることを示した(図 3)
.この

図2 PSD 患者と非 PSD 患者の生存曲線(文献 3 より引用・改変)


PSD 患者では,非 PSD の脳卒中患者と比較して死亡率が高い.

178 Jpn J Rehabil Med VOL. 44 NO. 3 2007


脳卒中後うつ病(Poststroke depression)―その診断と治療―

診 断 法

現在,PSD 特有の診断基準,評価尺度として確
立されたものはなく,脳血管障害後にいわゆる内
因性うつ病にみられるのと同様の症状を呈したも
のを PSD と診断している.以下,うつ病の診断
基準,評価尺度を紹介する.
図3 PSD と ADL(文献 4 より引用・改変)
PSD は ADL に悪影響を及ぼす.治療により,この影響を軽
減できる. 1.診断基準
うつ病の診断基準としては,国際疾病分類
5) 6)
(ICD) や米国精神医学会診断基準(DSM) があ
他にも,PSD が麻痺側の四肢の動きや認知障害な る.DSM-Ⅳ(表 1)では「一般身体疾患に基づく
どの functional impairment,歩行や更衣などの 気分障害」というカテゴリーが加わり,PSD はこ
ADL,社会参加などの quality of life(QOL)に悪 れに分類される.つまり,DSM-Ⅳでの気分障害
影響を及ぼすこと,抗うつ薬治療により functional の診断基準を満たし,その原因として脳卒中が存
impairment,ADL の改善がみられることが多く報 在すれば,DSM-Ⅳでは PSD と診断することにな
告されている.以上より早期に PSD を診断し, る.DSM を用いた診断は,精神科医による診断
治療を開始することが重要と考えられる. 面接により行われる.Robinson7)は,PSD の診断

表 1 
 大うつ病エピソード )

以下の症状のうち つ(またはそれ以上)が同じ 週間の間に存在し,病前の機能か
らの変化を起こしている.(これらの症状のうち少なくとも つは抑うつ気分または
興味・喜びの喪失である)
その人自身の訴えか,家族などの他者の観察によって示される.ほぼ 日中の

抑うつの気分.
ほとんど 日中またほとんど毎日のすべて,またすべての活動への興味,喜び

の著しい減退.
食事療法をしていないのに,著しい体重減少,あるいは体重増加,または毎日

 の食欲の減退または増加.
 ほとんど毎日の不眠または睡眠過多.
 ほとんど毎日の精神運動性の焦燥または制止.
 ほとんど毎日の易疲労性,または気力の減退.
 ほとんど毎日の無価値感,または過剰であるか不適切な罪責感.
 思考力や集中力の減退,または決断困難がほぼ毎日認められる.
死についての反復思考,特別な計画はないが反復的な自殺念虜,自殺企図また

は自殺するためのはっきりとした計画.
 症状は混合性エピソード(双極性障害)の基準を満たさない.
症状の臨床的著しい苦痛また社会的,職業的,または他の重要な領域における機能の

障害を引き起こしている.
 症状は,物質(薬物乱用など)によるものではない.
症状は死別反応ではうまく説明されない.すなわち愛する者を失った後症状が カ
 月を超えて続くか,または著明な機能不全.無価値への病的なとらわれ,自殺念虜,
精神病性の症状,精神運動制止があることが特徴.

Jpn J Rehabil Med VOL. 44 NO. 3 2007 179


長田麻衣子・他

には DSM-Ⅳに基づいた診断面接が最も適切であ 者の重症度や経過の評価をするためのものであ
るとしている. り,うつ病の診断に用いるものではないが,PSD
の研究ではこのような評価尺度(特に SDS,GDS,
2.評価尺度 HAM-D)を患者のスクリーニングに用いているも
評価尺度は,大きく自己評価尺度と他者評価尺 のも多い.Agrell ら13)は,高齢脳卒中患者を対象
度に分けられる.自己評価尺度としては,Zung として,SDS,GDS,HAM-D などの自己・他者評
8)
Self Depression Scale(SDS) (表 2)や,Geri- 価尺度と,精神科医による診断面接による診断を
atric Depression Screening Scale(GDS)9),Beck 比較し,評価尺度を PSD の診断として用いること
10)
Depression Invenory(BDI) が,他者評価尺度と の妥当性を示している.
しては,Hamilton Depression Rating Scale(HAM- 主な評価尺度のスコアと,うつ病の診断・重症
11)
D) や Montgomery and Asberg Depression Rating 度の目安は以下のように報告されている.SDS で
12)
Scale(MADRS) などが挙げられる. は,40 点以上がうつ病の範疇であるとされている
評価尺度は本来,すでにうつ病と診断された患 が(Zung),福田ら14)は,日本人で検証を行った

