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2022 行政書士試験

模試重要肢ベストセレクション

【公開模試・ファイナル模試】

0 000721 222460

GU22246
(予備 )
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1 憲法

平成二五年 平成二四年 平成二三年 平成二二年 平成二一年 平成二〇年 平成一九年 平成一八年


① 人権

□□□ Q1 国は、その限られた財源の下で福祉的給付を行うにあたり、日本国民を在留
外国人より優先的に扱うことも許される場合があるが、障害福祉年金の支給対
象者から在留外国人を除外することは、立法府の裁量の範囲を逸脱するもので
あって、憲法 25 条の規定に違反する。[ファイナル模試 5-イ]

□□□ Q2 公務員の地位の特殊性と職務の公共性にかんがみるときは、これを根拠と
して公務員の労働基本権に対し必要やむをえない限度の制限を加えることは、
十分合理的な理由があるというべきであるが、その制限に違反した者に対して
刑事罰を科すことは許されない。
[ファイナル模試 4-4]

□□□ Q3 衆議院小選挙区選出議員の選挙において、所定の実績を有する政党等のみが

第2回 第3回 第4回 第5回 第6回 第7回 第8回 第9回 第


なることのできる候補者届出政党に所属する候補者と、これに所属しない候補者
との間に選挙運動の上で差異を設けることは許されない。
[ファイナル模試 7-エ]

□□□ Q4 公務員が職務命令において個人の歴史観ないし世界観に由来する行動と異な
る外部的行為を求められることとなり、その限りにおいて個人の思想および良
心の自由についての間接的な制約となる面があると判断される場合にも、この
ような間接的な制約が許容されるか否かは、職務命令の目的および内容ならび
に当該制限を介して生ずる制約の態様等を総合的に較量して、当該制約を許容
し得る程度の必要性および合理性が認められるか否かという観点から判断する
のが相当である。
[公開模試① 3-ウ]

10

1
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1 憲法
平成二五年 平成二四年 平成二三年 平成二二年 平成二一年 平成二〇年 平成一九年 平成一八年

① 人権

A1 × 社会保障上の施策において在留外国人をどのように処遇するかについては、
国は、特別の条約の存しない限り、その政治的判断によりこれを決定することが
できるのであり、その限られた財源の下で福祉的給付を行うに当たり、自国民
を在留外国人より優先的に扱うことも、許される。障害福祉年金の支給対象者
から在留外国人を除外することは、立法府の裁量の範囲に属する事柄と見るべき
であり、憲法 25 条の規定に違反するものではない(塩見訴訟/最判平元.3.2)。
[ファイナル模試 5-イ]

A2 × 公務員の地位の特殊性と職務の公共性にかんがみるときは、これを根拠とし
て公務員の労働基本権に対し必要やむをえない限度の制限を加えることは、十
分合理的な理由があるというべきである。公務員の争議行為の遂行を共謀し、
そそのかし、もしくはあおり、またはこれらの行為を企てた者について、とく
に処罰の必要性を認めて罰則を設けることは、十分に合理性がある(全農林警
職法事件/最大判昭 48.4.25)
。よって、制限違反に対して刑事罰を科すことも
許される。
[ファイナル模試 4-4]
第1回 第2回 第3回 第4回 第5回 第6回 第7回 第8回 第9回

A3 × 候補者と並んで候補者届出政党にも選挙運動を認めることが是認される以上、
候補者届出政党に所属する候補者とこれに所属しない候補者との間に選挙運動の上で
差異を生ずることは避け難いところであるから、
その差異が合理性を有するとは考
えられない程度に達している場合に、初めてそのような差異を設けることが国会の
裁量の範囲を逸脱する(最大判平 23.3.23)。
[ファイナル模試 7-エ]

A4 ○ 公務員が職務命令においてある行為を求められることが、個人の歴史観ない
し世界観に由来する行動と異なる外部的行為を求められることとなり、その限
りにおいて、当該職務命令が個人の思想及び良心の自由についての間接的な制
約となる面があると判断される場合にも、このような間接的な制約が許容され
るか否かは、職務命令の目的及び内容並びに上記の制限を介して生ずる制約の
態様等を総合的に較量して、当該職務命令に上記の制約を許容し得る程度の必
要性及び合理性が認められるか否かという観点から判断するのが相当である
(「君が代」起立斉唱職務命令拒否事件/最判平 23.5.30)
。[公開模試① 3-ウ]

2
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□□□ Q5 宗教法人法に基づく宗教法人の解散命令の制度は、宗教団体や信者の精神

平成二五年 平成二四年 平成二三年 平成二二年 平成二一年 平成二〇年 平成一九年 平成一八年


的、宗教的側面に干渉する意図によるものではなく、かつ、その解散命令に
よって宗教団体や信者が行う宗教上の行為に何らかの支障を生ずることも
ありえないから、信教の自由を侵害するものとはいえない。
[公開模試② 4-1]

□□□ Q6 公職選挙法によって戸別訪問という手段方法を一律に禁止することは、
買収などの弊害を防止して選挙の自由と公正を確保するためであっても、
意見表明の自由に対する制約として合理的で必要やむを得ない限度を超え
ており、許されない。
[公開模試② 3-1]

□□□ Q7 市民会館の使用について「公の秩序をみだすおそれがある場合」を不許可事
由とする規定は、当該会館における集会の自由を保障することの重要性よりも、
当該会館で集会が開かれることによって、人の生命、身体または財産が侵害さ
れ、公共の安全が損なわれる危険を回避し、防止することの必要性が優越する

第2回 第3回 第4回 第5回 第6回 第7回 第8回 第9回 第


場合をいうものと限定して解すべきであるが、危険の発生が明らかに差し迫っ
ていなくても、不許可とすることができる。
[ファイナル模試 3-イ]

□□□ Q8 財産権は個人の生存の基礎をなし、その行使は、自己実現の重要な手段で
あるという普遍性をも併せ持つものであるから、財産権に対して加えられる
規制が公共の福祉に適合するものとして是認されるかについての判断は一
般に厳格にすべきであって、規制目的が正当であり、かつ、規制手段が当該
目的の達成にとって必要最小限度のものでない限り、当該規制は許されない。
[公開模試② 5-イ]

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3
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A5 × 宗教法人法に基づく宗教法人の解散命令の制度は、専ら宗教法人の世俗的側面
平成二五年 平成二四年 平成二三年 平成二二年 平成二一年 平成二〇年 平成一九年 平成一八年

を対象とし、かつ、専ら世俗的目的によるものであって、宗教団体や信者の精神
的・宗教的側面に容かい〔干渉〕する意図によるものではなく、その制度の目的
も合理的である。解散命令によって宗教団体やその信者らが行う宗教上の行為
に何らかの支障を生ずることが避けられないとしても、その支障は、解散命令
に伴う間接的で事実上のものであるにとどまる。したがって、本件解散命令は、
宗教団体やその信者らの精神的・宗教的側面に及ぼす影響を考慮しても、必要で
やむを得ない法的規制である(宗教法人オウム真理教解散命令事件/最決平
8.1.30)
。[公開模試② 4-1]

A6 × 戸別訪問を一律に禁止している公職選挙法 138 条1項の規定は、合理的で必要


やむをえない限度を超えるものとは認められず、憲法 21 条に違反するものでは
ない(戸別訪問の禁止違反事件/最判昭 56.6.15)
。[公開模試② 3-1]

A7 × 本件条例は、
「公の秩序をみだすおそれがある場合」を本件会館の使用を許可
してはならない事由として規定しているが、広義の表現を採っているとはいえ、
第1回 第2回 第3回 第4回 第5回 第6回 第7回 第8回 第9回

本件会館における集会の自由を保障することの重要性よりも、本件会館で集会
が開かれることによって、人の生命、身体又は財産が侵害され、公共の安全が
損なわれる危険を回避し、防止することの必要性が優越する場合をいうものと
限定して解すべきであり、その危険性の程度としては、単に危険な事態を生ず
る蓋然性があるというだけでは足りず、明らかな差し迫った危険の発生が具体
的に予見されることが必要である(泉佐野市民会館事件/最判平 7.3.7)
。[ファ
イナル模試 3-イ]

A8 × 財産権に対する規制は、種々の態様のものがあり得る。財産権に対する規制が憲
法29条2項にいう公共の福祉に適合するものとして是認されるべきものであるかど
うかは、規制の目的、必要性、内容、その規制によって制限される財産権の種類、
性質及び制限の程度等を比較考量して判断すべきものである(証券取引法 164 条事
件/最大判平 14.2.13)
。[公開模試② 5-イ]

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(予備 )
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② 統治

平成二五年 平成二四年 平成二三年 平成二二年 平成二一年 平成二〇年 平成一九年 平成一八年


□□□ Q9 憲法は、両議院の同時活動の原則に対する例外として、参議院の緊急集会で
採られた措置について、次の国会開会の後に衆議院の同意がない場合には、さ
かのぼって効力を失う旨を規定している。
[公開模試② 6-4]

□□□ Q10 内閣総理大臣は、国会議員の中から国会の議決で指名されるが、衆議院と


参議院とが異なった指名の議決をしたときは、衆議院で出席議員の3分の2以上
の多数で再び議決をすれば、その議決が国会の議決となる。
[公開模試① 5-ア]

□□□ Q11 国家試験における合格、不合格の判定も学問または技術上の知識、能力、意


見等の優劣、当否の判断を内容とする行為であるから、その試験実施機関の最
終判断に委せられるべきものであって、その判断の当否を審査し具体的に法令
を適用して、その争いを解決調整できるものとはいえない。[公開模試① 6-ア]

第2回 第3回 第4回 第5回 第6回 第7回 第8回 第9回 第


□□□ Q12 衆議院の解散のような極めて政治性の高い国家統治の基本に関する行為につ
いては、一見極めて明白に違憲無効であると認められる場合に限り、裁判所は、
その適否を判断することができる。
[公開模試① 6-エ]

□□□ Q13 憲法は、裁判に対する国民の信頼を確保するために、裁判を一般に公開して


裁判が公正に行われることを制度として保障するだけではなく、各人が裁判所
に対して傍聴することを権利として要求できることも認めており、傍聴人が法
廷においてメモを取ることも権利として保障している。
[ファイナル模試 6-2]

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② 統治
平成二五年 平成二四年 平成二三年 平成二二年 平成二一年 平成二〇年 平成一九年 平成一八年

