業界レポート:宿泊業界|BtoBプラットフォーム 業界チャネル (1)

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2024/07/05 17:29 業界レポート:宿泊業界|BtoBプラットフォーム 業界チャネル

旅行・レジャー業界  > 宿泊 

サマリ 詳細レポート
文書最終更新:2024/05/16

業界定義

ホテル・旅館など、旅館業法で規定された宿泊施設を運営する事業者。

業界特性

多数乱戦業界
ビジネスモデル
装置型 見込生産 ストック型 Productベース BtoC 労働集約
組立型 受注生産 フロー型 Projectベース BtoB 資本集約

業界構造・主要企業

バリューチェーン
国内旅行客を中心として、訪日外国人客、法人顧客などに宿泊施設・サービスを提供
宿泊業界は、旅行素材の一つであり、旅行者などに提供する宿泊施設を運営する業界である。サービスを提供する顧客としては、国
内の個人旅行者、日本を訪れる外国人旅行客のほか、BTM(Business Travel Management、出張などの旅行)、MICE(Meeting,
Incentive, Convention, Exhibition、会議・研修会などに伴う旅行)、社員旅行・研修旅行、学校の修学旅行などの法人も存在する。
宿泊施設にはリゾートホテル、シティホテル、宿泊特化型ホテル(ビジネスホテル)、旅館、簡易宿所など様々な種類があり、複数種
類の施設を別ブランドとして運営している企業も多い。一方で、それぞれの施設の特徴によって顧客層・宿泊目的・利用サービスなど
が大きく異なるため、提供するサービスや求められる品質は多様である。
運営に必要な資材・消耗品は各業者から卸を経由するなどして仕入れるほか、土地・建物を不動産オーナーなどから賃借する場合、
運営委託や人材派遣で従業員などを派遣してもらう場合も存在する。また、宿泊業界内でも、大手シティホテル運営会社などが他社に
対して運営に関するコンサルティング業務をおこなうこともある。

取扱い商品・サービスの特徴

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客室だけでなく、飲食やレジャーなど多様な商品・サービスを提供。プレイヤーは注力するサービスの領域によ
り分類される
宿泊施設で提供している商品・サービスとしては、①宿泊、②飲食、③コンベンション、④物販・テナント、⑤レジャーが挙げられ
る。そして、これらの商品・サービスの中で何を実際に提供するか、何にどの程度重きをおくかで、宿泊施設は大きく以下の4つに分け
ることができる。
1. リゾートホテル・旅館: 観光地などに立地し、充実したサービスや休暇中のレジャーを提供する
2. シティホテル(・コミュニティホテル): 主に大都市に立地し、宿泊に加えて会議室や宴会場でのコンベンション機能も提供する
3. 宿泊特化型ホテル(ビジネスホテル・エコノミーホテル): 出張や低価格での旅行に向けて、低価格で宿泊機能を中心としたサービ
スを提供する。近年ではエコノミーホテルとの境界が曖昧になっており、宿泊特化型ホテルと呼ばれることが増えている。
4. 簡易宿所(カプセルホテル・ドミトリー): 宿泊機能に特化して価格を最小限に抑えたサービスを提供する
日本のホテルでは、カフェ・レストラン・宴会場などでの飲食関係の売上が多い。
一般的に景気の動向を受けやすい業界であり、比較的安定した売上が期待できるBtoB市場も重要と考えられている。特に近年では、
出張などのBTM、コンベンション機能を活かした会議や報奨旅行などのMICEといった需要が注目されている。また、帝国ホテル・ニュ
ーオータニなどのように、宿泊施設とは別にオフィスフロアを設け、収益を安定化しているホテルも多い。

取扱い商品の主要分類

2022年度
帝国ホテル本社
売上
35,220
百万円

宿泊 食堂 宴会 外販 賃貸事業 その他

出所:帝国ホテルIR資料

業界ビジネスモデル(解説、KFS、リスク)

