ケンパー・プロファイラー追加機能情報 11.0

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免責事項、商標について 0

追加/ 変更情報 11.0


免責事項、商標について 1

免責事項、商標について
本マニュアルおよび本マニュアルに記載のソフトウェアおよびハードウェアは、使用許諾契約に基づいて使用されるもの
であり、使用および複製は当該使用許諾契約の条項に準じます。また本マニュアルの内容は、本機の機能を説明するため
にのみ記載されるものであり、予告なく変更されることがあるとともに、本マニュアルの内容は KEMPER 社 (Kemper
GmbH) が確約したものとは解釈されません。

KEMPER 社 (Kemper GmbH) は、本書の誤記等に関し一切の責務を負いません。また本書の使用許諾契約で許可される範


囲以外の内容に関する複製および検索システムへの登録、または電子的手段、機械的手段、録音および録画、撮影、狼
煙、その他いかなる手段における送信も、KEMPER 社 (Kemper GmbH) の書面による事前許諾がない場合、これを行うこ
とはできません。

KEMPER™, PROFILER™, PROFILING™, PROFILE™, PROFILER PowerHead™, PROFILER PowerRack™, PROFILER


Stage™, PROFILER Player™, PROFILER Remote™, KEMPER Kone™, KEMPER Kabinet™, KEMPER Power Kabinet™,
KEMPER Rig Exchange™, KEMPER Rig Manager™, PURE CABINET™, CabDriver™, Liquid Profile™ は Kemper 社
(Kemper GmbH) の商標です。また本機の外観および仕様は、予告なく変更されることがあります。

(2024 5 月)

© Copyright 2024 Kemper GmbH. All rights reserved.


www.kemper-amps.com
目次 2

目次
追加/ 変更情報

免責事項、商標について 1

目次 2

追加/ 変更されたのは? 11

バージョン 11.0 で追加/改善された機能 12


PROFILER Player 13
PROFILER Player と他のモデルのデータの互換性 14
Clean Compensation:クリーン・コンペンセーション 16
Easy Reverb に新しい Preset が追加されます。 17
MIDI コントロール・チェンジによる Effect Button のオン/オフが可能になりました。 18
MIDI Global Cannel:MIDI グローバル・チャンネル 18
USB MIDI ホスト 18

バージョン 10.2 で追加/改善された機能 19


CABINET モジュールの Low Cut/High Cut フィルター 20
BrightCab パラーメータ改訂 20
USB MIDI 20

バージョン 10.1 で追加/改善された機能 21


目次 3

KEMPER Liquid Profile Amp Models:ケンパー・リキッド プロファイル・アンプ・モデ


ル 22

バージョン 10.0 で追加/改善された機能 24


KEMPER Liquid Profiles:リキッド・プロファイル 25
さらに詳細な情報 26
リキッド・プロファイルのその他の情報 30
リキッド・プロファイルを一から作成する手順 31
ステップ・バイ・ステップ:リキッド・プロファイルを一から作成する 34
「Amp Model」を更新する 35
リキッド・プロファイルに進化させる 35

バージョン 9.0 で追加/改善された機能 36


USB Audio:USB オーディオ機能 37
Output Source の名称変更 42
新しい「Output Source」 42
Aux In のレベル 42
PROFILING に関する機能拡張 43

バージョン 8.7 で追加/改善された機能 44


ディスプレイ・レイアウト C 44
Tuner Show # Sharp:#(シャープ)表示 45
[QUICK]ボタンにエフェクト・ボタンの自動アサイン機能が追加されました。 45
動作確認済みの PoE 機器が追加されました。 45

バージョン 8.6 で追加/改善された機能 47


目次 4

Double Tracker:ダブルトラッカー 47
Acoustic Simulator 強化 48
Auto Swell Sensitivity オートスウェル・センシティビティ 48
PROFILER Stage の Wi-Fi 機能強化 49

バージョン 8.5 で追加/改善された機能 50


KEMPER Power Kabinet に関する重要なヒント 50
KEMPER Rig Manager iOS®*:リグ・マネージャーiOS®* 51
PROFILER Stage の Wi-Fi 接続 54

バージョン 8.2 で追加/改善された機能 57


Power Amp Boost(パワーアンプ・ブースト)および Wattage Meter(ワッテージ・メー
ター)と KEMPER Kone について 57

バージョン 8.1 で追加/改善された機能 59


はじめに 59
Kemper Fuzz:ケンパー・ファズ 60
Fuzz DS がブラッシュアップされました。 63
Kemper Fuzz Factory Presets:ケンパー・ファズのプリセット 64
Kemper Drive の追加プリセット 65
ファクトリー・エフェクト・プリセット 71

バージョン 8.0 で追加/改善された機能 72


Kemper Drive:ケンパー・ドライブ 72
Kemper Drive Presets:ケンパードライブ・プリセット 75
目次 5

Full OC 87

バージョン 7.5 で追加/改善された機能 88


「Equalizer」カテゴリーに新しいエフェクトが追加されました。 88
Acoustic Simulator:アコースティック・シミュレーター 89
Phase Widener:フェイス ワイドナー 91
Delay Widener:ディレイ ワイドナー 91
「Compressor」カテゴリーの新エフェクト:Auto Swell:オート スウェル 91
Output Filters:アウトプット・フィルター 92
S/PDIF スレーブ 92

バージョン 7.4 で追加/改善された機能 93


プロファイラー全機種対応の統合 OS ファイル 93

バージョン 7.3 で追加/改善された機能 94


Speaker Imprint(スピーカーインプリント)の設定をリグやスピーカーごとに保存できる
ようになりました。 94
ダイレクト・プロファイルと KEMPER Kone スピーカーの組み合わせでエレキギターを
演奏する場合 94
ケンパー・コーンの配線 95
外部スイッチのポラリティー設定が無くなりました。 96

バージョン 7.2 で追加/改善された機能 97


Watt Meter:ワット・メーター 97
KEMPER Kone / KEMPER Kabinet 99
Undo/Redo 機能が PROFILER Stage にも搭載されました。 105
目次 6

リグ・マネージャーに IR(Impulse Response)インポート機能が追加されました。 105

バージョン 7.0 で追加/改善された機能 106


エフェクト選択ページが統合されました 106
エフェクト・モジュール 106
エフェクト・プリセット 107
エフェクト選択画面 107
Autoload:オートロード 108
Load Type:エフェクト・タイプのみを読み込む 109
Auto Type:オート・タイプ 109
エフェクト・プリセットをアップデートする方法 110

バージョン 6.0 で追加/改善された機能 111


リバーブをさらに2つ追加(緑) 111
Formant Reverb(フォルマント・リバーブ) 111
Ionosphere Reverb(アイオノスフィア・リバーブ) 112

バージョン 5.7 で追加/改善された機能 114


New Reverbs (Green):新しいリバーブ(緑) 114
Spring Reverb:スプリング・リバーブ 115
Natural Reverb:ナチュラル・リバーブ 118
Easy Reverb:イージー・リバーブ 122
Echo Reverb:エコー・リバーブ 123
Cirrus Reverb:スィアラス・リバーブ 124
DLY and REV Modules:DLY、REV モジュール 124
目次 7

Space : スペース (緑) 128


Legacy Reverb:レガシー・リバーブ 128

バージョン 5.5 で追加/改善された機能 129


S/PDIF サンプリング・レートの選択が可能になりました 129
「Transpose」が Rig Settings にも加わりました 129
「MONITOR OUTPUT」のステレオ出力が可能になりました 130
本体やリモートによる操作を MIDI 送信する機能が追加されました 131

バージョン 5.1 で追加/改善された機能 132


Pitch Shifter Delay:ピッチシフター・ディレイ (黄緑) 132
Chromatic Type:クロマチック・タイプ 132
Harmonic Type:ハーモニック・タイプ 132
Loop Pitch Type:ループ・ピッチ・タイプ 133
Crystal Type:クリスタル・タイプ 133
Crystal Delay:クリスタル・ディレイ 134
Loop Pitch Delay:ループ・ピッチ・ディレイ 135
Frequency Shifter Delay:フリケンシーシフター・ディレイ 136
Dual Chromatic Delay & Dual Harmonic Delay:デュアル・クロマチック・ディレイとデュ
アル・ハーモニック・ディレイ 137
Dual Cystal Delay:デュアル・クリスタル・ディレイ 138
Dual Loop Pitch Delay:デュアル・ループ・ピッチ・ディレイ 139
Melody Delay:メロディ・ディレイ 140
Quad Chromatic Delay & Quad Harmonic Delay:クワッド・クロマチック・ディレイとク
ワッド・ハーモニック・ディレイ 141
目次 8

バージョン 5.0 で追加/改善された機能 142


新しいディレイ・タイプが追加されました。 142
Single Delay:シングル・ディレイ 150
Dual Delay:デュアル・ディレイ 150
TwoTap Delay:2タップ・ディレイ 150
Serial TwoTap Delay:シリアル・ディレイ 151
Rhythm Delay:リズム・ディレイ 151
Quad Delay:クワッド(4タップ)・ディレイ 152
Legacy Delay:レガシー・ディレイ 152

バージョン 4.2 で追加/改善された機能 153


Rig Spillover Off (ディレイ/リバーブのテイルを切る) 153
Export Rig to Pool (パフォーマンスのリグを保存する) 153
Main Output Pad -12 dB (メインアウトのパッド) 154
Aux In (Aux 入力のレベル) 154
PURE CABINET (ピュア・キャビネット) 154
WahPedal >Volume, WahPedal >Pitch (ペダル共用設定) 154
Mix: Pre/Post in Effect Loops (エフェクト・ループのミックスレベル) 155
Tuner@Volume 0 (チューナーへの自動切り替えをキャンセルする) 155
Tuner Mute Signal (チューナー時のミュート) 155
Looper Volume (ルーパーの再生音量) 155

バージョン 4.0 で追加/改善された機能 156


モーフィング機能「Morphing」 156
目次 9

モーフ・ペダルの転用 161
パラメータの自動アップデート 162
Legacy Delay 163
PROFILER REMOTE の「Looper」「Tuner」「Tap」ボタン 164

バージョン 3.1 で追加/改善された機能 165


PURE CABINET (長年に渡るギターサウンドの問題を解決する機能) 165
リグ切替時のクロスフェード機能追加 170
センド/ リターン・レベルのバランス調整機能追加 170
イコライザー・ストンプにローカットとハイカットを追加 170
Pedal 1/2 のアサイン 171
リモートのエフェクトボタンをロックする 171
Performance Load 機能 172
パフォーマンス・タグとパラメータ追加 172
MIDI クロック出力機能追加 172
Quick Edit Page 機能 172

バージョン 3.0 で追加/改善された機能 173


追加/ 変更された機能は以下のとおりです: 173
アンプ・プロファイル、キャビネット・プロファイル、パワーアンプ、実際のキャビネッ
トについて 175
内蔵パワーアンプ 181
パワーヘッドとギター・キャビネット 183
パフォーマンス・モード時に MIDI 信号を送信する 184
目次 10
目次 11

追加/ 変更されたのは?
この「追加/変更情報」には、オペレーティング・システムのアップデート時の追加機能や変更点が追記されてゆく形態
になっています。「クイック・ガイド」や「メイン・マニュアル」の内容をご理解いただいた上で、アップデート時の追
加・変更点のみを効率よく把握いただけるよう、要点を絞った内容になっています。システム・アップデートのダウンロ
ード・ファイルには、必ずこの「追加/変更情報」の PDF が含まれています。
バージョン 11.0 で追加/改善された機能 12

バージョン 11.0 で追加/改善された機能


Version 11.0 は、プロファイラーの OS 最新バージョンです。ケンパーのホームページからダウンロードして下さい:
www.kemper-amps.com

PROFILER Player™へ対応はこのバージョンがスタートです。

バージョン 7.3 またはそれ以上のバージョンの OS がインストールされている PROFILER は、どのモデルであっても一回


の作業でバージョンアップすることができます。

バージョン 7.3 よりも前(7.3 未満)の OS がインストールされている Head、Rack、PowerHead、PowerRack をバージ


ョンアップするためには2段階の作業が必要です。このようなバージョンアップが必要な場合は、サポートチケットを開
き、OS7.3 ファイルとその作業手順書をセットにした Special Upgrade Package をリクエストしてください。
バージョン 11.0 で追加/改善された機能 13

PROFILER Player
PROFILER に新しいモデルが加わりました!

OS 11 は、新しいモデル PROFILER Player™に対応する最初のバージョンです。PROFILER の全てのモデル:Player、


Stage、Head/ PowerHead、Rack/ PowerRack は共通の OS で動作します。

PROFILER Player は他のモデルと機能が異なりますので、PROFILER Player に特化したメイン・マニュアルが KEMPER


Rig Manager™の中に含まれています。KEMPER Rig Manager™は下記のリンクからダウンロードしてください:

www.kemper-amps.com/downloads
バージョン 11.0 で追加/改善された機能 14

PROFILER Player と他のモデルのデータの互換性


他の PROFILER で作成された Rig も PROFILER Player に読み込むことができますので、Rig Packs に含まれる 1,500 個以
上のファクトリーRig や、Rig Exchange にある 20,000 に及ぶ Rig は、PROFILER Player でも利用できます。

アンプとキャビネットの PROFILE からなる STACK セクションは完全互換で、全てのタイプの PROFILE が使用できま


す。 PROFILER Player にも搭載されている Effect タイプが使用されていれば、モジュール A、B、DLY、REV にアサイン
されたエフェクトはそのままインポートされます。Player には無い Effect タイプが使用されている場合は該当モジュール
が「Empty」になります。例外:Natural Reverb は Player には無い Effect タイプですが、Easy Reverb に置き換えて再現
されます。

STAGE や REMOTE の Effect Button I〜IIII の設定はそのままインポートされますが、PROFILER Player には物理的なフッ


トスイッチが3つしかありませんので、一旦バーチャル Effect Button I〜IIII という扱いになり、そのいずれかを
PROFILER Player の物理的なフット・スイッチ 1〜3 のいずれか(または外部フット・スイッチ)にリンクさせるという
形で使用します。バーチャル Effect Button I〜IIII は、MIDI コントール・チェンジでの制御も可能です。

「Parallel Path」や「DLY+REV Routing」など、PROFILER Player に無い機能は無視されます。PROFILER Player のシグ


ナル・チェインは、全てがシリアルに配置されています。「Morphing」も同じく無視されます。

Rig データの Input セクションおよび Input Preset からは、「Input Noise Gate」と「Clean Sens」のみインポートされま
す。

他のモデルの Output セクションの Preset に含まれる Main Output と Monitor Output および Headphone Output の Output
Source および Output Link の設定、Monitor Cab Off や Output Filter、KEMPER Kone に関する設定はインポートされます
が、Input および Output の構造が異なりますので、それらに関しては PROFILER Player であらためて設定する方が良いで
しょう。

STACK セクション、Amplifier モジュール、Cabinet モジュールの Preset は完全コンパチブルです。Rig Manager 経由で


IR データを読み込むことも可能です。

PROFILER Player が持つエフェクト Type の Preset は、そのまま読み込むことができます。

PROFILER Player から他の PROFILER のモデルへの Rig の移動には制限はありません。PROFILER Player で作成した


Rig は、そのまま Rig Exchange にアップロードすることもできます。エフェクトの Preset や Amplifier モジュール、
Cabinet モジュールの Preset もコンパチブルです。但し PROFILER 他のモデルにあって PROFILER Player には無い機能
バージョン 11.0 で追加/改善された機能 15

やパラメーター、例えば PROFILER Player には無い Input の「Distortion Sens」などは、他のモデルではデフォルト値に


置き換えられます。

バックアップには互換性がありません。PROFILER の他のモデルで作成されたバックアップを PROFILER Player にリスト


アすることはできません。その逆も同じです。
バージョン 11.0 で追加/改善された機能 16

Clean Compensation:クリーン・コンペンセーション
多くの PROFILER のユーザーに高く評価されている機能「Clean Compensation」が、調節可能になりました。

PROFILER のアンプ PROFILE は、ゲインを下げることによって下がる音量が自動的に補われます。これにより、ゲイン


を下げたクリーン・サウンドも十分な音量で演奏することができるのです。これはライブ・パフォーマンスにおいて非常
に重宝する機能です。

しかしながら状況によっては逆に使いにくくなってしまうことが判ってきました:

• ディストーション・ペダルを使ってアンプをプッシュしている場合、ディストーションをバイパスすると「Clean
Compensation」が改めて機能するため、好ましくない音量差が生じる場合があります。このようなことは真空管ギターア
ンプでは起こりません。

• このような状況は、Liquid Profile の登場によってより明確になりました。特に「Plexi」や「JCM800」のように強いブラ

イト・キャップを持ち、ローゲインのクリーン・サウンドにおいて突き刺すようなサウンドを出すギターアンプの Liquid
Profile において顕著に現れます。一方でその他の多くのアンプ、特にそれらの Generic PROFILE においては、「Clean
Compensation」は非常に有効に機能します。

そこで我々は、これまではプログラムにより自動調整されていた「Clean Compensation」を、ユーザーが調整できるよう
にしました。AMPLIFIER モジュール内に「Clean Compensation」というパラメータを追加し、Rig や Preset ごとに設定
/保存ができるようなりました。

Liquid Profile 作成時のご注意:最初から Liquid Profile を作成するとき、「Clean Compensation」は自動的に「0」に設定


されます。

「Clean Compensation」の設定は、PROFILE 作成後でも、いつでも変更/保存が可能です。

この機能は、Player を含む全ての PROFILER モデルに追加されます。


バージョン 11.0 で追加/改善された機能 17

 Clean Compensation

「Clean Compensation」を最大に設定しておくと、ゲインを下げたときに自動的に音量が補正され、クリーン・サウンド
でもゲインが高いときと同程度の音量が維持されます。ほとんどの PROFILE は「Clean Compensation」が最大値になっ
ていて、ゲインを下げたときにも十分な音量が維持されるようになっています。

「Clean Compensation」の設定値を下げるとこの自動音量補正の度合いが低くなり、ゲインの上下にそって音量も上下す
るという振る舞いになります。アンプ(STACK)の手前にディストーション・エフェクトやブースターを配置する場合
は、「Clean Compensation」を下げておく方がよいでしょう。

Easy Reverb に新しい Preset が追加されます。


PROFILER Player にはエフェクト Type の Natural Reverb が搭載されていません。そのかわり Easy Reverb というエフェ
クト Type に、Natural Reverb で作成した Preset がいくつか用意されています。これらの Preset は PROFILER Player の
Easy Reverb に読み込むことができます。

元々Easy Reverb は、Natural Reverb のパラメータを絞り込んで、直感的に使えるようにしたエフェクト Type ですので、


追加された Preset は Natural Reverb にしか無いパラメーターを使って作成されていますが、Easy Reverb で再現できるの
です。但し Natural Reverb にしか無いパラメーターで実現された内容はエディットできません。

この結果、他のモデルにおいては、これらの Preset が Natural Reverb と Easy Reverb の両方の Preset リストに表示され


ます。
バージョン 11.0 で追加/改善された機能 18

MIDI コントロール・チェンジによる Effect Button のオン/オフが可


能になりました。
PROFILER Stage および PROFILER Remote には、Effect モジュールにアサインされたエフェクトのオン/オフをトグ
ル・スイッチングできる4つのフットスイッチ:Effect Button I〜IIII があります。どのスイッチにどのモジュールを割り当
てるかは、Rig ごとに設定/保存が可能です。

OS 11 では、MIDI コントール・チェンジ CC#75〜78 によってもこの機能、すなわち Effect Button のオン/オフができる


ようになりました。MIDI コントロール・チェンジひとつでオン/オフがトグルします。従って「Action&Freeze」も可能
です。

MIDI Global Cannel:MIDI グローバル・チャンネル


このパラメーターはアップデートによって移動してしまっていたため、デフォルトの「Omni」以外に設定していた場合は
再設定が必要になります。「Omni」で使用している場合は再設定の必要はありません。

USB MIDI ホスト


全ての PROFILER モデルは、従来の USB MIDI クライアント(USB B ソケット経由)としての動作に加え、USB A ソケッ
トを経由した USB MIDI ホストとしての動作もサポートします。
バージョン 10.2 で追加/改善された機能 19

バージョン 10.2 で追加/改善された機能


Version 10.2 は、プロファイラーの OS 最新バージョンです。ケンパーのホームページからダウンロードして下さい:

www.kemper-amps.com

PROFILER Stage の場合は、どのバージョンからでも直接最新バージョンにアップデートすることが可能です。

Stage 以外のプロファイラーでも、OS 7.3 またはそれ以降のバージョンの OS で動作中の場合は、直接最新バージョンに


アップデートすることが可能です。アップデートを行う前に、SYSTEM ボタンで表示されるメニューで、現在の OS バー
ジョンをご確認ください。

PROFILER Head, Rack, PowerHead™ and PowerRack™ を、OS 7.3 より旧いバージョンをご使用中の場合は、ケンパ


ー・ホームページの DOWNLOADS ページある「Older Software Versions」から、OS 7.3 のアップデーターをダウンロー
ドし、OS 7.3 へのアップデートを実行してから、OS 10.2 へのアップデートを行ってください。
バージョン 10.2 で追加/改善された機能 20

CABINET モジュールの Low Cut/High Cut フィルター


OUTPUT セクションにあるグローバル・パラメータの Low Cut/ High Cut フィルターに加え、CABINET モジュールにも
Low Cut/ High Cut フィルターが追加されました。CBINET モジュールの Low Cut/ High Cut フィルターはリグ毎に設定/ 保
存が可能です。

BrightCab パラーメータ改訂
リキッド・プロファイルのパラメータ「BrightCap」の内容が改訂され、従来よりも効果が明確になりました。

従来バージョンで「BrightCap」を 10.0(デフォルト値)より下げているリグは、改めて調整が必要になるでしょう。自分
の耳で確認しながら、最適なセッティングに「BrightCap」を再調整してください。

「BrightCap」がデフォルト値(10.0)のままのリグは再調整の必要はありません。

メイン・マニュアルでも説明されているように、ゲインを上げると「BrightCap」の効果が浅くなります。このパラメータ
が最も効果的なのは Amp Model「Mars Plex Brt」と「Mars CM 800」です。

USB MIDI
MIDI 信号も USB ケーブル経由で送受信可能になりました。USB オーディオや Rig Manager と同時に同じケーブルで送受
信することができます。MIDI IN と MIDI OUT による送受信と同じ内容が USB ケーブル経由で行えます。
バージョン 10.1 で追加/改善された機能 21

バージョン 10.1 で追加/改善された機能


Version 10.1 は、プロファイラーの OS 最新バージョンです。ケンパーのホームページからダウンロードして下さい:

www.kemper-amps.com

PROFILER Stage の場合は、どのバージョンからでも直接最新バージョンにアップデートすることが可能です。

Stage 以外のプロファイラーでも、OS 7.3 またはそれ以降のバージョンの OS で動作中の場合は、直接最新バージョンに


アップデートすることが可能です。アップデートを行う前に、SYSTEM ボタンで表示されるメニューで、現在の OS バー
ジョンをご確認ください。

PROFILER Head, Rack, PowerHead™ and PowerRack™ を、OS 7.3 より旧いバージョンをご使用中の場合は、ケンパ


ー・ホームページの DOWNLOADS ページある「Older Software Versions」から、OS 7.3 のアップデーターをダウンロー
ドし、OS 7.3 へのアップデートを実行してから、OS 10.1 へのアップデートを行ってください。
バージョン 10.1 で追加/改善された機能 22

KEMPER Liquid Profile Amp Models:ケンパー・リキッド プロファ


イル・アンプ・モデル
OS 10.1 には、厳選された「Amp Model」が追加搭載されています。「Amp Model」の名称とモデリングの対象となった
ギターアンプの呼称や名称との関係は以下を参照してください:

Fan Twins Fender Twin Reverb®*

Fan D’Lux Fender Deluxe Reverb®*

Fan Prince Fender Princeton®*

Fan Pro Fender Pro®*

Fan Band Fender Bandmaster®*

Fan Trem Lux Fender Tremolux®*

Fan Vibr. Lux Fender Vibrolux®*

Fan Vibrverb Fender Vibroverb®*

Fan Show Fender Showman®*

Fan Show Trem Fender Showman Tremolo®*

Fan Vibr. Champion Fender Vibro Champ®*

Fan Bass Fender Bassman®*

Voice Ace 15 Vox AC15®*


バージョン 10.1 で追加/改善された機能 23

Voice Ace 30 Vox AC30®*

Roll Land Chor Roland JC120®*

Mars TM 45 Marshall JTM45®*

Mars Plex Marshall Plexi®*

Mars CM 800 Marshall JCM800®*

Fried Man Friedman BE-100/BE-50®*

Oranje Overdose Orange AD30®*

MeBo Duel Rect Mesa Boogie Dual Rectifier®*

Sold S+L+O Soldano SLO100®*

Pea V 5150 Peavey 5150®*

* 全ての製品名やメーカー名は、各社の登録商標です。ケンパー社 (Kemper GmbH) はこれらに関連するものではありませ


ん。それらの商標は、その歴史の参照や、ケンパー社の開発過程においてインスパイアされた音について説明する目的の
みに使用されています。
バージョン 10.0 で追加/改善された機能 24

バージョン 10.0 で追加/改善された機能


Version 10.0 は、プロファイラーの OS 最新バージョンです。ケンパーのホームページからダウンロードして下さい:
www.kemper-amps.com

PROFILER Stage の場合は、どのバージョンからでも直接最新バージョンにアップデートすることが可能です。

Stage 以外のプロファイラーでも、OS 7.3 またはそれ以降のバージョンの OS で動作中の場合は、直接最新バージョンに


アップデートすることが可能です。アップデートを行う前に、SYSTEM ボタンで表示されるメニューで、現在の OS バー
ジョンをご確認ください。

PROFILER Head, Rack, PowerHead™ and PowerRack™ を、OS 7.3 より旧いバージョンをご使用中の場合は、ケンパ


ー・ホームページの DOWNLOADS ページある「Older Software Versions」から、OS 7.3 のアップデーターをダウンロー
ドし、OS 7.3 へのアップデートを実行してから、OS 10.0 へのアップデートを行ってください。
バージョン 10.0 で追加/改善された機能 25

KEMPER Liquid Profiles:リキッド・プロファイル


ご承知のとおり、KEMPER PROFILE™(プロファイル)はギターアンプのサウンドを忠実に再現します。しかも単なるス
ナップショットでは無く、「Definition」や「Amp Compressor」などの画期的なパラメーターにより奥深くエディットす
ることも可能です。

ゲインやトーン・コントロールでの音作りも可能ですが、それらは一般的なギターアンプのゲインやトーン・スタックの
振る舞いがあてはめられるものであり、ターゲットとなるギターアンプ固有のゲインやトーンのコントロールの特徴がそ
のまま再現されるものではありませんでした。

個々のギターアンプ固有のゲインやトーン・コントロールの振る舞いを再現することは「モデリング」が得意とするとこ
ろであり、これらによる音作りができることが「モデリング・アンプ」のアドバンテージでしょう。しかし一方でモデリ
ング・アンプは、さまざまなギターアンプ個体の極上のトーン、唯一無二のニュアンスや個体差を再現することはできま
せん。これらはプロファイリングが最も得意とするエリアで、PROFILER™が高く評価されたのはこれが可能であったこ
とによるのです。

ということは、この両方を併せ持つデジタル・ギターアンプこそがギタリストの聖杯と言えるでしょう!

我々ははこの聖域に歩を進め、プロファイリングとモデリングを融合した「KEMPER Liquid Profile™」(ケンパー・リキ


ッド・プロファイル)を実現しました。

最新 OS においては、「Amp Model(アンプ・モデル)」という新しい要素が加わっています。従来からのプロファイル
を「Kemper Generic」と位置づけ、これに対しアナログ・ギターアンプからインスパイアされたモデリングによるコント
ロール「Amp Model(アンプ・モデル)」を適用したものを「KEMPER Liquid Profile™」と称して区別します。

「KEMPER Liquid Profile™」のトーン・コントロール(Bass/ Middle/ Treble/ Presence)は、オリジナルのアナログ・ギ


ターアンプの振る舞いを忠実に再現します。

ゲインや「ブライトキャップ」も、オリジナル・ギターアンプと同じ振る舞いを忠実に再現します。

さあ、ゲインやトーン・コントロールによるアンプ・サウンドのコントロールを存分にお楽しみください!
バージョン 10.0 で追加/改善された機能 26

さらに詳細な情報

お気に入りの真空管ギターアンプをプロファイルする、または 2011 年から蓄積され続けてきた膨大なプロファイルの中か


ら選び出し、それらに「Amp Model(アンプ・モデル)」を適用する、つまりアンプ・モジュールに入って「Amp
Model」を選ぶ、これが従来からのプロファイルをリキッド・プロファイルとしてさらに進化させるためのスタートです。

「Amp Model」をブラウズすると、ベースになっているプロファイルに応じてゲインの値が変化することに気づくでしょ
う。しかしながらサウンドはほとんど変化していないことににも気がつくでしょう。何回繰り返しても同じです。これが
ポイントなのです。「Amp Model」はベースになっているプロファイルを参照し、プロファイルに含まれるリファレン
ス・アンプ(プロファイリングの対象となったギターアンプ)の特性を読み取って準備を整えますが、実際に各種コント
ロールを動すまでは何も色付けをせず、プロファイルの元の状態をキープします。しかし一旦ゲインや EQ を動かすと、
たちどころにオリジナルアンプと同じ振る舞いで音色を変化させます。

「Amp Model」は、これまでに作成されたどのプロファイルにでも適用することが可能です。プロファイリングには、最
初から将来の進化を見据えて、非常に深く掘り下げた情報までをキャプチャーする能力が備えられていたのです。これを
活用した最初のステップとして、アンプ本体とキャビネットを切り分けて扱える「Direct Amp PROFILE」が実現しまし
た。

加えてプロファイルにはリファレンス・アンプ のゲインの振る舞いに関する解析情報が含まれています。プロファイルに
「Amp Model」を適用すると、これらの情報からリファレンス・アンプつまりオリジナル・アナログ・アンプのゲインや
トーン・コントロールに関する情報と融合して、それらの振る舞いが忠実に再現されるのです。

✓リキッド・プロファイルを作成する方法は、後出の「リキッド・プロファイルを一から作成する手順」をご参照く
ださい。
バージョン 10.0 で追加/改善された機能 27

アンプ・モジュールの中には、「Amp Model(アンプ・モデル)」のセレクターの他にもリキッド・プロファイルに関わ
る以下のようなパラメータがあります:

 Generic Gain:ゼネリック・ゲイン

「Amp Model(アンプ・モデル)」を適用すると、GAIN ノブによるゲインのコントロールはプロファイリングの対象とな


った真空管ギターアンプ(リファレンス・アンプ)のゲイン・コントロールの振る舞いを再現します。その結果としてプ
ロファイラー上でのゲインの変化幅が適用前より狭くなります。一方「Generic Gain(ゼネリック・ゲイン)」は一般的
なゲインの動作をプロファイルに当てはめます。これは従来からのプロファイラーの GAIN ノブの振る舞いと同じで、場
合によってはリファレンス・アンプの振る舞いを超えた広い範囲でゲインを可変することも可能です。どちらかを動かす
ともう一方も同時に動きます。両者は同期して動きますが、設定値および変化の速度が異なります。「Generic Gain」の
方は今までのプロファイラーの GAIN ノブと同じものなので、「Kemper Generic」つまり「Amp Model」を適用していな
いプロファイルを対象としている場合は、「Generic Gain」と GAIN ノブによるコントロールは全く同じ動作、設定値、可
変範囲になります。

 Amp Model:アンプ・モデル

「Amp Model」およびそのチャンネルを選ぶことにより、従来のプロファイルにモデリングによるコントロールが適用さ
れ、「Liquid Profile」になります。

 BrightCap Intensity:ブライトキャップ(キャパシタ)・インテンシティ

真空管アンプのゲイン・コントロールは、いわゆるブライトキャップによって音色的特徴が変わります。ブライトキャッ
プとは、ゲイン・コントロール のポットに取り付けられているコンデンサー(キャパシタ)のことで、これによりゲイン
を下げた時により高域が強調されます。「BrightCap Intensity」は、ブライトキャップの働きを抑えるパラメータです。左
に回すほどブライトキャップの働きが控えめになってゆきます。右に回し切った状態で、モデルとなったアンプのゲイン
本来の動作を再現します。ブライトキャップを持たないアンプやチャンネルをターゲットとした「Amp Model」も数多く
存在します。それらは「Nrm」と表記されており、「BrightCap Intensity」パラメータは薄く表示され使用できません。

