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音のドップラー効果 ⽒名( )

1 ドップラー効果 ○なぜ波⻑が変化するの?
波源(⾳源)が右に移動する
( ドップラー効果 ) … ⾳源や観測者が動くことで,もとの振動数
(⾳の⾼さ)と異なった振動数が観測される
現象 発⽣する波の中⼼が右にずれる
例 救急⾞のサイレン

近づいてくるとき 遠ざかっていくとき
前⽅の波の間隔→( せまく )なる
後⽅の波の間隔→( 広く )なる

②振動数の変化
⾳が( ⾼く )聞こえる ⾳が( 低く )聞こえる
○⾳源が近づいてくる場合
波源の前⽅にいるので,波⻑が
2 ドップラー効果(⾳源が動いて観測者が停⽌している場合)
( 短い )⾳が聞こえる
⾳源が動くことで,何が起こるのか確認していこう!

v
①波⻑の変化 v = f λ より f = なので,
λ
⾳源が動いていない ⾳源が右に移動している
振動数は( ⼤きく )なる
波源の前⽅
→間隔が( せまい ) ○⾳源が遠ざかっていく場合
波源の後⽅にいるので,波⻑が

( ⻑い )⾳が聞こえる
波⻑が( 短い )

波源の後⽅
v
波の間隔=波⻑の( ⻑さ ) →間隔が( 広い ) v = f λ より f = なので,
λ

波⻑の⻑さはどこでも( 同じ ) 波⻑が( ⻑い ) 振動数は( ⼩さく )なる

1
音のドップラー効果 ⽒名( )

波⻑や振動数が具体的にどのぐらい変化するのか⾒ていこう! 例えば!

100 m 100 m の中に 50 個の波がある


○⾳源が近づいてくる場合

①波⻑の変化 (λ′) を求める


波1つ分の波⻑ (λ′) は,
0秒のとき … 0秒のときに 50 個の波 100
V 出た⾳波 λ′ = = 2 [m]
V 50
V … ⾳の速さ
vs … ⾳源の速さ ②振動数の変化 ( f′) を求める
S vs O f … ⾳源の振動数
S V
… ⾳源 V = f λ より f =
O … 観測者 λ
1秒後 ①で求めた λ′ を代⼊

V V
の中に f′ = f
vs V − vs V − vs
f 個の波がある
※振動数=1秒間に

S O ⾳源が出す波の個数

V − vs [m] の中に f 個の波がある

V − vs
波1つ分の波⻑ (λ′) は, λ′ = [m]
f
2








音のドップラー効果 ⽒名( )

○⾳源が遠ざかっていく場合 ②振動数の変化 ( f′) を求める


V
①波⻑の変化 (λ′) を求める V = f λ より f =
λ
0秒のとき … 0秒のときに ①で求めた λ′ を代⼊
V 出た⾳波
V V … ⾳の速さ V
vs … ⾳源の速さ f′ = f
vs V + vs
O S f … ⾳源の振動数
S … ⾳源 まとめると!
O … 観測者 近づいてくるとき 遠ざかっていくとき
1秒後

V + vs

V vs の中に V V
振動数: f′ = f 振動数: f′ = f
f 個の波がある V − vs V + vs
※振動数=1秒間に 観測者に近づく
O S ⾳源が出す波の個数 向きを正とすると

⾳源が動くときの振動数
V + vs [m] の中に f 個の波がある ⾳源が動きながら⾳を出すとき,観測者が聞く⾳の振動数 f′ は,
V … ⾳の速さ
V
V + vs f′ = f vS … ⾳源の速さ
波1つ分の波⻑ (λ′) は, λ′ = [m] V − vs f … ⾳源の振動数
f

波⻑が分からなくても振動数を求めることができるんだね!