表 2 
   



()



ないか, かなりの ほとんど


ときどき
たまに あいだ いつも
 気が沈んで憂うつだ    
 朝がたはいちばん気分がよい    
 泣いたり,泣きたくなる    
 夜よく眠れない    
 食欲はふつうだ    
まだ性欲がある,
(独身の場合)異性に
    
対する関心がある
 やせてきたことに気がつく    
 便秘している    
 ふだんよりも動悸がする    

 なんとなく疲れる    

 気持ちはいつもさっぱりしている    

 いつもとかわりなく仕事をやれる    

 落ち着かず,じっとしていられない    

 将来に希望がある    

 いつもよりいらいらする    

 たやすく決断できる    

 役に立つ,働ける人間だと思う    

 生活はかなり充実している    
自分が死んだほうがほかの者は楽に暮

    
らせると思う

 日頃していることに満足している    

上記の各質問に対し,患者に解答を選んでもらう.
素点 <
:普通,∼ 
:軽度のうつ病, ∼ 
:中∼高度の大うつ病,

>:極度の大うつ病
合計点はパーセントに換算することもある.(インデックス)
インデックス=
(点数/最大可能値 
)

×または,インデックス=点数×



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脳卒中後うつ病(Poststroke depression)―その診断と治療―

ところ正常対照群の平均が 35 点,うつ病群で約 60 とは不可能である.


点であったことより 50 点を区分点とするのが適切 第三の問題点としては,高次脳機能障害やコミ
であると提唱している.GDS では,30 項目では ュニケーション障害を有する脳卒中患者における
11 点以上,15 項目では 5 点以上がうつ病である可 評価の妥当性の問題が挙げられる.DSM-Ⅳでの診
能性があるとされる.DSM-Ⅳの診断基準を反映し 断を行うためには,心理状態・症状などを自己評
修正された BDI-Ⅱでは 0 ∼ 13 点:極軽症,14 ∼ 価し,それを検者に伝えることが必要であるが,
19 点:軽症,20 ∼ 28 点:中等症,29 ∼ 63 点:重 これは認知症,失語症,構音障害を有する患者に
症,とされている.HAM-D では,Kearns ら15)は は困難であると考えられる.
17 項目版において 7 点以下:正常範囲,8 ∼ 13 これらの問題点のため,PSD に特有な評価法の
点:軽症,14 ∼ 18 点:中等症,19 ∼ 22 点:重 検討もなされている.日本脳卒中学会により作成
症,23 点以上:最重症としている. された脳卒中うつスケール 19)は前述の 2 番目の問
題点である脳卒中と PSD の症状の区別がつかな
3.うつ病の診断基準・評価尺度を PSD に用い いという点を考慮し,嚥下障害による摂食量の低
た場合の問題点 下や神経因性膀胱による頻尿などの紛らわしい症
上記のように,現在は PSD にもうつ病の診断 状を除いている.また,重症度を定量的に評価で
基準や評価尺度が用いられており,それらの PSD きるよう工夫されている.3 つ目に挙げたコミュ
の診断や評価における有効性も示されている.し ニケーション障害のある患者の問題に対しては,
かし,以下のような問題点も指摘されている. 行動を観察することにより評価する The Stroke
第一の問題点として,いわゆる内因性うつ病と Aphasic Depression Questionnaire(SADQ)20)や
PSD の臨床像が違う可能性があるという点がある. Visual Analogue Scale を利用した岡崎らによるう
いわゆる内因性うつ病では抑うつ気分または興 つ行動評価 21),The Aphasic Depression Rating
22)
味・喜びの喪失が中核の症状であるが,PSD では Scale(ADRS) などが検討されている.このよう
自殺念慮などの抑うつ気分(自殺念慮,強い悲哀 な PSD を対象とした評価法の妥当性・信頼性な
感,無価値感,罪業感)はあまりみられず,意欲 どの検証はまだ十分であるとはいえず,今後リハ
の低下・自発性の低下・無関心・焦燥感が多くみ 医療場面で評価していく必要があると考えられ
られるとする報告がある.また,身体症状が主訴 る.また,現在使用されている DSM,HAM-D
であることが多く,身体症状のうちふらつきの頻 などの評価は,精神科医による診断面接により行
度が多いとされる.不眠はさまざまなタイプがあ われるが,施行にある程度の時間と熟練を要する
るが,早朝覚醒タイプが多いとされている16).一 ため,施行が難しい.精神科以外の医師や訓練ス
17)
方,Robinson ら は PSD 患者といわゆる内因性 タッフにも施行が可能な信頼できる評価法の開発
うつ病患者を対象に抑うつ症状の頻度を比較し, が望まれる.
PSD では緩慢さが多く認められること以外には差
はなかったと報告している.また,Lipsey ら18)も, 薬物治療
両者の症状には明らかな差異はないとしている.
第二の問題点としては,脳卒中の症状と PSD の PSD には,いわゆる内因性のうつ病と同様に抗
症状の区別が困難であることが挙げられる.DSM- うつ薬による治療効果が報告されている.現時点
Ⅳの中に挙げられている頻尿,動作の緩慢さ,発 で明らかな治療効果が認められているのは,薬物
話量の低下は脳卒中後によく見られる症状である. 療法のみである2).ただし,完全に PSD を治療で
また,情緒不安定,易疲労感,認知機能の低下も きたというエビデンスはなく,評価尺度における
脳卒中後に見られる症状であり,脳卒中の症状で スコアの改善に関するエビデンスがあるのみであ
あるのか,PSD での症状であるのかを区別するこ る.PSD に対する薬物療法としては抗うつ薬と中