ブライトキャップを備えたアンプやチャンネルはトレブリーなサウンドを出します。実際の真空管ギターアンプの世界で
は、ジャンパーケーブルによってそのような入力やチェンネルとノーマルな入力またはチャンネルをブレンドし、程よい
バージョン 10.0 で追加/改善された機能 28

サウンドを得るということがよく行われます。プロファイラーにおいては、「BrightCap Intensity」によってこのようなブ
レンドと同様の音作りが可能です。「BrightCap Intensity」の設定のよって、ブライト・チャンネルとノーマル・チャンネ
ルのミックスバランスを変えるの同様の結果が得られます。同じような効果は「Definition」によっても得られます。

 Gain Pot Reference:ゲイン・ポット・リファレンス

真空管ギターアンプがプロファイリングされた時、そのアンプのゲインの値がどのように設定されていたかをプロファイ
ラーの GAIN ノブの設定値に一致させるのが「Gain Pot Ref(ゲイン・ポット・リファレンス)」です。 これによりプロ
ファイラーの GAIN ノブが、プロファイリングしたギターアンプのゲイン・コントロールと同じように使用できるように
なります。

同じモデルやブランドのギターアンプでも、生産時期によって歪み方が異なる場合があります。このようなケースでゲイ
ンを一致させられない場合は「Gain Pot Ref」をオフにします。

「Gain Pot Ref」がオフで Amp Type が「Kemper Generic」になっている場合は、リキッド・プロファイルではなく、従


来のプロファイルということになります。

✓これらのパラメータについては、後述の「リキッド・プロファイルを一から作成する手順」および「リキッド・プ
ロファイルに進化させる手順」もご参照ください。

 Restore Gain:リストア・ゲイン

「Restore Gain」は、プロファイラーの GAIN の設定値をプロファイリング時のリファレンス・アンプのゲインの設定値に


戻します。結果として「Generic Gain」も一致します。またプロファイリング時から GAIN の設定が変えられていても、プ
ロファイリング時の値に設定し直します。これはリファレンス。アンプの詳細な設定情報がプロファイリング時にキャプ
チャーされ、データ化されていることにより可能なのです。プロファイリングは、当初より将来の進化を見据えた設計に
なっており、キャプチャーしたデータにはリファレンス・アンプの詳細情報が数多く記録されています。そのような設計
思想によりこのようなことが可能になりました。つまりこの機能は、これまでにプロファイリングしたどのプロファイル
にも適用可能だというです。
バージョン 10.0 で追加/改善された機能 29

 Restore Amp Model:リストア・アンプ・モデル

「Restore Amp Model」は、「Amp Model」や「Gain Pot Reference」をリファレンス時の設定に戻します。元々「Amp


Model」が適用されていなかった場合は「Kemper Generic」プロファイルになるということです。

 Restore EQ:リストア EQ

「Restore EQ」は、EQ(Bass/ Middle/ Treble/ Presence)の設定を、オリジナルのプロファイルの状態、つまりプロファ


イル製作者がリファレンス・アンプを元に設定した値に戻します。

 Burn (long press):焼き付け(長押し)

リキッド・プロファイル化するときに実行します。詳しくは後述の「リキッド・プロファイルに進化させる方法」をご参
照ください。
バージョン 10.0 で追加/改善された機能 30

リキッド・プロファイルのその他の情報

✓プロファイリングしたリファレンス・アンプとは異なるモデルの「Amp Model」を適用することももちろん可能で
す。例えば Fender®* 系のゲインやトーンスタックを備えた Marshall®* アンプというようなプロファイルを作成す
ることもできるということです。「Amp Model」を適用しても、パラメータを変えない限り元のプロファイルの内
容が保持され、音色は変化しません。個々のパラメータをエディットすると、それぞれが、それぞれに関連する部
分のみに作用します。「Restore」ボタンによって「Amp Model」の全てのパラメータに、リファレンス・アンプの
元々の設定値(プロファイリング時の設定)がリストアされます。

✓「Amp Model」によってトーンスタックの配置が異なります。「Amp Model」のターゲットとなるギターアンプと


同じように配列されているのです。例えばマスター・ボリュームが無く、パワーアンプ部のみで歪むようなビンテ
ージ・アンプをターゲットとした「Amp Model」では、ターゲットと同じく歪みを生み出すセクションの前にトー
ンスタックが配置されています。一方マスターボリュームがあり、プリ・アンプ部でも「歪み」を作るようなモダ
ンなアンプの場合は、プロファイルによって「Pre」または「Post」に設定されます。通常は「Post」すなわち「歪
み」を作るセクションの後ろにセットされていますが、パワーアンプによる「歪み」が多くを占めるプロファイル
の場合には「Pre」にセットされます。

✓ゲインに関して、アナログ・アンプの世界では考えられないプロファイラー独特の動作があります。プロファイラ
ーでは、「Generic Gain」を「0」にしても音量は無くならず、歪みの無い完全にクリーンなサウンドになります。
これはケンパーのプロファイルが元々持っている特徴の一つです。プロファイラーの「Generic Gain」を下げてゆ
くと、実際のゲイン・コントロールよりも先に「ゲイン=0」に到達し、そこから先はクリーンなサウンドでラウ
ドネスだけが変化します。

* 全ての製品名やメーカー名は、各社の登録商標です。ケンパー社 (Kemper GmbH) はこれらに関連するものではありませ


ん。それらの商標は、その歴史の参照や、ケンパー社の開発過程においてインスパイアされた音について説明する目的の
みに使用されています。
バージョン 10.0 で追加/改善された機能 31

リキッド・プロファイルを一から作成する手順

✓まず初めにメイン・マニュアルの「アンプのプロファイリング」の章をお読みください。
真空管ギターアンプのいくつかのスウィート・スポットのサウンドを、個別にプロファイリングしておくというこれまで
のアプローチも引き続き有効ですが、リキッド・プロファイルを作成すればさらに新しい領域に進めます。ただしリキッ
ド・プロファイルの作成においては、これまでと異なる考え方をする必要があります。

まず最初に、リファレンス・アンプの全てのノブが正しい位置と角度に取り付けられていて、目盛りの位置とポットの位
置が合っていること、最大値と最小値を正しく得られることを確認しましょう。ポットが回転してしまっているなどによ
り、正しい位置に取り付けられていない場合は修正してください。

たとえば目盛りが「0」 から「10」 の場合、センター(「12 時」の位置)は目盛りの「5」位置です。 Fender®*系のアン


プのように目盛りが「1」から「10」の場合は「5」と「6」のちょうど真ん中がセンター(「12 時」の位置)ということ
になります。

リキッド・プロファイルの作成には2つの入口があります。ひとつはリファレンス・アンプをスウィート・スポットに設
定してプロファイルする方法。もう一つはリファレンス・アンプのポットの特性をそのまま当てはめる方法です。後者の
方がより正確なコントロールを得られる可能性が高いでしょう。後述の「ポットの特性について」の章も併せてご参照く
ださい。

ではリファレンス・アンプのポットを上記のいずれかの位置に設定してください。特にゲインについてより正確なリキッ
ド・プロファイルを作成したい場合は、もう一度「ポットの特性」の章を参照して設定を選んでください。

プロファイリングの過程で、「Gain Pot Reference」をリファレンス・アンプのゲインと正確に同じ設定値にすることで、


「Amp Model」によるプロファイラーの GAIN ノブのキャリブレショーンの精度が高まります。

✓「Gain Pot Reference」を設定する(「Off」以外にする)とリキッド・プロファイルになりますが、他の全てのセ


ッティングがリファレンス・アンプと同じ内容に設定されたことを確定する、つまり「Burn」を実行するまでは完
全に適用されません。他のプロファイルを誤って書き換えることを防ぐためです。

次に「Amp Model」を選択します。適切な「Amp Model」がまだ無い場合は「Kemper Generic」を選択しておくか、近い


機種の「Amp Model」を選んでおくと良いでしょう。「Amp Model」は OS アップデートの際に追加されてゆく予定です
ので、ピッタリ適合する「Amp Model」が追加されたときに、あらためてそれを焼き付けてリキッド・プロファイルを完
成させることができます。プロファイリングの過程で設定した「Amp Motel」以外のパラメータは、その際にも有効に機能
します。詳しくは後述の「Amp Model を更新する」章をご参照ください。
バージョン 10.0 で追加/改善された機能 32

マスターボリュームが無く、パワーアンプ部が歪みを生み出すようなビンテージアンプをプロファイリングする場合は、
ディストーション・サウンドが作られる前にトーンスタックが配置されていることになります。従って「EQ Position」を
Pre に設定します。一方、主にプリアンプ・セクションで歪みを作り出し、マスターボリュームを装備しているようなモダ
ンな設計のアンプの場合は Post を選びます。

次のページでは、リファレンス・アンプの EQ、つまりトーンスタック(Bass/ Middle/ Treble/ Presence)の設定をそっく


り写しとるようにプロファイラーの EQ を設定します。「Gain Pot Reference」でゲインについて行ったの同様の作業で
す。この操作においては、プロファイラーの EQ を操作しても、プロファイルのサウンドは変化せず、リファレンス・ア
ンプと同じサウンドというのが正しい状態です。リファレンス・アンプとプロファイラーが、同じ EQ 設定で同じサウン
ドになります。その結果、完成したリキッド・プロファイルにおいてプロファイラーの EQ を操作すると、リファレン
ス・アンプの EQ と同じように音作りができるということになるのです。より正確な EQ の振る舞いを得るために、「ポッ
トの特性」の章をご参照ください。

✓これまでに解説した全てのパラメータはプロファイルに自動的に焼き付け(”burn”)られます。そして
「Restore」ボタンでいつでも元に戻すことも可能です。

プロファイリングの後、最初のリファインや A/B 比較が終われば、リファレンスアンプやプロファイラーの各種コントロ


ールを動かし、好みのサウンドに調整してもかまいません。ページを移動するとトーンをコントロールする画面が現れま
す。それらのコントロールにより、プロファイラーのサウンドをスウィートスポットに近づけると、リファレンス・アン
プとは少し違う設定値になることが あるでしょう。これば決してプロファイリングが不正確なのではありません。主には
リファレンス・アンプに搭載されているアナログ・ポットの個体差によるものです。後述の「ポットの特性」章で詳しく
解説していますのでご参照ください。

A/B 比較の段階では、プロファイラー・モードのまま作業を続けた方が良いでしょう。この段階でリグとしてストアするこ
とはお勧めしません。リファレンス・アンプを接続したまま A/B 比較を十分に行ってください。

「Restore」ボタンを押すことで、いつでも最後に「burn」した状態に戻すことが可能です。

様々な設定を行なった状態を別のプロファイルとしてストアすることも可能です。別のプロファイルとしてストアした後
も、カレント・メモリー上のプロファイルは「Restore」ボタンで最後に「burn」した状態に戻すことが可能ですから。

* 全ての製品名やメーカー名は、各社の登録商標です。ケンパー社 (Kemper GmbH) はこれらに関連するものではありませ


ん。それらの商標は、その歴史の参照や、ケンパー社の開発過程においてインスパイアされた音について説明する目的の
みに使用されています。
バージョン 10.0 で追加/改善された機能 33

 ポット(Potentiometer)の特性

より精度の高いリキッド・プロファイルを作成するために、以下のような点に留意してください。アナログのポット
(Potentiometer)のカーブには個体差がつきものです。 最小値や最大値の近辺に、いわゆるデッドスポットがあることが
多いのも事実です。 さらに同じ型番のギターアンプであっても、製造時期によって使用されているパーツの供給元が異な
るというような場合もあります。そのような場合でも、最も信頼のおける設定値はちセンター、つまり「12 時」の位置と
言えるでしょう。このような点からリファレンス・アンプの EQ は、スウィートスポットではなく、ちょうどセンターの
位置に設定してプロファイリングすることをお勧めします。プロファイラーの EQ も、プロファイリング時には全てセン
ターの位置に設定しておいてください。

ゲインについても同じようなことが当てはまります。プロファイリングの際には、リファレンス・アンプのゲインを最大
値に設定しておくことをお勧めします。おそらく求める音よりも遥かに歪んだ音になりますが、そうすることでゲインに
関する情報を最大限に引き出し、キャプチャーすることができるのです。

そのような設定によるハイ・ゲインや大音量でプロファイリングすることが難しい場合は、ゲインもセンターの位置にセ
ットしてプロファイリングしてください。

センターの位置では十分な歪みが得られない場合は、十分な歪みが得られる位置までゲインを上げてください。

このような設定では好みの音が出ないかもしれませんが、精度の高いリキッド・プロファイル作成のための情報は、この
ような設定の方が引き出しやすいのです。この点は従来のプロファイリングとは考え方を変える必要があります。一旦リ
キッド・プロファイルが完成すれば、プロファイラーのゲインやトーンによって好みのサウンドを自在に作り出すことが
可能になります。もちろん従来のように、スウィートスポットに設定したリファレンス・アンプのサウンドを、従来どお
りプロファリングする選択肢も無くなるわけではありません。
バージョン 10.0 で追加/改善された機能 34

ステップ・バイ・ステップ:リキッド・プロファイルを一から作成する
• プロファイリングするギターアンプ(リファレンス・アンプ)を接続する

• ブラウズ・モードで、音量の比較などで参照するリグを選択する

• プロファイラー・モードに移動する

• 「Kemper Amp」と「Reference Amp」を A/B 比較し、両者が同程度の音量になるようにリターン・レベルを設定する

• リファレンス・アンプのゲインを設定する(スイートスポットでもかまいませんが、高めに設定することでより正確なプ
ロファイリングが可能になります)

• 「Gain Pot Ref.」をリファレンス・アンプと同じ値に設定する

• リファレンス・アンプの「歪み」がプリアンプ部で作られているようであれば「EQ Position」を「Post」に設定する(そ
れ以外の場合は「Pre」に)

• リファレンス・アンプと同じ機種をモデリングした「Amp Model」を選ぶ(同じモデルがない場合は「Kemper Generic」


のままにしておく)

• ”Next" ボタンで次のページへ進む

• リファレンス・アンプの EQ をセンター(「12 時」の位置)設定する(スイートスポットでもかまいませんが、センター


に設定することでより正確なプロファイリングが可能になります)

• プロファイラーの EQ を、リファレンス・アンプと同じ設定値にする

• DI プロファイリングの場合は「No Cabinet」をオンにする

• プロファイリングをスタートする

• 「Kemper Amp」と「Reference Amp」を A/B 比較を行う

• 必要に応じて「Refine」を実行する

• リファレンス・アンプのコントロールをスウィート・スポットにセットするなどにより、好みのトーンを作る

• プリファイラーのゲインやトーン・コントロールをリファレンス・アンプと同じ値に設定し、A/B 比較を繰り返しながら微
調整により合わせこむ

• リグをストアする
バージョン 10.0 で追加/改善された機能 35

「Amp Model」を更新する

プロファイリングの過程ではなく、既にあるリキッド・プロファイルにあらためて別の「Amp Model」を適用することも
可能です。「Amp Model」は OS アップデートによって随時追加される予定ですので、当初リファレンス・アンプと同じ
モデルの「Amp Model」が無く、代用の「Amp Model」で作成したリキッド・プロファイルを、あらためて更新すること
ができるのです。「Restore Amp Model」ボタンを押すと「Gain Pot Ref.」や「Amp Model」が、元々プロファイルが作
成された時の状態に戻ります。「Gain Pot Ref.」がオフになっている場合、そのプロファイルはリキッド・プロファイル
ではないということです。その場合は後出の「リキッド・プロファイルに進化させる」を参照してください。リキッド・
プロファイルの場合は、全てのパラメータが簡単に上書きされてしまわないようにプロテクトされています。新しい
「Amp Model」を選んで「Burn」ボタンを長押しすると、「Amp Model」が更新されます。

リキッド・プロファイルに進化させる

以前にプロファイリングしたプロファイルでも、その時のリファレンス・アンプの設定を覚えているのであれば、「Amp
Model」を適用し、リキッド・プロファイル化することができます。「Burn」を実行して「Amp Model」を適用するとい
うことは大きなアドバンテージになるはずですが、「Restore」でプロファイリング時の状態に戻すことももちろん可能で
す。

プロファイルのアンプ・セッティング画面に入り、3つの「Restore」ボタンを全て押してください。「Restore Gain」は
プロファイルの本来のゲインに戻します。「Restore Amp Model」を押すとプロファイルは「Kemper Generic」になりま
す。「Restore EQ」は全ての EQ を「12 時」の位置に戻します。

続いてこのプロファイルに適した「Amp Model」を選びます。

プロファイリング時のリファレンス・アンプのゲイン設定がわかる場合は、「Gain Pot Ref.」をその値に設定します。

プロファイリング時のゲイン設定がわからない場合は、「Gain Pot Ref.」をオフのままにしておいてください。

同様にプロファイリング時のリファレンス・アンプの EQ(Bass/ Middle/ Treble/ Presence)の設定がわかる場合は、プロ


ファイラーの EQ をその設定に合わせます。この時、EQ を操作している時点でプロファイルのトーンがその EQ 設定に応
じて変化しますが、「Burn」実行後にはその設定で鳴るべきトーンが再現されますので、混乱しないように気をつけてく
ださい。

数秒後に「Burn」が完了したら、リグをストアしてください。
バージョン 9.0 で追加/改善された機能 36

バージョン 9.0 で追加/改善された機能


Version 9.0 は、プロファイラーの OS 最新バージョンです。ケンパーのホームページからダウンロードして下さい:
www.kemper-amps.com

PROFILER Stage は、どの OS バージョンからでも一度のアップデートで OS 9.0 に移行することができます。

PROFILER Stage 以外のモデルの場合も、OS 7.3 以降のバージョンで動作している場合は一度のアップデートで OS 9.0


に移行することができます。

PROFILER Head, Rack, PowerHead™ and PowerRack™ を、OS 7.3 より旧いバージョンをご使用中の場合は、ケンパ


ー・ホームページの DOWNLOADS ページある「Older Software Versions」から、OS 7.3 のアップデーターをダウンロー
ドし、OS 7.3 へのアップデートを実行してから、OS 9.0 へのアップデートを行ってください。
バージョン 9.0 で追加/改善された機能 37

USB Audio:USB オーディオ機能


OS 9.0 には USB オーディオ機能が追加されました。レコーディングやプレイバックはもちろん、リアンプのためのやり
とりも、USB ケーブル経由で行うことができます。パソコンとの接続には、プロファイラーの USB B タイプのソケットを
使用します。同じソケットを経由するリグ・マネージャーも、一本の USB ケーブルで同時に使用することも可能です。

✓USB オーディオ機能を Windows PC で使用する場合は、 Windows® 10 version 1703 以上が必要です。


Windows® および macOS® に必要なドライバーは自動的にインストールされ、プロファイラーの Output セクションに
「USB Audio」のページが加わります。

USB オーディオのサンプリングレートは 44.1kHz 固定です。

この機能により、プロファイラーがオーディオ・インターフェイスになり、DAW と組み合わせたプレイバックやレコーデ
ィング、リアンプがより手軽に行えるようになります。
バージョン 9.0 で追加/改善された機能 38

以下の方法でステレオ・モニタリングが可能です:

• MAIN OUTPUTS*に2台のパワードモニターを接続する。

• ヘッドホンを使う。

• MONITOR OUTPUT*に2台の KEMPER Power Kabinet を接続する。

• 1台のノンパワーKEMPER Kabinet を PowerHead/ PowerRack の SPEAKER OUT に接続し、もう1台の KEMPER Power


Kabinet を DIRECT OUTPUT*に接続する。

• MAIN OUTPUTS (XLR または TS sockets)を PA やホームオーディオに接続する。

* Head/ PowerHead/ Rack/ PowerRack の場合は「Monitor Stereo」機能をアクティブにし、DIRECT OUT と MONITOR


OUT をステレオ・ペア出力にする必要があります。

Stage の場合は、ステレオの MONITOR OUTPUT と並行して、以下のように8つの USB オーディオ・ストリームを使用


することができます。

• USB 1+2 to PROFILER: DAW のメイン出力をモニターできます。

• USB 3+4 to PROFILER: DAW の DI トラックをプロファイラーに送り、リアンプに利用します。

• PROFILER to USB 1+2: プロファイラーから、モノ、ステレオまたは「DI と Stack」というようなコンボの信号を DAW に


送り、レコーディングを行います。

• PROFILER to USB 3+4: USB 1+2 とは別に、例えばディレイ、リバーブのウェットだけを別のトラックにレコーディング

すると言ったことが可能です。
バージョン 9.0 で追加/改善された機能 39

 Play-Along:プレイ-アロング モード

Windows® または macOS®用のリグ・マネージャーを使用している場合は、既にプロファイラーの USB B タイプのソケ


ットと PC を接続している USB ケーブルで USB オーディオも利用することができます。リグ・マネージャーを同時に使
用することも可能です。(リグ・マネージャーを起動しないと USB オーディオが使用できないといけないということでは
ありません)

プロファイラーの Output セクションにある USB Audio ページで「Amp Recording」を選択し、PC 側からも PROFILER を


送信先として選択します。

この設定により、PC 上で好きなオーディオ・ストリーミングを再生しながら、それに合わせてプロファイラーのサウンド
でギターやベースを演奏することが可能です。オーディオ・ストリーミングの音量は PC または DAW 側で設定してくださ
い。

✓Windows®環境で Cubase®のような DAW にオーディオ I/F を接続する場合は、専用の ASIO ドライバーが必要で


す。 KEMPER 専用 ASIO ドライバーは現在開発中ですので、KEMPER ASIO ドライバーがリリースされるまでの
間は、汎用の 「ASIO4ALL」ドライバーを使用してください。「ASIO4ALL」は Web サイトからフリーダウンロー
ドで入手することが できます。KEMPER ASIO ドライバーは、それに対応した新しいリグ・マネージャーと同時に
まもなくリリースされる予定で す。

 Recording:レコーディング モード

DAW のインプット・ソースに「PROFILER」を選び、プロファイラー側のオーディオ・ソースを「Rec. Source」に設定


すれば、プロファイラーを経由したギターやベースの演奏を DAW に録音することができます。プロファイラーは、Output
Source の設定に応じた内容の信号を DAW に送信します。Stage においては、DAW 側のオーディオ・ソースを
「PROFILER 1+2」に設定し、Stage 側は、USB Audio ページで「PROFILER 1+2」を選択します。

例:「Master Stereo」を選択すると、エフェクトを含むプロファイラーの全てのシグナル・チェインを経た信号が DAW


に送られます。

リアンプ用にギターのダイレクト音を録音したい場合は「DI」を選びます。この場合、録音先はモノラルトラックで十分
です。
バージョン 9.0 で追加/改善された機能 40

コンボタイプの「DI / Stack」を選択すると、USB 1 にはダイレクト音、USB 2 には STACK セクションからの信号が同時


に出力されます。それぞれを DAW の個別のモノ・トラックに録音するとよいでしょう。

Stage の場合は、さらに別のステレオ(またはコンボ)出力、すなわち「3+4 Source」を選択することが可能です。そし


て DAW 側で「USB 3+4」をアサインしたトラックには、「USB 1+2」とは異なる内容の出力を録音できるのです。例え
ば「USB 1+2」で STACK や MOD Stereo をソースとしてドライ・サウンドを録音すると同時に、「USB 3+4」を選んだ
別のトラックには DLY/REV Wet をソースにしてウェット・サウンドのみを録音するといったことが可能です。

 Direct Monitoring:ダイレクト・モニター

✓「Direct Monitoring」をオンにした場合にモニターする音は、Main Output のアウトプットソースに選択された内容


のサウンドになります。一方 DAW に録音されるのは、この場合も「1+2 Source」および「3+4 Source」(Stage
の場合)または「Rec. Source」(Head/ Rack の場合)で設定された内容になります。

「Direct Monitoring」をオンにし、Main Output Source を「Master Stereo」にすると、全てのエフェクトがかかったサウ


ンドをモニターしながら演奏することができますが、この時「1+2 Source」(Stage の場合)または「Rec. Source」
(Head/ Rack の場合)を STACK に設定しておけば、録音されるのは STACK の出力、つまりドライ音のみとすることが
できます。例えばリアンプ用のトラックを録音する場合でも、味気ないダイレクト音ではなく、エフェクトがかかった豊
かな音をモニターしながら演奏し、録音はそのダイレクト音のみにすることができるのです。

DAW のプラグイン・エフェクトなどをかけた状態のサウンドをモニターしたい場合は「Direct Monitoring」をオフにして


ください。但しこの場合は、多少のレイテンシーを許容する必要があります。

 Head/ Rack でのリアンプ

Output セクションの USB Audio ページで「Reamping」を選択します。予め DAW に録音されたダイレクト音をプレイバ


ックするとダイレクト音が直接 PROFILER にフィードされ、本体の INPUT はブロックされます。このとき必ず「Direct
Monitoring」がオンの状態になり、PROFILER のシグナルチェインを通過した音がモニターできる状態になります。

USB Audio ページで「Reamp Source」を選び、PROFILER の出力をダイレクト音とは別のトラックにアサインすれば、


リアンプ後のサウンドを DAW に録音することができます。
バージョン 9.0 で追加/改善された機能 41

 Stage でのリアンプ

Output セクションの USB Audio ページで「Reamping」モードに設定します。DAW において、予め録音されたダイレクト


音が「PROFILER 3+4 」にフィードされるようにセットします。「Reamping」モードのときは、「PROFILER 3+4」にフ
ィードされた信号がプロファイラーの INPUT セクションに直接送られ、本体の INPUT ジャックはブロックされます。同
時に「Direct Monitoring」も無効になります。Stage には、DAW から再生されるバッキングトラックと合わせたモニタリ
ング機能がサポートされているからです。

Play-along モードの場合と同じく、「1+2 Source」と「3+4 Source」を録音ソースに選んでください。

✓ギターのダイレクト音はモノラルですので、録音する DAW のトラックもモノラル・トラックにします。リアン


プ・モードの時は、ダイレクト音が USB 1(Head/ Rack の場合)または USB 3(Stage の場合)にフィードされま
す。

 外部オーディオ・ソースを録音する

プロファイラーは、オーディオ・インターフェイスとしてマイクなど外部からのオーディオ信号を扱うこともできます。

Head/ Rack の場合は、Rec. Source を「Return Input」に設定すると、RETURN インプットの信号が USB 1 に、


ALTERNATIVE インプットの信号が USB 2 にフィードされます。Stage の場合は 1+2 Source または 3+4 Source を
「Return Input」に設定すると、RETURN 1 と 2 の信号が USB 1 と 2(または USB 3 と 4 )にフィードされますので、そ
れらを DAW に録音することが可能です。

✓USB オーディオ全般と、リアンプにフォーカスしたチュートリアル・ビデオが下記リンクよりご覧いただけます:
www.kemper-amps.com/video
バージョン 9.0 で追加/改善された機能 42

Output Source の名称変更


いくつかの「Output Source」の名称が変更されました:

“Git Analog” => “DI Analog”

“Git+Processing” => “DI Low”

“Git Studio” => “DI High” (just “DI” at digital outputs)

Combined Output Sources, e.g. “Git Stack” => “DI / Stack”

✓「DI High / DI」の出力には、Output Volume の設定およびボリューム・ペダルによるコントロールが作用します。

新しい「Output Source」
RETURN インプットに供給され、プロファイラーのサウンドとミックスされる外部オーディオ信号を、S/PDIF または
USB Audio を通じて DAW 等に録音することができるようになりました。

RETURN 1 and 2.Head/ Rackの場合はRETURNとALTERNATIVEイン、Stageの場合は


Return Inputs
RETURN 1と2に供給されるオーディオ信号

Aux In のレベル
Aux In からの信号が、各アナログ・アウトプットに出力されるレベルが変更(最適化)されました。その結果、MAIN
OUT と HEADPHONE OUT への出力は、これまでに比べ 6dB 上がり、MONITOR OUT への出力は 6dB 下がります。

必要に応じて Aux In の Mix レベルを再調整してください。


バージョン 9.0 で追加/改善された機能 43

PROFILING に関する機能拡張
OS 9.0 と同 OS に対応したリグ・マネージャー 3.4 においては、PROFILING™(プロファイリング)に関する機能が以下
のとおり拡張されます:

• リグ・マネージャーからプロファイリングの操作が行えるようになります。

• PROFILE™(プロファイル)をストアした後も、リファインを繰り返し行うことが可能になります。
バージョン 8.7 で追加/改善された機能 44

バージョン 8.7 で追加/改善された機能


Version 8.7 は、プロファイラーの OS 最新バージョンです。ケンパーのホームページからダウンロードして下さい:
www.kemper-amps.com

PROFILER Stage は、どの OS バージョンからでも一度のアップデートで OS 8.7 に移行することができます。

PROFILER Stage 以外のモデルの場合も、OS 7.3 以降のバージョンで動作している場合は一度のアップデートで OS 8.7


に移行することができます。

PROFILER Head, Rack, PowerHead™ and PowerRack™ を、OS 7.3 より旧いバージョンをご使用中の場合は、ケンパ


ー・ホームページの DOWNLOADS ページある「Older Software Versions」から、OS 7.3 のアップデーターをダウンロー
ドし、OS 7.3 へのアップデートを実行してから、OS 8.7 へのアップデートを行ってください。

ディスプレイ・レイアウト C
REMOTE や STAGE のディスプレイ表示に選択肢が加わりました。新しい選択肢:C は、パフォーマンスネームを大きく
表示するタイプです・

「System Setting」の「User Interface 2」ページまたは「Remote Settings」(STAGE 以外の機種)で設定することができ


ます。
バージョン 8.7 で追加/改善された機能 45

Tuner Show # Sharp:#(シャープ)表示


チューナーの音名表示において、 b(フラット)の代わりに #(シャープ)表示を選べるようになりました。

[QUICK]ボタンにエフェクト・ボタンの自動アサイン機能が追加され
ました。
ヘッド/ラックの QUICK ボタンに、エフェクト・ボタンのアサインを選択できる「Autoassign I〜III」が追加されまし
た。

Rig Settings の最後のページで STORE ボタンを押すと、REMOTE のスイッチ I〜IIII の割り当てが自動的に設定されるの


と同じように、複数のエフェクト・ボタンのアサインを、ワンプッシュで完了できる便利な機能です。

Rig afterwards!3種類のアサイン・パターンの中から、好みの組み合わせを選ぶことができます。Rig Setting 画面の機能と


同様、全てのエフェクト・ボタンのアサインが未設定の状態でのみ使用可能です。また設定後にリグを保存(STORE)す
ることも忘れないでください。

動作確認済みの PoE 機器が追加されました。


プロファイラー本体とリモートは、イーサネット・ケーブルを通じて双方向に通信します。プロファイラー・リモートに
同梱されているケーブルは要求仕様を満たすもので、 Neutrik® 社の etherCON® コネクターが使用されており、確実で堅
固な接続を提供します。市販のイーサネット・ケーブルをご使用になる場合は、下記の要求仕様を満たす品質の高いもの
をお選び下さい。

10m(30 フィート)よりも長いケーブルで REMOTE を接続する場合は PoE インジェクター(または PoE ハブ)が必要で


す。PoE ハブを使用すると、複数の REMOTE を接続することも可能になります。IEEE 802.3af-2003 または 802.3at-2009
Type A をサポートしているものをご使用下さい。
バージョン 8.7 で追加/改善された機能 46

✓必ず Type A をご使用下さい。Type B には対応していません。


ケンパーのエンジニアによってテストされたものや、ユーザーによって正常動作が報告された PoE 機種のリストに新しい
機種が追加されました。同時に正しく動作しない機種もリストアップされています。

以下の機器は実機テスト済みです (各機の仕様は予告無く変更されることがあります):

PoE インジェクター:

• TP-LINK® TL-POE 150S

PoE スイッチ:

• TP-LINK® TL-SG1008P (8 ポート・ギガビット・スイッチ/ 内 4 ポートに POE 装備)

• Allnet® ALL8085 Switch (8 Port 10/100TX)

• Intellinet® 8 Port Fast Ethernet POE+ Switch (19’’ ラックマウント可)

以下の機種は、ユーザーによって動作確認が報告された機種です:

• TP-LINK® TL-SG1005P (5 port gigabit switch with 4 port PoE+)

• Trendnet® TPE-TG44G POE+ switch

• Cudy® POE200 30W Gigabit PoE+

以下の機種は、プロファイラーでは使用できない機種です:

• Swissonic® 466331

• Ubiquiti Networks® U-POE-af

• Ubiquiti Networks® POE-48-24W-G

✓PoE ハブやインジェクターを使用する場合、必ずプロファイラー本体もそのハブやインジェクターに接続して下さ
い。
バージョン 8.6 で追加/改善された機能 47

バージョン 8.6 で追加/改善された機能


Version 8.6 は、プロファイラーの OS 最新バージョンです。ケンパーのホームページからダウンロードして下さい:
www.kemper-amps.com

PROFILER Stage は、どの OS バージョンからでも一度のアップデートで OS 8.6 に移行することができます。

PROFILER Stage 以外のモデルの場合も、OS 7.3 以降のバージョンで動作している場合は一度のアップデートで OS 8.6


に移行することができます。

PROFILER Head, Rack, PowerHead™ and PowerRack™ を、OS 7.3 より旧いバージョンをご使用中の場合は、ケンパ


ー・ホームページの DOWNLOADS ページある「Older Software Versions」から、OS 7.3 のアップデーターをダウンロー
ドし、OS 7.3 へのアップデートを実行してから、OS 8.6 へのアップデートを行ってください。

Double Tracker:ダブルトラッカー
The KEMPER™ Double Tracker は、リアルタイムにダブルトラックを実現するエフェクトです。1台のギター演奏が、あ
たかも2台のギターを左右のチャンネルに配置して個別に演奏したかのようなサウンドになります。

多くのダブルトラッカーは、ディレイやコーラスを応用して左右のチャンネルのタイミングやピッチの差を作りますが、
The KEMPER™ Double Tracker は、独自のタイムストレッチ・アルゴリズムを使用して、タイミングやピッチを時間軸で
変化させます。これにより演奏内容や音色の変化に沿ってピッチやタイミングがランダムに変化し、より自然なダブルト
ラックを実現しています。

ケンパーでは既に、OS 5.0 で新しいディレイのアルゴリズムとして追加された「super-stereo」により、ステレオ L/R よ


り外側に音像を定位させる素晴らしい広がりを実現しています。

Double Tracker もステレオ再生において最大の威力を発揮しますので、STACK セクションよりも後ろのモジュールに配置


することをお勧めします。
バージョン 8.6 で追加/改善された機能 48

 Looseness:ルーズネス

トラック同士のタイミングのズレをよりルーズにするか、比較的タイトにするかを設定するパラメーターです。

 Detune:デチューン

トラック間のピッチをごく微妙にずらすパラメーターです。「Air Chorus」と同じアプローチです。ダブルトラックにおい
ては、必ずしもピッチをずらす必要はありません。必要なければ「0」にしておくと良いでしょう。

 Stereo:ステレオ

左右に配置されたトラックの広がりをコントロールします。+またはー100%で通常のステレオ定位になり、大きな値にす
る と「super stereo」同様の広がりが得られます。

Acoustic Simulator 強化
「Acoustic Simulator」に Mix と Volume パラメーターが追加されました。

Auto Swell Sensitivity オートスウェル・センシティビティ


このパラメーターで Auto Swell が反応する感度を設定することができます。
バージョン 8.6 で追加/改善された機能 49

PROFILER Stage の Wi-Fi 機能強化


SSID とパスワードをマニュアル入力し、ホームネットワークに接続できるようになりました。

「Wi-Fi Settings」ページで TYPE ノブを回して SSID とパスワードの入力画面を開きます。入力後にソフトボタン


「Connect」を押すと接続プロセスが始まります。
バージョン 8.5 で追加/改善された機能 50

バージョン 8.5 で追加/改善された機能


Version 8.5 は、プロファイラーの OS 最新バージョンです。ケンパーのホームページからダウンロードして下さい:
www.kemper-amps.com

PROFILER Stage の場合は、どの OS バージョンからでも、一度のアップデートで OS 8.5 に移行することができます。

PROFILER Stage 以外のモデルを OS 7.3 より旧いバージョンでご使用の場合は、一旦 OS 7.3 以上にアップデートしてか


ら、再度 OS 8.5 へのアップデートという二段階の作業が必要です。ご使用中の OS バージョンは、SYSTEM ボタンを押
し、PAGE ボタンで「System Settings」を開いてご確認ください。

PROFILER Head, Rack, PowerHead™ and PowerRack™ を、OS 7.3 より旧いバージョンをご使用中の場合は、ケンパ


ー・ホームページの DOWNLOADS ページある「Older Software Versions」から、OS 7.3 のアップデーターをダウンロー
ドし、OS 7.3 へのアップデートを実行してから、OS 8.5 へのアップデートを行ってください。

KEMPER Power Kabinet に関する重要なヒント


大音量でのリハーサルやステージ・パフォーマンスにおいては、KEMPER Power Kabinet™ のボリュームを最大にしてお
き、実際の音量は PROFILER の「Monitor Volume」でコントロールすることをお勧めします。必要に応じて「Power Amp
Boost」を上げてもかまいませんが、その場合は「Wattage Meter」が 200W を超えないように注意してください。これに
より広いヘッドルームが確保でき、KEMPER Power Kabinet™と PROFILER を最適なマッチングで使用することができる
でしょう。PROFILER の「Digital Soft-Clipping」回路は、KEMPER Power Kabinet™ のボリューム最大の状態に最適化さ
れていますので、KEMPER Power Kabinet™のボリュームが最大になっていないと、より早い段階で「Soft-Clipping」のギ
ラつきが目立ち始め、「Wattage Meter」も正確な値を表示することができませんのでご注意ください。

小さな音量で使用する場合はこの限りではありません。PROFILER の「Monitor Volume」を-12db にセットし、KEMPER


Power Kabinet™側のボリュームで最適な音量に調節してお楽しみください。
バージョン 8.5 で追加/改善された機能 51

KEMPER Rig Manager iOS®*:リグ・マネージャーiOS®*


OS 8.5 では、iOS®* 対応の新しいリグ・マネージャー:Rig Manager™ iOS®* が使用可能になります。 iPad®* からリグ
やパフォーマンスをエディットすることができます。

KEMPER Rig Manager iOS®*の画面

KEMPER Rig Manager iOS®* は App Store からダウンロードすることができます。


バージョン 8.5 で追加/改善された機能 52

このアプリをプロファイラー Stage で使用するには、後のセクションで説明されている方法で、Stage の Wi-Fi 接続を確率


する必要があります。プロファイラーHead/ PowerHead/ Rack/ PowerRack の場合は、イーサネット・ケーブルで、プロ
ファイラーをあなたのネットワークに接続する必要があります。

Remote を同時に使用する場合は、PoE インジェクターまたは PoE ハブを介して接続します。


バージョン 8.5 で追加/改善された機能 53

同じネットワークに iPad®* を接続し、 Rig Manager iOS® を起動するとを起動すると、Rig Manager iOS®* がネットワー
ク上でアクティブなプロファイラーを探し出しますので、接続したいプロファイラーを選択します。

プロファイラーStage にはイーサーネット端子がありませんが、OS 8.5 によって Stage に内蔵されている Wi-Fi 接続機能


がアクティブになります。

✓App Store からダウンロードした Rig Manager iOS®* にはプロファイラーのテンポラリーOS が含まれており、Rig


Manager iOS に接続したプロファイラーの OS が Rig Manager iOS®* に対応できない古いバージョンであった場合
に、互換 OS のインストールを推奨するダイアログ・ボックスが開きます。このテンポラリーOS をインストール
し、Rig Manager iOS®* への接続が完了した時点で、改めて最新版 OS(フルバージョン)へのアップデートを促
すダイアログ・ボックスが開きます。Rig Manager iOS®* には、プロファイラーの OS(フルバージョン)をアッ
プデートする機能はありませんので、Mac®* 版または Windows®* 版の Rig Manager もしくは USB メモリーを使
ってアップデートを行ってください。

* 全ての製品名やメーカー名は、各社の登録商標です。ケンパー社 (Kemper GmbH) はこれらに関連するものではありませ


ん。それらの商標は、その歴史の参照や、ケンパー社の開発過程においてインスパイアされた音について説明する目的の
みに使用されています。
バージョン 8.5 で追加/改善された機能 54

PROFILER Stage の Wi-Fi 接続


Stage を OS 8.5 にアップデートすると、Wi-Fi 接続が可能になります。Wi-Fi 接続の方法は、次の二とおりのモードが用意
されています。

 Home Network Mode:ホームネットワーク・モード

このモードは、すでに存在する Wi-Fi ネットワークを利用します。

自宅やスタジオに構築されている Wi-Fi ネットワーク環境の中にプロファイラーStage を組み込みます。構築されているネ


ットワークが使用できる範囲内であれば、距離が離れた場所の Stage を遠隔操作することもできるでしょう。

WPS(Wi-Fi プロテクテット・セットアップ)を使って Stage を Wi-Fi ネットワークに接続します。

• Wi-Fi ルーターまたはアクセスポイントの機器にある WPS ボタンの位置と、ボタンをどれくらいの長さ押し続ける必要が


あるかをルーターやアクセスポイントの機器の取扱説明書などで確認しておきます。

• プロファイラーStage の SYSTEM ボタンを押し、PAGE < > ボタンで「Wi-Fi Settings」のページを開きます。

• 「Wi-Fi Enable」と「Home Network Mode」を選びます。

• ソフトボタン「WPS」を押します。

• Wi-Fi ルーターまたはアクセス・ポイントの機器の WPS ボタンを、機器の取扱説明書等によって指示された時間だけ押し


続けます。
バージョン 8.5 で追加/改善された機能 55

• 接続確立にはおよそ1分程度かかるでしょう。

• Stage の接続確立後、 iPad®* を同じネットワークに接続すれば、Rig Manager iOS®* で Stage をコントロールすることが


できます。

✓一度 Wi-Fi 接続が確立すれば、次回からは Stage の電源投入時に自動的に接続されます。


 Access Point Mode:アクセスポイント・モード

このモードではプロファイラーStage が Wi-Fi ホットスポットになり、 iPad® が接続できます。

ローカル・ネットワークが無いリハーサル・スタジオ内や、安定したネットワーク環境の無い場所で使用します。

以下の操作で Stage を Wi-Fi ホットスポット化します:

• プロファイラーStage の SYSTEM ボタンを押し、PAGE < > ボタンで「Wi-Fi Settings」のページを開きます。

• 「Wi-Fi Enable」と「Access Point Mode」を選びます。

• Stage の LCD 画面に表示される QR コードを iPad®* のカメラで読みとると接続されます。または iPad®* のネットワーク


接続の画面で、Stage の LCD 画面に表示されているパスワードを入力して接続することも可能です。

• iPad®* の接続が確立すれば、Rig Manager iOS®* で Stage をコントロールすることが可能になります。.


バージョン 8.5 で追加/改善された機能 56

* 全ての製品名やメーカー名は、各社の登録商標です。ケンパー社 (Kemper GmbH) はこれらに関連するものではありませ


ん。それらの商標は、その歴史の参照や、ケンパー社の開発過程においてインスパイアされた音について説明する目的の
みに使用されています。
バージョン 8.2 で追加/改善された機能 57

バージョン 8.2 で追加/改善された機能


Version 8.2 は、プロファイラーの OS 最新バージョンです。ケンパーのホームページからダウンロードして下さい:
www.kemper-amps.com

OS 7.3 よりも前のバージョンで使用中のヘッド/パワーヘッド、ラック/パワーラックは二段階の OS アップデートが必


要です。まず OS 7.3 にアップグレードしてから、OS Ver.8.2 にアップデートしてください。ステージの場合は二段階アッ
プデートの必要はありません。どのバージョンからでも直接 OS 8.2 にアップデートしてください。

Power Amp Boost(パワーアンプ・ブースト)および Wattage Meter


(ワッテージ・メーター)と KEMPER Kone について
従来「Power Amp Boost」と「Wattage Meter」は、600W のパワーアンプを内蔵しているプロファイラー:PowerHead と
PowerRack にのみ搭載されていました。

今後これらの機能は、KEMPER Kone が使用される場合を前提に、その他のモデルにも搭載されます。それらのモデルに


おいては、Kemper Kone モードをオンにすると「Power Amp Boost」と「Wattage Meter」が表示されます。

 Power Amp Boost:パワーアンプ・ブースト

Power Amp Boost は以下の組み合わせにおいて有効に機能します:

• 全てのプロファイラーと KEMPER Power Kabinet を組み合わせて使用する場合

• PowerHead、PowerRack の内蔵パワーアンプで、ノンパワーの KEMPER Kabinet または KEMPER Kone を搭載した一般


的なキャビネットをドライブする場合
バージョン 8.2 で追加/改善された機能 58

• 外部のパワーアンプで、ノンパワーの KEMPER Kabinet または KEMPER Kone を搭載した一般的なキャビネットをドライ


ブする場合

いずれの場合も MONITOR OUTPUT に出力される信号に対して機能します。ご存知のとおり PowerHead/ PowerRack の


内蔵パワーアンプにも、MONITOR OUTPUT への信号と同じものが供給されています。

この出力は、クリーン・トーンの鋭いアタック音にも対応できる十分なヘッドルームを持っています。しかしながら大き
なヘッドルームを確保することは、パワーアンプに送る信号全体のレベルを下げることになるので、場合によっては欲し
い音量が得られないこともあるでしょう。そのような場合は「Power Amp Boost」により最大 12dB まで音量を上げること
ができます。「Power Amp Boost」は、「Rig Volume」や「Monitor Volume」とは別に、追加的に機能します。

「Power Amp Boost」の設定は、音質やパワーアンプのダイナミクスには影響しません。

Kemper Kone モードをオフにすると、「Power Amp Boost」も同時にオフになり、MONITOR OUTPUT は本来のヘッドル


ームを持った出力内容になります。PowerHead/ PowerRack の場合は、KEMPER Kone モードに加えて内蔵パワーアンプ
をオフにする必要があります。

 Wattage Meter:ワッテージ・メーター

Kemper Kone モードをオンにすると「Wattage Meter」が表示されます。このメーターで出力を監視すれば、KEMPER


Kone スピーカーにダメージを与える心配がなくなるでしょう。

メーターのメモリは、KEMPER Power Kabinet のボリュームを最大にした状態および、PowerHead/ PowerRack のスピー


カーアウトにノンパワーの KEMPER Kabinet を接続した状態に準拠しています。

✓サードパーティ製のパワーアンプを使用している場合、「Wattage Meter」は正確な情報を供給できません。

「Wattage Meter」の詳しい活用方法はメイン・マニュアルをご参照ください:
www.kemper-amps.com/downloads
バージョン 8.1 で追加/改善された機能 59

バージョン 8.1 で追加/改善された機能


Version 8.1 は、プロファイラーの OS 最新バージョンです。ケンパーのホームページからダウンロードして下さい:
www.kemper-amps.com

OS 7.3 よりも前のバージョンで使用中のヘッド/パワーヘッド、ラック/パワーラックは二段階の OS アップデートが必


要です。まず OS 7.3 にアップグレードしてから、OS Ver.8.1 にアップデートしてください。ステージの場合は二段階アッ
プデートの必要はありません。どのバージョンからでも直接 OS 8.1 にアップデートしてください。

はじめに
歪系のエフェクト・ペダルは、歪みの作り方やキャラクターの違いにより、ディストーション、オーバードライブ、ファ
ズという3つのタイプに分類することができるでしょう。ギターサウンドの世界では、「オーバードライブ」と「ディス
トーション」という語が、どちらも「歪み」という同義語として使用されることも多く、その区別を気にかけないギタリ
ストも多いでしょう。しかしここでは「歪み」全般ではなく、歪み系エフェクター・ペダルのタイプとして、「ディスト
ーション」や「オーバードライブ」という呼称を区別して用います。

「ディストーション」は、真空管アンプを歪ませることで生まれるギターサウンドを、トランジスターやダイオードを使
って再現する方法としては最もモダンなアプローチといえます。中にはギターアンプのプリと位置づけられるものもあり
ます。

「ディストーション」は、歪ませるための回路に信号送り込む前に低音域をロールオフするのが一般的で、結果として滑
らかな(クリーミーな)サウンドが生まれます。

一方「オーバードライブ」の特徴は歪ませた信号にクリーンな信号がミックスされることでしょう。その結果、「歪み」
はマイルドながら倍音が豊かなサウンドを生み出します。ペダルの後段に続く真空管アンプをプッシュしてタイトに歪ま
せるために使用されることが多いでしょう。

「ファズ」は歪みエフェクト・ペダル黎明期から続くアプローチです。低音域ではなく高音域がロールオフされるため、
けばけばしい(滑らかではない)サウンドを作り出します。
バージョン 8.1 で追加/改善された機能 60

Kemper Fuzz:ケンパー・ファズ
Kemper Fuzz は Kemper Drive と同様のアプローチでデザインされた新しいエフェクト・タイプ(アルゴリズム)です。画
期的な新しいパラメーターを追加することにより、ゲルマニウムまたはシリコン・トランジスターを使用した様々なファ
ズ・ペダルのサウンドを再現します。Kemper Drive と同じように、Kemper Fuzz を使用して様々な銘機のサウンドを再現
したプリセットも同時に用意しました。

他のプリセット同様、それらをベースに独自のサウンドを作りだしてください。アナログの世界では実現不可能なサウン
ドを生み出したり、モーフィングでその間を行き来することも可能です!

 Drive:ドライブ

サチュレーションの度合いをコントロールします。

 Volume:ボリューム

後段に続く他の歪み系エフェクトやアンプ・プロファイルをプッシュします。アナログ・ペダルをはるかに超える ±24dB
もの範囲で設定可能です。

 Transistor Shape:トランジスター・シェイプ

トランジスターの種類による歪み方の違いをコントロールします。左に回すとゲルマニウム・トランジスターによるスム
ーズな歪みになり、右に回すとシリコン・トランジスターによる痛烈な歪みになります。パラメーターは連続可変なの
で、アナログ・ペダルの場合よりも幅広く、多彩に変化します。

 Transistor Tone:トランジスター・トーン

高域の周波数特性または回路のスルーレイトをコントロールします。最大値の状態でフルレンジに対応するシリコン・ト
ランジスターの特性になり、低い値にするとレンジが狭いゲルマニウム・トランジスターの傾向に近づきます。その結
果、よりソフトなサウンドになります。
バージョン 8.1 で追加/改善された機能 61

 True Impedance:トゥルー・インピーダンス(PROFILER Stage のみ)

PROFILER Stage には「True Impedance」スイッチが追加され、ロー・インピーダンスのギターインプットを提供しま


す。

✓Head、PowerHead / Rack、PowerRack には「True Impedance」機能は搭載されません。


特にアナログのファズ・ペダルにおいては、入力インピーダンスに起因するギターとの相互作用(相性)がしばしば話題
になります。極端に入力インピーダンスが低いファズ・ペダルでは、ギター側のボリュームを絞ることで急激に歪みが無
くなり、クリーンなサウンドを得ることができます。この振る舞いは多くのギタリストにとって非常に重宝されていま
す。しかし残念ながらデジタルではこの振る舞いを再現することができないので、ハードウェアで実際のロー・インピー
ダンス入力を提供するのが「True Impedance」機能です。

PROFILER Stage のギター・インプット回路(ハードウェア)は、入力インピーダンスを切り替えることができるよう設


計されているので、「True Impedance」機能によりロー・インピーダンスにすることができます。これにより、ギター側
のボリューム・コントロールによるファズの振る舞いを再現することが可能になります。

ただし「True Impedance」オン・オフの際には「音切れ」が発生してしまいます。つまり「True Impedance」をオンにし


てファズを使用しているリグから、これらを使用していないリグに切り替えた時、またはその逆の切り替えの際にこの音
切れが発生していまします。ハードウェアの切り替えを伴うため、残念ながらこの音切れは避けられません。ギターのボ
リューム・コントロールによるファズの振る舞いが必要かどうかを慎重に見極めて「True Impedance」設定を決めてくだ
さい。

 Impedance Lowpass:インピーダンス・ローパス

先に説明したインピーダンスに起因する相互作用(相性)によるもう一つの効果は、ギター信号の高域が極端にカットさ
れるということで、これがファズ独特のけばけばしいサウンドを生み出します。「Impedance Lowpass」は、 Dunlop®*
の赤い Fuzz Face®*(ゲルマニウム・ファズ)と同じ状態をゼロ・ポジションとして、右に回し切ったフル・オープンの
状態(同じく Dunlop®*の JHW1 Hendrix ‘69 Psych™* と同じ状態)までの範囲で設定することができます。
バージョン 8.1 で追加/改善された機能 62

 Definition:ディフィニション

右に回すほど高域が強調され、Kemper Fuzz が滑らか(クリーミー)な歪みになります。

✓「True Impedance」がオンの場合、「Impedance Lowpass」および「Definition」は機能しません。ロー・インピー


ダンス入力の場合、信号入力段階で既に高域がロールオフされてしまうからです。

 Octa

ファズの銘機 Octavia™のサウンドを再現することができます。 Octavia™はロジャー・メイヤー氏が開発し、ジミ・ヘン


ドリックスが「パープル・ヘイズ」で使用したことで有名にななりました。その後も、Tycobrahe®をはじめ様々なメーカ
ーがクローンを制作しています。

Octavia™の特徴は、入力信号にその1オクターブ上のサウンドが追加されることである説明されます。この説明は、純粋
なサイン波が入力された場合においてのみ正しいと言えますが、その様に単純なサウンドではありません。とはいえ演奏
においてはそのような説明の内容は気にする必要はありませんが。

我々としては、このエフェクトは、時に不協感も滲む独特の浮遊感を持った創造的なサウンドを生み出すと説明しておき
ます。

技術的原理は、入力波形の逆相側を正相側にひっくり返す整流器ようなもので、その結果は非常にインパクトのあるサウ
ンドになります。

我々はこの部分も丁寧に分析し、ギターをソフトに弾いた時にオリジナル・ペダルが醸し出す独特のベル・トーンまでも
再現しています。

✓Octavia™のサウンドをさらに追求したい場合は、 “Octa Shaper“(旧 Recti Shaper)というエフェクト・タイプも


お試しください。 “Octa Shaper“ は Octavia™でいうところのファズ回路を除く整流器的部分のみを再現しますの
で、アンプ(STACK)の前や後ろ、ディズトーション・エフェクトとアンプ(STACK)の間などに配置してみて
ください。

* 全ての製品名やメーカー名は、各社の登録商標です。ケンパー社 (Kemper GmbH) はこれらに関連するものではありませ


ん。それらの商標は、その歴史の参照や、ケンパー社の開発過程においてインスパイアされた音について説明する目的の
みに使用されています。
バージョン 8.1 で追加/改善された機能 63

Fuzz DS がブラッシュアップされました。

従来のファズ・エフェクト・タイプ:Fuzz DS にフィーチャーされていたバーチャル・インピーダンスは、ゲインが高く
なりすぎる傾向がありました。この傾向は Kemper Fuzz においては改善されています。ステージの「True Impedance」
(ステージのみ)も同様です。

しかしながらこの変更は、Fuzz DS を使用していた既存のリグのサウンドには全く影響しません。既存のリグはアップデ
ート後も従来と同じサウンドを提供します。これは既にあなたがお持ちで、お気に入りに違いないリグのサウンドはその
まま使用できるようにとの配慮です。既に使用中の資源と新しい機能を融合するため、プロファイラーは Fuzz DS の設定
を自動的に Kemper Fuzz に取り込み、同じサウンドを再現します。特別な操作は必要ありません。リグが内包していた
Fuzz DS が Kemper Fuzz 置き換わっているのを確認してください。もちろんそのリグのサウンドに変化はありません。同
様に Fuzz DS のプリセットも自動的にコンバートされます。

従って Fuzz DS はエフェクト・タイプには無くなります。


バージョン 8.1 で追加/改善された機能 64

Kemper Fuzz Factory Presets:ケンパー・ファズのプリセット


Kemper Fuzz を使用したプリセットには、人気が高いファズ・ペダルのサウンドを再現したものも含まれます。参照した
ファズ・ペダルとプリセット名の関係は下表の通りです:

プリセット名 参照されたファズ・ペダル

Red Germanium Fuzz Face®*

Dark Blue Silicon Silicon Fuzz Face®*

Light Blue Hendrix Jimi Hendrix Fuzz Face®*

Psych 69 Germanium Authentic Hendrix 69 Psych®*


Germanium オン, Buffer オフ
Psych 69 Silicon Authentic Hendrix 69 Psych®*
Silicon オン, Buffer オフ
PsyBuff Germanium Authentic Hendrix 69 Psych®*
Germanium オン, Buffer オン
PsyBuff Silicon Authentic Hendrix 69 Psych®*
Silicon オン, Buffer オン
Tyco No Octa, Tyco Octavia Min Tycobrahe Octavia®*

Mayer Octavia Min Roger Mayer Octavia®*

* 全ての製品名やメーカー名は、各社の登録商標です。ケンパー社 (Kemper GmbH) はこれらに関連するものではありませ


ん。それらの商標は、その歴史の参照や、ケンパー社の開発過程においてインスパイアされた音について説明する目的の
みに使用されています。
バージョン 8.1 で追加/改善された機能 65

Kemper Drive の追加プリセット


OS 8.0 より提供されている Kemper Drive のファクトリー・プリセットに、新たなプリセットが追加されます。

追加された9つの新しいプリセットが再現するオリジナル・ペダルのスウィートスポットの設定は以下の図表の通りで
す。イラストがオリジナル・ペダルの設定、表が Kemper Drive のパラメーターです。Kemper Drive の「Mix」は全て
100%、「Volume」は同じく全て 0.0 にセットされています。

Ibanez® TS808*

 Preset: 808 Min

Drive 2.5
Tone 5.0
Definition 5.0
Slim Down 0.0
バージョン 8.1 で追加/改善された機能 66

on® Centaur Gold*

 Preset: Klon 1

Drive 0.0
Tone 5.0
Definition 5.2
Slim Down 0.0

このプリセットが追加されると同時に、Klon を参照したプリセットの順が変わりました。従来の「Klon 1」が「Klon 5」


になり、従来の「Klon 2」が「Klon 4」になりました。
バージョン 8.1 で追加/改善された機能 67

Boss® OD/SD*

 Preset: OD/SD Min

Drive 1.0
Tone 5.0
Definition 5.0
Slim Down 0.0
バージョン 8.1 で追加/改善された機能 68

Fulltone® Full-Drive 2*

 Preset: Full Dr Vintage Wide

Drive 5.2
Tone 5.0
Definition 3.6
Slim Down 0.0

 Preset: Full Dr Flat Wide

Drive 5.2
Tone 5.0
Definition 4.9
Slim Down 0.0
バージョン 8.1 で追加/改善された機能 69

 Preset: Full Dr Vintage HC

Drive 4.5
Tone 5.0
Definition 2.5
Slim Down 0.0

 Preset: Full Dr Flat HC

Drive 4.9
Tone 5.0
Definition 5.2
Slim Down 0.0
バージョン 8.1 で追加/改善された機能 70

 Preset: Full Dr Vintage STD

Drive 7.0
Tone 5.0
Definition 3.0
Slim Down 0.0

 Preset: Full Dr Flat STD

Drive 7.0
Tone 5.0
Definition 4.4
Slim Down 0.0

* 全ての製品名やメーカー名は、各社の登録商標です。ケンパー社 (Kemper GmbH) はこれらに関連するものではありませ


ん。それらの商標は、その歴史の参照や、ケンパー社の開発過程においてインスパイアされた音について説明する目的の
みに使用されています。
バージョン 8.1 で追加/改善された機能 71

ファクトリー・エフェクト・プリセット
OS 8.1 より、エフェクト・プリセットが「ファクトリー・プリセット」と「ユーザー・プリセット」に区分されます。フ
ァクトリー・プリセットは OS によって自動的に管理/更新され、上書きや消去ができなくなります。対してユーザーが
作成/保存するユーザー・プリセットは、従来どおり自由に上書きや消去が可能です。

OS 8.1 へのアップデートの際に、従来から提供されていたファクトリー・プリセットは全て新しいタイプ、即ち上書きや
消去ができない「ファクトリー・プリセット」に自動的に置き換わります。さらに Kemper Drive や Kemper Fuzz を使っ
た「ファクトリー・プリセット」が追加されます。旧 OS 上で作成されたバックアップをリストアする際にも同様の置き
換えが自動的に行われます。

✓この置き換えは、あなたが以前作成し保存したユーザー・プリセットに影響することはありません。
プリセットはエフェクト・タイプごとに、まずあなたが作成したユーザー・プリセットが、名前のアルファベット
順に表示され、ファクトリー・プリセットがそれに続いて表示されます。ファクトリー・プリセットの名前の先頭
には、ファクトリー・プリセットであることを示すアイコンが付いています。ファクトリー・プリセットはアルフ
ァベット順ではなく、内容に応じてロジカルに並べられています。例えば手軽に使用できるものからより複雑な設
定になっているものへ続くなど。

ユーザー・プリセットのデータは、エディットやリネーム、上書きや削除が自由にできますが、ファクトリー・プリセッ
トのデータ自体は上書きや削除ができないので、常に同じ状態で維持されます。

リグ・マネージャー 3.2 上では、エディター画面のエフェクト・モジュールを開き、エフェクト・リストから categories >


types > factory presets と進むとファクトリー・プリセットが表示されます。一方ユーザー・プリセットは従来どおり「All
Presets」のエリアに表示されます。
バージョン 8.0 で追加/改善された機能 72

バージョン 8.0 で追加/改善された機能


Version 8.0 は、プロファイラーの OS 最新バージョンです。ケンパーのホームページからダウンロードして下さい:
www.kemper-amps.com

OS 7.3 よりも前のバージョンで使用中のヘッド/パワーヘッド、ラック/パワーラックは二段階の OS アップデートが必


要です。まず OS 7.3 にアップグレードしてから、OS Ver.8.0 にアップデートしてください。ステージの場合は二段階アッ
プデートの必要はありません。どのバージョンからでも直接 OS 8.0 にアップデートしてください。

Kemper Drive:ケンパー・ドライブ
新しい Effect Type「Kemper Drive」が追加されました。Kemper Drive は、オーバードライブ・ペダルの銘機の数々をカバ
ーする万能オーバー・ドライブです。

1970 年代に発売された Boss® の OD-1 や Ibanez®のチューブスクリーマーTS808 は、世界で最初のオーバードライブ・


ペダルと言われており、現在でもギタリスト垂涎のペダルです。ディストーション・ペダルとは異なるアプローチで設計
されており、ダイオードのソフトなサチュレーションとクリーントーンをミックスすることによって非常に繊細な歪みを
作り出します。そのため「原音を活かし、色付けしない」という意味で「トランパレント」な歪みという表現で評価さ
れ、人気を博しました。 以来多くメーカーが同じ様な回路をベースに後継機的なペダルを販売してきました。それぞれに
異なるスウィート・スポットがあったり、独自のコントロールを加えたりしていますが、基本的なサウンド・キャラクタ
ーは同じと言えるでしょう。

我々は、それらのオーバードライブ・ペダルをひとつひとつ個別に再現するより、全をカバーできるオーバー・ドライブ
をひとつ提供する方が話が早いという考えに至りました。

そこでそれらのオーバードライブ・ペダルに共通の要素と、個別の特徴を同時にカバーできるひとつのオーバードライ
ブ・エフェクトを目指しました。しかもそれらのサウンド・キャラクターやスウィート・スポットをたった二つのパラメ
ーターでシンプルにコントロールできるように設計しました。その結果、オリジナル機にも無いフレキシビリティをも備
えるものになりました。
バージョン 8.0 で追加/改善された機能 73

以下のオーバードライブ・ペダルがリファレンスになっています:

• Ibanez® / Maxon® TS808, TS9*

• Klon® Centaur*

• Boss® OD-1, SD-1*

• Marshall® Bluesbreaker MK1*

• Analogman® King of Tone*

• Timmy® Overdrive*

• Horizon® Precision Drive*

Kemper Drive の開発においては TS808 が中心になっています。ご承知のとおり他のペダルのほとんどが、TS808 を中心


に派生したと言っても過言では無いからです。その結果、Timmy や Klon がその両サイドに位置している形になっていま
す。

 Drive:ドライブ

歪み方をコントロールします。 真ん中のポジションで TS808 と同じくらい、最大値では TS808 よりもブライトになり、


Timmy のオーバードライブのモード・スイッチを下に倒した状態と同じ具合になります。

 Tone:トーン

Tone はローパス・フィルターです。こちらも真ん中のポジションにすると TS808 と同じキャラクターになり、最大値で


は TS808 よりブライトな TS9 に近づき、Timmy の Overdrive のトーンを最大にした状態と同じ具合になります。

TS9 は、TS808 とは出力段が異なり、TS808 より少しブライトです。


バージョン 8.0 で追加/改善された機能 74

 Definition:ディフィニション

ほとんど全てのオーバードライブ・ペダルは、同じようなフィルターをディストーション回路の前段に備えています。こ
のフィルターは、歪ませる前のギター信号の低域をカットします。これによりタイトなサウンドと同時に、各オーバード
ライブ・ペダルの個性でもあるミッド・レンジの膨らみが生まれます。ほとんどのオーバードライブ・ペダルの場合この
フィルターは固定で、ユーザーがコントロールすることはできませんが、Timmy Overdrive は「Bass」というノブでフィ
ルターのカットオフ・ポイントを低域側に動かすことができ、特にブルース・プレイヤーが好む低域の幅を提供していま
す。

一方 Horizon Precision Drive では、「Attack」というノブで、フィルターのカットオフ・ポイントを高域側に動かすことが


でき、ジェント系のギターサウンドに適したタイトなサウンドを提供しています。

我々は、アンプ・プロファイルのパラメータとして既にお馴染みの「Definition」を Kemper Drive にも装備し、Timmy


Overdrive と Horizon Precision Drive の両方のフレキシビリティを実現しました。

このパラメーターにおいても。真ん中の位置のときに、TS808 その他のフィルターが固定のオーバードライブ・ペダルと
同じ状態になります。Definition は連続可変なので、数えきれないほどのサウンド・キャラクターを試すことが可能です。
設定値によってミッドレンジの膨らみも変化することにお気づきになるでしょう。

 Slim Down:スリムダウン

Slim Down の値を上げると、Definition のフィルターの傾斜や効き具合が強調されます。一般的なオーバードライブ・ペダ


ルには無い、独自のパラメータです。例えば Klon Centour の特徴である、「Drive」を上げたときの独特のミッドレンジを
再現することもできるでしょう。このパラメータにより、例えば Klon Centour の特徴である「Drive を上げたときの独特
のミッドレンジ」を再現することができるでしょう。また Definition フィルターのベースとミドルの帯域の分離を高め、ハ
イゲイン・サウンドでもハッキリとした輪郭が保てます。

* 全ての製品名やメーカー名は、各社の登録商標です。ケンパー社 (Kemper GmbH) はこれらに関連するものではありませ


ん。それらの商標は、その歴史の参照や、ケンパー社の開発過程においてインスパイアされた音について説明する目的の
みに使用されています。
バージョン 8.0 で追加/改善された機能 75

Kemper Drive Presets:ケンパードライブ・プリセット


新しいエフェクト・タイプ:Kemper Drive の追加に合わせて、このアルゴリズムを使ったプリセットも供給します。
Preset は Kemper Drive のユニークなパラメータ:「Definition」と「Slim Down」により、それぞれ独特のスウィートスポ
ットを持つ数々のポピュラーなオーバードライブぺダルを再現しています。微妙な違いをじっくり吟味して、好みや目的
に合うサウンドを作り出してください。

以下に、それぞれのプリセットが参照しているペダルのスウィート・スポットと言われるセッティングを図示します。図
の上のチャートは、そのサウンドを再現するためにセットされた Kemper Drive のパラーメータ設定値です。全てのプリセ
ットにおいて、「Mix」は 100%、「Volume」は 0.0 にセットされています。
バージョン 8.0 で追加/改善された機能 76

Ibanez® TS808*

 Preset: 808 Max

Drive 8.5
Tone 5.0
Definition 5.0
Slim Down 0.0

 Preset: 808 Mid

Drive 5.0
Tone 5.0
Definition 5.0
Slim Down 0.0
バージョン 8.0 で追加/改善された機能 77

Marshall® Blues Breaker Mk I*

 Preset: B Breaker Max

Drive 8.2
Tone 5.0
Definition 6.0
Slim Down 0.0
バージョン 8.0 で追加/改善された機能 78

Horizon Devices® Precision Drive*

 Preset: Horizon Attack 1

Drive 3.3
Tone 5.0
Definition 4.5
Slim Down 0.0

 Preset: Horizon Attack 2

Drive 3.3
Tone 5.0
Definition 5.2
Slim Down 0.0
バージョン 8.0 で追加/改善された機能 79

 Preset: Horizon Attack 3

Drive 3.3
Tone 5.0
Definition 8.3
Slim Down 0.0

 Preset: Horizon Attack 4

Drive 3.3
Tone 5.0
Definition 8.8
Slim Down 0.0
バージョン 8.0 で追加/改善された機能 80

 Preset: Horizon Attack 5

Drive 3.3
Tone 5.0
Definition 9.5
Slim Down 0.0

 Preset: Horizon Attack 6

Drive 3.3
Tone 5.0
Definition 10.0
Slim Down 0.0
バージョン 8.0 で追加/改善された機能 81

Analog Man® King of Tone*

 Preset: King Clean

Drive 5.3
Tone 5.0
Definition 6.5
Slim Down 0.0

 Preset: King Overdrive

Drive 6.5
Tone 5.0
Definition 4.8
Slim Down 0.0
バージョン 8.0 で追加/改善された機能 82

Klon® Centaur Gold*

 Preset: Klon 1 (OS 8.1 からはなまえが Klon 5 に変わります)

Drive 8.5
Tone 5.0
Definition 5.2
Slim Down 7.0

 Preset: Klon 2 (OS 8.1 からは名前が Klon 4 に変わります)

Drive 7.0
Tone 5.0
Definition 5.2
Slim Down 4.0
バージョン 8.0 で追加/改善された機能 83

 Preset: Klon 3

Drive 5.0
Tone 5.0
Definition 5.2
Slim Down 2.0

 Preset: Klon 4 (OS 8.1 からは名前が Klon 2 に変わります)

Drive 3.0
Tone 5.0
Definition 5.2
Slim Down 0.0
バージョン 8.0 で追加/改善された機能 84

Boss® OD/SD*

 Preset: OD/SD Max

Drive 9.5
Tone 5.0
Definition 5.0
Slim Down 0.0

 Preset: OD/SD Mid

Drive 5.0
Tone 5.0
Definition 5.0
Slim Down 0.0
バージョン 8.0 で追加/改善された機能 85

MXR® Timmy*

 Preset: Tim Bass 1

Drive 5.0
Tone 5.0
Definition 0.0
Slim Down 0.0

 Preset: Tim Bass 2

Drive 5.0
Tone 5.0
Definition 2.0
Slim Down 0.0
バージョン 8.0 で追加/改善された機能 86

 Preset: Tim Bass 3

Drive 5.0
Tone 5.0
Definition 5.8
Slim Down 0.0

 Preset: Tim Bass 4

Drive 5.0
Tone 5.0
Definition 6.3
Slim Down 0.0

✓Kemper Drive Preset はリグ・マネージャーからインポートします。「All Presets/Kemper Factory Content 8.0」に


含まれますので、「Type」で並べ替えて Kemper Drive Preset を選択してください。

* 全ての製品名やメーカー名は、各社の登録商標です。ケンパー社 (Kemper GmbH) はこれらに関連するものではありませ


ん。それらの商標は、その歴史の参照や、ケンパー社の開発過程においてインスパイアされた音について説明する目的の
みに使用されています。
バージョン 8.0 で追加/改善された機能 87

Full OC
Fulltone® OCD®*の特徴をベースにしたエフェクト・タイプです。他の歪み系エフェクトと同じように動作する Drive と
Tone に加えて、Fulltone® OCD®*に装備されている LP/HP スイッチが用意されています。

* 全ての製品名やメーカー名は、各社の登録商標です。ケンパー社 (Kemper GmbH) はこれらに関連するものではありませ


ん。それらの商標は、その歴史の参照や、ケンパー社の開発過程においてインスパイアされた音について説明する目的の
みに使用されています。
バージョン 7.5 で追加/改善された機能 88

バージョン 7.5 で追加/改善された機能


Version 7.5 は、プロファイラーの OS 最新バージョンです。ケンパーのホームページからダウンロードして下さい:
www.kemper-amps.com

OS 7.3 よりも前のバージョンで使用中のヘッド/パワーヘッド、ラック/パワーラックは二段階の OS アップデートが必


要です。まず OS 7.3 にアップグレードしてから、OS Ver.7.5 にアップデートしてください。

「Equalizer」カテゴリーに新しいエフェクトが追加されました。
「Acoustic Simulator」と2つのワイドナーが追加されました。
バージョン 7.5 で追加/改善された機能 89

Acoustic Simulator:アコースティック・シミュレーター
「Acoustic Simulator」によって、エレキ・ギターのサウンドをアコースティック・ギターのサウンドに近づけることがで
きます。両者は発音構造が基本的に異なるので、完璧な再現は期待できませんが、アコースティック・ギター独特の音色
やボディの響きを醸し出すことができるでしょう。ギグ全体のほんの一部でアコースティック・ギターのサウンドが必要
といった場合であれば、実際にアコースティック・ギターを持っていかずに済ますことができるかもしれません。

「Acoustic Simulator」は、ステレオ効果を活かすため、STACK セクションの後ろの X モジュールに配置することをお勧


めします。そして AMP モジュールや CABINET モジュールをオフにして、歪みの無いライン・サウンドにすることが理想
的です。KEMPER Knoe がオンの状態のとき AMPRIFIER モジュールと CABINET モジュールをオフにすると、KEMPER
Knoe は自動的にフルレンジ・モードに切り替わります。まずは「Acoustic Simulator」以外のエフェクトも全てオフにして
音作りしましょう。INPUT のノイズ・ゲートでピックアップのノイズを極力抑えておくことも重要です。

エレキ・ギターのどのピックアップが、最もお好みのアコースティック・ギターサウンドに近づくかチェックしてくださ
い。ハムバッカーを搭載したギターの場合はピックアップ・セレクターをミドル・ポジションに、シングル・コイルのピ
ックアップを搭載したギターの場合はネック・ポジションにすると良い結果が得られるでしょう。

 Pickup:ピックアップ

ピックアップの特性に応じて最適化するパラメーターです。シングル・コイルの場合は左に、ハムバッカーの場合は右に
回してみましょう。但し全てのエレキギターは異なる音色を持っていますので、このパラメーターには特定の正解値はあ
りません。音を聞きながら最適な設定を見つけてください。

 Body:ボディ

アコースティック・ギターのボディ、特に低音の響きをコントロールします。値を上げると低音が豊かに響きますが、バ
ンド・アンサンブルにおいては低音を減らした方が音抜けが良くなります。

 Bronze:ブロンズ

値を上げるとよりスティール弦の音に近づき、下げると柔らかなナイロン弦のサウンドに近づきます。
バージョン 7.5 で追加/改善された機能 90

 Sparkle:スパークル

きらびやかな高域の輪郭をより明確にします。「Bronze」との組み合わせによって好みのアコースティック・ギター・サ
ウンドを見つけてください。

✓「Acoustic Simulator」のパラメーターは、ギターやピックアップごとに異なる内容になるでしょう。どんなギター
やプッ 9 アップにも合う万能な設定は存在しません。音を聴きながら根気よく設定してください。

✓場合によっては、STACK セクションの前にグラフィック EQ やスタジオ EQ を配置して微調整するのも有効でしょ


う。

✓「Acoustic Simulator」は、エレキ・ギターのピックアップのサウンドをアコースティック・ギターのサウンドに近
づけるように設計されています。もともときらびやかな高域を出力するピエゾ・ピックアップを搭載した、いわゆ
るエレアコとの組み合わせは良い結果を得られないでしょう。そのようなギターの音色をコントロールには、グラ
フィック EQ やスタジオ EQ が向いています。
バージョン 7.5 で追加/改善された機能 91

Phase Widener:フェイス ワイドナー

「Phase Widener」は、ケンパーが開発した新しいエフェクトです。音質を変えることなく、モノラル信号をステレオ信号
のように広げることができます。敢えてモノラルで再生しても音質が変わってしまうことはありません。

Delay Widener:ディレイ ワイドナー

「Delay Widener」は、ステレオ信号の片チャンネルをわずか数ミリ秒遅らせることで広がりを生み出すエフェクトです。
「Phase Widener」と違い、モノラル信号に適用することはできません。また、レコーディングで使用すると音色の変化が
気になる場合があるでしょう。加えて心理効果によって、遅れていない側の信号が強調されているように聞こえることが
あります。30ms 程度の遅れに設定すると最も効果的です。

✓どの「Widener」も、信号がステレオになる STACK セクションの後ろに配置してください。STACK の手前のモノ


ラル・セクションに「Widener」を置くと、その後のステレオ・セクションでステレオ感と広がりを著しく損なっ
てしまう可能性があります。

「Compressor」カテゴリーの新エフェクト:Auto Swell:オート ス
ウェル
ボリューム・ペダルで徐々に音を立ち上げるような効果を自動的に再現します。「Swell Rate」は、立ち上がりのスピード
を設定します。最大値は 4 秒です。

「Swell Rate」がアタック、すなわち立ち上がりをコントロールする一方、「Compressor」はディケイをコンロトールし
ます。
バージョン 7.5 で追加/改善された機能 92

Output Filters:アウトプット・フィルター
L 全ての出力に有効なハイパス/ローパス・フィルターです。

S/PDIF スレーブ
ヘッド/ラック/パワーヘッド/パワーラック(但し 2018 年以降に生産されたもの)にも、S/PDIF のスレーブ:外部ク
ロックに同期する機能が追加されました。対応機であれば、OUTPUT セクションの「SPDIF Volume」が表示されるペー
ジに、Auto または Internal を選択するボタンが表示されます。

✓プロファイラーを外部機器からのクロックに同期するスレーブとして使用する場合は、両方向の S/PDIF を接続し


てください。プロファイラーがマスターとなる場合も、常に双方向接続しておくことをお勧めします。
バージョン 7.4 で追加/改善された機能 93

バージョン 7.4 で追加/改善された機能


Version 7.4 は、プロファイラーの OS 最新バージョンです。ケンパーのホームページからダウンロードして下さい:
www.kemper-amps.com

プロファイラー全機種対応の統合 OS ファイル
今回のアップデートで供給される OS ファイル(kaos.bin)より、この一つのファイルで Stage およびそれ以外の全機種の
アップデートが可能になりました。Stage 用 kaos.bin ファイルとクラシックモデル用 kaos.bin ファイルという区別は無く
なります。

OS 7.3 よりも前のバージョンで使用中のヘッド/パワーヘッド、ラック/パワーラックは二段階の OS アップデートが必


要です。まず OS 7.3 にアップグレードしてから、OS Ver.7.4 にアップデートしてください。
バージョン 7.3 で追加/改善された機能 94

バージョン 7.3 で追加/改善された機能


Version 7.3 は、プロファイラーの OS 最新バージョンです。ケンパーのホームページからダウンロードして下さい:
www.kemper-amps.com

Speaker Imprint(スピーカーインプリント)の設定をリグやスピーカ
ーごとに保存できるようになりました。
OS 7.3 より、Speaker Imprint(スピーカーインプリント)の設定をリグやスピーカープリセットごとに保存することが可
能になりました。OUTPUT セクションで KEMPER Kone(ケンパー・コーン)が選択されている場合にのみ、CABINET
セクションの2ぺージ目に Speaker Imprint(スピーカーインプリント)パラメーターが表示されます。

ダイレクト・プロファイルと KEMPER Kone スピーカーの組み合わせ


でエレキギターを演奏する場合
「Monitor CAB Off」をオンにして、CAB モジュールつまりバーチャル・キャビネットを使わずに、ダイレクト・プロファ
イルと KEMPER Kone や Kabinet の組み合わせのみでエレキ・ギターを演奏するケースもあるでしょう。そのような場合
でも、同時にメインアウトを PA に供給する際は、必ず CAB モジュールをオンにしておいてください。CAB モジュールを
ロックしておけば、リグ一つ一つを修正する必要はないでしょう。
バージョン 7.3 で追加/改善された機能 95

ケンパー・コーンの配線
2x12 のキャビネットにセットアップする場合は、以下のように配線してください。

2台のケンパー・コーンが直列接続します。インピーダンスは 8Ωになります。

R2台づつ直列接続した2組を並列接続します。インピーダンスは 4Ωになります。
バージョン 7.3 で追加/改善された機能 96

外部スイッチのポラリティー設定が無くなりました。
外部スイッチを使用するユーザーの間で、ポラリティーの設定間違いが頻繁に起こるため、外部スイッチのポラリティー
選択機能を削除しました。その結果、使用できる外部スイッチは、踏んでいない時にオープンとなるモーメンタリースイ
ッチに限定されます。

ミッション・エンジニアリング製のペダルに装備されたスイッチや、プロファイラー2-way スイッチをご使用の場合は何
も心配する必要はありません。ボス製の FS-5/6 をご使用の場合は、FS-5/6 側のポラリティースイッチで、踏んだ時にクロ
ーズとなるように設定してください。正しい設定であれば、スイッチを踏んだ瞬間にプロファイラーの機能がトリガーさ
れます。設定が正しくない場合は、踏んだ瞬間にはトリガーがかからず、スイッチを放した時に初めてトリガーされるた
め、プロファイラーの反応にタイムラグがあるように感じてしまうでしょう。

通常時(踏んでいない時)にクローズという設定で固定されているスイッチは現存しないようです。プロファイラー側を
単純化することで設定間違いが無くなるでしょう。
バージョン 7.2 で追加/改善された機能 97

バージョン 7.2 で追加/改善された機能


Version 7.2 は、プロファイラーの OS 最新バージョンです。ケンパーのホームページからダウンロードして下さい:
www.kemper-amps.com

Watt Meter:ワット・メーター
内蔵のパワーアンプはモノラル出力で、8Ω 負荷時 600W、16Ω 負荷時 300W 出力可能です。負荷が 4Ω の場合は自動的に
600W に制限されます。もし 600W 以上出力されるような状況になると保護回路が働き、出力が中断されます。保護回路
が働いて出力が中断する状態に至るまでにはとてつもない音量が出ることになりますので、4Ω のスピーカーを接続する場
合は、慎重にテストしながら最大出力を超えない範囲で使用してください。

内蔵パワーアンプは十分なヘッドルームを持っており、ダイナミックレンジの広いクリーン・トーンでもクリップするこ
とはありません。ハイレベルな信号や瞬間的なピークについては、自然なクリップを生む回路が心地良いコンプレッショ
ンを再現します。

それでもなお高出力な内蔵パワーアンプでスピーカーを破損してしまうことが心配な場合は、ワット・メーターで実際の
出力値を確認しながら音量を上げてください。.

瞬間的な過大入力(ピーク)によってスピーカーを破損する可能性は低いでしょう。しかしながら継続的に過大な入力を
受け続けると熱がたまり破損してしまいます。トラディショナルな電球を思い浮かべてください。スイッチを入れてから
最も明るい状態に至るまで、またスイッチを切ってから完全に消えるまでに 1〜2 秒のタイムラグがあります。このタイム
ラグがあることで、電球は瞬間的な過大入力には耐えられるのです。同じことがスピーカーのコイルにも当てはまりま
す。

「Wattage Meter」はこのタイムラグと熱の蓄積を考慮に入れた上で、どれくらいの音量にどれくらいの出力が必要かを示
す画期的なツールです。わずかな出力(Wattage) で予想以上の大音量が得られることに驚くでしょう。

重要な情報のまとめ:
バージョン 7.2 で追加/改善された機能 98

• パワーアンプの最大出力は、定格的な出力よりも、どれくらい大きな音で演奏するかで測るべきです。例えば 600 馬力の


車でも、街中を走行するときには 100 馬力の車よりも大きな馬力を使うことはありません。せいぜい 15 馬力ぐらいでしょ
う。

• 高音域よりも低音域を演奏した時の方が、より大きな負荷がスピーカーにかかります。パームミュートによる低音リフな

どがその顕著な例です。

• オープンバックのキャビネットは低音域を拡散しやすいため、実際にパワーアンプが出力しているよりも低域が小さく聞
こえることを念頭におくべきでしょう。

• 「Wattage Meter」の目盛は 4Ω 負荷時に合わせてあります。従って 8Ω のスピーカーを接続している場合は値を半分にし


て読み取ってください。16Ω 負荷時は 4 で割ってください。

• ·複数のスピーカーを並列接続する場合、例えば 50W のスピーカーを 4 台を並列接続すると 200W に対応できます。

• 大音量で演奏しているときにスピーカーが軋んだり異音を発した場合は「Monitor Output Volume」および「Power Amp


Boost」を下げてください。
バージョン 7.2 で追加/改善された機能 99

KEMPER Kone / KEMPER Kabinet


「ギター・キャビネットのサウンド、それをマイキングしたサウンド」の章で説明されているように、プロファイラーは
フラットなスピーカーでもギター・キャビネットでもモニターとして使用できるように設計されていますが、さらに可能
性を広げる新しいソリューション:KEMPER Kone™ を提案します。KEMPER Kone™は、フラットな特性でリグの内容
を忠実に反映したサウンドを提供することも、人気のあるギター用スピーカーの特徴を再現することも、お好み次第でど
ちらにも対応できるスピーカーです。

KEMPER Kone™スピーカーは、パワーヘッド/パワーラックのスピーカー・アウト、その他のプロファイラーの場合はモ
ニターアウトの出力を外部パワーアンプで増幅して接続します。

KEMPER Kone™スピーカーの振る舞いは全てプロファイラー側のソフトウェアでコントロールします。その為には
Output セクションの「KEMPER Kone」ページにある「KEMPER Kone」ソフトボタンを押して KEMPER Kone モードを
オンにします。

「KEMPER Kone」ページには、見覚えのある名称が選択肢として表示されるでしょう。このページには「Monitor
Volume」「Monitor Stereo」「Monitor Cab Off」も表示されます。「Monitor Cab Off」が無効(ハイライトされていな
い)になっているときは、KEMPER Kone は自動的にフルレンジ・モードになります。

 Bass Boost:ベース・ブースト

KEMPER Kone は、床に置いた状態で最適なサウンドになるように設計されています。従って KEMPER Kone を床から持


ち上げた状態にすると、低音域のパワーが無くなったように感じられるかもしれません。そのような場合は「Bass
Boost」をオンにすると低音域が 3dB ブーストされ、低域のパワーを補うことができます。

 Sweetening:スウィートニング

ケンパー・コーンをフルレンジ・モードで使用すると非常にリニアに発音します。オーディオとしては忠実な再生になり
ますが、デジタル・ギターアンプ用の高品位なモニタースピーカーでは、多くの場合ローエンドやハイエンドを強調する
ことで耳に負担をかけずに高域と低域のラウドネスを増してバランスが整えられています。「Sweetening」はこのような
要素をコントロールします。つまり左に回し切った状態では何も強調されず、右に回すにつれてローエンドとハイエンド
が強調されます。右いっぱいに回すとそれぞれが 6dB 持ち上がります。この際も、全体の音量はほとんど変わりません。
バージョン 7.2 で追加/改善された機能 100

 Speaker Imprint Mode:スピーカー・インプリント・モード

「Monitor Cab Off:CABINET をバイパスしてギター・キャビネットをドライブする」の章で説明されているように、


「Monitor Cab Off」を有効(ハイライトされている状態)にすると、プロファイラーのキャビネット・シミュレーション
が抑えられ、SPEAKER OUT または MONITOR OUTPUT から外部パワーアンプを経由して接続されたギター・キャビネ
ットの特性が活かされます。これに対し KEMPER Kone のスピーカー・インプリント・モードは、KEMPER Kone スピー
カーと組み合わせることで人気の高いギター・スピーカーの特性を再現し、さらに「あたかもギターアンプが目の前にあ
る」ようなサウンドを提供します。

 Speaker Imprint:スピーカー・インプリント

選択肢で提供されるギター・スピーカー名の一つを選ぶと、そのスピーカーの特色が再現されます。クリーンなギター・
サウンドで試すとより判りやすいでしょう。

 Directivity:ディレクティビティ

多くのギター・スピーカーは高音域の指向性が強く、スピーカーの正面からはずれるほど柔らかなサウンドに聞こえま
す。それに対し KEMPER Kone は、高音域も広く拡散するため、どのポジションでも正面と同じようなはっきりとしたサ
ウンドに聞こえます。「Directivity」はこの特性を調節するパラメーターです。本来は少しスピーカーの正面からはずれた
位置で感じることができるクリーミーなトーンにしたい場合は「Directivity」の値を上げてみましょう。最大値にすると実
際のギター・スピーカーと同じ指向性が再現されます。

✓「Speaker Imprint」と「Directivity」は、Monitor Cab Off が有効(ハイライトされている状態)になっていると


き、すなわちスピーカー・インプリント・モードのときのみ機能します。「Bass Boost」はどちらの状態でも機能
します。

KEMPER Kone に関する補足情報:

• KEMPER Kone スピーカーは KEMPER Kabinet™に取り付けられた状態での販売だけでなく、スピーカーユニット単体で


も提供されますので、1x12、2x12 や 4x12 など、12 インチのスピーカーがマウントできるお好きなキャビネットに取り付
けて使用することができます。
バージョン 7.2 で追加/改善された機能 101

• KEMPER Kone スピーカーのインピーダンスは 4Ω です。通常 4Ω はパワーアンプに接続できるスピーカーのインピーダン


スの最低限です。従って 2 個以上の KEMPER Kone スピーカーを使用する場合は、必ず直列に接続してください。

• KEMPER Kabinet は、安全にデイジーチェイン接続できるように設計されています。複数の KEMPER Kabinet を接続する


と、マウントされているスピーカーが直列接続される回路設計になっています。

✓KEMPER Kone スピーカーは、プロファイラーの KEMPER Kone モードと組み合わせて使用するスピーカーとして


最適化されていますので、プロファイラー以外の機器と組み合わせて使用しないでください。同様にプロファイラ
ーの KEMPER Kone モードを KEMPER Kone スピーカー以外のスピーカーと組み合わせて使用しても良い結果は得
られません。

✓ソリッド・ステートであれば KEMPER Kone スピーカーをドライブするパワーアンプとして使用できます。真空管


パワーアンプで KEMPER Kone スピーカーをドライブすると最適な周波数特性が得られず、極度に甘い音色になっ
てしまうでしょう。

✓「Monitor Cab Off」と同じく KEMPER Kone モードの機能は、MONITOR OUTPUT およびパワーヘッド/ラック


の SPEAKER OUT に出力される信号のみに作用します。

✓KEMPER Kone スピーカーのコーンは特別な仕様になっているため、近い位置でのマイキングには向いていませ


ん。モニターとしての使用をお勧めします。

• 複数の KEMPER Kone スピーカーを用意すれば、従来型プロファイラーの「Monitor Stereo」機能およびプロファイラー・


ステージの MONITOR OUTPUT でステレオ接続することも可能です。接続された全ての KEMPER Kone スピーカーが
KEMPER Kone モードの設定に追従します。

• アコースティック・ギターやベース用のリグの一部ではダイレクト・プロファイルそのまま、すなわち CABINET モジュー


ルが「Empty」の状態で使用するでしょう。そのようなリグはギター用スピーカーでの再生に適していません。そこで
KEMPER Kone モードは CABINET が「Empty」のリグを感知し、自動的に Speaker Imprint の設定を「Full-Range」に切
り替えます。
バージョン 7.2 で追加/改善された機能 102

• KEMPER Kone モードは Aux インに入力された信号も自動的に区別して扱います。「Aux In >Monitor」機能で Aux インの


信号が MONITOR OUTPUT に送り出された時、たとえ Speaker Imprint でギタースピーカーが選択されていても、Aux イ
ンからの信号だけは常に「Full-Range」で出力します。もちろん同時に使用しているリグのサウンドは Speaker Imprint の
設定を適用した内容で出力します。

• KEMPER Kone スピーカーを搭載したキャビネット2台と、それをドライブできるソリッドステート・アンプを用意すれ

ば、簡易 PA としても使用できるでしょう。リグを通したギター・サウンドは Speaker Imprint を適用したサウンドで、


Aux インに入力した信号はフラットな特性で再生できるからです。

• Kemper Korn スピーカーの魅力の一つは、Speaker Imprint でギター・スピーカーを選んでいても、Aux インからの信号、


つまりオーディオ・プレーヤーなどによるバッキング・トラックはフラットに再生できることでしょう。つまりリグを使
ったギター・サウンドとバッキング・トラックが同じ KEMPER Kone スピーカーから、どちらも完璧に再生できるという
ことです。

• 「Pure Cabinet」パラメーターは、KEMPER Kone スピーカーを使用している場合にも有効に機能します。ただし「Full-

Range」モードの時のみです。Speaker Imprint でギター・スピーカーが選択されている場合は作用しません。

パワーヘッド/ラックの内蔵パワーアンプ(600W)で KEMPER Kone スピーカーを破損してしまうことが心配な場合


は、「Wattage Meter」をチェックしながら慎重に音量設定すると良いでしょう。

瞬間的な過大入力(ピーク)によってスピーカーを破損する可能性は低いでしょう。しかしながら継続的に過大な入力を
受け続けると熱がたまり破損してしまいます。トラディショナルな電球を思い浮かべてください。スイッチを入れてから
最も明るい状態に至るまで、またスイッチを切ってから完全に消えるまでに 1〜2 秒のタイムラグがあります。このタイム
ラグがあることで、電球は瞬間的な過大入力には耐えられるのです。同じことがスピーカーのコイルにも当てはまりま
す。

「Wattage Meter」はこのタイムラグと熱の蓄積を考慮に入れた上で、どれくらいの音量にどれくらいの出力が必要かを示
す画期的なツールです。わずかな出力(Wattage) で予想以上の大音量が得られるでしょう。KEMPER Kone スピーカーの
キャパシティ:200W に届くまでに予想以上に大音量になることに驚くでしょう。
バージョン 7.2 で追加/改善された機能 103

重要な情報のまとめ:

• パワーアンプの最大出力は、定格的な出力よりも、どれくらい大きな音で演奏するかで測るべきです。例えば 600 馬力の


車でも、街中を走行するときには 100 馬力の車よりも大きな馬力を使うことはありません。せいぜい 15 馬力ぐらいでしょ
う。

• 高音域よりも低音域を演奏した時の方が、より大きな負荷がスピーカーにかかります。パームミュートによる低音リフな
どがその顕著な例です。

• 「Bass Boost」は過大出力を生む可能性を持っていますので、Wattage Meter をチェックした方が良いでしょう。Wattage


Meter が大きな値を示す場合は「Bass Boost」をオフにしてください。

• オープンバックのキャビネットは低音域を拡散しやすいため、実際にパワーアンプが出力しているよりも低域が小さく聞

こえることを念頭におくべきでしょう。

• 2x12 のキャビネットで KEMPER Kone スピーカーを直列で接続する、または 2 台の KEMPER Kabinet をデイジーチェイ


ン接続した場合、インピーダンスが 2 倍になりますので、「Wattage Meter」の表示数値を 4 で割ることができます。従っ
て最大値を超えることはほとんど無いでしょう。

• 4x12 のキャビネットで、4 台の KEMPER Kone スピーカーを使用する場合の一般的な接続は、直列に接続された 2 台のス

ピーカーを並列にするという形態でしょう。この場合も、実際に出力されているのは Wattage Meter の表示値の 4 分の 1


となりますので、キャパシティを超えてしまうことはまず無いでしょう。

• 大音量で演奏しているときにスピーカーが軋んだり異音を発した場合は「Monitor Output Volume」および「Power Amp


Boost」を下げてください。
バージョン 7.2 で追加/改善された機能 104

 KEMPER Kabinet: ケンパー・キャビネット、KEMPER Kone: ケンパー・コーンの仕様

外形寸法

KEMPER Kabinet KEMPER Kone


高さ: 43 cm (16.93 インチ) 直径: 30,5 cm (12 インチ)
幅: 51.6 cm (20.31 インチ) 切り取る: 28,3 cm (11.14 インチ)
奥行き: 23.5 cm (9.06 インチ)

重さ

KEMPER Kabinet KEMPER Kone


11.3 kg (24.91 ポンド) 3,9 kg (8.6 ポンド)