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ビジネスモデル

装置型 見込生産 ストック型 Productベース BtoC 労働集約


組立型 受注生産 フロー型 Projectベース BtoB 資本集約

売上は施設のキャパシティに制限されるほか、固定費の割合が高いビジネス。そのため経営の自由度は低いが、
所有・経営・運営の分離による柔軟性の確保が進んでいる
宿泊業界は、客室となる不動産が必要であるため参入には大きな投資を要する資本集約的事業でありながら、運営に関してはサービ
ス業として労働集約的な側面が強い業界である。
客室に関しては、売上は客室数に制限される一方で、コストは設備投資に関わる減価償却費・賃借料・人件費などの固定費が多くの
割合を占めるため、経営の自由度は低い。また、既存の客室の稼働率を高めることが業績に大きく影響することから、集客力のある旅
行代理店に対しての交渉力が弱く、代理店に支払う手数料・コミッションは収益性を圧迫する要因ともなっている。運営においては、
労働人口の減少から人手不足が深刻化している。そのため、人材の安定的な確保や、生産性の向上が急務となっている。
住宅などを届け出て宿泊施設として運営できる民泊のサービスは、2015年頃より急速に成長し、宿泊業界にとっては代替の脅威とな
っている。現在は宿泊客の需要増から市場の食い合いは起きていないが、今後需要が停滞した場合はリスクになることが予想される。
宿泊施設のうち、ホテルでは所有(資本)・経営・運営の分離が進んでいる。事業は不動産(土地・建物)所有、ホテル経営、ホテ
ル運営、ブランド・ノウハウといった要素に分けられ、複数企業が同一のホテルに関与することも多い。事業モデルとしては、大きく
以下の4つに分類されている。
1. 所有直営モデル: 土地や建物といった不動産の保有、ホテルの経営と運営を1社で手がけ、自社のブランドのもとで事業を展開す
る。従来の日系ホテルが採っていたモデルで、帝国ホテルなどが該当する。
2. フランチャイズ(FC)モデル: ホテル運営会社が、加盟金やロイヤルティを支払って他社のブランドを使用し、運営ノウハウに関
する指導などを受けながらホテルを運営するモデルで、外資系シティホテルが該当する(下のリースモデル、マネジメント・コントラ
クトモデルでも、フランチャイズの場合が存在する)。
3. リースモデル: ホテル運営会社がオーナーやリース会社から不動産を賃借する。ホテルの経営に関する責任、利益、リスクなどは運
営会社が持つ。東横インなどの宿泊特化型ホテルが該当する。
4. マネジメント・コントラクト(MC)モデル:不動産オーナーがホテルを経営し、運営受託というかたちでホテル運営会社が関与す
る。経営に関してはオーナーが利益・リスクなどを取る。星野リゾートなどが該当する。
これらの事業モデルは、運営企業やブランドによって一つに決められているというものではなく、物件ごとに最適なモデルが選択さ
れている。また、リースモデルに近い形態として、複数の一般人が出資して共同所有する「リースホテル(コンドミニアムホテル)」
という方式も存在するなど、多様な事業モデルが存在する。

KFSは、リピート客など旅行代理店を介さない直販比率の増加と高稼働率の両立、継続的な投資を可能にする経
営体力、慢性的な人材不足への適切な対応
宿泊業界の売上は、販売可能客室数・客室稼働率・平均客室単価という3要素に分解される。客室や宴会場といった施設のキャパシテ
ィは固定的であるため、売上増加のためには、稼働率と単価を引き上げることが重要である。しかしながら、稼働率と単価はトレード
オフとなりやすく、稼働率を高めるために旅行代理店経由で販売し、手数料・コミッションを支払っていることが単価を下落させてい
る場合も多い。適切な価格の設定に加え、旅行代理店経由の販売をどの程度の割合にするか、といった判断も必要となっている。近年
では、ダイナミックプライシングを導入することで稼働率と単価を適切に制御し、収益の最大化を図る企業も増えている。
単価の改善に特に有効な手段としては、販売額がそのまま売上となる直販が注目されている。宿泊施設各社では、自社サイト経由の
予約での「最低価格保証」、会員プログラムへの登録促進といった、直販を増やすための取り組みがおこなわれている。また、リピー
ト客の獲得も直販増加には有効であると考えられるが、そのために継続的な設備更新による顧客満足度の維持が必要であり、投資のた
めの経営体力が求められている。
人材不足への対応も近年は重要性が高まっている。リゾートホテル・旅館、シティホテルなどでは、サービスの品質維持のため人材
確保が必須であり、人件費高騰と合わせて大きな課題となっている。一方、高水準のサービスがそれほど求められていないエコノミー
ホテルなどは、必要な従業員数を減らすための効率化に積極的であり、チェックイン・チェックアウトをなくす、もしくは自動化する
(ロボットホテル、ビジネスホテルでの自動受付)などの取り組みが進められている。

業界の競争・収益の構造(ファイブフォース分析)
新規参入
大規模な設備投資が必要であり、
建物からの新設は困難
-旅館業法による規制が存在
訪日外国人客の増加などから市場
の魅力度は高く、有力な外資など
が参入

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売り手 競合 買い手

旅行代理店経由の販売は稼働率を
食品・食材、リネンなどの供給業 高める一方で客単価を下落させる
者に対しては、一定量の発注など -宿泊施設各社は、自社サイトの
によって交渉力を高めることが可 競合プレイヤーは多いが、直近で 予約システム整備、「最低価格
能 市場は成長傾向 保証」などにより直販を増やす
取り組みで対抗
不動産価格の上昇や人材不足によ 宿泊業特有の撤退障壁
り、不動産オーナーや人材派遣業 オンラインの情報サイト・比較サ
者に対する交渉力は低下 イトが発達し、消費者が情報を得
やすい状況

代替品

Airbnbをはじめとする民泊の発達
は潜在的な代替の脅威となる
-全体として宿泊の需要が高まり
つつある現時点では顕在化して
いない
夜を過ごすことのできるネットカ
フェなどの増加