A9 × 衆議院が解散されたときは、参議院は、同時に閉会となる(両院同時活動の
原則/54 条2項本文)
。ただし、内閣は、国に緊急の必要があるときは、参議
院の緊急集会を求めることができる(54 条2項但書)
。参議院の緊急集会にお
いて採られた措置は、臨時のものであって、次の国会開会の後 10 日以内に、衆
議院の同意がない場合には、その効力を失う(54 条3項)
。これは、将来に向
かって効力を失うものと解されている。
[公開模試② 6-4]

A10 × 内閣総理大臣は、国会議員の中から国会の議決で、これを指名する(67
条1項前段)。衆議院と参議院とが異なった指名の議決をした場合に、法律
の定めるところにより、両議院の協議会を開いても一致しないとき、または衆
議院が指名の議決をした後、国会休会中の期間を除いて 10 日以内に、参議院が、
指名の議決をしないときは、衆議院の議決を国会の議決とする(67 条2項)。
[公開模試① 5-ア]

A11 ○ 国家試験における合格、不合格の判定も学問または技術上の知識、能力、意
見等の優劣、当否の判断を内容とする行為であるから、その試験実施機関の最
第1回 第2回 第3回 第4回 第5回 第6回 第7回 第8回 第9回

終判断に委せられるべきものであって、その判断の当否を審査し具体的に法令
を適用して、その争を解決調整できるものとはいえない(技術士国家試験事件
/最判昭 41.2.8)。
[公開模試① 6-ア]

A12 × 衆議院の解散は、極めて政治性の高い国家統治の基本に関する行為であって、
かくのごとき行為について、その法律上の有効無効を審査することは司法裁判所の
権限の外にある(苫米地事件/最大判昭 35.6.8)
。[公開模試① 6-エ]

A13 × 憲法 82 条1項の裁判の公開の趣旨は、裁判を一般に公開して裁判が公正に行
われることを制度として保障し、ひいては裁判に対する国民の信頼を確保しよ
うとすることにある。憲法 82 条1項は、各人が裁判所に対して傍聴すること
を権利として要求できることまでを認めたものでないことはもとより、傍聴
人に対して法廷においてメモを取ることを権利として保障しているものでな
い(レペタ訴訟/最大判平元.3.8)
。[ファイナル模試 6-2]

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(予備 )
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□□□ Q14 予見し難い予算の不足に充てるため、国会の議決に基づいて予備費を設け、

平成二五年 平成二四年 平成二三年 平成二二年 平成二一年 平成二〇年 平成一九年 平成一八年


内閣の責任でこれを支出することができるが、その支出については、事後に
国会の承諾を得なければならない。
[公開模試① 7-イ]

□□□ Q15 条約の国内法的効力は、憲法に劣後するものではないから、条約については裁


判所の司法審査の対象となる余地はないとするのが判例である。
[公開模試② 7-4]

2 行政法

① 行政法総論

□□□ Q16 一般的に、水道事業においては、様々な要因により水道使用量が変動し得


る中で最大使用量に耐え得る水源と施設を確保する必要があるのであるか
ら、夏季等の一時期に水道使用が集中する別荘給水契約者に対し年間を通じ
て平均して相応な水道料金を負担させるために、別荘給水契約者の基本料金
を別荘以外の給水契約者の基本料金よりも高額に設定すること自体は、水道
事業者の裁量として許されないものではない。
[公開模試② 26-2]

□□□ Q17 普通地方公共団体の長が当該普通地方公共団体を代表して行う契約の締

第2回 第3回 第4回 第5回 第6回 第7回 第8回 第9回 第


結行為であっても、私人間における双方代理と同様の利害状況となることが
あり得るから、双方代理を禁じた民法 108 条の規定が類推適用されるが、そ
の代表権は執行機関に専属する権限であるから、双方代理行為がされた後に
議会の追認の議決があっても、民法 116 条の規定を類推適用して本人による
追認の効果が生ずるものではない。
[公開模試① 9-2]

□□□ Q18 内閣府は、内閣の重要政策に関する内閣の事務を助けることを任務とする


機関とされ、主任の大臣は内閣総理大臣である。
[公開模試② 25-ウ]

□□□ Q19 各省大臣は、主任の行政事務について、法律または政令の特別の委任に基


づくことなく、法律または政令を施行するための省令を発することができる。
[公開模試① 25-イ]

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A14 ○ 予見し難い予算の不足に充てるため、国会の議決に基づいて予備費を設け、
平成二五年 平成二四年 平成二三年 平成二二年 平成二一年 平成二〇年 平成一九年 平成一八年

内閣の責任でこれを支出することができる(87 条1項)。すべて予備費の支出
については、内閣は、事後に国会の承諾を得なければならない(87 条2項)。
[公開模試① 7-イ]

A15 × 条約の国内法的効力が憲法に劣後することを前提として、条約についても司法
審査の対象となる余地がある(砂川事件/最大判昭 34.12.16)。
[公開模試② 7-4]

2 行政法

① 行政法総論

A16 ○ 一般的に、水道事業においては、様々な要因により水道使用量が変動し得る中
で最大使用量に耐え得る水源と施設を確保する必要があるのであるから、夏季等
の一時期に水道使用が集中する別荘給水契約者に対し年間を通じて平均して相応
な水道料金を負担させるために、別荘給水契約者の基本料金を別荘以外の給水契
約者の基本料金よりも高額に設定すること自体は、水道事業者の裁量として許さ
れないものではない(旧高根町給水条例無効等確認請求事件/最判平 18.7.14)

[公開模試② 26-2]
第1回 第2回 第3回 第4回 第5回 第6回 第7回 第8回 第9回

A17 × 普通地方公共団体の長が当該普通地方公共団体を代表して行う契約の締結には、
民法 108 条が類推適用される。そして、普通地方公共団体の長が当該普通地方公
共団体を代表するとともに相手方を代理ないし代表して契約を締結した場合で
あっても同法 116 条が類推適用され、議会が長による上記双方代理行為を追認
したときには、同条の類推適用により、議会の意思に沿って本人である普通地
方公共団体に法律効果が帰属する(名古屋市世界デザイン博事件/最判平
16.7.13)
。[公開模試① 9-2]

A18 ○ 内閣府は、内閣の重要政策に関する内閣の事務を助けることを任務とする(内
閣府設置法3条1項)。内閣府の長は、内閣総理大臣とする(内閣府設置法6条1
項)。内閣総理大臣は、内閣府に係る事項についての内閣法にいう主任の大臣とし、
内閣府の所掌事務を分担管理する(内閣府設置法6条2項)。
[公開模試② 25-ウ]

A19 ○ 各省大臣は、主任の行政事務について、法律もしくは政令を施行するため、
または法律もしくは政令の特別の委任に基づいて、それぞれその機関の命令として
省令を発することができる(国家行政組織法 12 条1項)。
[公開模試① 25-イ]

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(予備 )
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□□□ Q20 行政処分が金銭を納付させることを直接の目的としており、その違法を理

平成二五年 平成二四年 平成二三年 平成二二年 平成二一年 平成二〇年 平成一九年 平成一八年


由とする国家賠償請求を認容したとすれば、結果的に当該行政処分を取り消
した場合と同様の経済的効果が得られるという場合には、当該行政行為が違
法であることを理由として国家賠償請求をするに際して、事前に当該行政行
為について取消しまたは無効確認の判決を得なければならない。
[ファイナル
模試 10-5]

□□□ Q21 補助金適正化法 22 条に基づくものとしてされた財産の処分の承認と同法7条


3項による条件に基づく承認は、いずれも、事業により取得された財産が補助
金の交付の目的に反して処分されることを制限するためのものと解され、承認
を得ることなく当該目的が達成し得なくなる事態に至ることを防止することを
目的とするものであるが、後者の承認の法効果が前者の承認の法効果より、関
係人に不利益になるものであるから、前者の承認から後者の承認への違法行為
の転換は認められない。[公開模試① 8-ウ]

□□□ Q22 条例は住民の代表機関たる議会によって制定されたものであるから、条例を


根拠として直接強制を行うことができる。
[公開模試① 10-イ]

第2回 第3回 第4回 第5回 第6回 第7回 第8回 第9回 第

□□□ Q23 法人税法に規定する質問または検査の権限は、


犯罪の証拠資料を取得収集し、
保全するためなど、犯則事件の調査あるいは捜査のための手段として行使す
ることは許されないが、当該質問または検査の権限の行使に当たって、取得
収集される証拠資料が後に犯則事件の証拠として利用されることが想定できた
としても、そのことによって直ちに、かかる権限が犯則事件の調査あるいは
捜査のための手段として行使されたことにはならない。[公開模試② 9-ア]

10

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A20 × 行政処分が違法であることを理由として国家賠償請求をするについては、あらか
平成二五年 平成二四年 平成二三年 平成二二年 平成二一年 平成二〇年 平成一九年 平成一八年

じめ当該行政処分について取消し又は無効確認の判決を得なければならないもので
はない。このことは、当該行政処分が金銭を納付させることを直接の目的とし
ており、その違法を理由とする国家賠償請求を認容したとすれば、結果的に当
該行政処分を取り消した場合と同様の経済的効果が得られるという場合であっ
ても異ならない(冷凍倉庫事件/最判平 22.6.3)
。[ファイナル模試 10-5]

A21 × ① 補助金適正化法 22 条に基づくものとしてされた財産の処分の承認(転換前


の行政行為)と同法7条3項による条件に基づく承認(転換後の行政行為)は、
事業により取得された財産が補助金の交付の目的に反して処分されることを制限
するためのものと解され、承認を得ることなく当該目的が達成し得なくなる事態
に至ることを防止することを目的とするものであり、その目的を共通にすること、
② 転換後の行政行為の法効果が転換前の行政行為の法効果より、関係人に不利益に
なるものでもないこと、③ 転換前の行政行為の瑕疵を認識した場合に、その代わり
に転換後の行政行為を行わなかったであろうことをうかがわせる事情が見当たらな
いことから、違法行為の転換が認められる(最判令 3.3.2)
。[公開模試① 8-ウ]

A22 × 行政上の義務の履行確保については、別に法律で定めるものを除いては、行政代
第1回 第2回 第3回 第4回 第5回 第6回 第7回 第8回 第9回

執行法の定めるところによる (行政代執行法1条)。このことから、① 行政代執行


法が行政上の義務履行確保手段 (強制執行手段に限る。) について定める一般法で
あること、② 別に行政上の義務履行確保手段を設ける場合には法律の根拠を要する
こと (= 地方公共団体が条例で独自の定めを行うことができないこと) が導かれ
る。そして、直接強制とは、義務の不履行を前提とし、直接義務者の身体または財
産に実力を加え、義務の履行があったのと同じ状態を実現するものをいう。法律の
根拠がなければ、直接強制を行うことはできない。
[公開模試① 10-イ]