Jpn J Rehabil Med VOL. 44 NO. 3 2007 181


長田麻衣子・他

枢神経興奮薬が挙げられる.抗うつ薬としては, 1.三環系抗うつ薬
三環系抗うつ薬,Selective Serotonin Reuptake 1980 年代から最近にかけていくつかのランダム
Inhibitor(SSRI),Serotonin Noradrenaline Reup- 化比較試験(RCT)が報告されている.それらの
take Inhibitor(SNRI)が代表的である.その他, 結果を表 3 にまとめた.Lipsey ら24)は 1984 年に
Serotonin 2 Antagonist and Reuptake Inhibitors nortriptyline 投与群 14 例とプラセボ群 20 例で二
23)
(SARI)の PSD に対する有効性も Reding ら に 重マスク化試験を行い,nortriptyline の有効性を
より報告されている.三環系抗うつ薬は本邦では 示した.Lauritzen ら25) は,三環系抗うつ薬の
®
imipramine(トフラニール )をはじめ,数種類 imipramine と四環系抗うつ薬の mianserin の併用
が承認されている.本邦で承認されている SSRI 群 10 例と三環系抗うつ薬 desipramine と四環系抗
®
は paroxetine(パキシル )と fluvoxamine(ルボ うつ薬の mianserin の併用群 10 例とを二重マスク
ックス ® ,デプロメール ® )であり,SNRI では 化試験で比較し,imipramine と mianserin 併用の
®
milnacipran(トレドミン )1 剤のみである. 有効性を示した.Robinson ら26)は三環系抗うつ薬
SARI では trazodon(アンデプレ ®,デジレル ®, の nortriptyline, SSRI の fluoxetine とプラセボの 3
®
レスリン )がある.中枢神経興奮薬としては 群に分け,二重マスク化試験を行い,nortriptyline
methylphenidate(リタリン ®)がある. の有効性を示した.
これらより,PSD に対し,三環系抗うつ薬は有
効であるといえる.また特に重度のうつ症状に対

表 3 三環系抗うつ薬の に対する有効性
著者 対象患者 介入のプロトコール* 帰結尺度* おもな結果


 


 脳 梗 塞,脳 出 血 

 

,  *,
Ⅲ *
, 

 投与群で 

 発症後に中等度 対照群は同型のプラセ ボ * ,*
, と診断される症例が 減少し
から重症 *  薬.週間(例は 週間) 
   ,,のスコアも
( 
Ⅲ 


)  有意に改善.
と診断された患者
例

  )初回脳梗塞後に 
 
+  , 

投 与 群 で 


  ス コ ア 

 ,対照 
 

  

 
  
が有意に
点以上の患者 群は     改善. では改善を認
例 
+  
. めるが有意ではない.
週間

  


初 回 脳 梗 塞,脳  

  
, ,, 

 群で他群と比
 出 血 発 症 後 カ 
  
,プラ  
   

 較し 有 意に  と 
月 以 内 の 患 者 セボ薬. 週間
*
 
 
*
 スコアが 改善. 
のス

例*
 コアは, 

 群と

 群で改善.