ビジネスモデル:経営形態の種類

ビジネスモデル:売上の要素分解

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主要企業の財務指標分析
高水準のサービスを提供するため、人件費をはじめとする販管費の割合が大きい。宿泊に特化して効率化を進め
るエコノミーホテルなどでは収益性が高くなる
宿泊業界は、シティホテルの帝国ホテル、エコノミーホテルのユニゾホールディングス、会員制リゾートホテルのリゾートトラスト
を取り上げる。
収益性については、売上高総利益率が高いものの営業利益率が低い。要因は販管費率の高さで、帝国ホテルやリゾートトラストでは
販管費の割合が高い一方、ユニゾホールディングスは非常に低い割合となっている。シティホテル・リゾートホテルにおいては、従業
員によるサービスの重要性が高いため、人件費率が高くなりやすい。従業員のサービスよりも宿泊することに重点が置かれるエコノミ
ーホテルでは、効率化によって人件費率を低く抑えることが可能である。
また、帝国ホテルなどは施設を所有し直営形態であるが、フランチャイズで施設数を伸ばす企業では、運営にかかるコストが少ない
ため収益性を高めやすい。
安全性については、宿泊施設の不動産物件を保有していることで3社とも固定資産比率が高い。自己資本比率は、帝国ホテルが60%
超と盤石な財務基盤であるのに対し、リゾートトラストは自己資本比率が20%台まで低下している。

P/L、B/Sの業界水準値 ※主要参入企業の業績

帝国ホテル ユニゾHD リゾートトラスト 帝国ホテル ユニゾHD リゾートトラスト


P/L P/L P/L B/S B/S B/S

2022年度 2021年度 2022年度 2022年度 2021年度 2022年度


売上高 売上高 売上高 総資産 総資産 総資産
44(十億円) 14(十億円) 170(十億円) 62(十億円) 426(十億円) 440(十億円)

売上高 営業外損益/特別損益 売上原価 負債 純資産 繰延資産


販売費及び一般管理費 当期純利益 固定資産 流動資産

出所:各社IR資料

財務指標推移 ※参入企業の業績

2020年度 2021年度 2022年度

収益性 単位:%

・売上高総利益率 帝国ホテル 80.3 77.4 78.2

・売上高総利益率 ユニゾホールディングス 42.7 15.8 -

・売上高総利益率 リゾートトラスト 77.4 85.8 88.9

・営業利益率 帝国ホテル -53.1 -38.9 0.8

・営業利益率 ユニゾホールディングス 40.4 -5.5 -

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・営業利益率 リゾートトラスト 8.8 5.5 7.2

・付加価値額率 帝国ホテル - - -

・付加価値額率 ユニゾホールディングス - - -

・付加価値額率 リゾートトラスト - - -

生産性 単位:百万円

・従業員当たり売上高 帝国ホテル 11.1 15.7 26.1

・従業員当たり売上高 ユニゾホールディングス 1488.5 95.3 -


・従業員当たり売上高 リゾートトラスト 20.6 20.0 21.4

安全性 単位:%

・固定資産比率 帝国ホテル 44.5 47.2 43.6

・固定資産比率 ユニゾホールディングス 43.8 95.7 -


・固定資産比率 リゾートトラスト 62.5 64.6 57.3

・自己資本比率 帝国ホテル 70.4 64.2 64.8


・自己資本比率 ユニゾホールディングス 36.9 40.7 -

・自己資本比率 リゾートトラスト 29.7 27.1 28.2

生産集中度:HHI指数

・該当なし - - -

出所:各社IR資料

ROAの分解(収益性×回転率の推移)

総資産利益率(ROA)
単位:%
25.0

0.0

-25.0



18

19

20

21

22
20

20

20

20

20

売上高利益率(ROS) 総資産回転率(ATO)
単位:% 単位:回転
100.0 1.00

0.0 0.50

-100.0 0.00



18

19

20

21

22

18

19

20

21

22
20

20

20

20

20

20

20

20

20

20

当期純利益 売上高 総資産


単位:百万円 単位:百万円 単位:百万円
100k 400k 1,000k

0 200k 500k

-100k 0 0



18

19

20

21

22

18

19

20

21

22

18

19

20

21

22
20

20

20

20

20

20

20

20

20

20

20

20

20

20

20

出所:各社IR資料

中小企業の財務指標

損益計算書

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表示条件: 宿泊業,飲食サービス業  産業分類別  宿泊業 表示

(百万円)

240.0 8%

160.0 0%

80.0 -8%

0.0 -16%

-80.0 -24%
2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018 2019 2020 2021

売上高 営業利益 経常利益 当期純利益 売上高営業利益率 売上高経常利益率 売上高当期純利益率

出所:中小企業実態基本調査

貸借対照表

表示条件: 宿泊業,飲食サービス業  産業分類別  宿泊業 表示

(百万円)