A23 ○ 法人税法(当時)に規定する質問又は検査の権限は、犯罪の証拠資料を取得収集
し、保全するためなど、犯則事件の調査あるいは捜査のための手段として行使する
ことは許されないと解するのが相当である。しかしながら、上記質問又は検査の権
限の行使に当たって、取得収集される証拠資料が後に犯則事件の証拠として利用さ
れることが想定できたとしても、そのことによって直ちに、上記質問又は検査の権
限が犯則事件の調査あるいは捜査のための手段として行使されたことにならない
(今治税務署職員税務調査資料流用事件/最決平 16.1.20)
。[公開模試② 9-ア]

10
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□□□ Q24 廃棄物の処理及び清掃に関する法律に基づく都道府県知事の許可を受けた

平成二五年 平成二四年 平成二三年 平成二二年 平成二一年 平成二〇年 平成一九年 平成一八年


処分業者が、公害防止協定において、協定の相手方に対し、その事業や処理施設
を将来廃止する旨を約束することは、処分業者自身の自由な判断で行えることで
あり、その結果、許可が効力を有する期間内に事業や処理施設が廃止されること
があったとしても、同法に何ら抵触するものではない。[ファイナル模試 8-ア]

□□□ Q25 都市計画の策定に当たっては多様な利害を考慮に入れるべきであるが、行政手


続法の定める意見公募手続の実施までは必要とされていない。
[公開模試② 10-イ]

② 行政手続法

□□□ Q26 行政庁は、審査基準と処分基準のいずれをも、あらかじめ定めておかな


ければならない。[ファイナル模試 12-イ]

□□□ Q27 都道府県知事が行う許認可等についても、法律に根拠を有するものの標準


処理期間は、主務大臣が定めることとされている。
[公開模試① 12-ア]

第2回 第3回 第4回 第5回 第6回 第7回 第8回 第9回 第


□□□ Q28 Xは、喫茶店を営業しようと思い、食品衛生法に基づきY県知事に営業許可
申請をした。Xが提出した申請に重大な不備があった場合、Y県知事は、Xに
対し当該不備を理由に申請拒否処分をしなければならず、当該申請についての
補正を求めることは許されない。
[公開模試② 11-イ]

□□□ Q29 行政庁が申請拒否処分をする場合において、行政庁が相当と認めるとき


は、弁明の機会の付与の手続を執ることができる。[ファイナル模試 11-2]

10

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(予備) 平成二六年 LEC東京リーガルマインド 複製・頒布を禁じます

A24 ○ 廃棄物の処理及び清掃に関する法律には、処分業者に、許可が効力を有する限り
平成二五年 平成二四年 平成二三年 平成二二年 平成二一年 平成二〇年 平成一九年 平成一八年

事業や処理施設の使用を継続すべき義務を課す条文は存せず、かえって、処分業者
による事業の全部又は一部の廃止、処理施設の廃止については、知事に対する届出
で足りる旨規定されているのであるから、処分業者が、公害防止協定において、協
定の相手方に対し、その事業や処理施設を将来廃止する旨を約束することは、処分
業者自身の自由な判断で行えることであり、その結果、許可が効力を有する期間内
に事業や処理施設が廃止されることがあったとしても、同法に何ら抵触するもので
はない(福岡県福間町公害防止協定事件/最判平 21.7.10)
。[ファイナル模試 8-ア]

A25 ○ 行政計画に関する事前手続については、行政手続法によってルール化されてい
ない (行政手続法1条1項参照)。
[公開模試② 10-イ]

② 行政手続法

A26 × ① 行政庁は、審査基準を定めるものとする(5条1項)。② 行政庁は、処


分基準を定め、かつ、これを公にしておくよう努めなければならない(12 条
1項)。
[ファイナル模試 12-イ]

A27 × 都道府県知事が行う許認可等のうち、法律に根拠を有するものについては、
第1回 第2回 第3回 第4回 第5回 第6回 第7回 第8回 第9回

行政手続法の適用除外とならない (3条3項)。標準処理期間を定める主体は、
「行政庁」(6条)である。ここにいう「行政庁」とは、処分庁を指し、本記述
の場合は都道府県知事である。
[公開模試① 12-ア]

A28 × 行政庁は、申請がその事務所に到達したときは遅滞なく当該申請の審査を開始し
なければならず、かつ、申請書の記載に不備がないこと、申請書に必要な書類が添
付されていること、申請をすることができる期間内にされたものであることその他
の法令に定められた申請の形式上の要件に適合しない申請については、速やかに、
申請者に対し相当の期間を定めて当該申請の補正を求め、または当該申請により求
められた許認可等を拒否しなければならない(7条)
。[公開模試② 11-イ]

A29 × 申請拒否処分は、不利益処分から除かれる(2条4号ロ)
。申請拒否処分には、
不利益処分をしようとする場合の手続(聴聞・弁明の機会の付与)は執られない。
[ファイナル模試 11-2]

12
(予備 )
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□□□ Q30 Xは、食堂を営業しようと思い、食品衛生法に基づきY県知事に営業許可

平成二五年 平成二四年 平成二三年 平成二二年 平成二一年 平成二〇年 平成一九年 平成一八年


申請をし、同営業許可を得た。その後、Xが営む食堂で食中毒事故が発生し
たため、Y県知事は、Xに対して営業停止処分を行うことを検討している。
Y県知事は、営業停止処分のための弁明の機会の付与手続を行った結果、営
業許可取消処分が妥当であると判断した場合は、改めて聴聞手続を執ること
なく、営業許可取消処分を行うことができる。
[公開模試① 11-エ]

□□□ Q31 聴聞の通知を受けた者が利害関係人の当該聴聞手続への参加を求めたにもか


かわらず、主宰者がこれを許可しなかったことについては、審査請求をするこ
とができる。
[公開模試② 12-5]

□□□ Q32 地方公共団体の機関に対する届出であっても、その根拠となる規定が法律に


置かれているものについては、行政手続法の届出に関する規定は適用されない
が、その根拠となる規定が当該地方公共団体の条例に置かれているものにつ
いては、行政手続法の届出に関する規定が適用される。[公開模試① 13-エ]

第2回 第3回 第4回 第5回 第6回 第7回 第8回 第9回 第


③ 行政不服審査法

□□□ Q33 行政庁は、利害関係人から、当該処分が審査請求をすることができる処分で


あるかどうかならびに当該処分が審査請求をすることができるものである場合
における審査請求をすべき行政庁および審査請求をすることができる期間につ
き教示を求められたときは、教示を求めた者が書面による教示を求めていなく
ても、当該教示を書面でしなければならない。
[公開模試② 16-2]

10

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A30 × 行政庁は、不利益処分をしようとする場合には、許認可等を取り消す不利益
平成二五年 平成二四年 平成二三年 平成二二年 平成二一年 平成二〇年 平成一九年 平成一八年

処分をしようとするときは、当該不利益処分の名あて人となるべき者について、
聴聞手続を執らなければならない(13 条1項1号)
。Y県知事は、営業停止処分
のための弁明の機会の付与手続を行った結果、営業許可取消処分が妥当であると
判断した場合は、改めて聴聞手続を執らなければならない。
[公開模試① 11-エ]

...
A31 × 行政手続法第2章第2節(
「聴聞」
)の規定に基づく処分またはその不作為につ
いては、審査請求をすることができない(27 条)
。したがって、聴聞の通知を受
けた者が利害関係人の当該聴聞手続への参加を求めたにもかかわらず、主宰者が
.......
これを許可しなかったことについては、審査請求をすることができない(27 条、
17 条1項)
。[公開模試② 12-5]

A32 × 地方公共団体の機関に対する届出(2条7号の通知の根拠となる規定が条例
または規則に置かれているものに限る。)については、行政手続法の定める届
出に関する規定は適用されない(3条3項)。地方公共団体の機関に対する届
出であっても、その根拠となる規定が法律に置かれているものについては、
第1回 第2回 第3回 第4回 第5回 第6回 第7回 第8回 第9回

行政手続法の届出に関する規定が適用されるが、その根拠となる規定が当該
地方公共団体の条例に置かれているものについては、行政手続法の届出に関
する規定は適用されない。
[公開模試① 13-エ]

③ 行政不服審査法

A33 × 行政庁は、利害関係人から、当該処分が不服申立てをすることができる処分で
あるかどうかならびに当該処分が不服申立てをすることができるものである場合
における不服申立てをすべき行政庁および不服申立てをすることができる期間に
つき教示を求められたときは、当該事項を教示しなければならない (82 条2項)。
この場合において、教示を求めた者が書面による教示を求めたときは、当該教
示は、書面でしなければならない(82 条3項)。
[公開模試② 16-2]

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□□□ Q34 審査請求人が申立てをすれば、審理員が必要であると認めた場合に限り、

平成二五年 平成二四年 平成二三年 平成二二年 平成二一年 平成二〇年 平成一九年 平成一八年


口 頭 で 審 査 請 求 に 係 る 事 件 に 関 す る 意 見 を 述 べ る 機 会 が 与 え ら れ る。
[公開模試② 15-5]

□□□ Q35 審査請求人は、証拠書類または証拠物を提出することができるが、物件


の提出要求、参加人の陳述および鑑定の要求は、審理員が職権で行う場合
に限り認められ、審査請求人の申立てにより行うことは認められていない。
[ファイナル模試 15-5]

□□□ Q36 審理員は、審理手続を終結したときは、審理員意見書を作成した上で、


当該審理員意見書を行政不服審査会等に提出し、諮問しなければならない。
[公開模試① 14-5]

第2回 第3回 第4回 第5回 第6回 第7回 第8回 第9回 第


□□□ Q37 事実上の行為のうち、処分庁の上級行政庁以外の審査庁に審査請求をすべ
きとされているものについて、審査請求が理由がある場合には、審査庁は、
事情裁決の場合を除き、裁決で、当該事実上の行為が違法または不当である
旨を宣言するとともに、当該処分庁に対し、当該事実上の行為の全部もしく
は一部を撤廃し、またはこれを変更すべきことを命ずる。
[公開模試① 16-4]

□□□ Q38 不作為についての審査請求は、正当な理由があるときを除いて、申請


した日の翌日から起算して1年を経過したときはすることができない。
[ファイナル模試 14-1]

□□□ Q39 再審査請求が理由がない場合には、再審査庁は、裁決で、当該再審査請求を


却下する。
[公開模試① 15-オ]