パワー

200 ワット RMS

インピーダンス

4 オーム
バージョン 7.2 で追加/改善された機能 105

Undo/Redo 機能が PROFILER Stage にも搭載されました。


EDIT ボタンを長押しすると Undo/Redo のウインドウが開きます。この Undo/Redo 機能によって、直前のエディットまた
は現在のリグがロードされてからのすべてのエディットをキャンセルしたり再度有効にしたりすることができます。

リグ・マネージャーに IR(Impulse Response)インポート機能が追


加されました。
プロファイラーの OS 7.5 に合わせ、リグ・マネージャーも Ver. 3 にアップデートが必要です。リグ・マネージャー Ver. 3
には、IR データを直接インポートする機能が追加されます。従って変換ソフト:キャブ・メーカーは不要となり役目を終
えることになります。
バージョン 7.0 で追加/改善された機能 106

バージョン 7.0 で追加/改善された機能


Version 7.0 は、プロファイラーの OS 最新バージョンです。ケンパーのホームページからダウンロードして下さい:
www.kemper-amps.com

エフェクト選択ページが統合されました
エフェクト・モジュールにフォーカスした状態で、TYPE ノブまたは BROWSE ノブを回すと開くエフェクト選択ページが
統合されました。カテゴリー/アルゴリズム/プリセットが3つのコラムに整理されて一つの表になり、素早く最適なエ
フェクトを選択することができます。

エフェクト・モジュール

E リグごとに8個のエフェクト・モジュールが使えます。 A、B、C、D はモノラルのエフェクト・モジュールす。プロフ


ァイリングしたアンプ(STACK セクション)の手前に配置されているので、ディストーションやワウなどをアサインする
と良いでしょう。 STACK セクションの後ろには、ステレオのエフェクト・モジュール:X、MOD、DLY、REV が配置さ
れています。全てのエフェクト・モジュールにおいて、全てのエフェクト・タイプを使用することができます。

REV モジュールはリバーブ専用で、選択できるエフェクト・タイプとプリセットのリストが他のモジュールとは区別され
ていますが、その他のモジュールにアサインできるエフェクトは共通のリストから選びます。モジュールによってアサイ
ンできるエフェクトに制限はありません。

DLY モジュールに対しては DELAY MIX と FEEDBACK、REV モジュールには REVERB MIX と REVERB TIME という専用
ノブが用意されています。これらのパラメータは、モジュールにフォーカスしなくてもエディットすることが可能なので
す。

プロファイラーヘッド/パワーヘッドには、MOD モジュールにも専用ノブ(RATE、INTENSITY)が用意されていますの
で、モジュレーション系のエフェクトは MOD モジュールにアサインすることをお勧めします。
バージョン 7.0 で追加/改善された機能 107

エフェクト・プリセット

エフェクト・モジュールのボタンを長押し、そのモジュールにフォーカスした状態で BROWSE ノブを回すと、エフェク


トの選択画面が表示されます。この画面の右欄はエフェクト・プリセットの一覧です。エフェクト・プリセットは、エフ
ェクト・タイプをベースに特徴のある音色や効果を作成し保存されたものです。ファクトリー・データとしても様々なプ
リセットが用意されていますが、自分で作成したお気に入りのエフェクトをプリセットとして保存することも可能です。
保存(STORE)の方法は、リグやパフォーマンスと同じです。

ファクトリー・データとして用意されているエフェクト・プリセットは音作りのベースやヒントになるでしょう。イメー
ジに近いプリセットを選び、[PAGE]ボタンでパラメータ・ページを移動し、好みの内容にエディットしてください。

エディットしたお好みのエフェクトをプリセットとして保存(STORE)すれば、リグ作成のためのパーツとして他のリグ
でも使用することができます。

エフェクト選択画面

エフェクト選択画面は、エフェクト・モジュールにフォーカスしている状態であれば、TYPE ノブ、BROWSE ノブのいず


れでも開くことができます。

画面左側の欄にはエフェクトのカテゴリーが表示されます。中央に表示されるのが現在選択中のカテゴリーです。それぞ
れのカテゴリーに含まれる複数のエフェクト・タイプは真ん中の欄に表示され、この欄でも選択中のタイプが中央に表示
されます。

TYPE ノブを回すと別のエフェクト・タイプを選ぶことができます。別のエフェクト・タイプを選ぶと、プリセット欄の内
容もそのエフェクト・タイプをベースにしたプリセット群に移動します。ここで BROWSE ノブを右に回すと、それらの
プリセットを選んだり試奏したりすることができます。BROWSE ノブによるプリセットの表示や選択によってもエフェク
ト・タイプの境界を自由に行き来することができます。つまり BROWSE ノブを回し続けることで、全てのエフェクト・
プリセットを縦覧することもできるのです。

[<- Category/-> Type]と表示されているソフト・ボタンで TYPE ノブの動作を変更することができます。ボタンは.[<-


Category/-> Type]と[<- Category]のトグル動作です。[<- Category]と表示されている場合、TYPE ノブによってカテゴリー
が切り替ります。
バージョン 7.0 で追加/改善された機能 108

この設定ではカテゴリーをジャンプすることができますので、たくさんのプリセットを抱えるカテゴリーから前後のカテ
ゴリーに移動するときに便利です。

エフェクトの選択画面は、時:分:秒で表示される時計のようにとらえると判りやすいでしょう。つまりカテゴリーが
「時」、タイプが「分」、プリセットが「秒」です。「時」を動かすと「分」や「秒」もそれに合わせて動き、「秒」を
進めたり戻したりすると「分」や「時」もそれに応じて進んだり戻ったりするように、カテゴリー、タイプ、プリセット
の表示内容も「時」「分」「秒」と同じような関係で動きます。

エフェクトをクリアする:

カテゴリー、タイプ、プリセットの何れかで先頭までスクロールすると「empty」という選択肢が現れます。「empty」を
選択することでエフェクト・モジュールの内容をクリアし、空の状態にすることができます。

Autoload:オートロード

BROWSE ノブでエフェクト・プリセットをスクロールするとプリセットの内容が自動的に読み込まれます。これは
「Autoload」という機能で、工場出荷時設定ではオンになっています。「Autoload」表示の上のソフト・ボタンを押して
チェックを外すとスクロール中はデータが読み込まれなくなり、スクロールを止めて「Load Preset」を押すことによりデ
ータが読み込まれます。「Autoload」機能を有効にするボタンは、エフェクト選択画面に常に表示されています。

「Autoload」と「Manual load」の切り替えは、リグを選択する画面でも同じように動作します。

デフォルト設定を読み込む

エフェクト選択画面の各エフェクト・タイプのプリセットの先頭には、そのタイプのデフォルト設定が用意されていま
す。これらは特徴のあるエフェクトや音色ではなく、ニュートラルなセッティングになっています。例えばグラフィッ
ク・イコライザーからこのプリセットを選ぶと、全ての周波数がフラットに設定された状態になります。

このデフォルト設定は「Autoload」または「Load Default」のいずれかでロードすることが可能です。
バージョン 7.0 で追加/改善された機能 109

Load Type:エフェクト・タイプのみを読み込む

プリセットを選択した後に他のプリセットを選び直したり、「Load Default」を実行すると、全てのパラメータが新しい内
容に変わりますが、「Load Type」で新しいタイプを読み込むと、新しく読み込む前のパラメータの値を保持したままタイ
プだけを置き換えることができます。

「Load Type」は、同じ設定のまま異なるタイプのエフェクトを試し、より効果的なエフェクト得るのに威力を発揮しま
す。例えば同じディレイ・タイムやフィードバックのまま、別のタイプのディレイを試したり、レイトやインテンシティ
を保ったままフェイザーとフランジャーを試すといったことができるのです。

Auto Type:オート・タイプ

「Load Type」機能を使ったエフェクトのエディットがお気に入りであれば、エフェクト選択画面に常に表示される「Auto
Type」を有効にしておくと、プリセットの「Autoload」と同じように、エフェクト・タイプを変更するだけで自動的に
「Load Type」が実行されます。

✓プロファイラーHEAD/ RACK では、TYPE ノブと BROWSE ノブの他に PAGE ボタン < > と RIG ナビゲーション・
ボタンでもエフェクトのカテゴリー、タイプ、プリセットを選択することができます。
バージョン 7.0 で追加/改善された機能 110

エフェクト・プリセットをアップデートする方法
新しくなったエフェクト・セクションのページの利点を最大限に活かすには、旧来のファクトリープリセットを最新のセ
ットに入れ替える必要があります。

朗報:最新のリグマネージャーには、プリセットを管理する機能が加わっています!リグマネージャーの左端のコラムに
表示される All Presets の下にある使用中のプロファイラーを開き、自分で作成したものや残しておきたい Preset 以外の
Preset を全てデリートしてください。デリートを実行すると、接続されたプロファイラーとリグマネージャーの内容を再
度同期させる作業が始まります。

再同期が完了後、Preset Pack の下にある「Factory Presets 7.0」の中身を、接続されたプロファイラーにドロップしてく


ださい。Factory Presets のインポートは、プロファイラー本体の SYSTEM ボタンを押すと現れる System Settings メニュ
ーの「Factory Presets」を実行することでも行えます。
バージョン 6.0 で追加/改善された機能 111

バージョン 6.0 で追加/改善された機能


Version 6.0 は、プロファイラーの OS 最新バージョンです。ケンパーのホームページからダウンロードして下さい:
www.kemper-amps.com

リバーブをさらに2つ追加(緑)

Formant Reverb(フォルマント・リバーブ)

「Formant Reverb」は、先に追加された「Cirrus Reverb」にフォルマント・フィルターを追加したアルゴリズムです。フ


ォルマント・フィルターは2つのバンドパス・フィルターで構成されており、人間が発音する母音のニュアンスに近づき
ます。その結果リバーブ音がクワイアのような響きになります。しかしながら本来の目的は、リバーブ音をシンセパッド
やメロトロンのような響きに近づけ、音量を上げなくてもアンサンブルの中でも抜けてくるようなリバーブ・サウンドで
す。

 Formant Mix(フォルマント・ミックス)

フォルマント・フィルターを通過したリバーブ音と通過していないリバーブ音のミックス・バランスをコントロールしま
す。つまり値が0のときは「Cirrus Reverb」と同じサウンドになります。値を上げるほどフィルターを通過したリバーブ
音の比率が高くなり、「Formant Reverb」独特のサウンドになります。
バージョン 6.0 で追加/改善された機能 112

 Formant Vowel(フォルマント・ヴァウエル)

2つのフィルターのコンビネーションをコントロールします。その結果、音のニュアンスがウ、オ、ア、エ、イの順に変
化します。

 Formant Offset(フォルマント・オフセット)

センターより右に回すと女性または子供の声のニュアンスに近づきます。左に回すと男性の低い声に向かいます。

 Formant Peak(フォルマント・ピーク)

2つのフィルターのレゾナンスまたは Q にあたる要素をコントロールすることで、フィルターを強調したりシャープにし
たりするパラメータです。

Ionosphere Reverb(アイオノスフィア・リバーブ)

「Ionosphere Reverb」は「Cirrus Reverb」と「Formant Reverb」をベースにしたさらに新しいリバーブです。2つの高


性能ピッチシフターを備え、ストリングス・オーケストラやシンセサイザー・アンサンブルのような荘厳なリバーブ音を
創り出します。

「Ionosphere Reverb」は、通常のシマー・リバーブよりも進化したシグナル・フローを備えており、ピッチ・シフトした
リバーブ音の層を積み重ねます。層の厚みはリバーブ・タイムに関わらず設定できますので、程よい厚みから重厚な層ま
で、あるい積み重ねの無いシンプルなピッチ・シフト・リバーブを長く継続するというような設定がフレキシブルに行え
ます。
バージョン 6.0 で追加/改善された機能 113

 Pitch Mix(ピッチ・ミックス)

ピッチ・シフトされていないリバーブ音と、2つのピッチ・シフターを通過したリバーブ音のミックス・バランスを設定
します。設定値=0ではピッチ・シフトされた音は出ず、「Cirrus Reverb」または「Formant Reverb」と同じサウンドに
なります。最大値にすると逆にピッチ・シフターを通過したリバーブ音のみになります。

 Pitch 1&2(ピッチ 1&2)

2つのピッチ・シフターそれぞれの変化幅を半音単位で設定します。12 半音つまり1オクターブが最も自然でしょう。ピ
ッチ・シフターを1つだけ使用したい場合は、「Pitch 1」と「Pitch 2」の両方を同じ設定にしてください。

 Pitch Buildup(ピッチ・ビルドアップ)

「Buildup」はディレイのフィードバックのように、ピッチ・シフターの出力信号を入力段に戻すレベルを設定します。設
定値=0にするとフィードバックはされなくなり、2つのピッチ・シフターの出力のみとなります。設定値を上げてゆく
とフィードバックされたリバーブ音がさらに高い音(または低い音)にシフトされるという流れが繰り返し起こり、ピッ
チの違うリバーブ音が積み重なって行きます。2つのピッチ・シフターの一方を上方向、他方を下方向に設定すると、同
時に上下方向にピッチ・シフトのスパイラルが起こります。

ビルドアップが進行するスピードは「Attack Time」の設定によって変化します。「Attack Time」は、「Cirrus Reverb」の


パラメータ同様リバーブ音が立ち上がるタイミングを設定します。

 Brass(ブラス)

「Ionosphere Reverb」は特徴的なピッチシフターの作用により、ストリングス・オーケストラを想起させるサウンドにな
りますが、「Brass」パラメータはノンリニアな動きや変化を与えることで、さらに金管楽器の音を付加したようなサウン
ドを作ります。

✓設定例:例えば1オクターブ上のリバーブ音のみを付加する場合は、「Pitch 1」と「Pitch 2」を同じ+12 に設定し


「Pitch Buildup」を 0 に設定します。
バージョン 5.7 で追加/改善された機能 114

バージョン 5.7 で追加/改善された機能


Version 5.7 は、プロファイラーの OS 最新バージョンです。ケンパーのホームページからダウンロードして下さい:
www.kemper-amps.com

New Reverbs (Green):新しいリバーブ(緑)


Version 5.7 にはスタジオ・クオリティのリバーブが5つ追加されています:スプリング・リバーブ、ナチュラル・リバー
ブ、イージー・リバーブ、エコー・リバーブ、シアラス・リバーブです。

新く追加されたリバーブのエフェクト・アルゴリズムの特徴を活かした 29 個のプリセットも用意されています。但しこれ
らのプリセットを利用するには、プロファイラーにデータを読み込ませる必要があります。システム・アップデートの際
に自動的にインストールされると、既にあるデータの内容が書き換えられてしまったと誤解される可能性があると考えた
からです。

プリセットの読み込みは、システムを Version 5.7 にアップデートした後、システム・セッティングス画面のソフト・ボタ


ン「Factory Preset」を押すと実行されます。このとき新しいリバーブのプリセット以外にも、あなたのプロファイラーに
は無いプリセットが全て読み込まれますが、その時点で既にプロファイラーに保存されているデータが消去されたり、変
更されたりすることは一切ありません。

もし Version 5.0 や 5.1 で追加された、100 個を越えるディレイやピッチ・ディレイのプリセットが、未だあなたのプロフ


ァイラーに読み込まれていなければ、それらも同時に読み込まれます。是非こちらもチェックしてみてください。

お好きなエフェクト・モジュール・ボタン(DLY または REV がお奨め)を長押ししてフォーカスし、ブラウズ・ノブを回


すとプリセット一覧が画面に現れ、選択することが可能になります。お楽しみください!

従来のリバーブ・タイプ:「Hall」「Large Room」「Small Room」「Ambience」「Matchbox」は、Legacy Reverb に統


合されました。なお、この Legacy Reverb にも新しいパラメータ:「Room Size」が追加されていますが、従来のデータ
との互換性には全く影響しません。
バージョン 5.7 で追加/改善された機能 115

REV モジュール以外のモジュール(A〜D/ X/ MOD/ DLY)にリバーブをアサインすることが可能になりました。これによ


り複数のリバーブを重ねて使用したり、リグを切り替えること無く、内容の異なるリバーブをスイッチで切り替えて使用
することができます。

但し以下の機能は、リバーブを REV モジュールにアサインしたときのみに機能します。

• リグ・パラメータ「spillover」の対象は、DLY モジュールにアサインされたディレイと、REV モジュールにアサインされ


たリバーブのウェット音です。

• 同じくアウトプット・ソース「Del/Rev Wet」によって出力されるのは、REV モジュールと DLY モジュールのウェット音


のみです。

• REVERB TIME ノブと MIX ノブは、REV モジュールにアサインされたエフェクトに対してのみ機能します。

新しいリバーブの詳細は以下のとおりです:

Spring Reverb:スプリング・リバーブ

プロファイラーの「Spring Reverb」は、ギタリスト羨望の 1963 年製の Fender® Reverb Tank のサウンドをベースにして


います。このリバーブを特徴づけているのは次の2つの要素でしょう。ひとつは急峻なローカット・フィルターによるサ
ウンドです。このフィルターはリバーブ・ユニットとスピーカーの間で起こるフィードバックを防ぐ目的で搭載されてい
ます。もうひとつは洞窟で雫が落ちるときに発生するような派印象的なサウンドでしょう。我々はこの印象的なサウンド
を忠実に再現すると同時に、「Dripstone」という拡張パラメータでこのサウンドの強さを制御できるようにしました。

ビンテージ・コンボアンプはプリアンプ・セクションで歪むということが無く、ディストーション・サウンドはパワーア
ンプ・セクションで生まれます。コンボ・アンプのリバーブ・タンクはパワーアンプ・セクションの手前に配置されてい
るため、リバーブ音もダイレクト音と同様に歪みます。この状況をプロファイラーで再現する為には、リバーブをスタッ
ク・セクションの手前に配置するとよいでしょう。一方スタック・セクションの後ろに配置すれば、ステレオのスプリン
グ・リバーブになります!
バージョン 5.7 で追加/改善された機能 116

 Mix:ミックス

リバーブの「Mix」はディレイの「Mix」と同じ働きのパラメータです。フロントパネルの専用ノブでコントロールするこ
とも可能です。

 Decay Time:ディケイ・タイム

残響音が減衰して聞こえなくなるまでの時間を設定します。

 Dripstone:ドリップストーン

「Dripstone」は、スプリング・リバーブ独特の雫のようなサウンドの強さをコントロールします。

 Distortion (Dwell):ディストーション(デュウェル)

Fender® Reverb Tank やコンボアンプ内蔵のスプリング・リバーブにおいては、信号変換のために真空管による増幅回路


が使用されています。この増幅回路は十分な信号レベルを得るためにオーバードライブしやすく、そのため残響音が少し
歪んだ音になる傾向があります。「Distortion」はこの歪みの量を個別にコントロールすることができるパラメータです。
Fender® Reverb Tank では「Dwell」と名付けられているコントロールに相当します。

 Spring Size:スプリング・サイズ

スプリングのサイズを変えるパラメータで、結果として「Dripstone」の密度をコントロールすることができます。

 Low Damp:ロー・ダンプ

残響音のうち、低音成分の減衰時間をコントロールします。右に回すほど低音域がより早く減衰します。
バージョン 5.7 で追加/改善された機能 117

 High Damp:ハイ・ダンプ

残響音のうち、高音成分の減衰時間をコントロールします。左に回すほど低音域がより早く減衰します。

 High Cut:ハイ・カット

「High Cut」は固定のフィルターで、左に回すほど残響音の高音域成分がなだらかにカットされます。同様の機能はコン
ボ・アンプ搭載のリバーブでは搭載されていませんでしたが、Fender® Reverb Tank に装備されている「Tone」という操
作子がこの「High Cut」に相当します。

 Spectral Balance:スペクトラル・バランス

実際のスプリング・リバーブは強いローカット・フィルターを経由した信号で残響音を作り出していますが、「Spectral
Balance」をデフォルト値(センター)から上下に動かすと、残響音の高音域または低音域が強調することができます。
バージョン 5.7 で追加/改善された機能 118

Natural Reverb:ナチュラル・リバーブ

「Natural Reverb」は最新のデジタル・リバーブ技術をベースにしたリバーブで、仮想の部屋に基づいて自然な初期反射音
を作り出すことができます。これにより、初期反射音だけを切り話して扱う学術的なアプローチを避け、自然な残響音全
体の一部として初期反射音を制御する簡単なコントロールを実現しています。

「Natural Reverb」は癖が無くジェネラルなリバーブで、しかも簡単な操作で幅広い要素をコントロールできる仕様になっ
ていますので、ごく短いアンビエンス音からきらびやかで幻想的な響き、さらにはシンセサイザーパッドのようなサウン
ドまでまで、非常に多彩なリバーブを作ることができます。

 Decay Time:ディケイ・タイム

残響音が減衰してゆく時間を決定します。これは部屋の容積の変化にもつながります。つまり小さな部屋では減衰が早
く、大きな部屋では残響が長く残るということです。但し部屋の大きさについては「Room Size」というパラメータ(後
述)もありますので、混同しないようにしてください。

「Decay Time」はディレイのフィードバックに似ています。残響音が 60dB 下がる、つまり聞こえなくなるまでの時間を


秒数で表します。

 Freeze:フリーズ

「Freeze」は、残響音を限りなく延ばしてパッドのようなサウンドにする機能です。「Freeze」がオンになった後はリバ
ーブ・エフェクトへの入力がカットされるので、無限に続く残響音にのせて新たなフレーズを演奏するというパフォーマ
ンスが可能になります。

「Freeze」のオン/オフは、プロファイラー・リモートのエフェクト・ボタンにアサインすることができます。アサイン
したいエフェクト・ボタンを踏みながら「Freeze」のソフト・ボタンを押せばアサイン完了です。
バージョン 5.7 で追加/改善された機能 119

 Room Size:ルーム・サイズ

「Room Size」は残響音に繊細な変化を与えます。小さな値、つまり小さな部屋に設定するほど残響音の密度が濃くなり
ます。大きな値に設定すると残響音の密度が減り、立ち上がりも緩やかになります。小さな「Room Size」値には短い
「Decay Time」、大きな「Room Size」には長い「Decay Time」を組み合わせるのが自然です。例外はプレート・リバー
ブのシミュレーションです。プレート・リバーブを再現する場合は「Room Size」を最小値に設定しておき、「Decay
Time」を必要な長さに調整するとよいでしょう。

ノブを回して「Room Size」の値を変えるとき、残響音のピッチがポルタメントのように変化することに気がつくでしょ
う。これは残響音をリサイズしているために起こります。そのため「Room Size」はモーフィングのターゲットに向いて
いるとは言えません。

✓最初に「Decay Time」を設定し、それに応じて「Room Size」を調整するとよいでしょう。部屋の大きさを決定す


る要素としては「Diffusion」というパラメータも重要です。

 Predelay:プリディレイ

残響音が聞こえ始めるまでの時間の長さを設定します。例えば大きな部屋では、壁に反射した音が耳に届くまでに数ミリ
秒かかるというような状況をシミュレートします。モダンな音楽制作においては空間演出に応用されることがあります。
例えば「Decay Time」を短く設定し、逆に「Predelay」を長く設定してみると、小さな部屋の残響音がより明確に聞こ
え、ダイレクト音と切り離されたディレイのように聞こえるため、現実には起こらない不思議なサウンドになります。
「Predelay」を 0 から数ミリ秒に設定すれば小さな部屋の自然な響きになり、60 ミリ秒以上に設定すると大きな部屋の残
響音が再現できるでしょう。
バージョン 5.7 で追加/改善された機能 120

 To Tempo:テンポに同期する

「To Tempo」は、遅れて聞こえてくる残響音による演出の可能性をさらに広げます。「To Tempo」を有効にすると


「Predelay」の設定値が音価に変わり、「Predelay」つまり残響音が鳴り始めるタイミングはテンポの設定にリンクしま
す。この設定によれば、テンポに応じて「Predelay」が2秒以上になることもあり得るということになります。

テンポはプロファイラー本体やプロファイラーリモートの TAP ボタンをタップすることで設定することも可能です。もち


ろん TAP ボタンを長押しすることで「Beat Scanner」機能を起動し、演奏内容からテンポを自動判別させることもできま
す。詳しくは「Tempo」の章も併せてご参照ください。

 Early Diffusion:アーリー・ディフュージョン

「Early Diffusion」を右に回すと初期反射音がより拡散します。つまり部屋の中により多くの反射壁が存在し、音が乱反射
するような状態になります。逆に「Early Diffusion」の値を減らすと反射壁が少なくなり、より単純な反響になるため、初
期反射音が明確に聞こえ、より自然な部屋の響きに近づくでしょう。このような設定では、時間の経過とともに残響音の
密度が高くなります。

「Room Size」にはもうひとつの応用法があります。「Early Diffusion」が低めに設定された状態では、「Room Size」の


値が反射壁までの距離を表すと言えます。「Early Diffusion」が最大値になっている場合は、「Room Size」によって残響
音のアタックが減衰する速度が変化します。

✓「Early Diffusion」と「Room Size」の相互作用は、「Predekay」を一旦長めに設定し、ドライ音と残響音を分離す


ることでより確認しやすくなるでしょう。

 High Cut:ハイ・カット

「High Cut」は、残響音の高域をなめらかにカットするフィルターです。ノブを左に回すほどカットされる帯域が広くな
ります。
バージョン 5.7 で追加/改善された機能 121

 High Decay:ハイ・ディケイ

残響音の高音域成分の減衰を設定します。部屋やホールの自然な残響においては、残響音全体に比べ高音域の方が速く減
衰します。「High Cut」が残響音全体の高音域をカットするのに対し、「High Decay」は時間の経過とともに残響音の高
音域が徐々に失われて行きます。「High Cut」と「High Decay」を組み合わせることで、より自然な残響音を再現できる
でしょう。

 Low Decay:ロー・ディケイ

「Low Decay」は、残響音の低音域の減衰をコントロールします。「Low Decay」を0に設定すると、残響音の低音域は


「Decay Time」の設定に従って自然に減衰します。このような残響音はアコースティック・ギターのソロ演奏やクラシッ
ク・オーケストラの中での演奏に適しているでしょう。

しかしながらドラムスやベースなどとのアンサンブルの中では、残響音の低音域成分が邪魔になってしまうことがありま
す。その場合は「Low Decay」の値を上げることで残響音の低音域を早めに減衰させることで、残響音全体ががスッキリ
と収まるでしょう。

 「Low Decay」と「High Decay」の組み合わせ

「Low Decay」と「High Decay」は、自然に発生する残響音の再現には必要の無い範囲までカバーしています。例えば


「Low Decay」を9時の位置以上に設定し、「High Decay」をその逆の3時の位置に設定すると、低音域と高音域の両方
が素早く減衰し、非常に狭いレンジの残響音だけが残るという状態になります。この状態で「Decay Time」を長く延ばす
と、この特殊な共鳴音が幻想的な雰囲気を醸し出すでしょう。

 Mid Frequency:ミッド・フリケンシー

「Mid Frequency」の設定により、「Low Decay」「High Decay」が減衰させる帯域にオフセットがかかります。結果とし


て「Low Decay」「High Decay」を極端に設定した場合の共鳴音をコントロールすることができます。
バージョン 5.7 で追加/改善された機能 122

 Low Boost:ロー・ブースト

「Low Boost」を有効にすると「Low Damp」コントロールの名称が「Low Multiplier」に変わり、低音域を抑えるのではな


く、残響音全体よりも長く持続させます。これは容積が大きな部屋やコンサートホールの残響特性を再現する際に有効で
す。「Low Multiplier」が伸張度合いを決定します。

「Low Boost」と「Low Multiplier」は非常に長く持続する残響音を作り出します。アコースティック・ギターのソロ演奏な


どに効果的に使用することができるでしょう。逆に重厚なアンサンブルにおいては、残響音の低音域を抑えることで、ク
リアで透明感のあるミックスを実現することができるでしょう。

 Modulation:モジュレーション

デジタル・リバーブは多数のディレイによって成り立っています。「Modulation」パラメータの値を上げと、それらのデ
ィレイ音をランダムに変調することができます。これにより残響音が非常にきらびやかで人工的なサウンドになります。
自然なリバーブが必要な場合は「Modulation」を0にしてください。但しその場合もリバーブ音は僅かに変調されていま
す。これにより自然な空気の振動をシミュレートしているのです。

 Input Swell:インプット・スウェル

「Input Swell」は、リバーブ音を作り出すための信号入力のレベルをゆっくりと立ち上げる働きをします。これによりリ
バーブ音の立ち上がりがなめらかになります。例えば小さな値では、ピッキングのアタックから発生するリバーブ音が抑
えられるため、楽器のダイレクト音が残響音に埋もれることなくクリアに聞こえます。「Input Swell」を上げると、リバ
ーブ音がシンセパッドのようなサウンドになります。

Easy Reverb:イージー・リバーブ

「Easy Reverb」は「Natural Reverb」をベースにしていますが、パラメータの数を最小限に抑え、判りやすく手軽に使え


るようにしたリバーブです。
バージョン 5.7 で追加/改善された機能 123

 Decay Time:ディケイ・タイム

「Easy Reverb」においては、「Decay Time」の設定値に応じてルーム・サイズやプリディレイが自動的にコントロール


されるようになっています。リバーブを作る上での自由度は制限されますが、1つのパラメータ設定によってバランスの
取れたリバーブを簡単に作ることができます。

Echo Reverb:エコー・リバーブ

「Echo Reverb」はディレイとリバーブを複合したエフェクトです。具体的に言うと、「Natural Reverb」のプリディレイ


にフィードバックを加え、残響音をリズミックに繰り返すことを可能にしたものです。通常のディレイの繰り返しが非常
にハッキリとしているのに対し、「Echo Reverb」の繰り返しは非常に拡散的なので、幻想的な効果が得られます。

「Echo Reverb」と「Natural Reverb」の相違点は以下の3点です:

• 「Predelay Feedback」が追加されており、値を高くするほど繰り返し回数が増えます。

• 「Predelay」の最大値が 2000ms まで拡張されています。但しリズミックなエコーは、「To Tempo」を有効にして演奏の


リズムに同期させる方が効果的でしょう。

• 「Room Size」パラメータがありません。「Room Size」は Echo Reverb に最も適する小さな部屋、即ち最小値に固定さ


れています。

プロファイラーでは以下の2つの方法で「Echo Reverb」と同じような効果を得ることができます:

• 多くのディレイに装備されている「Smear」というパラメータの値を上げると、ディレイ音にリバーブを加えることがで
きます。但しこのパラメータで付加できるリバーブは、「Echo Reverb」に比べ短い残響音に限られます。

• DLY モジュールと REV モジュールにアサインしたディレイとリバーブの信号経路を「DLY+Reverb」パラメータでコント

ロールすることでも「Echo Reverb」と同じような効果が得られます。この方法によれば、ディレイ音の広がりを細かく設
定することができます。詳しくは「DLY」と「Reverb」の章をご参照ください。
バージョン 5.7 で追加/改善された機能 124

Cirrus Reverb:スィアラス・リバーブ

「Cirrus Reverb」は、自然な残響音の後にスタートします。ゆったりと始まる長く幻想的なサウンドが特徴です。そのた
め「Predelay」パラメータはありません。残響音の変化のパターンは「Natural Reverb」とは異なり、時間軸にそった動き
ではなく固定しています。「Cirrus Reverb」独特の動きをするパラメータは以下のもののみで、それ以外は既に説明済み
のものと同じ内容です:

 Attack Time:アタック・タイム

残響音の出だしのスピードをコントロールします。最大値は4秒です。

物理的特性により、「Decay Time」は「Attack Time」に依存します。「Decay Time」を「Attack Time」より短く設定し


ても、リバーブが立ち上がる前に減衰することはありません。

DLY and REV Modules:DLY、REV モジュール

シグナル・フローの最後にある DLY モジュールと REV モジュールは特別な機能を備えています。もちろんこれらのモジ


ュールにもディレイやリバーブ以外のどんなエフェクトをアサインすることができますが、ディレイとリバーブをアサイ
ンした時に有効になる特別な機能があるのです:

フロントパネルの専用ノブ(Mix と Feedback/ Decay)が使えることはもちろんですが、その他にも以下のような機能が使


えます:

• ディレイ、リバーブのモジュールには「Spillover」機能が用意されています。つまりディレイやリバーブのエフェクト音を
切らずにリグを切り替えることができる機能です。