400

300

200

100

0
2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018 2019 2020 2021

流動資産 固定資産 その他資産 流動負債 固定負債 資本

出所:中小企業実態基本調査

市場規模・トレンド

インバウンド・BtoB需要が市場の成長を牽引してきたが、新型コロナウイルスで大きなダメージ
宿泊業界の市場規模としては、日本人の国内旅行については観光庁の「旅行・観光消費動向調査」を、外国人の訪日旅行については
同じく「訪日外国人消費動向調査」および日本政府観光局(JNTO)の「訪日外客数」から算出した値を参照する。
宿泊費は、国内旅行が2019年に3.3兆円であった市場が、2020年にはコロナ禍で1.8兆円に半減した。2021年は需要喚起策が出され
たが需要の戻りは弱く、2022年に3.2兆円まで回復した。訪日旅行は2019年に1.2兆円であった市場が、コロナ禍で2020年、2021年
は調査が中止され、2022年は1,836億円と激減している。国内旅行・訪日旅行ともにコロナ禍前までは増加傾向であったが、コロナ禍
により甚大なダメージを受けた。
宿泊施設のタイプ別内訳は、観光庁の「宿泊旅行統計」の延べ宿泊者数を参照する。コロナ禍前の2019年はビジネスホテル45%、
シティホテル16%、リゾートホテル14%、旅館17%であったのに対し、コロナ禍の2020年はビジネスホテルが50%、シティホテル
12%、リゾートホテル13%、旅館17%となり個人・団体旅行の需要が減少した。コロナ禍明けの2023年にはビジネスホテルが49%、
シティホテル18%、リゾートホテル13%、旅館13%となっており個人・団体旅行の需要も回復していることがわかる。延べ宿泊者の
総数が2023年には2019年を大幅に上回った。コロナ感染者数が多いため回避されていた大都市圏にあるシティホテルの比率が高くな
り、リゾートホテルは横ばい、旅館は低下という結果となった。2021年の延べ宿泊者の総数は、2020年からさらに減少し2022年には
多少の回復、2023年には大幅な回復となっているものの宿泊施設の内訳はほぼ変わっていない。近年の傾向としては、ビジネスホテル
が2010年以降比率を拡大しており、法人需要だけでなく個人客の獲得も積極的に行っている。

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外国人の訪日旅行では、コロナ禍前の2019年はビジネスホテルが41%、シティホテル32%、リゾートホテル12%となっており、イ
ンバウンドでもビジネスホテルが重要な受け皿となっていたことがうかがえる。
宿泊業界はコロナ禍で大きな影響を受け、需要喚起に向けた様々な支援策が打ち出されてきたが、社会経済活動の再開とともに回復
してきている。

コロナ禍による稼働率低下は、施設別ではシティホテル、地域別では大都市圏で顕著
施設別の客室稼働率では、コロナ禍前の2019年はビジネスホテルが81%、シティホテル86%、リゾートホテル64%、旅館43%であ
ったのに対し、コロナ禍の2020年はビジネスホテルが43%、シティホテル34%、リゾートホテル30%、旅館25%となった。シティホ
テルの落ち込みが著しく、インバウンド需要消失の影響が大きかった。2021年も同様の傾向であったが、2022年に入ると回復の兆し
が出始め、ビジネスホテル、シティホテル、リゾートホテルでの稼働率の戻りが大きい。
地域別の客室稼働率では、コロナ禍前の2019年は大都市圏で75%前後、地方で55%前後で推移していたが、コロナ禍の2020年は大
都市圏・地方ともに35%前後の落ち込みとなり、大都市圏でより大きな影響を受けた。背景としては、大都市圏でのコロナ感染者の数
が高い水準で推移し旅行を控える動きがあったことと、地域支援策として近隣地域での旅行に対する補助施策によりマイクロツーリズ
ムが促進されたことがあげられる。2021年も同様の傾向であったが、東京・愛知・大阪でも回復の兆し出始め、2022年には客室稼働
率が5割程度まで戻っている。
コロナ禍前までの客室稼働率の傾向は、2011年の東日本大震災以降は上昇傾向で、国内需要の拡大に加えインバウンドによる訪日客
にも支えられて高い水準を維持してきた。宿泊業は、地域経済への波及効果が大きいため需要喚起に向けた施策はあるものの、長引く
コロナ禍の影響で財務を悪化させている企業が多く稼働率が改善されない施設の淘汰が懸念される。

宿泊費

国内における宿泊費の推移
単位:十億円

5,000

4,000

3,000

2,000

1,000

0
2010年 2011年 2012年 2013年 2014年 2015年 2016年 2017年 2018年 2019年 2020年 2021年 2022年

国内旅行宿泊費 訪日旅行の宿泊費

出所:国土交通省観光庁「旅行・観光消費動向調査」、同「訪日外国人消費動向調査」、日本政府観光局(JNTO)「訪日外客数」

延べ宿泊者数(直近12ヶ月合計)

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2024/07/05 17:29

0
25
50
75
100
0
200
400
600
800
20 20
18 1

単位:%
20 /1 20 8/1
18 18
20 /5
1

単位:百万人泊
20 /3
18 20 8/9
20 /5 19
18 20 /1
20 /7 1
18 20 9/5
20 /

シティホテル
シティホテル
19
18 9 20 /9

リゾートホテル
リゾートホテル
/ 2
20 11 20 0/1
19 20
20 /1 20 /5

シティホテル
2

客室稼働率(直近12ヶ月平均)
19
20 /3 20 0/9

旅館
旅館
総計

19 21
587

20 /1
百万人泊

20 /5
2023/12

19 2
20 /7 20 1/5
宿泊施設タイプ別

19 2

ビジネスホテル
ビジネスホテル
20 / 20 1/9
19 9 22
/ 20 /1
20 11 2
20 20 2/5

ビジネスホテル
20 /1 22
20 20 /9
20 /3 2
20 20 3/1

簡易宿所
簡易宿所

20 /5 23

会社・団体の宿泊所
会社・団体の宿泊所

20 20 /5
20 /7 23
2 /9
20 0/

簡易宿所
20 9
/
20 11
21
20 /1

https://b2b-ch.infomart.co.jp/report/industry/small.page?chim=21&chis=02&chtm=1
21