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A34 × 審査請求人または参加人の申立てがあった場合には、審理員は、当該申立てを
平成二五年 平成二四年 平成二三年 平成二二年 平成二一年 平成二〇年 平成一九年 平成一八年

した者(申立人)に口頭で審査請求に係る事件に関する意見を述べる機会を与
えなければならない(31 条1項本文)。ただし、当該申立人の所在その他の事情
により当該意見を述べる機会を与えることが困難であると認められる場合には、
この限りでない(31 条1項ただし書)。審理員は、31 条1項ただし書に該当する
場合を除き、口頭意見陳述の機会を付与しなければならない。
[公開模試② 15-5]

A35 × 審査請求人または参加人は、証拠書類または証拠物を提出することができる(32
条1項)。審理員は、審査請求人もしくは参加人の申立てによりまたは職権で、書
類その他の物件の所持人に対し、相当の期間を定めて、その物件の提出を求める
ことができる(33 条前段)。審理員は、審査請求人もしくは参加人の申立てにより
または職権で、適当と認める者に、参加人としてその知っている事実の陳述を求
め、または鑑定を求めることができる(34 条)
。[ファイナル模試 15-5]

A36 × 審理員は、審理手続を終結したときは、遅滞なく、審理員意見書を作成しな
ければならない(42 条1項)。審理員は、審理員意見書を作成したときは、速
やかに、これを事件記録とともに、審査庁に提出しなければならない(42 条2
項)。審査庁は、審理員意見書の提出を受けたときは、原則として、行政不服審
第1回 第2回 第3回 第4回 第5回 第6回 第7回 第8回 第9回

査会等に諮問しなければならない(43 条1項)。
[公開模試① 14-5]

A37 × 事実上の行為についての審査請求が理由がある場合(45 条3項の規定の適用が


ある場合を除く。
)には、審査庁は、裁決で、当該事実上の行為が違法または不当
である旨を宣言するとともに、(ⅰ) 審査庁が処分庁以外の審査庁の場合、当該処
分庁に対し、当該事実上の行為の全部もしくは一部を撤廃し、またはこれを変更
すべき旨を命じ、(ⅱ) 審査庁が処分庁である審査庁の場合、当該事実上の行為の
全部もしくは一部を撤廃し、またはこれを変更する(47 条本文各号)。ただし、審
査庁が処分庁の上級行政庁以外の審査庁である場合には、当該事実上の行為を変
更すべき旨を命ずることはできない(47 条ただし書)。
[公開模試① 16-4]

A38 × 不作為についての審査請求には、審査請求期間の制限はなく、不作為が続く限り
審査請求をすることができる。
[ファイナル模試 14-1]

.....
A39 × 再審査請求が理由がない場合には、再審査庁は、裁決で、当該再審査請求を
棄却する(64 条2項)
。[公開模試① 15-オ]

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□□□ Q40 地方公共団体の機関が行う処分のうち、法律に基づく処分については行政不

平成二五年 平成二四年 平成二三年 平成二二年 平成二一年 平成二〇年 平成一九年 平成一八年


服審査法の規定が適用されるが、根拠規定が条例または規則に置かれている処
分については行政不服審査法の規定は適用されない。
[ファイナル模試 16-3]

④ 行政事件訴訟法

□□□ Q41 普通地方公共団体が営む水道事業に係る条例所定の水道料金を改定する


条例の制定行為は、同条例が当該水道料金を一般的に改定するものであっ
て、限られた特定の者に対してのみ適用されるものではなく、同条例の制
定行為をもって行政庁が法の施行として行う処分と実質的に同視すること
はできないという事情の下では、抗告訴訟の対象となる行政処分に当たら
ない。
[公開模試① 17-5]

□□□ Q42 都道府県職員としての採用内定の通知がされた場合において、都道府県が


正当な理由なくその採用内定を取り消したときは、その採用内定の取消しは、
その通知を受けた者の法律上の地位ないし権利関係に影響を及ぼすものと
いうべきである。
[ファイナル模試 25-2]

□□□ Q43 航空機の騒音による障害の被害者は、飛行場周辺の一定の地域的範囲の住

第2回 第3回 第4回 第5回 第6回 第7回 第8回 第9回 第


民に限定され、その障害の程度は居住地域が離着陸経路に接近するにつれて
増大するものであり、他面、飛行場に航空機が発着する場合に常にある程度
の騒音が伴うことはやむをえないところであり、また、航空交通による利便
が政治、経済、文化等の面において今日の社会に多大の効用をもたらしてい
ることにかんがみれば、飛行場周辺に居住する者は、ある程度の航空機騒音
については、不可避のものとしてこれを甘受すべきであるといわざるをえず、
その騒音による障害が著しい程度に至ったときに初めて、その防止、軽減を
求めるための法的手段に訴えることを許容しうるような利益侵害が生じたも
のとせざるをえない。
[ファイナル模試 26-エ]

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A40 × 行政不服審査法には、行政手続法3条3項のような規定は置かれていない。
平成二五年 平成二四年 平成二三年 平成二二年 平成二一年 平成二〇年 平成一九年 平成一八年

[ファイナル模試 16-3]

④ 行政事件訴訟法

A41 ○ 本件改正条例は、限られた特定の者に対してのみ適用されるものではなく、
本件改正条例の制定行為をもって行政庁が法の執行として行う処分と実質的に
同視することはできないから、本件改正条例の制定行為は、抗告訴訟の対象と
なる行政処分には当たらない(旧高根町給水条例無効等確認請求事件/最判平
18.7.14)。
[公開模試① 17-5]

A42 × 採用内定を通知した東京都において正当な理由がなく採用内定を取り消しても、
これによって、内定通知を信頼し、東京都職員として採用されることを期待して
他の就職の機会を放棄するなど、東京都に就職するための準備を行った者に対し
損害賠償の責任を負うことがあるのは格別、採用内定の取消し自体は、採用
内定を受けた者の法律上の地位ないし権利関係に影響を及ぼすものではない
第1回 第2回 第3回 第4回 第5回 第6回 第7回 第8回 第9回

(最判昭 57.5.27)
。[ファイナル模試 25-2]

A43 ○ 航空機の騒音による障害の被害者は、飛行場周辺の一定の地域的範囲の住民に
限定され、その障害の程度は居住地域が離着陸経路に接近するにつれて増大する
ものであり、他面、飛行場に航空機が発着する場合に常にある程度の騒音が伴うこ
とはやむをえないところであり、また、航空交通による利便が政治、経済、文化等
の面において今日の社会に多大の効用をもたらしていることにかんがみれば、飛行
場周辺に居住する者は、ある程度の航空機騒音については、不可避のものとしてこ
れを甘受すべきであるといわざるをえず、その騒音による障害が著しい程度に至っ
たときに初めて、その防止・軽減を求めるための法的手段に訴えることを許容しう
るような利益侵害が生じたものとせざるをえない(新潟空港事件/最判平元.2.17)

[ファイナル模試 26-エ]

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□□□ Q44 風俗営業者に対する営業停止処分が営業停止期間の経過により効力を失った

平成二五年 平成二四年 平成二三年 平成二二年 平成二一年 平成二〇年 平成一九年 平成一八年


場合、行政手続法に基づいて定められ公にされている処分基準に、先行の営業
停止処分の存在を理由として将来の営業停止処分を加重する旨が定められてい
るとしても、風俗営業法その他の法令において、過去に同法に基づく営業停止
処分を受けた事実があることをもって将来別の処分をする場合の加重要件とす
ることや、不利益な事由として考慮し得ることを定める規定は存在しないから、
当該風俗営業者には、当該営業停止処分の取消しを求める訴えの利益は認めら
れない。
[ファイナル模試 17-ア]

□□□ Q45 執行停止の申立てがあった場合に、内閣総理大臣は、裁判所に対し異議


を述べることができるが、異議があったとしても、裁判所は、公共の福祉
に重大な影響を及ぼすと認める場合には執行停止をすることができる。
[ファイナル模試 19-4]

□□□ Q46 取消訴訟において、処分が違法であるとして取り消された場合には、その


判決の効力は、第三者に対しても及ぶ。
[公開模試② 17-2]

□□□ Q47 無効確認訴訟において、処分をした行政庁以外の行政庁を訴訟に参加させるこ


とが必要であると認めるときは、職権で、決定をもって、その行政庁を訴訟に参
加させることができる。
[ファイナル模試 18-イ]

第2回 第3回 第4回 第5回 第6回 第7回 第8回 第9回 第


□□□ Q48 行政庁に許可の申請をしたところ、何らの応答もないので、申請者が不作
為の違法確認訴訟を提起し、勝訴した場合、判決の拘束力により、当該行政
庁は、当該許可をすることで応答しなければならない。[公開模試① 18-オ]

□□□ Q49 仮の義務付けの決定は、本案訴訟である義務付けの訴えの提起があった


場合においては、裁判所が職権で行うことができる。
[公開模試① 19-イ]

□□□ Q50 行政庁が第三者に対する一定の処分をしようとしている場合に、その処分


の差止めの訴えが提起され、認容判決がされたとき、当該判決には、第三者
効が認められる。
[公開模試② 18-オ]

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A44 × 行政手続法 12 条1項の規定により定められ公にされている処分基準におい


平成二五年 平成二四年 平成二三年 平成二二年 平成二一年 平成二〇年 平成一九年 平成一八年

て、先行の処分を受けたことを理由として後行の処分に係る量定を加重する
旨の不利益な取扱いの定めがある場合には、上記先行の処分に当たる処分を
受けた者は、将来において上記後行の処分に当たる処分の対象となり得るとき
は、上記先行の処分に当たる処分の効果が期間の経過によりなくなった後にお
いても、当該処分基準の定めにより上記の不利益な取扱いを受けるべき期間内
はなお当該処分の取消しによって回復すべき法律上の利益を有する(パチンコ
店営業停止処分取消請求事件/最判平 27.3.3)。
[ファイナル模試 17-ア]

A45 × 執行停止の申立てがあった場合には、内閣総理大臣は、裁判所に対し、異議を
述べることができる(27 条1項前段)
。内閣総理大臣の異議があったときは、
裁判所は、執行停止をすることができず、また、すでに執行停止の決定をしている
ときは、これを取り消さなければならない(27 条4項)
。[ファイナル模試 19-4]

A46 ○ 処分または裁決を取り消す判決は、第三者に対しても効力を有する(32 条1
項)。
[公開模試② 17-2]