*
薬剤は一日量を表す.

*
評価は,介入開始前と終了時
*
: 

    
*
:米国精神医学会診断基準第 版

*
:     

*
:
   
 

*
:
   

*
 例には,でない患者も含む.は, の または 
Ⅳ 
  

 の定義に合致するま
たは, で 点以上とする.
*
のプラセボ群はクロスオーバーデザインとなっており, 週間のプラセボ薬を投与されプラセボ群とされた後
に, 週間抗うつ薬を投与され抗うつ薬治療群に含まれている.


*
:
   


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脳卒中後うつ病(Poststroke depression)―その診断と治療―

して,三環系抗うつ薬の有効性が高いとする報告 oxetine を用いて二重マスク化試験を行い,SSRI


27,28)
がある . の有効性を報告している.一方,Robinson らによ
る報告 26)では,fluoxetine 群で副作用による脱落
2.SSRI 率がその他の群に比べて高く,有効性が示されな
1994 年頃より RCT が報告されている.それらの かった.しかし,4 つの RCT のうち 3 つで有効性
29)
結果を表 4 にまとめた.Andersen ら は,citalo- が示されており,この他にも SSRI の有効性を示
30) 31)
pram を用いて,Wiart ら ,Fruehwald ら は flu- す報告が多くあり,SSRI は PSD に有効であると

表 4 の に対する有効性
著者 対象患者 介入のプロトコール* 帰結尺度 おもな結果


  脳 卒 中 発 症 年

)


 を 
歳 未 満 は ,.投与前, 

 投与群で対照群
* *

 以 内で と診 
,
歳以上は  
. ,,週目に評価.投与前 と比較し有意に  と
断された患者* 週間投与で効果がなけれ と最終の評価を比較.  スコアが改善.
例 ば倍量.対照群はプラセボ
薬.週間




)
片側中大脳動脈 
  , 

   
,全群で歩行能力と が改

 領域の脳梗塞後 
 ,プラセ 
,
*

(

).評 善.(

 群 で 最 も
から カ月で歩 ボ 薬の 群.全群に理学療 価は介入開始前と終了時. 大.) は全群で介入
行不能な患者 法を行う.カ月 後に改善したが,介入後の
例 各群間には有意差なし.

  


初 回 脳 梗 塞,脳  

  
,  ,   

 群で他群と比
 出 血 発 症 後 カ 
  
, 

 
  

較し有意に  と  
月以内の患者* プラセボ薬. 週間* 
 *.評価は,介入開始 スコアが改善. 
の

例 前と終了時. ス コ ア は,


群
と 群で改善.




)
初 回 脳 梗 塞,脳 
  .対照群は *
.評価は,介入開 

 投与群では対照

 出 血 発 症 後 カ プラセボ薬.週間 始前と 週後. 群と比較し が有意
月未満の片麻痺 に改善.
患者で と診
断された患者*

例
 脳 卒 中 発 症 後  

 ,プラセボ 
,,
*
. 週目では両群間の差はな
*







 週以内の中等度 薬.カ月 評価は カ月後. し. カ月  スコア
から重度のうつ と ス コ ア が 対 照 群 と
患者* 例 比較して  
 投与群
で有意に改善.

*
薬剤の量は一日量

*
うつ症状が 週以上ある,または  
      
スコアが  点以上の患者

*
:    
   

*
:    


*
:
 
  

*
例には,でない患者も含む.は, の または 
Ⅳ 
   
 の定義に合致するま
たは, で 点以上とする.
のプラセボ群はクロスオーバーデザインとなっており,
*
週間のプラセボ薬を投与されプラセボ群とされた後
に, 週間抗うつ薬を投与され抗うつ薬治療群に含まれている.

*
:   
 
 

*

の の定義に合致するまたは, 
   
 


  で 
点より大を 
とする.