0
25
50
75
100
125

20
1

宿泊施設タイプ別
20 /3
21 20 8/1
20 /5 18
21 20 /5
1
単位:百万人泊

20 /7 20 8/9
21

リゾートホテル
20 / 19
21 9 20 /1
/ 1
20 11 20 9/5

シティホテル
シティホテル

22 19
20 /9

リゾートホテル
リゾートホテル

20 /1
22 2

旅館
20 /3 20 0/1
22 20
20 /5
20 /5
22 2
20 0/9

旅館
旅館

20 /7 21
113

22 20 /1
百万人泊
2023/12

20 /
2
外国人合計

22 9
/ 20 1/5
宿泊施設タイプ別

20 11 2
ビジネスホテル
ビジネスホテル

23 20 1/9
20 /1 22
業界レポート:宿泊業界|BtoBプラットフォーム 業界チャネル

23 20 /1
20 /3 2
20 2/5

会社・団体の宿泊所
23 22
20 /5 20 /9
23 2
20 /7 20 3/1
2
簡易宿所
簡易宿所

23
会社・団体の宿泊所
会社・団体の宿泊所

20 3/ 20 /5
23 9 23
/1 /9
1
出所:観光庁「宿泊旅行統計」

9/16
2024/07/05 17:29 業界レポート:宿泊業界|BtoBプラットフォーム 業界チャネル

地域別
単位:%

100

80

60

40

20
20 1/4
20 /12

11 8
20 /12
20 2/4

12 8

20 3/4
20 /12

13 8
20 /12
20 4/4

14 8
20 /12
20 5/4

15 8
20 /12
20 6/4

16 8
20 /12
20 7/4

17 8
20 /12
20 8/4

18 8
20 /12
20 9/4

19 8
20 /12
20 0/4

20 8
20 /12
20 1/4

21 8
20 /12
20 2/4

22 8
20 /12
20 3/4

23 8
2
20 1/

20 2/

20 3/

20 4/

20 15/

20 16/

20 17/

20 18/

20 9/

20 0/

20 1/

20 22/

20 23/
/1
1
10

1
1

1
1

1
1

1
1

2
2

2
2

2
20

東京都 首都圏 愛知・大阪 札仙広福 地方

出所:観光庁「宿泊旅行統計」

業界環境

マクロ環境
市場の伸びは訪日外国人客が牽引。国内需要は多様化が進む
市場を大きく変化させる要因として、訪日外国人の動向が注目される。コロナ禍前までの訪日外国人の増加は、中国をはじめとする
アジアの経済発展、ビザ要件緩和、円安の進行など様々な要因があった。政府が2016年に策定した訪日外国人旅行者数の目標では
2020年に4,000万人を目指していたが、2019年に3,200万人を記録した後、コロナ禍で激減した。2022年から入国制限の緩和で訪日
外国人客数は戻り始めており、政府は受け入れ態勢の強化に向けた様々な施策を打ち出している。
国内旅行の宿泊では、大きな市場の成長は見込みにくい一方で、消費者の動向として需要の多様化が注目される。高級志向とコスト
パフォーマンス志向の二極化、パッケージツアーではなく旅行者が自らの好みに合わせて旅程を決める個人旅行の増加などにより、業
界内のプレイヤーの立ち位置も細分化が進んでいく可能性がある。また、新たな需要として民泊のニーズも高まっている。それに伴
い、民泊を解禁する新法「住宅宿泊事業法案」が2018年に施行された。従来の民泊は許認可を持たない違法営業が多くみられたが、民
泊新法が施行されたことで、違法営業が淘汰される一方、許認可を持つ民泊は増加している。

新型コロナウイルス収束後の需要は政府の施策がカギを握る
新型コロナウイルスの影響で、宿泊業界は先行きが不透明な状態が続いている。このような状況の中、収束後の動向については、政
府の施策も大きく影響するものと思われる。政府は既に、コロナ禍で打撃を受ける観光業の復興支援として「Go To トラベル事業」を
実施した。国内に向けた観光需要喚起策として1.3兆円が予算として計上され、宿泊割引・クーポンなどに利用された。また、休業要請
に応じたホテルや旅館に「新型コロナウイルス休業給付金」を支給する自治体が全国的に増加する動きもあり、国や自治体の支えの重
要性が増している。2022年10月から「全国旅行支援」事業がスタートしたが、宿泊業にとっては需要喚起策を踏まえた各自の施策を
立て、収益改善に取り込んでいくことが求められている。