• ディレイ、リバーブのウェットのみ、即ちエフェクト音のみをアナログまたはデジタル・アウトプットから出力すること
ができます。いわゆる「wet-dry-wet」の出力セットアップが可能です。

「wet-dry-wet」については「Output Source」の章を誤算小雨ださい。
バージョン 5.7 で追加/改善された機能 125

 DLY+REV Routing:DLY+REV ルーティング(RIG パラメータ「Rig Settings」)

「DLY+REV Routing」も、DLY モジュールと REV モジュールだけの特別な機能です。RIG パタメータ「Rig Settings」の


中にあり、DLY モジュールと REV モジュールにアサインされたエフェクトの信号の流れを連続可変パラメータでコントロ
ールします。以下 DLY モジュールにディレイ、REV モジュールにリバーブをアサインしているという前提でご説明しま
す。

センターの位置では、ディレイとリバーブがシリアルに接続された状態、つまりディレイの後にリバーブが接続されたシ
ンプルなセッティングになります。

シンプルなシグナルフロー
バージョン 5.7 で追加/改善された機能 126

「DLY+REV Routing 」を左に回すとディレイのエフェクト音(wet)にはリバーブがかからなくなります。左に回しきる


と、ディレイとリバーブが完全にパラレル接続された状態になり、ドライ音に対する自然な残響と残響音の無いディレイ
音が両立します。

パラレル接続
バージョン 5.7 で追加/改善された機能 127

「DLY+REV Routing」を右に回すと、ディレイ音(wet)には継続してリバーブがかかりますが、ドライ音にはリバーブ
がかからなくなり始めます。これにより最初のディレイ音まではリバーブ音が無いという状況になりますので、楽器音そ
のもの音がより明確に聞こえるようになるでしょう

ディレイ音にのみリバーブがかかる接続

✓このセッティングでは、リバーブ自体の「Predelay」を0にしておくことをお勧めします。リバーブの
「Predelay」により、ディレイ音の残響が始まるまでにさらに間が空くということにるからです。

DLY モジュールと REV モジュールに、ディレイやリバーブ以外のエフェクトをアサインした場合を考えてみましょう。例


えば DLY モジュールにはコーラス、REV モジュールにはディレイをアサインした場合はどうでしょう。「DLY+REV
Routing」がセンターの場合は、シンプルにコーラスとディレイが直列に並んだ状態になります。
バージョン 5.7 で追加/改善された機能 128

「DLY+REV Routing」を左に回すと、コーラスがかかったサウンドにはディレイがかからなくなり、コーラスがかかる前
のサウンドがディレイによって繰り返されます。

「DLY+REV Routing」右に回すとコーラスがかかったサウンドがディレイによって繰り返され、右いっぱいに回すと、完
全なドライ音とコーラスがかかったディレイということになります。

他にも様々な組み合わせが考えられます。DLY モジュールにリバーブ、REV モジュールにフェイザーを組み合わせて


「DLY+REV Routing」を左に回すと、フェイザーがかかったドライ音とフェイザーがかかっていない残響音が得られま
す。もちろん右に回すと残響音のみがフェイザーのかかったサウンドになります。

Space : スペース (緑)

「Space」エフェクトは、アウトプット・メニューにあるグローバル・パラメータの「Space」と同じもので、小さな部屋
のナチュラルな響きを付加します。このエフェクトによる、冗長すぎず、拡散する感じのある響きは、モノラル信号にも
広がりとステレオ感と醸し出します。ディレイやリバーブと併用することも可能で、必要以上に大げさな響きを付けなく
ても良くなるメリットがあります。

「Space」アルゴリズムは、ごく小さな部屋の響きを付加するように設計されていますので、細かい設定パラメーターはあ
りません。「Intensity」によって効果の強さをコントロールするのみです。

Legacy Reverb:レガシー・リバーブ

「Legacy Reverb」は、プロファイラーに最初に搭載されたリバーブのアルゴリズムがベースになっています。OS 6.0 よ


り以前のファームウェアで作成されたリグの互換性を保つ目的で搭載されています。

新しいリグやリバーブ・エフェクトを作成する場合は、「Legacy Reverb」以外の新しいリバーブ・タイプを選択してくだ
さい。
バージョン 5.5 で追加/改善された機能 129

バージョン 5.5 で追加/改善された機能


Version 5.5 は、プロファイラーの OS 最新バージョンです。ケンパーのホームページからダウンロードして下さい:
www.kemper-amps.com

S/PDIF サンプリング・レートの選択が可能になりました
これまでは 44/1kHz 固定でしたが、48kHz、88.2kHz、96kHz が選択可能になりました。ご使用の DAW のプロジェクトに
合わせて選択してください。但しプロファイラーはマスターとしての動作のみ対応です。プロファイラーをスレーブにす
ることはできません。

「Transpose」が Rig Settings にも加わりました


エフェクトの「Transpose」と同じデジタル・カポタストです。この Rig Settings のパラメータを利用すると、エフェク
ト・モジュールを一つ節約することができます。
バージョン 5.5 で追加/改善された機能 130

「MONITOR OUTPUT」のステレオ出力が可能になりました
「Monitor Output Stereo」を有効にすると、「MONITOR OUTPUT」と「Direct Output」がステレオ・ペアの出力になりま
す。「MONITOR OUTPUT」に関する設定:「Monitor Output Source」「 Monitor Output Volume」「Monitor Output
Link」「Monitor Cab. Off」「Monitor Output EQ, Aux In > Monitor」は自動的に両方のアウトプットに作用することになり
ます。

「Monitor Cab Off」はステレオ出力時も機能しますので、外部パワーアンプを使用することでギターキャビネットをステ


レオでドライブすることも可能です。

外部パワーアンプを使用してギターキャビネットをステレオでドライブする例
バージョン 5.5 で追加/改善された機能 131

本体やリモートによる操作を MIDI 送信する機能が追加されました


「System Settings」に追加された「UI to MIDI」を有効にすると、プロファイラー本体や接続されたリモートの操作による
パラメータの変化が MIDI で送出されます。これにより、例えば1台目のプロファイラー及びそれに直接接続されたリモー
トの操作により、2台目のプロファイラーにも1台目と同じ動作をさせることが可能になります。

この場合の MIDI 信号は、受信チャンネルとして設定されたチャンネルつまり「MIDI Global Channel」で送信されます。


「MIDI Global Channel」が「Omni」に設定されている場合は MIDI チャンネル=1で送信されます。

✓「UI to MIDI」機能とパフォーマンス・モードの MIDI 送信機能や 4 種類のペダルコントローラーを同時に使用する


場合は、それぞれに別の MIDI チャンネルと MIDI ポートを割り当ててください。例えば「UI to MIDI」を MIDI チャ
ンネル1で使用するならば、プロファイラーから外部 MIDI 機器への送信には MIDI チャンネル2や3を割り当てて
ください。
バージョン 5.1 で追加/改善された機能 132

バージョン 5.1 で追加/改善された機能


Version 5.1 は、プロファイラーの OS 最新バージョンです。ケンパーのホームページからダウンロードして下さい:
www.kemper-amps.com

Pitch Shifter Delay:ピッチシフター・ディレイ (黄緑)


ディレイと4種類の異なるタイプのピッチシフターを組み合わせたエフェクト・アルゴリズムです。

Chromatic Type:クロマチック・タイプ

クロマチック・ピッチシフターが、ディレイのインプットに配置されています。ピッチシフトの設定は半音階で、和音の
演奏も可能です。クロマチック・ピッチシフターについては、Chromatic Pitch の章も参照してください。

Harmonic Type:ハーモニック・タイプ

ハーモニック・ピッチシフターがディレイのインプットに配置されています。選択されたキーとスケールに応じてピッチ
シフト音を生成します。このタイプは単音にのみ対応です。詳しくは Harmonic Pitch の章を参照してください。

✓クロマチック、ハーモニックの両タイプともに、より自然なピッチシフト音を実現する「Formant Shift」スイッチ
を備えていますが、この機能は、単音に対してのみ好ましい結果が得られます。
バージョン 5.1 で追加/改善された機能 133

Loop Pitch Type:ループ・ピッチ・タイプ

クロマチック・ピッチシフターが、ディレイのフィードバック・ループに配置されていて、繰り返しのたびにピッチの変
化が積み重なって行きます。

Crystal Type:クリスタル・タイプ

クリスタル・タイプはリバース・ディレイの一種で、ディレイ音が早くなったり遅くなったりします。フィードバック・
ループに配置されていて、繰り返しのたびにピッチの変化が積み重なって行きます。シフト幅を1オクターブ(+12)や5
度(+7)に設定すると、非常に面白い効果が得られます。「Smear」や「Swell」、「Flutter」といったパラメータとの組
み合わせによって、ふわっとした空間的な広がりをもったディレイ、またはリバーブに近い効果が得られるでしょう。
バージョン 5.1 で追加/改善された機能 134

Crystal Delay:クリスタル・ディレイ

クリスタル・ディレイは、フィードバック・ループに「Crystal」を配置した2タップ・ディレイです。

Crystal Delay
バージョン 5.1 で追加/改善された機能 135

Loop Pitch Delay:ループ・ピッチ・ディレイ

フィードバック・ループにクロマチック・ピッチシフターを配置した2タップ・ディレイです。

Loop Pitch Delay


バージョン 5.1 で追加/改善された機能 136

Frequency Shifter Delay:フリケンシーシフター・ディレイ

フリケンシーシフター・ディレイには、オーソドックスなピッチシフターの代わりにフリケンシーシフターが配置されて
います。不調和なピッチにシフトされたディレイ音が繰り返される、まさに Lo-Fi エフェクトです。

Frequency Shifter Delay


バージョン 5.1 で追加/改善された機能 137

Dual Chromatic Delay & Dual Harmonic Delay:デュアル・クロマチック・ディレ


イとデュアル・ハーモニック・ディレイ

デュアル・ディレイのそれぞれのインプットに個別のピッチシフターが配置されているのがデュアル・クロマチック・デ
ィレイとデュアル・ハーモニック・ディレイです。ディレイ音を2声のハーモニーを構成し、繰り返すことができます。
2つのピッチシフターのシフト量を同じ値にすれば、1声のピッチシフター・ディレイになります。

Dual Chromatic Delay and Dual Harmonic Delay


バージョン 5.1 で追加/改善された機能 138

Dual Cystal Delay:デュアル・クリスタル・ディレイ

デュアル・ディレイのそれぞれのインプットに「Crystal」が配置されているのがデュアル・クリスタル・ディレイです。
ディレイ音を2つの異なるピッチにシフトし、それぞれをクロス・フィードバックすることが可能です。

Dual Crystal Delay


バージョン 5.1 で追加/改善された機能 139

Dual Loop Pitch Delay:デュアル・ループ・ピッチ・ディレイ

ディアル・ディレイのそれぞれのフィードバック・ループに個別のピッチシフターが配置されているのがデュアル・ルー
プ・ピッチ・ディレイです。デュアル・クリスタル・ディレイと似たアルゴリズムですが、クリスタルよりもディレイ音
の存在感があります。

Dual Loop Pitch Delay


バージョン 5.1 で追加/改善された機能 140

Melody Delay:メロディ・ディレイ

4つのピッチシフターを装備したリズム・ディレイと言えるのがメロディ・ディレイです。リズミックなディレイ音にピ
ッチの変化を加え、メロディーにすることができます。単音を演奏するたびに4つの異なるピッチのディレイ音が順に発
音され、アルペジオ演奏のようになるという設定も可能です。

✓「Formant Shift」を有効にすると、メロディ・ディレイによるアルペジオがより自然な響きになります。

Melody Chromatic Delay and Melody Harmonic Delay


バージョン 5.1 で追加/改善された機能 141

Quad Chromatic Delay & Quad Harmonic Delay:クワッド・クロマチック・ディ


レイとクワッド・ハーモニック・ディレイ

これらは、4つのディレイラインのインプットそれぞれに、4つのピッチシフターを装備しています。つまりデュアル・
クロマチック/ハーモニック・ディレイを2つ重ねたもの。ピッチの異なるディレイ音が、リバーブのように乱反射する
ようなサウンドになります。

Quad Chromatic Delay and Quad Harmonic Delay


バージョン 5.0 で追加/改善された機能 142

バージョン 5.0 で追加/改善された機能


Version 5.0 は、プロファイラーの OS 最新バージョンです。ケンパーのホームページからダウンロードして下さい:
www.kemper-amps.com

新しいディレイ・タイプが追加されました。
ディレイは、プロファイラーの中でも最も多様なタイプが揃いました。以前のディレイをご存知であれば、そのコンセプ
トが少し違っていることに気付くでしょう。例えばリバース・ディレイやテープ・エコー、ダッキング・ディレイといっ
たタイプがありません。我々は、どのようなディレイ・タイプにも適応できる機能を別々のタイプに分けて切り離してし
まうのは得策ではないと考えました。そこでこれらの機能を全てのディレイ・タイプに装備することにしたのです。これ
により、デュアルのリバース・ディレイやアナログのような音質のシリアル・ディレイ、ダッキングのできるメロディ・
ディレイなども可能となりました。

テープ・エコーの様なサウンドは、各ディレイ・タイプに装備されている高品位なフィルター「Low Cut」「High Cut」


や、ワウフラッターを再現するパラメータ「Flutter Intensity」や「Flutter Shape」で緻密に作り込むことが可能です。また
ほとんどのタイプに装備されている「Grit」パラメー タは、テープ特有のサチュレーションを再現します。これらのパラ
メータを控えめに設定すれば、テープ・エコーに続いて出現したアナログ BBD によるディレイのサウンドに近づくでしょ
う。全てタイプでこのようなキャラクターのディレイを再現し、さらにリバース・ディレイ追加することまでもが可能で
す。

多くのディレイ・タイプには、「Swell」や「Smear」、「Cross Feedback」といったパラメータを装備しています。それ
ぞれ、もしくはこれらの組み合わせによって、よりスムーズなディレイやリズミカルなディレイを作り出すことで、リバ
ーブに近い空間を醸し出すことが可能です。

結果として、どのディレイ・タイプも非常にたくさんのパラメータを備えているということになりますが、心配は無用で
す。「Wow & Flutter」以外の全てのパラメータは一つのコントロールで、とても簡単に扱えます。例えばバリューを0に
すれば、その機能はオフと同じ扱いになると行った具合に。
バージョン 5.0 で追加/改善された機能 143

エフェクト・モジュールを選び、TYPE ノブの代わりに BROWSE ノブを回せば、ナイスなプリセットが選択できます。好


みや目的に近いプリセットからエディットを始めれば、より早くゴールに着けるでしょう。

他のエフェクトと同じ様に TYPE ノブを回すと、さまざまなディレイ・タイプが選べます。プリセットを選ぶ BROWSE


ノブに対し、TYPE ノブではエフェクトのアルゴリズムが選択されます。同じカテゴリーのタイプに切り替えると、共通の
パラメータは同じ値が新しいタイプ上でも保持されます。例えば同じディレイ・タイムやフードバック量のまま、次々に
違うタイプのディレイを試すことができるのです。

ディレイは DELAY モジュールだけではなく、他のモジュールにも配置することができます。複数のディレイを別々のモジ


ュールに配置して切り替えたり、同時に使用して複雑なディレイ・サウンドを創り出すことも可能です。

ディレイの配置は自由ですが、DELAY モジュールにディレイを配置するメリットもあります:

• DELAY モジュールに配置されたディレイのディレイ音(とリバーブ音)は、リグを切り替えた後も切れずに残ります。

• DELAY モジュールに配置されたディレイのディレイ音(とリバーブ音)は、OUTPUT SOURCE を「Del/Rev Wet」にす


ることよって、ダイレクト音と切り離して出力することが可能です。

• フロント・パネルの DELAY FEEDBACK と MIX ノブは、DELAY モジュールに配置したディレイに対してのみ機能しま

す。

各ディレイ・タイプを詳しく説明する前に、ほとんどのタイプが共通に備えているパラメータを説明しましょう:

 Delay Mix:ディレイ音とドライ音のミックス・バランス

ディレイ音のレベルをコントロールします。センターの位置の時、ディレイ音とドライ音のレベルが等しくなります。セ
ンターより右に回すとドライ音のレベルが下がりはじめ、右に回しきって 100% (wet) にするとディレイ音のみが出力され
ます。

✓DELAY モジュールに配置したディレイの「Delay Mix」は、フロント・パネルの DEALY MIX ノブでもコントロー


ルすることができます。
バージョン 5.0 で追加/改善された機能 144

 Mix Location Pre/Post:ディレイ音のミックス位置(プリ/ポスト)

「Delay Mix」をディレイ・エフェクトの直前(Pre)でコントロールするか、直後(Post)にするかを選択します。通常
はどちらを選択しても大きな違いが現れませんが、「Delay Mix」の値をモーフィング機能でコントロールする場合などに
は違いが明確になります。

「Post」に設定すると、「Delay Mix」によってディレイ音の出力レベルがコントロールされるので、ディレイのテイルに
素早く反応が現れます。「Pre」の場合はディレイ・エフェクトへの入力レベルがコントロールされるので、変化の現れ方
がソフトになります。

✓後に説明する「Grit」や無限の「Feedback」による効果も、Mix の位置による差が現れます。
 Low Cut & High Cut:ローカット/ハイカット・フィルター

フィードバックにより繰り返されるディレイ音の音質を決定します。リピートが進むにつれ、さらにカットされてゆきま
す。「Low Cut」を最小値、「High Cut」を最大値に設定すると、全くフィルターがかからない状態になります。

「High Cut」を最大値から下げるにつれ、繰り返し毎に抑えられる高域の範囲が下がり、よりやわらかいサウンドになり
ます。

「Low Cut」を最小値から上げると、繰り返しのたびに低域がカットされてゆきます。ディレイ音がよりシャープになりま
す。最小値から9時の位置くらいまでの範囲では、「High Cut」のレゾナンスをコントロールする効果があります。

この二つのパラメータの組み合わせにより、テープ・エコーやアナログ・ディレイのような暖かみのあるサウンドが再現
できるでしょう。

例えば「High Cut」を 2000Hz にセットし、「Low Cut」を最小値から少しづつ上げると、ほんの少し上げるだけでもテー


プ・エコー特有のピークを持ったディレイ音になることに気づくでしょう。「Low Cut」の設定値を「High Cut」の値に近
づけると、バンドパス・フィルターのようになります。但し「Low Cut」を高い周波数にセットしても、実際の信号処理上
は「High Cut」の設定値を越えることはありません。
バージョン 5.0 で追加/改善された機能 145

 Cut More:より強くカットする

「Low Cut」「High Cut」による減衰が物足りないと感じたり、ロング・ディレイの音質をより急峻に変化させたいという


場合は、「Cut More」ボタンを押すことで減衰効果を倍増することができます。

 To Tempo:ディレイ・タイムをテンポに同期させる

ディレイ・タイムは時間(1/1000 秒単位)または音価で設定します。「To Tempo」ボタンをオンにすると、ディレイ・タ


イムは音価による設定になり、実際の遅延時間はテンポの設定に依存します。

 Delay Time & Delay Ratio:ディレイ・タイムとディレイ・レシオ

「To Tempo」がオフの場合、ディレイ・タイムは 1/1000 秒単位(ms)で設定される実時間になります。ディレイ・タイ


ムの最大値は 2000 ms です。ノブでディレイ・タイムの値を変えると、テープの走行スピードを変えてディレイ・タイム
を設定するテープ・エコーと同じように、ディレイ音のピッチが連続的に変化することに気づくでしょう。

ディレイ・タイプの一部には「Delay Ratio」というパラメータがあります。マルチタップのディレイなどで、各タップの
遅延時間を「Delay Time」の設定値に対する比率、すなわち何割(%)の時間に設定するかというパラメータです。ベー
スになるディレイ・タイムを変えるだけで、各タップの遅延もこの「Delay Ratio」の設定値に応じて変化するので便利で
す。これにより、例えばリズミックなマルチタップ・ディレイの場合も、パターンを保持したままディレイ・タイムを変
えることができるのです。

 Note Value:音価によるディレイ・タイム設定

「To Tempo」ボタンをオンにすると、「Delay Time」「Delay Ratio」の設定値が音価になり、実際の時間はプロファイラ


ーで設定されているテンポによって決定されることになります。

テンポは TAP ボタンをタップすることによって設定することもできます。TAP ボタンを長押しすると「Beat Scanner:ビ


ート・スキャナー」が起動し、ギターの演奏からテンポを自動設定することも可能です。詳しくは「Tempo:テンポ」の
章をご参照ください。

音価の設定値を変えてもピッチの連続変化などは起こらず、スムーズに移行します。
バージョン 5.0 で追加/改善された機能 146

 Feedback:フィードバック

「Feedback」は、ディレイのリピート回数を決定するパラメータです。0にするとディレイ音は聞こえなくなります。
「Feedback」の値を上げるにしたがってリピート回数が増え、センターの位置(100%)にすると永遠に繰り返されま
す。

✓DELAY モジュールに配置されたディレイの「Feedback」は、フロントパネルの DELAY FEEDBACK ノブで直接コ


ントロールすることも可能です。「Feedback」設定画面には「Hold」ボタンと「Infinity」ボタンがあります。これ
らのボタンは、リモートのエフェクト・ボタン I〜IIII にアサインすることができ、オンと同時にディレイをホール
ドしたり、永遠にリピートさせるといったことが可能になります。STOMP や EFFECTS のオン/オフと同じく、
リモートのボタンを踏みながら「Hold」または「Infinity」ボタンを押すことでアサインすることができます。同じ
操作を繰り返すとアサインが解除されます。

 Hold:ディレイ音をホールドする

「Hold」をオンにすると、その時点で繰り返されているディレイ音のリピートが永遠に続きます。レベルが減衰したり音
質が変化したりすることがなく繰り返されます。オンによってディレイのインプットが閉じられ、以降の演奏にはディレ
イがかかりません。つまり「Hold」によって繰り返されるサウンドにあわせて、メロディなどの演奏ができるということ
になります。
バージョン 5.0 で追加/改善された機能 147

 Infinity:永遠にリピートさせる

「Infinity」をオンにすると「Feedback」パラメータが「Infinity Feedback」に変わり、設定値の範囲が 100%〜200%にな


ります。同時に本来の「Feedback」の値とは独立した設定となります。「Infinity」用の「Feedback」が適用されると、デ
ィレイ音は従来のようにが減衰するのでは無く、リピートを重ねるにつれてレベルが加算されるため、テープ特有のサチ
ュレーションと同様の効果が現れ、音質が劣化してゆきます。ここで「High Cut」「Low Cut」をうまく設定することによ
り、暖かみのある心地よいディレイ音を得ることができるでしょう。さらに「Mix」を Post に設定することで、サチュレ
ーションの効果を実現しつつ、ディレイ音のレベルをコントロールすることが可能になります。

レベルの増減や音質の変化無しにリピートする「Hold」に対し、「Infinity」はリピートの進行ともにレベルが上がり、リ
ピートされるディレイ音相互に変調が起こります。

「Hold」と「Infinity」のオン/オフは、リモートのエフェクト・ボタン I〜IIII にアサインすることが可能です。エフェク


ト・ボタンを踏みながら「Hold」または「Infinity」ボタンを押してください。

同様に、リモートや本体の PEDAL ジャックに接続したフット・スイッチで「Hold」や「Infinity」をオン/オフすることも


可能です。

 Cross Feedback:クロス・フードバック

「Dual Delay」や「Quad Delay」といったディレイ・タイプには「Cross Feedback」パラメータが用意されています。0


以外の値に設定すると、「Dual Delay」や「Quad Delay」に内包されている複数のディレイ・ラインそれぞれが、元のラ
インに信号をフィードバックすると同時に他のディレイ・ラインにもフィードします。これにより、より拡散するような
イメージのリズミックなディレイを作り出すことができます。「Cross Feedback」のレベルを上げても、全体的なフィー
ドバック量が変わってしまうことが無いよう、自動的に調整されます。そのため、「Feedback」をある程度の値にしてお
かないと、「Cross Feedback」の効果が現れません。また「Delay Ratio」が1:1や2:1に設定されていると、スムー
ズな拡散効果が得られません。奇数比に設定することでより良い結果が得られるでしょう。

 Reverse Mix:リバース・ミックス

ノブを右に回しきって最大値にすると、ディレイ音が逆方向に再生されます。中間の値では通常のディレイ音と逆方向再
生のディレイ音のミックスになります。
バージョン 5.0 で追加/改善された機能 148

 Swell:スウェル(ディレイ音の立ち上がりを抑える)

ディレイ・ラインのインプットのレベルが少しづつ大きくなります。スローアタックになることでアタックのピークが抑
えられるため、スムーズなディレイになります。大きめの値にするとパッドのようなサウンドになるでしょう。

 Smear:スミア(ディレイ音を僅かにぼかす)

「Smear」は、ディレイ音にわずかな残響を加えます。残響はリピートが進むにつれて強くなってゆきます。ピッキング
によるアタックが拡散し、リバーブのような振る舞いになります。「Swell」と「Smear」は、より空間的広がりを持った
優美なディレイを創り出すのに欠かせないパラメータです。

 Stereo:ステレオ(ディレイ音を拡げる)

他のエフェクトにも備えられているバイ・ポーラーの「Stereo」パラメータと同様の働きをします。ディレイの場合は、
ディレイ音の空間的な広がりを増すことができます。

ディレイの「Stereo」は、ディレイ音を通常のステレオの範囲のさらに外側まで広げる効果があり、かつて無いステレオ
空間を作り出します。左右の出力の中間点、つまりベストなリスニングポジションで聞くと最大の効果が得られます。マ
ルチタップ・ディレイの各ディレイタイムを異なる値に設定すると、さらに効果が増すでしょう。但しこの効果はヘッド
ホンでは確認できません。

• バリューを 100%にすると、ディレイ音が完全に左右に振り分けられます。

• バリューを 0%にするとディレイ音がセンターに集まり、結果としてモノラルになります。

• -100%でもディレイ音が完全に左右に分かれますが、左右が入れ替わります。

• ±100%を越えると、ディレイ音は左右チャンネルのさらに外側に定位し、±200%で広がりが最大になります。

他のエフェクトと同様に、信号処理がモノラルである STOMP セクションに配置されている場合は効果が現れません。


バージョン 5.0 で追加/改善された機能 149

 Grit:グリット(テープ・サチュレーションを再現する)

テープ・エコー独特のサチュレーションとコンプレッションを再現します。小さな値では、不安定な感じがするザラつい
たサウンドになり、大きな値にするとテープ録音のサチュレーションによるコンプレッション効果が明確になってゆきま
す。3時の位置程度に上げると、インプットレベルがブーストされ、歪みが強くなります。「High Cut」「Low Cut」を組
み合わせることで、耳障りの良い歪みにすることができるでしょう。その場合「Cut More」をオンにすることをお勧めし
ます。

一般的な音の歪みと同様に、「Grit」によるザラつきの度合いはインプットレベルに依存します。つまり「Grit」の効き具
合は「Mix Location」の設定によって変わるということです。「Mix Location」を「Pre」に設定すると、「Delay Mix」の
設定によって歪み具合をコントロールすることができます。歪み具合を変えずに、ディレイ音のレベルだけをコントロー
ルしたい場合は、「Mix Location」を「Post」に設定してください。

 Stereo Modulation:ステレオ・モジュレーション

ディレイ・タイムが変調され、暖かみのある、コーラス・エフェクトのようなサウンドになります。各ディレイ・タップ
は、たとえ同じディレイタイムに設定されていても、異なる位相で変調されるため、コーラス・エフェクトの「Air
Chorus」と同じような広がりを創り出します。

✓ステレオ効果を出さずにディレイタイムを変調したい場合は「Flutter」パラメータをお使いください。
 Flutter Intensity & Flutter Shape:フラッター効果の強さとシェイプ

テープ・エコー独特のワウフラッターを再現します。エンドレス・テープに録音と再生を繰り返すことでディレイを作り
出すテープ・エコーでは、機械的な部分に起因するテープ走行速度のムラや、テープが伸びてしまうことなどにより、デ
ィレイ音の音質やピッチがランダムに変化します。「Flutter Shape」は、この変化の全体的なスピードをコントロールし
ます。小さな値にするとワウのような変化が目立ち、高い値ではフラッター効果に近づきます。「Flutter Intensity」は効果
の強さをコントロールします。
バージョン 5.0 で追加/改善された機能 150

Single Delay:シングル・ディレイ

Single Delay は一つのディレイ・ラインで構成されているシンプルなディレイです。モノラルの STOMP セクションに配


置することを想定したディレイです。もちろん STACK セクションの後ろに配置することも可能で、その場合は「Stereo」
パラメータが有効になり、左右の位相をシフトします。つまり左右の同じ信号を再度モノラル・ミックスする場合でも、
位相ずれによるフェイズ感を取り去ることもできるのです。

Dual Delay:デュアル・ディレイ

二つの完全に独立したディレイ・ラインが、左と右のチャンネルに配置されています。「Feedback Sync」をオンにする
と、二つのディレイ・ラインのフィードバックが同期します。この場合は「Feedback 1」の設定が有効になります。フィ
ードバックの同期とは、単にフィードバック量が同じになるということではありません。左右のディレイ・タイムが異な
る場合でも、ディレイ・リピートの減衰時間が同じになるように自動調整されるのです。これによりステレオ効果がより
明確に保持されます。「Cross Feedback」を使うと、より密度の濃い空間を醸し出すことができるでしょう。

TwoTap Delay:2タップ・ディレイ

左右に独立したディレイ・ラインを備えるデュアル・ディレイとは違い、シングル・ディレイをベースにしていますが、
ディレイ音が左右に出力されます。いわゆるピンポン・ディレイに適したディレイ・タイプです。

「To Tempo」ボタンをオンにすると、左右に出力されるディレイ音のディレイ・タイムが音価(Note Value)で設定で


き、ディレイ音のタイミングがテンポに同期します。左右を異なる音価に設定するとピンポン・ディレイになり、同じ音
価にするとモノラルのディレイになります。左チャンネル(Note Value 1)のディレイ音のみがフィードバックされまの
で、「Note Value 1」の音価がディレイ・パターンの長さということになります。例えば「Note Value 2」(右チャンネ
ル)の音価を、「Note Value 1」の半分に設定すると、ディレイ音が同じタイミングで左右を行き来する、いわゆるピンポ
ン・ディレイになります。左右の音価を入れ替えると、左右が入れ替わるだけではなく、ディレイ・パターンも変化する
ことになります。16 分音符を分母に全音符まで任意の音符が選べます。5/16 や 7/16 などの奇数拍子や符点音符にも対応
します。偶数と奇数を組み合わせると、とても複雑なディレイ・パターンを創り出すことができるでしょう。

「To Tempo」をオフにすると、左チャンネル(Delay 1 Time)の設定が 1/1000 秒(ms)単位の時間設定になり、右チャ


ンネル(Delay 2 Ratio)は、左のディレイ・タイムに対する比率(%)で設定します。
バージョン 5.0 で追加/改善された機能 151

Serial TwoTap Delay:シリアル・ディレイ

「Two Tap Delay」の後ろに、もう一組の Two Tap Delay がシリアルで配置されるのが Serial Two Tap Delay です。後ろ
の Two Tap Delay にも、独立したディレイ・タイム「Note Val. Serial」とフィードバック「Feedback Serial」パラメータ
が用意されています。「To Tempo」がオフのとき、ディレイ・タイムの設定はは「Delay Serial Ratio」となり、「Delay
1 Time」の設定値に対するレシオ(%)による設定になります。

✓ディレイ・エフェクトは、複数のモジュールに配置することが可能ですので、この方法でマルチタップ・ディレイ
のシリアル接続を創り出すことも可能です。

Rhythm Delay:リズム・ディレイ

4つの独立したディレイ・タップで、リズミカルなディレイ・パターンを創り出せるディレイ・タイプです。4つのタッ
プは、個別にディレイ・タイムとボリュームや定位が設定できます。ハイパス、ローパス・フィルターを使えば、リズミ
カルなシーケンスが自然に減衰してゆく幻想的なサウンドが創り出せるでしょう。

「Feedback」が0でなければ、4つのディレイ音が必ず繰り返されますので、ディレイ・パターン全体の長さは四番目の
ディレイ・タップ(Delay 4)のディレイ・タイムによって決定されることになります。ディレイ・パターンとしては、こ
の四番目のディレイ・タップがパターンの先頭になるということでもあります。

