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西 研
評
価
出
典
学
習
目
基
準
と
筆
目
標 次
者
紹
介
1. 哲学とはどのような営みであるかを理解することができる。
学習目標
2. 「考える」ことの大切さを認識させ、そのための基本的な姿
勢を習得することができる。
3. 筆者のものの見方や感じ方を理解するとともに、「知る」
ことや「考える」ことの意義について考えを深める。
4. 自分の立場や意見を明確にして批評する文章を書くことが
できる。
出典と筆者紹介
【文章のジャンル】 評論文
【トピック】 哲学的思考
【出 典】 『哲学のモノサシ』
【筆 者】 西 研
学習の見出し
第二時限
第四時限
まとめ部分
導入部分
展開部分
アクティブ・
第一時限 第三時限 ラーニング
第一時限
導入・展開部分
学習目標
1. 文章の話題に興味を持つ。
2. 全体を構成を把握する。
3. 第一段落を読み、「哲学の営み」とは何かについて理解する。
学習活動と指導内容
1. 「哲学」と聞いて浮かぶイメージについて説明する。
2. 全文を黙読し、四つの意味段落に分け、小見出しをつける。
3. 第一段落を指名音読する。
4. 筆者が述べる「モノサシ」という言葉について理解する。
学習目標 -1 文章の話題に興味を持つ
「哲学」と聞いて、まずどんなイメージを抱くでしょうか。
話し合ってください。
学習目標 2 文章全体の構成をつかむ
本文を四つの意味段落に分け、小見出しをつけなさい。
第一段落
(初め~哲学とはそういう営みなのだ p82 ・ 14 )
語句・文脈の解説
まとめ
課題
第一段落
語句・文脈の解説
第一段落の重要語句
モノサシ
痛めつける
哲学
営み
モノサシ [ 名 ] (p81 ・ 1)
意味 1 物の長さを測る道具。竹・プラスチック・鉄などで細長く作
り、その縁に目盛りをつけたもの。
例:モノサシを当てる。
意味 2 価値程度などを判断する基準。評価の尺度。
例 1 :自分のモノサシで他人をはかる。
例 2 :人間はモノサシである。
筆者が述べる「モノサシ」 (p81 ・ 1) という言葉を、
質問: 漢字三文字で言い換えなさい。
価値観/感受性。
(問 1 の答え)
痛め付ける [ 他下一 ] ( p82 ・
5)
意味 肉体的または精神的に、ひどい苦痛を与える。痛
い目にあわせる。
例:自分を自分のモノサシで痛めつける。
哲 学 (p82 ・ 9)
解説
意味
生活するための仕事。つとめ。
1
例:日々の営みに追われる。
意味
物事を行うこと。行為。行為。作業。
2
例 1 :社会生活を営む。
例 2 :哲学とはそういう営みなのだ。
質問:「哲学とはそういう営みなのだ」 (p82 ・ 14) とあるが、
ここでの「そういう」が指している内容を説明しさない。
「モノサシを作り出して生きている人間」について考えるこ
とを通して、一人一人が自分のモノサシを点検・修理する力
を鍛えることをさす。
( 問 2 の答え )
第一段落のまとめ
人間はモノサシである = 人間はモノサシの束であ ①
論
第一段落 (① ~④ ) 序
る
人間が生きていけるのは「モノサシ」があるため ②
だが、自分勝手な物差しで人や自分をはかり、他人や自らを
傷つける時もある
③
では、わたしたちのモノサシをどうやってつくるべきか ④
「哲学の営み」によって作ることができる
本日の課題
人間のモノサシとは一体何なのかについて話し合い
なさい。
第二時限
展開部分
学習目標
1 .第二段落を読み、「哲学する」とは何かについて理解する。
2 .第三段落を読み、「考える」ことのおもしろさについて理解する。
学習活動と指導内容
1. 第二段落を指名音読する。
2. 「考える」とは何かについて理解する。
3. 第三段落を指名音読する。
4. 「考えること自体の豊か楽しさ」の具体例を探し出す。
第二段落
(わたしたちはしばしば、 p82 ・ 15 ~
中に入っていっていい p83 ・ 9 )
語句・文脈の解説 まとめ
第二段落
語句・文脈の解説
第二段落の重要語句
導く
~ことだ・ないことだ
導 く [ 他五 ] ( p82 ・
16)