人手不足への対応が急務となる。一部のホテルなどでは自動化やロボットの活用も
宿泊業界は離職率が高い業界で、安定的な人員の確保が大きな課題である。厚生労働省「雇用動向調査」の産業別離職率では、「宿
泊業、飲食サービス業」は全産業の中で最も離職率が高く26.8%となっている。少子高齢化による労働人口の減少は、人手不足をさら
に加速させるため、喫緊の課題とされている。
人手の削減が容易でないリゾートホテル・シティホテルなどは、不足する労働力を派遣業者や外国人労働者の受け入れを進める一方
で、ビジネスホテル・エコノミーホテルなどでは、自動チェックイン機などの導入により効率化を図っている。

P 政策・法制度 E マクロ経済
旅館業法による制約の動向 人口減・少子高齢化
民泊を解禁する新法「住宅宿泊事業法 -三世代消費の増加
案」施行 -人手不足と人件費高騰

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景気の動向による影響
-宿泊を伴う旅行は金額が高く、景気の
影響が大きい
為替変動による影響
-円高時は海外旅行が増え、国内旅行が
若干減少する

S 社会動向 T 技術動向
高級志向・コストパフォーマンス志向の 自動チェックイン・チェックアウト機
二極化 -人件費の大幅削減を実現
ロボットホテルの登場
-ホテルの無人化への挑戦

産業別離職率(2022年)

宿泊業、飲食サービス業

サービス業(その他)

生活関連サービス業、娯楽業

医療、福祉

教育、学習支援業

卸売業、小売業

不動産業、物品賃貸業

運輸業、郵便業

情報通信業

複合サービス事業

建設業

製造業

学術研究、専門・技術サービス業

金融業、保険業

0 2.5 5 7.5 10 12.5 15 17.5 20 22.5 25 27.5 30


単位:%

出所:厚生労働省「雇用動向調査」

相関図・業界地図
価格帯によりプレイヤーは異なる。独立系のほか、不動産を保有する企業・ブランド力、資本力の有る外資ホテ
ルチェーンなどが参入
宿泊施設には多様な種類が存在するが、チェーンとして展開しているグループは、シティホテル、ビジネスホテル、エコノミーホテ
ル、リゾート・旅館と大別される。
・シティホテルを中心とする企業
シティホテルに参入している企業は、「御三家」と呼ばれる帝国ホテル、ホテルオークラ、ニューオータニをはじめとする独立系企
業のほか、国内最大規模のホテルチェーンである西武・プリンスホテルズワールドワイド(旧:プリンスホテル)などの鉄道会社系列
企業、そして外資系の参入企業が主要なプレイヤーである。外資系ホテルは、国内の御三家に対し、「新御三家」と呼ばれる、フォー
シーズンズホテル椿山荘東京(現在は藤田観光が運営)、パークハイアット東京、ウェスティンホテル東京、「新・新御三家」と呼ば
れる、マンダリンオリエンタル東京、ザ・リッツカールトン東京、ザ・ペニンシュラ東京などと、2000年代頃に参入が増加している。
高価格帯のシティホテルを運営しているため、同ブランド・同価格帯で地方に高価格帯のリゾートホテルを所有する場合も多い一
方、東急ホテルズのように別のブランドとしてビジネスホテル中心の事業を手がけている企業もある。
・ビジネスホテルを中心とする企業

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ビジネスホテルは、1棟あたりの客室数よりも、適切な立地で多くのホテルを確保することが重要であるため、物件開発力の強い鉄道
会社や不動産会社に有力な企業が多い。また、参入事例はシティホテルほど多くはないものの、ビジネスホテルにおいても外資チェー
ンは参入している。
ビジネスホテル業界は近年インバウンド需要の伸びから特に魅力的な業界であり、今後参入企業が増加する可能性もある。
・エコノミーホテルを中心とする企業
エコノミーホテルでは、宿泊への特化などによって低コストでのオペレーションを実現することが求められ、シティホテル・ビジネ
スホテルとは異なる経営ノウハウが必要となる。そのため、プレイヤーは独立系が多く、東横イン、ルートインジャパン、アパホテル
などのようにオーナー経営の大手企業が多いという点が特徴的である。

アジア資本のホテル会社による日本市場参入が進む
これまで日本市場に参入する外資ホテルチェーンは欧米、特に米国のグループが多かったが、2000年以降はアジア資本の企業による
参入が進んでいる。
特に、シティホテルの新・新御三家に数えられた、2005年開業のマンダリンオリエンタル東京、2007年開業のザ・ペニンシュラ東
京は香港に本拠を置くグループが運営しているほか、2009年開業のシャングリ・ラホテル東京も香港資本のグループに属しており、い
ずれも高い稼働率を実現している。
また2010年にはマレーシア最大級のコングロマリットであるYTL Corporationが北海道のニセコビレッジを買収し、日本のリゾート
ホテル業界に参入している。