A47 ○ 取消訴訟における「行政庁の訴訟参加」の規定(23 条)は、無効等確認訴


第1回 第2回 第3回 第4回 第5回 第6回 第7回 第8回 第9回

訟に準用される(38 条1項)。よって、無効確認訴訟において、処分をした行
政庁以外の行政庁を訴訟に参加させる必要があると認めるときは、当事者も
しくはその行政庁の申立てによりまたは職権で、決定をもって、その行政庁
を訴訟に参加させることができる。[ファイナル模試 18-イ]

A48 × 不作為の違法確認判決の拘束力(38 条1項・33 条)により、当該行政庁は、


何らかの処分をすることが義務付けられるが、申請により求められた処分をす
ることが義務付けられるわけではない。
[公開模試① 18-オ]

A49 × 義務付けの訴えの提起があった場合において、その義務付けの訴えに係る処分
または裁決がされないことにより生ずる償うことのできない損害を避けるため
緊急の必要があり、かつ、本案について理由があるとみえるときは、裁判所は、
申立てにより、決定をもって、仮の義務付けができる (37 条の5第1項)。仮の
義務付けの決定を、裁判所は職権で行うことができない。
[公開模試① 19-イ]

A50 × 差止判決については、取消判決の第三者効の規定 (32 条1項) は準用されて


いない(38 条参照)
。[公開模試② 18-オ]

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□□□ Q51 公職選挙法に基づいて、選挙人が中央選挙管理会を被告として提起する衆

平成二五年 平成二四年 平成二三年 平成二二年 平成二一年 平成二〇年 平成一九年 平成一八年


議院(比例代表選出)議員選挙の効力に関する訴訟は、形式的当事者訴訟に
当たる。
[公開模試② 19-ア]

⑤ 国家賠償・損失補償

□□□ Q52 国または公共団体の公務員による一連の職務上の行為の過程において他人


に被害を生ぜしめた場合において、具体的にどの公務員のどのような違法行
為によるものであるかを特定することができなくても、一連の行為のうちの
いずれかに故意または過失による違法行為がなければ被害が生ずることはな
かったであろうと認められるときは、一連の行為を組成する各行為の一部が
国または同一の公共団体の公務員の職務上の行為でなくても、国または公共
団体は、加害行為の不特定を理由に損害賠償責任を負う。
[公開模試② 20-ウ]

□□□ Q53 警察官が、交通法規等に違反して車両で逃走する者をパトカーで追跡する

第2回 第3回 第4回 第5回 第6回 第7回 第8回 第9回 第


職務の執行中に、逃走車両の走行により第三者が損害を被った場合、当該
警察官の職務執行は、当該追跡が職務目的を遂行する上で必要なものであり、
かつ、追跡の開始・継続および追跡の方法が相当であったとしても、当該
第三者に対する関係では違法なものとなる。
[公開模試① 20-2]

□□□ Q54 未改修である河川の管理についての瑕疵の有無は、河川管理における財政


的、技術的および社会的諸制約の下でも、過渡的な安全性をもって足りるも
のではなく、通常予測される災害に対応する安全性を備えていると認められ
るかどうかを基準として判断すべきである。
[公開模試② 21-ウ]

10

21
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A51 × 公職選挙法 204 条に基づいて、選挙人が中央選挙管理会を被告として提起する


平成二五年 平成二四年 平成二三年 平成二二年 平成二一年 平成二〇年 平成一九年 平成一八年

衆議院(比例代表選出)議員選挙の効力に関する訴えは、民衆訴訟(行政事件訴
訟法5条)に当たる。
[公開模試② 19-ア]

⑤ 国家賠償・損失補償

A52 × 国又は公共団体の公務員による一連の職務上の行為の過程において他人に被
害を生ぜしめた場合において、それが具体的にどの公務員のどのような違法行為
によるものであるかを特定することができなくても、一連の行為のうちのいずれ
かに行為者の故意又は過失による違法行為があったのでなければ被害が生ずる
ことはなかったであろうと認められ、かつ、それがどの行為であるにせよこれに
よる被害につき行為者の属する国又は公共団体が法律上賠償の責任を負うべき
関係が存在するときは、国又は公共団体は、加害行為不特定の故をもって国家賠
償法又は民法上の損害賠償責任を免れることができないと解するのが相当であ
るが、この法理が肯定されるのは、それらの一連の行為を組成する各行為のいず
れもが国又は同一の公共団体の公務員の職務上の行為にあたる場合に限られ、
一部にこれに該当しない行為が含まれている場合には、この法理は妥当しない
第1回 第2回 第3回 第4回 第5回 第6回 第7回 第8回 第9回

(岡山税務署健康診断事件/最判昭 57.4.1)。
[公開模試② 20-ウ]

A53 × 警察官が職責を遂行する目的のために交通法規等に違反して車両で逃走する
者をパトカーで追跡する職務の執行中に、逃走車両の走行により第三者が損害
を被った場合において、追跡行為が違法であるというためには、追跡が当該職
務目的を遂行する上で不必要であるか、又は逃走車両の逃走の態様及び道路
交通状況等から予測される被害発生の具体的危険性の有無及び内容に照らし、
追跡の開始・継続若しくは追跡の方法が不相当であることを要する(パトカ
ー追跡事故事件/最判昭 61.2.27)。
[公開模試① 20-2]

A54 × 河川の管理には、諸制約が内在するため、すべての河川について通常予測し、
かつ、回避しうるあらゆる水害を未然に防止するに足りる治水施設を完備する
には、相応の期間を必要とし、未改修河川又は改修の不十分な河川の安全性と
しては、諸制約のもとで一般に施行されてきた治水事業による河川の改修、
整備の過程に対応するいわば過渡的な安全性をもって足りる(大東水害訴訟
/最判昭 59.1.26)
。[公開模試② 21-ウ]

22
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□□□ Q55 都市計画決定に基づく都市計画道路の区域内に土地および建物を所有してい

平成二五年 平成二四年 平成二三年 平成二二年 平成二一年 平成二〇年 平成一九年 平成一八年


る者が、当該都市計画に係る事業が決定から 60 年以上にわたって着手されない
ことにより、その間、当該土地への建築物の建築につき都市計画法 53 条の建築
制限を受けてきた場合には、そのような長期間の建築制限による損失は、通常、
一般的に当然に受忍すべきものとされる制限の範囲を超えた特別の犠牲に当た
るから、憲法 29 条3項の損失補償を必要とする。
[ファイナル模試 21-1]

⑥ 地方自治法

□□□ Q56 地方自治法は、


普通地方公共団体の議会の議決事件を限定列挙しているから、
普通地方公共団体は、自治事務につき条例で議会の議決事件を追加することが
できない。[ファイナル模試 23-4]

□□□ Q57 普通地方公共団体の長は、提出した議案について説明するため、いつでも


議会に出席することができるが、審議に必要な説明のため議長から出席を求
められたときは、必ず出席しなければならない。
[公開模試② 23-イ]

第2回 第3回 第4回 第5回 第6回 第7回 第8回 第9回 第


□□□ Q58 事務監査請求は、外国人でもすることができるのに対し、住民監査請求は、
日本国民でなければすることができない。
[公開模試② 22-2]

□□□ Q59 住民訴訟を提起することができるのは、普通地方公共団体の住民であって、


住民監査請求した者であり、法人や外国人であっても住民監査請求を経たう
えで住民訴訟を提起することができる。
[公開模試① 22-ア]

□□□ Q60 地方公共団体の長は、その定める規則の中に、規則に違反した者に対して


過料を科する旨の規定を設けることはできない。
[ファイナル模試 9-5]

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A55 × 都市計画決定による建築物の建築制限による損失は、一般的に当然に受忍す
平成二五年 平成二四年 平成二三年 平成二二年 平成二一年 平成二〇年 平成一九年 平成一八年

べきものとされる制限の範囲を超えて特別の犠牲を課せられたものというこ
とがいまだ困難であるから、直接憲法 29 条3項を根拠として上記の損失につき
補償請求をすることはできない(都市計画制限損失補償事件/最判平 17.11.1)。
[ファイナル模試 21-1]

⑥ 地方自治法

A56 × 地方自治法は、普通地方公共団体の議会の議決事件を制限列挙している(96
条1項各号)。もっとも、普通地方公共団体は、条例で普通地方公共団体に関
する事件 (法定受託事務に係るものにあっては、国の安全に関することその他
の事由により議会の議決すべきものとすることが適当でないものとして政令で定
めるものを除く。) につき議会の議決すべきものを定めることができる(96
条2項)。よって、普通地方公共団体は、自治事務につき条例で議会の議決事件
を追加することができる。[ファイナル模試 23-4]

A57 × 普通地方公共団体の長および委員等は、議会の審議に必要な説明のため議長か
第1回 第2回 第3回 第4回 第5回 第6回 第7回 第8回 第9回

ら出席を求められたときは、議場に出席しなければならない(121 条1項本文)

ただし、出席すべき日時に議場に出席できないことについて正当な理由がある場
合において、その旨を議長に届け出たときは、この限りでない(121 条1項ただし
書)
。[公開模試② 23-イ]

A58 × ① 事務監査請求は、日本国民たる当該普通地方公共団体の住民でなければ、
することができない(75 条1項参照)
。② 住民監査請求は、当該普通地方公共
団体の住民であれば、外国人でもすることができる(242 条1項参照)
。[公開模
試② 22-2]

A59 ○ 住民訴訟を提起することができるのは、当該普通地方公共団体の住民であっ
て、住民監査請求をした者である(242 条の2第1項参照)
。法人や外国人であ
っても、住民監査請求を経たうえで住民訴訟を提起することができる。
[公開模
試① 22-ア]

A60 × 地方公共団体の長は、規則中に、規則に違反した者に対して過料を科する旨の
規定を設けることができる(15 条2項)
。[ファイナル模試 9-5]

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3 民法

平成二五年 平成二四年 平成二三年 平成二二年 平成二一年 平成二〇年 平成一九年 平成一八年


① 総則

□□□ Q61 未成年者は、みずからの行った法律行為を、法定代理人の同意を得てい


なかったことを理由に取り消した場合に、その行為によって受領した金銭
を遊興費として費消していたときは、その全額を返還しなければならない。
[公開模試① 27-ウ]

□□□ Q62 権利能力なき社団の資産たる不動産については、社団の代表者が、社団の


構成員全員の受託者たる地位において、個人の名義で所有権の登記をする
ことができるが、社団の代表者である旨の肩書を付した代表者個人名義の
登記をすることは許されない。
[ファイナル模試 27-5]

□□□ Q63 錯誤が表意者の重大な過失によるものであった場合には、相手方が表意者に


錯誤があることを重大な過失によって知らなかったときでも、表意者は、錯誤

第2回 第3回 第4回 第5回 第6回 第7回 第8回 第9回 第


による意思表示の取消しをすることはできない。[公開模試① 28-エ]