意味 1 道案内をする。案内して目的の所に連れていく。
例 1 :彼女は盲導犬に導かれて無事目的地に着いた。
例 2 :夏休み、ガイドに導かれて、富士山に登った。
意味 2 向上するように手引きをする。指導する。教える。
例 1 :教師の役目は生徒を正しい方向へ導くことだ。
例 2 :わたしたちはしばしば混乱したり不安になったりするから、
自分を導いてくれる「正解」がほしくなる。
導 く [ 他五 ] ( p82 ・ 16)
意味 3 人と交際する。まじわる。
例:事業を失敗に導いてしまった原因は何か。
意味 4 ある前提から答える引き出す。
例:結論を導く。
質問: 「自分を導いてくれる『正解』がほしくなる」 (p82 ・下
13) とあるが、そこにあるのは「正解」でなくてなんであ
ると筆者は述べているか。
解答例
( 問 3 の答
え)
質問: 「自分を導いてくれる『正解』がほしくなる」 (p82 ・下 13)
とあるが、何故人は混乱や不安に陥った時に、自分を導いくれ
る「正解」を教えてもらいたいと思うのか。
わたしたちは、混乱や不安の原因が内側ではなく自分の外
側にあると思いがちであるから、外側に正解を求めがちで
あるから。
だが、混乱や不安は外から来るのではなく、自分の内側か
ら始まる。混乱や不安の正解は、一人一人が自分自身に問
いかけることによって見つけ出していくものである。
質問: 「そこ」 (82 ・ 9) 「その自分」 (p82 ・ 8) が指している
内容は共通している。本文中から抜き出して答えなさい。
混乱したり不安になったりしながら何かを求めている自分。
( 問 4 の答
え)
文型:~ことだ・ないことだ 【 N2 】 (p82 ・下
3)
【接続】 V [辞書形・ない形]+ことだ 例文
【意味】〜するのが最善だ / 〜しないのが最善だ
【解釈】「〜ことだ」「〜ないことだ」は忠告やアドバイスの
意味を込めて「〜する・しないのが一番いい」という
意味を表す表現。断定的で強い言い方なので、「〜た
方がいい」を強調した表現である。
例文
〇 N 1に合格したければ、一生懸命勉強することだ。
→ N 1に合格したければ、一生懸命勉強することが一番大切だ。
〇 自分がされたら嫌なことは、人にはしないことです。
→ 自分がされたら嫌なことは、人にはしないことが最善だ。
〇 自分の中に鍬を入れて掘り返して空気を入れていくこと、貧しく
見える自分の中に美しい物を掘りあてることだ。
→自分の中に鍬を入れて掘り返して空気を入れていれたり、貧し
く見える自分の中に美しい物を掘りあてることが一番大切だ。
質問:「考える」 (p82 ・下 6) とは何か。
自分の内側に向かって問いかけることである。
「人が物事を深く考え始める」 (p82 ・下 2) きっかけは何
質問:
か。
多くはやはり不安がきっかけで考え始める。
だが、何が原因で悩んでるのかわたしたちはよくわかって
いない。
第二段落のまとめ
本論
第二段落 (⑤ ~⑧ )
わたしたちは混乱や不安に陥った時、自分を導いて
⑤
くれる正解がしばしばほしくなる
それは、混乱や不安の原因が内側ではなく自分の外
⑥
側にあると思いがちであるため
だが、不安の原因は自分自身に問いかけることに
⑦
よって見つけ出していくもの
では、どうやって自分自身に問いかけるべきか ⑧
第三段落
(考えることのおもしろさ、 p83 ・ 10 ~
どこかに飛んでいってしまう p84 下 4 )
語句・文脈の解説
まとめ
課題
第三段落
語句・文脈の解説
第三段落の重要語句
ゴニャゴニャ
~こと
ニヒリズム
飛ぶ
質問:「こんなこと」( p83 ・ 10) が指している具体的な部分
を本文中から抜き出し、初めと終わりの 10 文字ずつを
抜き出しなさい。ただし、句読点も 1 字と数えること。
何かひっかかっていた~飛んでいってしまう。
( 問 5 の答え )
質問:「何かひっかかっていたこと」( p83 ・ 12) と同じ内容
を述べている部分を 16 字で抜き出して答えなさい。
自分の中のゴニャゴニャとしたもの。
( 問 6 の答
え)
ゴニャゴニャ [ 名 ] ( p84 ・
6)
意味 あやふやでハッキリとした形を持たないながら、何