*
: 
      

  

*
 点より大

*
:    
 

*
: 
  
    

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長田麻衣子・他

考えられる.なお,Dam ら32)は脳梗塞患者を flu- がある.三環系抗うつ薬と SNRI の比較ではほぼ


oxetine 群,四環系抗うつ薬の maprotiline 群,プ 同程度であると報告されている35,37).以上より,い
ラセボ群の 3 群に分けそれぞれ理学療法と併用 わゆる内因性のうつ病に対しては,各抗うつ薬の
し,maprotiline 群では効果が見られなかったが 効果はほぼ同程度であり,重症例には三環系抗う
fluoxetine 群では理学療法のみのプラセボ群よりも つ薬の有効性が高いといえるだろう.
歩行能力や ADL が改善したとし,SSRI が理学療 PSD に対しては三環系抗うつ薬,SSRI,SNRI
法と併用することで機能回復を促進する可能性が いずれもほぼ同等の有効性があると考えられ,副
あることを報告している. 作用を考えて抗うつ薬を選択することが望ましい
のではないかと考えられる.なお,抗うつ薬投与
3.SNRI 時の注意としては,基本的には単剤投与であるこ
SNRI に関しては,オープンスタディでは効果が と,脳の脆弱性があるため少量より投与を開始す
33)
報告されているが ,新しい薬剤のため RCT の報 ること,十分な量を十分な期間,つまり 4 ∼ 6 カ
告は十分ではない.今後の検討が必要である. 月使用して効果を判定すること,抗うつ効果より
も副作用の方が早く発現することを踏まえ,副作
4.methylphenidate 用に対応することが挙げられる.いわゆる内因性
中枢神経興奮薬である methylphenidate の有効 うつ病における副作用への対応としては,たとえ
2)
性に関しては,Bhogal ら が 1988 年から 1990 年 ば三環系抗うつ薬での眠気,かすみ目,めまい,
代にかけての 6 つの RCT より有効と報告してい ふらつきは徐々に軽減するため経過を観察する,
る.methylphenidate は 効 果 発 現 ま で の 期 間 が 便秘に対しては下剤を使用する,排尿障害に対し
2 ∼ 10 日と多くの抗うつ薬よりも早いことが特徴 ては薬剤の変更も考慮する,となっている.
として挙げられるが,他の抗うつ薬との有効性の
比較はされていない.さらに抗うつ作用は 1 カ月 6.抗うつ薬の副作用・薬剤相互作用
程度で耐性を獲得して依存性を引き起こしやすい 周知のように,SNRI はシナプスでのノルアドレ
という問題がある. ナリンの再取り込みを阻害し,シナプス間隙での
ノルアドレナリンの濃度を増加させる.同様にセ
5.PSD における抗うつ薬選択の指標 ロトニンの再取り込みも阻害し,シナプス間隙の
上記のように,三環系抗うつ薬,SSRI はいずれ セロトニンの濃度も増加させる.SSRI はセロト
も PSD で有効性が報告されている.三環系抗うつ ニン再取り込み阻害作用のみを有している.また,
薬と SSRI の比較では,三環系抗うつ薬の方が有 三環系抗うつ薬は,ノルアドレナリンとセロトニ
効性が高かったとの報告もあるが,この報告では ン再取り込み阻害作用に加えて,抗コリン作用,
SSRI の副作用でのリタイア率が高く,SSRI の有 抗ヒスタミン作用,a 1 遮断作用を持つ.これら
効性が他の報告に比べても低いという特徴があり, の抗うつ薬の作用は,薬剤の効果となるが,同時
これのみで,有効性の優劣を結論づけることはで に副作用ともなる.抗うつ薬の副作用を表 5 に示
きないと考えられる. す.多くの作用を持つ三環系抗うつ薬は多くの副
いわゆる内因性うつ病に対する各薬剤間での有 作用をもち,セロトニン再取り込み阻害作用のみ
効性の比較では,三環系抗うつ薬と SSRI 間では三 の SSRI は副作用も少ないことがわかる.
環系抗うつ薬がより有効であるとする報告と,総 また三環系抗うつ薬と SSRI はチトクローム代
28,34)
合的有効性の差はないとする報告 がある.ま 謝酵素 CYP で代謝される.このため,同じ酵素で
た,重症例に対しては三環系抗うつ薬が有効とす 代謝される薬物と相互作用を持ち,血中濃度が変
る意見が多い 27,28).SSRI と SNRI では,ほぼ同程 化する.三環系抗うつ薬では関係する酵素が多い
35,36)
度,または SNRI がより有効であるとする報告 ため,多くの薬剤と相互作用を持つ.この中には,