□□□ Q64 錯誤による意思表示の取消しは、その取消し前に利害関係を有するに至った


善意でかつ過失がない第三者に対抗することができない。
[公開模試① 28-オ]

□□□ Q65 Aは、自己の所有する甲建物を、Bに騙されてBに売却して登記も移転


した。Bは、甲建物を、詐欺の事実を過失により知らないCに転売して登
記も移転した。その後、AがBに騙されたことに気づいてAB間の売買契
約を取り消したときは、AはCに対して甲建物の返還を請求することがで
きる。
[公開模試② 27-ア]

10

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3 民法
平成二五年 平成二四年 平成二三年 平成二二年 平成二一年 平成二〇年 平成一九年 平成一八年

① 総則

A61 × 未成年者が法定代理人の同意を要する法律行為をその同意を得ないでしたと
きは、その法律行為は、取り消すことができる(5条2項)
。行為の時に制限行
為能力者であった者は、その行為によって現に利益を受ける限度において、返還
の義務を負う(121 条の2第3項後段)
。受領した金銭を、本来は支出する必要の
なかった「遊興費」として費消してしまった場合には、現に受けている利益がな
いから、返還の義務を負わない(大判昭 14.10.26)
。なお、
「生活費」として支出
した場合には、それによって支出するはずであった金銭の支出を免れており、そ
の者の財産を全体としてみると現に受けている利益があるから、返還の義務を負
う(大判昭 7.10.26)
。[公開模試① 27-ウ]

A62 ○ 本来、社団構成員の総有に属する不動産は、構成員全員のために信託的に社団代
表者個人の所有とされるものであるから、代表者は、構成員全員の受託者たる地位
において自己の名義をもって登記をすることができるが、社団の代表者である旨の
肩書を付した登記をすることは許されない(最判昭 47.6.2)
。[ファイナル模試 27-5]
第1回 第2回 第3回 第4回 第5回 第6回 第7回 第8回 第9回

A63 × 錯誤が表意者の重大な過失によるものであった場合には、①「相手方が表意
者に錯誤があることを知り、又は重大な過失によって知らなかったとき」、②「相
手方が表意者と同一の錯誤に陥っていたとき」を除き、錯誤による意思表示の
取消しをすることができない(95 条3項)
。よって、相手方が表意者に錯誤があ
ることを重大な過失によって知らなかったときは、表意者は、錯誤による意思表
示の取消しをすることができる。[公開模試① 28-エ]

A64 ○ 錯誤による意思表示の取消しは、善意でかつ過失がない第三者に対抗することが
できない(95 条4項)
。ここにいう「第三者」とは、取消し前に利害関係を有するに
至った善意でかつ過失がない第三者のことであると解される。
[公開模試① 28-オ]
.....
A65 ○ 詐欺による意思表示の取消しは、善意でかつ過失がない第三者に対抗するこ

とができない(96 条3項)
。取消前の第三者CがBによる詐欺の事実を知らな
.....
かった(善意であった)ことについて過失があるときは、Aは、Cに対して、
取消しによる契約の遡及的無効による所有権の復帰を対抗して甲建物の返還を
請求することができる。
[公開模試② 27-ア]

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□□□ Q66 裁判上の請求がされた後に、その請求に係る訴訟が訴えの取下げによって

平成二五年 平成二四年 平成二三年 平成二二年 平成二一年 平成二〇年 平成一九年 平成一八年


終了したときは、その終了の時から6か月を経過するまでの間は、消滅時効は
完成しない。
[ファイナル模試 28-イ]

□□□ Q67 消滅時効は、権利の承認があったときは、その時から新たにその進行を始める


が、その承認をするには、相手方の権利についての処分につき行為能力の制限を
受けていないことまたは権限があることを要しない。
[ファイナル模試 28-エ]

② 物権

□□□ Q68 他人のために占有をする者も、その占有を奪われたときは、占有回収の


訴えにより、その物の返還および損害の賠償を請求することができる。
[公開模試① 29-エ]

□□□ Q69 Aが、Bの行為能力の制限について、そのような制限はないと過失なく


信じて、Bから時計を買い受けて占有を取得したときは、即時取得が成立

第2回 第3回 第4回 第5回 第6回 第7回 第8回 第9回 第


する。[公開模試② 29-2]

□□□ Q70 Aが、Bの所有する絵画について、Cの所有する絵画であると過失なく


信じて、Cから当該絵画を買い受ける際に「以後Aのために占有する」と
の意思を表示されたときは、現実の引渡しを受けていなくても、即時取得
が成立する。
[公開模試② 29-3]

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......
A66 ○ ① 裁判上の請求、② 支払督促、③ 和解または調停、④ 破産手続参加、再生
平成二五年 平成二四年 平成二三年 平成二二年 平成二一年 平成二〇年 平成一九年 平成一八年

手続参加または更生手続参加という事由がある場合には、その事由が終了する
.......
(確定判決または確定判決と同一の効力を有するものによって権利が確定する
....
ことなくその事由が終了した場合にあっては、その終了の時から6カ月を経過す
る)までの間は、時効は、完成しない(裁判上の催告/147 条1項)。訴えの取
...........
下げによって権利が確定することなくその事由が終了したときは、その終了の時
から6カ月を経過するまでの間は、時効は完成しない。
[ファイナル模試 28-イ]

A67 ○ 時効は、権利の承認があったときは、その時から新たにその進行を始める
(152 条1項)
。その承認をするには、相手方の権利についての処分につき行為
能力の制限を受けていないことまたは権限があることを要しない(152 条2項)

[ファイナル模試 28-エ]

② 物権

A68 ○ 他人のために占有をする者も、その占有を奪われたときは、占有回収の訴え
により、その物の返還および損害の賠償を請求することができる(197 条後段・
200 条1項)
。[公開模試① 29-エ]
第1回 第2回 第3回 第4回 第5回 第6回 第7回 第8回 第9回

A69 × 取引行為によって、平穏に、かつ、公然と動産の占有を始めた者は、善意で
あり、かつ、過失がないときは、即時にその動産について行使する権利を取得
する(即時取得/192 条)
。制限行為能力者との取引については、有効な取引行
為とはいえないから、即時取得は成立しない。
[公開模試② 29-2]

A70 × 無権利者から動産の譲渡を受けた場合において、譲受人が民法 192 条により


その所有権を取得しうるためには、一般外観上従来の占有状態に変更を生ずるが
ごとき占有を取得することを要し、かかる状態に一般外観上変更を来たさない
いわゆる占有改定の方法による取得をもっては足らない(最判昭 35.2.11)
。よって、
即時取得は成立しない。
[公開模試② 29-3]

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□□□ Q71 建築物の賃借人は、賃貸人の承諾を得て建物に増築を行っても、増築部

平成二五年 平成二四年 平成二三年 平成二二年 平成二一年 平成二〇年 平成一九年 平成一八年


分が取引上の独立性を有しない場合には、当該増築部分の所有権を取得し
ない。[ファイナル模試 29-3]

□□□ Q72 動産の保存の先取特権は、債務者がその動産を第三取得者に引き渡した場


合でも、その動産について行使することができる。
[公開模試② 30-イ]

□□□ Q73 動産の売買の先取特権は、物上代位の目的債権が譲渡されて債権譲渡の対抗


要件が備えられた場合でも、その目的債権について差押えをすることによって
行使することができる。[公開模試② 30-エ]

□□□ Q74 構成部分の変動する集合動産を目的とする集合物譲渡担保権の設定者が

第2回 第3回 第4回 第5回 第6回 第7回 第8回 第9回 第


その構成部分である動産の占有を取得したときは譲渡担保権者が占有改定の方
法によって占有権を取得する旨の合意があり、譲渡担保権設定者がその構成部
分として現に存在する動産の占有を取得した場合には、譲渡担保権者は譲渡担
保権につき対抗要件を具備するに至り、その対抗要件具備の効力は、新たにそ
の構成部分となった動産を包含する集合物に及ぶ。
[ファイナル模試 30-イ]

□□□ Q75 不動産の取得時効の完成後、所有権移転登記がされることのないまま、第


三者が原所有者から抵当権の設定を受けて抵当権設定登記を了した場合に、
その時効取得者が、その後引き続き時効取得に必要な期間占有を継続したと
きは、特段の事情がない限り、不動産を時効取得し、その結果、抵当権は消
滅する。
[公開模試① 30-オ]

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A71 ○ 不動産の所有者は、その不動産に従として付合した物の所有権を取得する
平成二五年 平成二四年 平成二三年 平成二二年 平成二一年 平成二〇年 平成一九年 平成一八年

(242 条本文)
。ただし、権原によってその物を附属させた他人の権利を妨げない
(242 条ただし書)
。建物賃借人が、賃借建物である平屋の上に2階を増築した
場合において、当該2階部分への出入りが賃借建物内の部屋の中にあるはしご段を
使用するほかないときは、2階部分は独立性を有せず、増築につき賃貸人の承
諾を受けたとしても、242 条ただし書の適用はない(最判昭 44.7.25)
。よって、
建築物の賃借人は、当該増築部分の所有権を取得しない。
[ファイナル模試 29-3]

A72 × 動産の保存の先取特権は、動産の保存のために要した費用または動産に関
する権利の保存、承認もしくは実行のために要した費用に関し、その動産に
ついて存在する(311 条4号、320 条)。先取特権は、債務者がその目的であ
る動産をその第三取得者に引き渡した後は、その動産について行使することがで
きない(333 条)。
[公開模試② 30-イ]

A73 × 動産の売買の先取特権は、動産の代価およびその利息に関し、その動産について
存在する(311 条5号、321 条)
。動産売買の先取特権者は、物上代位の目的債権が
譲渡され、第三者に対する対抗要件が備えられた後においては、目的債権を差し押さ
えて物上代位権を行使することはできない(最判平 17.2.22)
。[公開模試② 30-エ]
第1回 第2回 第3回 第4回 第5回 第6回 第7回 第8回 第9回

A74 ○ 債権者と債務者との間に、集合物を目的とする譲渡担保権設定契約が締結され、
債務者がその構成部分である動産の占有を取得したときは債権者が占有改定の
方法によってその占有権を取得する旨の合意に基づき、債務者が集合物の構成部
分として現に存在する動産の占有を取得した場合には、債権者は、当該集合物を
目的とする譲渡担保権につき対抗要件を具備するに至ったものということがで
き、この対抗要件具備の効力は、その後構成部分が変動したとしても、集合物と
しての同一性が損なわれない限り、新たにその構成部分となった動産を包含する
集合物について及ぶ(最判昭 62.11.10)
。[ファイナル模試 30-イ]