各業態の位置付け

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主要プレイヤーの動向
売上規模トップはプリンスホテル(現:西武・プリンスホテルズワールドワイド)。事業再生を得意とする星野
リゾートが2000年代以降急成長。コロナ禍で各社の収益は悪化
シティホテル・リゾートホテル・旅館では、プリンスホテル(現:西武・プリンスホテルズワールドワイド)が売上規模が大きい。
プリンスホテルは、近年は訪日外国人客、国際会議などのMICE市場といった需要を獲得するほか、需要に応じて価格を変更するレベニ
ューマネジメントのシステムによって客室稼働率と単価のバランスを最適化するなどの取り組みで高収益を実現してきた。なお、西武
ホールディングスはコロナ禍で大打撃を受けたホテル・レジャー事業の運営と不動産等の資産管理を別々の子会社に分離する組織再編
を行っており、2022年4月より運営会社として西武・プリンスホテルズワールドワイドが設立されている。
温泉旅館やリゾートホテルの運営で急成長を遂げ、注目されているのが星野リゾートである。星野リゾートは元は軽井沢の一温泉旅
館であったが、2000年以降、アルファリゾート・トマムをはじめ経営が悪化したリゾートを所有・運営し事業再生につなげるビジネス
モデルで事業を拡大してきた。現在は和風リゾートホテルの「星のや」、小規模旅館の「界」といったブランドを中核とし、2023年8
月時点で国内外に56施設を展開する。
星野リゾートは、コロナ禍における事業計画をいち早く策定した。「マイクロツーリズム」と呼ばれる地元での観光・旅行の需要喚
起や、高付加価値な宿泊メニューの開発により高い客室稼働率を維持している。2022年度は6施設の開業と1施設のリニューアルオー
プンを行った。温泉旅館「界」は、2022年8月に「界 由布院」、11月に「界 雲仙」と「界 出雲」を開業し、「界 玉造」をリニュー
アルオープンしている。都市観光ホテル「OMO(おも)」は、大阪、金沢で開業し、新たな業態のルーズに過ごすホテル「BEB(ベブ)」
を沖縄で開業した。コロナ禍でも独創的なテーマで事業を拡大している。

宿泊に特化したエコノミーホテルが成長・高収益
近年、国内旅行者の節約志向や、中国人観光客をはじめとする訪日旅行の個人旅行化により、宿泊に特化して低価格化を実現するエ
コノミーホテルへの需要が高まりつつある。低価格志向のホテルは、出張中のビジネスマンを主な顧客とするため休日に稼働率が低く
なりやすいが、需要の拡大を背景として高稼働率を維持し、食材費や人件費を削減することで高い収益性を実現している。
このような中で、朝食を無料サービスとする東横インやルートイン、大浴場や露天風呂が売りのドーミーイン、上室な睡眠の提供に
注力するスーパーホテル、ロボットが接客をするなどエンターテイメント性を追求したホテルなど、それぞれ独自の強みを持って差別
化を図っている。
訪日外客数の増加を受け、外国人宿泊需要も取り込んできたが、新型コロナウイルス感染拡大の影響でインバウンド需要は消失し
た。大型の旅館やホテルと比較して団体客の利用が少ないことから、影響は比較的小さかったが、政府による旅行支援策では高価格帯
の宿泊施設の方が恩恵が大きかったため宿泊客が流れ、収益に対する貢献は限定的であった。

中小企業の動向:大手に引けを取らないサービスを通じた価値提供が求められる
コロナ禍の壊滅的な影響やAirbnbなどシェアリングエコノミーの浸透など、業界における競争が激化してきている中、中小規模の事
業者における環境はますます厳しくなってきている。業界大手による高級化及びエコノミー化路線の二極化が進む中、旅館などの中小

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2024/07/05 17:29 業界レポート:宿泊業界|BtoBプラットフォーム 業界チャネル
規模の事業者においては食事や温泉施設など、大手にも遜色のない強みを活用したサービスの提供が期待される。
一方で、情報発信やプロモーションの不足に起因する集客力の低さなど機会損失が大きい側面があることも否めないことから、口コ
ミサイトやSNSの活用などデジタルを上手に利用した集客が求められる。

【シティホテル・リゾートホテル】

主要企業業績 売上高推移 主要企業業績 営業利益率推移

単位:百万円 単位:%

250k 20.0

200k 0.0

150k -20.0

100k -40.0

50,000 -60.0

0 -80.0
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20 年度

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プリンスホテル リゾートトラスト プリンスホテル リゾートトラスト


ホテルオークラ ニュー・オータニ ホテルオークラ ニュー・オータニ
帝国ホテル ロイヤルホテル 帝国ホテル ロイヤルホテル

出所:各社IR資料 出所:各社IR資料

【ビジネスホテル・エコノミーホテル】
主要企業業績 売上高推移 主要企業業績 営業利益率推移

単位:百万円 単位:%

300k 50.0

250k 25.0

200k 0.0

150k -25.0

100k -50.0

50,000 -75.0

0 -100.0
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18 度
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20 度
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08
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東急ホテルズ 東横INN ダイワロイヤル 東急ホテルズ 東横INN ダイワロイヤル