184 Jpn J Rehabil Med VOL. 44 NO. 3 2007


脳卒中後うつ病(Poststroke depression)―その診断と治療―

表 5 抗うつ薬と副作用
ノルアドレナリン セロトニン 抗コリン系 抗ヒスタミン系 
遮断系 キニジン様
再取り込み阻害 再取り込み阻害 副作用 副作用 副作用 副作用
三環系抗うつ薬 + + + + + +
 +
 + +

表 6 抗うつ薬と薬物相互作用

 
 
 

三環系抗うつ薬


 + + +
+
+ +

 +
+
+ +
+
+ + +

関係する薬剤 

 抗てんかん薬  

 抗精神病薬

 
 抗不整脈薬 抗てんかん薬

  抗精神病薬 ベンゾジアゼピン系
抗てんかん薬 

 


 
 
 抗生物質

 
は で代謝,+は を阻害.

tizanidine(テルネリン ®)や warfarin(ワーファリ にうつ症状の増加を認めた.彼らはこれが nor-


®
ン )など脳卒中患者への使用頻度が高いものも含 triptyline 投与により transmitter や receptor が変化
まれている.SSRI は CYP で代謝されると同時に した可能性があると推論している.Rasmussen ら40)
CYP の阻害作用も持つ.このため,血中濃度への は,SSRI の sertaline 投与群とプラセボ群を比較
影響がさらに大きくなるので,SSRI の併用禁忌 し,予防効果があったと報告している.一方,
薬や併用注意薬には注意が必要である(表 6)
. Anderson ら41),Hackett ら42)は,SSRI やその他の
抗うつ薬に関する過去の報告をまとめ,明らかな
7.PSD に対する抗うつ薬の予防投与 予防効果はないとしている.以上のように,抗う
PSD の予防投与に関して 3 つの RCT が報告さ つ薬による PSD の予防効果に関しては結果がまち
38)
れている.Palomäki ら は,100 人の脳卒中患者 まちであり,さらなる検討が必要である.
を四環系抗うつ薬 mianserin 投与群とプラセボ群
に分け,1 年間投与して比較したが明らかな差は 心理療法・認知行動療法,
認められなかった.この報告ではうつ症状を示し 運動療法と PSD
た患者がプラセボ群でも最大 15%であり,他の報
告と比較して低いことが,有意差がでなかった原 うつ病の治療として薬物療法以外で行われてい
39)
因である可能性がある.Narushima ら は,発症 るのは,心理療法,行動療法,運動療法などであ
から 6 カ月以内でうつ病ではないと診断された 48 る.PSD に対しての認知行動療法や,運動療法を
人の脳卒中患者を三環系抗うつ薬 nortriptyline 投 行った報告は少ない.しかし,リハとも関連の深
与群,SSRI の fluoxetine 投与群,プラセボの 3 群 い治療法の有効性を検討することは重要であると
に分け,PSD の予防効果を検討した.結果とし 考えられる.そこで,認知行動療法に関する報告
て,nortriptyline 群,fluoxetine 群ともに投薬中の と運動療法を内因性うつ病患者に施行した報告を
PSD 予防効果を認めた.しかし,投薬中止後に 紹介する.
nortriptyline 群では,プラセボ群と比較して有意