A75 ○ 不動産の取得時効の完成後、所有権移転登記がされることのないまま、第三
者が原所有者から抵当権の設定を受けて抵当権設定登記を了した場合において、
上記不動産の時効取得者である占有者が、その後引き続き時効取得に必要な期
間占有を継続したときは、上記占有者が上記抵当権の存在を容認していたなど
抵当権の消滅を妨げる特段の事情がない限り、上記占有者は、上記不動産を時効
取得し、その結果、上記抵当権は消滅する(最判平 24.3.16)
。[公開模試① 30-オ]

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③ 債権

平成二五年 平成二四年 平成二三年 平成二二年 平成二一年 平成二〇年 平成一九年 平成一八年


□□□ Q76 債権者は、
受益者に対して詐害行為取消請求をすることができない場合でも、
受益者からの転得者が、その転得の時に、債務者がした行為が債権者を害する
ことを知っていたときは、その転得者に対して、詐害行為取消請求をすること
ができる。
[公開模試② 31-5]

□□□ Q77 A、
BおよびCの3人が、
Dに対して連帯して 90 万円の金銭債権を有する。
DがAに対して 30 万円の債権を有する場合に、Dが相殺を援用しても、
BおよびCに対しては相殺の効力を生じない。
[ファイナル模試 31-3]

□□□ Q78 保証人が主たる債務者の委託を受けて保証をした場合において、主たる債務


の弁済期前に主たる債務者に代わって弁済その他自己の財産をもって債務を消
滅させる行為をしたときは、その保証人は、主たる債務者が現に利益を受けて
いる限度において求償権を有する。
[公開模試① 31-イ]

□□□ Q79 Aに対して甲土地を売却したBは、いまだAに対する甲土地の引渡債務を


履行していないときでも、Aに対する売買代金債権を自働債権として、Aの
Bに対する貸金債権を受働債権とする相殺をAに対抗することができる。
[公開模試① 32-イ]

第2回 第3回 第4回 第5回 第6回 第7回 第8回 第9回 第


□□□ Q80 AのBに対する債権をCが差し押さえた後に、その差押え前の原因に基づ
いてBのAに対する債権が生じたときは、Bは、Aに対する債権を自働債権
として、AのBに対する債権を受働債権とする相殺をCに対抗することがで
きる。
[公開模試① 32-オ]

□□□ Q81 ある特定の者が不特定多数の者を相手方として行う取引であって、その内容


の全部または一部が画一的であることがその双方にとって合理的なものを定型
取引といい、定型取引において契約の内容とすることを目的としてその特定の
者により準備された条項の総体を定型約款という。
[ファイナル模試 32-ア]

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③ 債権
平成二五年 平成二四年 平成二三年 平成二二年 平成二一年 平成二〇年 平成一九年 平成一八年

A76 × 債権者は、受益者に対して詐害行為取消請求をすることができる場合において、
受益者から転得した者があるときは、その転得者が、転得の当時、債務者がした
行為が債権者を害することを知っていた場合に限り、その転得者に対しても、詐
害行為取消請求をすることができる(424 条の5第1号)
。[公開模試② 31-5]

A77 × 債務者が連帯債権者の一人に対して債権を有する場合において、その債務者
が相殺を援用したときは、その相殺は、他の連帯債権者に対しても、その効力
を生ずる(434 条)。よって、BおよびCに対しても 30 万円の限度で相殺の効
力を生ずる。[ファイナル模試 31-3]

A78 × 保証人が主たる債務者の委託を受けて保証をした場合において、主たる債務の
弁済期前に債務の消滅行為をしたときは、その保証人は、主たる債務者に対し、
主たる債務者がその当時(= 債務の消滅行為をした時点で)利益を受けた限度
において求償権を有する(459 条の2第1項前段)
。[公開模試① 31-イ]

A79 × 自働債権に同時履行の抗弁権(533 条)が付着している場合には、相殺は許


されない(大判昭 13.3.1)。
[公開模試① 32-イ]
第1回 第2回 第3回 第4回 第5回 第6回 第7回 第8回 第9回

A80 ○ 差押えを受けた債権の第三債務者は、差押え後に取得した債権による相殺をもっ
て差押債権者に対抗することはできないが、差押え前に取得した債権による相殺を

もって対抗することができる(511 条1項)
。もっとも、差押え後に取得した債権が

差押え前の原因に基づいて生じたものであるときは、その第三債務者は、その債権
による相殺をもって差押債権者に対抗することができる
(511 条2項本文)
。ただし、
第三債務者が差押え後に他人の債権を取得したときは、この限りでない(511 条2項

ただし書)
。Bの債権は、Aの債権の差押え前の原因に基づいて発生した、他人から
.....
取得したものではない自己の債権であるから、Bは、差押債権者Cに対して相殺を
対抗することができる。
[公開模試① 32-オ]

A81 ○ ある特定の者が不特定多数の者を相手方として行う取引であって、その内容の全部
または一部が画一的であることがその双方にとって合理的なものを「定型取引」といい、
定型取引において契約の内容とすることを目的としてその特定の者により準備された
条項の総体を「定型約款」という(548 条の2第1項参照)
。[ファイナル模試 32-ア]

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□□□ Q82 当事者の一方が債務を履行しない場合に、相手方が相当の期間を定めて履

平成二五年 平成二四年 平成二三年 平成二二年 平成二一年 平成二〇年 平成一九年 平成一八年


行の催告をし、その期間内に履行がないときは、相手方は、その期間を経過
した時における債務の不履行が契約および取引上の社会通念に照らして軽
微である場合を除き、契約の解除をすることができる。[公開模試② 32-ウ]

□□□ Q83 債務の一部の履行が不能であって、残存する部分のみでは契約をした目的


を達することができない場合でも、債権者は、残存する部分についての履行
の催告をしなければ、契約の全部についての解除をすることはできない。
[公開模試② 32-エ]

□□□ Q84 賃貸借契約は、書面でしなくても、その効力を生ずるのに対し、使用貸借


契約は、書面でしなければ、その効力を生じない。
[公開模試① 33-ア]

第2回 第3回 第4回 第5回 第6回 第7回 第8回 第9回 第


□□□ Q85 請負人が種類に関して契約の内容に適合しない仕事の目的物を注文者に
引き渡した場合に、その不適合が注文者の供した材料の性質によって生じた
ときは、注文者は、請負人がその材料が不適当であることを知りながら告げ
なかった場合でも、その不適合を理由として報酬の減額の請求をすることは
できない。
[ファイナル模試 33-2]

□□□ Q86 請負人が既にした仕事の結果のうち可分な部分の給付によって注文者が


利益を受ける場合でも、注文者の責めに帰することができない事由によって
仕事を完成することができなくなったときは、請負人は、その利益の割合に
応じて報酬を請求することはできない。
[ファイナル模試 33-4]

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A82 ○ 当事者の一方がその債務を履行しない場合において、相手方が相当の期間を定
平成二五年 平成二四年 平成二三年 平成二二年 平成二一年 平成二〇年 平成一九年 平成一八年

めてその履行の催告をし、その期間内に履行がないときは、相手方は、契約の解
除をすることができる(541 条本文)。ただし、その期間を経過した時における
債務の不履行がその契約および取引上の社会通念に照らして軽微であるときは、
この限りでない(541 条ただし書)
。[公開模試② 32-ウ]

A83 × 債務の一部の履行が不能である場合又は債務者がその債務の一部の履行を拒絶
する意思を明確に表示した場合において、残存する部分のみでは契約をした目的
を達することができないときは、債権者は、541 条の催告をすることなく、直ちに
契約の解除をすることができる(542 条1項3号)
。[公開模試② 32-エ]

A84 × ① 賃貸借は、当事者の一方がある物の使用および収益を相手方にさせること
を約し、相手方がこれに対してその賃料を支払うことおよび引渡しを受けた物を
契約が終了したときに返還することを約することによって、その効力を生ずる
(601 条)
。すなわち、賃貸借契約は、書面でしなくても、その効力を生ずる。
② 使用貸借は、当事者の一方がある物を引き渡すことを約し、相手方がその受
け取った物について無償で使用および収益をして契約を終了したときに返還す
第1回 第2回 第3回 第4回 第5回 第6回 第7回 第8回 第9回

ることを約することによって、その効力を生ずる(593 条)
。すなわち、使用貸借
契約も、書面でしなくても、その効力を生ずる。
[公開模試① 33-ア]
..
A85 × 請負人が種類または品質に関して契約の内容に適合しない仕事の目的物を注
..
文者に引き渡したときは、注文者は、注文者の供した材料の性質または注文者の
.....
与えた指図によって生じた不適合を理由として、履行の追完の請求、報酬の減額
...
の請求、損害賠償の請求および契約の解除をすることができない(636 条本文)

..
ただし、請負人がその材料または指図が不適当であることを知りながら告げなか
ったときは、この限りでない(636 条ただし書)
。[ファイナル模試 33-2]

A86 × ①「注文者の責めに帰することができない事由によって仕事を完成することが
できなくなったとき」、②「請負が仕事の完成前に解除されたとき」において、
請負人が既にした仕事の結果のうち可分な部分の給付によって注文者が利益を
受けるときは、その部分が仕事の完成とみなされる(634 条前段)
。この場合に
おいて、請負人は、注文者が受ける利益の割合に応じて報酬を請求することが
できる(634 条後段)
。[ファイナル模試 33-4]

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□□□ Q87 登記されていない建物を不法な原因のために贈与した者は、その建物の引渡

平成二五年 平成二四年 平成二三年 平成二二年 平成二一年 平成二〇年 平成一九年 平成一八年


しをした後は、その建物の返還を請求することはできない。
[公開模試② 34-イ]

□□□ Q88 給付をした者に不法な原因があった場合には、それが相手方の不法に比べ


れば問題にならない程度のものであったときでも、その給付したものの返還
を請求することは認められない。
[公開模試② 34-ウ]

□□□ Q89 A会社に雇用されて荷物の運送業務に従事していたBは、その業務として


トラックを運転中に、Cの運転する自転車に当該トラックを接触させて、Cに
損害を与えた。BがCに対して損害を賠償したときは、BはA会社に対して
逆求償をすることはできない。
[公開模試① 34-5]