「To Tempo」がオンの場合は、4つのタップのディレイ・タイムが個別に音価(16 分音符単位)で設定します。「To


Tempo」がオフの場合は、四番目のディレイ:タップ「Delay 4」の設定が 1/1000 秒(ms)単位の時間設定となり、その
他のタップはその時間に対するレシオ(%)で設定します。つまり「Delay 4 Time」の値を変えるだけで、ディレイ・パタ
ーンを保持したまま全体のディレイタイムが調整できるということです。
バージョン 5.0 で追加/改善された機能 152

Quad Delay:クワッド(4タップ)・ディレイ

4つの独立したディレイ・ラインが並列に配置されています。パラメータの構成は「Rhythm Delay」と同じように見えま
すが、働きは大きく異なります。「Feedback」と「Cross Feedback」は、4つのディレイ・ラインに対して共通に働きま
す。「Cross Feedback」の値が0のときは、4つのディレイ・ラインの信号が個別に元のラインにフィードバックされま
す。「Cross Feedback」を 100%にすると、4つのディレイ・ラインの信号が、同時に全てのディレイ・ラインにフィー
ドバックされますので、複雑な反響音となり、リバーブのようなサウンドに近づきます。

Legacy Delay:レガシー・ディレイ

「Legacy Delay」は、プロファイラーのために最初に開発されたディレイ・アルゴリズムを使用しています。これまでシ
ステムで作られたディレイ・エフェクトの設定の互換性を保つために搭載されています。基本構造は「Two Tap Delay」と
同じですが、フィルターがバンドパス・フィルターになっています。新しく搭載された「Two Tap Delay」とその他のディ
レイ・タイプには、より直感的に扱えるローカット/ハイカット・フィルターを搭載しました。これまでのシステムで作
成/保存されたディレイを、さら細かくエディットしたい場合は、一旦そのディレイを含むリグやプリセットを選択した
後、TYPE ノブで「Two Tap Delay」を選択してください。この操作により、各パラメータやディレイの内容を保持したま
ま新しいアルゴリズムに差し替えることができ、「Two Tap Delay」のパラメータ群を使って更新することができます。

全く新しくディレイを設定するという場合は、「Legacy Delay」を選択するのではなく、目的に合った他のディレイ・タ
イプを選択することをお勧めします。
バージョン 4.2 で追加/改善された機能 153

バージョン 4.2 で追加/改善された機能


Version 4.2 は、プロファイラーの OS 最新バージョンです。ケンパーのホームページからダウンロードして下さい:
www.kemper-amps.com

✓バージョンナンバー:4.1 は、開発過程で内部使用されたため、公開用としてはスキップします。

Rig Spillover Off (ディレイ/リバーブのテイルを切る)


[RIG]ボタンを押すと表示される Rig Settings メニューに「Rig Spillover Off」が追加されました。有効にすると、そのリグ
から別のリグに切り替えたとき、DELAY モジュールと REVERB モジュールにアサインされたディレイ/リバーブのウェ
ットが、切り替えと同時にカットされ、後に残らなくなります。

✓他のモジュールにアサインされたディレイのテイルは、常にリグ切り替えと同時にカットされます。

Export Rig to Pool (パフォーマンスのリグを保存する)


パフォーマンス・モードでエディットしたリグをブラウズ・プールに保存する「Export Rig to Pool」は、ユーザーインタ
ーフェイスの改善を目的に、Store Performance ページに移動しました。
バージョン 4.2 で追加/改善された機能 154

Main Output Pad -12 dB (メインアウトのパッド)


メイン・アウトプット(XLR/TS)の出力が大きすぎて、ミキサーやオーディオ I/F などの入力レベルに適合しにくい場
合、つまり「Main Volume」を-12dB 以下に設定せざるを得ないような場合に、メイン・アウトプットの出力を 12dB さげ
ることのできるパッドが追加されました。これにより、「Main Volume」の可変幅が確保されると同時に S/N 比を向上す
ることができます。

Aux In (Aux 入力のレベル)


「Aux In」からの入力信号を、ヘッドホンに出力するレベル設定「Aux In > Headphone」が追加され、MAIN OUTPUT や
MONITOR OUTPUT への出力から独立した設定が可能になりました。

PURE CABINET (ピュア・キャビネット)


Output メニューの「PURE CABINET™」、つまりグローバル・パラメータとしての「PURE CABINET」に加え、
CABINET モジュールにも「PURE CABINET」パラメータが追加され、リグごとに設定を保存することができるようにな
りました。

WahPedal >Volume, WahPedal >Pitch (ペダル共用設定)


ワウ・ペダルを一時的にボリュームやピッチ・ペダルとして使用する設定において、切り替わった瞬間のバリューを予め
設定しておけるようになりました。但し、この設定値を「0」にした場合でも、ミニマム・ボリュームが「0」以外に設定
されている場合は、その値になります。

これにより、一旦トゥ・ポジション(WahPedal >Volume の場合)やヒール・ポジション(WahPedal >Pitch の場合)に


することでバリューを「引っ掛ける」必要が無くなり、ボリューム・ペダルに切り替わった直後は、予め設定されたバリ
ュー値から動き始めます。
バージョン 4.2 で追加/改善された機能 155

Mix: Pre/Post in Effect Loops (エフェクト・ループのミックスレベル)


エフェクトの Loop Mono と Loop Stereo に「Mix: Pre/Post」パラメータが追加され、「Mix」をセンド(Pre)レベルとす
るか、リターン(Post)レベルとするかの選択ができるようになりました。「Pre」設定を使うことで、外部エフェクトの
スピルオーバーを得ることが可能になります。センド/リターンにディレイやリバーブを接続し、STOMP または
EFFECTS モジュールに Loop Mono または Loop Stereo をアサインし、「Pre」を選択した上で「Mix」のバリューを「0」
にしておきます。「Mix」が「0」以外に設定されたリグ、つまり外部ディレイ/リバーブを使用するリグから、このリグ
に切り替えたとき、ディレイ/リバーブはかからなくなりますが、先のリグで既に生成されたディレイやリバーブのテイ
ルは残ります(スピルオーバー)。但し、このような効果を使用する必要がない場合は、初期設定である「Post」を選択
する方が、S/N 比の面ではベターでしょう。

Tuner@Volume 0 (チューナーへの自動切り替えをキャンセルする)
ボリューム・ペダルをヒール・ポジションにすると自動的にチューナーが起動する機能をキャンセルすることができるよ
うになりました。これまでのように「Volume Pedal Range」を-4.9 にセットしておく必要はなくなります。

Tuner Mute Signal (チューナー時のミュート)


チューナーモードのオプション「Mute Signal」が、アウトプットソース:「Git+Processing」と「Git Studio」に対しても
作用するようになりました。

Looper Volume (ルーパーの再生音量)


ルーパーで録音した内容の再生音量を、最大 12dB まで下げることができるようになりました。
バージョン 4.0 で追加/改善された機能 156

バージョン 4.0 で追加/改善された機能


Version 4.0 は、プロファイラーの OS 最新バージョンです。ケンパーのホームページからダウンロードして下さい:
www.kemper-amps.com

モーフィング機能「Morphing」
「Morphing」は、複数のリグ・パラメータを同時に変化させることで新しいサウンドを作り出す強力なツールです。エク
スプレッション・ペダルやボタンでトリガーし、ひとつの同じリグを全く違ったサウンドに向かって連続的に変化させる
ことを可能にします。例えばリズム用のトーンから、様々な要素をブーストしたリード用のトーンへ切れ目無くモーフィ
ングするというように。「Morphing」は、ブラウザー・モードでもパフォーマンス・モードでも使用できます。リグに含
まれる全ての連続可変パラメータを対象にすることが可能です。

効果の内容は非常に複雑ですが、セットアップはとても簡単です。リモートをご使用であれば、ほんの数カ所エディット
するだけ使用できます。リモートが無い場合でも、プロファイラーに直接接続したフット・スイッチ(モーメンタリー)
やエクスプレッション・ペダルで、「Morphing」をトリガーすることが可能です。

ではまずリモートを使ったセットアップからご説明しましょう:

ブラウズ、パフォーマンス、いずれのモードでも、REMOTE のリグ・ボタン(1〜5)で、まだ「Morphing」がセットされて
いないリグを選択すると、踏んだボタンの上にある 2 つの LED のうち下の段の LED が点灯します。この状態は、その際
のサウンドが「Morphing」前の「ベースとなるリグ」のサウンドであることを表します。もう一度同じボタンを踏むと上
の段の LED が点灯すると同時に下の段の LED が暗くなります。加えて LCD ディスプレイの上部に水平の作業バーが現
れ、左から右に移動します。これは「Morphing」後のサウンドに移行したことを示します。以降リグ・ボタンを踏むたび
に LED の点灯状態が入れ替わり、同時に作業バーが左右に動きます。

では「Morphing」をセットしてみましょう:先にご説明した要領で上の段の LED が点灯している状態にし、GAIN ノブで


ゲインを大きく上げてみましょう。ここでもう一度 RIG ボタンを踏むと、ゲインが自動的に元の設定に戻ることが確認で
きるでしょう。以降ボタンを踏むたびにゲインの値が自動的に行ったり来たりします。
バージョン 4.0 で追加/改善された機能 157

この操作では、たった一つのパラメータ、即ちゲインのみが「Morphing」しているだけですが、同じ要領で他のパラメー
タをセットすれば、ゲインと同時にそれらのパラメータも「Morphing」させることができるのです。下の段の LED が点灯
している状態で連続可変パラメータを変更すると、それは「ベースとなるリグ」に対する通常のエディットとして有効に
なり、上の段の LED が点灯している状態で連続可変パラメータをエディットすると、それらは「Morphing」後の値となり
ます。この状態でストアすると、両方の内容がリグとして保存されます。これが「Morphing」機能です!

「Morphing」を実行したとき、パラメータ値が瞬時にジャンプするのではなく、スムーズに移行する(あるいは戻る)こ
とにお気付きになると思います。この移行の時間は、リグ・メニューにある「Rise Time」と「Fall Time」で設定すること
が可能です。「Rise Time」と「Fall Time」は、個別に0(この場合は瞬時に切り替わります)から64秒の間に設定する
ことができます。TAP ボタンまたはテンポ値の設定によって、そのリグのテンポを有効にすると、「Rise Time」「Fall
Time」が音価や小節で表示され、リグのテンポに同期して移行します。例えば「Rise Time」を 4 bars に設定し、ギター
ソロが始まる4小節手前でリグ・ボタンを踏めば、あなたが悠然とステージ最前に歩み出る間に、サウンドは自動的にバ
ッキング用からリード用に少しづつ移行してくれるということです。REMOTE のリグ・ボタンの2つ LED の一方が少し
づつ明るくなり、他方が暗くなって行くことで移行状態を知らせてくれます。

「Morphing」をスイッチでトリガーする場合は、モーメンタリー的にもラッチ的にも操作できます。REMOET のリグ・ボ
タンを短く踏んで直ぐに放した場合は、再度ボタンを踏むまでモーフィング後のサウンドが維持されます。一方、リグ・
ボタンを踏み続けた場合は、踏んでいる間のみモーフィング後のサウンドが維持され、ボタンを放すと「ベースとなるリ
グ」のサウンドに移行します。

REMOTE が無い場合でも、モーメンタリータイプの外部フットスイッチを SWITCH/PEDAL ジャックに直接接続すること


で、「Morphing」のトリガースイッチとして使用することができます。

REMOTE を経由する場合でも、プロファイラー本体に直接接続する場合でも、エクスプレッション・ペダルの機能設定は
必ず行わなければなりません。エクスプレッション・ペダルを、本体または REMOTE の SWITCH/PEDAL ジャックに接続
し、ペダルの機能に「Morphing」をアサインして下さい。これにより、そのペダルで「Morphing」を任意のスピードでコ
ントロールすることができ、移行の過程で止めることも可能になります。「Rise Time」「Fall Time」は、スイッチによっ
て「Morphing」をトリガーしたときのみに有効に作用します。MIDI コントロール・チェンジ #11 でも「Morphing Pedal」
と同じ内容のコントロールが可能です。エクスプレッション・ペダルのみで「Morphing」を使うことができ、ペダルがあ
る場合は、スイッチは必ずしも必要ではありません。

「Morphing」をトリガーするスイッチまたはペダルは、演奏時とセットアップ時の両方において必要です。これに関連し
て、以下の点にご留意下さい:
バージョン 4.0 で追加/改善された機能 158

✓ペダルで「Morphing」をコントロール中に、「ベースとなるリグ」やモーフィング後のパラメータを設定する場合
は、ペダルをヒールまたはトゥ・ポジションにしておいて下さい。ボタンによるトリガーで、「Rise Time」「Fall
Time」を設定している場合は、何れかの状態に完全に移行し終わっている状態でパラメータのエディットを行って
下さい。何れの場合も、移行途中でのパラメータの変更は、「ベースとなるリグ」の値としてもモーフィング後の
値としても扱われません。

✓モーフィングの結果としてではなく、リグの内容そのものをエディットする場合は、ペダルまたはスイッチによっ
て「ベースとなるリグ」が選択されていることを確認して下さい。この状態で変更しストアしたパラメータは、
「Morphing」の際には変化しません。

注意点:

• STOMP/ AMP/ EFFECTS も含む、連続可変のリグ・パラメータは全て「Morphing」の対象になります。

• 「Morphing」できるのは音符情報を含む連続可変パラメータのみです。切り替えスイッチや機能選択は「Morphing」でき
ません。

• 内蔵エフェクトのディストーションにも「Mix」という連続可変パラメータがあり、モーフィングの対象になります。

• キャビネットのパラメータを連続的に変化させると不自然にサウンドなってしまうため、モーフィングの対象にすること

はできません。

• 「Morphing」の設定はリグ毎に保存されます。

• 「Morphing」の設定は、モジュールやセクションのプリセットとして保存することも可能です。

• モジュールやセクションをロックすると、その「Morphing」の内容も一緒にロックされます。

• アウトプット・セクションなどのグローバル・パラメータは「Morphing」できません。
バージョン 4.0 で追加/改善された機能 159

• 「Morphing」するパラメータ値は、増減どちらの方向に移行させることも可能です。

• モーフィング後のパラメータを「ベースとなるリグ」の設定値と同じにすることで、「Morphing」設定が消去されます。

• 「ベースとなるリグ」を選び、対象となるパラメータ値全域に渡って値を動かした後に、元の値に戻すことで、
「Morphing」を確実に消去することができます。

• システム・メニューにある「Keep Morph State」を有効にしておくと、「Morphing」後に一旦リグを切り替え、再び元の

リグに戻ったとき、モーフィング後のサウンドが維持されます。無効の場合は「ベースとなるリグ」が呼び出されます。

• 「Morphing」をトリガーするスイッチまたはペダルが何も接続されていない場合は、常に「ベースとなるリグ」が呼び出
されます。

• 「Morphing」がアサインされたペダルに、ワウやピッチをアサインすることも可能です。取扱説明書の「エクスプレッシ
ョン・ペダルとスイッチ」の章をご参照下さい。

REMOTE のリグ・ボタン(または外部スイッチ)とエクスプレッション・ペダル(または MIDI ペダル)では、


「Morphing」の動作が異なりますが、両方とも「Morphing」のコントロールをアサインしておくことができ、互いに排他
的ではありません。例えばペダルを移行途中の位置に止めた状態でスイッチを踏むと、その移行途中の位置から
「Morphing」がスタートします。但しその後にペダルを動かすと、一時的にはペダルの位置と「Morphing」の状態が一致
しない状態になりますが、自動的に加速減速することで、突然大きく変化してしまうことが無いように制御されながら一
致してゆきます。スイッチでもペダルでも状況に応じてどちらで「Morphing」をトリガーすることが可能です。

REMOTE リグ・ボタンで、オリジナルのリグをリロードしたい場合もあるでしょう。その場合は、SYSTEM メニューの


「Rig Button Morph」の設定を変更して下さい。デフォルトでは、リグ・ボタンで「Morphing」がトリガーされる設定に
なってますが、リグのリロードに設定することも可能です。この設定は、例えば「Uno4Kemper」などを使い、MIDI コン
トロールチェンジ(CC#50-54)でリグを切り替えている場合にも同様に有効です。REMOTE の場合は、リグ・ボタンの
代わりに、LOOPER ボタンや TAP、TUNER ボタンに「Morphing 」のトリガーをアサインすることも可能です。

リグ・メニューには「Morph」ページが追加され、以下のとおり「Morphing」の設定内容を確認することが可能になりま
した:

• 表示されるリグのシグナル・チェイン上で、どのモジュールに「Morphing」が設定されているかが示されます。
バージョン 4.0 で追加/改善された機能 160

• 「Morphing」過程の現在値を示すステータス・バーが表示されます。

• ソフトノブ4で「Morph」ペダルの動作を再現可能になります。

• ソフトボタン4で「Morphing」をトリガー可能になります。(QUICK ボタンに同機能をアサインすることも可能)

• リグボタンその他で「Morphing」をトリガーした場合の「Rise Time」「Fall Time」を設定できます。

• 「Morphing」をトリガーするボタンの動作:ラッチまたはモーメンタリーが設定できます。(初期設定は「Latched」)

• ソフトボタンにより、リグ全体またはモジュール毎の「Morphing」設定をクリアすることができます。「Clear Module」

を押しながら、クリアしたいモジュールのボタンを押すことで、特定のモジュールの設定のみをクリアすることができま
す。

* 全ての品名やメーカー名は、それぞれの所有者の商標です。Kemper GmbH は、それらに関係するものではありません。


それらの商標は、製品の背景や参考なるそれらの音を説明するために使用されています。
バージョン 4.0 で追加/改善された機能 161

モーフ・ペダルの転用
「Morphing」のコントロールをアサインしたペダル (モーフ・ペダル)を、「Morphing」を使わないリグにおいてはワウや
ピッチのコントロールに転用することができます。システム・メニューの「Pedal Links」に以下の 4 つのオプションが用
意されています:

• MorphPedal to Wah

• WahPedal to Volume

• MorphPedal to Pitch

• Wah Pedal to Pitch

最初の 2 つと残りの 2 つは互いに排他的ですが、例えば「Morphing」を使わないリグではモーフ・ペダルをワウとピッチ


に使い、ボリューム・ペダルでは常にボリュームをコントロールする。あるいは「Morphing」を使わないリグではモー
フ・ ペダルをピッチのコントロールに使い、ワウを使わないリグではワウ・ペダルをボリュームとして使うという設定が
可能です。

✓ボリューム・ペダルとモーフ・ペダルを直接またはワウ・ペダルを介してリンクすることは、コントロール内容に
混乱が生じるので設定できません。但しリグ・ボリュームを「Morphing」の対象にすれば、モーフ・ペダルでボリ
ュームがコントロールできることになります。
バージョン 4.0 で追加/改善された機能 162

パラメータの自動アップデート
今回のバージョン・アップではパラメータの数が増えました。これにより、既存のリグやモジュールのプリセットを読み
込んだとき、パラメータによっては内容や働きが以前のものと変わってしまったように見えますが、従来どおりのサウン
ドになるよう、自動的に再計算やアジャストが行われます。

• 「Green Screamer」と「Mouse」ディストーションのトーン・コントロールのレンジがフル・レンジに拡張されました。
4.0 より前のバージョンのデータは左半分の範囲内に収まります。

• 「Reverb Mix」パラメータの値:100/100%が、設定値の範囲の中間点になりました。

• CABINET モジュールにあった「Volume」が、AMP モジュールに移動しました。

• ピッチ・シフターの「Detune」パラメータがバイ・ポーラになり、ポジティブ/ネガティブの両方にバリュー設定が可能

になりました。

• ビブラート・エフェクトに「Ducking」パラメータが追加されました。

• 「Analog Delay」「Free Delay」「Tap Delay」が「Legacy Delay」に統合されました。(後述「Legacy Delay」参照)

ご注意:OS バージョン 4.0 でストアしたリグを、旧バージョンの OS で読み込むと、パラメータの相違が認識されないた


め、同じサウンドにならないことがあります。それらのリグを旧バージョンでエディット、ストアすると、4.0 に戻したと
きにさらに異なったサウンドになってしまいます。旧バージョンでエディット、ストアしなければ、4.0 では従来のサウン
ドが再現されます。

✓どうしても必要な場合を除き、旧 OS バージョンにダウングレードすることはお勧めできせん。データの下位互換
については可能な限り配慮していますが、機能の追加や改善に伴い、下位バージョンとデータの互換が取れなくな
ってしまうことは避けられません。従ってデータの下位互換は保証できません。

いわゆる上位互換、つまり新しいバージョンの OS に移行した場合の既存データの互換性については、今回の 4.0 に実装し


たパラメータの自動調整やアップデート機能等により、最大限に配慮してゆきたいと考えています。
バージョン 4.0 で追加/改善された機能 163

Legacy Delay
今回の 4.0 には新しいパワフルなディレイのアルゴリズムを搭載しています。次期バージョン 5.0 には、このアルゴリズム
を駆使した様々ディレイ・タイプを実装予定です。バージョン 4.0 では、既存のディレイ・タイプを新しいディレイのア
ルゴリズムに置き換えました。その結果「Tap Delay」「Free Delay」「Analog Delay」が、「Legacy Delay」という1タ
イプに統合されました。「Legacy Delay」はエフェクト・タイプの一つとして、STOMP や EFFECT の任意のスロットに
アサインすることが可能になりました。複数のスロットにアサインすることもできます!逆に DELAY スロットにディレイ
以外のエフェクトをアサインすることも可能になっています。つまりリバーブ以外の全てのエフェクト・タイプがアサイ
ンできる7つのスロットが用意されているということになります。DELAY スロットでフェイザーを動かしながら、
STOMP セクションにディレイを配置するといったことが可能なのです。

• ディレイ・タイムが 2000ms まで拡張されました。

• 「Ratio」が音価の選択ではなく 0〜100%の範囲で設定できるようになりました。

• ディレイの音量は主に「Delay Mix」で調整されるため、あまり利用されない「Volume」パラメータは割愛されました。

• 「Delay Feedback」は 100%が上限になっていますが、将来は 100%を越える設定が可能になる予定です。

• 「Tap Tempo」に同期するのか「Time」や「Ratio」で設定するのかをタイプで選ぶのではなく、パラメータの一つとして
追加されました:

 「To Tempo」

ディレイのパラメータ画面で、ソフト・ボタン1の「To Tempo」ボックスにチェックを入れると、以前の「Tap Delay」


にあった「Clock Left」「Clock Right」パラメータが現れます。チェックが入っていない場合は、「Analog Delay」「Free
Delay」と同じように「Time」と「Ratio」が表示されます。

新しいディレイ・タイプは、REVERB 以外のどのスロットにでもアサインできるようになりましたが、以下のような理由
から DELAY スロットを使用した方が良い場合があります:

• DELAY スロットを使用した場合は、リグを切り替えてもディレイ音(とリバーブ音)が切れずに残ります。(spillover)
バージョン 4.0 で追加/改善された機能 164

• DELAY スロットを使用した場合は、OUTPUT メニューの「Output Source」の設定によってディレイ音(及びリバーブ


音)のみを出力することが可能です。

• DELAY FEEDBACK ノブと MIX ノブは、DELAY スロットに対してのみ機能します

✓既存のリグで使用されている「Tap Delay」「Analog Delay」「Free Delay」リグは「Legacy Delay」に置き換えら


れると同時に、自動アップデート機能による再計算と調整によって元のタイプと同じサウンドになります。

✓ディレイがどのモジュールにでもアサイン可能になったことにともない、ディレイのプリセットはバージョン 4.0
へのアップデート作業の際に、ストンプやエフェクトのプリセットに自動的に統合されます。その際、他のストン
プ/エフェクトと区別できるよう、プリセット名の先頭に「DLY」の3文字が追加されます。

PROFILER REMOTE の「Looper」「Tuner」「Tap」ボタン


これらのボタンに、標準設定の機能以外の機能をアサインすることが可能になりました。SYSTEM メニューの「Remote
Setting」ページで設定します。例えば TUNER モードへの切り替えはボリューム・ペダルで行うという場合は、REMOTE
の TUNER ボタンにグローバルなディレイのオン/オフに割り当てることで、EFFECT ボタン4つ全てがそれ以外の機能
に使えるのです。

その他にも、外部スイッチと同じように機能アサインが可能です。例えば LOOPER モードの際のボタン1の機能、つまり


「Looper Start」をアサインすれば、LOOPER モードに入らなくても、ルーパーの録音、再生、オーバーダブをトリガー
することができるのです。
バージョン 3.1 で追加/改善された機能 165

バージョン 3.1 で追加/改善された機能


Version 3.1 は、プロファイラーの OS 最新バージョンです。ケンパーのホームページからダウンロードして下さい:
www.kemper-amps.com

PURE CABINET (長年に渡るギターサウンドの問題を解決する機能)


「PURE CABINET™」は、プロファイリングによって生成されたバーチャル・キャビネットに磨きをかけ、フルレンジ・
スピーカーでの再生においても、マイクを通さない、いわばキャビネットから直接聞こえる音に近づける新機能です。も
ちろんこの機能適用後も、プロファイリングされたアンプの基本的な特徴は維持されます。

 背景

これまで長年にわたり、ギターアンプ及びキャビネットからの音はマイクによって収音するというのが常識でした。それ
がギターサウンドを、レコーディングやコンサート PA において取り扱う信号に置き換える唯一、最善の方法だったので
す。

デジタル・ギターアンプの登場により、デジタイズされた様々なギターアンプ/キャビネットのサウンドを、ステージや
スタジオではもちろん、ヘッドホンを通してでも手軽に演奏できるようになりました。

デジタル・ギターアンプやバーチャル・キャビネットが、大きなパラダイム・シフトをもたらしたと言えるでしょう。か
つてギタリストの多くは、マイクで収音し拡声された音ではなく、ギターアンプから直接出るサウンドのみを聞いていま
した。コンサートやレコディングの経験が豊富なギタリストでさえ、マイクの設置はミキシング・エンジニアに任せっき
りでした。デジタル・ギターアンプにおいては、このマイキングのプロセスが既に完了した音が扱えるようになりまし
た。これにより、デジタル・ギターアンプにフルレンジのスピーカーシステムを組み合わせれば、まさにオーディエンス
が実際に聞くギターサウンドと全く同じ音をモニターしながら演奏できることになったのです。
バージョン 3.1 で追加/改善された機能 166

 症状

デジタル・ギターアンプのメーカーとして、我々はとても興味深い状況に遭遇しました:

非常に多くのレコーディング・エンジニアや PA エンジニアが、我々の製品について、真空管ギターアンプやキャビネッ
トの音や振る舞いの良さを十分にキャプチャーし、再現していると高く評価してくれました。

その一方で、フルレンジ・スピーカーからのギターサウンドになじみの無かったギタリストからは不満の声が寄せられま
した。彼らはその音について、「耳障りな」、「薄っぺらい」、あるいは「デジタル臭い」と表現しました。実物のギタ
ーキャビネットから聞こえるような、心地よくスムーズでバランスのとれたサウンドとはかけ離れているというのです。
つまり彼らは、目の前でギターキャビネットが鳴っている音と比較しているのです。

インターネットのフォーラム等では、経験豊富なギタリストたちがこれに対して、「その音こそがレコーディングされた
音楽から聞こえるギターサウンドなのだから、それとうまく付き合う必要がある。ライブにしてもレコーディングにして
も、オーディエンスが聞くのはその音なのだ。」とコメントしています。

このような専門家の意見は的を得ています。我々も繰り返しそのように説明してきました。

「目の前でギターアンプが鳴っている」感覚を得るため、デジタル・ギターアンプでギターキャビネットをドライブすれ
良いのではと言うアイデアも出ました。我々もそのようなセットアップをサポートすべく、パワーアンプを内蔵したモデ
ルや、ダイレクト・アンプ・プロファイルといった新機能を提供してきました。

 分析

しかし結局、どれほど広く常識的に使われているといえども、マイキングしたサウンドのみが正解で、それを「正しくな
い」という考えが間違っているというようなことをギタリストたちに言い続ける訳にはいかないと、我々は思い至りまし
た。

これほど多くのギタリストが間違いを犯すでしょうか?もしかしたら彼らの第一印象こそが正しく、経験豊富なギタリス
トたちが慣れっこになっているだけなのでしょうか?

「その痛みに慣れなさい。私はプロだからもう痛みは感じないのです。」と言っているようにも思えます。

「目の前でギターアンプが鳴っている」音は、セオリーに則った方法では再現が難しいようです:
バージョン 3.1 で追加/改善された機能 167

4x12 のキャビネットは、標準的なサイズのフルレンジのスタジオ・モニターよりも低音域がよく鳴り、押し出しを強く感
じます。かといって大きなモニター・スピーカーにすればこの違いがカバーできるかというと、そうは行きません。

マイクをスピーカーに近づけると、アンビエント・サウンドはほとんどキャプチャーされず、非常にドライな音になると
考えられていますので、それ再生するフルレンジのモニターを設置する部屋の響きが加われば、「目の前でギターアンプ
が鳴っている」感じを再現できるかと言うと、そうも行きません。

そこで我々は、フルレンジのスピーカーをギターキャビネットにマウントし、ギター用のスピーカーを同じ仕様のキャビ
ネットにマウントしたものと比較するなど、さらに詳細な分析を行いました。

違いは明確に現れました。バーチャル・キャビネットとマイクを適用した信号をフルレンジ・スピーカーで再生したとき
に現れる高音域の耳障りな要素は、バーチャル・キャビネットとマイクをバイパスし、ギターキャビネットで再生した音
には現れませんでした。この耳障りな要素の現れ方は、アンプ・プロファイルやバーチャル・キャビネットとマイクによ
って異なりますが、何れの場合もディストーションによって強調されるため、クリーン・トーンの場合には現れません。

基本的な音のキャラクターに影響を与えること無く、イコライザーでこの耳障りな要素を押さえることは非常に困難で
す。問題となる周波数帯域を抑えると、締まりのない音になってしまい、ギターキャビネットが鳴っているような音にも
なりません。

この耳障りな音の要素は、マイクの設置位置や、複数のマイクをうまくミキシングすることで抑えることが出来るかもし
れません。あるいはバンド幅の非常に狭いフィルターでイコライジングするという方法もあるでしょう。しかしながらこ
れらの方法は、現象に対する対処であって問題の根本的な解決ではありません。耳障りな音を避けつつ、求められている
バランスの良いサウンド・キャラクターを得るには、大変な労力と時間が必要でしょう。

但しこれらの要素も、アンサンブルの中にミックスされるとマスキングされてしまいますので、プロフェッショナルなレ
コーディングによる最終ミックスにおいては、ほとんど認識できないレベルになるでしょう。
バージョン 3.1 で追加/改善された機能 168

 対処: PURE CABINET

我々は、バーチャル・キャビネットのサウンドを全く新しい方法で再構成する「PURE CABINET」という機能を開発しま
した。この技術は特許出願中です。

この機能は、耳障りな成分を検出して最適化することで、デジタル臭さの残る平面的なサウンドを、スムーズでバランス
のとれた、ギターキャビネットそのものから聞こえるようなサウンドに仕上げます。もちろんそのギターアンプ本来のキ
ャラクターや特性を変化させてしまうことはありません。

このコンセプトの効果を確認するため、多くのプロフェッショナル・プレーヤーやプロデューサー、特にフルレンジ・ス
ピーカーからのマイキングされたギターアンプ・サウンドに慣れきってしまった人々に、「PURE CABINET」を検証して
もらいました。彼らの第一声はあまねく「長い間モヤモヤしていた不満が遂に消えた!」という言葉でした。もう「PURE
CABINET」無しの音には戻れない様子でした。元のマイキングしたサウンドは全く未練が無いようでした。

レコーディングであれライブであれ、フルレンジのモニターでもインイヤー・モニターまたはヘッドホンでも、マイクを
通じてプロファイルされた(つまりバーチャル・キャビネットが適用される)音を使う全ての場合において、「PURE
CABINET」は効力を発揮します。

「PURE CABINET」適用後のフルレンジ・サウンドは、耳障りな成分に邪魔されること無く、ミキシングやレコーディン
グのプロセスに自然にフィットするでしょう。
バージョン 3.1 で追加/改善された機能 169

 処方箋

「PURE CABINET」のパラメータは、オン/ オフと強さ「Intensity」の設定のみです。

「PURE CABINET」は、グローバル・パラメータとして全てのリグに作用します。それぞれのリグの内容に応じて最適に
作用しますので、リグごとに設定をかえる必要はありません。元のリグがアンバランスであるほど、「PURE CABINET」
の効果が明白になるでしょう。完全にクリーンなアンプのプロファイルに対しては何も作用しません。

「Intensity」で作用の強さを設定します。ブルージーなクランチ・サウンドほど「Intensity」を上げると良いでしょう。よ
りギターアンプの存在感が増し、アンプから直接聞こえるサウンドに近づきます。ハードロックやメタル系のサウンドの
場合は控えめに設定した方が、マイキングによるキャラクターを活かしつつ、「薄っぺら」な感じを抑えることができる
でしょう。

「PURE CABINET」はグローバル・パラメータとしてリアルタイムに動作します。従って保存されているリグのデータそ
のものを変えてしまうことはありません。オフにすることで、いつでもオリジナルのリグのサウンドに戻すことが可能で
す。

 処方後

「PURE CABINET」の効果に気づいたプロフェッショナルたちが、その後は二度と顧みなくなったものはいったい何だっ
たのでしょうか?