藤田観光 ユニゾホールディングス 藤田観光 ユニゾホールディングス

出所:各社IR資料 出所:各社IR資料

今後の業界展望

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2024/07/05 17:29 業界レポート:宿泊業界|BtoBプラットフォーム 業界チャネル
COVID-19(新型コロナウイルス感染症)の影響について
緊急事態宣言に伴う自粛や海外からの観光客の激減の影響は大きく、帝国データバンクによると旅館・ホテルなど観光関連事業者の
倒産件数は飲食関係を抑えて最も多くなっている。固定資産税、電気料金、設備リース代など固定費が大きいビジネスであるため、稼
働率の低下が収益に与える影響は大きい。宿泊業は地域経済への経済波及効果が大きいため、政府や自治体による様々な支援策が打ち
出されているが抜本的な改善には至っていない。
政府はコロナ禍で打撃を受ける観光業の復興支援として2020年7月から「Go To トラベルキャンペーン」を実施した。国内に向けた
観光需要喚起策として1.3兆円が予算として計上され、宿泊割引・クーポンなどに利用された。累計の利用数は8,781万人泊と、一定の
成果は得られ、宿泊業界にとっては国内旅行客が増加することで施設の稼働を高めることに貢献した。2022年10月から「全国旅行支
援」事業がスタートし、需要の回復が期待されている。また、海外からの渡航者については、各種規制が緩和され、円安の追い風も受
けて徐々に需要が戻ってきている。

新型コロナウイルスの収束後は需要の多様化・価格帯の二極化などが進む
新型コロナウイルスの影響が収束した後に、国内旅行による需要は徐々に回復することは見込まれるが急速に回復することは考えに
くい。中国をはじめとする諸外国からの訪日客も再び増加することが期待されるが、世界的な新型コロナウイルスの収束が見込まれる
まで大幅な回復は期待できない。2021年に開催された東京オリンピックは無観客での開催となり、期待されたインバウンド市場の回復
は実現しなかった。2023年に入り制限が緩和されたこともあり、徐々に回復の兆しが見られている。
一方で、全体としての市場回復とは別に、高級志向と節約志向の二極化、パッケージツアーではない個人旅行・自由旅行の増加な
ど、社会動向として旅行の多様性が高まっており、市場はさらに細分化されると考えられる。宿泊業界のプレイヤーにおいては、多様
な需要に柔軟に対応し、市場の成長の果実をいかに享受するか、という点が重要となるだろう。

運営面においては、人材不足への対応・インターネットの有効活用が課題。AIに活路を見出す動きも
運営面においては、労働人口の減少による人手不足がさらに深刻な課題となることが予想される。チェックイン・チェックアウトの
自動化など省力化への取り組みは、主に低価格帯のエコノミーホテルなどで進められてきたが、今後は高級路線のホテル・旅館も含
め、提供するサービスレベルは維持・向上しつつ、省力化を進められるよう、継続的な取り組みが求められることとなる。また、新型
コロナウイルスの影響で働き方が見直される中で、宿泊業界においてもリモートで対応可能なワークの切り出しが行われている。
インターネットの発達は、Airbnbをはじめとする民泊ビジネスの成長というかたちで、宿泊業界にとっては潜在的な脅威となりう
る。しかし、特にインバウンド客の増加で需給がひっ迫しつつある都市部においては、ビジネスホテルなどの宿泊施設で対応しきれな
い需要への対処が期待されているように、現在の時点で大きな影響は無いと考えられる。また、AIを駆使し、フランチャイズ方式で客
室数を拡大しているインド発ベンチャーOYOも今後の脅威となりうる。
宿泊業界は、いかに稼働率を下げずに単価の高い直販を増やすか、という点が重要であるため、インターネット上で消費者から直接
予約を受ける環境を整備しやすくなっていることは、大きな機会となる。直販という販売チャネルは旅行代理店などに支払う中間マー
ジンが不要であることから価格競争力は高く、消費者が予約しやすい自社サイトを構築するほか、会員制度で顧客を囲い込むなどのイ
ンフラを整えることで、インターネットを有効活用することが重要となる。
また、近年においては稼働率と単価のバランスを取るという観点から、AIを用いて購買分析・予測をおこない、細かく料金を変動さ
せるダイナミックプライシングという考え方が注目されている。AIによる価格設定支援ツールをホテル向けに販売することを主幹事業
とする企業も生まれており、他業界に先駆けてAIを用いた価格設定の導入が進んでいる。

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2024/07/05 17:29 業界レポート:宿泊業界|BtoBプラットフォーム 業界チャネル

特集レポート

民泊ビジネスの現状と今
2020/02/27 A4 21項 PDF

概要

個人等の活用可能な資産を他の個人等も利用可能とする経済活性化活動であるシェアリングエコノミーの浸透は宿泊の分野まで進み、欧米諸国を中心に民泊ビジネス
が活発化している

日本でも海外大手仲介業者Airbnbの参入や訪日外国人外客数の爆発的な増加を背景に、民泊の需要は高まりつつある。以前は法規制から外れた違法営業も多くみら
れたが、法整備されたことで、違法営業は淘汰され、民泊運営の規制の緩和により民泊物件の供給力も高まりつつある

本レポートでは、民泊ビジネスの現況を整理し、今後起こると想定される変化を紹介することで業界を理解する一助としたい

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