か胸につかえているような曖昧模糊。
例:自分の中のゴニャゴニャとしたものに、適切な、
ふさわしい問いのかたちを与えること。
文型: ~こと 【 N3 】 (p83 ・下 6)
【接続】 V [辞書形・ない形]+こと 例文
〇 図書館から借りた本は、一週間以内に返すこと。
〇 原稿の終わりには住所、氏名、年齢、職業を明記すること。
〇 この薬は、必ず食後 30 分以内に飲むこと。
〇 授業中は、友達と話さないこと。
〇 <問い>のかたちにして、しつこく考えてみようとすること。
→<問い>のかたちにして、しつこく考えてみなさい。
「~こと」と「~ことだ」の違い
【注意】
「〜こと」と「〜ことだ」は似ているが、まったく意味が違う文型な
ので間違えないようにしよう。
【まとめ】
・〜こと[意味] 〜ことだ・[意味]
〜しなさい・〜してはいけない 〜するのが一番いい
〜するのが最善だ
質問:「〈問い〉のかたちにして」 (p83 ・下 7) 考えることの
利点は何か、本文の言葉を使って説明しなさい。
少しずつ考えを進めていけるし、他の人の意見や本も参考
にできて、考える楽しみを何倍にも高めてくれる点。
( 問 7 の答
え)
質問:「結晶してきた」 (p83 ・下 4) とは、どうなってきたと
いうことか、本文の内容を踏まえて説明しなさい。
あれこれ感じてきたことが、「幸福とは何か」という問いに
絞られてきたということ。
( 問 8 の答
え)
質問:「自分の中にあってそれを問わせている何か」 (p84 ・
13) とはどういうものか、説明しなさい。
自分の中で、なぜその根本的な問いが問われなければな
らないのか、という動機。
( 問 9 の答え )
ニヒリズム (p84 ・下 5)
解説
真理・価値・超越的なものの実在やその既成の様態をことご
とく否定する思想的立場。
一般に無や空を主張する思想態度。仏教・老荘思想をはじめ
として古来から多くの形態がみられる。
特にヨーロッパ近代社会やキリスト教文明の根底に対する否
認の思想。一九世紀後半のロシアの文学思潮・革命思想、ニ
ーチェの哲学などに顕著。虚無主義。
飛 ぶ [ 自五 ] (p84 ・下 7)
意味 1 空中に浮かんで移動する。飛行する。
例 1 :鳥が空を~ぶ。
例 2 :救援ヘリが頭上を~でいった。
意味 2 大急ぎで、また、ある所へ行く。急行する。かけつける。
例 1 :特派員は時間が起こると世界のどこへでも飛んでいく。
飛ぶ [ 自五 ] (p84 ・下 7)
意味 3 一気に遠くまで至る。
例 1 :帰郷を前に思いはすでに故郷に飛んでいる。
意味 4 あったものが消えてしまう。
例 1 :年末になると、羽が生えたように財布からお金が飛んでい
く。
例 2 :大切なことをともに考え合っているという感覚が得られる
と
き、ニヒリズムはどこかに飛んでいってしまう。
質問:「考えること自体の豊か楽しさ」 (p83 ・ 7) の具体例を
すべて探し出してください。
だんだんハッキリしてきて、…中略…というとき、本当にうれしい。
また、「問い」の形にして、しつこく考えてみようとすること。…中略…それを考
えていくときの第一の材料は「自分」。
これは、考える楽しみを何倍にも高めてくれる。
自分と同じようなことを悩み、問うている人がいることに気づくと、すごくうれ
しい。
大切なことをともに考え合っているという感覚が得られるとき、ニヒリズムはど
こかに飛んでいってしまう。
第三段落のまとめ
第三段落 (⑨ ~⑯ ) 本論
不安や悩みの原因を突き止めるプロセス
• ║
「考える」ことのおもしろさを味わすプロセス
• ║
「哲学する」ことの楽しみを味わすプロセス
• ║
どう生きるべきかを考えるプロセス
本日の課題
不安や悩みの原因をどう突き止めるべきなのかを説
明しない。
第三時限
まとめ部分
学習目標
第四段落を読み、哲学の歴史について理解する。
学習活動と指導内容
1. 第四段落を指名音読する。
2. 悩みや苦しみを抱えたながらどう生きるべきかを考える。
第四段落
(かつての僕は、 p84 ・下 3 ~最後)
語句・文脈の解説
まとめ
課題
第四段落
語句・文脈の解説
第四段落の重要語句
ヘーゲル
ニーチェ
~なり
~べく
