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基礎力学IC

ー質点の力学ー

第2回 座標,速度,加速度の関係
2024年4月16日

 システムデザイン工学科

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速度(P.11-12)
平均速度
• x軸にそって質点が点Pから点P’まで移動する.
• 時刻tiの座標をxi,時刻tfの座標をxfとする.
• 時間Δt=tf-tiにおける質点の変位 Δx=xf-xiこのとき
質点の平均速度 v は次の式で表される.
x x f  xi
v 
t t f  ti
• この式から平均速度は長さを時間で割った次元を
持つことがわかる.
• 平均速度はPとP’の間の経路に依存しない.
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速度(続き)
瞬間速度
• ある特定の時刻における質点の速度.
• 経過時間Δtの取り方によって平均速度 v が変わる
時に重要な概念.
• 図において点Qを点Pに近づけてゆく。
• この時、時間Δtは0に近づき,平均速度 v はPにお
ける曲線の接線の傾きに近づいて行く.
• 数式で表すと以下のようになる.
x dx
v  lim 
t  0 t dt
• これはxをtで微分することである.
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速度(続き)
瞬間速度(続き)
• 瞬間速度は正,負,0のいずれの値もとり得る.
• 質点の速度は座標の時間微分として定義される.

例題: X軸にそって移動する質点の座標が任意の時
刻tにおいて以下の式で表される.
𝑥 = 3𝑡2 + 4t + 5
ただし,tの単位は[s],xの単位は[m]である.

速度はどのような式で表されるか?また,t=2sのとき
の速度を求めよ.
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加速度(P.16-17)
平均加速度
• 質点の速度が時刻(t=0 からの経過時間)とともに
変化する.
• 時刻tiの速度をvi,時刻tfの速度をvfとする.
• 時間Δt=tf-tiにおける質点の速度変化 Δv=vf -vi
• このとき質点の平均加速度 a は次の式で表される.
v v f  vi
a 
t t f  ti
• この式から平均加速度は速度を時間で割った次
元を持つことがわかる.
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加速度(続き)
平均加速度(続き)
• 平均加速度はPからP’までの経路に依存しない.
• 平均加速度は図のように説明可能.

瞬間加速度
• ある特定の時刻における質点の加速度.
• 図において点Qを点Pに近づけてゆくと加速度 a は,
Pにおける曲線の接線の傾きに近づいて行く。
• 数式で表すと以下のようになる.
v dv
a  lim 
• これはvをtで微分することである. t 0 t dt
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加速度(続き)
瞬間加速度(続き)
• 座標xを時間tで2回微分することでもある. 2
dv d x
a 
dt dt 2
• 加速度が正:加速している,0:一定速度,負:減
速している.

例題: x 軸にそって移動する質点の位置が任意の時
刻tにおいて以下の式で表される。
𝑥 = 3𝑡2 + 4𝑡 + 5
このとき,加速度の値を求めよ.
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座標,速度,加速度の関係
座標の微分が速度
• 座標xを時間tで微分する。→速度v
dx
v
dt
速度の微分が加速度
• 速度vを時間tで微分する。→加速度a
dv d 2 x
a 
dt dt 2

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座標,速度,加速度の関係
加速度の積分が速度
• 加速度aを時間tで積分する.→速度v

v  v0   adt

速度の積分が座標
• 速度vを時間tで積分する.→座標x
x  x0   (v0   adt )dt

ただし,この場合の積分は定積分であることに注意
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(一次元の)等加速度運動
加速度aが一定である一次元の運動

• v  v0  at 時間の関数として表した速度
v0  v
• v  平均速度
2
1
• x  x0  (v0  v)t 速度,時間の関数としての変位
2
1
• x  x0  v0t  at
2
時間で表した変位
2
2
• v  v0  2a( x  x 0 ) 変位で表した速度
2

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例題
例題:加速度は𝑎=3m/s2で一定とする.時刻ti=0s の
時の速度 vi=6m/s ,質点の座標 xi=5m とする.時刻
tf =2s とするとき,質点の座標xfを求めよ.

2種類の方法で求めてみる.

1.平均速度による方法
2.定積分による方法

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例題の解答例
例題:加速度は𝑎=3m/s2 で一定とする.時刻ti=0s の
時の速度 vi=6m/s ,質点の座標 xi=5m とする.時刻 tf
=2s とするとき,質点の座標xfを求めよ.

1.平均速度による方法

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例題の解答例
例題:加速度は𝑎=3m/s2で一定とする.時刻ti=0s の
時の速度 vi=6m/s ,質点の座標 xi=5m とする.時刻
tf =2s とするとき,質点の座標xfを求めよ.

2.定積分による方法

𝑥 =𝑥 + 𝑣 + 𝑎𝑑𝑡 𝑑𝑡

注)数値は最後に代入する事
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例題の解答例(続き)
2.定積分による方法

𝑥 =𝑥 + 𝑣 + 𝑎𝑑𝑡 𝑑𝑡

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等速円運動(P.19)
等速円運動は一定速度で運動する.しかし質点は
加速度を持っている.!!!
→常に中心方向への加速度を持っている.
v2
この加速度を向心加速度と呼び,大きさは, a 
である. r
a:向心加速度,r:回転半径
v:接線方向の速度

等速円運動は実際に良くある.そして非常に重要!

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等速円運動(補足)
中心点の回りを紐で引っ張られながら一定の速度で
運動する質量mの質点を考える.このとき,以下の図
を描くことができる.質点は速度 vで図の矢印方向に
運動しようとするが,紐で引っ張られているため,Δt秒
後に実際には,点線の位置に来ることになるだろう.
このとき,回転角θは,
θ=v/r×Δt で表される.
2πr×(θ/2π)=v×Δt
速度v だからである.
θ

紐の長さr

回転中心
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等速円運動(補足)
このとき質点の速度変化にのみ注目すると,質点の
速度は実線の状態から点線の状態に変化したことに
なる.このときの変化量は図中の赤線である.
三角関数の性質により,θが充分小さいときは,
sin θ≒θとなることを利用し,赤線の部分の長さをΔvと
おくとΔv=vθ=v×v/r×Δt である.両辺をΔtで割り,
Δv/Δt=v2/r 加速度の定義からa=Δv/Δtである.よって
v2
速度v a
r

回転中心
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等速円運動(続き)
2枚目,3枚目の計算から,等速円運動における中
心方向への加速度(向心加速度) a の大きさは,以
下の式で表すことが出来る.

v2 a:向心加速度,r:回転半径
a
r v:接線方向の速度

等速円運動は実際に良くある.そして非常に重要!

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不等速円運動
一定速度で無い円運動.
例:振り子,飛行機の宙返り,ジェットコースター

向心加速度と接線加速度にわけて考えると,考えや
 
すい. at :接線加速度,ar :向心加速度
  
a  at  a r
力に関しては   
F  Ft  Fr

Ft は円の接線方向を向いており速度を変化させる.

Fr は向心加速度を与える

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例題
例題:長さ 1mの紐の先に重りをつけて 1 秒に 1 回転
の割合で振り回している。この状態から 10m/s2の接
線加速度を与えるとき,重りの加速度の絶対値を求
めよ。重力加速度は無視して良い.

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