3









音のドップラー効果 ⽒名( )

例題

次の各場合について,観測者の聞く⾳波の振動数 f′ [Hz] を求め


よ。⾳源の振動数を 400 [Hz] ,⾳の速さを 340 [m /s] とする。
(1)⾳源が 20 m /s の速さで,静⽌している観測者に近づく
(2)⾳源が 20 m /s の速さで,静⽌している観測者から遠ざかる


V
(1) f′ = f より,
V − vs
340
f′ = × 400
340 − 20
340
= × 400 = 425 [Hz]
320

V
(2) f′ = f より,
V − vs
340
f′ = × 400
340 + 20
340
= × 400 = 377.77⋯ ≒ 378 [Hz]
360

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音のドップラー効果 ⽒名( )

3 ドップラー効果(観測者が動いて⾳源が停⽌している場合) V + vo
波の波⻑ λ
vo V
観測者が近づくことで何が起こるか⾒ていこう!

動かない場合1秒間 動いた場合1秒間
で聞く波の個数 で聞く波の個数
S O

の中にある⾳を1秒間に聞く ※振動数=1秒間に
聞こえる波の個数

動いた分だけ,多くの⾳(波の個数)を聞く! V + vo の中に何個の波があるか ( f′) を求める

多くの⾳(波の個数)を聞く=⾳が( ⾼く )聞こえる V + vo
f′ =
具体的に! λ
V
λ= を代⼊
○観測者が⾳源に近づいてくる場合 f
①振動数の変化 ( f′) を求める V + vo
f′ = f
0秒のとき … 0秒のときに V
聞いた⾳波
V V… ⾳の速さ 例
vo … 観測者の速さ
vo O f … ⾳源の振動数 V = 100 m
S 100 + 10
S … ⾳源 vo = 10 m f′ = = 55 [Hz]
2
O … 観測者
λ=2m
1秒後
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音のドップラー効果 ⽒名( )

○観測者が⾳源から遠ざかる場合 まとめると!

①振動数の変化 ( f′) を求める 近づいてくるとき 遠ざかっていくとき


0秒のとき … 0秒のときに
聞いた⾳波
V V… ⾳の速さ
vo … 観測者の速さ V + vo V − vo
振動数: f′ = f 振動数: f′ = f
S O vo f … ⾳源の振動数 V V
S … ⾳源 遠ざかっていく
O … 観測者 向きを正とすると
1秒後
観測者が動くときの振動数
vo V − vo
観測者が動きながら⾳を聞くとき,観測者が聞く⾳の振動数 f′ は,
波の波⻑ λ
V V … ⾳の速さ
V − vo
f′ = f vo … 観測者の速さ
V f … ⾳源の振動数
S O

V − vo
f′ =
λ
V
λ= を代⼊
f

V − vo
f′ = f
V

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音のドップラー効果 ⽒名( )

例題

次の各場合について,観測者の聞く⾳波の振動数 f′ [Hz] を求め


よ。⾳源の振動数を 510 [Hz] ,⾳の速さを 340 [m /s] とする。
(1)観測者が 10 m /s の速さで,静⽌している⾳源に近づく
(2)観測者が 10 m /s の速さで,静⽌している⾳源から遠ざかる


V − vo
(1) f′ = f より,
V
340 + 10
f′ = × 510
340
350
= × 510 = 525 [Hz]
340

V − vo
(2) f′ = f より,
V
340 − 10
f′ = × 510
340
330
= × 510 = 495 [Hz]
340

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音のドップラー効果 ⽒名( )

4 ドップラー効果(観測者も⾳源も動いている場合) 例題

復習
⾳源と観測者が同⼀直線上を同じ向きに進む。⾳源が 40 m /s で
⾳源が観測者に近づいていく向きを正とすると 進み,観測者が⾳源の前⽅を 20 m /s で進むとき,観測者の聞く⾳
波の振動数 f′ [Hz] を求めよ。⾳源の振動数を 570 [Hz] ,⾳の速
○⾳源が動く場合 ○観測者が動く場合
さを 340 [m /s] とする。
V V − vo
振動数: f′ = f 振動数: f′ = f
V − vs V 解
2つの式を合わせると V − vo
f′ = f より,
V − vs
vs vo
V − vo 340 − 20
f′ = f f′ = × 570
V − vs 340 − 40
320
= × 570 = 608 [Hz]
⾳源と観測者が動くときの振動数 300
⾳源と観測者が動きながら⾳を聞くとき,観測者が聞く⾳の振動数 f′ は,

V … ⾳の速さ
V − vo vo … 観測者の速さ
f′ = f vs … ⾳源の速さ
V − vs
f … ⾳源の振動数

観測者が分⼦,⾳源が分⺟にくるのがポイント!
⾳の上に⽴って観る(観測者)と覚えよう!

