経営管理論 B 第 1 回レポート課題

ケース（１）
大学生 A くんは、お気に入りのカフェで読書をするのが大好きです。そのカフェは有名で人気
があり、いつも大勢のお客さんで賑わっています。少し騒がしい環境ではあるのですが、おいし
いコーヒーを片手に本をめくると、すいすい読み進められるような気がしていました。
ところがある日、ゼミの課題として指定された書籍を持って同じカフェに行ってみると、普段
と違ってまったく読書に身が入りません。いつもよりお客さんの数が少なく、静かな雰囲気なの
にもかかわらず、です。
「うーん……落ち着かないから、家に帰ってから読もう」
A くんは、カップに残ったコーヒーを一気に飲み干して、店を出ることにしました。

ケース（２）
B さんは、自分の好きなオートバイの生産に携われることを理由に、ある工場に就職しました。
しかし、まったく興味のない農業機械の生産ラインへの配属となった結果、その働きぶりはお世
辞にも良いとは言えない状況にありました。出社は、始業時間のぎりぎり。決められたノルマは
達成するのですが、それ以上の成果を残すことはありません。周りの同僚たちが忙しそうにして
いるのにも目をくれず、終業時間を告げるチャイムが鳴ると同時に更衣室へと姿を消します。自
分の技術を磨くための努力をすることもありません。そのため、一部の同僚からは「問題児」だ
とみなされ、指導や助言をもらえずにいました。
しかし、地元の小学校からの社会科見学を受け入れた、ある日のこと。
「私の娘が見に来るんで
すよ」などと浮足立って普段通りの成果が残せない同僚が何人もいるなか、独身で近所に親戚の
いない B さんは、今まで記録したことがないような高い生産性を発揮していました。その水準は、
農業機械の生産ラインで働く従業員のなかでもトップレベルに近いものでした。
これがきっかけとなり、B さんは「やればできる人」だという評価を得て、周囲からのさまざま
なサポートを受けられるようになったのです。

ケース（３）
ある企業では、週によって生産量や販売量に多少の変動があるものの、基本的には 60 個の在庫
をキープすることが計画されています。10 月の 4 週間、生産管理部門に所属する C さん・D さん・
E さんが 交代で 1 人ずつ棚卸を担当したときは、帳簿通りの 60 個の在庫が確認されました。
11 月第 1 週の金曜日、生産管理部門の業務が多忙を極めていたため、C さんは他の 2 人に頼ん
で 3 分割して棚卸を行うことにしました。この週も生産・販売は他の週と変わらない状況であり、
帳簿上の在庫は 60 個です。しかし、何度集計しても 60 個にならないのです。最初は 61 個、やり
直すと 58 個、57 個、62 個……と毎回違う数になるのです。
数が合わないと、今日の仕事は終わりません。C さんは、D さん・E さんにお礼を言ったあと、
今度は 1 人で数えてみることにしました。疲労感からか、いつもよりも作業時間は多くかかって
しまいましたが、1 回目で 60 個の在庫があることを確認できました。