それは、長年に渡って、数えきれないほどのレコーディングやコンサートで聞かれてきた、「マイキングされたギターア
ンプ」のサウンドです。長い間適切な処方が見出だされ無かったため、受け入れざるを得なかった音なのかもしれませ
ん。そして遂に、デジタル・ギターアンプだからこそ実現できた、「PURE CABINET」のような複雑で高度なプロセッシ
ングによって解決できたと言えるのではないかと思います。ただシンプルに、より真に迫ったサウンドに近づいたという
ことなのですが。

「PURE CABINET」機能により、プロファイラーの音が良くなったのでしょうか?もちろんです!

さらに言うと、プロファイリングすることで、真空管ギターアンプの音がさらに良くなるということでしょうか?そのと
おりです!プロファイリング自体が忠実に真空管ギターアンプの音や振る舞いを取り込み、「PURE CABINET」がさらに
磨きをかけるのです。
バージョン 3.1 で追加/改善された機能 170

リグ切替時のクロスフェード機能追加
システム・メニューに新しく追加された「Audio Setup」ページの中に、新機能「Rig X-Fade」が搭載されました。ブラウ
ズ・モード及びパフォーマンス・モードでリグを切り替えたときのクロスフェードの長さを設定することができます。

センド/ リターン・レベルのバランス調整機能追加
システム・メニューの新規追加ページ「Audio Setup」に、Loop Mono 及び Loop Stereo のセンド/リターン・レベルのバ
ランス調整機能が追加されました。(Loop Distortion は除く)

✓センド・レベルの上昇は、対応するリターン・レベルを減ずること(またはその逆)でバランスされます。従って
エフェクト・ループの信号のミックス・バランスは変わりません。

イコライザー・ストンプにローカットとハイカットを追加
グラフィック、スタジオ、メタルの各イコライザー・ストンプに、2 つの新しいパラメータ:「Low Cut」」と「High
Cut」が追加されました。
バージョン 3.1 で追加/改善された機能 171

Pedal 1/2 のアサイン


システム・メニューの中のペダル 1/2 の設定ページが新しくなりました。リモートが接続されている場合は、リモートの
端子:ペダル 3〜6 の機能設定ページも表示され、ペダル 1/2 と同じ要領で設定できるようになりました。

 フット・スイッチ

リモートの「SWITCH / PEDAL INPUTS」にも、エクスプレッション・ペダルだけでなく、フット・スイッチを接続する


ことが可能になりました。設定ページのソフト・ノブ4でアサインする機能:エフェクトのやチューナー・モードの
On/Off、タップ・テンポなどを選択します。

✓スイッチはモーメンタリー・タイプを使用して下さい。ポラリティは、踏んだときに接続となる「Normal」と、踏
んだときに非接続となる「Inverse」のどちらにも設定可能です。真空管ギターアンプのチャンネル切り替えスイッ
チは、ほとんどの場合ラッチ・タイプなので、プロファイラーには使用できません。

 デュアル・スイッチへの機能アサイン

ステレオ・ケーブルで接続する「デュアル・スイッチ」の各スイッチへの機能アサインがフレキシブルになりました。例
えばストンプ A と MOD のオン/オフなどのように、自由な組み合わせを設定することができます。

リモートのエフェクトボタンをロックする
リモートのエフェクト・ボタンが、アサインされたモジュールのロック/ アンロックに連動するようになりました。但しこ
の機能は、リモートのエフェクト・ボタンにアサインされているモジュールが一つの場合のみに機能します。リモートの
エフェクト・ボタンがロック機能に連動しているかどうかは、リモートのディスプレイのアイコンで表示されます。
バージョン 3.1 で追加/改善された機能 172

Performance Load 機能
このパラメータは、これまでの「Performance Autoload」に置き換わり、さらに新しい機能を提供します。選択肢は、従
来の「Performance Autoload」=オフと同じ振る舞いの「Pending」、同じく「Performance Autoload」=オンと同じ「Slot
1」と、新機能「Keep Slot」です。「Keep Slot」を選択すると、切り替える前のパフォーマンスで選択されていたスロッ
トと同じナンバーのスロットが、新しいパフォーマンス選択と同時に読み込まれます。

パフォーマンス・タグとパラメータ追加
パフォーマンスにタグ:「Author」及び「Comment」とパラメータ:「Key」及び「Tonality」が追加され、Ver. 1.5.9 以
降のリグ・マネージャーでエディット可能になりました。

MIDI クロック出力機能追加
プロファイラーの MIDI OUT から MIDI クロックが送信できるようになりました。システム・メニューの中で設定します。
MIDI THRU を第二の MIDI OUT として使用する設定になっている場合は、MIDI THRU からも MIDI クロックを出力できま
す。

Quick Edit Page 機能


エディット画面の動作が二通りになりました。モジュールやセクションのボタンを短く押すと、そのオン/ オフが切り替わ
り、暫く押すとエディット画面が表示されますが、[QUICK]ボタンの機能で「Quick Edit Page」を選択しておくと、
[QUICK]ボタンを短く押すことで、直前にエディットしたモジュールの画面を開けることができます。その後は他のモジュ
ールやセクションのボタンを短く押すだけで、そのエディット画面に移動できるので、複数のモジュールやセクションを
同時進行でエディットするときに便利です。エディット終了後は[EXIT]でプレイ画面に戻ります。
バージョン 3.0 で追加/改善された機能 173

バージョン 3.0 で追加/改善された機能


Version 3.0 は、ケンパーのウェブサイト:
www.kemper-amps.com

からフリーダウンロードできる最新版のファームウェアです。ファームウェア Ver. 3.0 には、新しいプロファイルのフォ


ーマット:「ダイレクト・プロファイル」が追加されました。この新フォーマットのアンプ・プロファイルは、キャビネ
ットを使わずにプロファイリングを行い、ギター・キャビネットそのものや、IR (インパルス・レスポンス) から KEMPER
Cab Maker™ 2.0 ソフトウェアで変換されたキャビネット・プロファイルと組み合せるのに適しています。

✓スピーカー・キャビネット無しでプロファイリングを行う場合、ダミーローダーのような DI ボックスを接続しない
と、ギターアンプを破損する可能性がありますのでご注意ください。

追加/ 変更された機能は以下のとおりです:
• Ver.3.0 では、アンプ・プロファイルとキャビネット・プロファイルをより明確に区別されます。キャビネットを使用せず

に生成したプロファイルをダイレクト・プロファイルと呼びます。ダイレクト・プロファイルを行うと、自動的にアン
プ・モジュールのデータのみが生成され、キャビネット・モジュールはオフになります。ダイレクト・プロファイルは、
Cab Maker ソフト (Windows/ Mac OSX 対応)によって生成されたキャビネット・プロファイルとマージすることができま
す。

• 同一のリファレンス・アンプから、キャビネット無しのダイレクト・プロファイルと、キャビネットを含むスタジオ・プ
ロファイルの両方を生成することは可能です。両方タイプのプロファイルを別々に生成後にマージし、マージド・プロフ
ァイルを作成することができます。
バージョン 3.0 で追加/改善された機能 174

• マージド・プロファイルは、内蔵パワーアンプを通じてよりオリジナル・アンプと同じようにギター・キャビネットをド
ライブすると同時に、メイン・アウトからは、完璧にマイキングされたスタジオ・プロファイルからのサウンドを PA ミキ
サーに送出することができます。

• 変換ソフト:Cab Maker も 2.0 にアップデートされました。

• 異なるスタジオ・プロファイルのアンプとキャビネットの組み替えもより高精度になりました。

• アンプ・プロファイルのサウンド、即ちダイレクト・プロファイルから「Monitor Cab Off」状態で出力されるサウンド

は、組み合わせるキャビネット・プロファイルの内容に影響を受けません。

✓重要!:プロファイルの新しいフォーマットは、プロファイルの扱い方が変わるだけで、音には影響しません。
Ver.2.8 以前のファームウェアでは、新しいフォーマットのプロファイルは読み込めません。読み込みエラーが起こ
るか、読み込まれてもノイズなどを発生する可能性があります。
バージョン 3.0 で追加/改善された機能 175

アンプ・プロファイル、キャビネット・プロファイル、パワーアン
プ、実際のキャビネットについて

 アンプとキャビネットを切り分ける CabDriverTM

スタジオ・プロファイルは、ギターアンプとそのスピーカー・キャビネットから生み出されるる音をマイクロフォンでキ
ャプチャーすることによって生成されます。生成されるスタジオ・プロファイルは、アンプ・プロファイルと、キャビネ
ットおよびマイクロフォンが統合されたプロファイルという2つのパートで構成されます。スタジオ・プロファイリング
は一度に全てが行われるため、キャプチャーされる情報にはアンプ部分とキャビネット(+マイクロフォン)の境目があ
りません。この切り分けは、プロファイラーのインテリジェントなアルゴリズムが割り出します。このアルゴリズムが
Cab Driver です。Cab Driver がスタジオ・プロファイルの中のアンプとキャビネットを切り分け、他のスタジオ・プロフ
ァイルのキャビネットやプリセットとの結合や、キャビネットのオフ(Monitor Cab Off)を可能にしています。真空管ア
ンプとスピーカー・キャビネットの相互作用による両者の独特な振る舞いは、キャビネット・プロファイルの中にキャプ
チャーされていますので、パワー・ヘッドやパワー・ラック内蔵 D 級アンプなどのソリッドステート・アンプでも、その
特徴が再現できるのです。

✓さらに厳密なアンプ・プロファイルの生成が、この後に説明するダイレクト・アンプ・プロファイリングによって
可能になります。

 アンプやキャビネットをブラウズする

アンプやキャビまたはスタックを選ぶソースは2つあります。それぞれのモジュールにフォーカスしている状態で
BROWSE ノブを回すと、ソフト・ボタン1が「Local Presets」、2が「From Rig」となり、どちらのソースからエレメン
トを抜き出すかが選択できます。例えば「From Rig」を押すと、ブラウズ・プールのリグが、「View」の設定に応じて表
示されます。この操作は、アンプ、キャビネットまたはスタックにおいて共通です。

モジュールやセクションのプリセットは、各パートの内容をユーザー自身がストアできるメモリーです。自分自身ではス
トアしたことが無くても、ファクトリー・コンテンツとしていくつかのプリセットがストアされています。

この他にも他のリグのモジュールをインサートする方法が2つあります:
バージョン 3.0 で追加/改善された機能 176

• COPY ボタンと PASTE ボタンを使って転写する

• LOCK ボタンでモジュールをロックし、他のリグを選択する

 ダイレクト・プロファイル

アンプ/ スピーカー/ マイクロフォンを内包するスタジオ・プロファイルの他に、ダイレクト・プロファイルがあります。


いくつかの例をご説明しましょう:

ダイレクト・アンプ・プロファイルは、ギターアンプのスピーカー出力からプロファイリングします。これには適切な DI
ボックスが必要になります。このプロファイルは、スピーカーキャビネットやマイクロフォンを含まない、アンプ部分だ
けのキャラクターをキャプチャーしますので、パワーヘッドやパワーラックに内蔵のソリッドステート・パワーアンプ
で、ギター・キャビネットをドライブするのに最適です。このダイレクト・アンプ・プロファイルこそが、ダイレクト・
プロファイルの代表的なアプリケーションです。

アコースティック・ギター用アンプまたはアンプ・シミュレーターをプロファイルすれば、ピエゾ・ピックアップ搭載の
アコギを、よりリッチなサウンドで演奏することができます。

ベース・アンプのラインアウトをプロファイルすることも可能です。

ギター・アンプのエフェクト・センドの出力を使えば、そのアンプのプリアンプ部をプロファイルすることができます。
このダイレクト・プリアンプ・プロファイルの出力は、ギター・アンプのエフェクト・リターンに接続し、ギター・アン
プのパワーアンプとスピーカーを使って発音することができるということです。
バージョン 3.0 で追加/改善された機能 177

 ギター・アンプとキャビネットを使ってダイレクト・プリアンプ・プロファイルをモニターする

ダイレクト・プロファイルには、キャビネットやマイクロフォンによる色づけはキャプチャーされていません。従ってギ
ター・キャビネットに特有の高域のダンピングが再現されません。その為、ダイレクト・プロファイルによるサウンドを
リニアなスピーカーで発音し、ゲインを上げたりエフェクターをかけて歪ませると、非常に耳障りな音になってしまいま
す。ダイレクト・プロファイルは、ギター・キャビネットを使うか、全く歪んでいない音を出すことに適したプロファイ
ルです。

もう一点スタジオ・プロファイルと異なる点は、キャビネット・モジュールがオフになっていることです。キャビネット
そのものの特性はキャプチャーませんので、自動的にオフになります。そのかわりアンプ部分の特性は完璧にアンプ・モ
ジュールに含まれています。ブラウズ・プールにある他のリグのキャビネット・モジュールやキャビネット・プリセット
の中から好きなものを選んで組み合わせることができます。

ダイレクト・プロファイルは、マイクロフォンでキャプチャーする代わりに、対象となるデバイスの出力をプロファイラ
ーのリターン・インプットに入力します。特別な操作は不要です。プロファイリングの過程で、自動的にダイレクト・プ
ロファイルであることが検知され、キャビネット・モジュールがオフになります。

 ダイレクト・アンプ・プロファイル

ダイレクト・アンプ・プロファイルには、リファレンス・アンプのプリアンプとパワーアンプの振る舞いを完璧にキャプ
チャーします。もちろんリファレンス・アンプのパワーアンプとスピーカーの間で生じるインピーダンスの変化に伴う特
徴的な振る舞いも、アンプ・モジュールの中に取り込みます。

その結果、ダイレクト・アンプ・プロファイルであれば、パワーヘッドやパワーラック内蔵の D クラス・パワーアンプあ
るいは外部のソリッドステート・アンプでも、真空管パワーアンプと同じ様にキャビネットをドライブすることができる
のです。つまりダイレクト・アンプ・プロファイルは、リニアなパワーアンプでこと真価を発揮します。真空管アンプを
使用すると、バーチャルの真空管アンプと実際の真空管アンプを両方通過することになり、良い結果を得られないでしょ
う。

ダイレクト・アンプ・プロファイルのキャビネット・モジュールは空っぽの状態ですが、ここに別リグやプリセットのキ
ャビネット・プロファイルを読み込むことが可能です。キャビネット・モジュールをフォーカス状態にして BROWSE ノ
ブを回せば、ブラウズ・プールのリグまたはキャビネット・プリセットの選択肢が表示されます。
バージョン 3.0 で追加/改善された機能 178

 インパルス・レスポンス (IR)

キャビネット・プリセットとして使用できるデータが、いわゆるインパルス・レスポンス (IR)という形態で、サードパー
ティから販売されています。これらのデータは、ケンパーが提供しているフリーソフト「CabMaker」(Win/Mac) で、プロ
ファイラー用のキャビネット・データに変換することができます。変換後のファイルは、リグ・マネージャーまたは USB
メモリーを使ってインポートすることが可能です。インポートしたファイルは、CABINET ボタンを長押ししてから
BROWSE ノブを回すと表示されます。

ギターアンプを完璧に再現するダイレクト・アンプ・プロファイルと、スピーカー・キャビネットを再現する IR は最適の
組み合わせです。両者を組み合わせることで、スタジオ・プロファイルのようにギターアンプのプロファイルが完成しま
す。

ダイレクト・アンプ・プロファイルと組み合わせる IR は、真空管アンプではなく、ソリッドステート・アンプを使用して
採取したものを選ぶことをお勧めします。真空管アンプとスピーカー・キャビネットの相互作用は、ダイレクト・アン
プ・プロファイルによって再現されますので、キャビネット・プロファイルの方でも重ねて再現されると、良い結果には
つながりません。

 スタジオ・プロファイルとダイレクト・アンプ・プロファイルをマージする

ダイレクト・アンプ・プロファイルとスタジオ・プロファイルのキャビネットを組み合わせ、両方を活かせるひとつのプ
ロファイルを作成する方法をご説明します。まずは同じリファレンス・アンプから、スタジオ・プロファイルとダイレク
ト・アンプ・プロファイルの両方を作成します。この時リファレンス・アンプの設定も全く同じままで両プロファイルを
作り、別々にストアします。ダイレクト・アンプ・プロファイルのキャビネット・モジュールにフォーカスし、同じアン
プのスタジオ・プロファイルからキャビネットをコピーし、ソフト・ボタン「Merge PROFILETM」を押して、マージを実
行します:

• ブラウズ・モードでスタジオ・プロファイルを選ぶ。

• CABINET ボタンを長押しし、キャビネット・モジュールにフォーカスする。

• COPY ボタンを押す。

• EXIT ボタンでフォーカスから抜け、 ダイレクト・アンプ・プロファイルを選ぶ。


バージョン 3.0 で追加/改善された機能 179

• 再度 CABINET ボタンを長押ししてフォーカスする。

• PASTE ボタンを押す。

• ソフトボタン2「Merge Cabinet」を押してマージを実行する。

• EXIT ボタンでフォーカスから抜け、新しいプロファイルまたはリグをストアする。

マージド・プロファイルは、キャビネット・モジュールが有効になっている出力先には、完璧なスタジオ・プロファイル
のサウンドを出力します。一方キャビネット・モジュールをオフにすると、ダイレクト・アンプ・プロファイルによるア
ンプ・ヘッドの出力を得ることができ、実際のギター・キャビネットをドライブすることができます。出来上がったマー
ジド・プロファイルをストアすれば、元のスタジオ・プロファイルおよびダイレクト・アンプ・プロファイルは消去して
も問題ありません。

またキャビネット・プロファイルが、マージされることでさらにブラッシュアップされるという良い副作用もあります。
一旦マージされたキャビネット・プロファイルは、「Cab Driver」によるプロセッシングを必要としなくなり、別のマージ
ド・プロファイルにコピーしてもそのブラッシュアップされた内容が維持され、実際にアンプとキャビネットの組み替え
た場合と同じ結果が得られます。但しスタジオ・プロファイルにコピーした場合は、このような効果は発揮されません。

✓スタジオ・プロファイルのキャビネットがダイレクト・アンプ・プロファイルのキャビネット・モジュールにペー
ストされると、ソフトボタン「Merge Cabinet」が必ず現れますが、それ以外の状況では表示されません。

✓同じリファレンス・アンプから、セッティングを変えずにダイレクト・アンプ・プロファイルとスタジオ・プロフ
ァイルを作成したとき、両プロファイルの「GAIN」と「Amp Definition」の値が異なっていることに気がつくかも
しれませんが、このことは音に影響しませんので心配する必要はありません。
バージョン 3.0 で追加/改善された機能 180

 「Monitor Cab Off」をオンにしてギター・キャビネットをドライブする。

完璧なステージ・セットアップを提供するため、プロファイラーは、パワーアンプを通じてギターキャビネットをドライ
ブする信号と同時に、PA ミキサーに送るスタジオ・プロファイルの信号、即ちアンプ+キャビネット+マイクロフォンを
内包したサウンドを、メインアウトから出力します。ステージ上の実際のギターキャビネットはあなたのモニター用です
ので、マイクロフォンを立てる必要はありません。アウトプット・メニューには、モニター・アウト専用のボリュームお
よび EQ が用意されています。つまり他のアウトプットに影響を与えることなく、あなたのお好みどおりのモニター・サ
ウンドを作れるということです。

このセットアップにおいて、モニターアウトへはキャビネット・プロファイルをバイパスした信号を送る必要がありま
す。バーチャル・キャビネットと実際のキャビネットにより、色づけが二重になってしまうことを避けるためです。アウ
トプット・メニューにあるソフト・ボタン「Monitor Cab Off」をアクティブにすれば、モニター・アウトおよびスピーカ
ー・アウト (パワーヘッド/ パワーラック) には、常にキャビネット・モジュールをバイパスした信号が送られます。メイ
ン・アウトを含む他のアウト・プットには、キャビネット・モジュール自体をオフにしない限り、キャビネット・プロフ
ァイルを通じた信号が送出されます。「Monitor Cab Off」はグローバル・パラメータなので、リグを切り替えても設定は
変わりません。但し「Monitor Can Off」がアクティブの場合でも、キャビネット・モジュール以外のモジュールの内容は
反映されますので、例えばスタジオ・プロファイルの場合は CabDriverTM アルゴリズムが作用しますが、マージド・プロフ
ァイルの場合は CabDriver に拠らない、アンプ部のみをキャプチャーしたプロファイルによる信号が、モニター・アウト
および内蔵パワーアンプに送出されるということになります。

ギター・キャビネットは、パワーヘッド/ パワーラック内蔵の D 級パワーアンプ、または外部のソリッドステート・パワー


アンプでドライブして下さい。ダイレクト・アンプ・プロファイルを使えば、リニアなソリッドステート・パワーアンプ
でも、真空管パワーアンプと同じ様にキャビネットをドライブすることができます。真空管パワーアンプを使うと、むし
ろ矛盾した状態になってしまいます。真空管アンプ独特の振る舞いが二重に作用することになるからです。この重複によ
って、かえって心地よい低域と高域がプラスされることになる場合もありますが、リファレンス・アンプを忠実に再現す
るという観点からは避けた方が良いでしょう。

もう少し説明が必要でしょう。真空管パワーアンプとソリッドステート・パワーアンプには重要な違いがあります。ソリ
ッドステート・パワーアンプは、常にリニアな周波数特性を実現するよう設計されていますが、真空管パワーアンプは、
ある意味で芸術的と言えるノンリニアな周波数特性を示します。ソリッドステート・パワーアンプは、ロー・インピーダ
ンス出力によりスピーカーの共鳴を押さえ込みますが、真空管パワーアンプはそれほど完全には押さえることができず、
スピーカーの共鳴に応じた特性になり、さらにパワーアンプ自身の共鳴も作用します。そのため「スピーカーとの相性」
が、音のキャラクターに大きく影響するのです。ダイレクト・アンプ・プロファイルまたはマージド・プロファイルに
バージョン 3.0 で追加/改善された機能 181

は、この相互作用による独特の振る舞いがキャプチャーされています。スタジオ・プロファイルにおいては CabDriver ア
ルゴリズムがそれを再現します。従ってソリッドステート・パワーアンプでこそ、さらなる色づけなく、プロファイルに
よるその振る舞いの再現を忠実に音にすることができるというわけです。

内蔵パワーアンプ
パワーヘッド/ パワーラック内蔵パワーアンプには、4Ω/ 8Ω/ 16Ω のスピーカー・キャビネット、またはパッシブなリニ
ア・スピーカー・システムを接続することができます。モニター・アウトプットの出力が、内蔵パワーアンプに内部接続
されていますので、モニター・アウトプットに関する設定が全て有効です。詳しくは、このマニュアルの「モニター・ア
ウトプット」の章をご参照下さい。パワーアンプに関する設定は、アウトプット/ マスター・メニューの中にあります:

 パワーアンプ・スイッチ

パワーアンプのオン/ オフするスイッチです。内蔵の D 級アンプは真空アンプとは違い、使用していない時にオフにする必


要は特に無く、スピーカーを接続していなくても問題はありません。消費電力を節約するなどの目的で必要であれば、オ
フにして下さい。

 パワーアンプ・ブースター

内蔵パワーアンプにはモニター・アウトプットの出力が接続されています。 モニター・アウトプットは、クリーン・トー
ンのアタックもカバーできる十分なヘッドルームを備えていますが、これによってパワーアンプからの出力が小さめにな
り、満足のいく音量を得られないことがあるかもしれません。これに対処するため、モニター・ボリュームやリグ・ボリ
ュームで設定された音量に、最大 12dB ボリュームを上乗せすることができるパワーアンプ・ブースターが用意されていま
す。パワーアンプ・ブースターはパワーアンプの音やダイナミクスに影響を与えません。内蔵パワーアンプがオフのとき
はパワーアンプ・ブースターも非アクティブになり、モニター・アウトプットのヘッドルームがフルに使える状態になり
ます。
バージョン 3.0 で追加/改善された機能 182

内蔵パワーアンプの出力は、8Ω 負荷時には 600W、16Ω 負荷時には 300W になります。内蔵パワーアンプは、ダイナミッ


クなクリーン・トーンでもクリップしないよう十分なヘッドルームを持っています。非常に大きなレベルや瞬間的なピー
クは、ソフト・クリッピング回路による自然で心地よいコンプレッションにより押さえ込まれます。しかしながら 600W
という大きな出力は、やはり注意深く扱う必要があります。もしスピーカーに異常を感じたら、直ぐにモニター・ボリュ
ームやパワーアンプ・ブースターを下げて下さい。

4Ω 負荷時でも、出力は 600W に制限されます。600W を超える状態になると保護回路が働き、短い間ですが音が出なくな


ります。このような状態になるのは、超がつくほど大きなボリュームにした場合に限られますが、それでも 4Ω のスピーカ
ーを使用する場合は、あなたの演奏によって最大の音量が 600W を超えることがないよう慎重に確認しておいて下さい。

 警告!

パワーソークなどのアクティブ・ディバイスは、絶対に接続しないで下さい。そのような機器のグランドを持つ回路がパ
ワーアンプをショートさせ、破損する危険性があります。スピーカー・アウトに接続できるのはパッシブ・スピーカー・
システムのみです。

4Ω を下回るインピーダンスのスピーカーまたはその他の機器をスピーカー・アウトに接続すると、パワーアンプを破損す
る可能性があります。

ラック等にプロファイラーを収納したまま使用するときは、十分な換気が行われるようにして下さい。十分な換気が行わ
れないまま使用を続けると、オーバーヒート回避のためにパワーアンプがシャット・ダウンすることがあります。

内蔵パワーアンプは、ダイナミックなクリーン・トーンでもクリップしないよう十分なヘッドルームを備えていますが、
もし大きな音量で使用している際にスピーカーに異常を感じたら、直ちにモニター・ボリュームおよびパワーアンプ・ブ
ースターを下げて下さい。
バージョン 3.0 で追加/改善された機能 183

パワーヘッドとギター・キャビネット
ギター・キャビネットの音とマイキングした音

この章は、普段ギター・キャビネットからの音を直接聴くことが多く、キャビネットの前に立てたマイクで収音した音を
フルレンジのモニター・スピーカーでで聴くことになじみのないギタリストに向けた内容です。

ギター・キャビネットは他の多くのスピーカーとは異なり、再生する周波数帯域がある範囲に限られています。ギター・
キャビネットで普通の音楽を再生しても、あまり良い音に聴こえないのはその為です。しかしながらこの独特の特性が、
特に歪ませたギター・サウンドには欠かせないのです。歪んだギター・サウンドの耳障りな部分を適度に削り取ってくれ
るからです。加えて低域の独特な色づけも、エレキ・ギターにとってはポジティブに作用します。

ギター・サウンドをレコーディングしたり、コンサート会場で拡声するためには、必ずギター・キャビネットの前にマイ
クを立てて、リグ全てを通過した結果として出るサウンドを収音する必要があります。従ってマイクの選択やポジショニ
ングも、サウンドに大きく作用します。これ自体も芸術の一部と言えるでしょう。

ブラウズ・プールにあるスタジオ・プロファイルは、これと全く同じ方法を通じて生成されたものです。つまりプロファ
イラーのメイン・アウトをミキサーに直結するだけで、コンサートやレコーディングで必要なセットアップが再現される
ということです。これがデジタル機器の大きなアドバンテージのひとつです。プロファイラーにはギター・キャビネット
の前にマイクを立てて収音するという状況がデジタル化されていて、いつでも完璧に再現できるので、重たいキャビネッ
トを運んだり、マイクのポジショニングに時間を割いたりする必要がないということです。

他にも解消できる困難なことがあります。ギター・キャビネットは指向性の強く、例えば高域はスピーカーの真正面で一
番大きく聴こえます。言い換えれば、指向から外れると高域が押さえ込まれた音に聴こえるということです。ほとんどの
スピーカーでも同じようなことが起こりますが、ギター・キャビネットの場合は特にその傾向が強いと言えます。そして
大抵の場合、ギター・アンプの側に立つと、あなたの耳の位置は床に置かれたギターアンプのスピーカーの指向から外れ
ることになってしまいます。そのような位置で、バンドアンサンブルの中の自分のギター・サウンドを聴き取る為には、
非常に大きな音を出さなければならなくなってしまうということが容易に想像できるでしょう。不幸なことにその犠牲と
なるのは、ギターキャビネットの正面にいるバンド・メンバーとお客さんたちです。彼らが聴くのは、あなたが聴くのと
同じ音ではないということを理解する必要があります。ギターの音がうるさいと言われがちな原因はここにあります。

レコーディング・スタジオやライブ会場での演奏になれていないギタリストは、スタジオ・プロファイルの音をモニタ
ー・スピーカーで聴くと、少し戸惑いを感じるかもしれません。中には、ギター・キャビネットから出る音ことが本物の
ギター・サウンドで、マイキングした音は何か作り物のようだと言うギタリストもいるでしょう。リニアなモニター・ス
バージョン 3.0 で追加/改善された機能 184

ピーカーを通じて聴く、マイキングされたギターアンプの音と、ギター・アンプの前で聴く直接音は全く別モノなので
す。特にドラムやベースを伴わず、ギターの音だけを聴くと、その違いがより明らかでしょう。

どちらも本物のギター・サウンドに間違いありませんが、CD や大きなコンサート会場で聴くギター・サウンドは、マイキ
ングされたサウンドの方です。あなたがオーディエンスに聴かせるサウンドは、ほとんどの場合マイキングされたサウン
ドの方なのです。ギター・キャビネットの前にマイクを立てて収音する以外に、ギター・サウンドをレコーディングした
り、大きなコンサート会場でオーディエンスに聴かせたりする方法は無いのです。それがギター・アンプが登場して以来
行われきた方法です。あなたのギター・ヒーローの演奏を、ギターアンプから直接聴いたことはありますか?彼らの部屋
またはリハーサルに招待でもされない限り、ほとんど聴くことはできないでしょう。あなたが聴いてきたギター・ヒーロ
ーのサウンドは、完璧にマイキングされた音なのです。それ以外の方法で、彼らがあなたに演奏を聴かせることはできな
いのですから。

マイキングされたギター・サウンドの扱いを習得することが大切であることがお分かりいただけたでしょう。それこそが
オーディエンスが聴くあなたの音なのです。キーボード・プレーヤーやボーカリストと同じ様に、ライン接続によってプ
ロファイラーの完成されたサウンドを PA に送る方が、より良い結果が得られるでしょう。そして他の楽器とのバランスも
遥かに良くなるでしょう。実際多くのプロ・ミュージシャンは、ステージ・モニターやインイヤー・モニターを通じて、
ステージ全体の音を聴きながら演奏しているのです。

• 1 台または 2 台のパワーアンプ内蔵フルレンジ・スピーカー・システム

• 外部パワーアンプと 1 台または 2 台のパッシブ・フルレンジ・スピーカー・システム

パフォーマンス・モード時に MIDI 信号を送信する


パフォーマンス・モードでスロットが読み込みまれたとき、同時に2台の外部機器に対して異なる MIDI プログラム・チェ
ンジ#を送信することが可能です。「Slot Settings」画面で「MIDI Settings」に入ると、スロットごとに2つのプログラ
ム・チェンジ#を設定しておくことができます。2つのプログラム・チェンジは MIDI OUT と MIDI THRU からそれぞれ出
力されます。システム・メニューの「Perform Mode: MIDI」では、2つの MIDI 出力のチャンネルを個別に設定することが
できます。この画面では、それぞれの MIDI 端子に接続した機器の名前を入力することも可能です。

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