□□□ Q90 放課後、児童らのために開放されていた小学校の校庭において、責任能力

第2回 第3回 第4回 第5回 第6回 第7回 第8回 第9回 第


のない未成年者がサッカーゴールに向けてするフリーキックの練習のよう
な、通常は人身に危険が及ぶものとは認められない行為によって、たまたま
人身に損害を生じさせた場合であっても、その親権者は、当該行為について
具体的に予見可能であったかどうかを問わず、民法 714 条1項の監督義務者
としての責任を免れない。
[ファイナル模試 34-2]

10

35
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A87 ○ 不法な原因のために給付をした者は、その給付したものの返還を請求することが
平成二五年 平成二四年 平成二三年 平成二二年 平成二一年 平成二〇年 平成一九年 平成一八年

できない(不法原因給付/708 条本文)
。本件贈与の目的である建物は未登記のもの
であって、その引渡しにより贈与者の債務は履行を完了したものと解されるから、
その引渡しは 708 条本文の給付に当たる(最判昭 45.10.21)
。[公開模試② 34-イ]

A88 × 不法な原因のために給付をした者は、その給付したものの返還を請求すること
ができない(不法原因給付/708 条本文)
。ただし、不法な原因が受益者(相手方)に
ついてのみ存したときは、この限りでない(708 条ただし書)
。もっとも、給付を
した者の不法性が甚だ微弱なものであって相手方の不法に比べれば問題にならぬ
程度のものである場合には、その給付したものの返還を請求することができる
(最判昭 29.8.31)
。[公開模試② 34-ウ]

A89 × 被用者が使用者の事業の執行について第三者に損害を加え、その損害を賠償し
た場合には、被用者は、使用者の事業の性格、規模、施設の状況、被用者の業務
の内容、労働条件、勤務態度、加害行為の態様、加害行為の予防または損失の分
散についての使用者の配慮の程度その他諸般の事情に照らし、損害の公平な分担
という見地から相当と認められる額について、使用者に対して求償(逆求償)
することができる。
[公開模試① 34-5]
第1回 第2回 第3回 第4回 第5回 第6回 第7回 第8回 第9回

A90 × 責任を弁識する能力のない未成年者の蹴ったサッカーボールが道路に転がり出て、
これを避けようとした自動二輪車の運転者が転倒して負傷し、その後死亡した場合
において、① その未成年者が、放課後児童らのために開放されていた小学校の校庭
において、使用可能な状態で設置されていたサッカーゴールに向けてフリーキック
の練習をしていたのであり、殊更に道路に向けてボールを蹴ったなどの事情がない
こと、② サッカーゴールに向けて蹴ったとしても、ボールが道路上に出ることが常
態であったものとは見られないこと、③ その未成年者の親権者は、危険な行為に及
ばないよう日頃から通常の躾をしており、このような当該未成年者の行為について
具体的に予見可能であったなどの特別の事情があったことも窺われないことなどの
事情の下では、当該未成年者の親権者は、民法 714 条の監督義務者としての責任を
免れる(サッカーボール事件/最判平 27.4.9)
。[ファイナル模試 34-2]

36
(予備 )
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④ 家族法

平成二五年 平成二四年 平成二三年 平成二二年 平成二一年 平成二〇年 平成一九年 平成一八年


□□□ Q91 被相続人が、婚姻期間が 20 年以上の配偶者に対し、その居住の用に供す
る建物を贈与したときは、その贈与について特別受益の持戻しの免除の意思
を表示したものと推定される。
[公開模試① 35-イ]

□□□ Q92 相続人以外の被相続人の親族は、被相続人に対して無償で療養看護をした


ことにより被相続人の財産の維持について特別の寄与をしたときは、相続の
開始後、相続人に対し、その者の寄与に応じた額の金銭の支払を請求するこ
とができる。
[公開模試① 35-ウ]

□□□ Q93 遺言者は、自筆証書による遺言をする場合に、自筆証書にこれと一体のも


のとして相続財産目録を添付するときは、その目録については自書すること
を要しないが、その場合には、目録の毎葉に署名して印を押さなければなら
ない。
[公開模試② 35-ア]

第2回 第3回 第4回 第5回 第6回 第7回 第8回 第9回 第


□□□ Q94 遺言に停止条件を付した場合に、その条件が遺言者の死亡後に成就したと
きは、遺言は、条件が成就した時からその効力を生ずる。
[公開模試② 35-オ]

□□□ Q95 遺留分侵害額請求権は、相続の開始があった時から5年間行使しない


ときは、時効によって消滅する。
[ファイナル模試 35-5]

□□□ Q96 相続が開始した後における遺留分の放棄は、家庭裁判所の許可を受けた


ときに限り、その効力を生ずる。
[ファイナル模試 35-1]

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④ 家族法
平成二五年 平成二四年 平成二三年 平成二二年 平成二一年 平成二〇年 平成一九年 平成一八年

A91 ○ 婚姻期間が 20 年以上の夫婦の一方である被相続人が、他の一方に対し、その


居住の用に供する建物またはその敷地(居住用不動産)について遺贈または贈与
をしたときは、当該被相続人は、その遺贈または贈与について特別受益の持戻し
の免除の意思を表示したものと推定される(903 条4項)
。[公開模試① 35-イ]

A92 ○ 被相続人に対して無償で療養看護その他の労務の提供をしたことにより被相
続人の財産の維持または増加について特別の寄与をした被相続人の親族(相続人、
相続の放棄をした者および 891 条〔相続人の欠格事由〕の規定に該当しまたは廃
除によってその相続権を失った者を除く。
)は、相続の開始後、相続人に対し、
その者〔特別寄与者〕の寄与に応じた額の金銭〔特別寄与料〕の支払を請求する
ことができる(1050 条1項)
。[公開模試① 35-ウ]

A93 ○ 自筆証書によって遺言をするには、遺言者が、その全文、日付および氏名を
自書し、これに印を押さなければならない(968 条1項)。もっとも、自筆証書
にこれと一体のものとして相続財産の全部または一部の目録(相続財産目録)
を添付する場合には、その目録については、自書することを要しない(968 条
第1回 第2回 第3回 第4回 第5回 第6回 第7回 第8回 第9回

2項前段)
。この場合において、遺言者は、その目録の毎葉に署名し、印を押さ
なければならない(968 条2項後段)。
[公開模試② 35-ア]

A94 ○ 遺言は、遺言者の死亡の時からその効力を生ずる(985 条1項)


。もっとも、遺言
に停止条件を付した場合において、その条件が遺言者の死亡後に成就したときは、
遺言は、条件が成就した時からその効力を生ずる(985 条2項)
。[公開模試② 35-オ]

A95 × 遺留分侵害額の請求権は、遺留分権利者が、相続の開始および遺留分を侵害
する贈与または遺贈があったことを知った時から1年間行使しないときは、時
効によって消滅する(1048 条前段)
。相続開始の時から 10 年を経過したときも、
同様とする(1048 条後段)。
[ファイナル模試 35-5]

A96 × 相続の開始前における遺留分の放棄は、家庭裁判所の許可を受けたときに限り、
その効力を生ずる(1049 条1項)
。これに対し、相続の開始後における遺留分の放
棄は、自由にすることができる(1049 条1項反対解釈)
。[ファイナル模試 35-1]

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(予備 )
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4 個人情報保護法

□□□

平成二五年 平成二四年 平成二三年 平成二二年 平成二一年 平成二〇年 平成一九年 平成一八年


Q97 「個人情報の保護に関する法律」
、「行政機関の保有する個人情報の保護に
関する法律」、
「独立行政法人等の保有する個人情報の保護に関する法律」と
いう3本の法律を、1本の法律に統合した。
[公開模試① 55-5]

□□□ Q98 「仮名加工情報」は、他の情報と照合しても特定の個人を識別することが


できないように個人情報を加工して得られる個人に関する情報であり、ある
情報が「仮名加工情報」に加工されたときは「個人情報」には該当しないこ
とになる。
[ファイナル模試 55-2]

□□□ Q99 個人情報取扱事業者は、その取り扱う個人データの漏えい、滅失、毀損その他


の個人データの安全の確保に係る事態であって個人の権利利益を害するおそれ
が大きいものとして個人情報保護委員会規則で定めるものが生じたときは、一定
の場合を除き、当該事態が生じた旨を、個人情報保護委員会に報告するとともに、
本人に通知しなければならない。
[ファイナル模試 56-3]

第2回 第3回 第4回 第5回 第6回 第7回 第8回 第9回 第


□□□ Q100 個人情報取扱事業者は、他の個人情報取扱事業者からオプトアウト(本
人の同意を得ない第三者提供の特例)の手続により提供された個人データに
ついても、オプトアウトの手続を利用することができる。
[公開模試② 56-ア]

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(予備) 平成二六年 LEC東京リーガルマインド 複製・頒布を禁じます

4 個人情報保護法
平成二五年 平成二四年 平成二三年 平成二二年 平成二一年 平成二〇年 平成一九年 平成一八年

A97 ○ 2021 年の個人情報保護法の改正(官民を通じた個人情報保護制度の見直し)に


際し、個人情報保護法、行政機関個人情報保護法、独立行政法人等個人情報保護法
の3本の法律を1本の法律(個人情報保護法)に統合した。
[公開模試① 55-5]

A98 × 「仮名加工情報」とは、2条5項1号2号に掲げる個人情報の区分に応じて当
該各号に定める措置を講じて他の情報と照合しない限り特定の個人を識別するこ
とができないように個人情報を加工して得られる個人に関する情報をいう(2条
5項)
。他の情報と照合すれば特定の個人を識別することができる程度に加工され
たものであるから、基本的には「個人情報」に該当する。
[ファイナル模試 55-2]

A99 ○ 個人情報取扱事業者は、その取り扱う個人データの漏えい、滅失、毀損その他
の個人データの安全の確保に係る事態であって個人の権利利益を害するおそれ
が大きいものとして個人情報保護委員会規則で定めるものが生じたときは、一定
の場合を除き、個人情報保護委員会規則で定めるところにより、当該事態が生じ
た旨を個人情報保護委員会に報告しなければならない(26 条1項本文)
。個人情
報取扱事業者は、一定の場合を除き、本人に対し、個人情報保護委員会規則で定
第1回 第2回 第3回 第4回 第5回 第6回 第7回 第8回 第9回

めるところにより、当該事態が生じた旨を通知しなければならない(26 条2項
本文)
。[ファイナル模試 56-3]

A100 × 個人情報取扱事業者は、他の個人情報取扱事業者からオプトアウト(本人の
同意を得ない第三者提供の特例)の手続により提供された個人データについ
ては、オプトアウトの手続を利用することができない(27 条2項ただし書)。
[公開模試② 56-ア]

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