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音のドップラー効果 ⽒名( )

5 いろいろな場合のドップラー効果 Step2 反射板 (R) を⾳源 (S′) だと考える


V
○反射板がある場合のドップラー効果

反射板 (R) が⾳源 (S ) が出した⾳を反射して,反射した⾳を R(S′)


O vo f′ vR
観測者 (O) が聞く場合を考える 振動数
V

反射板を先ほど求めた振動数 ( f′) の⾳を出す⾳源として考える


R
O vo S vs vR と,観測者 (O) が聞く⾳の振動数 ( f′′) は

V − vo V + vo
f′′ = f′ = f′
V − vs V − vR
反射板が動くときは,段階的に振動数を求めていこう!
V + vR
f′ = f を代⼊
Step1 反射板 (R) を観測者 (O′) だと考える V − vs

振動数 f V V + vo V + vR
= × f
V − vR V − vs
R(O′)
S vs vR
反射板から反射する⾳の振動数
観測者が反射板から反射した⾳を聞くとき,観測者が聞く⾳の振動数 f′ は,
このとき,反射板 (R) が聞く⾳の振動数 ( f′) をドップラー効果
V … ⾳の速さ
の式を⽤いて表すと vo … 観測者の速さ
(V + vo)(V + vR)
f′ = f vs … ⾳源の速さ
V − vo V + vR (V − vR)(V − vs)
f′ = f = f となる vR … 反射板の速さ
V − vs V − vs f … ⾳源の振動数

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音のドップラー効果 ⽒名( )

例えば! ○⾵がある場合のドップラー効果

・反射板だけ動いている場合
vw
V V − vw V + vw

R V … ⾳の速さ
O S vR
vw … ⾵の速さ

・⾵の進⾏⽅向に進む⾳は,⾵に押されて( 加速 )する
(V + vo)(V + vR) V(V + vR)
f′ = f = f ・⾵の進⾏⽅向と反対に進む⾳は,⾵にじゃまされて( 減速 )する
(V − vR)(V − vs) (V − vR)V

V + vR
= f ⾵があるときのドップラー効果は,今までの式の⾳の速さ V
V − vR
の部分を,V + vw (V − vw) で置き換えればよい!

どの部分が動いているかを考えて,式の形を変化させよう! V − vo
f′ = f
V − vs

V + vw − vo V − vw − vo
f (f′ =
V − vw − vs )
f′ = f
V + vw − vs
Point

⾵と⾳が同じ向き→( V + vw ),⾵と⾳が逆向き→( V − vw )

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音のドップラー効果 ⽒名( )

例題1 Step2

反射板を⾳源だと考えると,観測者が聞く⾳の振動数 fB は
図のように,観測者,⾳源,反射板が⼀直線に並んでいる。反射板
V − vo 340 − 0 340
は 3 m /s の速さで⾳源に近づいている。このとき,⾳源から直接伝 fB = f′ = f′ = f′
V − vs 340 − 3 337
わる⾳と板で反射した⾳によって,観測者が聞く1秒間のうなりの回
数 N を求めよ。⾳源の振動数を674 [Hz],⾳の速さを340 [m /s]と 340 343 340 343
= × f = × × 674
する。 337 340 337 340
340 m /s
= 686 [Hz]
ここで,うなりの回数 Nは
O 3 m /s R
S
N = | fA − fB |
= | 674 − 686 |