【ヘーゲル】 (p84 ・下 3)
ゲオルク・ヴィルヘルム・フリードリヒ・ヘー
ゲル( 1770 年~ 1831 年)は、観念論を代表
するドイツの哲学者。
ヘーゲルの哲学体系は、論理学、自然哲学、精
神哲学の 3 部門から成り、精神現象学がその序
論として先行するが、各部門はさらに弁証法的
に細分され、自然、歴史、倫理、芸術、宗教、
哲学など精神現象全般にわたる百科全書的哲学
体系が構築された。
【ニーチェ】 (p84 ・下 3)
ドイツの哲学者フリードリヒ・ニーチェ
( 1844 年~ 1900 年)は、数多くいる哲学
者のなかでも特に有名。
「神は死んだ」や「超人」、「ルサンチマ
ン」といった概念でよく知られており、その
反キリスト教的・反道徳的態度は、哲学者と
しては“異端”としか言いようがない。
文型: ~なり 【 N1 】 (p85 ・ 2)
例文
【接続】 V ・ A ・ AN ・ N[ 辞書形 ] +なり
【意味】 〜に見合った / 〜にふさわしい程度に
【解釈】 後ろに名詞が来る場合「〜なりの N 」、
後ろに動詞が来る場合「〜なりに V 」 となる。
例文
〇 子どもには子どもなりの世界があるのだから、大人が干渉しすぎるのはよくない。
〇 人にはそれぞれ、その人なりの生き方や生きがいがあっていいと思う。
〇 彼らは経験が浅いなりによく頑張ってやってくれる。
〇 料理は得意ではありませんが、それなりのものはできます。
〇 彼らはそこからしだいに自分なりの課題をかたちづくる。
→彼らはそこからしだいに自分にふさわしい課題をかたちづくる。
文型: ~べく 【 N1 】 (p85 ・ 4)
【意味】〜ために
【解釈】 目的を表す文型。文語の助動詞「べし」の連用形。
書きことば的なかたい表現として現代語でも使われる。
「ある目的をもってそうした」と言いたい時に使われる。
「する」は「するべく」と「すべく」の二つの形が使われ
る
が、「すべく」のほうがかたい感じがする。
例文
〇 会社の赤字を減らすべく、社員たちは必死に働いた。
〇 A 君は B 子さんとの結婚を許してもらうべく、何度も彼女の両親のもとを訪れた。
〇 一言鈴木さんに別れの言葉を言うべく彼のマンションを訪れたのだが、彼はすで
に出発したあとでした。
〇 彼女は新しい気持ちで再出発するべく、長野県の山村に引っ越していった。
〇 深く考えた答えを示すべく努力していった。
→深く考えた答えを示すために努力していった。
筆者は「かつて」 (p84 ・下 3) 真理はどこにあると思っ
質問:
ていたのか、本文中の言葉を使って 10 字以内で答えな
さい。
自分の向こう側。
( 問 10 の答
え)
質問:「でも、そのうちにわかってきた」 (p84 ・下 2) とあるが、現在
の筆者は「真理」とは何処にあるものだと考えているか。
自分の内側。
( 問 11 の答え )
第四段落のまとめ
第四段落 (⑰) 結論
「哲学」の歴史
║
人々がともに考え合い、お互いを勇気づけて
きた歴史
║
どう生きるかを絶えず教えてくれる学問
哲学の役割・意味
本日の課題
本文の要旨をまとめ、構成図を完成しなさい。
第四時限
アクティブ・ラーニング
学習目標
自分が関心のある事柄について、論理の展開を工夫し資料の一部
を適切に引用して、説得力のある批評文を書く。
学習活動と指導内容
1. 「批評」とは何かにについて知る。
2. 批評の観点を知る。
3. 批評を行う。
アクティブ・ラーニングのねらい
● 自分が関心のある事柄について、自分の立場や意見を明確にし
て批評する文章を書くことができる。
● 判断や評価の根拠とその理由を明らかにして、説得力のある批
評の文章を書くことができる。
● 評価するための語句や文末表現について理解することができる。
アクティブ・ラーニングのために
《学習課題と実践方法》
課題
1. 論理の展開を工夫し、資料を適切に引用するなどして、説得力のあ
る
文章を書く。
2. 社会生活の中で関心のあることについて批評文を書く。
学習活動と指導上の留意点
1. 社会生活の中で関心のある事柄を選択する。
2. 選択した事柄を観察・分析する。
3. 判断の根拠となる情報を集め、整理する。
4. 批評文を書く。