[hkl]方向が(hkl)面の法線方向であること

山田 明

rr r
立方格子として、x, y, z方向の並進ベクトルを a, b, c とする。すると、[hkl]方向は、
r r r
ha + kb + lc と表される。このベクト
z ルが、(hkl)面と垂直の関係にある
€ ことを示せばよい。このためには、
1/l € (hkl)面上にある二つの独立なベク
トルが、このベクトルと直交してい
(hkl)面
ることを示せばよい。
二つのベクトルは、適当に選べる
が、たとえば左図のxy平面内のベク
r r
トル( A )とxz平面内のベクトル( B )
1/k
0 が、(hkl)面上の二つの独立なベク
r
y トルとなっている。 A ベクトルは
€ v €
1r 1r r
1/h A = b − a と、 B ベクトルは
k h
r 1 r 1 r€
B = c − a となる。したがって、
l h r r
€ r
x それぞれのベクトルと h a + kb + lc と
€
の内積を求めると、
r r r v r r r€ 1r 1r
(ha + kb + lc ) • A = (ha + kb + lc ) • ( b − a)
k h €
hv r v r r r kr r lr r lr r
= a•b − a• a + b •b − b • a + c •b − c • a
k h k h
2 2
= −d + d
=0
同様に、
r r r r
(ha + kb + lc ) • B = 0
となる。ただし、
€
r r r r r r
a • a = b • b = c • c = d2
€ r r r r r r
a•b = b •c = c • a = 0

という関係を用いた。dは格子定数である。
以上より、立方格子の場合、[hkl]は(hkl)面の法線方向であることが示された。
€