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人権総論:基本的人権

Ⅰ.はじめに
これまでに基本的人権について考えたことはありますか。基本的人権を私たちは当たり
前に享受しています。しかしそれは私たちの人間らしい生活を守るのに必要不可欠のもの
であり、深く学ぶ必要があるものなのです。

Ⅱ本的人権とは
「人が生まれながらに当然持っている権利」
→自然権思想から生まれた。

自然権とは…自然状態で、身分によらず「個人」が持つ権利。生命、自由、財産への権利
ヴァージニア権利章典(1776年)、フランス人権宣言(1789年)、日本
国憲法97条にも書かれている。
日本国憲法97条「この憲法が日本国民に保障する基本的人権は、人類の多年にわたる自
由獲得の努力の成果であって、これらの権利は、過去幾多の試練に堪へ、現
在および将来の国民に対し、侵すことのできない永久の権利として信託さ
れたものである」

人権
自由権、平等権、社会権、参政権 など
新しい人権も生まれている。
個人のものであって、国家が国民、個人の人権を侵してはならない

幸福追求権
プライバシーの権利、自己決定権
ただし、無制限ではない。
人格的な生存に不可欠な重要な権利に限るという考え方(人格的利益説)
vs
個人の行為の自由を広く保障するという考え方(一般的自由説)

→「人格的生存に不可欠」は、どこまでの範囲なのか
人権の保障
権利、自由が原則として保障される。(例外で、公共の福祉だと制限しても良い)

目的と手段
目的はまっとうか?手段は正当か?
手段は関連して役に立っているか?手段は必要最低限か?

Ⅲ.設問
ブラック校則といわれて思い浮かぶものは?

Q.黒髪の強制は人権侵害なのか。

A さんは、生まれつき茶髪だった。高校に入学するにあたり、地毛登録制度があれば登録
したい旨を伝えていた。
→五回の指導後、頭髪指導に従わなければ、普通に教室で授業を受けたり、友人と文化祭に
参加したりすることはできない旨を伝えられる。
→精神的に不安定になり、指導後、A さん不登校になった。

学校側の対応
校則「パーマ・染色・脱色・エクステは禁止する」により、教諭は黒髪に染めるよう指導
黒染めが不十分だとして、授業への出席を認めない、修学旅行への参加を認めない、生徒
の座席を設置しない、名簿に氏名を記載しない

① 学校の指導はまっとうであったか
② A さんの主張は妥当か
③ そもそも頭髪に関しての校則は違法ではないのか

判例
今回の事件 大阪地裁
校則の内容は、華美な頭髪を制限することで、生徒に学習や運動に注力させ、非行防止に
つながる目的などで、適法と判断
授業への出席を認めない、修学旅行への参加を認めないことは、学校の裁量を逸脱して違
法だとして、大阪府に賠償命令を下した。

検討
① A さんの意見は幸福追求権によって保障されるか?
② 校則の目的は何か?目的がまっとうだとして、手段はどうか?

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