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長田麻衣子・他

1.うつ病と認知行動療法 改善を認めたが,軽度の運動では抗うつ効果を認
認知行動療法は,軽症から中等症のうつ病の急 めなかった.Singh ら50)は,最大強度の 80%の抵
性期には薬物療法と同等以上の効果があり43),治 抗運動では抗うつ効果が得られたが,20 %の抵抗
療法として第 1 選択と考えられている.また,重 運動では抗うつ効果を認めなかったと報告してい
症例に対しても薬物療法と同等の効果を持つとい る.以上より,抗うつ効果を得るにはある程度の
44)
う報告 もある.PSD に対しては,1997 年に 運動強度が必要と考えられる.
45)
Lincoln ら が,19 人の脳卒中患者を対象に認知 運動療法がうつ病の治療に有効である生理学的
行動療法の効果を検討し,軽度の効果を含めると メカニズムとして,以下のような説が提唱されて
10 人に効果があり,9 人には効果がなかったと報 いる.Brosse ら51)は,運動後,中枢性モノアミン
告している.さらに Lincoln ら46)は 2003 年に RCT 濃度が増加することによって抗うつ作用が示され
を行い,認知行動療法の効果を検討したが,明ら ると説明した.また,Major Depressive Disorder
かな効果は認められなかった.この報告では,そ (大うつ病性障害)と脳における神経新生の低下
れまでのうつ病に関する認知行動療法の報告と比 との関連が考えられているが,成体の脳での新生
較し,治療期間やセッション数が少なく,このた ニューロンの成長に影響を与える可能性のある b -
め明らかな効果を認めなかった可能性がある.こ Endorphins や Vascular Endothelial Growth Factor
のように認知行動療法は,内因性うつでは効果が (VEGF),Brain-Derived Neurotrophic Factor
示されているが,PSD に対しては明らかな効果が (BDNF)が運動により影響を受け,抗うつ効果に
示されていない.この違いが,両者の病態の差に つながるという説もある52).さらに,いわゆる内因
よるものなのか,脳卒中患者に対しては高次脳機 性うつ病患者ではストレスホルモンであるコルチ
能障害などの存在に配慮した特有の行動療法を確 ゾールが高値の場合があるが,運動にはこれを是
立する必要があるのか,今後の検討課題であると 正する効果がある.その他,考えられる抗うつ効
考えられる. 果としては,運動による自己評価の改善がある51).
PSD においては,運動療法の介入研究はまだ少
2.うつ病と運動療法 ないが,上述した内因性うつ病に対する運動療法
47)
1990 年に North ら は 80 の RCT をレビュー の抗うつ効果は,PSD においても期待できると考
し,うつ病に対して運動療法は効果があると結論 えられる.内因性うつ病に対する運動療法の報告
48)
した.2001 年にも Lawlor ら が 14 の RCT の結 を参考にすると,脳卒中後のリハに,達成感のあ
果から,無治療群と比較して運動群ではうつ症状 る,やや運動強度が強めの運動療法を加えていく
が減少し,運動療法は,認知療法と同程度の効果 ことで PSD が予防・改善できる可能性が示唆さ
があると報告している.その他,運動が抑うつ症 れる.今後,PSD においても,運動の種類,頻度,
状の改善に効果を持つことを示唆する報告は多 強度,長さを検討しつつ,抗うつ効果を検証して
い. いく必要があると考えられる.
抗うつ効果を持つ運動の種類に関して,Lawlor
ら48)は,有酸素運動と無酸素運動では有効性の差は おわりに
49)
ないとしている.運動強度に関しては,Dunn ら
が,軽度から中等度のうつ病患者をコントロール PSD は,脳血管障害後にいわゆる内因性うつ病
-1 -1
群と軽度の有酸素運動(7.0 kcal・kg ・week )
,推 と同様の症状を認めるものと定義されているが,
-1 -1
奨レベルの有酸素運動(17.5 kcal・kg ・week )の はっきりした原因は不明である.現在はいわゆる
3 群に分け,各群の介入前後でのうつ症状の比較 内因性うつ病の診断基準・評価尺度が利用されて
を行った.この報告では,コントロール群と比較 いるが,臨床症状の差異や認知症・失語症などの
し推奨レベルの運動介入群では有意なうつ症状の 問題があり,PSD 独自の診断基準・評価尺度の検

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脳卒中後うつ病(Poststroke depression)―その診断と治療―

討が必要である.現時点で,PSD の治療法として scales. Br J Psychiatry 1982 ; 141 : 45.49


16)成冨博章 : 脳卒中後うつ状態に対する対応. 綜合臨牀
有効性が確立されているものは,三環系抗うつ薬 2003 ; 52 : 3067.3068
や SSRI,SNRI といった抗うつ薬による治療のみ 17)Robinson RG : 脳卒中における臨床神経精神医学 ; 脳血
管障害後の認知・行動・情動の障害(遠藤俊吉, 木村真
である.いわゆる内因性うつ病の治療法として運
人 監訳) , 星和書店, 東京, 2002
動療法の効果が注目されており,PSD にも有効性 18)Lipsey JR, Spencer WC, Rabins PV, Robinson RG : Phe-
が期待できる可能性がある.PSD の原因,診断法, nomenological comparison of poststroke depression and
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治療法に関するさらなる研究の展開が期待される. 529
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