解 = 12 12回

観測者が直接⾳源から聞く⾳の振動数を fA ,反射板で反射して
うなりの回数
聞く⾳を fB とする。
振動数 fA と fB の⾳によってうなりが⽣じるとき,1秒間に聞こえる
fA は674 [Hz] 回数 f は,

観測者が反射板から反射して聞く⾳の振動数 fB を求める。
f = | fA − fB |

Step1

反射板を観測者だと考えると,反射板が聞く⾳の振動数 f′ は
V + vo 340 + 3 343
f′ = f = f = f
V − vs 340 − 0 340
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音のドップラー効果 ⽒名( )

例題2 Step2

反射板を⾳源だと考えると,観測者が聞く⾳の振動数 f1 は
図のように,観測者(O),⾳源(S ),反射板(R)が⼀直線に並んでい
V − vo V
る。⾳の速さをV ,⾳源の出す⾳の振動数を f として,次の問いに答 f1 = f′ = f′
V − vs V−v
えよ。
V V+v V+v
(1) 静⽌した O ,S に向かって,R が速さ v で近づくとき, = × f = f
V−v V V−v
O が聞く反射⾳の振動数 f1 はいくらか。
w で R が動く向きと逆向きに⾵が
(2) (1)のとき,⼀定の速さ (2) 観測者が反射板から反射して聞く⾳の振動数 f2 を求める。
吹いているとすると,O が聞く反射⾳の振動数 f2 はいくらか。
Step1
w
v 反射板を観測者だと考えると,反射板が聞く⾳の振動数 f′ は
R V + w + vo V+w+v
S O f′ = f = f
V + w − vs V+w

Step2

反射板を⾳源だと考えると,観測者が聞く⾳の振動数 f2 は
(1) 観測者が反射板から反射して聞く⾳の振動数 f1 を求める。 V − w − vo
f2 = f′
Step1 V − w − vs

反射板を観測者だと考えると,反射板が聞く⾳の振動数 f′ は V−w V+w+v


= × f
V−w−v V+w
V + vo V+v
f′ = f = f V−w V+w+v
V − vs V = ⋅ f
V+w V−w−v

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音のドップラー効果 ⽒名( )

6 斜め⽅向のドップラー効果 先ほどの式を合わせると

○⾳源が動く場合のドップラー効果 ⾳源と観測者が斜めに動くときの振動数
S vs ⾳源と観測者が斜めに動きながら⾳を聞くとき,観測者が聞く⾳の振動数 f′ は,

θ V … ⾳の速さ
vs co vo … 観測者の速さ

V + vo cos θ vs … ⾳源の速さ
O f′ = f
V − vs cos θ f … ⾳源の振動数
θ … ⾳源と観測者が
なす⾓度
上図のように,観測者に対して斜めに⾳源が動く場合の振動数は

V V 近づくか遠ざかるかによって符号は変化する!
f′ = f = f
V − vs V − vs cos θ

○観測者が動く場合のドップラー効果

vo co

O
θ
vo
上図のように,⾳源に対して斜めに観測者が動く場合の振動数は

V + vo V + vo cos θ
f′ = f = f
V V

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音のドップラー効果 ⽒名( )

例題
vs cos θ = 16 × cos 60∘
図のように,速さ 16 m /s で進む救急⾞の先端が点 S を通過する 1
= 16 × =8
ときに鳴らしたサイレンを,速さ 4.0 m /s で進んでいる観測者が点 2
O で聞くときの振動数 f′ を求めよ。⾳源の⾳の振動数を 498Hz , よって,
⾳の速さを 340 m /s とする。
V + vo cos θ 340 + 2 342
16 m /s f′ = f = f = f
V − vs cos θ 340 − 8 332
S
342
= × 498 = 513 [Hz]
60∘ 332

4.0 m /s


V + vo cos θ
f′ = f なので,
V − vs cos θ
vo cos θ と vs cos θ をそれぞれ求める

vo cos θ = 4 × cos 60∘


1
=4× =2
2

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